私的良スレ書庫
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元スレ男「魔が差して奴隷を買ってしまった」 少女「…………」
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少女「…………」モグモグ
「あら、いらっしゃい。 今日は何をお探しで?」
少女「…………」カキカキ
少女『卵を買いに来ました』
「あら、お姉ちゃん声が出ないのかい? 大変だねぇ」
少女「…………」フルフル
「美人さんだからきっと声も綺麗だろうに。 おばさんになると相応の声になるんだけどねぇあははは」
少女「…………」クス
「じゃあほい、卵だよ。 あとサービスしとくからね、もう一個持って帰りな。 彼氏にいいもんでも作ってやりなよ」
少女『ありがとうございます』ペコリ
「はいよ! またおいで!」
少女(彼氏、じゃないんですけどね)
少女「…………」スタスタ
「わんわんっ!!」
少女「…………?」
「わん!」
少女「…………」ナデナデ
「くぅーん」
少女「…………」モフモフ
「…………」パタパタ
「こらーポチー!」
少女「…………?」
「ダメでしょポチー! 逃げたらママに怒られるんだからね!」
「わんっ!」
少女「…………」ニコニコ
「お姉ちゃんポチを捕まえてくれてありがとねー!」
少女「…………」コクリ
「お姉ちゃん! お礼に飴ちゃんあげるー!」
少女「…………」ペコ
「ばいばーいお姉ちゃん! 今度は僕と遊んでねー!」
「わんわん!!」
少女「…………」フリフリ
少女「…………」
少女(色んな人がいるなぁ。 みんな暖かくて、優しくて……いい人がたくさん)
少女(でも……)
「へばってんじゃねえ! てめぇらの命は俺のもんなんだよ!」ゲシッ
「すいません!! すいません!!」
少女「…………」ビクッ
少女(どんなに優しい人でも、奴隷相手には優しくない。 みんな平気で殴ったり、蹴ったり酷いことをする)
少女(どうにかしたいけど、どうにもならないんだ。 私たち隣国民は…… この王国に負けたんだから)
少女(でも……戦争に負けただけなのに…… こんな仕打ちひどいよ……)
少女(私たちが何をしたって言うの……)
少女「…………」ハァ…
少女(ご主人様も私たちの国の人を……きっと殺したんだよね)
少女(どうして? ご主人様は優しいのにどうしてこんな酷いことを許してるの? どうして私たちの国を滅茶苦茶にしたの?)
少女(分からないですよ、ご主人様……)ハァ…
兵士「どうかなさいましたか? お譲さん」
少女「…………?」
兵士「なにか、お辛いことでもあったんですか? よかったらお話、聞きますよ」
更新終わります
もしかしたら後で更新するかもですが
兵士じゃなくてナンパマーンって名前にしようかな( `д´) ケッ
もしかしたら後で更新するかもですが
兵士じゃなくてナンパマーンって名前にしようかな( `д´) ケッ
♪ナンパマーーーン
ムムムッ‼ちょっとそこのオジョーサン!!!よかったらお話、いかがでしょうか?ナナナント!!!今なら私が通常5000pt分のところ、8000pt分のお茶をご馳走いたします‼
ムムムッ‼ちょっとそこのオジョーサン!!!よかったらお話、いかがでしょうか?ナナナント!!!今なら私が通常5000pt分のところ、8000pt分のお茶をご馳走いたします‼
少女「…………?」
兵士「あぁ、いきなりすいません。 綺麗な方が泣きそうな顔をしてらっしゃったのでつい」
少女「…………」
兵士「良かったらお茶でもいかがですか? 少し気が安らぐかもしれませんよ」
少女「…………」フルフル
少女『私、声が出ないんです。 私といても楽しくないですよ。』
兵士「声が…… そうだったんですか、失礼しました」
兵士「でもそれなら尚更抱えている想いがたくさんあるんじゃないですか? 話して楽になることもあると思います」
少女「…………」
兵士「僕なんかでよければ、力にならせてください」
少女「…………」コクリ
