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元スレ提督「お姉ちゃん欲しい」
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能代「そして大井お姉さん最後の姉萌えポイント」
能代「ハイ、大井さん、あのセリフお願いします」
大井「何よ、あのセリフって」
能代「ごにょごにょ」
大井「はぁ!?アレは演技中だから言えたわけで…!」
能代「お願いします!あの破壊力のあるあのセリフを!!」
大井「嫌よ、小っ恥ずかしい」
能代「ホンット、素直じゃないですね」
大井「なんですって!?先輩に向かって何よ!!!」
提督「無駄だよ大井、姉萌えモードの能代は無敵だ」
大井「能代をこんな風にしたのはアンタでしょ!!元に戻しなさい!!」
提督「だったら能代の言うことを聞くんだな」
大井「ぐっ…」
能代「さぁ!大井さん!!」キラキラ
大井「………」
大井「お…」
能代「お?」
大井「おっ…お、お、お、お…奢ってあげるから…」
大井「…合格祝いに奢ってあげるから、何か食べに行きましょ…?」
能代「コレですううううううううううう!!!!!」
能代「ものすごいどもり方!!」
能代「素直じゃない大井お姉さんにとってこの程度のセリフを言うにもかなりの精神的負担があったんですね!!」
能代「よく言えました!!偉いです!!頑張りましたね!!」
能代「素直じゃない大井お姉さんの素直な気持ちの伝え方!!」
能代「萌゛え゛で゛す゛!!!」
大井「帰っていいかしら…」
提督「大井が泣いてる…」
能代「そしてラスト、弟の感謝の気持ちを伝えられ…」
能代「また涙を流す大井お姉さん…」
能代「そして静かに言い放つ…合格おめでとう」
能代「…お姉さんはやっぱりお姉さん、切っても切れない仲」
能代「大井お姉さんは弟がとても大切なんですね」
能代「能代、とても感動しました…」
能代「結果、大井さんには私のお姉さんになって欲しいです!!」
能代「大井さん、ナイスお姉さん!!!」
大井「…ドイタシマシテ」
提督「大井が疲れ果ててる…」
提督「ここまで熱弁出来るようになったとは…お前も成長したな、能代」
能代「姉萌えマスターの提督に褒めていただけるなんて光栄です!!」
提督「よし、じゃあ次でラストにしようか…」
能代「ラスト…一体誰なんでしょうか…」
提督「あのクールビューティーはどんな姉萌えを提供してくれるだろうか」
能代「あの方ですね…!!どんな姉萌えも全部吸収してみせます!!」
球磨『さぁ問題クマ!島根県と鳥取県、西側にある県はどっちクマ!?』
那珂『もー、那珂ちゃんを馬鹿にしすぎー!那珂ちゃんはアイドルなんだから日本の地理もバッチリなんだからねー!』
提督「…どっちだっけ、西側の県って」
加賀「そんなのもわからないなんて、日本の恥ね」
提督「ぐ…」
陸奥「加賀ちゃんはわかるの?」
加賀「当たり前じゃない、姉さん」
加賀「西側は鳥取県よ」
那珂ちゃん『西側は島根県だよー!』
球磨『…正解!流石に簡単クマね、では次の問題クマ!』
加賀「」
陸奥「ぷ」
陸奥「あははははははは!!!アナタ間違えてるじゃない!!」けらけら
提督「おいおいマジかよ加賀姉ぇ!!」けらけら
加賀「ちッ…違う!わかってたの!わかってたけど…!」
陸奥「日本の恥ね」キリッ
提督「はははははははは!!似てる似てる!!」けらけら
加賀「〜ッ…」
提督「那珂ちゃんにもわかったのに」けらけら
