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    元スレ南条光「光あるところ、闇があるっ!」

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    101 = 84 :

    麗奈(……このまま……見つからずに……)


    『うひひ……おやま……おやま……』


    麗奈「!?」





    『見いつけた』







    「千夏!まだなのか!?」

    千夏「くっ……方結びにしてしまったのは迂闊だったわ……!」

    「唯、ハサミもらってくる!!」

    「千夏!早くしないと麗奈が……」




    「いやああああああああああああああああああああああっっっ!?」



    千夏「!!」

    「!?」

    102 = 84 :

    ガタッ

    バンバンバンッ


    麗奈「いやぁぁぁぁぁぁぁっ!!助けて!!誰か!!誰かぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

    悪霊『うひひひひひひ!!おやま!!おやまぁぁぁぁぁぁぁっ!!』

    麗奈「いやぁぁぁぁぁっ!!こないで!!やだ!!やめてぇぇぇぇぇぇっ!!」


    「麗奈!?麗奈ぁぁぁぁぁっ!!」バンバンバンッ

    千夏「麗奈ちゃん!?麗奈ちゃん!!光ちゃん、扉から離れて!!」

    「麗奈!!麗奈ぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


    麗奈「助けて!!やだ!!光!!助けて!!」

    悪霊『おやまぁぁぁぁぁっ!!おやま!おやまが二つぅぅぅぅぅっ!!』

    麗奈「やだぁぁぁぁぁぁぁっ!!ママ!!助けて!!怖いよぉぉぉぉっ!!」

    「麗奈っ!!逃げろ!逃げるんだ!!」

    悪霊『無駄だよぉぉぉぉっ!!何処に逃げてもおやまの場所はわかるよぉぉぉぉぉっ!!』

    麗奈「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


    「麗奈ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

    103 = 84 :

    千夏(……!扉を叩き続けたことで固定してる紐がほどけはじめてる……?これなら……!)

    悪霊『うひひひひひひひひ!扉の外に4つおやまがあるのもわかってるよぉぉぉぉぉっ!!』

    千夏「!!」ビクッ

    麗奈「助けて!!早く開けて!!出してぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

    千夏「……!!」

    千夏(マズイ……『ヤツ』は……想像以上の化け物だわ……!)

    千夏(恐らく『ヤツ』は長時間光の閉ざされた空間にいたことで感覚が異常に敏感に研ぎすまされているんだわ……そしてアドレナリンを始めとする興奮物質の過剰分泌により今のヤツの活動能力は数倍にまで跳ね上がっている……!)

    「麗奈!麗奈ぁぁぁぁぁぁぁっ!」

    千夏(どうする……どうするの千夏……このまま扉を開ければ麗奈ちゃんは助かるかもしれない……けどヤツを解き放ってしまうことになる……その被害は計り知れない……!)

    千夏(……決断……決断するのよ千夏……!!)



    麗奈「助けて!!早く出してぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

    麗奈「もう悪戯しないから!!良い子になるから!!出してぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

    「麗奈!!クソ!こんな紐……早くほどいて……」

    千夏「……っ」

    104 = 84 :

    悪霊『うひひひひひひひ……もう逃がさないよぉ……!!』

    麗奈「ひぃっ……!」

    悪霊『捕まえたぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』

    麗奈「やっ……」



    「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」




    「……!?麗奈!!待って!!あと少しで……あと少しでほどけるから……」

    ガシッ

    「!?」

    千夏「ダメよ光ちゃん!ヤツを外に出してはダメ!!」

    「!? 何言ってるんだよ!?中に麗奈が……」

    千夏「……麗奈ちゃんはもうダメよ……諦めなさい」

    「!?」

    千夏「……もう無理なの。助けられないわ。……あと私達に出来るのは、ここを封鎖して女子寮から専門の人……木場さんと清良さんを呼んで対処を任せるしかないわ」

    「何言ってんの!?だって麗奈は中にいるんだぞ!?見捨てるのか!?」

    千夏「そうよ!!今アイツを外には出せないわ!!今ちょうど小学生組の子達が事務所に帰ってくる時間なのよ!?このままヤツを外に出して、何かあってからじゃ遅いの!!」

    「……!!」

    「でも……そんなの!!」


    「いやああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!?」



    「!! 麗奈……」

    105 = 84 :

    「……!」

    「……ダメだ……!やっぱり見捨てられない!!」

    ガシッ

    千夏「ダメよ光ちゃん!!耐えて!!お願い!!」

    「いやだ!!麗奈!!待ってろ!!すぐ助ける!!」



    麗奈「光……グスッ……光……助けて……っ」



    「麗奈!!離して!!離してよ千夏!!」

    千夏「ワガママを言わないで!!アナタもヒーローなら助けられる人間を確実に助けることだけを考えなさい!!」

    「いやだ!!そんなの……そんなのヒーローじゃない!!」

    千夏「……!そんなんじゃ助けられる人も助けられないわよ!!」

    「違う!全部助けようとするのがヒーローなんだ!!見捨てない!見捨てたくない!!今助けを求めてるのは麗奈なんだ!!」



    麗奈「……光……っ」



    「中にいるのが唯でも千夏はそう言えるのか!?」

    千夏「……っ!!」

    「離して!麗奈!!麗奈ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」




    麗奈「……っ」

    麗奈「光……光……色々……ごめんね……」



    「離して!待って麗奈!!諦めちゃダメだ……!!」

    106 = 84 :

    「麗奈……!」

    麗奈「光……」


    麗奈「……ありがとう……!」


    「……っ!」








    『おっひょおおおおおおおおおおおおおおおっ!!』

    「ああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁっ……」






    「……!!」

    「麗奈ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」






    シーーーン…



    「……っ!!」

    ガクッ…

    「……ぅっ……ヒック……グスッ…こんな……こんなことって……」

    千夏「……っ」

    千夏(……ごめんなさい……麗奈ちゃん……っ!)



