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    元スレセーラ「うんコマ劇場④やで!」爽「マジで」

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    51 :


    (幼女ちゃん・・・ どうか、私の分まで、生きてくれよ・・・!)ダッ


    メロスは再び走り出した。

    馬に蹴られた脇腹がズキズキとひどく痛む。 肋骨が折れたのかもしれない。

    いやむしろ体中が痛く、痛くないところなど無いくらいだった。

    しかし時間がないのだ。

    陽は、まさに最後の一片の残光すらも消えようとしていた。

    そのわずかな日の光が、メロスの顔を優しく照らした。


    (・・・ あぁ・・・!)


    間に合うか、間に合わないか、その瀬戸際に立たされていながらも、メロスは、不思議な気分に包まれていた。

    意外にも、非常に落ち着いた、穏やかな気持ちだったのである。


    (あぁ、私・・・  生まれてきて、良かった・・・!)

    (苦しい… 本当に苦しいけど… 私は、今まで、こんなに激しく、命の火を燃やしたことはなかった…)

    (そうだ… 私は、きっと、この瞬間のために、生まれてきたんだ……!)サアアアァァ――ッ


    急に、心も、体も軽くなったメロスは、爽やかな春風のようになり、ついに刑場へと走り込んだ。

    日はまだ沈んでいない。


    間に合ったのだっ!

    52 = 51 :


    「待て! その人を殺してはならぬ! 私だ! 約束通り、メロスが帰ってきたのだっ!!」


    と、潰れたのどから必死に大きな声を張り上げて、刑場の群衆に・・・




    あれ?


    ぐんしゅ・・・


    え?


    ぐん・・・


    は?



    ・・・ ?  ?   ?  ・・・・・






    その刑場には、人っ子一人いなかった。

    刑吏も、国王チカニスも、ユアーンティウスもいない。


    「………???」


    だだっ広い刑場の真ん中で、メロスはポツンと一人でたたずんでいた。

    53 = 51 :


    「・・・な、なんだこれ・・・ え? どゆこと??」

    「ま、まさか、もう、刑が執行されてしまったんじゃあ・・・」ガタガタ


    「あれ? メロスじゃん、なんだお前、全裸で何やってんの?」モグモグ

    「は?」

    54 = 51 :


    メロスが振り返ると、そこには、焼き鳥をモグモグと頬張っているユアーンティウスが立っていた。


    「・・・ ユ、ユアン・・・! お、お前… ブ、無事だったのか…? えっ? ハリツケの刑はどうなったの?」

    ユアン「ん? あぁー… そうそう、そう言えばお前、今日戻ってくるとかなんとかって、そんな話してたんだっけな」ムグムグ

    「……??」

    ユアン「いや、あのあとさ、国王が本国から来た警吏隊に逮捕されて、なんか、島流しにされたんだってさ」モギュモギュ

    ユアン「どうもあのチカニスって王、うんこ売買という目的は建て前で、実際には美少女集めてただ単に酒池肉林を楽しんでただけらしーぜ?」クチャクチャ

    ユアン「いやーあんなおカタい顔して聖人君子ぶってたクセに、やっぱヤル事はヤッてたってワケだよなww」ハグハグ

    ユアン「そんで国王が、トーキョーから来たテルニウスⅢ世っていう人と替わってさ、ドーナツを献上すれば釈放してあげるよ、て言うから、すぐにワイロで出してもらっちゃったんよ」マグマグ

    ユアン「いやー今度の国王はなかなか最高だぜ? 『“わが民はすべてわが妹のようなもの…! 妹たちのためなら、このテルニウス、身を粉にして働こう…!”ギュルルルルルーン!』って、右腕を回転させて穴掘り始めたと思ったら、ダイヤモンドの鉱脈掘り当てちゃってさww」ゴックン

    ユアン「てわけで、このホッカイドーにも新しい資源ができたんだよ。 だからしばらくは安泰、私らもけっこう贅沢できそうだぜ? ・・・って、そういやお前、衣装の代金払ってなかったよな。 はよ金よこせよ」スッ


    「・・・・・・・ ユアン ・・・」

    ユアン「ん?」


    「すまん、とりあえず殴らせてくれ」



    その、ほかに誰もいない刑場で… メロスとユアーンティウスは、あさましく醜い殴り合いを、お互いがブッ倒れるまで続けたのだった・・・





    55 = 51 :







    誓子『はい、皆様、第一演目「もらせメロス」でした。 如何でしたか?』


     ブンッ  ベッチャアァッ!!


    誓子『ヒッ!?』


    幕が閉まり、壇上に挨拶に上がった誓子の顔面に、ソフトクリームが飛んできた。


     ヒッコメー!  コノバカヤロォ――ッ!  カネカエセエェ――ッ!  ヘタクソォーッ!!


    凄まじいシュプレヒコールと共に、さらにポップコーン、コーラ、ポテトチップス、納豆などが壇上に飛んできた。


    誓子『わっ! ちょ、ちょっと、皆さん! も、物を投げないで下さいっ!』=3=3

    「おうおうなんだよお前らっ! 私たちの劇にケチつけんじゃねーよ!」バッ

    誓子『ちょ、爽! あんた出てくるとややこしくなるから出てこないでぇっ!』



    ・・・この「もらせメロス」があまりにも不評だったため、文化祭の演劇大会は中止となり… 麻雀部は、他の文化部からひどく恨まれることとなったのだった…




    (あカン)

    56 :

    やべえ、自己保守
    「便座鉄道の夜」とか面白そうだな…

    57 :


    その41.~「マッチ売りのマホ」の巻~



    それは、大変寒い日でした。

    あたりはもう暗くなり始めており、雪が降っていました。
    それはまた、一年の中で最も聖なる夜・・・ つまりクリスマス・イブの晩でした。

    この寒い、そして暗いなかを、一人のみすぼらしい身なりの年のいかない少女が、帽子もかぶらず、おまけにはだしで、冷たい石畳の上を歩いていました。
    その小さな頭には、ふらふらと、大きな赤いリボンが不安げに揺れていました。

    彼女の名前は、夢乃マホ――― 幼いときに両親を亡くし、毎日わずかばかりのマッチを売って歩くことで、なんとかその命をつないでいる浮浪児でした。


    マホ「あ、あのぅ… お兄さん、マッチを買ってくれませんか?」

    「あ? 俺は男じゃねー! マッチなんかいらねーよ、とっとと失せな」

    マホ「あ、あの、そこのお姉さん・・・ どうかマホのマッチを買ってください…」

    「おもちをおもちでない人のマッチなど買えません。 出直して来なさいですのだ」

    マホ「す、すみません、そこの眼鏡のお兄さん・・・! お願いです、マッチを買ってくださいっ!」

    内木「ん? マッチ? ああ、いくらでも買ってあげるよ! 僕と一緒にそこのホテルに付き合ってくれるならね…ww」ガシィッ!

