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    元スレ加蓮「私、たぶん死ぬの」

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    101 : 以下、名無しにか - 2015/12/11(金) 23:21:03.11 ID:akKybU1ko (+35,+30,-90)
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    ーーーーーーーーーーーーーーー
    -数週間後-

    ガチャ

    P 「ただいまー」

    加蓮「おかえりなさい」

    P 「市立図書館なんて、久々に行ったよ」

    P 「本なら、また文香に借りればよかったんじゃないか?」

    加蓮「だって、何冊も借りたら悪いじゃない」

    加蓮「前の本だってまだ全部読みきってないのに」

    P 「文香なら喜んで貸してくれそうな気もするけどな」

    加蓮「まぁいいじゃない。それより」

    加蓮「本、あった?」
    102 : 以下、名無しにか - 2015/12/11(金) 23:26:38.56 ID:akKybU1ko (+35,+30,-80)
    P 「あったよ。ほら」ゴソ

    加蓮「ん、ありがと」

    加蓮「...あれ?」

    P 「?」

    加蓮「あっ、ううん。なんでもないの」

    P 「どうした?頼まれてた本、それで良かったんだよな」

    P 「ピーターラビットの」
    103 : 以下、名無しにか - 2015/12/11(金) 23:34:32.06 ID:akKybU1ko (+35,+30,-119)
    加蓮「えっとね...」

    加蓮「これ、確かにピーターラビットのシリーズだけど」

    加蓮「私が借りてきて欲しかったのは別のなの」

    P 「え、そうだったか?」

    加蓮「これは”こわいわるいうさぎのおはなし”」

    加蓮「私がお願いしたのは”フロプシーのこどもたち”だったんだ」

    P 「で、でも、それでも良いんだろ?」

    加蓮「うーんとね....」

    P 「ちょっと待て、確かここにメモが...」クシャ

    加蓮「あっ...」
    104 : 以下、名無しにか - 2015/12/11(金) 23:39:34.14 ID:akKybU1ko (+35,+30,-73)
    P (どれどれ...)カサ

    P 「げっ」

    P (”こわいわるいうさぎのおはなし・・・×”)

    加蓮「あちゃー...」

    P 「良くなかったみたいだな...すまん」

    P 「もう一回行って、借りなおしてくるよ」

    加蓮「わっ。いいのいいの」

    加蓮「今度また借りてきてくれればいいから」

    P 「いや、いいんだ。間違えたのは俺だし」
    105 : 以下、名無しにか - 2015/12/11(金) 23:41:59.25 ID:akKybU1ko (+33,+30,-102)
    加蓮「で、でも、今日はすごく寒いし」

    加蓮「それに、今から出かけたら、帰る頃には日が暮れて...」

    P 「大丈夫だよ」

    P 「すぐ帰ってくるから」

    加蓮「ほんとに行く気なの?」

    P 「ああ、もちろん」

    加蓮「...もう、病気が悪化しても知らないよ?私は止めたからね」

    P 「わかってるよ。じゃ、行ってくる」

    加蓮「......がんこなんだから」

    ガチャ
    106 : 以下、名無しにか - 2015/12/11(金) 23:50:49.63 ID:akKybU1ko (+33,+30,-129)
    -外-

    P 「うぅ...さむっ」ブル

    P (やべ、もう東の空が暗くなりかかってる)

    P 「まいったな...。急がないと図書館が閉まるぞ」

    P (加蓮にああ言った手前、もう失敗は出来ないし)

    P 「...頑張るしかないか」

    P 「はぁ...、こんなことならマイカー買っとくんだった」タタタタ



    P (なんとなく身体が重い。具合が良くないんだろう)

    P (これは来週の定期診断、もしかしたらひどい結果が出るかもしれないな)

    P (ま、いいけど)
    107 : 以下、名無しにか - 2015/12/12(土) 00:00:35.85 ID:JA5TNF21o (+35,+30,-52)
    P (それよりも、この間から加蓮が時々見せるあの瞳)

    P (瞳の中で黒い水がゆっくりと渦巻いているよな)

    P (吸い込まれそうで、それでいてひどく切ないような、あの目...)

    P (どうして、加蓮はあんな目をするんだろう)
    108 : 以下、名無しにか - 2015/12/12(土) 00:01:17.03 ID:JA5TNF21o (-17,-7,+0)
    つづく
    109 : 以下、名無しにか - 2015/12/12(土) 00:34:55.54 ID:FvmTu4lO0 (+24,+29,-7)
    おつ
    当方三重県民、あそこであんなことがあって、いまだに衝撃が冷めぬところ
    110 : 以下、名無しにか - 2015/12/12(土) 19:59:31.78 ID:JA5TNF21o (+35,+30,-62)
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    ーーーーーーーーーーーーーーー
    -病院-

    P 「結局、夕食の時間までに戻れなかった...」グゥー

    P (ま、目的の本は借りられたから良しとするか...)

