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    元スレ南条光「光あるところ、闇があるっ!」

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    51 = 49 :

    紗南「はいじゃあまずこのページのこの台詞!『テメェら全員ぶっ潰す!』……ハイ!」

    「テメーラゼンインブッツブス」

    紗南「なんて!?」

    「……くっ!どうだった紗南!?」

    紗南「どうだったって何が!?どうレビューすれば良いの今の!?何今の『くっ!』って!?」

    「えっ!?そんなにダメだったか!?」

    飛鳥「……」

    蘭子「……」

    52 = 49 :

    紗南「演技以前の問題だったよ!見たことないほど無表情だったしなんで気を付けしてんの!?」

    「こんな酷い言葉言いたくないんだ……」

    紗南「拒絶反応の結果!?逆にスゴいよここまでいくと!」

    飛鳥「これは……酷いな……」

    蘭子「うむ……我らの想像の遥か上……いや下をゆく……」

    「」ガーンッ

    紗南「ツアー中ずっとそれでいくところだったの!?怖いよ!この夏一番怖い思いしたよ!」

    「今日の紗南はテンション高いな……」

    紗南「望まざる高さだよ!ツッコミが足りなすぎるんだよ!」

    53 = 49 :

    紗南「……ねぇ光ちゃん、ここの台本の『悪そうな笑顔で立ち去る』ってちょっとやってみて。顔だけで良いから」

    蘭子(光“ちゃん”になってる……)

    「えっ」

    「こ……こうか?」ググッ…

    紗南「……っ!? 筋肉が動く音がしてるのに無表情になってる!こわっ!」

    「え?」ググッ…

    飛鳥「ふむ……ボクの分析によると顔の筋肉が本人の意志と相反し抵抗することによって硬直が起こり今の無表情に繋がっているんじゃないかな」

    紗南「どういう現象!?」

    「今アタシどんな顔になってるんだ?」ググッ…

    蘭子「……蝋人形?」

    紗南「マズイよ光ちゃん!これはダメな方のマズさだよ!こんな人間いるなんて想定外だったよ!」

    「じ……自分では引くぐらい悪そうな顔をしてるつもりなんだけど……特撮とかに出てくる悪い奴の顔をイメージして……」ググッ…

    飛鳥「ふむ……自分が最も嫌悪する対象を想像することによって逆に身体の拒絶反応が強くなってる可能性があるね」

    紗南「寧ろ入れ込みすぎてこうなってるの!?
    ってかヤバイよこれ!光ちゃんそんなんじゃアイドルの仕事なんてやっていけないよ!?
    というか、そこまで悪いことに拒絶反応起こしてたら他の仕事でも多分やってけないよ!!」

    「ならもうヒーローとして生きるしか……」ググッ…

    紗南「どさくさに紛れて尚マイウェイ!?一周回ってスゴいよ!!」

    54 = 49 :

    紗南「光ちゃんしっかりして!ヒーローである前にアイドルなんでしょ!?プロなんでしょ!?アタシもゲーム関係ない仕事沢山やってるよ!心を強く持って……悪そうな顔をして!」

    「……!」ググッ…

    「アタシ……アタシは、ヒーローで……」グググッ…

    「でも……アイドルで……」グググググッ…

    「悪そうな……悪い顔……悪……悪……悪……っ!!」

    「“悪”っ!!」


    カッ











    「……」

    フシュゥゥゥゥ…

    紗南「……!!」

    飛鳥「……!」

    蘭子「……!」



    「……今のアタシの顔……どんな顔してる?」

    紗南「……」



    紗南「……モノクマみたいになってる」

    55 :

    「モノクマ?」ググッ…

    紗南「……半分悪い顔になってる」

    「おおっ!前進だな!」ググッ…

    紗南「してない!上手く説明できないけど多分これは前進じゃないよ!別の何かだよ!」

    飛鳥「人間の顔の筋肉の付き方や構造的にこれはあり得るんだろうか……」

    蘭子「……光ちゃん怖い」

    「怖い……?つまり悪役っぽい?」ググッ…

    紗南「怪人っぽくはある……かな。ファンには見せられないけど」

    「……?」ググッ…

    紗南「光ちゃん……どうしてそこまで悪いことに拒絶反応を起こすの……」

    56 = 55 :

    「……」

    「……話さなくちゃならないのか……このアタシの始まりを……」フッ…

    蘭子(あ……顔戻った)

    飛鳥「そこまでの強い意思の源……確かに興味はあるね」

    紗南「……話して、光ちゃん?」

    「……アレは……まだアタシが幼稚園にも入ってなかった頃だったな……」





    ――アタシはその頃から……テレビの特撮ヒーロー番組に夢中だった……












    ヒーロー『テレビの前の皆!今日も応援ありがとう!君達のおかげで今日も私達は勝利できた!』

    ひかる「わーいっ!ヽ(´∇`*)/」

    ヒーロー『お風呂入れよ!歯磨けよ!お母さんのお手伝いをして悪い子になっちゃダメだよ!!』

    ひかる「わかったーっ!!ヽ(´▽`*)/」












    「……」

    紗南「……」

    「……それ以来私は悪い子にはならないと決めて生きてきたんだ……!」

    紗南「……」


    紗南「えっ」

    57 :

    紗南の温度差よ

    58 = 55 :