    マホ「?! な、何をするです? 放すのです! ええいチィエエェストォ――ッ!!」キンテキィーッ!!

    内木「おぅふ!///」=3


    このように… ときどきロリコンを撃退したりしながら、地道に声をかけ続けますが、どういうわけか今日は一本もマッチが売れません。

    朝から何も食べずに歩き続けている彼女はもうフラフラ、小さいはだしの足と手はもう真っ赤、寒さに震えながら歩いている様子はいかにも痛々しく、本当に憐れでした。


    マホ「… うぅ、寒いですぅ…」ハァー…


    寒さでかじかむ両手に白い息を吹きかけるマホ。 ハラハラと舞い落ちる雪が、彼女の美しい紫色の髪や赤いリボンの上に降りつもります。


    マホ「・・・あぁ・・ もう、マホ、歩けないです…」ストンッ


    レンガ造りの家と家の間… 細い路地で、ついに腰をおろしてかがみこんでしまったマホ…

    しかしそんな彼女の鼻の穴を、なんとも言えぬ美味しそうな芳しい香りがくすぐりました。


    マホ「ん…? この匂いは…!」クンクン
     

    58 = 57 :


    家々の窓という窓から、明かりが外へさしてきて、ガチョウの焼き肉のいい匂いが往来までプンプンと漂っていました。
    それもそのはず、今日はクリスマス・イブですもの! 豪華なご馳走の匂いと一緒に、楽しそうにはしゃぐ幼い子どもたちの声も聞こえてきます。


    マホ「う… マホもクリスマスのご馳走、食べたいですぅ…」ジュルリ


    マホはこみあげるヨダレをぬぐい、明かりのもれる窓の一つを覗いてみました。


     ドタバタドタバタッ  キャーッキャーッww  ドタンバタンコケコッコォ――ッ!


    池田「コラーッ! お前たち! いつまで遊んでるんだ! ガチョウの丸焼きができたぞっ! 早く席につけ!」

    緋菜「ガチョウ? そんなモノいらないし! ゴージャスセレブプリンが食べたいし!」

    池田「ゴージャスセレブプリンは3時間くらい並ばないと買えないんだよっ! こんな寒い中そんなに待ってられるか!」

    菜沙「ゼイタク言うなし! ゴージャスセレブプリンのないクリスマスなんてありえないし! 早く今から買ってくるし!」

    城菜「お姉ちゃんは… 本当に、使えないコだし…」

    池田「うるさぁ――いっ! ワガママばかり言ってる子どもにはサンタさんが来てくれないぞっ! ツベコベ言わずに私が作ったモノを食べるし!」=3


    姉に急かされて、シブシブ食卓についた三つ子たち・・・ そのテーブルの上には、ガチョウの丸焼きのほか、ホクホクのフライドポテトや、トロリとしたチーズがたっぷりのったピザ、チョコでできたツリーの飾られたショートケーキなど、豪華なクリスマスのご馳走が所狭しと並んでいました。


    マホ(…バカなこと言ってます。 サンタさんなんか、この世にはいないのに… マホは一度もクリスマスプレゼントなんかもらったことありません)スッ


    ため息をついて、再び冷たい石畳に腰をおろしたマホ・・・
    彼女の小さな手は、寒さのためにもうほとんど感覚がありませんでした。

    ああ! 一本の小さなマッチでも、こんな時はどんなに役に立つかしれません。

    マホは、かじかむ手でマッチのたばから一本引き抜き、壁にこすって火をつけました。

    59 = 57 :


     シュッ  ボオォ・・・!


    マホ「あぁ・・・」


    なんという火花でしょう。 なんとよく燃えること!

    あたたかい明るい炎は、まるで小さいロウソクの火のようでした。

    マホは、そのまわりに手をかざしました。

    すると、その時・・・ 本当に不思議なことが起こったのです!

    60 = 57 :


    マホ「え? あれ? ふわああぁ・・・??」


    目をまるくするマホの前で… マッチの火の光の中に、ポッカリと穴があき… その穴はどんどん大きくなって、中に輝くばかりに白い布をかけたテーブルが現れたのです。

    そして、そのテーブルのかたわらには、エプロンをしたまるで女神のように美しい少女が、何やらホカホカと湯気をたてている料理を持って立っていました。


    美穂子「あら、いらっしゃい夢乃さん。 ちょうどローストビーフが焼けたところよ♪」ニッコリ


    その女神のような少女が持っている大皿の上では、大きなローストビーフのかたまりがジュージューと美味しそうな音をたてていました。


    マホ「か、風越の・・・ キャプテンさん? ど、どうして、こんな所に…?」

    美穂子「夢乃さんとクリスマスのお祝いをしたくて、料理を作って待っていたのよ」

    マホ「え、ほ、本当ですか…? マ、マホのために…?」

    美穂子「もちろんよ♪ さあ、そんな寒いところにいないで、早くあがってらっしゃい?」


    こんなに素晴らしいことがあるでしょうか。

    マホは、喜びのあまりヨダレをぬぐうのも忘れて、ローストビーフへと手を伸ばしました。

    ところが・・・


     フッ  スウゥ――――ッ・・・・・


    マホ「あれ?」


    マッチに一粒の雪が落ちて、火が消えてしまい… それと同時に、美味しそうなローストビーフも、女神のような少女も、スーッと透明になり、陽炎のように消えてしまったのです。

    61 = 57 :


     シュッ! ボオオォ・・・ッ!


