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    元スレあかり「最近ごらく部にいてもつまらない」

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    351 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 20:02:23.26 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,+0)



    千鶴「さて、そろそろ帰るとするか……ん?」

    「グスッ…………うぅ……ごめん、ごめんねあかりぃ………………」

    千鶴「……………嫌な予感がする。ここはまっすぐ帰った方が」

    結衣「………………」ガシッ

    千鶴「うぐっ……!?」

    結衣「少し、話に付き合って行って……」

    千鶴「…………今度はお前か、船見結衣。ごらく部の4人中3人が私に泣きついてきやがって………………」




    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




    千鶴「つまり赤座にひどい事を言ってしまってグズグズ泣いていると」

    結衣「端折り過ぎだけどそういう事……」グスッ

    千鶴「そもそも後悔するなら初めから言わなければいいだろう」

    結衣「後悔はしてないんだよ。ただ罪悪感がいっぱいなだけで」

    千鶴「はぁ?」

    結衣「あのままじゃあかりはごらく部を守ろうとして色々としちゃうだろ? そんな事をしたら綾乃や千歳に悪い印象を与えちゃうだろ」

    千鶴「別にそんな事はないと思うけどな」

    結衣「下手をすれば綾乃たちに生徒会から追い出される可能性もあるし………」

    千鶴(お前たちごらく部の連中じゃあるまいし、と言ったら泣くだろうな。よっぽど言ってやりたいが)

    千鶴(しかしまぁどうしたものか。“あの事”を言ってやってもいいが、それは赤座にとって悪い影響を与えるだろうし。ここははぐらかしておこう)

    千鶴「言ってしまった事は取り返せない。覆水盆に返らず、後の祭りとも言うしな」

    結衣「……………」

    千鶴「しかし覆水は新しい盆に入れ直す事はできる、祭りが終わったのなら後片付けに参加する事はできる」

    結衣「え……」

    千鶴「要は、終わってしまった事をうじうじ考える事は時間の無駄という事だ。それならそこからのフォローをどうするかを考えた方がいい」

    千鶴「罪悪感をどうするかはこれからのお前次第だ。このままそれに押しつぶされるもよし、どうにかしてそれを解決するもよし。そういう事だ」

    結衣「…………………」

    千鶴「それにな、お前が今更なにをしようともう遅い。それだけだ」

    結衣「…………え? それってどういう意味?」

    千鶴「別になんでもない。それじゃあな」

    結衣「ま、待って!」

    千鶴「もう赤座は覚悟を決めた、次はお前の番だ。2日後に覚悟を決める為の覚悟をしておけ」



    ガラララ



    結衣「千鶴……いったいどういう意味だったんだろう………………」
    352 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 20:04:59.65 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,+0)




    りせ「…………………」ハァハァ

    京子「…………………」

    西垣「…………………」

    櫻子「向日葵、これはどういう…………」

    向日葵「櫻子は黙ってなさい!」ハァハァ

    京子(あの後1人で部室にいるのが居た堪れなくて帰ろうと廊下を歩いていたら、なんか騒がしい声が聞こえてきてなんだろうと見に来たら…………)

    西垣(まだ部室にいると思っていた歳納が何故か曲がり角から姿を現した。流石の松本も少し面食らっているみたいだな)

    向日葵(赤座さんはもう先輩方とお話を終えた後なんですの? それともまだお話ししていないんですの? い、一体どっち…………)

    櫻子「歳納先輩、あかりちゃんと話は終わったんですか?」

    京子「……ッ! な、なんでその事を知ってるのさくっちゃん!?」

    櫻子「その様子だと終わったみたいですね! よっしゃ、帰るよ向日葵!」グイッ

    向日葵「ちょっと、櫻子! 引っ張らないでください!」

    櫻子「へっへ~ん! 歳納先輩、悔しいですけれど私たちの負けはもう決まってます! 2日後を楽しみにしてて下さいね!」

    向日葵「そ、それではまた…………」

    京子「…………え…うん」

    りせ「……………ッ!」ハァハァ

    西垣「松本、色々と問いただしたい事があるかもしれんがとりあえず今日は引き上げた方がいい。髪や服がグチャグチャだぞ」

    りせ「…………………」コクン

    西垣「私は少し歳納と話をしていく。なに、変な事は言わないから安心しろ」

    りせ「…………………」フラフラ
    353 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 20:06:53.13 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,+0)

    西垣「……………………行ったか」

    京子「あ、西垣ちゃん。話ってなに……ですか…………?」

    西垣「どうした歳納、そんなにしおらしくなって。いつも通りでいいぞ」

    京子「あ、あははは……」

    西垣「赤座から話は聞いたな?」

    京子「は、はい………」

    西垣「それなら話は早い。赤座は今お前たちを救おうと必死に走り回っている。色々な場所をな」

    京子「走るってそういう意味で!?」

    西垣「あながち間違ってはいないな。赤座のフットワークの軽さはかなりのものだ。茶道部の事を知ってから僅か3日でごらく部を救う算段を立ててしまったくらいだ」

    京子「えぇ!?」

    西垣「まぁ後もう少し壁はあるがな。杉浦と池田、後は松本。この3人の説得をしなくてはならない」

    京子「そ、その……それって…………」

    西垣「まぁ説得というよりは一方的な宣言だな。赤座の腹は決まっているからもうなにを言われても自分を曲げはしないだろう」

    西垣「ただ、それを受け入れるかどうかは歳納と船見次第だ。2日後に選択しろ、赤座を受け入れるかどうかをな」

    京子「ま、待ってよ西垣ちゃん! なにを言ってるのか全然わからないってば!」

    西垣「果報は寝て待てと言うだろう。ふっふふふ、私も少し忙しいから。またな」

    京子「あ、ちょっと!!」

    京子「……………………一体なんなんだろ、こんな状況からごらく部を守れるだなんてそんなわけないのに……」


    354 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 20:08:56.90 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,+0)


    ー生徒会室ー



    ガラララ




    綾乃「あ、会長おかえりなさ…………って!? なんでそんなにグチャグチャになってるんですか!?」

    千歳「あらあら~ えっとクシとかここに置いてあったはずやけどなぁ」ゴソゴソ

    りせ「………………」キョロキョロ

    綾乃「えっと、赤座さんたちですか? まだ帰ってきてないですけれども」

    千歳「あったクシ! 会長、これで髪の毛を整えて下さい」

    りせ「………………」ペコリ

    りせ「…………………」サッサッ

    綾乃「それにしても、最近赤座さんたちここへ来るの遅いわよね。まぁ仕事とかは真面目にしてくれるし問題はないんだけれども」

    千歳「せやな。西垣先生も最近理科室にこもりきりでここに来ないし。普段の生徒会室とは少し違った風景やね」

    りせ「…………………」

    千歳「会長の顔も心なしか暗いみたいや」

    綾乃「普段からあれほどベタベタしてたらね。会長、赤座さんいなくて寂しいのはわかりますけども2日後までまだ会長なんですからきちんと仕事は終わらせてくださいね」

    りせ「………………」コクン

    千歳「古谷さんや大室さんまで揃って遅れるのは初めてやね。一体どこで何をしてるんやろ?」

    りせ「……………ッ!」

    綾乃「会長?」

    りせ「…………………………ッ!」サッ バッ!

    りせ「…………………………ッ!」ググッ フルフル!

    りせ「…………………………ッ!」ババババッ!