    「……ごめん麗奈……!ごめん……っ!アタシ……ヒーローとしても……悪者としても……なんにも……麗奈になんにもしてやれなかった……!」



    ポタッ…←涙



    「ぅ……うぅ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……っ!!」

    107 = 84 :

    「うわあああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!」











    ※回想終わり



    「……だから……麗奈は……もう……」

    紗南「……」

    飛鳥「……」

    蘭子「……」グスッ…







    紗南&飛鳥(……泣けば良いのか笑えば良いのかわかんないんだけど……)

    108 :

    (そういやこれ回想シーンだった)

    109 :

    「まぁつまりそういう訳で麗奈にはもう頼れないんだ」

    蘭子「グスッ……秘められし哀しき運命の輪舞曲……!」

    紗南「いや何処で泣いたの?どういう訳かさっぱりわかんないんだけど
    完全にパニックホラーゲームになってたじゃん途中。聖靴学園でも聞かないレベルの悲鳴だったよ」

    「……クソ映画だって書かれてたな」

    飛鳥「光!駄目だ!それ以上いけない!!」

    紗南「愛海ちゃんが化け物になったってことしか今の回想では伝わってこなかったんだけど何?T-ウイルスにでも感染してたの?」

    「愛海は素面だぞ」

    紗南「素面なの?」

    「……! 登山星人アツミンと名付けるのはどうだろう?」ハッ

    紗南「どうでもいいよ。てか何途中のイメージ映像。完全に人類じゃなくなってるじゃん。プ○デターじゃん」

    紗南「寧ろヘルメット無しで体温感知してるってプ○デターよりスゴいじゃん。プレデター以上だよもう」

    「古い映画知ってるんだな紗南……」

    紗南「絶対話盛ってるでしょ……皆ノリおかしいし千夏さんも普通に扉開けて麗奈助けてあげなよ」

    「でも千夏も辛かったと思うんだ」

    紗南「なんのフォロー?」

    「その後木場さん達が到着して麗奈を助けてくれたんだけど……余程の恐怖を味わったのか麗奈は気を失っていて愛海も興奮のあまり鼻血を流して気絶していたんだ……」

    飛鳥「もはやアイドルとはなんなんだ。というか彼女が一体なんなんだ」

    「くっ……わからない……!」

    「わかることは……麗奈の想いを無駄にしないためにもアタシは次のツアーを頑張るしかないということだ……!」

    蘭子「グスッ……うん!頑張ろう光ちゃん……!頑張ろうね……!!」


    紗南「笑美さん辺りの人が欲しくなってきたよ」

    110 = 109 :

    事務所内・医務室



    「……本当に麗奈に頼るのか?」

    紗南「どのみちダメもとだよ。それにお見舞いも兼ねとこうと思うし」

    飛鳥「しかしまさか昨日から気絶してそのまま眠り続けているとは……」

    蘭子「悪の女王がその魂に刻まれた傷は深い……」

    「もう散々迷惑かけちゃったんだ……静かに眠らせてやろうよ」

    飛鳥「故人みたいになってるじゃないか」

    紗南「大袈裟なんだよ皆……胸揉まれそうになったぐらいでそんな……」

    ピッ…

    ピッ…

    ピッ…

    紗南「……」

    飛鳥「……」

    蘭子「……」


    ※医療ベッドに眠る麗奈


    紗南「……」

    紗南「……何で人工呼吸器と心電図ついてんの」

    111 = 109 :

    蘭子「れ……麗奈ちゃん、死んぢゃうの……?」ブルブル

    「違うぞ、大丈夫だ。晶葉が作った夕美特性穏やかな気持ちになる花の香りを鼻に送る機械とメトロノームのように一定の感覚で音を鳴らすことで精神を落ち着かせる機械だぞ」

    紗南「ややこしいよっ!?ややこし過ぎてご両親に見せられない絵になってるじゃん!!」

    「今日の紗南は元気だな……」

    飛鳥(……ちょっと不治の病にかかった病人みたいで格好良いかも……)ドキドキ

    紗南「これ無理矢理起こして良いのかな?」

    「……さぁ?」

    飛鳥「ただの気絶だろう?あまり詳しくはないが眠っているのと大差ないんじゃないのか?」

    蘭子「禁断の果実や神への供物の香りを嗅がせば目が覚めるのでは……?」

    「んーでも美味しいモノの匂いで起きるなんてそんな単純な……」

    紗南「今食べ物持ってないしね」

    飛鳥「やはり普通に声をかけるのが良いんじゃないのか?」

    112 = 109 :

    「麗奈ー!起きてー!」

    麗奈「」シーン…

    「……ダメだな」

    紗南「麗奈ちゃーん!寝過ぎだよー!」

    麗奈「」シーン…

    飛鳥「麗奈……目覚めの刻だよ……麗奈……」

    麗奈「」シーン…

    蘭子「目覚めよ!悪の女王よ!!」バーンッ

    麗奈「」シーン…



    「……起きないな」

    紗南「……ほっぺ軽めにつねってみよっか」

    蘭子「それは流石に気の毒では……」

    飛鳥「こちょこちょしてみるとかどうだろうか」

    「飛鳥の口からこちょこちょなんて言葉が出るとは思わなかった」

    紗南「くすぐるで良かったよね」

    飛鳥「……忘れてくれ」

    蘭子「……こちょこちょ」

    飛鳥「お願い忘れて」

    113 :