    マホはあわてて新しいマッチをすりました。 あの女神様にもう一度現れてもらうためです。

    しかし、火の光の中に、現れたのは・・・


    「ん? あらあら、マーマー…」

    マホ「へ?」

    62 = 57 :


    今回現れたのは、どこぞの痛々しいアイドル(28)とどこか面影の似ている、なかなかのおもちをおもちの若い女の人でした。


    美月「あら、道に迷ったの? ここはお菓子のお店よ?」


    その女の人は、両手に大きなデコレーションケーキののった大皿を持っていました。


    マホ「あ、あなたは・・・  だ、誰、ですか?」

    美月「私はここのお店の店主、瑞原美月よ♪ おじょーさん、お腹がすいているのかな?」


    マホは、お腹がすいているどころではありませんでした。 今にもお腹の皮と背中がくっついて目が回りそうなほどに空腹でした。


    マホ「は、はい…///」グウゥ~~・・・

    美月「しょーがないなぁ。 じゃあ、こっちにいらっしゃい? 試食用のチョコレート、チョコッと食べさせてあげるから♪」

    マホ「え、ほ、本当ですか? ありがとうございますぅ! おばさん!!」


    美月「・・・ お・ば・さ・ん??」ゴゴゴォ・・・

    63 = 57 :


    美月「しっつれーしちゃうね! みつつ、よく中学生に間違えられるのに、おばさんですって…?」

    マホ「は?」

    美月「躾のなってないコにあげるお菓子なんてないよ! とっとと帰りなさい!」バタンッ


    その店主は、ワケの分からないことを言いながら奥へと引っ込んでしまい… それと同時にマッチの火は消え、あとはただ、厚い冷たいレンガの壁が見えるばかりでした。

    64 = 57 :


    マホ「うぅ…! 風越のキャプテンさん… もう一度出てきてください!」シュッ!


    マホは祈りをこめて三本目のマッチをすりました。 

    すると、そこへ、現れたのは・・・


    トシ「…ん?」ズルルルルルウゥ~~・・・


    テレビを見ながらカップラーメンをすすっているおばあさんでした。

    65 = 57 :


    トシ「ん、なんだいアンタ、汚い子だね。 どっから入ってきたんだい?」

    マホ「え、えと、その、お腹がすいてて・・・ あ、あの、マホにも、そのカップラーメン・・・一つもらえませんか?」

    トシ「そりゃあできない相談だねぇ。 カップラーメンは今これ1個しかないんだよ。 あ、でも…」ゴソゴソ

    マホ「?」


    そのおばあさんは、何やら茶色いオハギのようなものがドッサリとのったお盆を取り出しました。


    トシ「ちょうどもらい物のマンジュウがあったよ。 ちょっと多すぎて困ってたところなんだ。 これならお前さんにあげてもいいよ」

    マホ「・・・???」


    マホはマジマジとその茶色い物体を観察しました。

    どう見てもお饅頭ではありません。

    確かに形はお饅頭のようですし、色もそれっぽいのですが、どうもおかしいのです。

    ピンピンとワラのような繊維がいくつかはみ出しているのが見えます。

    それに・・・ なんともいえない妖しげな香りを、ほんのりと漂わせていたのです。


    マホ「・・・! こ、これ・・・!!」

    トシ「ん?」


    マホ「うんこ! うんこじゃないですかっ!!」

    66 = 57 :


    マホ「おばあさん! これおマンジュウじゃないです! うんこですよおぉっっ!!」=3

    トシ「え? おやまあ、ホントだね。 こりゃ馬糞だったね。 すまんね、色や形が似てるからマンジュウと間違えちまったよw」

    マホ「・・・・ふざけるなこのモウロクババアアアアァァッ!!」ガシィッ!

    トシ「ぶげっ!!」=3


    マホはあまりの空腹と怒りで我を忘れ、両手でおばあさんの首をつかんで渾身の力で締め上げ始めました。


    トシ「… ぁぐっ、ふぅ…! し、死ぬ…!」ジタバタ

    マホ「死ぬです! 今すぐ死ぬですっ!! 死んで詫びるですうぅっっ!!!」ギリギリギリ


    夜叉のように恐ろしい顔で首を絞めるマホ・・・

    しかし… おばあさんがブクブクと泡を吹き始めたその時… その女は現れたのでした。


    「おい待てよあんた、うんこをナメちゃあいけないぜ?」ユラリ

    67 = 57 :


    そこに立っていたのは… なんともザンネンなおもちをおもちの、赤毛のうすらぺったんこな女でした。


    マホ「ふぇ?!」ビクッ

    「まあ許してやれよ。 馬糞と饅頭は本当にそっくりなんだ。 今でも日本中の土産物屋に『馬糞饅頭』の名前で売ってる馬糞を模した饅頭があるくらいだからな。 そのばあさんが間違えるのも無理はねーよ」

    マホ「…? あ、あなたは… い、一体、誰ですか?」

    「フフッ、まあ名乗るほどの女じゃございませんよw ただの通りすがりのトイレマスターさ」ニヤ

    マホ「といれますたぁ・・・??」

    68 = 57 :


    「いいかいお嬢さん。 馬糞は非常に利用価値の高いスバラな物なんだぜ? 古来から、肥料、燃料、時には医療や美容にも利用されてきたんだ」

    マホ「? び、美容…? うんこをですか?」

    「そうだ。 フンの中の酵素が垢や脂肪を溶かし、肌をいためずに美白効果を期待できる… ウグイスのフンなんかは今でも美容用に売られてて、メチャクチャ高価なんだぞ?」

    マホ「… そ、そんなこといったって… マホは、あったかい物か食べ物が欲しいんです…」

    「う~ん… 確かに馬糞を食べることはできねーけど… 暖をとることはできるぞ? その馬糞の中に手を突っ込んでみなよ。 あったけーから」

    マホ「へ?! そんな、マホ、うんこなんかさわりたくないです!」

    「だいじょぶだって、牛や馬の糞はそんなに汚くねーから。 臭いもあまりしないだろ? 土と大して変わんないよ。 昔の貧しい農家の子どもはみんな家畜の糞に手を突っ込んで暖をとったんだぜ?」