兵士「よし、じゃあおいしいケーキが食べられるカフェがあるんです。 そこに行きましょうか」
少女「…………」
……………………………………………………………………
少女「~~~~!」
兵士「はは、おいしいでしょう? ここのミルクレープは最高ですよ。 季節の限定ケーキもおいしいんですよ」
少女「~~~~」ホワホワー
少女『本当においしいです。 おいしいものは心を幸せにしてくれますね。』
兵士「ははは、甘いものがお好きなんですね。 でも本当に甘いものは心を満たしてくれますよ、嫌なことも忘れられます」
少女「…………」
兵士「またその顔ですね…… なにお辛いことでもあったんですか?」
少女『実は私、この国の出身ではないんです』
兵士「……ほぅ」
少女『この国の人々はとても優しい人が多いです。 でもなぜ奴隷に対して、隣国の人々に対してはあんなにも態度が変わってしまうのでしょうか。』
少女『王国の皆さんはなぜそこまで彼らに怒っているのでしょうか? 彼らが一体何をしたというのですか?』
兵士「…………」
兵士「そうか…… 他国出身であれば、知らないのも無理はないですね。 それに心を痛めるのも当然でしょう」
兵士「確かに我が王国では敗戦国である隣国の民の一部を奴隷として扱っています。 この現状は決して両国にとって良いものではないでしょう」
兵士「ですが国民が、そうしたくなるほどの…… どうしようもない怒りを抱いたきっかけがあるのです」
少女「…………?」
兵士「というのも戦争に至ったきっかけはご存知ですか?」
少女『王国が隣国に対して突如戦争を仕掛けてきた、と奴隷が言っていました』
兵士「と、言うのは隣国民の中での間違った常識です。 事実は違うんですよ」
少女「…………?」
兵士「隣国政府は間違った情報を国民に伝えていたんです。 とある事実を国民に隠蔽し、王国が隣国に攻め入ったと事実を湾曲してね。 これはわが国の情報収集から間違いありません」
少女「…………」
少女『では本当はどうして戦争が起きたんですか。』
兵士「隣国の軍に所属する重要人物が、人質を取って我が王国の兵隊を虐殺したんですよ」
少女「…………!?」
兵士そしてその人質の女性をも奴らは殺しました。 しかし悪夢はそれからでした」
少女「…………」
兵士「彼等は無差別に国民を殺して周ったんですよ。 その無差別な殺人に理由などなく、あるのは狂信的な考えのみでした」
兵士「暴徒と化した隣国の軍隊により犠牲者は増える一方。 王国軍の兵隊がどれほど警備を強化しても、国内に潜伏した隣国兵の虐殺は止まりませんでした」
兵士「そして戦争の決定的な引き金となったのが、国王の暗殺未遂です」
少女「…………!」
兵士「奴らは子供に人形を持たせ、プレゼントさせようとして国王に近づけさせました。 その人形には爆弾が仕掛けられていて、何も知らない子供はその人形を満面の笑みを浮かべながら国王にプレゼントしようとしたそうです」
兵士「しかし無情にも……奴らは子供が知らずに持っているその爆弾を起爆させた! 国王は一命を取りとめましたが子供は見るも無残な姿になったそうです」
少女「…………」
兵士「奴らは何の罪もない子供を道具として使い! 殺したのです!!」
兵士「家族や友人を殺された人はごまんといる! 王国が立ちあがり戦争を仕掛け、隣国を恨むのにこれ以上の理由は必要ないでしょう」
少女「…………」
少女『そうだったんですか。』
兵士「少女さんが奴隷への扱いに疑問を感じるのは分かります。 我々だって正しいことだとは思っていません」
兵士「ですが…… どうしようもない、やりきれない怒りがあるんですよ」
少女「…………」
兵士「わが王国の発展に伴っての労働力不足も解決するというのが国王のお考えだったようですが…… 現実としては国民のやり場のない怒りの発散方法となっていますね」
少女「…………」
少女(知りませんでした…… 私の国がそんな酷いことをしてるなんて、これっぽっち……)
少女『それでも納得出来ない気持ちがあるんです。 隣国の軍隊がやったこの報復を国民が受けなければならないなんて。』
