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    801 = 796 :

    ナツメ「それを使えば…」

    エリカ「ええ、今ナツメさんが考えているような効果があります」

    ナツメ「い、いや…私は別に…レッドに使おうとは…」

    エリカ「あらあら、誰もレッドさんなんて言ってませんよ」

    ナツメ「っ!」

    エリカ「でもレッドさんに使っても効果はないと思いますよ」

    ナツメ「えっどうして?」

    エリカ「それはもうすでにレッドさんがナツメさんに惚れてるからです」

    エリカ「ですからナツメさんには無意味ですね」

    ナツメ「…じゃあなんで見せたの」

    エリカ「こういうものがあるという例の一つです」

    802 = 796 :

    エリカ「今のナツメさんにちょうどいいものは…」

    エリカ「えっとこの辺だったはず」

    エリカ「あった」

    エリカ「あら、一つ減ってる」

    エリカ「グリーンさんたらまた勝手に持ち出して、今夜はお仕置きが必要ですね」

    ナツメ「……」

    エリカ「さて、お待たせしました」

    エリカ「これをどうぞ」

    ナツメ「これは…何の薬?」

    エリカ「睡眠薬です」

    ナツメ「……」

    803 = 796 :

    ナツメ「あの…エリカ?」

    ナツメ「どういうつもり?」

    エリカ「この睡眠薬は超安眠効果があり、ちょっとやそっとじゃ起きません」

    エリカ「さらに疲労回復、精力増強効果もあります」

    エリカ「これを使えばレッドさんにバレることなく襲えますよ」

    エリカ「練習のためにはこれがちょうどいいのではないでしょうか」

    ナツメ「だからエリカ…そういうことじゃなくて」

    エリカ「ああ大丈夫ですよ、キレイハナやドレディアの眠り粉などを調合して作ったものですから人体には無害ですよ」

    エリカ「そんなに使わないかもしれませんが、なくなったらまたいつでもあげますよ」

    804 :

    二人ともすっきりして朝を迎えるわけだ

    805 :

    ヤマブキシティ

    ナツメ「……」

    ゴツンッ

    ナツメ「いっ…たぁ…!」

    リーリエ「大丈夫ですか!ナツメさん!?」

    ナツメ「リーリエ?いつのまに」

    リーリエ「けっこう前からついて来てましたよ」

    リーリエ「それなのに何か考え込んでるようで声をかけても反応がなかったのでそのまま」

    リーリエ「最終的には電柱に頭をぶつけるなんて」

    リーリエ「手があいていれば止められたのですが…」

    リーリエ「よくここまで無事でしたね…」

    806 = 805 :

    リーリエ「何かあったのですか?」

    ナツメ「ううん、何も」

    ナツメ「それより買い物ありがとね」

    ナツメ「両手いっぱいに持って重いでしょ、私も持つわ」

    リーリエ「すいません、ありがとうございます」

    ナツメ「いいのいいの」

    ナツメ(そうよ、考えたらうちにはリーリエちゃんがいるじゃない)

    ナツメ(この子がいたらそういうことはできないし、エリカには悪いけど使わないでおこう)

    リーリエ「あの、ナツメさん」

    リーリエ「さっきオーキド博士(ナナミ)から連絡があったんです」

    リーリエ「今日泊まりで私のような初心者トレーナーを集めて勉強会をするから来ないかって言われたんです」

    リーリエ「急な話なのですが行ってもいいですか?」

    ナツメ「あ…うん、いいと思うけど…」

    807 = 805 :

    ナツメ「じゃあ今日の夜いないってことか…」

    リーリエ「はい」

    ナツメ「……」

    リーリエ「すいません、予定を変えちゃって…」

    ナツメ「い、いやいいのよ、まだ何にもやってないし」

    ナツメ「リーリエちゃんはせっかくなんだから勉強のこと考えてればいいの」

    ナツメ「何時からって言ってたの?帰ったら送ってあげる」

    ナツメ「レッドが」

    808 = 805 :

