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元スレ京太郎「修羅場ラヴァーズ」爽「完全無欠のハッピーエンド!」
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飛行機での長旅を終え、凝り固まった首をぐりぐり回しながら京太郎はパリの空港に降り立った。
最早聞き慣れたフランス語のアナウンスを耳にしながら、電光掲示板の時刻を確認する。
待ち合わせの時間まであと一時間。
新聞でも読みながら待つかと鞄を開くと――唐突に、強めの風が頬を撫でた。
「Mon chéri!!」
続いて、頭上から女の声。
やれやれと苦笑を浮かべ、それでも愛しい女を迎えるべく、京太郎は両手を広げながら顔を上げた。
「Ma chérie――ただいま、明華」
最早聞き慣れたフランス語のアナウンスを耳にしながら、電光掲示板の時刻を確認する。
待ち合わせの時間まであと一時間。
新聞でも読みながら待つかと鞄を開くと――唐突に、強めの風が頬を撫でた。
「Mon chéri!!」
続いて、頭上から女の声。
やれやれと苦笑を浮かべ、それでも愛しい女を迎えるべく、京太郎は両手を広げながら顔を上げた。
「Ma chérie――ただいま、明華」
傘を開き、風に乗って舞い降りる――そんなメルヘンチックな登場をした女性。
空港の中だというのに、一目をまるで気にせず愛する人に抱き付く彼女。
彼女こそ、風神と名高い女子プロ雀士であり――京太郎の妻の一人である、雀明華だ。
「あぁ……」
トレードマークの白い傘を放り投げ、京太郎の胸に頬ずりをする。
深く息を吸い、熱い吐息を零す。
彼の匂いを堪能し、自分の匂いを擦り込むような仕草。
彼女の想いに応えるように、京太郎は明華の頭を優しく撫でた。
さらさらと指の隙間を流れる髪の感触が気持ち良く感じる。
空港の中だというのに、一目をまるで気にせず愛する人に抱き付く彼女。
彼女こそ、風神と名高い女子プロ雀士であり――京太郎の妻の一人である、雀明華だ。
「あぁ……」
トレードマークの白い傘を放り投げ、京太郎の胸に頬ずりをする。
深く息を吸い、熱い吐息を零す。
彼の匂いを堪能し、自分の匂いを擦り込むような仕草。
彼女の想いに応えるように、京太郎は明華の頭を優しく撫でた。
さらさらと指の隙間を流れる髪の感触が気持ち良く感じる。
「あぁ、まるで夢のよう……」
「大袈裟。今回は二カ月はこっちにいられるから」
「……二カ月しか、です。次はグルジアに行ってしまうのでしょう?」
「……」
両想いの二人でも、触れ合える時間には限りがある。
彼の仕事の都合と、彼女『たち』との約束。
二人を阻む壁であり、二人を結びつける橋。
こんな歪な関係が出来てしまったのも、全ては京太郎が最善の選択を選べなかったからであり――
「ええ……時間は無駄には出来ません。行きましょう、ホテルをとってあります」
「マジかー……」
――と、物思いに耽る間もなく。
京太郎は、明華に引き摺られるように空港を後にした。
「大袈裟。今回は二カ月はこっちにいられるから」
「……二カ月しか、です。次はグルジアに行ってしまうのでしょう?」
「……」
両想いの二人でも、触れ合える時間には限りがある。
彼の仕事の都合と、彼女『たち』との約束。
二人を阻む壁であり、二人を結びつける橋。
こんな歪な関係が出来てしまったのも、全ては京太郎が最善の選択を選べなかったからであり――
「ええ……時間は無駄には出来ません。行きましょう、ホテルをとってあります」
「マジかー……」
――と、物思いに耽る間もなく。
京太郎は、明華に引き摺られるように空港を後にした。
グルジアの表記は2015年以降はジョージアやで(小声)
現地語だとサカルトヴェロ表記なのは変わらないみたいやけど。
小ネタで臨海編京ちゃんの世界一周種付け旅行見てみたいw
(東京、中国、フランス、ジョージア、ロシア、アメリカ、東京の順で)
現地語だとサカルトヴェロ表記なのは変わらないみたいやけど。