    10分後……


    「……何しても起きないな」

    紗南「……ほんとに何しても起きないね」

    蘭子「我が魔力を持ってしても封印の眠りから覚まさぬとは……!!」

    飛鳥「やはり自然に目覚めるのを待つしかないのだろうか……」

    紗南「おーい!麗奈ーーーっ!!起きてーーーーっ!!」

    麗奈「」シーン…

    紗南「あっちに隙だらけで悪戯しがいの有りそうな子がいるよーーーっ!?」

    麗奈「」シーン…

    紗南「……ダメかー……」



    飛鳥「……悪戯といえばボクと蘭子は麗奈の悪戯で危うく人生を終わらせられる所だったのを思い出した」

    蘭子「我が怒り如何程も衰えること非ず」

    紗南「今思い出さなくても……」

    飛鳥「……寝てる隙に顔に落書きでもしてやろうか」

    紗南「子供か」

    114 = 113 :

    「そんな……抵抗できない相手に悪戯なんてアタシが許さないぞ!」

    紗南「光ちゃんも結構な目に遭ってるのに少しも怒ってないのはある意味スゴいね」

    「……」テレテレ

    紗南「褒めて……いや誉めてるで良いやもう」

    飛鳥「蘭子ペン持ってる?」

    紗南「するの?悪戯」

    蘭子「ここに深紅と黄昏を描く魔晶がある」

    紗南「するんだ?悪戯」

    飛鳥「赤とオレンジか……出来れば暗色系が好みだったが仕方ない」

    紗南「そんなに漫画人に見られたくなかったの?」

    蘭子「封じられしパンドラは開いてはいけない。この世を呑み込む厄災が込められているの」

    紗南「はぁ……」

    「ちょっと待つんだ二人とも!いくら恨みがあるからって、無抵抗の人間相手にそんなことはさせられない!!」

    「例え顔に落書きとかそういうのでも!見逃す訳にはいかない!!」

    「何故ならアタシは!ヒーローだかr」

    飛鳥「ペン水性だね」

    「……水性なら良いか」

    紗南「えっ!?良いの!?」

    115 = 113 :

    飛鳥「しかし赤とオレンジか……実際何を書いてやろうか」

    麗奈「」ピクッ

    「!」

    紗南「どうしたの?」

    「見ろ!今麗奈は反応したぞ!」

    紗南「えっ!?」

    飛鳥「まさか……悪戯を感知して……!?」

    蘭子「まさか悪の女王は本当の封じられた瞳の持ち主だった……!?」

    「何に反応したんだ麗奈……!」

    紗南「飛鳥なんて言ったの今!?」

    飛鳥「えっ……赤とオレンジで何を書いてやろうかって……」


    麗奈「」ピクッ

    全員「!!」


    紗南「ひょっとして赤とオレンジに反応した……?でもなんで……」

    飛鳥「赤とオレンジ……何かあったかな」

    蘭子「深紅と黄昏……深紅と黄昏……」ウーン…

    「……」ウーン…



    「!!」ハッ

    116 = 113 :

    「キャァァァァァッ!誰か助けてぇぇぇぇぇっ!!(裏声)」

    全員「!?!?!?」

    紗南「えっ!?何っ!?どうしたの光ちゃん!?」

    飛鳥「キミの口からキャーとか聞くとは思わなかったよ!?」

    蘭子「ぷ……プロデューサー呼ばなきゃ……」ワタワタ

    (違う!これ演技!麗奈を目覚めさせる為の演技だよ!)

    紗南「演技……?」

    「いやぁぁぁぁぁぁっ!!助けてぇぇぇぇぇっ!!マジカルテットォォォォォッ!!(裏声)」

    麗奈「」ピクピクッ

    紗南「!!」

    蘭子「麗奈ちゃんが反応した!」

    「ホラ!やっぱり!赤とオレンジは麗奈が演じた正義の魔法少女、マジカルガール・フレイムの色だ!!麗奈は無意識にその色に反応したんだ!!」

    蘭子「おお!素晴らしき読みぞ友よ!!」

    紗南「やるじゃん光ちゃん!!」

    「へへーっ」テレテレ



    飛鳥「……」

    飛鳥(……悪は?)

    117 = 113 :

    紗南「そうとわかれば……誰か助けてぇぇぇぇぇっ!!マジカルテットォォォォォッ!!(裏声)」

    麗奈「」ピクッ

    「助けてぇぇぇぇぇっ!!マジカルガール・フレイムゥゥゥゥゥッ!!(裏声)」

    麗奈「」ピクピクッ

    蘭子「我が救援を求めし声に応えよ焔の魔法少女よ!!(裏声)」

    麗奈「」シーン…

    蘭子「……あれ?」

    紗南「ホラ!飛鳥も早く!」

    飛鳥「ボクはそういうのはちょっと」

    「早く来てぇぇぇぇぇぇっ!!マジカルガール・フレイムゥゥゥゥゥッ!!(裏声)」

    麗奈「」ピクピクピクッ

    118 :

    >>109
    せっかく14歳組が多く出てきているんだから上田しゃんも連れてこよう

    119 = 113 :

    「助けてーーーっ!!」

    「誰かーーーーっ!!」

    「早く来てーーーーっ!!」

    「マジカルガール・レイナちゃん、助けてーーーーーーっ!!」


    麗奈「」ピクピクピクピクッ…




    麗奈「――!!」カッ


    ガバッ


    「!!」


    麗奈「『アーハッハッハッハ!何処のどいつか知らないけれど!アタシの地球を好き勝手しようだなんて生意気ね!!』」

    麗奈「『アタシの許可なく世界の平和を乱そうとする奴は許さないわ!!』」

    麗奈「『覚悟なさい!ここからは……マジカルガール・レイナサマが!正義の炎でアンタら全員、焼き払ってやるんだから!!』」


    バーーーンッ!!