兵士「そうですね…… 理不尽だと感じてもおかしくないでしょう」
兵士「ですが…… 我々だって理不尽な思いに苛まれているんですよ」
少女「…………」
兵士「どっちが悪いとか、そういう話じゃないんですよ…… 自分たちも悪いとは分かっていても…… 隣国のやったことが許せないんです」
少女「…………」
少女『あなたも大切な人を亡くしたんですか。』
兵士「いえ、僕はそんなことないんです。 だからそこまで隣国に対して恨みはありません」
兵士「ですが…… たとえば僕の上司は新婚だった奥さんを目の前で殺されたそうです」
兵士「段々と声が出なくなって、冷たくなっていく奥さんを抱きしめることしかできなかったそうです」
少女「…………」
兵士「って! あぁ! すいません!! 話を聞くなんて言っておきながら僕が一方的に喋ってしまって!」
少女「…………」フルフル
少女『ありがとうございます。 私の知らなかったことが知れたおかげで、少し理解が出来たような気がします』
兵士「奴隷への扱いの理由のことですか?」
少女「…………」コクン
兵士「そう、ですか……」
少女「…………」ジワ
兵士「…!? な、なんで泣いてるんですか!?」
少女「…………」フルフル
少女(なんだろう…… この気持ち、すごく辛い)
少女(誰が悪いわけでもないのに…… 悪いのは私の国の人たちのはずだったのに……)
少女(やるせないこの気持ちはなんなの……)
少女(つらい、辛いですご主人様……)
少女(ご主人様に会いたい……)ポロポロ
兵士「少女さん……」スッ
少女「…………!?」ビクッ
兵士「あっ……」
少女「…………」ガクガク
兵士「す、すいません! 怖がらせるつもりじゃ!」
少女「…………」
少女『ごめんなさい。 私、誰かに触られるのが苦手で』
兵士「そう、ですか…… すいません軽率な行動をとって」
少女「…………」フルフル
少女『あの、お願いがあるんです』
少女『兵隊さんが働いているところに行きたいんです』
……………………………………………………………………
兵士「兵団も昔に比べてかなりオープンな雰囲気になってきてるんですよ」
兵士「昔は厳しくて国民からも恐れられるような存在だったんですけどね。 今の兵士長がとても温厚な方で、国民との距離を縮める必要があるって言って、パトロールの名目で町人とコミュニケーションをとるようにしたり、訓練の様子などを公開するようにしたんですよ」
兵士「おかげで街での活動がとてもしやすくなったみたいですね。 本当今の兵士長は兵団の中でも、国民からも愛される人ですよ」
兵士「そしてなにより強い! 今の兵団の中じゃ圧倒的な強さですからね」
少女「…………」
少女(へぇ…… ご主人様、そんなすごい人だったんだ……)
兵士「はい、着きましたよ。 ここが兵団の詰所です」
少女「…………!」
兵士「今はちょうど訓練中ですね。 ほら、あそこでみんな剣を振ってるでしょう?」
少女「…………!!」ハッ
少女(ご主人様だ! いた!)パァ
兵士「ところで、なんでまた兵団を見に?」
少女「…………」カキカキ
少女『兵士長さんに会いたいんです。』
兵士「兵士長にですか? うーん優しい人ですから声をかけることが出来たら話はしてくれそうですが…… なにしろ忙しい人ですからね…… 捕まえられるかどうか……」
少女『そうですか。 じゃあここで見ていられればいいです』
兵士「あはは、兵士長のファンなんですか? 多いんですよねぇ兵士長顔もいいから」
少女「…………」フルフル
兵士「じゃあ、なぜ?」
少女「…………」
少女『男さんは、私のご主人様なんです』
兵士「な…!? ご、ご主人様!?」
兵士「じゃあ兵士長が言っていた新しい家族って少女さんのことだったんですか!?」
少女「…………」コクリ
兵士「うわー…… なんだよ少女さんの彼氏が兵士長だったなんて…… しかもご主人様って呼ばせるとか何プレイしてんだあの人……」
少女「…………?」
更新終わり
超簡単な説明回でした
ナンパマーンは今後も出てくると思いますが男と少女の間に付け入る隙はねえからぁ!!