加賀「あんな馬鹿アイドルと一緒にしないでくれるかしら」
陸奥「何言ってんのよ加賀ちゃん!鳥取の場所もわからない加賀ちゃんは那珂ちゃん以下よ!」けらけら
加賀「だからたまたま間違えただけよ!!」
提督・陸奥「へぇ〜」ニマニマ
加賀「…頭にきました」ボソ
提督「…腹減った」
加賀「ゴロゴロしてないで夕飯のお手伝いくらいしたらどうなの?」コト
提督「コレ加賀姉ぇが作ったの?」
加賀「そうよ、感謝して食べて欲しいものね」
提督「いただきまーす」パクリ
提督「…何この味」もぐもぐ
加賀「はぁ…これだから味音痴は」
陸奥「コレ加賀ちゃんが作ったの?お姉さんにも食べさせて!」ヒョイパク
陸奥「…加賀ちゃん、何入れたの?」
加賀「え!?陸奥姉さんまで…」
榛名「ちょっと加賀?」
加賀「…なに?母さん」
榛名「砂糖の容器が空っぽなんだけど、なにに使ったの?」
加賀「…あ」
陸奥「ぷ」
陸奥「あははははははは!!今どき砂糖と塩を間違えるなんて加賀ちゃんは面白いわね!!」けらけら
提督「そんな一昔前の漫画じゃあるまいし」けらけら
加賀「違ッ…間違えただけ…!」
陸奥「ホント、加賀ちゃんはおっちょこちょいなんだからぁ」
提督「俺と陸奥姉ぇは味音痴だからこの料理の美味しさを教えてくれよ〜」けらけら
加賀「…頭にきました」
陸奥「私、東京の大学行くから」
榛名「やっぱり上京するの?東京に一人で大丈夫?」
陸奥「大丈夫よ、加賀ちゃんじゃあるましぃ」
加賀「…」
伊勢「陸奥ぅ〜お前東京行くのか〜、お父ちゃん寂しいよ…」
陸奥「土日には帰るようにするから」
提督「いつでも帰ってこいよ、陸奥姉ぇ」
陸奥「提督はどこの高校に行くの?」
提督「陸奥姉ぇと加賀姉ぇと同じ高校」
伊勢「まぁ…一番近い高校だし良いんじゃない?他の高校は列車で何時間もかかるからねぇ」
加賀「その前にアナタは高校に合格出来るの?毎日毎日ゲームして泣きついても助けてあげないから」
伊勢「なぁに言ってんだ加賀ぁ、高校受験期間に勉強方法わからないって陸奥と母さんに泣きついたのはどこの誰だよぉ〜」
加賀「なッ…!」
陸奥「ぷ」
陸奥「あははははははは!!!あったわねぇそんなコト!『姉さん…勉強教えて…』って提督が寝た後に来たのよ」けらけら
榛名「そんなに強がんなくていいのに…弱気な加賀でもお母さんは大丈夫です!」
加賀「違ッ…!たまたまわからない問題があっただけで…!」
提督「ふぅ〜ん」ニマニマ
加賀「何よその顔、頭にきました」
加賀「私も東京の大学行くから」
全員「ええええ!?」
伊勢「加賀も東京行っちゃうの!?」
榛名「加賀が一人で東京なんて…お母さんは大丈夫じゃないです!」
陸奥「どうする?東京来るならお姉さんと一緒に暮らす?」
提督「池袋は東が西武で西東武だぞ?」
加賀「ちょっと…!私を馬鹿にしすぎ」
全員「だって心配だもん」
加賀「頭に…きました」
榛名「提督も東京に行くのに憧れてるの…?」
伊勢「まぁ…子供たちの好きにさせようじゃないか、母さん」
提督「俺は父さんの酒屋継ぐつもりだけど…」
伊勢「て…」
伊勢「提督うううう!!!嬉しいこと言ってくれるじゃないか!!!さすが長男坊!!!」
提督「父さん暑苦しいよ」
加賀「この子に酒屋なんて務まるのかしら」
榛名・陸奥「…」じとーっ
加賀「…なに」
数ヶ月後
伊勢「ついに陸奥も明日この家を出てっちゃうのか…」
陸奥「いつでも帰ってくるって」
榛名「新幹線の切符はちゃんと持ってる?」
陸奥「財布に入れてるわよ」