    「それに、馬糞療法っていう言葉があるくらい、馬糞は外傷治療薬として使われてきたんだ。 その手の甲のあかぎれにも効くからさ、だまされたと思って入れてみなって」

    マホ「・・・じゃ、じゃあ・・ 少しだけ・・・」ソッ


    恐る恐る、馬糞の中に手を入れてみると… ほんわりとした心地よいぬくもりが、マホの冷えきった両手をやさしく包みこみました。


    マホ「… あ… あったかいですぅ…///」

    「だろ?w」

    マホ「まるで人肌みたいです…  ん、あれ?」

    「? どうした?」

    マホ「いえ、あの… うんこの中に、何か、カタい物が…」

    「ナンダトォッ!? おい、見せてみろっ!」

    マホ「? は、はい…」モゾモゾ


    その赤毛の女に促されて、マホが馬糞から引っ張り出した物は・・・ リンゴほどの大きさの、灰色で表面がボコボコとしている軽石のようなものでした。


    「お・・・ おい! お前すごいなっ! これは・・・」

    マホ「??」


    「“馬糞石”だぞっ!!」

    69 = 57 :


    マホ「バ、バフンセキ・・・??」

    「そうだ! 馬の腸内で、極稀にできることがある結石・・・ 数千頭に一つ出るか出ないかっていうメチャクチャ貴重なモノなんだぞ!」

    マホ「?? …こ、こんな石が… 一体、なんの役に立つんですか?」

    「べらんめえっ! 馬糞石は昔から漢方の特効薬として重宝されてきた奇跡の石だっ! 『開運! なんでも鑑定団』にも出品されたことがあって、そん時は300万円もの鑑定額がついたんだぞ!!」

    マホ「・・・さ、さ、さんびゃくまんえん・・・???」アワワワワ

    「おうよ! ウハハハッ!w こいつがあれば私たちは大金持ちだぜっ!!ww」


    ・・・そのあと、二人は馬糞石を製薬会社に持ち込んで大金を手にし… それを元手に馬糞を販売する会社を興し、マッチ売りではなく馬糞売りとなったマホは、億万長者になって末永く幸せに暮らしたそうです。

    めでたしめでたし



    (カン)

    71 :

    いろいろ別のを書いててこっちが進まんですね…
    姉妹SSのもこ編の続きがあるので、良かったらどうぞ↓

    「『風の谷のナウンコ』…ですか?」咏「だねぃ」(第一ステージ)
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1470216547/

    72 :

    もこ編の続き、第二ステージも書き終わったので保守しがてら貼っておきます↓

    「『風の谷のナウンコ』…ですか?」咏「だねぃ」(第二ステージ)
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1472717177/

    73 :

    第三ステージ↓

    「“風の谷のナウンコ”…ですか?」咏「だねぃ」(第三ステージ)
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474795263/

    74 :


    その42.~「しらつき姫と七人のうんコロボックルたち」(前編)の巻~



    寒い寒い冬のことでした。

    平原一面に白い雪が降り積もり、さらに粉雪がひらひら、まるで羽のように空から舞い降りていました。

    お城では、おきさき様が黒檀の枠のついた窓のそばに座って、縫い物をしながら、そんな外の様子を眺めていました。

    そこで、お后様は思いました。


    ナナ「雪のように白くて、この窓枠みたいに黒い子が、授かりますように…」


    やがて、お后に女の子が生まれました。

    雪のように白い肌、そして黒檀のように黒く美しい髪をした子どもでした。


    ナナ「ふふ、あなたの名前はシノ・・・ ‟白築慕”よ♪」

    「……」ニコニコニコ


    その子どもは太陽のように明るい笑顔で、城の者たちみんなから愛され、いつしか「しらつき姫」と呼ばれるようになっていました。

    75 = 74 :


    しらつき姫はスクスクと大きくなり、とてもかわいらしい少女へと成長していきました。

    ところが、しらつき姫が9歳になった時、突然、お后様がどこかへ雲隠れしてしまったのです。


    「ねえ叔父さん、おかーさんはいったい、どこへ行っちゃったの…?」ウルウル

    耕介「…心配すんな、慕。 何か俺たちに言えない事情があるんだろうけど… きっとすぐ戻ってくるさ」


    しかし、お后様は一年たっても二年たっても戻ってこず… 王様は、ついに新しいお后を迎えることにしました。

    ところが・・・・


    はやり(28)「こにゃにゃちわーっ!☆ えへへっ、はやりをお后として選ぶなんて、ここの王様はお目が高いゾ!☆」ハヤヤッ


    新しいお后様はアラサーにもかかわらずそれはそれは壊滅的なブリブリブリッコで、お城にその姿が現れた時、そのあまりの痛々しさにその場にいた者たちはみな凍りついてしまったほどでした。

    そして、このお后はとても不思議な鏡を持っていました。

    お后は鏡の前に立つと、いつも鏡をのぞきこみながらこうたずねました。


    はやり「むふふふw 鏡よ鏡よ鏡さん!☆ 咲-saki-界で一番カワイイ女のコは、だーれっカナ?」

    (爽)「あん? そんなの聞くまでもねーだろ。 咲-saki-で一番の美少女っつったら… もちろん風越女子の女神・福路美穂子サンだよ!」

    はやり「……」

    76 = 74 :


    はやり「もー! 鏡ちゃんったら冗談キッツイゾ!☆ 本当に一番カワイイコは誰かなぁー?」ゴゴゴォ・・・

    (爽)「だから美穂子サンだって言ってんだろ。 二番目はやっぱユキか鹿児島の神代… 清澄の原村も淫ピとか言われてるけど、やっぱかなりレベルたけーよな」


     パリィーンッ!!


