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    元スレレッド「一人に飽きた」

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    301 :

    俺のタマタマとディグダも試してみるかい?

    302 :

    ナナミ「どう?仲良くなれそうな子はいた?」

    リーリエ「えっ…あっ…その…」

    ロコン「コーン」すりすり

    サンド「ゴロゴロ」

    ナナミ「あら、だいぶ懐かれてるわね」

    ナナミ「その子たちをパートナーにする?」

    リーリエ「……」

    レッド「……」

    コトネ「決めるのはあんたなんだからこっち見ないの」

    303 = 302 :

    リーリエ「…はい!決めました!」

    リーリエ「よろしくお願いしますねロコン、サンド!」

    ロコン「コーン」

    サンド「ワーイ」

    リーリエ「ありがとうございます博士!」

    ナナミ「いいのよ、私あなたにがんばってほしいから」

    ナナミ「レッド君って実はけっこう子どもっぽいからちょっと大変かもしれないけどね」

    304 = 302 :

    コトネ「レッドさん、リーリエもこれでトレーナーですよ」

    コトネ「何するか言ってあげないと」

    レッド「……」

    レッド「今日は何もしない…」

    コトネ「えっ」

    レッド「今日は何もすることはない、まずはポケモンと仲良くなってもらわないと」

    コトネ「ああ、なるほど」

    コトネ「今日はその子たちと仲良くなることから始めて」

    リーリエ「はい、わかりました」

    コトネ「じゃあまた明日ね」

    305 = 302 :

    ヤマブキジム

    ナツメ「くちゅん…!ズズッ…」

    コトネ「ナーツーメーさーん、ただいまでーす」

    ナツメ「あれ、早いわね、おかえり」

    レッド「ただいま」

    ナツメ「おかえりなさい」

    ナツメ「ちゃんと仕事らしいことした?」

    レッド「う…うん…」

    ナツメ「えらいわレッド、さすがね」

    コトネ(レッドさんほとんど何もしてないけど黙っとこ…)

    306 = 302 :

    翌日

    レッド「……」むくっ

    レッド「ふわーあ…」

    ナツメ「ごほっごほっ…」

    レッド「ナツメ?」

    ナツメ「あ…レッド…ごほっ…おはよ…くしゅん!」

    レッド「だ、大丈夫…じゃなさそうだね…ど、どうしよう…」おろおろ

    ナツメ「気にしないで…大丈夫よ…ごほ」

    ナツメ「ただ頭と喉が痛いだけだから」

    レッド「風邪じゃん!大問題だよ!」

    307 = 302 :

    ナツメ「大げさよ、このぐらいなんともないって」むくっ

    レッド「だめだよ!寝てなきゃ!」

    レッド「そんなのでジム行ったら…」

    ナツメ「あの…トイレ…」

    レッド「それなら俺も一緒に!」

    ナツメ「え?」

    レッド「ん…?」

    レッド「!」

    レッド「い、いやっ!違う!そういうつもりじゃなくて…」

    308 = 302 :

    ナツメ「とにかく私のことは大丈夫だから、あなたはあの子育てなきゃいけないでしょ」

    ナツメ「そっち行っていいわよ」

    レッド「でも…」

    ナツメ「これでも大人なのよ、一人で大丈夫」

    レッド「うん…」

    レッド「あ、そうだコトネちゃん呼ぶわ」

    ナツメ「でもそれだとあなたがあの子と…」

    レッド「もしもし、コトネちゃん?」

    ナツメ「…まあいいかな」

    310 :

    コトネ「うえええええーんナツメさんしなないで~!」

    ナツメ「……」

    ナツメ「いや…ただの風邪だって」

    コトネ「でも…でも…ぐすっ」

    ナツメ「どういう伝え方したの」

    レッド「緊急でナツメが危ないって」

    ナツメ「そんな言い方したらコトネに悪いでしょ」

    ナツメ「こんな朝早いのにわざわざ来てもらって」

    レッド「うん…ごめん…」

    311 = 310 :