男「総員傾聴!! これよ15分の休憩とする!」
「「サーイエッサー!!」」
男「……ふぅ」
元兵士長「よぉ男。 元気でやってるか?」
男「なっ!? 兵士長!?」
元兵士長「ははは、元な! 今の兵士長はお前だろうが?」
男「お疲れ様です。 元兵士長を目指して鍛錬に励みましたから」
元兵士長「けっ、一丁前の面構えになりやがって」
男「はは、ありがとうございます。 それにしても今日はまたなんでこちらに?」
元兵士長「お前の噂がよく聞こえてくるからなぁ。 どんな大物になったのか見に来たぜ」
男「そんな、元兵士長には遠く及びませんよ」
元兵士長「かぁー! そんな世辞も言えるようになりやがったか!!」ワシャシャ
男「やめてください、子供相手じゃないんですから!」
「な、なぁ、兵士長にあんなことしてるの一体誰だよ」
「はぁ!? お前知らねえのかよ!? 前の兵士長で、一人で敵の小隊を潰してまわったっていう伝説の兵士だぞ!?」
「う、うそだろそんなの……ありえねえよ」
「でも男さんだって一騎当千の伝説あるだろ?」
「俺らの目の前にいるのそんなにヤバイ人達なのかよ…… あとでサインもらおうかな」
元兵士長「兵団も変わったな。 ピリピリした雰囲気が無くなったじゃねえか」
男「そうですね。 改革をしましたからね」
元兵士長「っていうと?」
男「私はみんなの連携を強めることが大事だと考えてます」
元兵士長「ほう?」
男「これまでのように各々が緊張感を持って技を磨くのももちろん大事だと思います」
男「しかし、戦場は一対一の戦いではありません。 自分が仲間に背中を信頼して預けられるのかが大事だと考えてます」
元兵士長「だからみんなで仲良しごっこってか?」
男「それだけではありません。 オンとオフをはっきりとさせることで苦楽を共にし真の絆が生まれると思います」
元兵士長「はぁーん。 甘ったれたガキくせえ考えだな」
男「…………」
元兵士長「だが、そんな糞みたいな理想論を実現させてるんだからお前は大したやつだよ」
男「褒めてるんですよね…?」
元兵士長「がっははは! あたりめえだろうが」
元兵士長「こりゃ未来が楽しみだぜ。 お前がこれからどんな兵団を作っていくのかってな」
男「元兵士長の時とは比べ物にならないくらいの、歴代最強の兵団を作り上げてみせますよ」ニィ
元兵士長「言うじゃねえか」ニィ
元兵士長「だがそのためにはトップに立つ男が弱くちゃ話にならねえ」
元兵士長「俺が稽古をつけてやるよ」
男「……ありがたいお話ですが…… 私が前線を退いた元兵士長に負けると思いですか?」
元兵士長「生意気言ってんじゃねえよ。 俺に一太刀も掠らせられなかったひよっ子がよ」
男「あなたは私の目標でした。 しかしいつまでも追いかけるだけの存在ではありません」
男「追い越してみせますよ!」
元兵士長「はっ、殺す気で来いよ? 若いの」
男「己の持つ力の全てを以て相手を殺せ。 私も部下に教えこんでますからね。 兵士長として恥はかけません」
元兵士長「お前の強くなった剣、見せてみろ」
見物人「きゃー! 男様が戦われるみたいよ!」
見物人「やっちゃってください男様! あんなおじさん敵じゃないですよ!」
少女「…………?」
兵士「どうやら男さんが、元自分の上司と戦われるみたいですね」
少女「…………!」
兵士「ですがあの元兵士長はさっき話した人質を使った兵団虐殺の時の怪我で引退をされたと聞いていますが……」
少女「…………」
兵士「兵士長にとっては…… 自分の妻を共に助けようとしてくれた戦友であり、自分の恩氏ですからね。 これはおもしろくなるぞ……!」
少女「…………!?」
少女(男さんの自分の妻を共に助けようとした……って!? もしかして!?)