    (爽)「はまじぃっ?!?」=3=3


    お世辞を言うことを知らないその鏡は、かわいそうに、粉々に砕かれてしまいました。

    77 = 74 :


    はやり「ダメだこの鏡。 新しいの買ってこよぉーっと☆」テコテコ


    お后が新しく買ってきた鏡は、おべっかのうまい空気を読める鏡でした。


    はやり「鏡よ鏡よ鏡さん!☆ 咲-saki-界で一番カワイイ女のコは、だーれっ?」

    (漫)「は、はい… それは、お后様、あなたです。 いや、むしろ 咲-saki- じゃなくて はやり-hayari- に改名した方がええんじゃないっすか、この漫画」ヨイショヨイショ

    はやり「だよね!☆ はやりこそが宇宙一カワイイ永遠不滅の美少女クイーンだもんね!」ハヤヤ


    お后様はこれでやっと満足し、自信満々でフリフリのアイドル衣装を着こんで舞踏会へと出かけていくのでした。

    78 = 74 :


    ところが、ある日のこと・・・ それは、しらつき姫が12歳の誕生日を迎えた日のことでした。

    いつものように、お后様が鏡に向かってあの質問をすると… 驚いたことに、鏡はこう答えたのです。


    (漫)「…お后様、アラサー女子の範囲内なら、確かにあなたが一番美しいかもしれません。 でも、咲-saki-キャラ全てで言うんなら、一番の美少女は間違いなくしらつき姫です」

    はやり「は?やぁ?!」


    驚いたお后様は、鏡を脅したりすかしたりしてみましたが、今度ばかりは鏡は頑として言うことを曲げません。


    (漫)「咲-saki-で一番の美少女はシノチヤー・・・! それはこの世の真理で、どんな権力も捻じ曲げることのできん事実なんや…! うちはもう、ウソを言い続けるのは嫌なんや!!」カッ

    はやり「…!!」


    それからというもの、お后は姫を見るたびにはらわたが煮えくり返るようでした。

    プライドの高いそのお后は、自分よりカワイイキャラが咲-saki-の中にいる・・・ということがどうしてもガマンならなかったのです。

    79 = 74 :


    そこでお后は、ある日、ガチレズの狩人を呼び寄せて言いました。


    はやり「しらつき姫を森の中へつれてって、ピーしてピーしてピーしてきちゃってよ!☆ もうはやり、あのコの顔は二度と見たくない!」

    恭子「・・・分かりました」


    狩人は言いつけどおり、しらつき姫を森につれていきました。

    そして、山を一つ越えたところで、おもむろにしらつき姫の前に膝をつき、こう言ったのです。


    恭子「姫様。 実は私はお后様に、姫様をピーするように言われてきたのです」

    「え?! ピー??」

    恭子「あの新しく来たお后は、あなたの美しさに嫉妬しとるんや。 このまま城に戻っても、いつかは殺されてしまうでしょう…」

    「そ、そんな…」


    その狩人は、確かにガチレズでしたが、非常に高貴な精神の持ち主だったので、なんとかしらつき姫を助けたいと思っていました。


    恭子「生き延びるには、別の国で暮らすしかありません。 あと山を二つ越えた所まで行けば、隣国の国境があります」

    恭子「本当は国境を越えるところまでお送りしたいんやけど… あまり帰りが遅いと怪しまれてしまいます。 ここからは、どうか一人で行ってください」

    「…分かりました。 ありがとう狩人さん。私、ガンバります!」フンス!

    恭子「どうかご無事で…」


    しらつき姫は健気にも一人で、岩を踏み越え、いばらをかきわけて森の中を進んでいきました。

    しかし、三つ目の山を登っている最中に、とうとう日が暮れてしまったのです。

    80 = 74 :


    しらつき姫は、真っ暗な中で途方にくれてしまいました。

    小さな体はもうヘトヘト… 足も棒のようでした。


    「どうしよう… こんな所で、朝になるのを待つなんて、無理だよ…」


    遠くから、 ワオーン という狼が吠える声が響いてきました。


    「う、うぅ… オオカミに食べられちゃうのは嫌だな… おかーさん、おじさん、助けてよぉ…」シクシク


    しらつき姫は、木の根元にしゃがみこむと、かわいそうにハラハラと涙を流し始めました。

    無理もありません。 まだしらつき姫は12歳になったばかりの子どもなんですから…

    しかし、その時でした。


    「おい、そんな所で何してるし?」

    「え?!」


    顔を上げたしらつき姫は、驚きのあまり、口をポカンと開けて目を丸くしていました。

    目の前で、右手にランプを持ってこちらをのぞきこんでいるのは… 頭になぜかネコ耳の生えたマキグソ型の小人だったのです。

    81 = 74 :


    背の高さは30cmくらい・・・

    そして美しくハリがあり、ほのかにうんこ臭い茶色いそのボディー・・・!

    さらに、あのソフトクリームを連想させるピラミッド型のたいへん立派なフォルム・・・!!

    どこからどう見ても、その小人は健康的なマキグソそのものでした。


    イケダ(ウンコ)「迷子か? こんな所でしゃがみ込んでたら風邪をひくし」

    「え? あの、あなたは… だ、誰、ですか?」

    イケダ(ウンコ)「私はうんこの妖精、“うんコロボックル”のカナだし。 迷子なら、私たちの家に来ればいいし」

    「……」


    果たしてうんこについていっていいものか、しらつき姫は迷いましたが、ここに一人でいても無事でいられる保証はありません。

    いぶかしがりながらもついていくと、そのうんコロボックルは小さなレンガ造りの家に入っていきました。


    イケダ「おーい、ただ今帰ったし!」

    スミレ(ウンコ)「ああ、おかえりカナ。 …ん? その娘さんは、誰だい?」

    イケダ「道に迷ってたみたいだから、連れてきてあげたし」

    トヨネ(ビッグウンコ)「わーっ! ちょーカワイイ女の子だよー!」

    ハツミ(ウンコ)「ん? 何事ですかー?」

    マイル(ウンコ)「カナが人間の女の子ばつれてきたと」

    サトハ(ウンコ)「ちょうどいい、今から夕食を摂るところだ。 キミも一緒に食べていくといい」

    ハル(ヤッパリウンコ)「………」ポリポリ


    「・・・・ え、えぇ・・・??」

    82 = 74 :