    コトネ「まあまあナツメさん、レッドさんは心配して…」

    ナツメ「…私のことを心配してくれるのはうれしいんだけどね」

    ナツメ「コトネのことも考えてあげないと」

    コトネ「ナツメさんに何かあればいつでも、世界中のどこにいても駆けつけるつもりなんですから」

    ナツメ「…頼もしいわね」

    コトネ「当然じゃないですか~」

    コトネ「まだこんな時間ですし病院行ってないですよね、行きましょう」

    312 = 310 :

    レッド「じゃあ俺も行くよ」

    ナツメ「あなたはあの子のところ行かないと」

    ナツメ「せっかくの仕事ができたんだし」

    レッド「うん…」

    コトネ「ナツメさんは私にまかせてください」

    レッド「うん…」

    313 = 310 :

    2時間後

    ナツメ「ごほっごほっ…」

    コトネ「まだただの風邪でよかったですね」

    ナツメ「まあそうね」

    ナツメ「もう私のことはいいから、時間あるならレッドの方行ってあげて」

    コトネ「いいですけど、ちゃんと帰れます?」

    ナツメ「私何歳だと思ってんのよ…」

    コトネ「じゃあ真っすぐ帰ってちゃんと寝ててくださいよ」

    ナツメ「はいはい」

    314 = 310 :

    ナツメ「レッド大丈夫かな…」

    ナツメ「行ってきなさいって言ったけどコトネが行くまであの子と一対一なのよね」

    ナツメ「レッドには悪いことしたなぁ…」

    ナツメ「あの子にもレッドが何言いたいか伝わりにくいだろうし」

    ナツメ「ごほっ…くしゅん」

    ナツメ「ズズッ…」

    ナツメ「……」

    ナツメ「あれ?鍵が…」

    ナツメ「あっ…私の分コトネに持たせたままだった…」

    ナツメ「戻ってきてもらうのもあれだし…ジムに予備とりに行くしかないか…」

    315 = 310 :

    ヤマブキジム

    ナツメ「ごほっ…ん?」

    キョウヘイ「んー…どう見てもジム閉まってるな…どうしよう」

    ナツメ「キョウヘイ君?」

    キョウヘイ「ナツメさん、ちょうどよかった」

    キョウヘイ「来てみたらジム閉まってて、今から電話しようと思ったとこなんです」

    ナツメ「ちょっと風邪ひいちゃって、レッドとコトネが大げさに言って今日は休みなの」

    キョウヘイ「ああ、それでマスクしてるんですね」

    316 = 310 :

    ナツメ「悪いけど今レッドいないのよ、ごめんね」

    キョウヘイ「いえ、今日はレッドさんと勝負がしたいんじゃなくてコトネさんに」

    ナツメ「コトネとバトルがしたいの?」

    キョウヘイ「僕そんなバトル脳じゃないです」

    ナツメ「メイちゃんのときはけっこうバトルバトルって言ってるイメージあるけど」

    キョウヘイ「彼女はそうかもしれませんが僕は違いますよ」

    ナツメ「変わった言い方するのね、まるで他人のことみたいに」

    キョウヘイ「……」

    317 = 310 :

    ナツメ「……」

    キョウヘイ「……」

    ナツメ「ごほごほっ…ごほっ」

    キョウヘイ「大丈夫ですか?」

    ナツメ「ええ…」

    ナツメ「君の正体は今は置いといて、コトネに用があったのよね」

    ナツメ「常にこのジムにいるわけじゃないんだけどね…」

    ナツメ「後で帰ってくるから伝えとくわ」

    キョウヘイ「いやこれは直接…いないならまた…」

    318 = 310 :

    ナツメ「あ、夕方ぐらいには帰ってくると思う、その時はどう?」

    キョウヘイ「そうですか」

    キョウヘイ「じゃあ7時ぐらいにコトネさんに来てもらっていいですかね」

    ナツメ「伝えとくわ、じゃあね」

    キョウヘイ「はい、風邪早く治してくださいね」

    ナツメ「明日には治ってるから心配しなくていいわよ」

    キョウヘイ「何があるかわかんないじゃないですか」

    ナツメ「わかるわよ、未来予知でね」

    319 = 310 :