    綾乃「…………………………」

    千歳「…………………………」

    綾乃(た、多分何かしら私たちに伝えたくてボディランゲージをしてるのだろうけれども)

    千歳(必死さだけが前面に伝わってきて何にも理解できへん……………)

    りせ「…………………………」クイックイッ!

    りせ「…………………………」クイックイッ!

    綾乃(なに、この変なポーズ……!?)

    千歳(ダイナマイト四国?)

    355 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 20:13:43.49 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,+0)



    櫻子「どもーこんにちは! 遅れてすみませんでした!」

    向日葵「あ、よかった。みなさんお揃いでしたわね」

    りせ「………………」ビシィ!

    りせ「……………………!」プンプン

    綾乃「古谷さんと大室さんを見た瞬間、会長が烈火の如く取り乱し始めたわ!?」

    千歳「なにかあったんかなぁ? あ、後ろに赤座さんもおるなぁ」

    あかり「すみません、お待たせしました」

    りせ「…………………!」パァァ

    千歳「赤座さんを見た途端会長が輝きだした!?」

    綾乃「ものすごい豹変だわ!?」

    りせ「…………………」ムギュ

    あかり「ごめんねりせちゃん。お待たせ」ナデナデ

    りせ「……………」スリスリ

    綾乃「赤座さんは一体どこに行ってたの? 最近は来るの遅いけれど、今日はいつにも増して遅れてない?」

    あかり「えと……すみません、杉浦先輩。あかり、京子ちゃんと結衣ちゃんに会いに行ってました」

    綾乃「なっ!?」

    千歳「あ、あれほど会いに行っちゃダメと言うたのに………」

    あかり「すみません。でもどうしても会いに行かなくちゃいけなかったんです」

    綾乃「大丈夫!? なにか嫌なこととか言われなかった!? 泣いたりしてないわよね!?」

    あかり「えへへ、大丈夫です。2人とも京子ちゃんと結衣ちゃんを誤解しすぎですってば。あの後京子ちゃん達とお話とかしてます?」

    綾乃「あ、それはその……」

    千歳「少し気まずいのもあって話はしとらん。まぁうちらの腹の虫が治ってないのもあるけどなぁ」

    櫻子(池田先輩の怒りって結構尾をひくんだなぁ)

    向日葵(やはりこういう方に限っては、絶対に怒らせてはいけないことを再認識しましたわ)

    あかり「あのですね。実は今日は先輩方に大事なお話があって…………」

    綾乃「大事な」

    千歳「はなし?」

    りせ「…………?」

    櫻子「はい。私たちも同じ気持ちです」

    向日葵「赤座さんも大分迷った果てにたどり着いた結論です。私達は赤座さんを最後まで支持します」

    千歳「そんなに畏るくらいの話なん?」

    綾乃「な、なにかしら井の頭公園?」

    りせ「……………」




    あかり「はい。実はあかりーーーー」






    356 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 20:18:41.43 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,+0)





    向日葵「始まりましたわね、演説が」

    櫻子「杉浦先輩大丈夫かなぁ。あんなに顔真っ赤にしちゃって。途中で気絶しちゃうんじゃない?」

    千歳「今回は大分練習したから大丈夫とは思うけど」

    櫻子「万が一のことを考えてここに水と簡易ベッドは用意してあります!」

    向日葵「西垣先生が用意した、というところに一抹の不安を感じ得ませんが……」

    千歳「さすがに爆発はせえへんよ~ 多分」

    向日葵「だといいのですが……」

    櫻子「それよりもあかりちゃん、準備は大丈夫?」

    あかり「うん、大丈夫だよ。さすがに少し緊張するけどもねぇ」

    櫻子「でもアレほどじゃないでしょ?」



    綾乃『あ、あっ! うひゅっ……! あわわわわ…………!』←アレ




    あかり「た、多分……」

    櫻子「それなら平気だよ! さっ、頑張ってこい!」

    あかり「うん!」

    千歳「……………………」

    向日葵「どうかしまして? 池田先輩」

    千歳「いや、赤座さんはやっぱり凄いなぁ思って」

    向日葵「?」

    千歳「ごらく部のためにこの5日間必死に考え続けて、それで結果を出してしまう。うちらには到底できん所業や」

    向日葵「そうですわね。よほど赤座さんのごらく部への愛が深かったという事なんでしょう」

    櫻子「あ、ほら! 杉浦先輩の演説終わったよ! 頑張ってきてねあかりちゃん!」

    向日葵「私たちはここで赤座さんの帰りを待っていますわ」

    千歳「気ばってなぁ! 心から応援しとるで!」

    あかり「はいっ! みんな、行ってきます!」
    357 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 20:21:20.63 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,-240)


    体育館を埋め尽くす拍手の中、あかりは壇上にゆっくりと上っていく

    心臓はこれ以上ないくらいバクバクしていたけれども、心はこれ以上ないくらい落ち着いていた

    マイクスタンドの前で立ち止まり一礼してからゆっくりと会場を見渡して…………見つけた。京子ちゃんと結衣ちゃん、そしてちなつちゃん

    3人とも不安そうな風にこっちを見ている。あ、京子ちゃんは心なしか目が潤んでる! だ、大丈夫かなぁ

    あぁ、ダメだよあかり! 今はそんな事を考えてる場合じゃないよぉ! 落ち着いて深呼吸だよぉ!

    スーハースーハー よし! もう大丈夫!

    そしてあかりはゆっくりと口を開いた。ごらく部を……京子ちゃんと結衣ちゃん、ちなつちゃんを救うために








    こんにちは、改めまして一年生の赤座あかりです。今日はよろしくお願いします

    早速ですが皆さんには大切な人はいますか?

    私は友達やクラスメート、その他にも私に関わってくれる全ての人を大切に思っています

    その中で私が特に大切にしている人たちについて今日はお話をしたいと思っています

    まずは私の姉についてお話をさせていただきます
    358 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 20:23:28.45 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,-259)


    『どうしよう………どうしたら京子ちゃん達を………………』

    コンコン

    『あかり、入ってもいい?』

    『あ、お姉ちゃん? うん、入ってもいいよぉ』

    ガチャ

    『ありがとうあかり。デパートでマカロンを買ってきたから一緒に食べましょう』

    『マカロン?』

    『そうよ。どう、美味しそうでしょう?』

    『うわぁ綺麗! とっても可愛い食べ物だねお姉ちゃん!』

    『そうね。こかの赤いマカロンなんてまるであかりみたい! うふふ、本当に美味しそう』

    『あかりを食べちゃダメだからねお姉ちゃん』

    『うふふ、もちろんよ! もちろん………うふふふふ』

    『もぅお姉ちゃんったらぁ』プンプン

    『冗談よ。さ、紅茶もあるからティータイムといきましょう』

    『わぁい紅茶、あかりお姉ちゃんの淹れた紅茶大好き!』

    『あら、机の上色々とゴチャゴチャしてるわね? 何かしてた?』

    『あ、ごめんねお姉ちゃん! すぐ退かすから!』

    『あら、別にいいわよ。少しお行儀悪いけれど床にお皿とティーカップを置いちゃいましょう』

    『ごめんね、お姉ちゃん』

    『大丈夫、お姉ちゃんに謝る必要なんてないわ』





    『マカロンって美味しいねお姉ちゃん!』モグモグ

    『でしょう? あまりにも美味しかったからあかりにお土産を買って行きたくなったの! この前のあんみつのお礼も兼ねてね』

    『えへへ、お姉ちゃん大好き』

    『ふふふふ、お姉ちゃんもあかりのことが大好きよ』
    359 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 20:26:45.55 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,-159)


    (あ~もうなんて可愛いのかしらこの子は! もうギュって抱きしめてチュッチュしてしまいたい!)