    紗南「ちょっと待って!?今ので終わり!?」

    「? 何がだ?」

    紗南「もっとこう、他に何かないの!?ほら……ゲームのスペエビみたいにトラウマやコンプレックスの克服的なドラマを経た結果……みたいな!」

    「そんなこと言われてもな……」ウーン…

    蘭子「幼少の頃、悪の組織に誘拐されそうになった所を何処かより来たれし英雄に救われたような経験は?」

    「逆にないぞ。アタシ実家徳島だし」

    紗南「……確かに徳島に悪の組織がいるとは思わないけど……」

    飛鳥「というか、逆にというよりは普通に無いが正しいと思うけどね」

    紗南「逆に云々って言うなら逆にスゴいよこれは……逸材だよ……なんの逸材かはわかんないけど……
    そのきっかけだけでこれなら正直もうお手上げだよ……打つ手無しだよ……根づよすぎるよ……」

    「」ガーンッ

    59 = 57 :

    うどんを茹でる為に四国から根こそぎ水を奪い取る香川県民が一番の悪かな
    あれ?そういえば紗南って・・・

    60 = 55 :

    「……本当にもう、アタシに出来ることはないんだろうか……」ズーン…

    紗南「……正直、ここまでだとアタシ達ももうどうすれば良いのか……」

    「……アタシ……」

    紗南「……?」

    「アタシ……アイドル失格だ……馬鹿だ……本物の……っ! でも、出来ないんだよ……!」

    紗南「……!」

    「したくても出来ないんだ……曲げ方がわからないんだ……」 グスッ

    紗南「……光ちゃん……」

    飛鳥「光……」

    蘭子「我が友……」

    紗南「……バラバラだね」


    「~~~っ!」グスッ

    「……皆、ごめん。やっぱりアタシ無理なんだ……ヒーローは諦めちゃいけないって言うけど……こんなに助けてもらって迷惑もかけて……こんなのヒーローのすることじゃないよ……!」

    紗南「……」

    「涙まで見せるなんて……ヒーローとしてもアイドルとしても……失格だ……アタシ……っ!」グスッ

    61 = 55 :

    「……自分がアイドルに……ヒーローになってからは、余計に思ったんだ。アタシはファンやプロデューサーの気持ちを裏切るわけにはいかないって。裏切らない人間になるって……」

    蘭子「……!背負うものの覚悟、か……」

    「……でも梨沙や晴には……アタシはヒーローじゃなくてアイドルなんだって……そう言われて……わかんなくなって……」

    紗南「……」

    「……そしたら悪役の仕事が来ちゃって……悪いことや酷いこと、ファンやお客さんの前で……演技でも人にしなきゃいけなくなって……」

    飛鳥「……まぁ、キミには辛いだろうね。人よりも、何倍も」

    「……」

    「……頭の中ごちゃごちゃで……麗奈に弟子入りしてもダメで……今日が、最後の頼みだったんだ……」

    「飛鳥は平和とかそういうの信じてないし蘭子は堕天使だけど……二人ともアタシとは別の自分の世界ややり方をしっかり持ってて……いきなり悪じゃなくてもって、何かが掴めるかもって、そう思ったんだ……」

    飛鳥「……」

    蘭子「……」

    62 = 55 :

    「……二人は……」

    飛鳥「……?」

    蘭子「?」

    「二人は、自分のなりたいものと正反対の、やりたくない仕事でも出来る……?」

    飛鳥「……どうだろうね」

    蘭子「我が名は純白の聖天使、神崎蘭子!!」ビシィッ

    「……」

    飛鳥「……」

    紗南「……」



    紗南「……この場合『普通の喋り方で普通に喋る仕事とか出来る?』ってことになると思うんだ」

    蘭子「!?」ガーンッ

    「……できる?」

    蘭子「~~~っ」ブンブンブンッ

    蘭子「い……いきなりは……む…無理……っ!」

    「……そっか……」

    63 = 55 :

    「……」

    紗南「……」



    飛鳥「……諦めは進化を阻む」

    「……?」

    飛鳥「終わるのは簡単さ。いつだってね。そして人は弱い……弱いからこそ、壁に当たった時逃げる道を選んだり、進むのを止める……その選択を誰も責める事は出来やしないさ……」

    「……っ」

    飛鳥「……いや、一人だけ責められる存在がこの世にいるね……それは選んだ本人の心さ」

    「……!」

    飛鳥「ココロ……不確かで不定確で、存在すら曖昧で、そして誰より僕らを惑わすもの……今キミを惑わしてるもの、ココロ……」

    「……」

    飛鳥「……ボクはキミが出来るか出来ないかには……今キョウミは無いかな……ただ、『どうすべきだと思ってるか』、そして、『どうしたいか』……今知りたいのは、そっちだよ」

    「……どうすべきか……どうしたいか……」



    「……っ!!」

    64 = 55 :