兵士「兵士長、言ってましたよ。 あの時奥さんを助けられなかったのは自分に力がなかったからだって」
兵士「目標としていた元兵士長も同時に失った男さんは死ぬ物狂いで剣を振り続けたと言っていました」
少女「…………」
少女(じゃあさっき兵士さんが言ってた、奥さんを亡くした上司ってご主人様のことだったんだ……)
兵士「兵士長…… どんな気持ちであそこに立ってるんですかね……まったく」
少女(ご主人様……)ギュ
元兵士長「どっからでもかかってこいよ」
男「手加減なんて出来ませんからね。 うっかり斬り殺されないでくださいよ」
元兵士長「ほざけ」
男「………ふっ!!」ダッ
カンッ!
元兵士長「ほぅ!!」
元兵士長「小癪だな!! 石を蹴って牽制に使うなんてな!!」
ガンッ
兵士「しかし、そのせいで剣で防いだあなたには隙が生まれますからね」ビュンッ
元兵士長「寝ぼけてんじゃねえよ!」サッ
ビュオッ!!!
男「!!」
元兵士長「お? 今のを避けるか! やるじゃねえか!!」シュッシッ
男「速い!!」
ガガガガガガガガ!!!
男「はぁ!!」ビュンッ!!
元兵士長「うぉ!!」サッ
ザザ…………
元兵士長「おいおいあの連激をいなしながらカウンター入れてくるとかどういうことだよ」
男「元兵士長、速過ぎですよ。 目で見るより早く私の行動に反応してるってなんですかそれ」
元兵士長「歴戦の勘ってやつかね」
男「化物め……」ダッ
男(隙なんて欠片もない連撃が元兵士長の必殺スタイルだ)
男(悔しいけど、力も速さも恐らく元兵士長の方が上だ)
男(なら私の技術で、生じるはずのない隙を作らせればいい!)
元兵士長「っておい! なんだその構えは!!」
元兵士長「舐めてんしゃねえぞ!!」シュシュシュッ!!!
男(やはり速い!! この剣閃に捕まったら抜けられない)
男(なら、捕まらないように躱せばいい)
スッ
キンッ!!
元兵士長「なっ!」
キンキンキンキンキンキン
元兵士長「てめぇ、なんだそりゃ!?」
男「以前外国から来たレイピアという武器を使う剣士の戦い方です」
元兵士長「へぇ?」
元兵士長(半身を引き剣先を常に前に突き出すことで、敵の剣をわずかに反らせて躱しているのか)
男(それだけじゃない。 もし隙があればすぐに刺突できる)
男(元兵士長が大きな動きを高速で繰り出せるなら、私は小さな動きにすることでそのスピードに反応してみせる!)
元兵士長「やるじゃねえか男。 だがよ、そんな小手先だけの技術で俺を倒せると思ったら大間違いだぜ!!」ビュンッ
男「……………」ニィ
元兵士長「おらぁ!!」ビュオッ!!!
男「はっ!!」スッ
フワ……
がっ!!
元兵士長「!?」
男「捕まえましたよ」
元兵士長(剣を絡めとられた!? 畜生、なんだ今の技は!?)