    (…………ってそうじゃないでしょうあかね! 私は何をしに来たと思ってるのよ!!)


    『ねぇ、あかり。さっきから何か悩んでるみたいだったけど、一体どうしたのかしら?』

    『ふぇ!? べ、べつになななにも悩んでなんて!! あはははは!!』

    『…………いくらなんでも分かり易すぎよあかり』ハァ

    『う、うぅ…………』カアァァ

    『こういう時こそお姉ちゃんを頼りなさい』

    『じ、実は…………』



    ーーーーー


    ーーー






    『成る程、そんなことになっちゃったのね』

    『う、うん……』

    『とりあえずともこにキツイお仕置きをしに行って来るわね!!』

    『ダメェ~!!』ガシッ

    『と、いうのは冗談だけど』

    『も、もぉ~お姉ちゃんったら! 危うく本気にするところだったよぉ~!』プンプン

    『うふふごめんなさい。でもそれを解決するのはかなり難しそうね……このままではあと3日後にごらく部はなくなってしまうのよね』
    360 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 20:30:05.97 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,+0)


    『そうなの。だからどうすればいいのか分からなくて困ってるんだぁ……』

    『あかりはごらく部を守ることはもう決めたのよね?』

    『うん、それはもう決めたよ。池田先輩っていう人に後押しもしてもらったもん!』

    『あら、私よりも先に相談した人がいたのね。妬けちゃうわ~』

    『え、えへへ成り行きでつい……』

    『あかりが困っているのは、ごらく部が顧問もいないし活動もしていないような実態のないものだからなのでしょう?』

    『うん。それに部員も5人集まってないしちなつちゃんはいないし………もうどうしようもないよぉ』グスッ

    『う~ん……ともこの妹さんが茶道部に入ろうとしちゃってるのよね。それに茶道部としても妹さんを外したら5人揃わなくなっちゃうんでしょう? それじゃあ引き抜きもできないし』

    『………………』グスッ

    『妹さんともう話しはした?』

    『うん。茶道部の部長さんがともこさんの知り合いの妹さんらしくて、断るに断れなかったらしいの。それに今更断るにしても自分が抜けたら茶道部が始められなくなるから申し訳なくてできないって……』

    『あら、あかりだってともこさんの知り合いの妹のはずなのに?』

    『そ、それはそうだけど…………』

    『う~ん………でもともこさんの知り合いということは私の知り合いでもあるかもしれないわね。ちょっとその茶道部の部長さんの名前を教えてくれないかしら?』

    『えっと……あ! ここに発足上の写しがあるから…………』ゴソゴソ

    『あった! はいお姉ちゃん』

    『ありがとうあかり。う~ん……残念だけど知り合いじゃないわねぇ………………ん?』

    『どうしたのお姉ちゃん?』

    『………………えっとあかり、もしかしたら妹さんの件は解決したかもしれないわよ?』

    『……………………え?』



    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



    私の姉は、私が知る誰よりも優しく誰よりも私の事を愛してくれました

    それは生まれた頃から今までずっと変わらず、どんな逆境に立たされた時もいつも私を正しく導いてくれました

    私はそんな姉の事をとても尊敬し、なにものにも代えがたい大切な人だと心から思っています

    361 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 20:31:17.50 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,+0)


    えっと、次はある1人の先輩についてお話をしたいと思います

    実のところこの方とはつい最近まで全く関わりがありませんでした。それにも関わらず私にとても親身になってくれた先輩の話です



    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    『はぁ………どうしよう。初めてだよ、生徒会室に行きたいと思わないのは。このままサボっちゃおうかなぁ』

    『おい、何をしている』

    『ひゃあ!?』ビクッ

    『なにもそんなに驚くことはないだろ』

    『す、すすすすみません池田先輩! べ、べつにサボろうとしたのは冗談でっ! す、すぐに行きますからぁ!!』

    『図書室で騒ぐな。お前は歳納か』

    『へ、へ? あ、もしかして千鶴先輩?』

    『当たり前だ。姉さんは今頃生徒会室にいる。それはお前が一番分かっているだろう』

    『あ、あははそうですね。ついうっかりしちゃって……』

    『はぁ……ほら、さっきの独り言は聞かなかったことにしてやる。とっとと生徒会室に行け』

    『は、はい…………すみませんでした……………』

    『………………』

    『はぁ……………』トボトボ

    『…………………………』

    『……………………』トボトボ

    『………待て』

    『へ?』

    (ったく、最近の私はどうかしてるな。楓ちゃんと会った辺りからここまでお節介になるだなんてな)

    『なにか悩みでもあるのか?』

    『……………い、いえべべべ別に!!』

    『嘘を付くのならせめてバレないように努力しろ』

    『あ、あうぅ………』カアァァ

    『取り敢えず話していけ。今のお前たちの関係は大体把握している。話すことで何かの糸口が見えるかもしれない』

    『は、はい。実は…………』



    ーーーーー


    ーーー






    『つまり迷ってるわけか。ごらく部を守るべきかこのまま生徒会長に従うかを』

    『はい。私は京子ちゃんたちを……ごらく部を守りたいと思ってます。でも生徒会長をはじめ生徒会の皆さんにも返そうとしても返せないほどの恩があります』

    『どちらかを立てればどちらかが立たず、か』

    『どうすればいいか分からないんです。ごらく部を守ろうとすれば会長、杉浦先輩、千歳先輩、それに友達2人を裏切っちゃう』

    『かといってこのまま何もしなければ京子ちゃんや結衣ちゃんを泣かせちゃう………大切な幼馴染で今までずっとあかりの事を守ってくれたのにッ……! あかりは何もできない…………』グスッ

    『……………泣くな。対処に困るだろ』

    『ご、ごめんなさい…………』
    362 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 20:37:07.91 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,+0)

    『ふん、歳納なんかの為に何かしようとする気持ちは私には全く理解できないな。大体娯楽部を救うメリットなんて何もないだろ。内申だって生徒会にいたほうがいいに決まってる』

    『………………………』

    『ただ、もしも私がお前の立場であったと仮定してだ。生徒会を最近できた私の数少ない2人の友人、ごらく部を姉さんと置き換えたとしたら…………』

    『……………』グスッ

    『私は躊躇なく姉さんを取る』

    『……………え?』

    『もちろん私にとってどっちも大切な存在であることは間違いない。ただそれでもだ、私は誰に憎まれようが嫌われようが蔑まれようが姉さんを取る』

    『そ、そんな簡単に………』

    『現に私は今までずっとそうして来た』

    『な、なんで…………』

    『理由なんてない。私は姉さんが大好きでとても大切に思っている。でもそれも理由じゃない』

    『……?』キョトン

    『理屈じゃないだろ。そんなものに理由なんてない。両方を比べて姉さんの方が大切だから守る、なんてのは後付けの理由だ。気づいたら行動してるもんだろ』

    『…………………………』

    『ただな。もしも赤座が私のように一方を切り捨てることができないというならば、折衷案を見つけ出せばいい』

    『折衷案ですか……?』

    『そうだ。ごらく部を守りつつ生徒会のみんなを裏切る事のない案をだ。お前ならできるだろう? 友達も多いんだしな』

    『………………』

    『……………歳納も待ってるぞ』

    『え?』

    『あいつも大分懲りただろう。そろそろ助けてやれ』

    『……………京子ちゃん』

    (そうしないといつまで経っても私のところにアイツが来やがるからな)