    「アタシ……アタシは……こんな役……悪い役は、『やりたくない』!!それが正直な気持ちだ!!」

    飛鳥「……」

    紗南「……光ちゃ」

    「でも!!」

    紗南「……!」


    「……っ!逃げるのは……もっと嫌だ!!『逃げたくない』!!悪い役に……『負けたくない』!!」



    飛鳥「……」フッ

    紗南「……光ちゃん……!」

    蘭子「……我が友……!」



    「うおぉぉぉぉぉぉっ!まだだ!アタシは諦めない!!」

    「戦うんだ!自分の弱い心と!!勝つんだ!昨日のアタシに!!」

    「……皆、頼みがある!助けてくれ!!」


    飛鳥「……やれやれ、仕方ないね」フッ

    蘭子「うふふっ……我等にかかれば造作もない事だわ……!」

    紗南「……しょうがないね……乗り掛かった船だし、やりかけのゲームはクリアせずに放置しない主義なんだ」




    「本番までに……せめて演技だけでも、出来るようになるんだ!!」

    65 = 55 :

    「それが……アタシがすべきこと!!」













    「……具体的にどうしよう」

    紗南「……考えたんだけどさ。まずは抵抗の心を和らげるべきなんじゃないかな?」

    飛鳥「そうだね。心が納得できなくてもまずは形だけでも作ることさえ出来ればツアーは終えられる」

    「……正直ほんとに嫌なんだ」

    蘭子「わかっているぞ我が友よ……しかし今は……」

    「ああ!わかってる!やろう!まずは何をどうしたら良いんだろう!」

    紗南「……形……形……?」



    紗南「!」ピコーンッ

    66 :

    「麗奈にもっかい弟子入り?」

    紗南「そう!光ちゃん麗奈ちゃんのことどう思う?」

    「悪戯は困ったものだけど良い奴だと思うぞ!特訓もなんだかんだ手伝ってくれたし!」

    紗南「そう!つまり……そこが鍵!」

    「???」

    紗南「光ちゃんが完全に悪への抵抗心を消すのは無理……でも抵抗心を減らすことはできるはず……作戦①、まずは悪への認識をずらす!!」

    「……悪への?」

    紗南「そう!その為の麗奈ちゃん!」

    67 = 66 :

    「麗奈の物真似?」

    紗南「そう!麗奈ちゃんを見ながら物真似をやってみるの!『悪い奴』を真似するのは嫌でも『小関麗奈』を真似するのには抵抗がないハズ!」

    「……なるほど……確かに麗奈はそんなに酷い感じや嫌な感じはしないな」

    紗南「それを繰り返していけば悪そうな台詞とか言い方に抵抗がなくなっていくかも!上手くいけば本番までに形だけは作れるよ!さらに、上手いこといけば自然と役にその辺がフィードバックされるかもしれない!」

    「……おお!」

    飛鳥「なるほどね……光は最初悪の中身を学ぶことばかり考えて麗奈に師事を仰いだ……けど今度は悪の外側を麗奈に学ぶ作戦か」

    蘭子「悪の模倣は出来ずとも、友の形を模倣することは出来る……か……フッやるではないか遊戯の同志よ……」

    紗南「遊戯?あ……ゲームか」

    68 = 66 :

    「でも……アタシ一度破門されたし……それに……麗奈はもう……」

    紗南「やる前から諦めない!さぁ!麗奈ちゃんのところに行こう!」

    「……でも、まず何処に行ったかを知らないと……」

    紗南「……?」

    飛鳥「……プロデューサーなら知ってるんじゃないか?」

    「……いや……っていうか……」

    蘭子「……?どうしたのだ友よ?」

    「……」




    「……麗奈は……もう……っ!」

    69 :

    ※回想



    麗奈「キィィィィィィッ!アンタのせいで悪戯全部失敗じゃない!なんなのよアンタ!」

    「くっ……!図らずも事務所の平和を守り続けてしまった……!これもアタシがヒーローだから……!」

    麗奈「ほんと何なのよコイツ」

    「麗奈、悪って難しいんだな」

    麗奈「難しすぎるわよ!身内のせいで難易度ダダ上がりよ!!具体的にはアンタのせいよ!!全く……役立たずな部下のせいで悪いことの1つも出来やしないじゃない!!」

    「でもそれって良いことなんじゃないかな」

    麗奈「良いことやってどうすんのよ!?もう怒ったわ!!次、最後の悪戯はアンタが直接やりなさい!!」

    「えぇっ!?アタシが悪戯するのか!?」

    麗奈「そうよ!大体、元々はアンタに悪の心を教える為にやってやってんのよ!!自分の手を悪事に直接染めれば悪の気持ちだってわかるでしょうよ!」ニヤリ

    「でも……」

    麗奈「はいシリアス禁止!やるったらやる!アンタ曲がりにもヒーローなら最初の約束守りなさいよ!今日はアタシの命令聞きなさい!!」

    「うっ……」

    麗奈「!」

    麗奈「そうね……ターゲットはアイツが良いわ……!!」

    70 = 69 :

    相川千夏「このサンドウィッチ美味しいわね唯ちゃん」

    大槻「でしょー!?ちなったん絶対気に入ると思ったんだー!!」








    「……千夏にか?」

    麗奈「そうよ!アタシが上手く誘きだすからあの二人が席を立ったら皿の上のサンドウィッチをこの激辛サンドウィッチにすり替えるのよ!!」

    「そんな……とんでもない悪事じゃないか!!」ガーンッ

    麗奈「黙ってやりなさい!アンタそのまんま本番までいってツアー台無しにしたいの!?」

    「うっ……」

    麗奈「さぁやりなさい!そうして悪に堕ちるのよ!!悪の心を知りなさい!」

    「……ゴクッ」

    「仕事……成功……アイドル……ヒーロー……悪……」ブツブツ

    「……っ!わかった!」

    麗奈「そうよ!それでいいのよ!!」







    麗奈(……)

    麗奈(……プッ……アーハッハッハッハッハッ!!)