    キョウヘイ「未来予知だなんて、そんな超能力みたいな」

    ナツメ「だって私超能力者だもの」

    キョウヘイ「え…」

    ナツメ「未来予知だけじゃないわ、透視、浮遊、瞬間移動…」

    ナツメ「読心だってできる…」

    ナツメ「そうね…君がどうしてメイちゃんのことを他人のような言い方をしたのか見てみようか?」

    キョウヘイ「た、他人じゃないですよ~」

    ナツメ「……」

    キョウヘイ「……」

    ナツメ「ふふっ冗談よ、そんなことできる人間なんているわけないじゃない」

    ナツメ「またね」

    メイ「…怖い人だね」

    キョウヘイ「うん…」

    320 :

    カントーのどっか

    たんぱんこぞう「キャタピー、いとをはく!」

    リーリエ「ロコン、火の粉です!」

    ロコン「コン!」ボッ

    キャタピー「ギャプー」

    たんぞう「ああっキャタピー!!」

    リーリエ「やりましたねロコン!」

    ロコン「コーン(*^▽^*)」ボフウッ

    リーリエ「……」ぷすぷす

    リーリエ「お…お疲れ様です…交代です…」

    321 = 320 :

    たんぞう「いでよ!我が手持ちにて最強かつ美しきしもべ!ポッポ!」

    リーリエ「サンド!お願いします!」

    サンド「サーン(*^▽^*)」ピョーン どすっ

    リーリエ「ぐふっ」

    リーリエ「私じゃなくてあっちです…」

    サンド「クゥーン(´・ω・`)」

    リーリエ「がんばったらちゃんとご褒美がありますよ」

    サンド「サンッ(`・ω・´)」

    322 = 320 :

    リーリエ「丸くなってころがるです!」

    サンド「テーイ」コロコロ ドーン

    ポッポ「グギャアアアアアアアアアアアアアアアアア」

    たんぞう「ば…ばかな…」

    リーリエ「やったぁ」

    サンド「ワーイ(*´▽`*)」ぴょーん どすっ

    リーリエ「がは…っ」どさっ

    リーリエ「が…がんばりましたね…サンド…」なでなで

    サンド「サンサン(^^♪」すりすり

    323 = 320 :

    コトネ「すごいすごーい」

    コトネ「初めてなのに勝っちゃったじゃない!」

    リーリエ「この子たちががんばってくれたおかげです」

    コトネ「今のどうでした?」

    レッド「よかった…」

    コトネ「ほらレッドさんもすごくよかったって言ってるよ」

    リーリエ「ありがとうございます!」

    レッド「……」

    324 = 320 :

    レッド「じゃあ今日は終わり…」

    コトネ「えっもう終わりですか!?」

    レッド「うん」

    コトネ「…こんな早く終わってたらナツメさんに怒られるんじゃないですか」

    レッド「怒られはしないでしょ…」

    コトネ「あの子を一人前のトレーナーにすることがレッドさんの仕事なんですからちゃんとやらないと」

    レッド「それはわかってるけどさ…」

    レッド「さっきの見てたらもうあれじゃないのかな」

    コトネ「あれじゃないです、まだまだです」

    325 = 320 :

    夕方・マサキの家

    リーリエ「今日もありがとうございました」

    レッド「……」こく

    コトネ「また明日ね~」

    レッド「…さて、帰ろうか」

    コトネ「はい」

    マサキ「おーい、レッドちょっと待ってくれ」

    レッド「……」

    マサキ「相変わらず無反応やな…」

    マサキ「まあええわ…ルザミーネさんから話があるんや、ちょっと来てくれや」

    レッド「……」

    326 = 320 :

    リーリエ「お母様、起きていて大丈夫なのですか…?」

    ルザミーネ「ええ…問題ありません」

    ルザミーネ「レッドさん、リーリエのこと…ありがとうございます」

    レッド「……」

    ルザミーネ「リーリエは自分のポケモンを持つことができ、私から見てもとてもうれしそうです」

    ルザミーネ「それまでは私のことばかり心配させてしまって悪いと思ってました…」

    ルザミーネ「今のこの子には私がいない方が良いと考えています」

    リーリエ「お、お母様!?言っている意味がわかりません…!どういうことですか」

    ルザミーネ「そのままです、もうウツロイドの毒はなくなりました、あとは体力を回復させるだけ」

    ルザミーネ「これ以上マサキさんに迷惑はかけられません、回復だけならエーテルで十分です」

    327 = 320 :