小ネタで臨海編京ちゃんの世界一周種付け旅行見てみたいw
(東京、中国、フランス、ジョージア、ロシア、アメリカ、東京の順で)
『彼の笑顔は見たいけど、他の女は必要ない』
『目の前で彼に擦り寄る女がいれば我慢できない』
『つまり。目の前に彼だけがいればいい』
『だけど。彼の悲しい顔は見たくない』
『だったら。国境さえ越えてしまえば』
そんな彼女たちの望みを出来る限り叶えた形が、今の関係。
彼は国を渡り、彼女たちは彼を待つ。
決められた時間の中で愛し合い、それが終われば次の時を待つ。
『目の前で彼に擦り寄る女がいれば我慢できない』
『つまり。目の前に彼だけがいればいい』
『だけど。彼の悲しい顔は見たくない』
『だったら。国境さえ越えてしまえば』
そんな彼女たちの望みを出来る限り叶えた形が、今の関係。
彼は国を渡り、彼女たちは彼を待つ。
決められた時間の中で愛し合い、それが終われば次の時を待つ。
彼女たちの出した結論を、京太郎はただ受け入れた。
もう少しだけ彼に器用さか一途さがあれば、未来は違った形になったのだろうけれど。
「愛しています、あなただけを」
「あぁ――俺もだよ」
愛した女の熱と重みを受け止めながら、京太郎は微笑んだ。
微笑むしか、なかった。
もう少しだけ彼に器用さか一途さがあれば、未来は違った形になったのだろうけれど。
「愛しています、あなただけを」
「あぁ――俺もだよ」
愛した女の熱と重みを受け止めながら、京太郎は微笑んだ。
微笑むしか、なかった。
ハーレムものでよくある『今日は~の日」を国境レベルにした話
小ネタ安価下3
小ネタ安価下3
「帽子とかサングラスとか。あと厚手の服とか。それだけで意外とバレないんだよ?」
イタズラっ子のように、彼女はわらった。
確かに、意外とバレないものだ。
自嘲するように彼も笑って、薬指の指輪を鞄にしまった。
イタズラっ子のように、彼女はわらった。
確かに、意外とバレないものだ。
自嘲するように彼も笑って、薬指の指輪を鞄にしまった。
「元気ないぞ☆ せっかくお忍びで来てるんだし、もっと楽しまなきゃ」
めっ☆と彼女は指を鼻先に突き付けるが、自分はそれどころじゃない。
この状況を楽しめるほど厚顔ではなく、図太くもなければ色ボケでもない。
「もー……そんな顔してると、みんなにバラしちゃうよ?」
……それは、ダメだ。
この『旅行』に来た意味がなくなってしまうし、『あの子』を傷付けてしまう。
それに、彼女だって破滅を迎えることになるだろう。
「んー……別に、それでもいいよ? 君が手に入れば、それで」
めっ☆と彼女は指を鼻先に突き付けるが、自分はそれどころじゃない。
この状況を楽しめるほど厚顔ではなく、図太くもなければ色ボケでもない。
「もー……そんな顔してると、みんなにバラしちゃうよ?」
……それは、ダメだ。
この『旅行』に来た意味がなくなってしまうし、『あの子』を傷付けてしまう。
それに、彼女だって破滅を迎えることになるだろう。
「んー……別に、それでもいいよ? 君が手に入れば、それで」
「キミとあの子の関係。瑞原はやりとキミのこと関係。あの子と瑞原はやりの関係。
あは――みーんな、ヒミツだらけだね☆」
彼女の業界での力は絶対的で、あの子の夢の妨げにも後押しにも成り得る。
そして、どちらに転ぶかは自分の行動次第なのだ。
だったら――選択肢なんてどこにもない。
この状況を利用してやるだけだ。
優しげな表情をわざとらしく作り、はやりの手を握る。
あは――みーんな、ヒミツだらけだね☆」
彼女の業界での力は絶対的で、あの子の夢の妨げにも後押しにも成り得る。
そして、どちらに転ぶかは自分の行動次第なのだ。
だったら――選択肢なんてどこにもない。
この状況を利用してやるだけだ。
優しげな表情をわざとらしく作り、はやりの手を握る。
「はゃ?」
惚けた様子のはやりの手を引いて、演技感をたっぷり込めてこう言ってやる。
"何ボーッとしてるんですか? せっかくお忍びなんだから楽しまないと"
すると。