    麗奈(ほんと馬鹿でおめでたい奴ね!これでいつかに千夏にやられたお返しをしてやれるわ!!自分の手を汚さずに!!)

    麗奈(もしもバレても実行犯はコイツ!しかもこの馬鹿は糞真面目にヒーロー気取ってるから今仲間のアタシを売ったりしないで勝手に一人で罪を被るのは確実!!完っっっ璧な作戦ね!!)


    麗奈(光……よくもアタシの邪魔を散々してくれたわね……上手くいっても失敗しても……思い知るが良いわ!!本物の、“悪”の恐ろしさをね!!)バーンッ

    71 = 69 :

    「……ところで麗奈……あっ、レイナサマ、このサンドウィッチはレイナサマが作ってわざわざ持ってきたのか?」

    麗奈「え?そうだけど?」

    「……手作りなのか……」

    麗奈「……?そうよ!パンと材料事前にお小遣いで買ってきといて朝早起きして用意した、レイナサマ特製の超スペシャル(激辛)サンドウィッチよ!!それがどうかしたっていうの!?」

    「……」

    麗奈「……」

    「……」

    麗奈「……」














    「(*´▽`*)」

    麗奈「なんなのよっ!?」

    72 :

    さてどうなる?

    73 :

    麗奈(裏声)「相川千夏様~!大槻唯様~!プロデューサーさんからお電話がかかっておりますが~!」

    千夏「……?プロデューサー?」

    「え~?なんでケータイじゃないんだろ?まぁいいや!いこいこ!」








    「……」コソッ

    千夏のサンドウィッチ

    「……」

    (やるのか……?本当に悪事を……この手を悪に染めるのか……?ヒーローなのに……)

    「こんな……でも……ファンが……プロデューサーも……ヒーローも……」ブツブツ


    麗奈「何やってんのよ!二人戻ってくるわよ!さっさとやりなさい!」

    「でも……」

    麗奈「アンタの覚悟はそんなものなの!?」

    「……!」

    「……っ」


    梨沙(回想)「仕事選んでんじゃないわよ!プロのアイドルなんでしょ!?」


    (ごめんなさい……!お父さん、お母さん、アタシに正義を教えてくれたヒーローの皆、ファンの皆……!あ、あとプロデューサーも……!)



    サッ←サンドウィッチ




    「~~~っ!」ガクッ


    麗奈「やった……!ホラ!さっさと戻ってきなさい!二人が帰ってくる前に!!」

    74 = 73 :

    麗奈「よくやったわ光!これでアンタも悪の一員よ!ワルの世界は簡単には足を洗えないんだからこれから覚悟しなさいよね!!」

    「……」ズーン…

    麗奈「聞いてないし……」

    麗奈「……!」




    千夏「誰も呼んでないって……なんだったのかしら」

    「ん~わかんないけど、何もないんだったら良いんじゃない?」

    千夏「……そうね」



    麗奈「二人が戻ってきた!ふふっ!見物ね……!」

    「……」ブツブツ

    麗奈「ちょっと!何ブツブツてんのよ!アタシ独り言みたいじゃない!」




    「なんの話してたんだっけ?あ!そうそう!でさぁ~っ!ちなったんがオススメしてくれた刑事の映画のヤツなんだけど……」

    千夏「あぁ、アレね?アレは私も人に勧められたものだったんだけど……中々良かったでしょう?」



    スッ←サンドウィッチ




    麗奈「……!」

    「……タシ……アタシはなんてことを……」ブツブツ

    75 = 73 :

    千夏「私も最初は正直期待していなかったけど……主演の女性始め出演者全員の演技力の高さと構成含めた全てに途中から完全に持っていかれたわ……今度のツアーの参考にもなると思って何度か、ね……」

    パクッ

    千夏「……」モグモグ



    千夏「――……っ!?」ドクンッ

    千夏「!?!?」

    ガタターンッ

    「ち……ちなったん!?どうしたのっ!?」

    千夏「ゲホッ……ゲホッゲホッ!!な……なんなの!?これ!?さっきのサンドウィッチと……ゲホッゲホッ……違うヤツだわ!……」ガタタッ

    「ええっ!?」










    麗奈「アーハッハッハッハッハッ!!やった!遂にやったわ!!悪戯(と報復)、今日初めての……大・成・功よぉぉっ!!」

    「……っ!!」ハッ

    「あぁっ……!なんてことを……!」

    麗奈「アッハッハッハ!アンタのおかげで悪戯大成功よ!!さぁ……あとはさっさとズラかるだけ……」

    76 :

    千夏「ゲホッ…ゲホッゲホッ」

    ガツンッ

    ガチャァァァンッ

    千夏「あっ……コーヒーが……」

    バシャァッ

    「あっ……」

    千夏「あ……」




    麗奈「……?静かになったわね……」ヒョコッ

    「……?」ヒョコッ



    千夏「服に……コーヒーが……」

    「それ……唯がちなったんの誕生日にプレゼントしたの……」

    千夏「……!」








    麗奈「……」ダラダラ

    「」

    77 = 76 :