    『千鶴先輩……』

    『なんだ?』

    『ありがとうございました!!』

    『別に…………まぁ頑張れよ…』



    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



    その人は自分の事を冷たい人間だ、酷い人間だと思っています。でも私はそうは思いません

    その人は自分で気付いていないだけで、本当は誰よりも暖かく優しい心を持っている人だと私は知っています

    私の事を励ましてくれ、悩んでいた私の背中を押してくれた先輩。この場を借りて改めてお礼を言わせてください。本当にありがとうございました
    363 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 20:42:06.34 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,+0)


    そして次にお話しするのは私の大切なお友達です

    2人は生徒会に入ってからの私をいつも近くで支えてくれました



    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



    『あ、赤座さん! それは本気なのですか!?』

    『うん、本気だよ。あかりはもう決めたんだもん』

    『でもせっかく私たちよりもみんなから認められたのに、そんなの勿体無いよ!』

    『勿体無いかは放っておくにしても、いささか無礼なのではありませんか? それはもう全校生徒の皆さんに対しての裏切りとも言えるべき行為ですのよ?』

    『うん、わかってる』

    『そ、それなら!』

    『わかってるけど! それでもあかりはやるよ! 例えみんなから悪口を言われる事になったとしても、絶対に!』

    『なんでそこまでして……… あかりちゃんはもう許しちゃったの!?』

    『表向きには出さなかったものの、私たちもまだ先輩方を許してはおりません。赤座さんの本心はどうなんですの?』

    『許すも何も、あかりは初めから怒ってなんかないよぉ』

    『なっ、それは嘘でしょう流石に!?』

    『関係ない私たちだって怒ってるのに当の本人がそんな事って…………』

    『あかりお姉さんの言ってる事は本当だし』

    『あ、こら花子! お前はここに来るなって言っただろ!』

    『櫻子たちがあまりにもうるさいからだし。おかげで勉強もできないし』

    『う、それは申し訳ありませんでしたわ』

    『前にあかりお姉さんと怒る事についてお話しした時、あかりお姉さんは今まで本気で怒った事なんか一度もないって言ってたし』

    364 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 20:45:56.08 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,+0)


    『そんなの本当かどうかなんて分からないじゃん』

    『ほほぅ、つまり櫻子はあかりお姉さんが嘘をついてあると言いたいわけだし?』

    『別に嘘をついていると疑っているわけではありません。しかし赤座さん自身が分かっていないだけかもしれませんし……』

    『それなら別にいいんじゃないのひま子?』

    『ね、ねーちゃんまで!?』

    『自分が怒ってるか怒ってないかわからない時なんて、大概怒ってないもんだよ。それなら別にいいでしょ』

    『し、しかし撫子さん!』

    『あかりちゃんだって悩んだ末の結果、こうして2人に打ち明けたんだよ。それを尊重してあげるのも親友としての務めじゃないの?』

    (まぁ、3人がなんの話をしてたのかなんて私は全く知らないわけだが)

    『やっぱり本気なの? 私は正直嫌だよ、せっかくあかりちゃんとクラスメート以上の親しい関係になれたのに』

    『ごめんね櫻子ちゃん。でも本気だよ。あかりはもう決めたんだもん』

    『で、でもそんな事したら先生からすごく怒られるよ! それに杉浦先輩たちからも嫌われちゃう可能性だって……!』

    『あかりはね、たとえ杉浦先輩や池田先輩に嫌われたとしても……りせちゃんに嫌われたとしても! ごらく部を守るもん。京子ちゃん達を絶対に見捨てたりしない!』

    『そ、そんな……!!』

    『もちろんそうはならないようにするよ! あかりはごらく部を守るけど、茶道部も生徒会の人たちも全員を納得させてみせるもん!!』

    『そんなことできるのあかりちゃん!?』

    『ううん、分からない。もしかしたら櫻子ちゃんの言った通り多くの人から嫌われちゃうかもしれない。それでもあかりは絶対にごらく部の味方だもん!』

    『………………はぁ、仕方ありませんわね』

    『ひ、向日葵!? お前本気か!?』

    『こうなった時の赤座さんは櫻子並みに頑固で意地を張ってしまいますから。もう説得するのは無理です』

    『喧嘩売ってんのかおっぱいやろう!!』

    『貧相な胸を持ってるのはあなたの責任でしょう!!』

    365 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 20:49:06.74 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,-225)


    『貧相な胸…………』

    『牛乳飲んでるのに…………』

    『やっぱり遺伝なのかな…………』

    『向日葵ちゃんの発言で3人が一気にテンションダウンだよぉ!?』

    『し、しまった…………撫子さん花子ちゃん! お気になさらないで…………』

    『ひま子、そのおっぱい2つに増やして私に分けてくれない?』

    『そうだし。撫子お姉ちゃんがこれじゃあお先真っ暗なのは目に見えてるし! 早くその胸を分裂させて花子たちに寄越すし!』

    『そ、そんな事できるわけないじゃない!』

    『………………増やす』

    『…………………………それだッ!!』

    『櫻子ちゃん!?』

    『どうしましたのいきなり!?』

    『あかりちゃん一気に解決だよ!! これでごらく部と茶道部は守られた!!』

    『え、え!?』

    『櫻子、何か妙案が!?』

    『私たちの胸も増やす目処があるの!?』

    『もったいぶらずに教えるし!!』

    『いや、そういうわけではないかと思いますが………………』


    366 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 20:52:01.80 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,-255)


    そして生徒会の先輩方3人

    皆さんも知ってると思いますが、松本会長、杉浦副会長、池田先輩の3人です

    時に厳しく時に優しく、そしてどんな時でも私たちの事を心配してくれる素晴らしい先輩方



    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



    『反対よ! 絶対に反対よ!!』

    『す、杉浦先輩…………』

    『うちもやなぁ。赤座さんはもう既に生徒会になくてはならん人材や。それにここまで事が進んだ後にそんな事をしたら全校生徒から大顰蹙やで』

    『わかってます。それでもあかりは決心を変えるつもりはありません』

    『いい加減にしなさい赤座さん!!』

    『流石にそれは許されへんよ? 無責任にも程がある』

    『そうよ、千歳の言う通りだわ! 古谷さんと大室さんからも何か言ってあげて!』

    『御二方、申し訳有りませんが私たちは赤座さんに最後まで味方すると約束をしてしまいましたの』

    『ふ、古谷さん……!!』

    『それに話を最後まで聞いてください! あかりちゃんが考えた作戦があるんです!!』

    『作戦?』

    『分かったわ、確かに何も聞かんうちに全てを反対するのはいかんしな。ただ、それはうちらを納得させられるものなん?』
    367 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 20:55:00.69 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,-305)



    『多分大丈夫です。だよねあかりちゃん!』

    『た、多分………』チラッ

    『』チーン

    『か、会長……しっかりしてください!!』

    『よほどショックやったんやね……』

    『りせちゃん、お願いだから聞いて。あかりは絶対にりせちゃんを蔑ろになんてしないから』

    『……………』ピクッ

    『りせちゃん。お願い』

    『…………………………』コクン



    ーーーーー


    ーーー






    『と、いうわけなんです。これならごらく部も茶道部も生徒会も全て円満に解決できると思います』

    『………………』

    『………………』

    『………………』コクン

    『あ、あの杉浦先輩? 池田先輩?』

    『な、何か問題があったでしょうか?』

    『いえ、なんていうか…………』

    『まさかそんな事を考えてたとは思っとらんかったから…………』

    『既に西垣先生にはお話を通してあります。多分2日後までには何とかなると仰ってくださいました』

    『まぁアレを見てしまったので多少不安はありますが……でも確実に効果は期待できると思います』

    『ふふん、凄くないですか? これは私が考えたんですよ!』

    『……………』パチパチ

    『会長有難うございます!』フフン

    『あまり調子に乗らないようにしなさいよ櫻子』

    『分かってるってば』
    368 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 20:59:48.08 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,+0)