    リーリエ「では…エーテルに帰るのですか…?」

    ルザミーネ「あなたはまだここに残りたいでしょ」

    ルザミーネ「これまでいろいろあったけれど、それでも私はあなたの母親…」

    ルザミーネ「あなたがどうしたいかぐらいわかるつもりよ」

    ルザミーネ「レッドさん…そこであなたにお願いです」

    ルザミーネ「リーリエを預かっていただけませんか」

    ルザミーネ「もちろんただでとは言いません、ちゃんとお礼もさせていただきます」

    レッド「……」

    コトネ「どうするんですか?返事しないとだめですよ」

    レッド「ナツメがどういうか…」

    328 = 320 :

    マサキ「別にこのままわいのところでリーリエちゃん預かっとてもええねんけど」

    ルザミーネ「いえ、これいじょうマサキさんに迷惑はかけれません」

    マサキ「いや、迷惑やなんて…」

    ルザミーネ「……」

    リーリエ「マ、マサキさん、ちょっとすいません」

    マサキ「ん?どないしたん?」

    リーリエ「あの状態のお母様は絶対意見は変えません…」

    リーリエ「これはビッケさんから聞いた話ですが、お母様は昔切れたナイフの異名を持っていたそうです」

    リーリエ「マサキさんのおかげで毒は消えましたが、まだ完全ではないとおっしゃってたじゃないですか」

    リーリエ「何かの拍子に再発してしまってはどうしようもありません…」

    リーリエ「素でも切れたナイフが出てきますからね…」

    リーリエ「なのであまりお母様に真逆の意見を言うのは…」

    マサキ「あ…ああ…うん…そう…やな」

    329 :

    お母様出川説

    330 :

    ポンコツやないかい!

    332 :

    切れたナイフってなんか聞いたことあるなーと思ったら

    333 :

    レッド「とりあえず明日…」

    コトネ「レッドさんも相談したいみたいなので、このことはまた明日でお願いします」

    ルザミーネ「わかりました、お願いしますね」

    コトネ「では私たちはこれで」

    ルザミーネ「……」

    リーリエ「あの…お母様?」

    リーリエ「もしレッドさんに断られてしまった場合はどうするのですか」

    ルザミーネ「その時は…」

    マサキ「そん時は引き続きわいの家で」

    ルザミーネ「……」

    マサキ「なんでもないです…」

    334 = 333 :

    マサキ(わいそんな嫌われとんか…)

    マサキ(確かに変な妄想はしたことあったよ…)

    マサキ(でもしゃあないやん)

    マサキ(こんな美人の親子やもん…妄想ぐらいするよ…)

    マサキ(親子丼とか…)

    マサキ(いや…!頭ん中だけやでそんなもん)

    マサキ(表には出してないはずやのに)

    マサキ(むしろ何年も同じ屋根の下で過ごしとんのに何もせんかった精神力は褒められるもんやのに)

    マサキ「……」

    マサキ「あれ…最初からあんな感じで見られとったかな…」

    335 = 333 :

    ナツメの家

    レッド「ただいまー」

    コトネ「相変わらず家と外でのテンションの差がすごい…」

    ナツメ「おっかえりー」

    コトネ「あーナツメさん!寝てなきゃだめって言ったじゃないですか!」

    ナツメ「もう全然平気よ、お薬も飲んだし」

    コトネ「そんな簡単に治らないでしょ」

    ナツメ「治そうという気持ちでどうとでもなるのよ」

    コトネ「…ならいいですけど」

    コトネ「そうだ、あのことナツメさんに聞くんでしょ」

    レッド「え、もう?」

    コトネ「何事もはやめに言っておく方がいいじゃないですか」

    レッド「うん…」

    レッド「ナツメ、相談があるんだけど」

    336 = 333 :