    千夏「本当に……ごめんなさい、唯ちゃん……私……折角貴女がくれた服だったのに……」

    「……ううん、良いよ。ちなったんが悪いわけじゃないもん。……それより、ちなったん服はどうするの?大丈夫?」

    千夏「……ええ、私は大丈夫よ。でも……このサンドウィッチ……よくみたらパンもさっきまで食べてたのと違うような……」

    「えぇ~っ!?何それ!?ひょっとして、誰かの悪戯!?ひっどぉぉぉぉい!!」ウガーッ






    麗奈「……!」ダラダラ

    麗奈「し……知~らないっと……」コソコソ

    麗奈「だ……大体やったの光だし……アタシ関係ないし……悪くないし……」

    麗奈「……あれ?光は?」





    「本当にごめんなさい!アタシ……アタシのせいで本当に……それ……アタシがやったんだ!!」




    麗奈「」ホゲァ

    78 = 76 :

    千夏「えっ……?ていうか、貴女、光ちゃん?……何なのその格好……」

    「あは……あははははははははははっ!?何その格好!?何その格好!?ヤバイ!ヤバイヤバイウケる~~~!!」

    (全身タイツ)「その悪戯……アタシがやったんだ!!アタシ……どうしても悪い奴の気持ちがわからなくて……それをわかろうとして……こんなこと……!!」

    千夏「……!まさか、今度のツアーの役作りをしようと……?」

    「あははははははははははっ!写メ……写メ撮っても良い!?あははははははははははっ!!」

    「……」コクッ

    千夏「……そう」

    「……え?ほんとに良いの?」

    「……本当にごめんなさい!アタシ……なんていう取り返しのつかないことを……!!」

    千夏「……!」

    「……ホントに良いの?んじゃ撮るよー。ハイ、チーズ!」パシャッ

    「……アタシ……なんて詫びればいいのか……」ズーン…

    千夏「……」

    「可愛く撮れたよー」






    麗奈「……!」コソコソ

    麗奈(……っ!なんて馬鹿正直な奴!信じらんない!)

    麗奈(ってかアタシの名前出すんじゃないわよ……!絶対出すんじゃないわよ!)

    麗奈(フリじゃないんだからねっ!!)

    79 = 76 :

    千夏「……そうだったのね……」


    「……っ」ガタガタブルブル…


    「……ちなったん?」

    千夏「……」

    千夏「……フゥ……私も梨沙ちゃんも少し追い詰めすぎたのかしら……」ボソッ

    「……?」

    千夏「こっちの話よ。気にしないで」

    千夏「……そうね、確かに役作りの為とはいえ、これはやり過ぎたわね。こうなるとは思ってなかったのかもしれないけど……結果的に、ね?」

    「……はい……!」

    千夏「……でも、そうね……1つ聞かせてくれる?どうして私を狙ったのかしら?」

    「……えっ」

    千夏「……ひょっとして、私が厳しいことを言ったと思ったから?」

    「ち……違うよ!そんなことないしそんな風にも思ってもない!!」

    千夏「……そう」

    眼鏡クイッ

    「……?」




    麗奈(……!言うんじゃないわよ……絶対言うんじゃないわよ!)コソコソ

    麗奈(フリじゃないんだからねっ!!)

    80 = 76 :

    千夏「……そういえば私も役作りでね……今刑事ドラマとかで勉強してるの」

    「! 千夏も?」

    千夏「ええそうよ。一緒ね」

    千夏「……だから色々と真似っこしたくなっちゃうの」

    「へー……ちなったんにしては珍しいね」

    千夏「そうね。ところで光ちゃん」

    「は……ハイ!」ビクッ

    千夏「私が決まった曜日と時間にこの席でコーヒーや軽食を取ること……知ってた?」

    「? 今初めて知ったけど……」

    麗奈(調べたのはアタシよ……まぁアイツはそこまで知らないだろうけど……)

    千夏「そう……もしかして、誰かに私を狙うように言われたの?」

    「えっ!?」ビクッ

    麗奈「」ビクッ

    千夏「ごめんなさいね。光ちゃんが出てきたそこの生け垣、彼処は光ちゃんぐらいの背格好の子が2~3人ぐらい隠れられそうな大きさがあるじゃない?
    光ちゃん一人ならもっと良い、別の隠れる所があるんじゃないかしらって」

    「……!」

    千夏「それで、もしかして複数犯かしら?って、思ったの。あとはこのサンドウィッチ、これは事前に念入りに用意してないと出来ないと思うわ。でもいくら役作りの為に光ちゃんがここまでするとも思えない」

    「……!」

    麗奈「」ダラダラ

    千夏「さっきの光ちゃんは嘘をついてるようには見えなかったから私をターゲットにしたのはたまたまか光ちゃんが故意に選択した訳でもないかになるわね」

    千夏「加えて、私の指摘を受けてから光ちゃん、無意識に目線がチラチラあの生け垣の方を見てるわ。もしかして彼処に誰か隠れてて、それをバラさないようにしてるのかしら?」

    「……!!」

    麗奈「」ダラダラ…

    「……っ」

    「そ……それは……」チラチラチラチラ

    麗奈(ちょっとぉぉぉぉっ!?わざとやってんのアイツ!?)