    「」

    紗南「」

    蘭子「」

    飛鳥「」




    麗奈「……あれ?」

    120 = 113 :

    麗奈「あれ?アタシこんな所で何してんの……?記憶が……つーかアンタらここで何して……」

    「うわぁぁぁぁぁんっ!!麗奈ぁぁぁぁぁぁっ!!」ガバッ

    麗奈「ちょっ……何!?なんなの!?光っ!?何よ!?アタシそういう趣味ないんだけど!?」

    紗南「うわぁぁぁぁん麗奈ァァァァァァァッ!!」ガバッ

    麗奈「ぐえっ!?アンタも!?」

    蘭子「麗奈ぢゃあああああああんっ!!」ガバァッ

    麗奈「ぐえぇっ!?ちょっ……やめて!鼻水!鼻水つくから!」

    飛鳥「フッ……やられたよ……キミの心に燃える……正義、とやらの力……どうやらボクは侮っていたらしい」

    麗奈「なんの話よ!?勝手に盛り上がらないでよ!!何!?なんなの!?」

    「麗奈!!良かった!良かったぁぁぁぁぁぁぁっ!!」ウワァァァァン…

    麗奈「……えっ?何よ?アンタどうしたのよ……」

    「よぉぉぉぉし!麗奈を皆で胴上げだ!!」

    麗奈「えっ」

    121 = 113 :

    「これが麗奈の正義の力だ!よーーしっ!皆行くぞ!!」

    麗奈「ちょっ……何よこのノリ!?なんなの!?本気でやるの!?」

    グイッ

    麗奈「ちょっ」

    「行くぞーーーっ!!わーーーっしょい!!」

    ワーッショイ!ワーッショイ!ワーッショイ!

    麗奈「わっ」

    紗南「わーーーっしょい!!」

    麗奈「ちょっ」

    蘭子「わーーーっしょい!!」

    麗奈「まっ…」

    飛鳥「わーーーっしょい!!」

    麗奈「あ……」


    ワーッショイ!ワーッショイ!ワーッショイ!ワーッショイ!ワーッショイ!


    麗奈「……アーハッハッハッハ!!よくわかんないけどもっとアタシを誉め讃えなさいアンタ達!!」


    ワーッショイ!ワーッショイ!ワーッショイ!ワーッショイ!


    麗奈「アーハッハッハッハッハッハッハッ!!なんだかよくわからないけど気分が良いわ!!もっとレイナサマを崇めなさい!!」


    ワーッショイ!ワーッショイ!ワーッショイ!ワーッショイ!



    「わーっしょい!!わーっしょい!!わーっしょ……アタシ手届いてないぞ!?」

    122 :

    紗南「早速なんだけど麗奈ちゃんの物真似に挑戦させて欲しいの」

    麗奈「急になんなのよ」

    「麗奈!もう一度アタシに悪を教えてくれて!ガワだけ!!」

    麗奈「ガワってなんなのよガワって……専門用語?」

    紗南「実は光ちゃん悪役に挑戦するんだけどそれ以前の問題を抱えてて」

    麗奈「それは知ってるけど……というかそこは覚えてるけどそれ以前って何の」

    飛鳥「じゃあ142ページの最初の台詞いこうか。3、2、1、ハイ!」

    「キサマラゼンインブッコロス」

    蘭子「うわぁ」

    紗南「つまりこういうわけなんだけど」

    麗奈「なに今の!?」

    123 = 122 :

    「正義の心が悪を拒むんだ」

    麗奈「表情死んでるって次元じゃなかったわよ!?なんなのアンタ今の!?精神病!?」

    「くっ……!酷い言葉を拒絶するあまりこんなことに……!」

    飛鳥「これをボクは密かにジャスティス・シンドロームと呼称したい」

    麗奈「やかましいわよ!っていうかアンタちょっと……えっ!?マジなのアンタ!?」

    「本当だ……演技が出来ないんだ」

    麗奈「出来ないってレベルじゃなかったじゃない!?弟子入りの時も思ったけど、アンタどんだけ悪いことに耐性ないのよ!?っていうか想像以上じゃない!!」

    蘭子「うむ……我らが輝きの友の胸に燃えし聖なる炎……邪悪の侵入を阻むあまり、それが漏れ出し表層に静の姿として顕現している。この凍てついたヴァルハラに舞い降りしめg」

    麗奈「……何言ってんのかわかんないから普通に話してくれる?」

    蘭子「」ガーンッ

    飛鳥「……実は彼女、悪いことが出来ないだけじゃなかったんだ。悪いことが嫌いすぎて汚い言葉も言えなかったんだよ」

    麗奈「何それほんと意味わかんない」

    蘭子「……麗奈ちゃん、もう一回光ちゃんの特訓付き合って?」

    麗奈「今の見て付き合うって言うと思うの!?どう考えても修羅の道になるのが見えてるじゃない!もうこれ生半可な事じゃ矯正できないでしょ!!」

    「そこをなんとか」

    飛鳥「ふむ……仕方ない、光。秘密兵器だ」

    麗奈「何よ秘密兵器って」


    「……お願い、助けて麗奈?」ウワメヅカイ

    麗奈「わぁ……可愛い……!」


    麗奈「アホかぁっ!!違うわよ!何今の!?なに余計な演技だけ出来てんのよ!?逆に腹立つわ!!」

    「ダメだった」

    飛鳥「切り札も通じないか……」

    蘭子「……万策尽きたか……!」


    麗奈「……なんなのよこの集団」

    紗南「麗奈のツッコミすごく安心する」

    124 :

    さなは なかまを みつけた!

