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    元スレ大和「提督」提督「んあ」

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    101 = 1 :



    提督「以前にも、同じ光景を見た気がする……。去っていくお前をここで見送り、私はずっと波止場で待ち続けて……」

    「……加賀さんたちの事ですね。大丈夫です。私は……こうして帰ってきました。たとえどんなことがあっても、貴方の傍を離れたりはしません」

    提督「すまない……。まだ弱気になっている」

    「もっと貴方の弱さを見せてください……私が支えになります」

    提督「……ありがとう」

    「提督……」

    提督「……」

    「……」

    提督「馬鹿者……。余計離れにくくなってしまったではないか」

    「いいんです。これからはずっと一緒ですから……」

    提督「……気をつけてな」

    「はい」

    102 = 1 :







    提督「……」

    提督「はぁ……」

    提督「しかし……」

    提督「なんとも情けない……。このままではいかん。気持ちを切り替えねば……」

    提督「っと、資料が落ちた」

    提督「……」

    提督「……何だ、これは……」

    提督「どれもこれも一年以上前のものではないか。何故こんなところに……この報告書に至っては、軍に提出さえしていないぞ」

    103 = 1 :



    提督「これも、これも……これも。……ならばこれはどうだ?」

    提督「……」

    提督「おい……」

    提督「待て……」

    提督「これはどういうことだ? ……私の机に乗っているものさえ、未提出の古い報告書だ。しかも茶色く変色している……?」

    提督「馬鹿な……私は今日ここで仕事をしていたはずだ。気づかないなんてありえない」

    提督「……」

    提督「そうだ……私はきっと資料整理をしていたんだ。もしくは大和が整理したんだろう。何処かに最新ものがあるはずだ……」

    104 = 1 :



    提督「……どうなってる」

    提督「どれもこれも、古いものばかり……一年前……大規模侵攻作戦が決行された時期から、最新のものが一切無い……」

    提督「……あり得ない」

    提督「落ち着け……今日、私は何をしていた? この時間に至るまで、何をしていた?」

    提督「……」

    提督「……嘘だ」

    提督「覚えてない……?」

    提督「だが、仕事をしたという実感だけは残っている。その内容も覚えていないというのに……」

    提督「私が忘れていたのは……加賀達に関することだけじゃないのか?」

    105 = 1 :



    提督「……」

    提督「……」

    提督「つまり、こういうことか?」

    提督「私は一年以上、ずっとここで仕事をしているつもりで過ごしていたと、そういういうことか……?」

    提督「……」

    提督「……正気じゃない」

    提督「大和……あいつはなぜ何も言わなかった? 気づいていたはずだ。なのに何故……」

    提督「この鎮守府は、いったいどうなってる?」

    提督「……」

    提督「……」

    提督「いや……まずは、軍本部と連絡をとろう。この鎮守府の現状を知るには、それが一番良いはずだ」

    106 :

    二転三転するな
    面白い

    107 :

    まさに謎が謎を呼んでるな。いいね〜

    108 :

    これは沈んだ側にいるな…

    109 :

    もう大和が本当にいるかどうかすら怪しく感じる

    110 :

    一体何が起こって…

    111 :

    幽霊になった?
    それとも完全に深海側になった?

    112 :

    続きが気になるな
    期待して待ってる

    113 :

    沈んだのは大和とか・・・

    114 :

    まさか提督は乳首が爆発して既に死んでいるとか?

    115 :

    こういう雰囲気好きだ
    待ってる

    116 :

    >>48説が有力過ぎてwwww

    117 :

    微笑みすらも幻なのだ…

    118 = 117 :

    微笑みすらも幻なのだ…

    119 :

    幻術なのか!?

    120 :



    ・無線室


    提督「……くそ」

    提督「駄目だ……繋がらない」

    提督「壊れているのか。修理もされていない……。本土との連絡は最重要事項のはずだが……」

    提督「妨害されているとも考えられる……。だがこの無線機、埃をかぶっている。ずっと使われてなかったのか」

    提督「……」

    提督「……」

    提督「一年以上前の書類しかない執務室に……埃をかぶった壊れた無線機……そして頭のイカれた提督……」

    提督「考えれば、軍がこんな状態の私を鎮守府の提督に据えるはずがないのだ……」

    提督「……」

    121 = 120 :