加賀「このアホ弟を私一人で面倒見ないといけないなんて気が重いわね」
提督「素直に寂しいって言えばいいのに」
陸奥「大丈夫よ提督」
陸奥「昨日の夜、加賀ちゃんが東京行かないでって泣きついてきたから」
加賀「なッ…!」
伊勢「加賀はお姉ちゃんッ子だからね」
榛名「陸奥が東京に行くの一番嫌なのは加賀だもんね」
提督「なぁんだ、なら安心」ニマニマ
加賀「…頭にきました」
提督「…陸奥姉ぇがいなくなっただけで家の中が広く感じるな」
加賀「当たり前じゃない、姉さんは影響力大きいから」
提督「東京で上手くやってるかな」
加賀「陸奥姉さんなら大丈夫でしょう」
加賀「それよりアナタ、高校生活はどうなの」
提督「いい感じ、友達も出来たし」
加賀「姉の私には絶対恥かかせないことね、同じ高校通っているのだから」
榛名「あら加賀〜昔、陸奥がこんなこといってたわ」
加賀「え?」
陸奥『聞いてよ母さん、加賀が友達ができないから一緒にお弁当食べようって私の教室に来たのよー』けらけら
加賀「なッ…!」
提督「へぇ〜、陸奥姉ぇ卒業したけど今は誰と弁当食べてんの?」ニマニマ
加賀「友達とに決まってるじゃない!!」
榛名「友達できたのね…それならお母さんは大丈夫です!」ホロリ
提督「赤城くんの他に友達って誰かいるの?」
加賀「ぐっ…、頭にきました」
高校、屋上
赤城「加賀さんの今日のお弁当可愛いね」
加賀「赤城くんのこそ、自分で作ったのかしら」
赤城「そう!料理の出来る男を目指してるの!」
加賀「赤城くんらしいわね」
赤城「加賀さんも料理するの?」
加賀「えぇ」
提督「砂糖と塩間違えるけどな」
赤城「え?」
加賀「提督…!?いつの間に…」
加賀「てか、高校で私に恥かかせないでって言ったでしょ!!」ぐぐぐ…
提督「く…苦しいよ加賀姉ぇ…」
赤城「今どき砂糖と塩間違えるなんて、加賀さんも面白いね」
加賀「昔の話よ!昔の話!」
提督「昔ってったって、高2で砂糖と塩間違えるか?」
加賀「うるっさいわね…頭にきました…」
提督「赤城先輩は高校卒業したらどうするんですか?」
赤城「僕は隣町の大学に行くよ、地方の大学だけど就活にも強いらしいし」
加賀「赤城くん、あそこの大学に行くのね」
赤城「加賀さんは?」
提督「加賀姉ぇは東京の大学行くみたいですよ」
加賀「よ、余計なこと言わないの」
赤城「加賀さんも上京かぁ…卒業したら離ればなれだね」
赤城「やっぱり陸奥先輩が東京に行ったから?」
加賀「えぇ…まぁ、自分磨きも兼ねて…」
赤城「…加賀さんが一人で東京なんて、僕は心配だよ」
提督「ですよね!俺もそう思います!」
加賀「余計なお世話よ…」
数ヶ月後
陸奥「たっだいまー!!」
伊勢「陸奥お前!毎週帰ってくるって言っておきながら全然帰ってこないじゃんかぁ!!」
陸奥「当たり前じゃない!交通費だってバカにならないんだし!」
榛名「陸奥が元気、それならお母さんは大丈夫です!」
提督「どう?陸奥姉ぇ、東京は」
陸奥「楽しいわよ〜、カレシも出来たし」
伊勢・加賀「か、カレシぃ!?」
榛名「写メとかあるのかしら?」
陸奥「この人!長門くんっていうんだ!」
提督「おわ、めちゃくちゃイケメンじゃん!」
加賀「ほあぁ…」
伊勢「どんな男なんだ?長門くんとやらは」
陸奥「すごい誠実で真面目!みんなのリーダー的存在ね!」
陸奥「それでかつ純粋なの!東京の男って言ったらチャラいイメージあるけど彼は違うわ!」
陸奥「家でリス飼ってるし」
伊勢「おぉ、いい男じゃないか!今度ウチに連れて来なさい!」