    千夏「ごめんなさいね、細かいところが気になるの私の悪い癖なの」

    81 :

    千夏さんから何の違和感も感じない件wwwwww

    82 :

    杉下千夏

    83 = 76 :

    麗奈「や……ヤバイわこれ……確実にヤバイ流れだわ……さっさとズラかって……」コソコソ…


    「犯人(ホシ)確保ォーーーッ!!」

    ガシィッ

    麗奈「ぎゃああああああああっ!?何!?何なの!?唯!?いつの間にっ!!」

    「イエー!ちなったんと唯のサイキョーコンピプレー!」

    麗奈「は……離しなさい!クッソー!油断したわ……!!卑怯よアンタ達!」


    「……!」

    千夏「上手くいったわね」

    眼鏡クイッ

    麗奈「意識を自分に向けて回り込ませてたのね……!アンタら……囮なんて卑怯よ!!それでも刑事役なの!?ムキーッ!離せー!離しなさいってばーーーっ!!」

    「やっだよーん☆」ヘヘーンッ

    千夏「ふっ……ごめんなさいね。役以外でもウチには相棒がいるの。すごく優秀で可愛い相棒が、ね」

    眼鏡キラーンッ


    「……麗奈……」

    84 :

    麗奈「ムキーーーッ!離せ!離しなさいよ!この鬼畜!眼鏡!杉下!右京!!」

    千夏「全部言っちゃってるじゃないの」

    「もう諦めよう麗奈……悪はこの世に栄えない運命なんだよ……」

    麗奈「何勝手に諦めてんのよ!!栄えなくても滅ばないのが悪なのよ!離せーーーっ!
    そもそもアタシは無罪よ!やったのは光よ!!アタシ悪くないもん!コイツは好きにして良いからアタシは解放しなさいよ!!」ウガーッ!

    千夏「清々しいまでの悪ね」

    「くっ……!その通りだ……やったのはアタシだ……どんな罰も受け入れる……好きにしてくれ!!」

    麗奈「本人もこう言ってるわ!アタシは見逃しなさいよ!」

    「もう公衆の面前に全身タイツで正座させられてる時点で結構な罰だと思うけど……」

    「……捕まえたはいいけどどうするの?ちなったん」

    千夏「……そうね。やったことの罰は、やはり受けないといけないわ」

    麗奈「はぁぁぁぁぁっ!?刑事が私情で容疑者罰して良いと思ってんの!?マスコミが黙ってないわよ!椿に言いつけてやる!!」

    千夏「……刑事なのは役なだけだし椿ちゃんはジャーナリスト希望じゃないわよ?」

    千夏「……ハァ……とりあえず、まずは光ちゃん?アナタからね」

    「……っ!はい……」

    (……アタシ……ヒーローだったハズなのに悪いことホントにやってしまって……人の大切なものを汚してしまって……)

    (……こんな事をしてしまうなんて……やっぱり悪なんか、学ぼうとすべきじゃなかったんだ……!)

    「……」

    千夏「……」

    スッ

    「……!」ビクッ




    コツンッ



    「……っ」

    「……あれ?」

    85 = 84 :

    「……?」

    千夏「いくら役作りの為とはいえ、次からは気を付けなさい。これに懲りたら、ホントに悪いことは悪戯でもやっちゃダメよ?」

    「……は……はい……」

    千夏「そう。もう行っていいわ。役作りなら別の形で模索しなさい。その方がアナタにも合ってるわ」

    「……はい……」

    「……って、えぇ!?終わりなの!?」

    麗奈「え?そうなの?」

    千夏「……?ええ、そうよ。どうしたの?」

    「だって……だってアタシ、唯が千夏にあげた大切なプレゼント汚しちゃって……もっと、もっと怒られたり、叱られたり、やった悪いことに対してちゃんと罰を受けなきゃ……!!」

    千夏「……。そうね……ツアーの前にあんまり厳しくお仕置きする訳にもいかないし、光ちゃんは反省してる、でしょう?」

    「う、うん……でも……」

    千夏「……いいのよ。本当に。唯ちゃんも、いいわよね?」

    「え?うん。ちなったんがいいなら唯は気にしないよ!」

    千夏「そう。ありがとう。ね?本人達がこう言ってるから、もういいのよ」

    「……でも……」

    千夏「……そうね。悪いことをしたらペナルティを受けなきゃいけないのは、確かにそうよ。でも『罪を憎んで人を憎まず』……はまだ難しいかしら。ケースバイケースってことがあるのよ」

    「……」

    86 = 84 :

    千夏「そうね……例えばあそこのテーブルを見て」

    「……?」







    久井留美「へぇ……ここのカフェはコーヒーが一番美味しいと思っていたけど……このココアも美味しいのね……盲点だったわ。流石の情報力ね、ナイトウォーカーマキノ」

    八神マキノ「ふふっ……でしょう?意外なところに意外な掘り出し物がある……これはどんな事にも通じるわ、ルーミィキャット」

    留美「今日は素敵な情報をいただいたお礼よ。ここは私が出すわ、ナイトウォーカーマキノ」

    マキノ「あら……じゃあ、お言葉に甘えようかしら?ルーミィキャット」

    留美「ふふっ……明日は私のオススメのお店を紹介するわ。ナイトウォーカーマキノ」

    マキノ「ええ。楽しみにしてるわ。ルーミィキャット」










    「……」

    麗奈「……」

    「……」

    千夏「……」

    87 = 84 :