彼女は一瞬だけあっけに取られた顔になって。
「あは……あはっ☆ そうこなくっちゃ☆」
惚けた様子のはやりの手を引いて、演技感をたっぷり込めてこう言ってやる。
"何ボーッとしてるんですか? せっかくお忍びなんだから楽しまないと"
すると。
彼女は一瞬だけあっけに取られた顔になって。
「あは……あはっ☆ そうこなくっちゃ☆」
双方、見抜かれた上での仮面の付き合い…修羅場の感じが薄い。
そろそろ収穫(ずずず・・・)
そろそろ収穫(ずずず・・・)
そうだ。
コレは、仕方のないことなのだ。
あの子を、瑞原はやりから守るために。
瑞原はやりを、味方につけるために。
仕方のないことなのだと、自分に言い訳をする。
あの子への裏切りで締め付けられる胸の痛みに耐えながら。
――心のどこかで、この状況を愉しんでいる自分に目を背けた。
【有珠山編ifルート】
コレは、仕方のないことなのだ。
あの子を、瑞原はやりから守るために。
瑞原はやりを、味方につけるために。
仕方のないことなのだと、自分に言い訳をする。
あの子への裏切りで締め付けられる胸の痛みに耐えながら。
――心のどこかで、この状況を愉しんでいる自分に目を背けた。
【有珠山編ifルート】
ひぃ
「俺、先輩のこと好きだ」
ぽつりと、京太郎が言葉を零した。
ぽろりと、女子部員の手から牌が溢れた。
ぽつりと、京太郎が言葉を零した。
ぽろりと、女子部員の手から牌が溢れた。
それは、無意識のうちに漏れたものだったのだろう。
女子たちの間で凍り付いた空気などまるで気にせず、京太郎はプリントの束を纏めている。
「須賀くん? い、今のはどういう……?」
「え? 何か言いました俺」
竜華は瞳孔が開くレベルで京太郎を見つめ。
怜は気怠げに目を細め。
フナQは眼鏡を光らせ。
泉は灰になった。
反応の差はあれど――千里山の主力メンバーは、京太郎の一挙手一投足を見逃すまいと目を見開いている。
女子たちの間で凍り付いた空気などまるで気にせず、京太郎はプリントの束を纏めている。
「須賀くん? い、今のはどういう……?」
「え? 何か言いました俺」
竜華は瞳孔が開くレベルで京太郎を見つめ。
怜は気怠げに目を細め。
フナQは眼鏡を光らせ。
泉は灰になった。
反応の差はあれど――千里山の主力メンバーは、京太郎の一挙手一投足を見逃すまいと目を見開いている。
麻雀部としては不幸な事に、顧問と監督は不在。
落ち着かない彼女たちに活を入れる存在がいないため、落ち着かない空気は部活が終わるまで続いた。
ちなみに。
勝ったなと言わんばかりの態度で胸を強調するように腕を組む竜華。
ささ、と髪を整えたりスマホを手鏡に身嗜みをチェックする怜。
ぶつぶつと高速で何事かを呟くフナQ。
集中放火で飛ばされ続けた泉。
このように、彼女たちの反応も様々であった。
落ち着かない彼女たちに活を入れる存在がいないため、落ち着かない空気は部活が終わるまで続いた。
ちなみに。
勝ったなと言わんばかりの態度で胸を強調するように腕を組む竜華。
ささ、と髪を整えたりスマホを手鏡に身嗜みをチェックする怜。
ぶつぶつと高速で何事かを呟くフナQ。
集中放火で飛ばされ続けた泉。
このように、彼女たちの反応も様々であった。
そして、部活が終わりを迎えた時。
異口同音に、彼の真意を問いただそうとした瞬間に――。
「じゃ、俺用事あるんでっ!!」
「え、ちょっ!?」
鞄を引っ掴み、京太郎は風の如きスピードで部室を飛び出した。
腐っても元ハンドボール部のエース、彼が本気でロケットスタートを決めたら誰も追い付けない。
竜華が伸ばした腕が、虚しく宙をさ迷った。
異口同音に、彼の真意を問いただそうとした瞬間に――。
「じゃ、俺用事あるんでっ!!」
「え、ちょっ!?」
鞄を引っ掴み、京太郎は風の如きスピードで部室を飛び出した。
腐っても元ハンドボール部のエース、彼が本気でロケットスタートを決めたら誰も追い付けない。
竜華が伸ばした腕が、虚しく宙をさ迷った。
京太郎が向かう先はただ一つ、三年のとある教室。