榛名「真面目で素敵なのね!それならお母さんも大丈夫です!」
提督「へぇー、陸奥姉ぇは東京をエンジョイしてるなー」
陸奥「そういえば加賀ちゃん、東京の大学合格おめでとう!」
提督「残念ながら陸奥姉ぇとは違う大学だけどな」
加賀「別にいいわ、私のやりたいことは姉さんの大学ではできないし」
陸奥「私の大学落ちたときに泣きながら私に電話かけてきたのは誰だっけ?」
加賀「姉さん!!!!!」
陸奥「あははは!!加賀ちゅわんは本当に素直じゃないでちゅねー」
加賀「…」じっ
提督「なんだよ…あんときは加賀姉ぇ本気で落ち込んでたからイジリはしねーよ…」
加賀「…それはそれで頭にきます」
数年後
伊勢「よし提督!!こんな田舎町の酒屋の職員だが立派な社会人だ!ビシバシ教育するぞ!!」
提督「うっす!!オナシャス!!」
伊勢「うい、休憩入るぞ」
提督「ふぅ、疲れた…」
伊勢「お前高卒で良かったのか?大学行きたかったんじゃないのか?」
提督「んなこたねーよ、俺はずっとオヤジの酒屋を継ぐのが夢なんだから」
伊勢「嬉しいこと言ってくれるじゃないか、陸奥と加賀は上京しちゃったしな」
提督「俺はこの町が好きだからな」
伊勢「提督、お姉ちゃんたちと連絡とってるか?」
提督「ん?あんまり、陸奥姉ぇはたまにメールくれるけど」
伊勢「母さんも言ってるんだよ、陸奥はちゃんとメールや電話してくれるけど、加賀があまり連絡よこさないって…」
伊勢「俺は不安だな…」
提督「…俺、今度の休み東京行って姉ちゃんたちに会ってくるわ」
伊勢「そか、気をつけてな」
東京、とあるカフェ
陸奥「いたいた!提督ー!」
提督「おう陸奥姉ぇ!久しぶり!」
陸奥「元気そうね!」
提督「ごめんな、急に呼び出して」
陸奥「いいのよ、可愛い弟が東京に遊びに来たんだから!」
提督「どう?会社のほうは」
陸奥「忙しいけど楽しいわね!長門くんと同じ会社に入社出来たし!」
提督「へぇー、いつ結婚するんだ?」
陸奥「もぉ提督ったら!まだ早いわよぉ!」
提督「そうなの?」
陸奥「お互いまだ社会人になりたてなんだから、これからさらに大人にならないといけないのよ!」
提督「ほぉ、俺も働いてる身だからな、陸奥姉ぇを見習わなくちゃ」
陸奥「そういえばお父さんの酒屋はどう?」
〜
陸奥「アナタも地元で楽しそうにやってるのね!安心した!」
提督「オヤジもオカンも元気だよ」
陸奥「そかそか、お父さんとお母さんにもよろしくね!」
提督「…加賀姉ぇとは会ってる?」
陸奥「…私も加賀ちゃんにメールとか電話するんだけど、なかなか返信率悪くて…」
陸奥「私の家と加賀ちゃんの家は同じ東京っていっても離れているからなかなか会えなくて…」
陸奥「私は働いてるし、加賀ちゃんも大学行ってバイトもしてるみたいだし」
提督「今日、加賀姉ぇにも会いに行くつもりなんだ」
陸奥「連絡は取れたの?」
提督「最初は断られたけど、まぁイヤイヤ了承してくれたよ」
陸奥「ふぅん…加賀ちゃん、大学生になったらお姉さんには泣きつかないって言ったのよ」
陸奥「…本当に私に甘えなくなっちゃって…もしかしたら何か溜め込んでるかもしれない」
提督「…加賀姉ぇに会って、聞けたら色々聞いてみるわ、オヤジもオカンも心配してたし」
陸奥「お願いね、提督」
夕方
提督(うーん、加賀姉ぇとの待ち合わせ時間までまだあるな…)
提督(そこのファミレスで時間潰すか)
川内「いらっしゃいませー!お一人様ですか?」
提督「はい」
川内「でしたらすぐにご案内できますので…」
ガシャアァァァン!!!