    「……仲良さそうだね」

    千夏「……あの二人もツアーに出るのよ。アナタの部下のコンビの役でね」

    「!!」

    千夏「皆、今それぞれのやり方で役に集中しようとしてるわ。アナタは今回たまたま、間違えただけ。だから、もう切り替えて別のやり方を探して、そっちをやりなさい。
    ここでしょんぼりするより、やらなきゃいけないことがアナタにはあるでしょう?」

    「……」

    千夏「今優先すべきは罪の清算より使命を果たすことよ?ヒーローさん」

    「……!」



    「……うん!わかった!千夏!唯!本当にごめんなさい!!」

    千夏「ええ」

    「もういいよ~!」

    「本当にごめんなさい!!アタシ、別のやり方を探してみる!!ヒーローとして!!」

    ダッ




    「……行っちゃったね。あのカッコのまま……」

    千夏「……『ヒーローとして』か……」

    「?」

    千夏「……いえ……『もう大丈夫』には……早いかもしれないわね」

    「……???」

    88 = 84 :

    千夏「……」

    「……」

    麗奈「……」

    麗奈(信じらんない……アイツ……アタシのこと置いていきやがった……)


    千夏「……さて」

    麗奈「」ビクッ

    千夏「麗奈ちゃん」

    (……あ、これヤバイやつじゃん……)

    麗奈「」

    千夏「……」

    麗奈「……」ダラダラ

    千夏「……」

    麗奈「あの……えっと……」

    千夏「……」

    麗奈「……」





    麗奈「罪を憎んで人を……」

    千夏「この服ね」

    麗奈「……はい」

    千夏「すっごくね……お気に入りだったの」


    麗奈「……」

    89 = 84 :

    ガチャァァァァァンッ←倉庫の扉



    麗奈「出せーーーっ!出しなさーーーい!!これは監禁よ!!犯罪よ!!」

    千夏「逃げないように容疑者を勾留してるだけよ(適当)」

    (ドアノブ固定)

    麗奈「こんな所に閉じ込めてどうするつもりよ!!」ドンドンドンッ

    千夏「そうね……とりあえずプロデューサーさんとちひろさんを呼んでくるからキツめのお説教を覚悟していなさい」

    麗奈「はぁぁぁぁぁっ!?ふざけないでよ!!出せーーー!つーか電気どこよ!!真っ暗じゃないの!!」

    千夏「その倉庫電球そういえば切れてたわね」

    麗奈「ちょっと!!これアタシがここにいること忘れて帰っちゃうオチなの見えてるじゃない!!」

    千夏「私がそんなうっかりすると思うの?」

    麗奈「故意にやりそうなのよ!!これはダメよ!ダメなアレよ!!問題行為だわ!!」

    千夏「しばらくそこで、覚悟しながら大人しくして反省してなさい。いきましょう唯ちゃん」

    「うん……でも大丈夫なの?」

    千夏「空調は生きてるし高い場所だけど窓もあるから空気は大丈夫よ。すぐプロデューサーさんとちひろさんに言うし」

    「ホントに言うの忘れたら悲惨だね」

    千夏「ふふっ……そうね」

    90 = 84 :

    千夏「……そういえばあの倉庫、何故か私が固定する前に扉が外側から固定されてたわね……」

    「え~何それ?なんかあったのかな?」

    千夏「……さぁ……」

    「何か閉じ込めてたりして……お化けとか……怪物とか!」

    ???(お化けの話かな?)にゅっ

    千夏「……まさか」

    「なんてね~!」

    千夏「……あ」



    モバP「くっそー!レッスンの時間なのにアイツ何処行きやがったんだ!?」

    千夏「プロデューサーさん、丁度良かったわ」

    モバP「あ!千夏さん!唯も!愛海見てません!?」

    千夏「愛海ちゃん?見てないわよ」

    「唯もー」

    モバP「おっかしいな……帰ったのか?」

    千夏「何?どうかしたの?」

    モバP「いや……アイツまた発作起こして……今度はちひろさんに目をつけたみたいなんですけど……走って逃げるちひろさんを追いかけて……そのままいなくなっちゃって……」

    千夏「そう……残念だけど私達二人とも見てないわ」

    モバP「……そうですか……」

    千夏「……」

    モバP「……うーん」





    モバP「アイツ……一体何処行ったんだ?」

    91 = 84 :

    ※倉庫の中



    麗奈「くっそー……真っ暗で何も見えないし……静かで不気味だし……」

    麗奈「……これも全部光のアホがアタシのジャマばっかするからよ!もう怒ったわ……ここから出たらアイツに真っ先に悪戯してやる!!」




    ガタッ




    麗奈「っ!?」ビクッ

    麗奈「……な……何?」


    シーン…



    麗奈「……誰かいるの?」

    麗奈「……」ゴクッ


    ???『……ま……』


    麗奈「……声?」

    麗奈「……人……なの?」

    92 = 84 :

    『……ま……』

    『……や……ま……』


    麗奈「……っ」

    麗奈(何!?何なの!?まさか……お化け!?)