    P (さっそく加蓮に渡さないと)

    コンコン

    P 「入るぞ」ガチャ

    P (...あれ)

    P (部屋がまっくらだ。電気、つけてないのか)

    P 「加蓮?」

    加蓮「.........」
    111 : 以下、名無しにか - 2015/12/12(土) 20:02:10.82 ID:JA5TNF21o (+35,+30,-58)
    P (窓からかすかに射しこむ外灯の光に)

    P (加蓮の輪郭をうっすらと浮かびあがっている)

    P 「明かり、つけないのか?どうしたんだよ?」

    加蓮「............」

    P 「............」

    P (加蓮、またあの建物をじっと見つめて...)
    112 : 以下、名無しにか - 2015/12/12(土) 20:04:14.08 ID:JA5TNF21o (+30,+30,-62)
    P 「.........」

    テクテク

    P (本は...ベッドの上に置いとけばいいだろ)ポフ

    P (さてと。俺はパイプ椅子に座って)

    P (待つとするか)ギシッ
    113 : 以下、名無しにか - 2015/12/12(土) 20:07:31.35 ID:JA5TNF21o (+35,+30,-137)
    加蓮「.........」

    P (みじろぎひとつしない)

    P (なにも言わないし、こっちを振り向きもしない)

    P (ただじっと、加蓮は外を眺めている)

    P (...まるでこの部屋だけ、時間がゆっくり流れているみたいだ)

    P (こんな状況にも、もう慣れちゃったな)



    P (一日に一度くらい、こんな時間がある)

    P (なんの前触れもなく、急に加蓮は黙り込んでしまう)

    P (こうなったら、こっちが何を言ってもダメだ)

    P (話しかけても加蓮は無視するし、よくても生返事がせいぜい)

    P (こんな時、俺は、加蓮が遠くへと離れてしまったように思ってしまう)

    P (俺の手は、もう加蓮には届かないんじゃないかと)
    114 : 以下、名無しにか - 2015/12/12(土) 20:09:54.48 ID:JA5TNF21o (+30,+30,-35)
    加蓮「.........」

    P 「.........」

    P (加蓮。今、なにを考えているんだ?)

    P (なぜあのコンサートホールを見つめているんだ?)

    P (また、ステージの上に立ちたいのか?)

    P (それとも..)
    115 : 以下、名無しにか - 2015/12/12(土) 20:12:44.98 ID:JA5TNF21o (+30,+30,-52)
    加蓮「.........」

    P 「.........」

    P (加蓮の背中...)

    P (.........痩せたな)

    P (ただでさえ、ほっそりとした体系だったんだ)

    P (今の加蓮は、細すぎる。哀しさを感じさせるほどだ)
    116 : 以下、名無しにか - 2015/12/12(土) 20:37:05.90 ID:JA5TNF21o (+27,+29,-30)
    P (加蓮の病気のことを、俺は知らない)

    P (本人に聞くわけにもいかないし)

    P (それに、正直言って)

    P (聞くのが、怖い)


    グウゥゥゥー

    P 「あ」
    117 : 以下、名無しにか - 2015/12/12(土) 21:31:31.20 ID:JA5TNF21o (+35,+30,-68)
    P (腹の音が...。夕食、食べてないからなぁ)

    加蓮「......。」クルリ

    P 「あ、加蓮...。その、ごめん」

    P 「って、なに謝ってるんだろうな。はは...」

    加蓮「.........」

    P (逆光になって、加蓮の表情が見えない)

    P (もしかして怒らせたか?)