    ・無線室


    提督「……くそ」

    提督「駄目だ……繋がらない」

    提督「壊れているのか。修理もされていない……。本土との連絡は最重要事項のはずだが……」

    提督「妨害されているとも考えられる……。だがこの無線機、埃をかぶっている。ずっと使われてなかったのか」

    提督「……」

    提督「……」

    提督「一年以上前の書類しかない執務室に……埃をかぶった壊れた無線機……そして頭のイカれた提督……」

    提督「考えれば、軍がこんな状態の私を鎮守府の提督に据えるはずがないのだ……」

    提督「……」

    122 = 1 :



    提督「ならば……この鎮守府は見捨てられたのか? だが、ここは重要拠点だ。みすみす手放すはずがない……」

    提督「それに、軍の支援なしに艦娘の運用など出来はしない。だが、現状我々は深海棲艦と戦っている……」

    提督「……いや、新しく補填が入ると言ってたな。しかし、その書類はこちらに上がってきてない……連絡は全て大和からの口頭だ……」

    提督「……」

    提督「……大和」

    提督「私の記憶が鮮明になるのは、あいつに起こされた時からだ……」

    提督「……あいつが全てを説明できるはず」

    提督「いや……」

    提督「大和だけじゃない。ここに居る全員、この異常事態に気が付いてるはずだ。でも、意図的に見逃している。そして私には何も言わない……」

    提督「……」

    提督「……隠したいのだ、この異常を。私に悟られたくないと思っている」

    123 = 1 :



    提督「……」

    提督「……」

    提督「こんなのは正気ではない……」

    提督「おかしいのは私だけではなかった……。この鎮守府も、そして艦娘達も全員おかしいのだ……」

    提督「……」

    提督「……」

    提督「なんとかして外部と連絡を取らなければ……。ここの者たちは、私を含め全員信用できない」

    124 = 1 :



    提督「ここの無線は使えない。直接連絡を取るにしても、本土までは遠すぎる。大型船を使えば行けるが、護衛なしに行くのは自殺行為だ……」

    提督「……」

    提督「だが、本土の途中に人の住む離島があったな。そこまでは軍用小型ボートで行ける。そこの無線を使わせて貰うか……もしくは経由して本土に行こう」

    提督「深海棲艦に出くわすかどうかは賭けだな……軍用ボートなら運が良ければ振り切れるだろうが……」

    提督「……」

    提督「大和が居ないのは幸いだった……あいつが居ては身動きが取れなくなる。哨戒任務から帰ってくる数日の間に、ここを発たねば……」

    提督「それまでは、気づいてないふりをして過ごそう」

    125 = 1 :



    ・食堂


    五十鈴「提督、遅いわよ。何処で油売ってたの? みんな待ってたのよ」

    提督「うむ……悪い」

    飛龍「あ、提督来たんだ。何カレーにする? 多聞丸は野菜カレーがお勧めだって言ってるよ」

    提督「ならそれにしよう」

    「あの……提督、お疲れ様です。お茶です……」

    提督「ああ、潮もお疲れさん。ありがとう」

    陸奥「お隣、失礼するわね」

    「わ、私も……失礼します」

    五十鈴「じゃあ皆揃って提督も来たことだし……」

    一同「いただきます!」

    126 = 1 :



    提督「……」

    「あの、提督……今日は調子が悪いんですか?」

    提督「……何故そう思う?」

    「あ、あまりお箸が進んでないから……」

    陸奥「そうね。いつもの提督ならパクパク食べるものね」

    提督「私はそこまでがっついてはいないつもりだが」

    陸奥「そういう訳じゃないけど……何て言うのかしら。いつもの提督はもっと男らしい食べ方するじゃない」

    提督「これでも海の男だからな……いや、そうではなくてだな……このカレー、今日は味付けを変えたか?」

    飛龍「変えてないと思うよ? いつもと同じ味だよね」

    摩耶「いつもと同じ過ぎてなあ。あたしはもっと辛いほうがいいぜ」

    五十鈴「貴女を基準にしたら誰も食べられないんじゃないの?」

    摩耶「このカレーが甘すぎるんだよ」

    127 = 1 :



    提督「すまない、私の気のせいのようだな……」

    提督「……」

    提督(……いや、気のせいなんかじゃない。カレーに似てはいるが、すごく妙な味がする。食えないことは無いが……)

    提督(同じ釜の飯だし、私のだけが特別ということはあるまい。でもこいつらは普通に食べている……)