    ナツメ「ただいまー」

    レッド「あ、やっぱり二人でどっか行ってたんだ」

    ナツメ「ねえレッド、リーリエちゃんをオーキド研究所に連れて行ってあげて」

    レッド「ん?何かあるの?」

    ナツメ「博士のところでいろいろ教えてもらえるんだって」

    ナツメ「泊まりだから荷物もちょっと多いし、あなたのポケモンで連れて行ってあげてよ

    レッド「泊まり?じゃあ今夜はリーリエいないのか」

    レッド「……」

    レッド「ってオーキド研究所!?マサラタウンじゃん」

    ナツメ「何よ、そんなに驚いて」

    レッド「む、無理だ、まだそんな準備ができてない」

    レッド「明日…せめて明日」

    ナツメ「なんで明日なのよ、今からって言ってるでしょ」

    809 = 805 :

    レッド「じゃあリザードンだけ」

    ナツメ「そんなに嫌なの?」

    レッド「ちょっと嫌かな…」

    ナツメ「じゃあ私がリザードンに乗って行ってもいい?」

    ナツメ「さすがにリーリエちゃんだけってのは危ないし」

    ナツメ「その代わり晩御飯がちょっと遅くなるけど」

    レッド「うんいいよ」

    ナツメ「ありがと」

    ナツメ「あなたのリザードンならすぐ帰ってこれるだろうからちょっと待っててね」

    810 = 805 :

    30分後

    ナツメ「ただいま」

    レッド「おかえり」

    レッド「リザードンもお疲れ、休んでくれ」

    ナツメ「……」

    レッド「……」

    ナツメ(まさかエリカからあんなものもらった日にチャンスがくるとは…)

    ナツメ(チャンスっていうと待ってましたみたいになっちゃうけど…)

    レッド(リーリエがいるから絶対使えないと思ったが…)

    レッド(どうする…使うべきなのか?)

    レッド(今日を逃せばもうほとんど機会はないだろうし…いやでも…)

    811 = 805 :

    夕食

    ナツメ「……」

    レッド「……」

    ナツメ「……」

    レッド「……」

    ナツメ(どうする…入れる…入れない…)

    レッド(入れようと思っても全然スキがないし…)

    ナツメ(あっ作ってるときに入れればよかった)

    ナツメ(…でもなんだかそれだと毒を盛るような図になっちゃうか)

    ナツメ(それに食事中に寝られても困るか)

    812 = 805 :

    レッド「どうしたの?黙りこんで」

    レッド「調子悪いの?」

    ナツメ「そ、そんなことないよ」

    ナツメ「そういうあなたこそ全然しゃべらないじゃない」

    ナツメ「もしかしておいしくなかった…?」

    レッド「いやいやいやいやそんなわけないじゃん」

    ナツメ「ほんと?」

    レッド「うん」

    ナツメ「よかった」

    813 = 805 :

    2時間後

    ナツメ「……」

    ナツメ「よし…決めた」

    レッド「ふぅ…さっぱりした」

    ナツメ「ねえレッド、お風呂上りにちょっと飲まない?」

    レッド「ん、ああいいよ」

    レッド(お酒か…)

    レッド「……」

    ナツメ「どうしたの?こっち来なさいよ」

    レッド「ちょっとその前にトイレ行ってくる」

    レッド「……」

    814 = 805 :

    レッド「なんか珍しいね、こうして二人で飲むなんて」

    ナツメ「リーリエちゃんがいるとこういうことはいつもいつでもってわけにはいかないからね」

    レッド「それもそうだな」

    ナツメ「……」

    レッド「……」

    ナツメ「ん?なんだろあれ」

    レッド「どれのこと?」

    ナツメ「……」サッ

    ナツメ「あー、気のせいだったみたい」

    ナツメ「さあどんどん飲んで」

    815 = 805 :

    ナツメ(どれぐらいの時間で効きだすんだろ…)

    ナツメ(そういえば全然聞いてなかったな…)

    レッド「…メ」

    レッド「ナツメ」

    レッド「ねえナツメってば」

    ナツメ「はっ」

    ナツメ「な、なに?」

    レッド「ボーッとしちゃって、もしかして眠くなったの?」

    ナツメ「ううん、そんなことないよ」

    レッド「ならいいけど」

    レッド「あの、悪いんだけど氷とってきてくれない、もうちょっと欲しくて」

    ナツメ「うん、わかった」

    816 = 805 :