    ナツメ「ふーん…あの子をねぇ」

    レッド「どうかな」

    ナツメ「あなたはどうしたいの?」

    レッド「俺?俺は…まあ、預かっても」

    ナツメ「そう、じゃあOK」

    レッド「そんなあっさり…いいの?」

    ナツメ「もちろん」

    レッド「あ…ありがとう」

    337 = 333 :

    ナツメ「あ、もうこんな時間、忘れるとこだった」

    ナツメ「コトネ、キョウヘイ君が7時にジムに来てくれって」

    コトネ「え~嫌です…」

    ナツメ「別にいいじゃない、そんな嫌がらなくても」

    コトネ「だってあともう5分ちょっとしかないじゃないですか」

    ナツメ「ここからジムまで1分ぐらいで行けるでしょ」

    コトネ「あいつ私に何の用があるんですか?」

    ナツメ「あー…それは聞いてなかったなぁ」

    レッド「行くだけ行ってあげたら?」

    コトネ「レッドさんまで…わかりました」

    コトネ「行って今日はもうそのまま帰ります」

    338 = 333 :

    ヤマブキジム

    コトネ「……」

    コトネ「あいつ来ないじゃん…」

    コトネ「もうあと1分もないし…」

    コトネ「……」

    コトネ「……」

    コトネ「……」

    コトネ「はい時間切れ、自分から来いって言っておいて時間守らないとか…」

    コトネ「……」

    コトネ「何かあったのかな…」

    339 = 333 :

    5分後

    コトネ「……」

    コトネ「やっぱ遅いな…何か…事故とかにまきこまれたりして…」

    コトネ「!」ぴくっ

    トウヤ「あ、ここか、やっと見つけた」

    トウヤ「キョウヘイ君ジムに来てくれって一体何」

    コトネ「遅い!」ゴッ

    トウヤ「がっ!?」

    トウヤ「……」どさっ

    コトネ「!?」

    コトネ「あ、あれ!?キョウヘイじゃない!」

    340 = 333 :

    コトネ「ど、どうしよう…」

    コトネ「キョウヘイだと思ってリングマを倒した時のような真空飛び膝蹴りいれちゃった…」

    トウヤ「……」

    コトネ「白目むいてる…」

    コトネ「まさか…」

    コトネ「……」

    コトネ「よかった…生きてはいるみたい」

    コトネ「でも全然起きそうにないな…」

    コトネ「とりあえずこんなところ見られるわけにはいかないし、ジムの中へ…」

    341 = 333 :

    30分後

    トウヤ「うう…んんー…」

    トウヤ「あれ?どこここ…」

    トウヤ「すいませーん、誰かいませんかー」

    コトネ「よかったー、目が覚めたのね…」

    コトネ「あのまま起きなかったらどうしようかと思った…」

    トウヤ「あの…一体何があったんですか?」

    トウヤ「それにここは…何も覚えてなくて…」

    トウヤ「あっ、あなたは前にメイちゃんと一緒にいた人ですよね」

    コトネ「混乱してるだろうけど一気に言わないで」

    342 = 333 :

    コトネ(どうやら私がやったことは覚えてないみたいね…)

    コトネ「そうね…何から言おうかな」

    コトネ「まずここはヤマブキジムの中よ」

    コトネ「私にもあなたに何があったかはよくわからないけど、ジムの前で倒れてたの」

    トウヤ「ジムの前で…」

    コトネ「そうジムの前で」

    コトネ「それでそのままにしとくのはいけないと思って、とりあえずジムに運んだの」

    トウヤ「そうだったんですか…」

    トウヤ「ありがとうございます、あなたはとてもやさしい方なんですね」

    コトネ「うっ」

    コトネ(心が痛む…!)