恥も外聞も無く、無作法に閉じられた戸を開く。
「せんぱーいっ! 江口せんぱぁあーいっ!!」
「おぅっ!? 何やいったい!?」
京太郎の視線の先。
そこには、クラスの用事で部活に不参加だったセーラが面食らった顔で座っていた。
周りのクラスメイトも目を見開いてビックリしている。
「せんぱーいっ! 好きだぁーっ!!」
「んなっ!?」
恥も外聞も無く、無作法に閉じられた戸を開く。
「せんぱーいっ! 江口せんぱぁあーいっ!!」
「おぅっ!? 何やいったい!?」
京太郎の視線の先。
そこには、クラスの用事で部活に不参加だったセーラが面食らった顔で座っていた。
周りのクラスメイトも目を見開いてビックリしている。
「せんぱーいっ! 好きだぁーっ!!」
「んなっ!?」
意味不明な不意打ち。
脳が理解に追い付かず固まるセーラ。
京太郎は、その間にずんずんと大股でセーラの元に歩みを進め、
「先輩、借りてきますね」
「え、あ、どうぞ……」
「え、おま」
勢いよく。
魔王が姫を掻っ攫うかの如く。
セーラを、お姫様抱っこで抱き上げた。
脳が理解に追い付かず固まるセーラ。
京太郎は、その間にずんずんと大股でセーラの元に歩みを進め、
「先輩、借りてきますね」
「え、あ、どうぞ……」
「え、おま」
勢いよく。
魔王が姫を掻っ攫うかの如く。
セーラを、お姫様抱っこで抱き上げた。
「おま、何のつもりや!?」
「何でしょうね――でも!!」
セーラを抱き上げたまま、京太郎は全速力で廊下を走り、階段を駆け上る。
一方の彼女、セーラはあまりの事態に抵抗する事も忘れていた。
だがまぁ――微かに緩んだ口元と、真っ赤になった頬。
彼女のこの反応も、また。
「何でしょうね――でも!!」
セーラを抱き上げたまま、京太郎は全速力で廊下を走り、階段を駆け上る。
一方の彼女、セーラはあまりの事態に抵抗する事も忘れていた。
だがまぁ――微かに緩んだ口元と、真っ赤になった頬。
彼女のこの反応も、また。
やがて二人は、屋上へ辿り着く。
完全に無計画な行動だったが、運良く扉は開いていた。
京太郎は沈む夕日と、茜色の空を決意の宿った瞳で見上げて――。
「せんぱーいっ! 江口セーラせんぱーいっ! 好きだーっ!! 俺と、俺と――むぐっ!?」
「やかましいわボケェッ!!」
京太郎の腕に抱かれたまま、セーラが手を伸ばし、大きく開いた口を摘むように塞ぐ。
不意打ちに対応しきれず、これには押し黙るしかなく。
「オレも――オレも好きや! 大好きやっ!! 愛しとるわ、こんのバカタレがぁーっ!!」
完全に無計画な行動だったが、運良く扉は開いていた。
京太郎は沈む夕日と、茜色の空を決意の宿った瞳で見上げて――。
「せんぱーいっ! 江口セーラせんぱーいっ! 好きだーっ!! 俺と、俺と――むぐっ!?」
「やかましいわボケェッ!!」
京太郎の腕に抱かれたまま、セーラが手を伸ばし、大きく開いた口を摘むように塞ぐ。
不意打ちに対応しきれず、これには押し黙るしかなく。
「オレも――オレも好きや! 大好きやっ!! 愛しとるわ、こんのバカタレがぁーっ!!」
京太郎に負けず劣らずの大声量。
校舎を超えて、校庭の隅まで響き渡る未成年たちの主張。
学校から帰ろう、としていた生徒たちも足を止めざるをえない。
他の生徒たちにしてみれば、まるで意味がわからない。
なんせ、当の本人たちもわかっていないのだから。
しかし、まぁ。
「好きだぁーっ!」
「好きやあーっ! 京太郎ぉーっ!!」
それはきっと、幸せなことに間違いはないのだろう。
校舎を超えて、校庭の隅まで響き渡る未成年たちの主張。
学校から帰ろう、としていた生徒たちも足を止めざるをえない。
他の生徒たちにしてみれば、まるで意味がわからない。
なんせ、当の本人たちもわかっていないのだから。
しかし、まぁ。
「好きだぁーっ!」
「好きやあーっ! 京太郎ぉーっ!!」
それはきっと、幸せなことに間違いはないのだろう。
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