    125 :

    栄えなくても滅ばないのが悪

    名言だね

    126 :

    「頼むよ麗奈!!アタシのヒーローシールチョコに付いてたウエハース全部あげるから!!」

    麗奈「いらないわよ!何オマケ目当てで食べきれなくなるまで買ってんのよ!!」

    飛鳥「今日の寮の食堂の日替わりメニューなんだっけ?」

    蘭子「……ボルシチ?」

    「頼むよ麗奈!!アタシのボルシチに入ってるお肉1個あげるから!!」

    麗奈「いらないっつの!ってかボルシチって何!?ウチの食堂そんなの出るの!?」

    紗南「冷凍庫にそういえば蘭子ちゃんのブラックモンブランあったよね」

    蘭子「っ!?」

    麗奈「いや欲しくないわよ!?何!?どんだけ食い意地張ってると思われてんのアタシ!?そんな認識なの!?」

    「麗奈はもうちょっと食べた方が良いと思う」

    紗南「ちょっと細すぎるよね」

    麗奈「余計なお世話よ!!このセクシーなくびれはアタシの武器なの!!」

    「頼むよ麗奈!アタシの宝物のジャスティスマンのキラシール……グスッ……あげ……ヒック……あげるから……っ!」

    麗奈「泣くほど未練持ってんじゃないわよ!!絶対要らないけどそうでなくても受け取れるわけないでしょ!!要らないけどねほんっっっとに!!」

    飛鳥「……光、そこは悪役のシールの方が良いんじゃないか?」

    「あぁ、じゃあこのデビル佐々木田のシールを麗奈に」

    麗奈「本気で要らないのこっちに回すんじゃないわよ!!誰よそのオッサン!?」

    紗南(麗奈のツッコミスキル想像以上に高いな……)

    127 :

    デビル佐々木田で検索したらデビル佐々木とかいうラジオパーソナリティがヒットした
    万引きで捕まってたww

    128 = 126 :

    紗南「本当にお願い麗奈……このまま本番迎えたら光ちゃん可哀想通り越して目も当てられなくなっちゃうよ……」

    飛鳥「せめて棒読みだけでもなんとかしてあげたいんだ」

    麗奈「アレ棒読みってレベルで片付けて良いの?」

    紗南「台詞だけじゃないんだよホントに……光ちゃん、アレやってみて」

    「アレ?」

    紗南「うん!ほら、悪そうな顔!ハイッ!」パンッ

    「こうか?」

    ググッ…

    麗奈「!?」

    麗奈「ぎゃああああああああっ!?アンタ……アンタそれなんなの!?どうなってんの!?なんで顔面が左右で別の表情になってんのよ!?」

    蘭子「友の中では今偶像たる役目を果たさんとする意思と悪しき波動を拒む正義の魂がぶつかりあっている……それらが肉体に表れあのような分割された姿になっておるのだ……!」

    麗奈「どういう理屈なのよ!?ホントに人間なの!?完全に怪人じゃないの!?」

    「アタシもさっき鏡を見てドン引きした。これをとりあえず特撮ヒーローにあやかって石ノ森フェイスと呼称したい」

    紗南「アタシはモノクマフェイスと呼んでる」

    飛鳥「ボクと蘭子は二人で話し合った結果古の聖書に伝わる滅びの町にかけてソドムとゴモラと呼ぶことに……」

    麗奈「どうでもいいわ!すごくどうでもいい!!」

    129 :

    麗奈「これアタシより病院連れていった方が良いんじゃないの?」

    紗南「そういう正論言わないでよ……」

    麗奈「大体、なんでアタシなのよ?」

    紗南「うん……見ての通り光ちゃん、悪いやつの物真似や酷い言葉は言えないの」

    麗奈「言えないとか出来ないって次元じゃないわね……」

    紗南「でも麗奈ちゃんのことは嫌いじゃないから真似できるんじゃないかって」

    「うん」

    麗奈「は……はぁっ!?何それ!?」

    「麗奈!アタシは麗奈のこと嫌いじゃないぞ!!」

    麗奈「えっ……ちょっ……なんなのよアンタ急に!?」

    「寧ろ麗奈の中に燃える正義を知って好きになったぐらいだ!!」

    麗奈「はぁ!?好きってアンタ……な……何言ってんの!?だ……大体無いわよ!無いからね正義なんて!!」

    飛鳥「……」
    蘭子「……」
    紗南「……」

    麗奈「なんで黙るのよ!」

    紗南「まぁそういう訳で麗奈の物真似で悪いポーズに慣れる事で悪い演技を克服してツアーに挑もうって作戦なんだけど」

    麗奈「回りくどいしめんどくさい!?」

    「地道な克服しか物事を上手くやる道は無いと思うんだ」

    麗奈「急にトレーナーみたいな事言い出したんだけど」

    「お願い麗奈助けて!物真似させて!絶対上手くやるから!そっくりな物真似するから!!」

    麗奈「クオリティの高さを問題にしてるんじゃないわよ!!あぁ~……もう!仕方ないわね!!」

    「!!」
    飛鳥「!!」
    蘭子「!!」
    紗南「!!」

    130 = 129 :

    麗奈「見ちゃいらんないわ!!良いわよ!!この麗奈様が助けてあげるわ!!」

    「麗奈すき!!」ガシィッ

    麗奈「早い!まだ早い!!最後まで聞け!!」グィッ

    麗奈「良い!?このアタシが二回も助けてやるんだから半端は許さないわよ!!」

    「大丈夫だ!アタシは特訓に手抜きはしない!!」

    麗奈「ふん!言ったわね!?途中で泣き言言っても聞いてあげないんだから!!」

    「あぁ!望むところだ!!」



    麗奈「このアタシの物真似特訓……レイナサマ本人が手伝ってやろうじゃないの!!」



    「……!」ジーン…

    麗奈「アーハッハッハ!感謝なさい!」

    「麗奈すき!!」ガシィッ

    麗奈「フン!もっとレイナサマの素晴らしさを噛み締めて……」

    紗南「アタシも麗奈すき!!」ガシィッ

    麗奈「ぐぇっ」

    蘭子「麗奈ちゃんすき!!」ガシィッ

    麗奈「うぐっ」

    飛鳥「やれやれ……ここはボクも空気を読むべきかな」ガシィッ

    麗奈「はぅっ」

    ズデェェェェェェェンッ…

    麗奈「ぐ……ぐるし……」


    「いてて……よーし!皆ありがとう!!このメンバーで悪役特訓、頑張るぞぉぉぉぉぉっ!!」


    「「「おーーーーーっ!!」」」




    麗奈(は……早まったかし……ら……)ガクッ…

    131 :

    光誕生日おめでとーーーっ!!