    提督「……」

    陸奥「あ、分かっちゃった。ねえ提督? もしかして……大和さんが居ないからさみしいんじゃないの?」

    提督「……そうかもしれんな」

    陸奥「あら……素直ね」

    摩耶「んだよ、何が海の男だよ。全然男らしくねーじゃねえか。女々しい提督だなあ、おい」

    提督「摩耶……お前が居ないときも私はさみしくて箸が進まんのだ」

    摩耶「は、はあ? ばっ馬鹿か、いきなり変なこと言ってんじゃねえよ、アホか!」

    「わ、私のときはどうですか、提督……」

    提督「潮のときもそうなる」

    陸奥「もちろん私が居ないときもさみしいわよね?」

    提督「陸奥は頑丈だし、心配する必要もないな」

    128 = 1 :



    陸奥「あら……あらあら、そういうこと言うのね提督? いいわよ、それでも。でも、あとで酷い目にあっても知らないんだから」

    提督「なんだ陸奥、拗ねているのか? 同じようにからかっただけではないか、真に受けるんじゃない」

    五十鈴「ていうか、陸奥さんが大丈夫なら、大和さんの心配する必要ないじゃない」

    飛龍「あの人強いからねー。ここに居る殆どの人が大和さんに負けちゃったし……」

    陸奥「私はむしろ提督の追い込み漁にまんまと引っかかった口だけどね……」

    摩耶「あたしもだ。やりかたが汚ねーんだよ、提督はよ。もっと男らしく勝負しろよな! ったく……」

    提督「私が? というかお前たち、大和に負けたのか……?」

    陸奥「……もちろん演習での話よ、提督」

    「そ、そうです……この前の演習で、負けました……」

    提督「そうか……」

    陸奥「まあ、だから大和さんの心配はするだけ無駄ってことよ。するなら私の心配をしてよね」

    提督「うむ」

    陸奥「もう……」

    129 :

    本筋をシリアスに、しかも謎解きっぽく事件の少しずつ輪郭を表していく。
    一方でキャラの性格を掴みながらの日常コメディに妥協がない。

    冗談抜きで市販レベルなんだが何者だよ

    130 :

    おつ 陸奥たちが素晴らしい

    >>129
    この世には、目には見えない闇の住人達(隠れた文才)がいるからな

    131 :

    >>129
    こっちまで来るんじゃねぇよ材木座

    132 :

    やっぱ深海にいるのか?
    でももう一転くらいしそうだしな

    133 :

    すでに人類が・・・

    134 :

    タイトルが提督の帰還ってのがすげぇ意味深。
    まじで面白い

    135 :



    ・私室


    提督「……」

    提督「普通だ……あの妙なカレー以外は……」

    提督「ああして話していると、この鎮守府がおかしいとは思えなくなってくる」

    提督「……だが、私はここを出る。本部と連絡を取り、本当のことを知りたいのだ」

    提督「今日明日で荷造りとボートの準備を済ませ、明後日の夜明けとともにここを発つ……」

    提督「まずは荷造りを済まそう」

    136 = 135 :



    提督「必要なものは最低限でいいな。水と携帯食料……それと私の身分証明書も必要だな……」

    提督「身分証……ええと、どこに仕舞ったか…………ん?」

    提督「……なんだこれは? 小さな箱だが、随分と丁寧にラッピングされている……」

    提督「中身は……指輪だ。……見たことがある気がする。私が買ったのだろうか?」

    提督「自室にあるからそうなんだろうが……でも、誰に送るつもりだった? 大和……それとも加賀か?」

    提督「しかし……これは軍から支給される艦娘用の指輪ではないようだが……」

    提督「うーむ……」

    提督「私は仕事ばかりで碌に女性関係がなかったし、ずっと付き合いのある人も居なかったが……」

    提督「……」

    提督「駄目だ、思い出せない……。私の記憶はどうなってるんだ? 大切なことは何一つ覚えていない……」

    提督「いくらなんでもおかしい……。本当に、加賀達が沈んだショックで記憶を封じたのか……?」

    提督「……」

    提督「……まあいい。今はそれを考えても詮無いことだ。支度を済まそう」

    137 = 135 :