    『で、でもだからと言ってやっぱり私は反対よ! 赤座さんがあんな2人のためにそこまでする義理はないと思うわ!』

    『それはうちも思っとることや。赤座さんはなんでそこまでして2人の事を守ろうとするん?』

    『………私とって一番大切な2人だからです。たとえ杉浦先輩、池田先輩、りせちゃんに嫌われたとしても守る価値があるものだからです』

    『………………なっ!?』

    『…………………ッ!』

    『……………………』

    『気分を悪くしてしまったならすみません。でもごらく部はあかりにとってそれほどの価値があるんです。京子ちゃんと結衣ちゃんはあかりにとってそれほど大切な人なんです』

    『………赤座さん』

    『う、ん……ここまでストレートに言われるとは思っとらんかった…………なんか千鶴みたいやなぁ』

    『……………………』コクン

    『はい。あかりにはもう既に一生付き合っていける友達が2人もいたんです。その2人を守るためならあかりは誰にどう思われても平気です』

    『………………』ナデナデ

    『えへへ、分かってくれてありがとうりせちゃん』

    『会長、という事はあの件も!』

    『…………』グッ

    『やったー!! やったよあかりちゃん向日葵!!』

    『やりましたわ! 赤座さん櫻子!!』

    『分かったわよ、負けたわ。私もそれでいい』

    『綾乃ちゃん…………』

    『でもね、1つだけ条件があるわ!!』

    『条件ですか?』

    『えぇ! あの2人に何としてでも謝ってもらうからね!! 今までのこと全部! 赤座さんに!!』

    『うちもそれが条件や。今まで赤座さんにした酷いことすべてを謝ってもらう。それだけは譲れん! もしもそれをせんなら、ごらく部はうちらが絶対に認めんからな』

    『分かりました、大丈夫です』

    『本当に?』

    『はい、あかりは2人のことを信じてますから!』ニコッ
    369 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 21:06:56.80 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,-304)


    そして中学生になってから初めてできた友達の話もしたいと思います

    実はこの子とはいま少し気まずい関係になってしまい、最近は殆ど話もしていません

    ですので恥ずかしながらこの場を借りてその子に伝えたい事を言いたいと思います

    その子は少し思い込みが激しくて、独特の美術センスを持っている少し変わった子です

    正直のところ私もたまに、ごくたま~にですよ? その子の行動や言葉に少しびっくりしちゃったりした事もありました

    でもあるとき気付きました。その子の行動や言動は、全て一途な想いから来るものだということにです

    そう知ってから思い返してみると、その子の全てがとても可愛らしく思えてきました

    行動の一つ一つが必死に自分をアピールしているという事、そのとき少し暴走してしまい後で後悔している様子

    そしてその事を私に必死に謝ってきた事もありました

    そんな日常を思い返して私はこう思いました

    あの時は気づいてなかったけど、私はそんな毎日をずっと楽しく過ごしていたんだという事に

    月並みな言葉ですがこういう事です

    “大切なものは失ってから初めてわかる”

    その子は私に迷惑ばっかりかけていたと思い込んでいるかもしれないけれども、実はそんな事はなかったんです

    彼女は毎日、私にかけがえのない宝物をプレゼントしていてくれていたのです

    だから私はこう伝えたいです





    ちなつちゃん、今まであかりとお友達でいてくれてありがとう。あかりに宝物をたくさんプレゼントしてくれてありがとう。これからもあかりと一生友達でいてください
    370 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 21:08:51.31 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,+0)

    次で最後になります。とは言っても2人いますけれどもね

    この2人とも最近気まずくなってしまってあまりお話はできていません。ですのでこの2人にもこの場を借りて伝えたい事を言いたいと思います

    まず1人目、とっても格好いい幼馴染からです

    その子は私やもう1人の幼馴染にとってヒーローのような存在でした

    あっ、ヒーローとはいっても女の子なんですけれどもね。でもとにかくそんな存在だったんです

    その子はいつも私たちの事を前へ前へと導いてくれた存在でした

    辛い時は必死に励ましてくれて悲しい時は笑わせようとしてくれて、どんな時でも私たちの事を第一に考えてくれた女の子

    自分が辛いときや悲しい時にはそれを必死で私たちに隠し、決して弱みを見せようとはしなかった女の子

    この子の存在があったからこそ、いまの私たちがあると言っても過言ではありません。むしろこの子がいなかったらいまの私は確実になかったと断言できます

    このように言うとその子には欠点のない素晴らしい人だという印象を受けると思いますが、私から見ればその子は欠点だらけです。ふふふっ

    まず第一に虫が大嫌いで、ちょっとでも虫を見ようものなら悲鳴をあげて逃げ出しちゃいます。目尻を見るとうっすらと涙も出てたりします。あっ、でもそんな様子がとても可愛らしいと思います!

    そして次の欠点が自分の容姿に自信がない点です。みんなが羨むくらい可愛いのに自分ではそんな事ないと決め付けていて、少しでも可愛い格好をさせようものならすぐに顔を真っ赤にして押入れに立て篭っちゃうくらいです

    なにせ写真を撮る時に可愛い笑顔をする事すら恥ずかしがるくらいですから。あ、でもそんな様子がとても可愛いと思います! だよねちなつちゃん!


    < ソノトオリヨアカリチャン!


    えへへ、ここから見てもいま顔を赤くして俯いてる様子が見えます。本当に昔から変わらない可愛い幼馴染です

    でも私がその子の最大の欠点と思っているところは、自分の気持ちを押し殺してしまうところだと思っています

    371 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 21:11:46.60 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,+0)


    例えば……そうですね。本当は離れるのが辛いのに、私の為になると信じ込んでワザと私を突き放したり

    私に嫌われる為にワザと悪口を言ったり、自分の窮地にも関わらず助けを求めてこなかったり

    そのくせ陰ではそれを後悔して泣いたりしてるんです。尤もこれはつい最近知った事です。たぶん私が気づいてなかっただけで、昔っからそうだったに違いないと思います

    そう考えるとその幼馴染には昔から随分と迷惑をかけてしまったと思います。多分いままで私達が気づいてなかっただけでその子は何度も何度も泣いていたんだと思います

    だから私はこう思います。もうその子に助けてもらうだけなのは嫌だと、その子と助け合って二人三脚のように歩んでいきたいと

    ねぇ結衣ちゃん。あかりはまだ結衣ちゃんにとって守られるだけの存在なのかな? まだあかりは結衣ちゃんを守ってあげられないのかな? そんなにあかりは頼りないかな?

    あかりはもう守られるだけの弱いあかりじゃない。もう結衣ちゃんの隣を並んで歩ける自信はあるよ

    だからもっとあかりの事を頼ってほしい、弱い所を見せてほしい。あかり結衣ちゃんの事が大好きだよ。結衣ちゃんのためならなんだってできるよ!

    だから……もしもあかりの事を頼ってくれるというのなら、何か反応を見せてくれると嬉しいな。笑うとか! もしもあかりにまだその資格がないのならこのまま黙ってて


    < ………………



    えっと…………ここで新生徒会長の言葉を一節

    こほん、こんなに人が多い前で話すと緊張金閣寺だよぉ



    < ブフッ!