    132 = 131 :

    「よろしく頼むぞ!麗奈!」

    麗奈「なんだかまるで自分が善人になったみたいだわ……」

    紗南「……」

    麗奈「ってか変な感じね……自分の物真似今からやられますって……まぁ大物歌手みたいな気分で悪くはないけど」

    飛鳥(悪くはないのか)

    紗南「幸子辺りなら確実にノリノリだっただろうね」

    蘭子「うむ……目に浮かぶようだわ……」

    「麗奈!早速特訓したい!お手本を見せてくれ!!」

    飛鳥「そうだね……じゃあ僕らが客観的に似てるかどうか、どうすれば似るかのアドバイスをしよう」

    「ああ!頼む!」

    蘭子「ふふ……任せなさい!」

    紗南「オッケー!辛口レビューとファ○通レビューの2種類あるけどどっちがいい?」

    「ど……どう違うんだ……?」

    133 = 131 :

    麗奈「さて……じゃあいくわよ」オホンッ

    「ああ!どんと来い!」

    麗奈「……」

    「……」ジーッ…

    麗奈「……その穢れのない目でじっと見るのやめてくれる?」

    「見ないと物真似出来ないぞ……」

    麗奈「……そうよね……はぁ……」

    オホンッゴホンエフンッ

    麗奈「……」スゥーッ…


    麗奈「アーハッハッハッハ!アタシがレイナサマよ!!」バーンッ!

    「……おお!」

    紗南「絶好調だね麗奈!」

    麗奈「ふん!アタシの度胸の強さをナメちゃダメよ!なんたってアタシは悪の女王レイナサマで……」

    紗南「早速やってみて!光ちゃん!」

    「ああ!よし!やってみるぞ!」

    麗奈「えっ……いきなりそんな真似するの?ちょっと心の準備が……」

    134 = 131 :

    「スゥーッ……!」


    「アーハッハッハッハ!アタシがレイナサマよ!!」バーンッ!


    飛鳥「……」

    蘭子「……」

    紗南「……」

    麗奈「……」


    「……できた……!」ハッ

    「なぁなぁ!どうだった!?今の!!」

    麗奈「……えっと……」

    麗奈「オホンッ……! ダメよダメダメ!全っっっ然ダメ!!何今の表情と構え!!言い方!!完全にただの小悪党じゃない!!手下Aか精々そんな雰囲気しか出てなかったわ!小者感丸出しでもう全っっっ然レイナサマに似てな」

    飛鳥「似てるな……」

    麗奈「えっ」

    蘭子「うむ……」

    紗南「そっくりだったよ……」

    「ホントか!?」

    紗南「うん」

    麗奈「え……嘘……」

    135 = 131 :

    「やったやった!!出来たぞアタシ!やっぱりヒーローに不可能は無いんだ!!」

    麗奈「えっ……今のそんなに似てた……?」

    飛鳥「所作、角度、表情、笑い方、間、全てにおいて完璧だったといって良いね」

    麗奈「うそ……」

    蘭子「まるで鏡のようにその姿を写しきっていたわ……!」

    麗奈「ちょっ」

    紗南「2Pカラーって言われても信じるよアタシ……なんというか、まさにリトル麗奈って感じだったよ……」

    麗奈「」ガーンッ

    「アタシの方が年上なんだけど……」ガーン…

    麗奈「嘘……アタシってあんな感じなの……?」

    飛鳥「……何やらダメージを受けているようだね」

    紗南「理想と現実の解離にショックを受けてるんだよきっと……」

    蘭子「だが……これで我らが掲げる目標に辿り着く為の道が見えたのではないか……?」

    紗南「たしかに……麗奈の物真似が出来る、これは大きな収穫だよ……」

    「ああ!この調子でどんどん特訓していこう!」

    紗南「おーっ!」

    麗奈「……」ズーン…

    136 = 131 :

    紗南「折角だし物真似のバリエーションも増やしていこう」

    麗奈「!」ピコーンッ

    麗奈「賛成!賛成よ!アタシだけ物真似されるなんて不公平よ!!アンタ達も物真似されなさい!!」

    飛鳥「えっ……ボクらも……?」カミガタサッサッ

    蘭子「不意にそのようなことを言われても……我らにも準備というものが……」ナオシナオシ

    麗奈「なんでちょっとノリノリなのよ!?」

    「皆ありがとう!!よーし!!どんどん物真似して悪役出来るようになるぞ!!」

    137 = 131 :

    結城晴「なー梨沙ーあっちぃよー……事務所の冷凍庫の中にあった梨沙のパピコ二人で分けようぜー……」

    的場梨沙「はぁ!?ダメに決まってんでしょ!!アレはライラと分けて食べる用に買ったヤツなんだから!」

    「じゃあオレと梨沙でパピコの半分を半分に分けりゃいいじゃーん……」

    梨沙「どんだけバテてんのよ!だからこの暑さでサッカーなんて反対したのよ!!」

    「パピコぉ~……」

    梨沙「どんだけパピコ食いたいのよアンタ……」

    「……ん?」

    梨沙「……?何?どうしたのよ」

    「……あれ……」

    138 = 131 :

    紗南「はい麗奈!」パンッ

    「アーハッハッハッハ!アタシがレイナサマよ!!」バーンッ!