    レッド「……」

    レッド「……」サッ

    ナツメ「これぐらいでいい?」

    レッド「ありがと」

    レッド「あれ、ナツメあんまり飲んでないじゃん」

    ナツメ「ああ、飲むよ」

    レッド「……」じーっ

    ナツメ「?」

    ナツメ「どうしたの、私の顔に何かついてる?」

    レッド「いや、なんにも」

    817 :

    良いところで切れて乙

    818 :

    盛り合ってしまったか

    819 :

    翌日

    レッド「ぐー…ぐー…」

    ゴロン どさっ

    レッド「くっ…つ~」

    レッド「……」

    レッド「あれ…?」

    レッド「俺いつの間にこんなとこで寝てたんだ…?」

    レッド「…今何時だろ」

    レッド「えっと携帯…携帯…」ペタペタ

    むにゅ

    レッド「ん?なんだこの柔らかくてあったかいものは…」

    820 = 819 :

    ナツメ「すやすや…」

    レッド「……」もみもみ

    ナツメ「んっ…んん…すー…すー…」

    レッド「……」

    レッド「……」

    レッド「……」

    レッド「!?!?!?!?!?!?!?!?////」

    レッド「ちちちちちちちがっ違うんだ!これは事故なんだ!」

    レッド「あっ…お、思い出した…」

    レッド「昨日の夜にナツメにグリーンからもらった薬を飲ませてそれから…」

    レッド「それから?」

    821 = 819 :

    ナツメ「んー…何ようるさいなぁ…」むくっ

    レッド「な…はっ…その…」

    レッド「おっ…おはよ…」

    ナツメ「ってあれ?どうして私ここで寝てたの?」

    レッド「!」ギクッ

    レッド「い、いや…それは…」

    ナツメ「えっと…たしか昨日…」

    ナツメ「!」

    ナツメ(レッドの飲み物の中に睡眠薬を入れて…)

    ナツメ(その後は…あれっ?記憶がない…)

    ナツメ「……」

    レ・ナ「あ、あの…」

    レッド「……」

    ナツメ「……」

    822 = 819 :

    レッド「なに?」

    ナツメ「あなたこそ、どうしたの?」

    レッド「あー…俺の方はたいしたことじゃないんだ、先に言って」

    ナツメ「私もいつでもいいことだから後でいいよ」

    レッド「じゃ、じゃあちょっと聞きたいんだけど…」

    レッド「昨日の夜飲んでた後のこと覚えてる?」

    ナツメ「あ…あの後?そ、そうね~どうだったかな…」

    ナツメ(な、なんでそんなことを!?)

    ナツメ(もしかして昨日の私がやったことがバレてる!?)

    ナツメ(でもエリカはちょっとやそっとじゃ起きないって言ってたのに…)

    レッド「そ…そうか、実は俺もよく覚えてなくてさ」

    レッド「二人ともここで寝ちゃってたし飲みすぎだったのかな、は…ははっ」

    823 = 819 :

    レッド(よかった…どうやらナツメは昨日のことを覚えてないみたいだ)

    レッド(つーか俺も覚えてないけど…)

    レッド(そもそも昨日何かあったのか…?)

    レッド(見たところ二人とも衣服のズレすらない…)

    レッド「あ、そうだ、ナツメも何か言おうとしてたじゃん」

    ナツメ「んー…そのことならもういいよ」

    レッド「えー、なんで?気になるじゃん」

    ナツメ「…じゃあ今日の夜もまた昨日と同じようにちょっとだけ飲まない?」

    レッド「うん、いいよ」

    レッド(今日こそちゃんと起きといてやる…)

    824 = 819 :

    レッド「あっそうだ…」

    レッド「なあお願いがあるんだけど…」

    ナツメ「何?」

    レッド「…俺と一緒にマサラタウンの実家に来てくれないか?」

    レッド「その…母さんに会うから…」

    ナツメ「えっ!?そっ…お、おおおおおおお母様に挨拶なんてそんな…まだっ」

    レッド「頼むよ!ナツメしかいないんだ!」ガシッ

    ナツメ「…そ、そこまで言うのなら来週にでも行きましょうか」

    レッド「いや、今日」

    ナツメ「今日!?」

    825 :