    その家の中は、家具が小さめなこと以外は、普通の家と特に変わりはなかったのですが…

    中でくつろいでいるのは、やはり人間ではなく6つの同じようなマキグソたちでした。


    マイル「一体どうしてこがん山ん中ば一人で歩いとったと?」


    なぜか体中に鎖を巻きつけているうんこが佐賀弁で尋ねてきました。

    そこでしらつき姫は、そのうんこたちにこれまでのことをすっかり打ち明けました。


    スミレ「なんと… 国の王女様だったのか」

    イケダ「義理の母親に殺されそうになった、だって…?」

    トヨネ「ちょーひどいお母さんだよー!」=3

    ハツミ「そこを狩人さんが助けてくれたわけですかー」

    ハル「……」ポリポリ


    すっかり聞き終わると、リーダーらしいメガネをかけたうんこが言いました。


    サトハ「それなら、私たちのために家の仕事をしてくれないか? 料理に洗濯、掃除に縫い物など… 家事をこなしてくれるなら、ずっとここにいてくれてもかまわないぞ」

    「………」

    83 = 74 :


    しらつき姫は小さい頃から、怠け者のお母様にかわって料理や洗濯をこなしていたので、家事には自信がありました。

    ですが、うんこたちのお世話をするお姫様なんて、今まで聞いたこともありません。


    トヨネ「・・・あ、別に、嫌ならやらなくてもいーよ? ただいてくれるだけでも…」

    「あ、いえ… 別に嫌じゃありません。 家事なら一応できるので、やらせて下さい」


    こうしてしらつき姫は、七人のうんコロボックルたちと一緒に暮らすことになったのです。

    84 = 74 :






    イケダ「じゃあしらつき姫、行ってくるし!」

    トヨネ「ちゃんとイイコで待ってるんだよー!」

    スミレ「もしかすると、その悪いお后がここまで来るかもしれない。 誰か訪ねてきても、絶対に中に入れてはいけないよ」

    「分かりました。 みなさん、行ってらっしゃい♪」


    七人のうんコロボックルたちは、毎朝、山へ出かけていって、畑を耕して野菜作りに精を出します。

    そしてしらつき姫は夕方彼らが戻ってくるまでに、掃除、洗濯、縫い物などの家事をこなし、お風呂と夕食の支度をして待っているのです。


    サトハ「お、今日の夕食は生姜焼きにグラタンにおでんか」

    トヨネ「統一感ない食卓だけどちょーおいしいよー!」モッグモッグ

    イケダ「すごい… その年で私よりも料理がうまいなんて、大したもんだし」ムッグムッグ

    「そんなことないですよ/// あ、そういえばイケダさん、靴下に穴があいてたのでつくろっておきましたよ♪」

    イケダ「あ、ありがとう///」


     ワハハハハハハハ  ワイワイガヤガヤ  キャッキャッキャッ♪


    しらつき姫はとてもよく働いたので、うんコロボックルたちは皆、大喜びでした。

    しらつき姫も、初めはうんこと一緒に暮らすことに不安を感じていましたが、皆明るくて優しいうんこたちなので、見た目や多少のにほひなどは気にならなくなりました。

    そして、しばらく過ごすうちに、ずっとこのうんこさんたちのお世話をして暮らすのも悪くないかな、とさえ思うようになっていたのです。

    85 = 74 :



    一方、お城では・・・ あの腹黒くて痛々しいお后様はどうしていたでしょう。

    お后は、狩人がしらつき姫を亡き者にしてくれたものとばかり、思い込んでいました。

    ですから、これでもう自分より美しい女のコはいないと信じて、鏡の前に立ちました。


    はやり「鏡よ鏡よ鏡さーん!☆ 咲-saki-界で一番カワイイ女のコは、だーれっカナ?」

    お后が聞くと、その鏡は答えました。

    (漫)「お后様、アラサーの間でなら、あなたは確かに一番美しいかもしれません… けれど、山の向こうでうんこたちと一緒に暮らすしらつき姫は、あなたの千倍はカワイイです」

    はやり「What?!☆」


    お后はビックリ仰天、怒りのあまり、ワナワナと震え始めました。

    あのにっくきしらつき姫は、まだ生きているのです。

    一体どうしたら、姫を亡き者にできるのでしょう・・・?


    はやり「うむむむむむmm・・・!☆」


    お后はうんうん唸って考えました。

    お后は、咲-saki-界の中で自分が一番美しくない限り、悔しくて一時も気が休まらなかったのです。

    86 = 74 :


    はやり「・・・よぉーし、もうこうなったら・・・ 手段は選ばないっ!」カッ



    お后は黒魔術の心得がありました。

    誰も知らない城の地下の秘密の部屋にこもって、その禍々しい魔法で恐ろしい毒リンゴを作ったのです。


    はやり「ムフフフ…☆ これを一口かじったら最後、絶対に助からないゾッ!」グフォフォフォ・・・


    お后はリンゴができあがると、顔に色を塗ってボロを着込み、百姓のおばあさんに化けました。

    そして、山を越えて七人のうんコロボックルたちの家へと急いだのです。



    (続く)

    87 = 74 :

    止まります。
    後編はまた来週書きます。

    88 :

    カリオストロ的な趣味ない系の読者ですけど、作者ホントにうんこネタ大好きっすね。
    最初は何だコレって思ったけど、爽のとかいくつか読んで作者の真摯なうんこ道と読み手への心遣いにちょっと胸熱。
    そして流した後の排便のように仄かに香る作者の知性的な文章と、何だかんだで読んじゃう読ませる力は素直にすごいと思う。

    「うわっ! くっせぇ!」 的なトコに、彼岸島的狂気と面白さを感じる今日この頃。
    好きなキャラの排泄音はやっぱ抵抗あるけど、基本的に内容面白いから今後も地味に応援していきます。

    89 :

    批評あざす。
    読み手への心遣いという点を評価してもらえたのは、率直に嬉しいです。
    読み手が楽しめるように、読み手がトイレに来てホッと一息つけるようなSSになるように、ということを常に意識しているので。

    でも別に>>1はトイレ話に固執しとるわけじゃありまへんどすえ。
    他のテーマの話もいろいろ書くしね。
    ただ「少女×萌え×トイレ」というテーマは尋常じゃなく奥が深いようなので、書くのならきっちりその真髄を見極めるまで掘り下げて書いてみたいだけです。(※掘ったり掘られたりに興味があるわけではない)
    爽たちがまだまだいろんな世界を見せてくれそうなので、それを見てみたい。