    摩耶「ぜんっぜん起きないな」

    鈴谷「コツとかないのかな?」

    摩耶「んなもん知るかよ」

    鈴谷「……ちょっと疲れた顔してるね」

    摩耶「わかるのか……? 顔色」

    鈴谷「だって最近あまり元気ないし……」

    摩耶「まあ……いろいろあって頭ん中こんがらがってるんだろ、きっと」

    鈴谷「早くいつもの提督に戻って欲しいな」

    摩耶「この状態だと味気無いんだよなあ……ほんとつまらねえ」

    鈴谷「あたしも。なーんも褒めてくれないし、笑ってくれないんだもん。せっかく一緒に居るのにさ」

    摩耶「そうそう……って違う! 今は提督を起こすんだよ!」

    138 = 135 :



    鈴谷「でも揺すっても頬つねっても起きないじゃん。やっぱ大和さんじゃないと駄目なのかなー」

    摩耶「その本人に頼まれたんだから出来るだろ」

    鈴谷「じゃあどうすんのさ」

    摩耶「そりゃあ……」

    鈴谷「……」

    摩耶「……」

    139 = 135 :



    摩耶「もうめんどくさいから……ぶっ叩いて起こそうぜ。そうすりゃ流石の提督も起きるだろ」

    鈴谷「ほぉー」

    摩耶「なんだよ……」

    鈴谷「別にー? いいんじゃない? 叩いて起こしても。それで提督に嫌われても鈴谷は知らないからね」

    摩耶「なっ」

    鈴谷「さあどーぞ」

    摩耶「……」

    摩耶「いや……それは最後の手段っつーか……そういうお前はなにかあんのかよ」

    鈴谷「あるよ。摩耶みたいに女子力のかけらもない方法とは違ったやり方がね」

    摩耶「なんだよ、言ってみろよ」

    鈴谷「こうするんだよ」

    140 = 135 :



    摩耶「……っておい! 待てこら!」

    鈴谷「いたっ。もーなにすんのよ!」

    摩耶「お前がなにしてるんだよ!? いきなり!」

    鈴谷「眠ってる人を起こす方法なんて一つに決まってんじゃん」

    摩耶「決まってねえよ! そういうのは本人の了解を取って起きてる時にするもんだろうが!」

    鈴谷「あー摩耶ってば男らしいんだー女子力無いんだ」

    摩耶「うるせえ、そういう問題じゃねえだろ!」

    鈴谷「そういう問題だよ。そうやって一歩引いてるからあんなことになったんじゃん。忘れたの?」

    摩耶「……いやそれは」

    鈴谷「関係ないって言える?」

    摩耶「う……」

    141 = 135 :



    鈴谷「鈴谷はもう気持ちを隠さないし、摩耶も皆もそうでしょ? 一緒に居るだけじゃ嫌だって、あの時身に染みて分かったじゃん。というわけで、邪魔しないでね」

    鈴谷「さあ提督、お目覚めの……」

    摩耶「だぁーっ駄目だストップ待て!」

    鈴谷「もーなんなの?」

    摩耶「いや……だって! 提督寝てるだろ! 寝てる時にするのはまずいって!」

    鈴谷「別にいいじゃん。それにもう二回目だし。まあ一回目は覚えてないだろうけどさ……」

    摩耶「え、おま、ずるっ……じゃなくて、したのかよ!?」

    鈴谷「当たり前じゃん。ていうか、摩耶が呑気し過ぎなんだよ。私たち全員で提督を縛り付けておかないといけないのに、悠長にし過ぎ」

    摩耶「ぐ……こ、これでもあたしなりにがんばってるんだぞ」

    鈴谷「それはわかるけど……。じゃあさ、摩耶がやりなよ。それならいいでしょ? うん、いい考えだよ」

    摩耶「え? あ、あたしがか!?」

    142 = 135 :



    鈴谷「予行演習ってことでちょうどいいじゃん」

    摩耶「い、いや、でもよぉ……」

    鈴谷「また提督が居なくなってもいいの? 鈴谷はそんなの絶対いや。もう二度とあんな思いはしたくない……」

    摩耶「……それはあたしだって」

    鈴谷「よーしじゃあやってみよー!」

    摩耶「……」

    鈴谷「もし一分以内にやらないなら問答無用で鈴谷がするからね?」

    摩耶「う、うるせえ! あたしだって提督が居なくなるのはもう嫌なんだ! だったら……。よし、やってやる」

    鈴谷「にひひ」

    摩耶「お前、にやにや見てるんじゃねえよ。向こう向いてろ!」

    鈴谷「はいはい」

    143 = 135 :