    加蓮「それ、食べていいよ」

    P 「え?」
    118 : 以下、名無しにか - 2015/12/12(土) 21:49:27.23 ID:JA5TNF21o (+35,+30,-86)
    加蓮「食べて」スッ

    P 「あ、夕食...!」

    P 「どうしたんだ、これ」

    加蓮「プロデューサーさんの分。とっておいたの」

    P 「俺のって......。わざわざ持ってきてくれたのか?」

    加蓮「......」コクン

    P (なんてことだ)

    P (加蓮のやつ、看護婦さんに俺の夕食が回収されないように)

    P (食事を持ってきておいてくれたんだ)
    119 : 以下、名無しにか - 2015/12/12(土) 22:27:53.48 ID:JA5TNF21o (+35,+30,-70)
    P 「..........」

    加蓮「?」

    加蓮「食べないの?」

    P 「あ、いや、食べるよ!食べる」

    P (ちょっと感動して呆けてしまった)

    加蓮「ここ。ベッドのはじ、使って良いよ」スッ

    加蓮「明かりもつけていいから」

    P 「あ、ありがと」

    P 「じゃあ、いただきます」

    加蓮「ふふ、どうぞ」
    120 : 以下、名無しにか - 2015/12/12(土) 22:49:32.96 ID:JA5TNF21o (+35,+30,-58)
    P 「......」 ガツガツ

    P (腹が減ってたせいかな)

    P (すっげーうまい)

    P (いや、もしかしたら、別の理由かもしれないけど)ガツガツ

    加蓮「プロデューサーさんってばそんなにがっついて、犬みたい」クス

    P 「犬って」チラ

    P (なんでだろう。悪い気はしないな)
    121 : 以下、名無しにか - 2015/12/12(土) 22:50:53.83 ID:JA5TNF21o (+35,+30,-89)
    加蓮「ふふ...」ニコニコ

    P (加蓮が嬉しそうに笑ってる)

    P (笑っているときの加蓮は、天使のように綺麗だ)

    P (ずっとこんな風に笑ってくれればいいのにな...)ジッ

    加蓮「...?」

    加蓮「どうしたの?」

    P 「...すっげーうまい」

    加蓮「病院のごはんがおいしいなんて」

    加蓮「かわってるね、プロデューサーさん」

    P 「い、いや、ほんとうまいって」
    122 : 以下、名無しにか - 2015/12/12(土) 23:01:04.02 ID:JA5TNF21o (+35,+30,-69)
    加蓮「よしよし、いっぱいたべなさい」ナデ

    P (犬みたいに撫でられた)

    P (でも、やっぱり悪い気はしない)

    P (それどころか、髪を滑ってゆく加蓮の手の感触やその笑顔が、やたらと嬉しい)

    P 「あー、うまい。ほんとうまい」ガツガツ

    加蓮「たんとおたべ」ニコニコ


    P (恥ずかしいから、言わないけど)ガツガツ
    123 : 以下、名無しにか - 2015/12/12(土) 23:01:33.38 ID:JA5TNF21o (-17,-7,+0)
    つづく
    124 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 01:59:47.91 ID:fGeSVyMrO (+11,+26,+0)
    既につらい
    125 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 04:43:25.13 ID:iKobXL5lo (+24,+29,-14)
    ここまではまだなぞってるだけだから希望はある
    126 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 06:40:53.26 ID:CDhsoNfXo (+24,+29,-17)
    肝炎で入院中は外出できないから退院してるはず
    プロデューサーの分の夕食はどこから持ってきたの?
    127 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 09:17:37.07 ID:gYNM5i2QO (+25,+30,-31)
    肝炎はぐぐったら十数日で外出許可が出ることもあるみたい
    つまりご飯はプロデューサーの病室に配膳されたものを持ってきたんだろう
    128 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 11:31:06.31 ID:y6WaMGbBo (+19,+29,-1)
    加蓮は立って動けるんだろうか
    129 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 11:43:15.27 ID:boHEiCBTO (+24,+25,-2)
    これって元ネタあるの?
    130 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 21:42:52.71 ID:zHPXhbUGo (+45,+30,-71)
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    ーーーーーーーーーーーーーーー

    コンコン

    加蓮「プロデューサーさん、いる?」ガチャ

    P 「お。珍しいな、加蓮の方から俺の部屋に来るなんて」

    加蓮「ちょっとね。...あ」

    加蓮「その本、読んでるんだ」

    P 「ああ。さすが文香の選んだ本だけあって面白いよ」

    P 「なんていうか、ちょっと変わった人だよな」

    P 「芥川さん」
    131 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 21:47:02.76 ID:zHPXhbUGo (+45,+30,-82)
    加蓮「ふーん...」テクテク

    P 「それで、なにか用でもあるのか?」

    加蓮「.......」

    加蓮「えいっ」パタン

    P 「あーっ!なにするんだよ加蓮!」

    P 「本をいきなり閉じたら、どこまで読んだかわからなくなっちゃうだろ!」

    加蓮「んふふ」

    P 「んふふじゃなくて!」
    132 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 21:52:11.77 ID:pmm582RNo (+24,+29,-18)
    >>129
    半分の月がのぼる空
    133 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 21:54:58.34 ID:zHPXhbUGo (+45,+30,-58)
    加蓮「ごめんね、真剣に読んでるみたいだったから、つい」

    P 「ついって...まったく。完全に油断してたよ」

    P (今度からはしおりを用意しておこう)

    加蓮「それよりさ」

    加蓮「ね、プロデューサーさん。ちょっと付き合ってくれない?」

    P 「え?」

    加蓮「あのね、行きたいところがあるの」
    134 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 21:59:01.69 ID:zHPXhbUGo (+45,+30,-49)
    P 「ずいぶん唐突だな」

    P (病院なんて特にやることもないし、構わないけど...)