男「はぁ!!」ビュンッ
元兵士長(今から剣を引いても間に合わねえ!! なら!!)
元兵士長「突っ込めばいいんだろぉ!!」ダッ
どんっ!!!
男「ぐぅっ!!」
男「まだまだぁ!!」ブォ!!
元兵士長「はぁ!?」
ドゴッ!!
元兵士長「ぐぁ……!」
男「がはっ!」
元兵士長「いてて…… 吹き飛ばされながら蹴り入れてくる奴がどこにいんだよ」
男「元兵士長こそ…… 剣を封じられたと分かった瞬間タックルとかどんな判断力ですか……」
元兵士長「へへっ、そうこなくちゃなぁ?」
男「お化けめ」
兵士「なんなんだあの2人!? 本当に人間の動きか!?」
少女「…………」ドキドキ
兵士「はは…なんだありゃ。 あんなの俺じゃ倒せるわけねえ…… 前に兵士長に試合を挑んだのが馬鹿みたいだぜ」
少女(ご主人様……すごい)
少女(私は素人だから戦いのこと良く分からないけど、ただすごいってことだけは分かる)
少女(……奥さんを守れなかったのが悔しくて、毎日あんなに重い剣を何百回も振ってあんなに強く……)
少女(すごい、頑張ったんだ…… だから)
少女(だから、勝って欲しい!)
少女(ご主人様……!!)
少女「がん…ばっ…て……!」
男「…………!!」
男(なんだ……? 体に力が湧いてくる…!)
元兵士長「ほらほらほらぁ!!」シュシュシュッ
ガンガンガンガンガン!!!
元兵士長「ジリ貧になってきたぞほらぁ!!」
男(重くて動かすのもキツかった腕と足が軽い!)
男(背中に羽が生えたみたいだ!!)
元兵士長「雑念があるぞぉ! そこだぁーーー!!」ビュオッ!!!
男「………!」グルッ
ミシミシミシ
元兵士長(体を無理やり捻って躱した! だがそれは足に負担がかかるだろう! 次の踏込みは簡単には行えないはずだ!)
元兵士長「甘いわぁ!!」ビュンッ
男「はぁぁぁぁっ!!」
ミシミシミシミシミシミシ!!!
さっ!!
元兵士長「なっ……!? 飛んだだと!?」
びゅぉん
男(これで元兵士長の攻撃は全て躱しきった!!)
元兵士長(まずい! 剣が間に合わねえ!!)
男「はぁぁ!!」シュンッ!!
元兵士長「ちぃっ!!」シュンッ!!
ガンッ!!!
パキンッ………
元兵士長「なっ……!」
男「…………」
兵士「剣を……斬り落とした……!?」
少女「…………!!」
元兵士長「ぷっ、あっはははは!!」
元兵士長「参ったぜ! 完敗だなこりゃ!!」
男「はぁ……はぁ………」
元兵士長「なんだよ今の動きよぉ!? クルッて回ったかと思ったら飛び上がりやがって! どんな足の筋肉してやがんだ」
男「はは……最後のはしんどかったです…… 足の限界を超えた動きでした」
元兵士長「へっ、大したもんだぜ全くよぉ。 お前の戦い方の引き出しはいくつあるんだっての」
男「はは…… 自分でもよく元兵士長に勝てたなと思いますよ」
元兵士長「なぁに情けないこと言ってんだ! もっと胸張れやぁバカ野郎!」バシバシ
男「いたっ、痛いですって!」
「おい兵士長勝ったぞ」
「すげぇなんだった今の戦い…俺忘れられねえよ!」
パチパチパチ
「って! あああああ!! 兵士お前!!」
兵士「ん?」
「お前何サボってんだよ!! 働けよー!!」
兵士「はぁ!? やめろお前! 今日は休みなんだよ!!」
「っておいいいい!! なんだその美少女!! おい! ま、まさかデートかよ!!」
少女「…………!?」フルフル
兵士「違うって! 彼女はたまたまそこで会っただけで……」
「か、彼女だとおおお!? お前裏切ったのかぁ!?」
兵士「ちげえって! この子は兵士長の……」
ワーワーワーワーーーー
男「少女、来てたんですか」
少女「…………」コクリ
男「無事に、外に出られたみたいですね」