    摩耶「すーはー……よし…………」

    摩耶「……寝てる間にってのはちょっとあれだけど……勘弁な」

    摩耶「提督……」

    提督「んあ」

    摩耶「うわああああっ!?」

    提督「うおっなんだ!? 何事だ!?」

    摩耶「おま、いきなり起きてんじゃねえよ! びっくりするだろうが!」

    提督「お、驚いたのは私だ! 何故お前たちが執務室に……なにかあったのか!?」

    鈴谷「ぷっ……くふ、あははははっ!」

    摩耶「くそが、笑ってんじゃねえよ! 鈴谷!」

    鈴谷「いや、だって、摩耶ったら猫みたいに飛び跳ねて……ぷふ、あはははは! やば、おっかしーんだ」

    144 = 135 :



    提督「……何事だ?」

    鈴谷「くふふ……えっとね、提督がいつまでたっても執務室から出てこないから起こしに来たんだよ」

    提督「あ、ああ……そうか……」

    鈴谷「それでね、摩耶ってば」

    摩耶「てめぇ! それ以上言ったらぶっとばすからな! わかってるだろうな!?」

    鈴谷「きゃー痛い痛い! 摩耶様がお怒りだー」

    摩耶「このやろう……と、とにかく、あたしはちゃんと起こしたからな!? わかったな、提督!」

    提督「う、うむ……」

    鈴谷「本当はもうちょっと寝てて欲しかったのにね?」

    摩耶「上等だ……こら待ちやがれ鈴谷ぁ!」

    鈴谷「あはは、じゃあまた後でね、提督ー」

    提督「……」

    145 = 135 :



    提督「なんだったのだ……」

    提督「……駄目だ、ぼうっとする」

    提督「……」

    提督「……やはり覚えていない。日中何をしているのか……」

    提督「何処まで覚えてる? 昨日は身支度をして床に就いた……その後は……?」

    提督「……」

    提督「なるほど、そこからか……。明日の早朝、夜明けと共にここを出る。今日は徹夜になるな。それまでに気づかれぬよう船の点検と準備をしなければ……」

    146 = 135 :



    ・港


    提督「……拍子抜けするほど簡単に出られたな。まあ憲兵も見回りもいなかったからか。いったいどこに行ったのやら……」

    提督「まだ日は出ていないが、時期に出てくるはずだ」

    提督「ボートも問題ない。燃料確認も機器点検も済ませてある。荷造りも問題ない」

    提督「だが、二隻あるはずのボートが一隻しか無いのはどういうことだ? 誰かが使ったのか……? 」

    提督「まあいい……」

    提督「……」

    提督「鎮守府……私に任された、深海棲艦攻略のための砦。こうして見渡すと、この鎮守府は私が着任した時と全然変わっていない……」

    提督「私はまたここに戻って来るのだろうか……?」

    提督「それとも……」

    提督「……」

    提督「……」

    提督「行こう」

    147 :


    これがハートフルミステリーというやつか(混乱

    148 :


    ・鎮守府 遠海


    「そこの不審船! 止まれ!」



    提督「……ちっ、あと少しというところで哨戒に出ていた奴らに出くわしたか」



    「不審な行動を見せた場合、こちらも相応の対応をします。直ちに停止しなさい」

    「ここは侵入禁止海域デース! 大人しく止まるネー! ここは危ないヨー!」



    提督「目聡いな。深海棲艦に見つかるよりはマシだが……まだ距離は離れてる」

    提督「この軍用ボートなら振り切れるかもしれないが、攻撃されれば一溜まりもない……どうする……」

    149 = 135 :



    「聞こえているだろう! 大人しく止まれ! 貴様は危険海域に許可なく侵入している!」

    「早く止まりなサーイ! さもないと海の藻屑になっちゃうヨー!」



    提督「ん? この声……聞き覚えがある。まさか……」

    提督「……」

    提督「いや、そうだ。あれは……やはり見覚えのある恰好だ……。あいつらは……!」



    「あ、止まったネ」



    提督「長門! 金剛! 加賀! お前たち……生きていたのか!?」

    150 = 135 :



    長門「!?」

    長門「しまった……罠か! ボートに近づくな、距離を取れ!」

    加賀「先回りされたの? まさか、私たちの進路が読まれていた?」

    金剛「撃ちます! Fireー!」



    提督「……へ?」

    提督「お、おい……おいおいおい! 冗談だろ、あの突撃娘……!」


    ゴッシャー


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