    343 = 333 :

    トウヤ「あれ、どうしました?」

    コトネ「い、いや…何も…」

    コトネ「そうだ、あなたは覚えてることないの?」

    トウヤ「えー…ヤマブキジムの前でキョウヘイ君と待ち合わせしてて…」

    トウヤ「それで行こうとしたはいいけど、道に迷っちゃって…」

    トウヤ「やっと見つけたと思ったら…」

    トウヤ「そうだ、なんかすごい衝撃を受けて…」

    トウヤ「気がついたらここに」

    コトネ「そ、そう…」

    344 = 333 :

    コトネ「ま…まあ原因はよくわかんないけど、無事でよかったじゃない」

    トウヤ「……」

    トウヤ「そうですね、助けてくれてありがとうございます」

    コトネ「お、お礼なんていらないわよ…」

    トウヤ「いや、何かしないと…」

    トウヤ「あ、キョウヘイ君ってきました?」

    コトネ「あー…そういえば私もあいつに呼ばれてたんだった…」

    コトネ「来てないわね」

    トウヤ「何かあったのかな、ちょっと電話してみます」

    345 = 333 :

    プルルルルル

    メイ『はい、もしもーし』

    トウヤ「キョウヘイ君…じゃないな、メイちゃんか」

    トウヤ「今どこ?ジムじゃないよね…?」

    メイ『はい』

    トウヤ「はいって…」

    メイ『コトネさんは来てます?』

    トウヤ「コトネさん?ちょっと待って」

    トウヤ「あの…コトネさんですか?」

    コトネ「うん、そうだけど」

    トウヤ「うんいるよ、だとしたらずっと待っててくれてたんだよ」

    346 = 333 :

    メイ『いやーごめんなさい、ちょっと急用が入っちゃって』

    トウヤ「だとしたらもっと早く言ってよ」

    メイ『すいません』

    トウヤ「はぁー…わかったもう来ないんだね」

    トウヤ「今度から気をつけてよ、じゃあね」

    メイ『はーい』

    トウヤ「どうやら来ないみたいです」

    コトネ「そう、今度会ったらボコボコにしないと」

    トウヤ「暴力はよくないですよ」

    コトネ「じゃあ暴力と言わない程度でボコボコに」

    347 = 333 :

    トウヤ「あの…」

    コトネ「ん?」

    トウヤ「今から時間空いてます?」

    コトネ「別に空いてるっちゃ空いてるけど」

    トウヤ「助けてくれたお礼がしたいので食事でもどうです?」

    コトネ「だ、だからお礼なんて」

    トウヤ「お願いします」

    コトネ「……」

    コトネ「わかった…」

    トウヤ「何か食べたいものあります?」

    コトネ「……」

    コトネ「じゃああそこのマグドカルゴで」

    348 = 333 :

    コトネ「……」もぐもぐ

    トウヤ「……」じーっ

    コトネ「どしたの?」

    トウヤ「い、いや…なんでも…//」

    コトネ「……」

    トウヤ「ほんとありがとうございました」

    コトネ「まだ言ってんの?もういいって」

    トウヤ「倒れてるからって介抱してくれるなんて、いい人ですね」

    コトネ「そ、そりゃそんなの見捨てられないでしょ」

    コトネ(病院につれてってもし私がやったのがバレたら嫌だったからなんだけど…)

    349 = 333 :

    コトネ「でも私は君が思ってるようないい人じゃないよ」

    トウヤ「でも悪い人じゃないでしょ」

    コトネ「……」

    コトネ「君もね」

    トウヤ「そう言われるとうれしいね」

    コトネ「…さて、ありがとね、私そろそろ帰るわ」

    トウヤ「送ろうか?」

    コトネ「大丈夫、家ジョウトだからちょっと離れてるの、そんなとこまで来てもらうのは悪いわ」

    コトネ「むしろ私が君を送ろうか?」

    トウヤ「え?どうして」

    コトネ「坊やだからさ」

    トウヤ「……」

    トウヤ「いや、大丈夫」

    350 :

    翌日 ナツメの家

    レッド「え?ナツメもついてくるの?」

    ナツメ「うん」

    レッド「ジムは?」

    ナツメ「いいのいいの気にしなくて」

    レッド「そうなの…?」

    ナツメ「あなた一人だと心配だってのもあるしね」

    レッド「そんな子どもみたないな扱いしないでよ」


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