    P 「.........」

    P (どうしたんだ?今日の加蓮...)

    P (はしゃいでいる...いや、違うな)

    P (無理に、はしゃいでいるフリをしている)

    P (そんな感じだ)
    135 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 22:02:14.75 ID:boHEiCBTO (+5,+7,+1)
    >>132
    サンクス
    136 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 22:06:39.16 ID:zHPXhbUGo (+45,+30,-119)
    加蓮「何してるの、プロデューサーさん。早くいこう?」

    P 「それはいいけど...どこに行くんだ?」

    加蓮「ふふ。ついてきたらわかるよ」

    P 「...院内だよな?」

    P 「というか、さっき奈緒が来てなかったか?」

    P 「いいのか?放っておいたらかわいそうだろ」

    加蓮「もうっ、細かいことはいいじゃない!」

    加蓮「ほら、いいからいこうよ。プロデューサーさん」グイグイ

    P 「どうしたんだ加蓮?なにかあったのか?」

    加蓮「........」グイグイ

    P 「ちょっ、わかった!行く、すぐ行くから!」

    P (しょうがない。どのみち俺には)

    P (加蓮を放り出すなんて、できるわけ無いんだ)
    137 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 22:14:27.97 ID:zHPXhbUGo (+45,+30,-87)
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    ーーーーーーーーーーーーーーー

    テクテク ピタッ

    加蓮「...ふぅ、到着ー」

    P 「なぁ、加蓮」

    加蓮「ん?」

    P 「目的地って...ここか?」

    加蓮「うん。そうだよ」

    P 「..........」

    P (自販機コーナーでジュースでも飲むのかと思ってたんだが)

    P (...なんで、ここに?)

    P (だって、1階の廊下の突き当たり.....ここは)

    P (手術室じゃないか)
    138 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 22:19:19.13 ID:zHPXhbUGo (+45,+30,-126)
    P (ランプが消えているところを見ると、今は使ってないみたいだけど)

    加蓮「.........」ギィ

    P 「!?」

    P 「お、おい、加蓮!」

    加蓮「........」スタスタ

    P 「やばいって!怒られるぞ!」

    加蓮「大丈夫だよ」

    P 「え?」

    P (もしかして、見学の申請でもしてあるのか?)

    加蓮「怒られたら、プロデューサーさんに無理やり連れこまれたって言うから」

    P 「なっ...!」
    139 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 22:26:19.74 ID:zHPXhbUGo (+45,+30,-89)
    加蓮「表現力レッスンでずいぶん鍛えられたからさ」

    加蓮「演技にはちょっと自信あるよ」フフ

    P 「おいおい...勘弁してくれ」

    P (冗談だよな?笑ってるけど...)

    加蓮「.........」ニコニコ

    P (.........)

    P 「......はぁ」

    P (しょうがない。もう、なるようになれだ)

    P 「ちょっとだけだからな」

    加蓮「わかってるって。ふふっ」
    140 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 22:30:25.41 ID:zHPXhbUGo (+45,+30,-129)
    加蓮「ね、プロデューサーさんは手術室に入ったことある?」

    P 「いや、ないよ」

    加蓮「私も。こんなふうになってるんだね」

    加蓮「いろんな医療機器がいっぱい」

    P 「ああ、使い方のわからない機械ばっかりだ」

    P 「俺がわかるのは、心電図と点滴台くらいだな」

    加蓮「あはは、私もそうかも」

    加蓮「あとわかるものって言ったら...やっぱりあれだね」チラ

    P 「......だな」

    P (部屋の中央)

    P (緑のカバーがかけられてはいるが、間違えようがない)

    加蓮「......手術台」
    141 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 22:33:49.57 ID:zHPXhbUGo (+45,+30,-84)
    P 「.........」