    結衣ちゃん、笑ってくれてありがとう! これからあかり、結衣ちゃんに置いて行かれないように頑張るからね!



    < イヤッチガウ!


    372 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 21:13:54.60 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,+0)


    それじゃあこれで本当に最後です。さっきから話に出ていたもう1人の幼馴染。少し臆病で泣き虫な幼馴染のお話です

    先ほどの幼馴染が私たちのヒーローであったなら、この子は私たちのヒロインのような子でした

    いつも私たちの2歩3歩後ろを黙って付いてくるような可愛い女の子、引っ込み思案で人見知りの女の子

    泣き虫でちょっと転んだだけで泣き出しちゃうような弱虫で、そんな子を守るため私ともう1人はいつも頑張っていました

    でもそんな女の子は時とともに段々と強く変わっていきました。そしてついには私なんかよりも強く明るく、そして可愛く成長していました

    そんな女の子を見て私はこう思っていました。もうこの幼馴染は私なんかよりもよっぽど強いと。私なんか必要としていないんだって

    でもそれが誤りだったと気付いたのは、これまたつい最近の事でした。それも他の人によって気付かされたんです

    私はそのことに気付かず、その子にこう言ってしまったんです

    もうこの部活をやめるねって……

    いまから思えばとても無神経な言葉であったと思います。しかしその時の私は自分が必要とされていることに気付いてなく、平然とその部を出て行ってしまいました

    そんな私が今更こんなお願いをするなんて虫がいいかもしれませんが、それでもこれだけは伝えたいんです


    京子ちゃん、あかりは中学生の初日とても嬉しかったんだぁ

    放課後にあかりをあの部室へ連れて行ってくれた事、あかりを快く迎え入れてくれた事、とっても嬉しかった

    それからの毎日はあかりにとってまさに幸せの階段を上り続けてるような毎日だったんだぁ

    だって京子ちゃんってば、いつも楽しい催し物を考えてきてあかり達を1日だって飽きさせる事をしなかったんだもん

    目立たないあかりを目立たせようとしてくれた事、結果はどうであれとても嬉しかった
    373 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 21:16:08.00 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,+0)


    あかりに勉強を教えてくれた事もあったよねぇ。京子ちゃんの教え方、少しいい加減だったけれどもそれでも本当に楽しくお勉強が出来たんだぁ

    あかりの為に紙芝居を作ってくれた事もあったよね。あれ、本当に嬉しかったんだ。だってあんな紙芝居、あかりの事をよく理解してくれてないと描けないんだもん

    他にはね……まだまだいっぱいあったよね。それこそあかりが思い出せないくらいのたくさんの思い出が

    思い出せないのはそれがあかりにとってごく当たり前の日常の一部だったから。今にして思えばすごく贅沢だよね、えへへへ

    だからね京子ちゃん、あかりはそんな楽しい日常をもう一度過ごしたい。もう一度京子ちゃん、結衣ちゃん、ちなつちゃんと一緒にごらく部で毎日を過ごしたい!

    だから京子ちゃん、あかりをもう一度ごらく部に入部させてください。あかりに楽しい毎日を過ごさせてください、お願いします



    そして全校生徒の皆さん。私は先日の演説でみんなを笑顔にするために副会長になるとお話をしました

    しかしずっと一緒だった幼馴染や、中学で初めてのお友達を笑顔にする事すら出来ずにそんな事ができるとは思えません




    京子「あ、あかり…………」

    結衣「まさか…………!」







    わたくし赤座あかりは生徒会副会長を辞退させていただきます






    こうしてあかりの演説は幕を閉じた
    374 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 21:19:34.97 ID:I6/A77pc0 (+93,+30,+0)


    京子「あかりぃ!!」

    結衣「お前はなにを考えてるんだよ!!」

    あかり「あ、京子ちゃん結衣ちゃん! やっぱり来てくれたんだね」

    ちなつ「京子先輩、結衣先輩………」

    結衣「ち、ちなつちゃん!」

    ちなつ「ほ、本当に……本当にすみませんでした!!」

    京子「な、なんで急に頭下げるの!?」

    ちなつ「だって………半ば先輩方を追い出す事に加担したようなもので…………」

    結衣「べ、別に怒ってなんてないよ。そんな頭を下げないで……」

    京子「てかちなつちゃん、あそこが茶道部の部室だって事忘れてたんだろぉ~? 元茶道部志望のくせに」ニヤニヤ

    ちなつ「な、そっそれはアレですよ! ほら、あまりにもごらく部の活動が面白かったからすっかり失念してたんですよ!」

    京子「おぉちなちゅがデレたぁ!! よっしゃ! チュッチュ~!!」ガバッ

    ちなつ「うぎゃ~ひっつかないで下さい!! た、助けてぇ~!」

    結衣「いい加減にしろ京子!!」ガツン

    京子「んげっ!?」

    ちなつ「あ~ん結衣先輩、怖かったですぅ~♡」

    結衣「ち、ちなつちゃん! 近いってば!」

    あかり「………………」ニコニコ

    京子「ってそんな事してる場合じゃないって! あかり、さっきの演説は一体どういう事なんだよ!」

    結衣「そうだよ! 一体なにバカな事を言ってるんだよ! はやくさっきの発言を撤回しろ!」

    あかり「ううん、撤回はしないよ。絶対にね」

    結衣「ふざけるな! なんであかりは私たちの言う事を全く聞かないんだよ!! 振り回されるこっちの気にもなれよ!」

    あかり「結衣ちゃんだって今まで散々あかりを振り回してきたくせにぃ~ 特に昔なんて酷かったよぉ」

    結衣「うっ……それとこれとは別だ!」

    あかり「えへへ、そうだねぇ」ニコニコ

    結衣「う………」

    ちなつ「結衣先輩が押されてる……!」

    375 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 21:24:00.09 ID:I6/A77pc0 (+93,+30,+0)


    京子「あかり」

    あかり「なに、京子ちゃん?」

    京子「残念だけどあかりの再入部は認めないよ」

    あかり「どうして?」

    京子「べ、別に理由なんてないよ。部長がダメって言ってるんだからダメ!」

    あかり「もしかしてあかりが生徒会を辞めるのが心配なの?」

    京子「……………」

    あかり「その事なら心配ないよ。だってあかりが辞めるのはもう全員に納得してもらってるんだもの」

    京子「はへっ!?」

    あかり「ですよね、杉浦先輩」

    綾乃「……………えぇ」

    京子「綾乃!?」

    千歳「うちもいるで」

    結衣「千歳……」

    綾乃「赤座さんが辞めるのはもう決定事項よ。それもこれも全てごらく部の為」

    千歳「うちらも全員納得した結果や。もうこの決定は覆らへんよ」

    京子「なっ!?」

    あかり「えへへへ」

    京子「な、なんで…………」

    あかり「…………………」

    京子「なんで……あかり、は……そこまで私たちの事を……………」ジワァ

    あかり「………………」

    京子「私たちの事なんか放っておけばいいじゃん! あかりの事をあそこまでバカにしたのに! 嫌いになったって言ったのに!! なんでここまでするんだよッ!!」ジワァ

    あかり「京子ちゃんだからだよ」
    376 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 21:27:00.47 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,+0)