    数時間後・マサラタウン

    レッド「……」

    ナツメ「久しぶりに家に帰るってのにそんな顔して」

    ナツメ「嫌ならやめた方がいいんじゃない?」

    ナツメ「無理はよくないわ」

    レッド「……」

    レッド「いや、こればっかりは逃げるわけにはいかない」

    ナツメ「そう…」

    ナツメ「でもそういうのは私の後ろでこそこそせず前に出て堂々と言うべきだと思うよ」

    レッド「……」

    826 = 825 :

    ナツメ「ふふっあなたでも怖いものはあるのね」

    レッド「別に怖いわけじゃないけど…」

    ナツメ「私はあなたのことをよくわかってるつもりよ」

    ナツメ「あなたがどういう人かも」

    ナツメ「だから強がってもダメ」

    ナツメ「連絡も一切していない親に10年ぶりに会うとなって怖くない人の方が珍しいと思うし、変じゃないから」

    レッド「そうかな…」

    ナツメ「でも安心してあなたには私がついてるでしょ」

    レッド「ナツメ…」

    ナツメ「といっても別に魔王の城に行く勇者じゃないんだし」

    ナツメ「ただ家に帰るだけでしょ、もうちょっとリラックスはしなさいよね」

    827 = 825 :

    レッド「…そうだな」

    レッド「うん、ナツメの言う通りだ」

    レッド「ただ家に帰るだけだもんな」

    ナツメ「そうそう」

    レッド「…ただ帰る」

    レッド「あ…うーん…」

    レッド「な、なあ…」

    ナツメ「まだ何かあるの?言ってみなさい」

    レッド「久しぶりに会う母さんに見栄を張りたいわけじゃないけど…」

    レッド「母さんに会う間だけでいいからさその…」

    レッド「お、俺の…俺の…かっ…かこっ…かにゃ…かにゅ…」

    ナツメ「何?新しい言語?」

    レッド「俺の彼女…の役…や、やって…くれないか?」

    828 = 825 :

    ナツメ「なんだそんなこと」

    ナツメ「それぐらいのことならスッと言ってくれれば…」

    ナツメ「!?」

    ナツメ「レ…レレ…レッドの…!」

    レッド「やってもらっていい?」

    ナツメ「私がレッドの…」ぶつぶつ

    レッド「ねえ聞いてる?」

    ナツメ「はい私でよければ!」

    レッド「ありがとう」

    829 = 825 :

    レッドの家

    ナツメ「なんか私まで緊張してきた…」

    レッド「どうして?」

    ナツメ「だ…だって今はあなたのこ、恋人だから…」

    レッド「……」

    レッド「なあ…もし…もしナツメさえよければだけど今だけじゃなくてこれからもずっと」

    赤母「あら?どちら様?」

    レッド「!」サッ

    ナツメ「ちょっと、なんで私の後ろに隠れるのよ」

    レッド「いや急すぎるって…もうちょっと心の準備させてほしいもん」

    830 = 825 :

    赤母「このあたりじゃみない顔ね」

    ナツメ「あ、あの…ほらっあなたが出ないと進まないよ」グイッ

    ナツメ「もうできてるでしょ!」

    レッド「ちょっと!まだだって!」

    レッド「あ…」

    レッド「……」

    赤母「おや…?その顔…」

    赤母「もしかしてあんたレッドかい?」

    レッド「……」

    レッド「……」

    レッド「……」チラッ

    ナツメ「こっち見られても…」

    レッド「……」

    レッド「……」コクッ

    831 = 825 :

    赤母「やっぱりね」

    赤母「何年たとうがあんたは変わらないね」

    レッド「……」

    赤母「おかえり、レッド」

    レッド「……」こく

    赤母「そっちの可愛い子はもしかしてあんたの彼女?」

    ナツメ「初めまして、ナツメと申します」

    赤母「あら~まさかあのレッドがこんな美人を連れてくるなんて」

    赤母「ナツメちゃんね、よろしく」

    赤母「こんなとこで立ち話するより、中でゆっくり話ましょ」

    レッド「え…」

    832 = 825 :