少女「…………」
男「今のも見てたんですか?」
少女「…………」コクン
男「私、頑張って元兵士長に勝てました」
少女「…………」コク
男「これで少女を守れるくらいの力を手に入れられました」
少女「…………///」ボンッ
男「ふふ…… 顔真っ赤ですよ?」
少女「…………!!」フルフル
元兵士長「男、その子は」
男「私の新しい家族です」
元兵士長「………元妻のことは吹っ切れたのか? もう」
男「さぁ、どうでしょうかね…… でも今は」
男「この子を守っていきたいって思ってます。 次こそ絶対に」
元兵士長「そうか……」
少女「…………」
元兵士長「なぁ嬢ちゃん」
少女「…………?」
元兵士長「こいつは不器用でよ、なに考えてるかよく分かんねえ奴だけどよ」
元兵士長「家族想いのいい奴だからよ。 ずっと側にいてやってくれや」
少女「…………」コクリ
男「何言ってるんですか元兵士長」ドン
元兵士長「へっ、なんだかじじくせえ説教しちまったな! 歳ってのは取りたくねえもんだ! がはははは」
元兵士長「おめぇも直にこっち側の人間になんだよ! そろそろハゲる心配しとけよーがははは」
男「あはは、気をつけます」
…………………………………………………
…………………………………
……………………
男「そうですか、元妻のことまで聞いたんですね」
少女「…………」コクン
男「兵士も口が軽いですね、全く」
少女「…………」
少女『ご主人様は、まだ奥様のことが好きなんですか。』
男「難しい質問ですね。 好きというよりは……守れなかった後悔がある愛する人……ですね」
男「これを好きというなら好きなんでしょう。 恋愛の好きではなさそうですが」
少女『まだ、後悔してるんですか。』
男「そうですね。 後悔は一生すると思います」
男「でもそれに囚われているつもりもありません」
男「今は少女、貴方を守っていきたいと考えていますよ。 その自信を今日は付けることができました」
少女「…………」
少女『ありがとうございます。 ご主人様。』
少女『とっても……頑張ってきたんですね』ギュ
男「え……?」
少女「…………」ナデナデ
男「あはは……これは驚きました。 少女に抱きしめられるなんて」ギュ
少女「…………?」
男「ありがとう、少女」
少女「…………」コクン
少女「…………」トントン
男「ん?」
少女「…………」カキカキ
少女『すき』
少女「…………」ブクブクブクブク
少女(なんだか……ご主人様のことが愛おしくなって……)
少女(すき、だなんて書いちゃったけど……)
少女(…………)
少女(なあああああんであんなことしちゃったの私のばかああああ)
少女(……はぁー……絶対変に思われてる……)
少女(そもそもご主人様は私に対して恋愛感情なんか欠片も抱いてないし)
少女(私だってなんか……そういう好きなのかよく分からないし?)
少女(ご主人様は私のこと家族だっていうし……)
少女(守るとかなんだとか言われたら誤解しちゃうじゃないですか……)
少女(……………)
少女(あああああもう!! 何がなんだか分からないですよおおーー!!)ジタバタ
少女(あぁー本当になんであんなこと言っちゃったの私のバカ……)
更新終わります
らぶぱわーなんて現実にあるわけねえだろと思いつつ好きな子に応援されたら頑張っちゃいますよね
お風呂でブクブクしながら悩み事してる女の子可愛いですね! 抱きしめたい!
>>295
読んでねぇのかよ
読んでねぇのかよ
>>299
責任とってやめたんだよ、きっと
責任とってやめたんだよ、きっと
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