    まったり書いていきます。
    後編は、はやりVSうんコロボックル七人衆のバトルです。

    90 :


    その43.~「しらつき姫と七人のうんコロボックルたち」(後編)の巻~


     トン、トントントン・・・

    山を越えてうんコロボックルたちの家までやって来た、おばあさんに化けたお后様・・・

    トントンと戸を叩くと、しらつき姫が窓から顔を出して言いました。


    「はい、こんにちはおばあさん。何のご用ですか?」

    はやり「こんちゃかわぁーッ☆ おじょーさん、はやりの作ったディリシャ~スなリンゴはいかがかな?」キャピリンコ


    そのおばあさんの差し出したリンゴは、実に気持ちの悪い紫がかったドドメ色をしていました。


    「・・・いえ、リンゴは間に合ってますので… 今日はけっこうです」

    はやり「そんなこと言わないで食べてみてYO! 毒なんか入ってないからさ!☆」ハヤヤ

    「……」

    91 = 90 :


    はやり「何? はやりのりんごが食べられないってゆーの?☆」

    「…いえ、その、そういうわけでは…」


    怪しさMAXのリンゴ売りのおばあさんですが、心優しいしらつき姫はなかなか断ることができません。

    そこへ…


    イケダ「ん? なんだアンタ、何してるんだし?」

    はやり「はや?」

    92 = 90 :


    現れたのは、トイレに戻ってきたネコ耳の生えたうんコロボックル、イケダでした。


    はやり「・・・・にゃぱぱぱぱぱぱッ!www=3 アンタ畜生な上にうんこだなんて・・・はやりこんなみじめな生き物見たことないYO~~!☆」ケラケラ

    イケダ「な、なんだと…?!」

    93 :


    イケダ「う、うんこをバカにするなし! お前だってトイレに行ったらうんこくらいするだろう?」

    はやり「ザーンネンでした☆ はやりみたいな天使すぎる女の子はうんこなんかしないんだよん♪ はやりのお尻から出てくるのは、お砂糖とスパイスの入った甘い甘~いお菓子だよ?」ハヤヤン

    イケダ「はぁ? 何言ってるんだし! ヨボヨボのBBAのくせに…」

    はやり「ム? これは変装だよ! 本当のはやりは… このとーり、ピッチピッチの女のコなんだぞッ!☆」バッ

    「え?!」


    化粧を拭き取ってボロを脱ぎ、ついにその痛々しき正体を現したお后様・・・!


    「あ、あなたは… お義母さん?」

    はやり「ありゃ、バレちゃったか☆」テヘッ

    イケダ「お、お前… しらつき姫を殺そうとした女王だな? とっとと城に戻れし! しらつき姫にはこの私が指一本ふれさへぶしっ!!?」=3=3


    うんコロボックルのイケダは、セリフを言い終える前にお后の投げつけた毒リンゴに叩き潰されていました。


    「イ、イケダさん…!」

    はやり「ウプププププ…www☆ さぁ、次はあなたの番だよ?しらつき姫ちゃん・・・w」ユラリ

    「っく…!」バッ!


    あわてて窓を閉め、部屋の奥へと逃げ込んだしらつき姫・・・

    しかし、


     ドッゴオォォ―――ンッ!!=3=3


    「ひっ?!」


    ドアを一発で蹴り飛ばし、中に入ってきたそのお后は、まるでアイドル衣装を身にまとったターミネーターのようでした。

    94 = 93 :


    はやり「プシシシシ…w☆ もう逃げられないゾ!しらつき姫ちゃん…w 黙ってはやりの毒リンゴを食べなさい!!」クワッ

    「う、うぅ…!」


    悪魔と化したアラサ―アイド・・・、否、お后様がジリジリと迫り、しらつき姫を壁際まで追い詰めました。

    絶体絶命です・・・!

    しかし、賢いしらつき姫はここで一計を案じ、お后様にこう言ったのです。


    「・・・お、お義母様、分かりました。 言われた通りそのリンゴを食べるので… お願いです、最後に神様へのお祈りだけさせてください」

    はやり「お祈り?☆ …ふぅ~ん…… 別にいいケド? じゃあサッサと済ませちゃってよ」

    「あの、この家は、神棚がトイレにあるので… 一度トイレに行かせてください」

    はやり「トイレ? そんなこと言って、窓から逃げる気なんじゃないのー?」

    「そ、そんなこと、しませんよぉ…」フルフル

    はやり「……」


    お后は少し迷いましたが、しらつき姫を縛りつけ、逃げられないようにその縄の先を持ってトイレへと行かせてあげました。

    95 = 93 :


    「トイレにまします父なる神様… 願わくば御名を…」

    はやり「……」


    トイレの中から、しらつき姫のお祈りの声が聞こえてきます。


    「…南無阿弥陀仏ナムミョウホーレンソウですよー」

    はやり「………」

    「アーメン・ザーメン・ザーサイメンいっちょうですよー!」

    はやり「……?」

    「ブリブリブリブリブリブリッ! ブリュリュリュリュリュリュッチョス!ドゥッパァッシィッ!! ですよーっ!!」

    はやり「・・・・は?」

    96 :


     ガラァッ!


    はやり「ちょっと! アンタ真面目にお祈りしてんの? フザケるなら早く出・・・ ふぁっ?!」ギョッ

    ハツミ「おや? ノックしないでトイレに入ってくるのはマナー違反ですよー?」


    そう… そこにいたのはしらつき姫ではなく、巫女服をアバンギャルドに着こなしたうんこだったのです。

    トイレに潜んでいたハツミが、しらつき姫の縄をほどいて窓から逃がしてあげていたのでした。


    ハツミ「ザンネンでしたねーw 私たちうんコロボックルがいる限り、しらつき姫には指一本ふれあばじゃあぁっ?!」ジャアァーッ・・・


    お后様は無言でそのうんこを便器の中に叩き落とすと、排水レバーをひねって流してしまいました。

    97 :


    はやり「しらつき姫ェ! このHAYARI様から逃げられると思ったら・・・大間違いだゾ!!」バッ

    はやり「さあぁ魅せろはやりのTSUBURAな瞳よ・・・! 必殺!“アラサ―・テレスコオオォ―――プ”!!☆」ババッ


    家から飛び出したお后様は、その能力の一つである千里眼を発動… 森の木々を透視し、アッという間に走って逃げるしらつき姫を見つけてしまいました。


    はやり「むふぉふぉふぉふぉ…!ww そこだッ! うなれはやりの大根足・・・じゃなくてセクシー・レッグ…! “アラサ―・ミラクルラアアァ――――ッシュ”!!☆」ドゥッパァ――ンッ!!