    京子「あかりぃ…………あかりぃ!!」グスッ

    結衣「そ、そんな哀れみなんて私たちにいらないんだよ!!」

    あかり「結衣ちゃん……」

    結衣「そ、そんなこと必要ない! あかりなんて邪魔なんだよもう別にいらないんだって!! もう二度とごらく部に来るなんて許さなーーー」

    あかり「結衣ちゃん、もう大丈夫だよ」ギュッ

    結衣「………っ!!」

    あかり「そんなに苦しい思いをしてまであかりの事を悪く言う必要なんてないんだよ。あかりはどんな事があっても結衣ちゃんの味方だもん。だからほら、もう泣かないで」ナデナデ

    結衣「な、泣いてなんか………ない………………」ポロッ

    あかり「結衣ちゃん、あかりとちなつちゃんが抜けてから今までずっと1人で頑張ってくれたんだよね。京子ちゃんに弱いところを見せないように必死に我慢してくれてたんだよね」

    結衣「……………うぅ……そ、そんな…こ……と…………」ポロポロ

    あかり「もう大丈夫。これからはずっとあかりが付いててあげるから。だからさ、もう泣いてもいいんだよ」ナデナデ

    結衣「………………あ、かり………」グスッ

    あかり「京子ちゃんも、ほら」ナデナデ

    京子「……………あかりぃ」ウルッ

    あかり「なぁに京子ちゃん?」ニコッ

    京子「……………うわあああぁぁぁあぁぁぁあん!! ごめん! ごめんねっあかりぃ!!」

    あかり「ううん、謝る事なんてなんにもないよ。京子ちゃんもずっと辛かったんだもんね。ずっと放っておいて本当にごめんね京子ちゃん」ナデナデ

    京子「ほ、ほんっ、とだよ!! ぜった……いに…………許さっ……ない、から! あかりは……ずっと、ごらく部………で、辞める…………ことっ…………許さ…………うあああぁぁぁっ!!」

    あかり「うん、大丈夫……だから……! あかりは、ずっと……ごらく部、だ…から!」ウルッ

    結衣「…………………」ギュッ

    あかり「ゆ、いちゃ…んも……今は………泣いていいっ……から! 絶対に、あかり……は、離れないっ……か、ら……!!」グスッ

    結衣「……………………ッ!!」ギュッ

    ちなつ「………うぅ……ひっく、うわあぁああん…………ヒック…グスッ……」

    あかり「ち、なつ………ちゃんも…………ね、ごめんっ……ね!!」グスッ

    ちなつ「…………………ッ!」フルフル

    あかり「ちなつちゃんとあかりっ……は…………ずっとずっと……とも、だち……だからっ……絶対に……離れなっ……い…………からっ!」グスッ

    ちなつ「…………………………」ギュッ





    綾乃「……………千歳行きましょう」

    千歳「あはは、綾乃ちゃんもらい泣き?」

    綾乃「なっ!? べ、別に泣いてなんかない……わよ!!」

    千歳「ほら、ハンカチ。うちも少し泣きそうやもん、綾乃ちゃんが泣いたって何にもおかしいことなんかあらへんよ」

    綾乃「……………ごめん……借りるわね」

    千歳「どうぞ、会長」クスッ

    綾乃「これから……頑張りましょう…………!」

    千歳「ずっと付いてくで、綾乃ちゃん」
    377 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 21:28:32.19 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,+0)


    ー後日談ー


    京子「………………」

    結衣「………………」

    京子「遅いね、3人とも……」

    結衣「そうだな……なんにもやることがないとつまらないな…………」

    京子「しりとりでもする?」

    結衣「2人で?」

    京子「文字数指定しりとりとか!」

    結衣「なるほど」

    京子「それじゃあ13文字しりとり! 私からね、“パルミジャーノレッジャーノ”」

    結衣「難易度高いしズルいぞこら!!」

    京子「えっへへへ、私の勝ちぃ~」

    結衣「…………ったく!」



    ちなつ「お待たせしました~ これが今日の分の書類ですよ!」

    京子「お、ちなちゅ~♡ チュッチュ~!」

    ちなつ「ちょっ!? いきなり抱きついてこないで下さい!!」

    結衣「お前は少しは成長しろ!!」

    京子「あぁ~ん! 結衣のいけず~♡」

    結衣「……………………キモイ」

    京子「ひどっ!?」

    結衣「ところであかり達は?」

    ちなつ「多分もうすぐ来ますよ。恐らく帰りのホームルームが長引いてるんだと思います」

    京子「やっぱり私たちよりも長引くのかな? 私たちも来年は長く教室に缶詰にされるのかぁ~」

    結衣「たまたまだろ、きっと。そんなことよりもほら、私たちにわかる分だけ終わらせちゃおうよ」

    京子「よっし! あかり達が来る前に私たちで終わらせてビックリさせちゃえ!」

    ちなつ「いいですねそれ! 頑張りましょう!」





    あかり「みんなお待たせ~!」

    京子「おっ、来たなあかり! 遅いぞ全く!」

    結衣「ほら、もう一クラス分は終わらせちゃったぞ」

    ちなつ「早く2人も手伝って下さいよぉ!」

    あかり「えへへ、ごめんごめん。あかり達も頑張るよ」





    あかり「ね、りせちゃん」

    りせ「……………」コクン






    ごらく部が実態のない部活だというのならば、活動内容を作って正規の部活動にしてしまえば問題ない。これはあかりが考えた
    378 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 21:30:52.69 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,-305)


    京子「それにしてもあかりも考えたもんだよね。まさかごらく部を生徒会の傘下にしちゃうなんて」

    あかり「思いついた時は自画自賛しちゃったよぉ。これ以上のいい考えはないって思ったんだぁ」

    りせ「………………」コクコク






    正規の部活発足には最低5人の部員が必要。それならば生徒会を引退するりせちゃんを入部させてしまえばいい

    生徒会の傘下に入って事務仕事を行うなら、りせちゃんの加入は正に一石二鳥だもん。これもあかりが考えた






    コンコン

    結衣「はーいどうぞ!」

    「どうも、失礼します」

    京子「あ、またお茶を持ってきてくれたんですか!」

    「ええ、みんなが美味しいって言ってくれるから私たちも活動のしがいがあるわ」ニコッ

    あかり「ありがとうございます!」






    茶道部の部室はあの後もう一つそっくりの部屋を作って対処した

    え、どういう風に作ったかって? それはなんと西垣先生が発明した同一物製造マシーンで!

    櫻子ちゃんがこの装置のことを覚えておいてくれたのは本当に幸いだった。だってそれがなかったら、いまこうしてあかり達がこの部屋で活動をすることはできなかったから!
    379 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 21:33:19.53 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,+0)


    「でも残念だわ吉川さん。茶道に興味のあるあなたにこそ茶道部に入ってもらいたかったのに」

    ちなつ「すみません先輩。でも私はやっぱりごらく部が好きなんです。先輩のお誘いは本当に嬉しかったんですけれども…………」

    「別に平気だってば! 私たちも5人集まってるんだからね! それじゃあまた!」






    お姉ちゃんが気付いてくれた事だけど、なんと茶道部の部活発足状にはちなつちゃんの下にもう1人の名前が連ねてあった

    これはちなつちゃんにサインをしてもらった後、さらにもう1人からサインをもらえていたっていう事だ

    つまり書類にはちなつちゃんを含めて6人のサインがしてあった。でもちなつちゃんはもう1人サインしてくれた事を知らなかったから、自分が抜けたら茶道部が発足できないと思い込んでいた