提督「え?」
川内「な、なに!?」
山城「は、はあ!?アンタ何してくれんのよ!!」
加賀「も、申し訳ありません!!」
山城「これ高くてお気に入りの服なのよ!?こんなギトギトな料理ひっくり返してぶっかけてくれちゃって!!」
加賀「すみません!すみません!」
川内「あちゃあ…加賀さんまたやらかしちゃったか…」
提督「か、加賀姉ぇ…?」
山城「弁償しなさいよ!弁償!!」
加賀「すみません!すみません!」
山城「すみませんは聞き飽きたのよ!アンタじゃ話にならないから店長連れて来なさい!店長!!」
川内「あ…あー…」
提督「…ほかの店あたりますね」
川内「も、申し訳ありません!」
提督「いえいえ、こちらこそ冷やかしすみません」
提督「…」
提督「…」
提督(加賀姉ぇのあんな姿初めて見た…)
提督(…弟として、心が痛む…)
高雄「加賀さん、またやってしまいましたね」
加賀「申し訳ありません、店長」
高雄「もう4回目じゃないですか、料理ひっくり返すの」
加賀「手が震えてしまって…」
高雄「アナタはあがり症と言うか、緊張すると手が震えてしまうのよね」
加賀「ハイ…」
高雄「数ヶ月間、アナタの様子を見てきたけど…この仕事向いてない気がします」
加賀「…」
高雄「申し訳ないんですけどこれ以上は面倒見れないですね、今日まで働いた分のお給料は振り込んでおくので」
加賀「…いやっ…あの…」
高雄「なにか?」
加賀「…いや…お世話に…なりました…」
提督「…」
提督「…遅いな、加賀姉ぇ」
加賀「提督」
提督「うわ!?加賀姉ぇいたのかよ!」
加賀「久しぶりね、ずいぶん男らしくなったじゃない」
提督「…久しぶりだな、…バイトしてたのか?」
加賀「…えぇ」
提督「…」
提督「…どうだ?バイトのほうは」
加賀「…」
加賀「…ファミレスでバイトしてるんだけど」
加賀「…やっぱり東京のファミレスは忙しいわね、アンタじゃ務まらないわ」
提督「そか」
加賀「地元の田舎町に比べて東京という町は忙しいのよ、私だから適応できるのだけれど」
提督「そか」
加賀「アナタも東京に憧れた?でもやめたほうがいいわ、何故なら…」
提督「加賀姉ぇ、なんで泣いてるんだ?」
加賀「ッ…!」
加賀「…泣いて…なんかないわ」
提督「ホラ、ハンカチ」
加賀「いらない!泣いてないもの!」ぐすっ
提督「…」
加賀「…」
提督「…」
加賀「…」
提督「…強がんなよ、溜め込めば溜め込むだけ苦しくなるだけだ」
提督「陸奥姉ぇみたいに頼りにならないかもしれないけど、弟を頼りにするのもアリだろ」
提督「姉弟なんだから」
加賀「…」
加賀「…うっ…」ぐすっ
加賀「て…提督ぅぅぅぅ…」ぎゅう
提督「おしおし、ツラかったんだな」なでなで
加賀「…大学では友達できないし…」
加賀「バイトでは失敗ばっかり…」
加賀「人がたくさんいる東京で人を避けて生きる毎日…」
提督「うんうん」
加賀「陸奥姉さんに憧れて」
加賀「アンタに強がりを見せたくて…」
加賀「高いプライドだけ持って東京きたけど、自分一人じゃ何もできない」
加賀「私はそんなダメな人間なの」