    ナツメ「意外とあっさりなのね…」

    ナツメ「あれ、どうしたの?」

    レッド「中にまで入るつもりはなかったのに…」

    ナツメ「外で会ってすぐ帰るつもりだったの?それは早すぎるでしょ」

    赤母「レッドはもうコーヒー飲めるようになったの?」

    レッド「……」こく

    ナツメ「あなたもしかして自分のお母さまとも話せないの?」ひそひそ

    レッド「俺が10年も会ってない相手と話せると思うか?」

    レッド「悲しい話だけど、それが親でも…」

    ナツメ「あら、私とは話せてたじゃない」

    レッド「えっそうだっけ?」

    ナツメ「うん、ちょっとだったけど」

    レッド「それはだってほら…ナツメだから…」

    ナツメ「理由になってない」

    833 = 825 :

    赤母「二人はどこで出会ったの?」

    ナツメ「私ヤマブキジムのジムリーダーをやってるんです」

    ナツメ「だから初めて会ったのはジムに挑戦に来たときですね」

    赤母「じゃあ10年以上前からの知り合いってわけだ」

    赤母「そこから付き合うようになったの?」

    ナツメ「いえ、レッドがチャンピオンになってから最近まで会うことはなかったですから」

    赤母「何かあったの?」

    ナツメ「レッドったら誰にも何も言わずにチャンピオンやめて山に籠っちゃったんですよ」

    赤母「まあ!あんた!こんなかわいい子をほったらかしにするなんて!」

    レッド「……」

    834 = 825 :

    ナツメ「でも今は一緒にいてくれるので私は幸せです」

    レッド「……」

    赤母「そう言われると私までうれしいね」

    赤母「ただこの子といると大変でしょ?」

    ナツメ「そんなことないですよ」

    ナツメ「いつもいろいろ手伝ってくれるので助かってます」

    赤母「あら本当?」

    赤母「そんなこと言ってくれるなんて、あんたいい子見つけたね」

    赤母「それで、いつ結婚するの?」

    レ・ナ「!?」ぶばっ

    赤母「あらあら息ぴったり」

    レッド「……」ダラダラ

    ナツメ「ごごごごごめんなさい!!す、すぐ拭きます!」

    835 = 825 :

    赤母「グリーン君ところは何年か前に結婚してるじゃない」

    赤母「それに子どももいるし」

    赤母「私も孫が見たいな~って」

    ナツメ「そ、そこまではちょっとまだ考えてなくて…」

    赤母「あらそうなの…」

    赤母「じゃあどこまでやったの二人は?」

    レッド「ごふっ!?」

    ナツメ「どっ…どこまでとはどういう…」

    赤母「そりゃAだとかBとかあるじゃないの」

    レッド(なんでそんなこと子どもに聞くんだよ!!)

    836 :

    そりゃ親不孝してたらからかいたくなるもんだ

    837 :

    ええ母や

    838 :

    ナツメ「ねえ、AとかBって何?」ひそひそ

    レッド「……」

    レッド「アルファベット」

    ナツメ「そんなことわかってるわよ」

    ナツメ「意味を聞いてるの」

    レッド「意味…意味か…」

    レッド「意味はない」

    ナツメ「嘘つかないでくれる」

    レッド「別に知らなくてもいいことだよ」

    ナツメ「知らなかったら答えられないじゃない」

    レッド「答えなくていい」

    839 = 838 :

    レッド「もう帰ろう」

    ナツメ「えっもう帰るの?」

    レッド「うん…」

    赤母「もっとゆっくりしていけばいいのに」

    レッド「……」

    赤母「と言ってもあんたはどこか一か所に留まるような子じゃないもんね」

    ナツメ「……」

    レッド「そんなことない…」

    ナツメ「!(レッドがしゃべった)」

    レッド「もうどこにも行ったりしない…」

    840 = 838 :

    オーキド研究所

    レッド「ふぅ…」

    レッド「よかった…なんとかなった」

    レッド「ありがとねナツメ、感謝してるよ」

    ナツメ「……」

    ナツメ「さっきあなたが言ってたこと本当?」

    レッド「もちろん、感謝してるよ」

    ナツメ「そこじゃない」

    ナツメ「あなたのお家で言ってたこと」

    ナツメ「もうどこにも行ったりしないって」

    841 = 838 :