    あかりはちなつちゃんのその言葉によって先入観があったから、書類に6人のサインがあった事に気付けなかった。うぅ、お姉ちゃんには本当に感謝だよぉ~






    西垣「おう、やってるな」

    京子「あ、西垣ちゃん! もうばっちしやってるよ!」

    結衣「こら京子! 顧問の先生に対してその口の利き方はダメだろ!」

    西垣「あぁ~別にいいよそれくらい。むしろ歳納から敬語で話されたらそれはそれで気持ち悪い」

    ちなつ「あはは、確かに」

    京子「ちなちゅまで酷い!!」

    ちなつ「ちなちゅ言うな!」

    あかり「あはは、相変わらずだねぇ」

    りせ「………………」

    西垣「そういうお前達も相変わらずそんなベッタリくっついて作業してるのか」

    あかり「だ、だってりせちゃんが………」

    りせ「…………………」スリスリ

    西垣「あ~分かった分かった。松本もそんなに頬ずりするな。お前達の愛はよくわかったから」






    あかりの演説の時京子ちゃんと結衣ちゃんの本意に気がついていたのは、何を隠そう千鶴先輩と西垣先生のおかげだったりする

    同一物製造マシーンの事をお願いしに行った時、西垣先生がすべて教えてくれたから

    その時一緒に、“松本を頼む” とも言われたけれど、正直のところどういう事だったのか、まだよく分かっていない

    けど多分これで良かったんだよねぇ?
    380 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 21:36:24.94 ID:I6/A77pc0 (+86,+30,+0)


    結衣「ところで今日はいつ頃うちに来る?」

    京子「活動終わってから家で身支度を整えてすぐに!」

    結衣「3人ともそれでいい?」

    ちなつ「大丈夫ですぅ!」

    あかり「もちろん!」

    りせ「…………」コクン

    ちなつ「あ、そうだ結衣先輩! 私実は先輩のために洋服を編んだんです! 今日持って行くんで良かったら着てください!」

    結衣「え゛!?」

    ちなつ「なんと私の服とペアルックにしたんです! 私の無償の愛を受け止めてくださいぃいい!!」

    京子「…………うわぁ地獄だ」

    あかり「あ、あははは………結衣ちゃんご愁傷様…………」

    りせ「……」ブルブル

    京子「ちなつちゃん、別に編まなくてもあかりとまっちゃんみたいにお揃いの服を買えば良かったんじゃ…………」

    ちなつ「手作りのものこそ真の愛が宿るんです!! もう既に真の愛を持っているあかりちゃん達は市販のものでも構わないと思いますけど、私と結衣先輩にはそれ以上のものが必要なんです!!」

    京子「あれ? てことはちょっと待って!? もしかして私1人だけのけもの扱いされちゃう感じ!?」

    結衣「い、いや! あかりとりせはまだしも私とちなつちゃんは別にそういうわけじゃ!!」

    ちなつ「あ~ん結衣先輩♡ 照れなくてもいいですってばぁ!」

    結衣「て、照れてるわけじゃ…………」

    ちなつ「あかりちゃんにもりせちゃんにも負けない愛を育みましょう!!」グッ

    結衣「お、落ち着いて…………」

    りせ「………………」フンスッ

    あかり「愛の勝負受けて立つって言ってるよぉ~」

    西垣「ははは、松本よ。青春しているな」

    りせ「…………………!」フンスッ

    京子「くっそ~ 私だけ1人ものかよぉ!」

    りせ「………………」ポンッ

    京子「へ、まつもっちゃん?」

    りせ「……………………」ニヤリ

    京子「ば、馬鹿にされたぁ~!!」

    あかり「り、りせちゃん! あんまりいじめちゃダメだよぉ~」アタフタ

    りせ「……………」フフン

    京子「メソメソメソポタミア~」グスン
    381 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 21:38:53.50 ID:I6/A77pc0 (+95,+30,-189)


    京子「よっしゃ! それじゃあ今日はこの話題ボックスだ! 引いた紙に書いてある事に従わなくちゃいけないんだからね!」

    結衣「変なの入れてないよな?」

    ちなつ「この前任意の人にキスとかいう紙が出たせいで、あかりちゃんとりせちゃんがとんでもない事になったんですから!」

    京子「だ、大丈夫だよ! さ、流石に前回のアレで私も、そのっ……反省したというかなんというか…………」カアァァ

    あかり「う、うぅ…………」カアァァ

    りせ「……………」フンスッ

    京子「こ、今回は無難なものしか入れてないから平気だってば! さ、一番手はあかりだよ! 早く引いて!!」

    あかり「あ、あかりが最初なのぉ!? え、えっと…………」ゴソゴソ


    “最近うれしかった事”




    あかり「えっと、最近うれしかった事。それはもちろん………………」












    あかり「最近ごらく部にいるのがたまらなく楽しいことだよぉ!」ニコッ





    おわり
    382 : ◆ZeBo7b - 2016/01/11(月) 21:43:57.59 ID:I6/A77pc0 (+105,+29,-43)
    ハッピーエンド編終わり
    かなり長く放置してて申し訳ありませんでした

    >>230で終わりのつもりだったので多少無理やりだった気もするけど、落とし所としてはこんな所で

    HTML化出してきます
    383 : 以下、2015年 - 2016/01/11(月) 21:54:45.49 ID:72N6EjiAO (+1,+16,-2)
    おつ
    384 : 以下、2015年 - 2016/01/11(月) 21:54:59.89 ID:sMrJ6nQ3O (+14,+29,-15)
    蛇足やったわ
    385 : 以下、2015年 - 2016/01/11(月) 22:57:21.32 ID:KgkL8pH40 (+24,+29,-24)
    外野がうるさかくてどうなるかと思ったが、良い終わり方だったと思う
    386 : 以下、2015年 - 2016/01/11(月) 23:36:56.98 ID:NeQu50YDO (+19,+29,-17)
    乙だお
    次回作も期待してるお
    387 : 以下、2015年 - 2016/01/12(火) 00:56:30.37 ID:rLLvKa8H0 (+10,+25,-2)
    よかった
    388 : 以下、2015年 - 2016/01/12(火) 01:12:52.33 ID:LF4DdPypO (+25,+30,-45)
    ワンパターン
    はっきり言ってどうして娯楽部から出て行くssだと必ず結衣京子たちではなく、あかりだけが「歩み寄り」しなければならないんだ?
    たまには結衣京子たちから歩み寄るssがあってもいいだろ?
    389 : 以下、2015年 - 2016/01/12(火) 01:13:01.33 ID:pySZl+5yo (+19,+29,-2)
    よかった

    とてもよかった
    390 : 以下、2015年 - 2016/01/12(火) 01:20:54.76 ID:29PCqqfRO (+32,+29,-16)
    >>225とはなんだったのか。結局は娯楽部に戻っててワロタ、で数日したら>>1に戻るんだろwww
    391 : 以下、2015年 - 2016/01/12(火) 01:30:58.12 ID:PhEh0Q92O (+24,+29,-24)
    ほんと蛇足な
    しかも生徒会やめてるし
    しょーもない茶番劇でしたわ
    392 : 以下、2015年 - 2016/01/12(火) 01:48:39.58 ID:hTl1XkbFO (+23,+30,-29)
    まあそう熱くなるなよ?イチもりせあかが書きたかっただけなんだろうしさ
    生徒会も娯楽部もわりとどうでもいいよ
    良いりせあかだった乙ですよ
    393 : 以下、2015年 - 2016/01/12(火) 18:40:11.31 ID:la4pLZGPO (-9,+5,-3)
    394 : 以下、2015年 - 2016/01/13(水) 06:36:58.68 ID:oHcr5nfzo (+18,+28,-3)

    本当に面白かった!
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