    紗南「はい飛鳥!」パンッ

    「絶対なんて、絶対ないのさ」フッ…

    紗南「はい蘭子!」パンッ

    「クハーハッハッハッ!闇に飲まれよ!!」ババッ

    紗南「はい悪!!」パンッ

    「オメーラマジデブッツブス!」

    紗南「……っ!!まだダメかぁぁぁぁぁっ!!」

    「くっ……!でも……何か掴めてきた気がする……かも……!」

    飛鳥「うん、気のせいか少し変わってきた気がするよ」

    蘭子「うむ。変化の時は訪れている……!」

    麗奈「そうね……ほんとに少しだけど少しはマシになってきてるんじゃないの?」

    「ほんとか!?」

    紗南「出てるよ!特訓の成果!たぶん!!」

    「よーし!!じゃんじゃん続けるぞ!!」

    139 = 131 :

    「……」

    梨沙「……」

    「光のやつ……確かもうすぐ梨沙と一緒にツアー出るんだろ……何遊んでんだ……?……つーか、オレらが折角アイドルらしくなるように手助けしてやったのになんも変わってないように見えるし……大丈夫かアイツ」

    梨沙「……」

    「……梨沙?」

    梨沙「バカね……アンタにはわからないの?」

    「???」

    梨沙「……ふん……生意気にもホントに役作りや特訓してるって訳ね……」フッ

    梨沙(そうよ……!アンタはやれば出来るんだから……手間かけさせないでさっさとここまで上がって来なさいよね……っ!!)




    梨沙(この…… “一流(プロ)”の“舞台(ステージ)” に……!!)


    ドンッ!







    「なぁパピコぉ~……っ」

    梨沙「ちょっとっ!?アタシ今メチャクチャかっこつけてたんだけど!?台無しじゃないの!どんだけパピコ食べたいのよアンタっ!!」

    「えぇ~……」

    140 = 131 :

    紗南「はい蘭子!」

    「闇に飲まれよ!」

    紗南「麗奈!」

    「麦茶の中身を烏龍茶にすり替えてやったわ!」

    紗南「蘭子!」

    「闇に飲まれよ!!」

    紗南「飛鳥!」

    「眩しいんだ……このセカイすべて……!」

    紗南「飛鳥!」

    「くっ……もうこの熱を抑えることはできない……!」

    紗南「紗南!」

    「クリフトは馬車に」

    紗南「蘭子!」

    「闇に飲まれよ!!」

    紗南「悪!!」

    「闇に飲まれてブッツブス!」

    紗南「!!」

    飛鳥「混ざった!!」

    141 = 131 :

    「あれ……こんがらがってきた……?」

    麗奈「アンタが闇に飲まれてたけど」

    蘭子「ふむ……虚像達其々の境界線が曖昧になってきているようね……」

    飛鳥「チャンスかもしれないね……!」

    麗奈「ねぇ闇に飲まれてんのコイツの方だったんだけど」

    紗南「どんどんいくよ!」

    「えっ……わかった!!」

    麗奈「ひょっとして無理にツッコまなくても良い感じなの?」

    紗南「はい麗奈!!」

    「平伏しなさいアンタ達!!」

    紗南「飛鳥!!」

    「今ボクのこと……イタイ奴だって思ったろ?」

    紗南「蘭子!!」

    「闇に飲まれよ!!」

    紗南「紗南!!」

    「ブライも馬車に」

    紗南「蘭子!!」

    「闇に飲まれよ!!」

    紗南「麗奈!!」

    「モバPの水筒の中身をもずくに換えてやったわ!!」

    紗南「悪奈!!」

    「貴様ら全員平伏しな潰さい!!」

    「……っ!?」ハッ

    142 = 131 :

    「今!今ちょっと言えそうな感じになってた!!」

    紗南「来たよ!!きたきた!!レベルが上がってるよ!!」

    飛鳥「とうとう貴様を言えるようになったね……これは成長だよ」

    蘭子「流石友!クックック……!この幕劇の終演も見えたり!!」

    麗奈「悪奈にツッコんだら多分ダメな流れよねコレ」

    「言えた!言えたぞ麗奈!麗奈と混ざって悪そうな『貴様』が言えた!!やったやった!!」

    麗奈「……っ」

    麗奈「……」ハァ…

    麗奈「全く……こんなんで満足してんじゃないわよアンタ!!こっからでしょこっから!!どんどん先に進むのよ!!」

    「……っ!!うん!!」


    「よーし!!目指すは悪そうな台詞をちゃんと言う!!頑張るぞぉっ!!」

    143 :

    >>139
    俺の〇〇コをお食べ

    144 :

    2時間後……

    女子寮・麗奈の部屋(夜)


    麗奈「なんでアタシの部屋なのよ」





    紗南「ハイ悪鳥!!」パンッ

    「イタイ奴だってぶっ潰ろっ!?」

    飛鳥「……っ!惜しい……っ!」

    紗南「悪子!!」パンッ

    「闇に全員ぶっ潰すろ!!」

    蘭子「まだ届かぬ!!」

    紗南「悪南!!」パンッ

    「トルネコぶっ潰す!」

    紗南「違う!でもぶっ潰すは言えたよ!」

    麗奈「トルネコに恨みあるみたいになったわね」

    紗南「悪奈!!」パンッ

    「アンタら全員ぶっ潰す!!」

    紗南「よし!!ぶっ潰す言えた!!」

    飛鳥「これでちゃんと言えたのは7回目だ!!」

    蘭子「だがまだぞ!!ここまでは何度も歩んだ道程……!!」

    紗南「ハイ!!じゃあ最後悪!!」

    「おう!!」

    「貴様ら全員ぶっ潰す!!」

    紗南「あぁぁぁぁっ!!惜しい!!あと少し……ん?」

    飛鳥「……ん?」

    蘭子「???」

    麗奈「……えっ」

    「……おぉっ?」

    145 = 144 :