提督「そかそか」
加賀「滑稽よね、笑ってちょうだい」
提督「…」
提督「あははははははは」けらけら
加賀「…」
提督「加賀姉ぇ、東京行っても変わってなくて安心したよ」
加賀「…え?」
提督「加賀姉ぇの言う通り」
提督「加賀姉ぇは無駄に強がりだし、一人じゃ何もできないから陸奥姉ぇやオカンを頼ってばっかり」
提督「幼稚園のときから変わってないよ」
加賀「…」
提督「そんな加賀姉ぇが東京で一人で暮らせるわけないじゃん」
加賀「…」
加賀「…じゃあどうしたらいいの」
提督「帰ろうよ、俺らの家に」
提督「東京よりオヤジとオカンがいる家のほうが楽しいだろ?」
提督「俺もいるし、好きなときにいじめることができるぞ」
提督「また田舎でのんびり暮らそうぜ」
加賀「…」
加賀「…」
提督「あの小さな町にはこのデカい東京より、加賀姉ぇを受け入れてくれる人がたくさんいるよ」
提督「そうだろ?」
加賀「…」
加賀「…うん」
ぎゅう
提督「うん?どうする?」
加賀「…帰りたい」ぐすっ
提督「…よし、決まりだな」
〜
加賀「…ふぅ」
提督「どう?落ち着いた?」
加賀「…」ジロッ
提督「な、なんだよ…」
加賀「アンタに泣き顔を見られるなんて大失態ね」
提督「…はは、調子戻ってきたな」
加賀「…」ムスッ
提督「…こんな外で立ち話もなんですし、加賀姉ぇの家に行きましょうか」
加賀「…断るわ、そこらのカフェで十分でしょう」
提督「どーせ、部屋が散らかってんだろ?」
加賀「…っ、綺麗に片付けてるに決まってるじゃない」
提督「嘘コケ、何年加賀姉ぇと暮らしてきたと思ってるんだ」
提督「脱いだ服は脱ぎっぱなし、読んだ本は出しっぱなし」
提督「よく陸奥姉ぇが片付けてたぞ」
加賀「…」
提督「なんなら今から陸奥姉ぇも呼んで部屋を片付けてもらおうか?」けらけら
ゲシッ
提督「いって!」
加賀「頭にきました」
加賀姉ぇアパート
提督「なんだ…意外と片付いてるじゃん」
加賀「ヅカヅカ入り込んで勝手にくつろぐなんて…図々しいにも程があるわ」
提督「…コンビニ弁当の容器ばっかり…ちゃんと料理して食えよ加賀姉ぇ、体に毒だぞ」
加賀「余計なお世話ね、だから今こうして料理してるんじゃない」
加賀「アナタの為にね」ジロッ
提督「ハイハイ、あんがとさん」
提督「砂糖と塩間違えんなよ?」
加賀「…」じとーっ
提督「おい前みろ前!焦げるぞ!」
加賀「焦げたのは弟が処理してくれるわ」
提督「頼もしい弟がいるんですね」
〜
提督「ほぉ、見た目は良いね…焦げもないし」
加賀「失礼ね、さっさと食べたらどうなの」
提督「ヘイヘイ、いただきまーす」ぱくり
加賀「…」ジーッ
提督「…なんだよ」
加賀「感想くらい言ったらどうなの?」
提督「…ぶっちゃけさぁ」
加賀「え…マズイ…かしら?」
提督「料理に関しては陸奥姉ぇより加賀姉ぇのほうが上手いんだよな」
加賀「…え」
提督「加賀姉ぇの料理の腕はピカイチだよ、砂糖と塩を間違えなければな」
加賀「…」
提督「…ごめ、余計な一言が…」
加賀「ふふっ」ナデナデ
提督「え!?なに!?なんで撫でられてるの!?」