    爆発的なスタートダッシュで駆け出したお后様は、一瞬にして時速200kmに到達・・・ みるみるうちにしらつき姫に迫っていきます・・・!


    「えっ! お義母さん?!」ギョッ

    はやり「うひゃひゃひゃカクゴしろしらつき姫ェ!!☆」バッ


    お后様の振り上げた右手から、まるで山んばのように爪が伸び始め… しらつき姫の華奢な体を引き裂こうとした、その、刹那・・・!


     ギャリイィ――ンッ!!


    はやり「えっ?!」


    突然、どこからともなく飛んできたネビュラチェーンが、お后のその邪悪な右手にガッチリとからみついていたのです。

    98 :


    マイル「なんばしとる?! こんあやしか女め…!」ギリギリギリ・・・

    トヨネ「こらっ!そこの変なオバサン! しらつき姫ちゃんに近づくんじゃないよぉ!!」バッ

    ハル「……」ポリポリ


    はやり「… はぁ……??」


    現れたのは、長い鎖を聖闘士のようにかまえたうんこ、ひときわ長身のヴァンパイアのような目をしたうんこ、そしてのんきに黒糖をポリポリとかじっているうんこでした。


    「み、皆さん…!」パアァ・・・

    マイル「しらつき姫、間に合って良かったと… さぁ、少し離れてなさい」ザッ

    トヨネ「あなたが姫が言ってた悪いおかーさんだねー? もぉー許さないよっ!」カッ

    ハル「………  潰す」ポリポリ


    ・・・ああ、なんとたのもしいうんこたちでしょう…!

    三人のうんコロボックルたちは、ヘタリこんでいたしらつき姫の前に立つと、キッとお后をにらみつけました。

    しかし・・・


    はやり「… なぁーに?☆ まさかマキグソさんたちがはやりの相手をしてくれるの? ちゃんちゃらちゃらちゃらおかしいYO~~ww」ヘラヘラ

    トヨネ「うんこだからってナメるんじゃないよぉ! そしてちゃらが一つ多いよっ!!」

    ハル「いや、二つ多い…」

    マイル「そがんことはどうでもよか! さあイクぞ!!」

    トヨネ・ハル「「おう!!」」ババッ!!

    99 :


    トヨネ「えぇいコレでもクラエエェッッ!!」ブンブンブン!!

    マイル「リザベーション・・・セエェブゥ――ンッ!!」バババッ!

    ハル「ポン、チー、ポン、そしてポォン!!」ブンブン

    はやり「ん?!☆」


    トヨネが自分のうんこボディをちぎって投げ、マイルがさらに鎖を放ち、ハルが自慢の喜界島原産の黒糖を投げつける…!


    うんこ「 ミチミチミチミチイィッ!! 」
    「 ビュゴオオォォ――ッ!! 」
    黒糖「 ヒョワアアアァァ――ッ!! 」


    はやり「む…!☆」


    うんこ「 ビチビチビチビチイイィッ!! 」
    「 ギュイイイィィ―――ンッ!! 」
    黒糖「 ヒュンヒュンヒュンヒュウゥ――ンッ!! 」


    はやり「これは・・・!!☆」


    一斉にお后様を襲ううんこ、鎖、そして黒糖・・・!

    お后は右手をマイルのネビュラチェーンに縛られたままであり、動くことができません。

    化物のようなお后様も、さすがにこれは打つ手なし… もはやこれまでか? と思われた、次の瞬間でした。


    はやり「ナメるなッ!☆ 今こそ萌えろはやりのコスモよ・・・! 超絶必殺ぅ! “アラサ―・ハイパーディメンショオオオォォ―――ン”!!!」ブワアアアァーッ!!


    マイル「っげえ えぇ っっ !?!」=3

    100 = 99 :


     スポポポポポポポポオォ―――ン…!


    トヨネ「えぇっ?!」

    ハル「…は?」


    驚愕の表情を浮かべるうんコロボックルたち…

    なんと、お后様が一声吼えると同時に、突然空間に真っ黒い“穴”があき…

    うんこ、鎖、黒糖、その全てが穴の中へと吸い込まれてしまったのです。


    マイル「な・・・何をしたんや! きさん!!」

    はやり「うぴぴぴぴぴぴぴ…ww☆ これは“萌え”をとことん極めし者だけが使うことを許される萌えキャラ限定の究極奥義・・・!!」ゴゴゴォ・・・

    はやり「どんなモノも異次元へフッ飛ばしてしまう“アラサ―・ディメンション”・・・! うんこごときが束になってかかったって、はやりに勝てるわけないんだYO!☆」ハヤッ!

    トヨネ「そ、そんな、バカな…? 萌え度なら、アンタみたいなBBAよりもエイスリンさんの方がはるかに上のはずだよぉ?!」ワナワナ

    はやり「そんなこわっぱが“萌え”を極められるワケないでしょー?☆ はやりは小二の時から本気で萌えを追及してきたんだよ… 全然年季が違うんだYO!!」カッ

    はやり「さあぁカクゴしろうんこドモォ! くらえっ! “アラサ―・ディメンション・マァッ―――クスゥッ”!!☆」ブワアァァッ!

    ハル「うっぐうぅっ?!」=3


     ドヒュオオオオオォォ――――ンッ!!


    お后の放った究極の萌え技は猛烈な竜巻を発生させ… バキュームカーのように三人のうんコロボックルたちを一気に吸い込んでしまいました。


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