    「今……」

    飛鳥「……どうやらボクの聞き間違いじゃないようだね……」

    蘭子「うむ……今……然と我が耳にも言の葉が届いたぞ……!!」

    紗南「ひ……光ちゃん!!もっかい!!もっかいやろ!!」

    「あ……あぁっ!!」


    紗南「じゃあ……オホンッ……ハイ!!悪!!」パンッ

    「貴様ら全員ぶっ潰す!!」バーンッ

    紗南「……」

    飛鳥「……」

    蘭子「……」

    麗奈「……」







    「や……やった……っ!」

    麗奈「言えた……!」

    「やっ……」


    「「「「「やったぁーーーーーーっっっ!!!!」」」」」

    146 :

    謎の感動wwwwww

    147 = 144 :

    「言えた!!言えたぞ皆!!」

    紗南「やった!!やったよ光ちゃん!!」

    蘭子「お……おめでとう光ちゃん……っ!おめでとう……っ!」グスッ

    飛鳥「フッ……本当にやり遂げるとはね……だがこれは“流石”と言うべきなのかもしれないね」

    麗奈「全く……ほんとに……手間かけさせんじゃないわよアンタは!!」

    「うん!……皆、本当にありがとう……アタシなんてお礼を言えば良いのか……」

    麗奈「フン!アンタこのレイナサマの優しさに一生感謝しなさいよ!!」

    「ああ!!ありがとう!!一生感謝する!!」

    麗奈「……っ!もう!調子狂うわね!」

    紗南「やったね光ちゃん!!」

    「ああ!!これでやっとまともに練習できるぞ!!」

    蘭子「うむ!!ここが終わりではない……! ここはまだ始まりの場に過ぎぬわ! 幕は閉じたまま……戯曲を奏でる刻はまだ来ぬ……!!」

    「そうだ!まだ台詞を言えるようになっただけだ!本番までもっと練習しないと……!!」

    紗南「その意気だよ光ちゃん!!」

    「ああっ!!」

    148 = 144 :

    紗南「ねぇ光ちゃん!!もっかいやってみて!!」

    蘭子「うむ!我も友の悪しき姿をもう一度この目でみたい!!」

    飛鳥「そうだね……ここまで苦労したんだ……もう一度見てみたいな」

    麗奈「ならこのレイナサマがダメなところがないかチェックしてあげるわ!!優しいから!!」

    「よし!!任せろ!!何度だってやってやるぞ!!」

    「……オホンッ!」



    「貴様ら全員ぶっ潰す!!」バーンッ!

    「貴様ら全員ぶっ潰す!!」バーンッ!

    「貴様ら全員ぶっ潰す!!」バーンッ!

    「貴様ら全員ぶっ潰す!!」バーンッ!

    「貴様ら全員、ぶっ潰すっ!!」バーンッ!!




    「……」



    「……ねぇ、もうちょっとソフトな表現にしない?」

    紗南「それアタシ達に言われても……」

    149 = 144 :

    紗南「すっかり遅くなっちゃったね」

    アオーンッ!

    麗奈「今の遠吠え何よ」

    紗南「食堂開いてるね。もうご飯食べにいこっか」

    蘭子「うむ……あとは我々には休息のための湯浴みの時間も必要ぞ。早くせねば天使たちが癒しの地に集い困難になる」

    飛鳥「ボクたちの身体は今、食事も休息も両方求めてる。動物としての本能……所詮ヒトもそこは変わらないというコトかな……ゆっくり食事もお風呂も取るなら早めに動いた方がいい」

    麗奈「ならさっさと行きましょ。なんかどっと疲れたわ……」

    「麗奈は昨日から今日の夕方まで眠りっぱなしだったしな」

    麗奈「……なんか記憶がすっぽり抜けてる部分があんのよね」

    紗南「……」

    紗南「……あ、今日食堂のメニューなんだっけ?」

    光&飛鳥「ボルシチ」

    麗奈「……え?ほんとにボルシチだったの?」

    紗南「ボケじゃなかったんだ……」



    蘭子(ボルシチ食べるの初めて……!)ワクワク

    150 = 144 :

    紗南「あ~いいお湯だった!!」

    飛鳥「1日の疲労が嘘のように消える……入浴は先人が遺した偉大な文化の1つと言えるね」

    蘭子「我が魔力完全に回復せり!!」

    「よし!後は寝るだけだな!!」

    紗南「えっ!?もうっ!?」

    「えっ」

    飛鳥「……キミらしいと言えばキミらしいけど……でもボクらの時間(トキ)は、まだここからなのさ」

    蘭子「……」ウンウン

    飛鳥「寧ろここからが本番と言ってもいい」

    「えっ……でももう9時になるぞ」

    紗南「まだ9時だと思うけど……」

    麗奈「どうせ『早寝早起きは人として大事だ!』とかなんかそんなんでしょ。にしてもお風呂、空いてて良かったわねホント……折角空いてたからこっそり悪戯仕込もうと思ったのに」

    「あ、そうだ!麗奈!!シャンプーとリンスをボディソープと入れ換えようなんて悪戯はもうやっちゃダメだぞ!!」

    麗奈「あーもう!しつこいわね!!わかったわよやめないけど!!」

    「こら麗奈!!この前も事務所に置いてたプロデューサーの歯磨き粉と洗顔クリームすり替えたり悪戯ばっかり……」

    麗奈「あ~もう!うっさいわねほんとアンタ!いよいよ悪党になるんだからいっそ普段のヒーローもお休みしたら!?」

    「ヒーローなのに……悪?ウッ…!頭が……!?」

    麗奈「……まだ完全には無理なのね」

    飛鳥「まぁ演技が出来るようになっただけでも前進じゃないか」

    紗南「モノクマフェイスなくなったしね」

    蘭子「……あれは恐怖だったわ……!」

    麗奈「器用なのか不器用なのかわかんないヤツね……」

    「頭が……!くっ右腕が……っ!!」

    紗南「それ飛鳥?」

    飛鳥「え?」


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