加賀「流石に気分が高揚します」
能代「…」
提督「能代…ヨダレ垂れてるぞ」
能代「加賀さん!いや、加賀姉さん!私にもナデナデしてください!!」
加賀「イヤよ、ヨダレが汚いし」
提督「加賀姉ぇのクールビューティーの裏にはこんな一面があったとはな」
能代「強がり加賀姉さんの弱い一面!キュンと来ます!」
提督「東京で大失敗した加賀姉ぇ、地元に戻ってうまくやれるのでしょうか」
能代「…姉萌えの真骨頂も最後なんですね…」
提督「さぁ、行ってみよう…ここからが加賀姉ぇの姉萌えの真骨頂だ!!」
能代「はい!いきましょう!!」ジュルリ
加賀「うわホントに汚い」
10年後の元旦
明石「ほぉら、あなた起きて!」
提督「んあ…もうこんな時間か…」
明石「お姉さん夫婦が遊びに来るんですよ、私はお母様のお手伝いをしますからね」
提督「オヤジに昨日も働かされたから疲れたよ…」
伊勢「文句言うな、実家暮らし」
提督「自営業なんだから仕方ないね」
ガチャ
加賀「ただいま」
榛名「あ、来たみたい」
ドタドタドタ…
暁「おばあちゃーん!」
榛名「あら暁ちゃん!明けましておめでとうございます!」
暁「明けましておめでとう!おじいちゃんもおめでとう!」
伊勢「よく来たねぇ、明けましておめでとう」
暁「見てみて!このアクセサリー、ママに買ってもらったんだ!」
榛名「あら似合ってるわね!お姫様みたい!」
暁「えへへ〜」
伊勢「ゆっくりしていきなさい」
暁「あ!提督お兄ちゃん!」
提督「おう、あけおめ!」
暁「あけおめ!」
提督「元気そうで何よりだね、ママは怒ってばっかりかな?」
加賀「娘に変な事言わないでくれるかしら」
提督「加賀姉ぇ、久しぶり」
加賀「久しぶり、明石さんには迷惑かけてない?デリカシーの欠片もないあなたは知らずのうちに女性を傷付けるからね、離婚を切り出されないように頑張る事ね」
提督「新年一発目からそんな話かよ…」
暁「なんの話?」
提督「暁ちゃん、お年玉をあげよう」
暁「え!?ありがとう!」
加賀「え?いくらもらったの?ママが預かろうか?」
暁「やだ!」
提督「ママに渡すと使われちゃうよ〜」
暁「頭にきます!」
提督「ははは!ママの真似うまいねぇ」
加賀「…」
赤城「お父様、お母様、ご無沙汰しております、明けましておめでとうございます」
榛名「赤城くん、明けましておめでとう!くつろいでいってくださいね」
伊勢「さらに男らしくなったんじゃないか?今夜はたくさん飲もうじゃないか!」
赤城「お父様の作るお酒は美味しいですから楽しみです!」
提督「先輩!俺の酒も飲んでくださいよ!」
赤城「提督くんももう一人前かな?」
伊勢「まだまだ!このヒヨッコに店は任せられないよ!」
加賀「明石さんはお子さんの予定は?」
明石「えへへ、そろそろ考えてます」
加賀「わからない事があったらなんでも聞いていいわ」
明石「ありがとうございます!」
暁「おばーちゃーん、遊ぼうよー!」
榛名「今行きますよ〜」
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