    加蓮「プロデューサーさん、寝てみてよ」ポンポン

    P 「お、俺が?」

    加蓮「うん。ね、ちょっとだけでいいから」

    P 「........」

    P (いいのかなぁ。いや、どう考えてもダメだけど)

    加蓮「........」

    P 「.....はぁ、ほんとにちょっとだけだぞ」

    加蓮「やったっ」

    P 「よいしょっ」ボス

    P 「これでいいか?」

    加蓮「うむ、よろしい」
    142 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 22:37:52.96 ID:zHPXhbUGo (+45,+30,-77)
    加蓮「ごほん」

    P 「?」

    加蓮「では、手術を始めます」

    P 「は?」

    加蓮「まず胸の真ん中を喉仏の下から鳩尾まで切開し」

    加蓮「胸骨も切開します。心臓が見えるようになったら」

    加蓮「人工心肺装置で血液の流れを確保しつつ...」

    P 「ちょ、ちょっと待て!加蓮、なに言ってるんだ!?」
    143 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 22:41:40.18 ID:zHPXhbUGo (+45,+30,-93)
    加蓮「何って、手術の手順の確認だよ」スッ

    P 「何でそんなの知って...っておい!」

    P 「待てって!その光るものはなんだ!?」

    P 「......まさか!!」

    加蓮「信頼して。大丈夫だから」

    P 「なにを信頼するんだ!なにを!」

    加蓮「じゃあ、始めます」

    P 「ちょっ、おい、加蓮、やめ...!!」



    奈緒『加蓮?そこにいるのか?』



    加蓮・P「!!」

    P (この声は......奈緒!!)
    144 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 22:49:47.15 ID:djMDmTSDo (+24,+29,-11)
    そうか半月か。文庫画集に書籍版も揃えてるのに全く気づかなかった
    145 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 22:56:57.61 ID:zHPXhbUGo (+45,+30,-83)
    P (助かった.....じゃない!)

    P (この状況、どう説明するんだ!)

    P 「隠れないと...!」

    P (だがどこに....)

    P (そうだ!手術台の下なら、カバーの内側に隠れられる!)

    P 「そうと決まれば....ほっ!」ゴロン

    ドサッ

    P 「いたた......よしっ」バサッ


    加蓮「きゃっ」

    P 「か、加蓮!?おまえもここに隠れたのか」
    146 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 22:59:10.26 ID:zHPXhbUGo (+45,+30,-71)
    加蓮「だって、ここしかなかったから...」

    P 「それもそうか...」

    加蓮「っていうか、プロデューサーさん近い...!」

    P 「す、すまん...!出て、別の場所に...」

    加蓮「そんな場所ないって...!それに私は別に...」


    奈緒「し、失礼しまーす」ギィ


    加蓮「っ!」

    P 「......っ」
    147 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 23:01:40.09 ID:zHPXhbUGo (+40,+30,-30)
    P (奈緒が入ってきた...!)

    P (おおかた、加蓮がいなくなって心配で探しに来たんだろうが...)

    P (まさか、手術室にまで)

    加蓮「...........」

    P (加蓮も息を殺している...)
    148 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 23:04:21.74 ID:zHPXhbUGo (+45,+30,-72)
    奈緒「か、加蓮ー?ここにいるの...ですかー?」

    P (場所が場所だからか、奈緒の言葉遣いがめちゃくちゃだ)

    奈緒「誰も...いない、のか...?」


    P (...今気づいたが)

    P (このカバーは一番下まで垂れているわけじゃない)

    P (もしかしたら、奈緒の位置からだと身体が少し見えてしまうかもしれない)
    149 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 23:06:45.69 ID:zHPXhbUGo (+45,+30,-100)
    奈緒「..........かれんー...」キョロキョロ


    P (頼む、気づかないでくれ...!)

    P (......ん?)チラ

    加蓮「..........」プルプル

    P 「...お、おい!」ボソ

    P (加蓮のやつ、頬をひくひくさせて、今にも笑い出してしまいそうだ)

    P (わかる、わかるぞ加蓮)

    P (笑っちゃいけない時に限って、意味もなく笑いがこみあげてくるよな)

    P (でも、今はヤバいって!)
    150 : 以下、名無しにか - 2015/12/13(日) 23:09:41.06 ID:zHPXhbUGo (+45,+30,-70)
    加蓮「.......」プルプル

    P (....こうなったら、直接加蓮の口を押さえるしかない!)パッ

    加蓮「っ!」モガ

    加蓮「んーっ、んーっ...!」パタパタ

    P (静かに...!)

    加蓮「んーっ....」モガモガ



    奈緒「......いないみたいだな」
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