    麗奈「……!ケータイ!ケータイのライトで……!」

    パッ

    麗奈「……っ」ビクビク…

    スッ…

    麗奈「!! 誰!?」


    シーン…



    麗奈「……誰もいない……?」








    『……おやま?』

    麗奈「!?」

    93 = 84 :

    麗奈「何……今の……耳元で喋られたみたいな……」


    シーン…


    『……おやま?』

    麗奈(!? 右から!?)バッ



    シーン…


    麗奈「……?」



    『やま?』



    麗奈(!? えっ!?今度は左から!?)バッ



    シーン…










    『やま?』

    『おやま?』

    『おやま?』

    『やま?』

    『こやま?』

    『やまやまやまやまやまやまやまやまやまやまやま…』



    麗奈「……っ」

    麗奈「な……何よ……何よ何よ何なのよっ!?」



    シーン…



    麗奈「で……出てきなさいよ!!何が……誰が隠れてんのよ!?」

    94 = 84 :

    「麗奈忘れてた」







    「……!あっ!千夏!唯!」テッテケー

    千夏「あら光ちゃん。まだ着替えてなかったの」

    「おっすー!どしたん?」

    「うん。あのさ、あのあと麗奈どうなった?」

    千夏「麗奈ちゃん?反省しないみたいだったからプロデューサーさんにお仕置きしてもらおうと思って、そこの倉庫に今一時的に閉じ込めて……」


    ドンッ!ドンドンドンドンッ!


    「!?」

    千夏「!?」

    「わっ!?ビックリした!!」




    麗奈『誰かぁぁぁぁぁっ!!出して!!出して出して出してぇ!!ここから出してぇぇぇぇっ!!』


    「この声……麗奈!?」

    「すごい怯えてる……よっぽどお説教怖いのかな?」


    麗奈「助けて!!誰か……本当に助けて!!誰かぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


    「……!麗奈!!どうしたんだ麗奈!?」

    「大袈裟だなー麗奈ちゃん」

    千夏「……?いえ、待って。何か様子が……」

    「……え?」

    95 = 84 :

    麗奈「その声……光!?助けて!!ここ開けて!!」

    「どうした麗奈!?何があったんだ!?」

    麗奈「真っ暗で何も見えないけど……ここ何かいる!!何かいるの!!」

    「何か……?何かってなんだ!?」

    麗奈「わかんない!わかんないけど怖い!!視線を感じるの!!何も見えないのに!!」

    「と……とにかく落ち着くんだ!」

    千夏「……?」

    「……あ、ここ何か落ちてるよちなったん」

    千夏「え?」

    千夏「……ヘアゴム?」

    「誰のだろ。どっかで見たことあるね」

    「……?」

    「……あ!それ見たことある!確か愛海のヘアゴムだ!」

    「愛海ちゃんの……?」

    千夏「……」



    千夏「……まさか……!」

    96 = 84 :

    千夏「麗奈ちゃん!それ以上大声を出しちゃダメ!」

    麗奈「千夏……!?アンタそんなこと言ってアタシに助けを求めさせないつもり……」

    千夏「違う!相手にアナタの居場所を知られるわ!!」

    麗奈「!!」ビクッ

    ピタッ…

    千夏「……いい?落ち着いて……」

    千夏(小声でいくわよ……落ち着いて、扉と壁にそって部屋の隅、角に移動しなさい。音を立てちゃダメよ)

    麗奈「……っ!」コクコクッ

    千夏(麗奈ちゃん、まさか明かりとかをケータイで点けてないわよね?)

    麗奈(最初はつけてた……けどすぐ電池切れになっちゃって……)

    千夏(そう……不幸中の幸いね。扉から離れて……じっとしてて。扉の固定を外すから……その音に『ヤツ』が扉側に来るかもしれないわ。アナタは『ヤツ』に気付かれないように、まずはそっと離れなさい)

    麗奈(……!わかった!)

    97 :

    師匠はプレデターか何か?

    98 = 84 :

    麗奈(そっと……ゆっくり……そっと……)コソッ

    麗奈「……っ!」



    麗奈(ついた……部屋の角……)


    ガタッガタガタガタッ


    麗奈「!」

    麗奈(……扉の固定を外そうとしてる音……よね?)


    ガタガタガタッ


    麗奈(お願い……早く開いて……)



    カタッ



    麗奈「」ビクッ

    麗奈(こ……この音……扉の方からじゃない……!)


    カタッ


    カタカタッ



    麗奈「……!!」

    麗奈(どんどん近付いてきてる……それも……こっちに……!!)

    99 = 84 :

    麗奈(……お願い……お願いよ……来ないで……気付かないで……!!)

    カタッ…

    麗奈(誰か……誰か助けて……パパ……ママ……プロデューサー……光……!)

    カタッ…

    麗奈(誰でも良い……誰でも良いから……神様……!もう悪いことしません……!だから……だから……っ!!)

    カタッ…

    麗奈(……っ!!)



    千夏「あと少しよ!麗奈ちゃん!!だからそのまま!」

    「麗奈!諦めるな!あと少しだぞ!!」



    麗奈(……!!)

    麗奈(お……音を立てちゃダメ……っ!じっとして……静かに……)


    カタッ…



    シーン…





    麗奈(……)

    麗奈(……?静かになった……)


    麗奈(……助かった……の……?)

    100 = 84 :

    ※イメージ映像

    /nox/remoteimages/04/f1/35499adbf20a71683188d530e965.jpeg


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