    レッド「ああ、あれか」

    レッド「うん本当だよ」

    レッド「なんでそんなこと聞くのさ」

    ナツメ「確かめたかったからよ」

    ナツメ「あなた一度約束破ってどっか行っちゃったからね、10年近くも」

    レッド「約束?」

    ナツメ「…したことも忘れたの?」

    レッド「わ、忘れてない忘れてない!ほんとほんとほんと!」

    ナツメ「じゃあどんな内容だった?忘れてないのならもちろん答えられるよね」

    レッド「……」

    ナツメ「別に私気にしないから…」

    レッド「待って待って待って!」

    842 = 838 :

    リーリエ「また痴話喧嘩ですか?」

    ナツメ「またって一回も…」

    ナツメ「いつの間に…」

    リーリエ「お二人の声が聞こえたのでさっき出てきたんです」

    リーリエ「だから全然お二人のお話は聞いてないですよ」

    ナツメ「別に聞かれてても問題はないから聞かれててもいいけど」

    リーリエ「なんだかナツメさん機嫌が悪くないですか?」ひそひそ

    レッド「そ、そうかな…?」

    レッド「お…俺はいつも通りだと思うけど」

    リーリエ「そうですか?何か言って怒らせたのではないですか?」

    レッド「……」

    843 = 838 :



    ナツメ「……」

    レッド「……」もぐもぐ

    リーリエ「……」

    リーリエ(二人とも全く話さない…)

    リーリエ(普段は常に話しているぐらいなのに…)

    リーリエ(これはかなり深刻な問題です…コトネさんに相談しなくては)

    ナツメ(普通10年近く前に話した内容なんて覚えてないよね)

    ナツメ(それなのにこんな空気にしちゃって…)

    ナツメ(あのことは私も忘れることにしよう)

    レッド(うーん…ダメだ思いだせん)

    レッド(なんとしても思いださねえと…)

    レッド(……)

    レッド(だめだ…)

    844 = 838 :

    レッド(そうだ、ナツメみたいに超能力が使えて考えが読めるような人なら…)

    レッド(もしかしたら記憶を読める人がいるかもしれない)

    レッド(ナツメなら知り合いにそういう人いるかも)

    レッド(それぐらいなら答えてくれるかな)

    レッド「なあ、ナツメ」

    ナツメ「なに」

    レッド(声が冷たい…)

    レッド「い、今何考えてる?」

    ナツメ「内緒」

    レッド「じゃあ俺が何考えてるかわかる?」

    ナツメ「知らない、あなたの考えは読まないようにしているから」

    845 = 838 :

    レッド「でもやろうと思えばできるんだよね?」

    ナツメ「うん」

    レッド「そういうことできる人って他にいるの?」

    ナツメ「けっこういるよ」

    ナツメ「例えばあなたの知ってる人だとカトレアとか」

    レッド「カトレア…?」

    ナツメ「ほら、あなた前に記憶なくなったことあるじゃない、その時の子」

    レッド「ああ、あの子か」

    レッド「あの子ってどこにいるの?」

    ナツメ「…イッシュの方じゃない?四天王やってるし」

    846 :

    イッシュまで行かなくてもジョウトにエスパータイプの四天王いた気がするんだけど…

    847 :

    名前すら思い出せないし…

    848 :

    イツキはレッドと面識がないので出しません
    登場予定も一切ありません

    849 = 848 :

    翌朝

    リーリエ「おはようございます、今日はいつもより早いですね」

    レッド「ちょっと早く寝たからかな…」

    リーリエ「と言ってももうすぐ10時ですけどね」

    レッド「ナツメは?」

    リーリエ「もうとっくに起きてますよ」

    レッド「そうじゃなくて何してるの?」

    リーリエ「さっきまでは掃除をしてましたよ」

    リーリエ「もう少しでジムに行くと思いますけど」

    レッド「そうか…」

    850 = 848 :

    レッド「悪いけど今日の飯はいらないって伝えといて」

    レッド「明日には戻るから」

    リーリエ「明日にはってどこへ行かれる気ですか?」

    レッド「んー…ちょっとね」

    レッド「じゃあ行ってくるね」

    ゴツンッ

    レッド「ぎゃっ!?」

    リーリエ「だ、大丈夫ですか!?」

    レッド「いって~…な、なんだ?」

    ぺたぺた

    レッド「なんだこれ!?見えない壁が…まさか」


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