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    元スレ京太郎「男子チャンピオン?」

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    151 = 1 :

    京太郎「あの…すみません」

    「はい?」

    穏乃「誰ですか?」

    穏乃「男の人…?」

    京太郎「清澄高校の者ですが…」

    「ああ!和の学校の人ね!」

    穏乃「何だあ、びっくりした」

    京太郎「それで…和さん達はどこにいるか探しているのですが…」

    「清澄高校なら、あっちにいるわよ」

    穏乃「私たちが案内するよ!」

    152 = 1 :

    京太郎「決勝戦は…すごかったですね」

    「まあ、優勝は出来なかったけどね~」

    穏乃「惜しくも>>154位…悔しいけどなあ…」

    「シズが一番頑張ってたじゃない。それに比べてあたしは…」

    京太郎「全国の決勝戦ですよ?すごいじゃないですか」




    阿知賀は何位だった?

    2位3位4位のどれかでお願いします。

    154 :

    最下位位

    155 = 1 :

    「来年!来年こそ!」

    穏乃「だけど…先輩たちは…」

    「悔しいけど、仕方ないわ」

    「シズは、悪くない。じわじわと失点をした、あたしが…」


    やり難い。実にやり難い。
    最下位、というと聞こえは悪いが、全国の女子高生の頂点に位置する卓である。

    そこに辿り着いた時点で、十分誇れるじゃないか、誇れ、奢れ、威張り散らしてやれ。

    待て待て、底辺根性丸出しじゃないか。

    自分よりずっと麻雀が強く、向上心があって、いい意味で意識の高い彼女達と自分を対比するのは、まだ無理がある。

    まずは自分が出来ることから、日々コツコツ練習だ。

    そうすれば、もしかしたら、自分もあの老人の様に、運が掴めるかもしれない。

    万が一の可能性に賭ける、わくわくして来た。

    156 = 1 :

    「あら、須賀君、大丈夫だった?」

    まこ「よくなったか?」

    やっと部長に会えた。
    彼女達に案内を頼まなければ、こうすんなり見つからなかっただろう。
    まずは事務連絡…

    京太郎「何とか。申し訳ありませんでした」

    まこ「災難じゃったのう」

    「びっくりしたわよ、いきなり変な人が私の携帯に電話を掛けて来るんだもの」

    まこ「なーにがびっくり、じゃ。1万点も稼ぎおって」

    「ええ、このくらいで動揺するようじゃ、清澄高校麻雀部部長は務まらないわよ」

    まこ「相変わらずじゃのう」

    京太郎「それを聞いて安心しました」

    まこ「おいおい、お前さん、ワシは随分と胆冷やしたんじゃよ?」

    「前半戦は酷かったものね」

    まこ「部員が1人ぶっ倒れたんじゃ。心配もするじゃろ」

    京太郎「すみませんでした…」

    まこ「ええ、ええ、元気そうで何よりじゃ」

    157 :

    やっぱりまこさんは聖人だったか

    158 :

    病み上がりの人間に買い出し行かせる部長との差

    159 :

    優希「京太郎!モグモグ…心配したじぇ!」

    優希「全く、犬のクセに大事な時にぶっ倒れるとは、使えない犬だじぇ!」

    優希?

    大丈夫…なのか?

    あれだけボコボコにされたのに…全く、いつもと…

    京太郎「ああ、ホテルに帰ったらタコス作ってやるから、あまり食い過ぎるなよ」

    優希「タコスは別腹だじぇ!」

    なんだ、いつもの優希じゃないか。

    安心した。

    京太郎「ああ、部長、買い物は全部ホテルに置いてあります」

    「ありがとね、須賀くん」

    「さあ~今日はお祝いよ!」

    ああ、めでたい、めでたい。
    さて、何から食べようかな…?

    優希「…どうしてだじぇ」

    優希「…」

    ん?

    京太郎「どうした?」

    160 = 1 :

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    「あの人?和の言ってた…」

    穏乃「うん、でも、全然そんな人には見えなかったけど…」

    「どうせお堅い和のことだから…」

    穏乃「でもね…」

    穏乃「正直、普通の人だとは思うよ?私は」

    「うん、そうだね…」

    穏乃「あっ、やっと話が終わった」

    「本当?」

    「おーい!ハルエー!」

    162 :

    心なしか、苦しそうである。

    京太郎「どうした?食べ過ぎで具合が悪くなったか?」

    すると、突然、彼女は目から大粒の涙を溢れさせた。

    優希「情けないじぇ…」

    京太郎「情けないって…」

    優希「自覚しているじぇ、先鋒の役目をまるで果たしていなかった事ぐらい」

    京太郎「おいおい、あんな化け物、よく持ち堪えたよ」

    優希「マイナスだじぇ…自分だけ」

    励ましの言葉は見つからなかった。
    さっきまで、見上げることすらできない遥かな高みで戦いを繰り広げていた1人の女の子に、自分が何を言えるのだろうか。

    京太郎「元気出せよ、ほら、な?」

    京太郎「ゆーきは頑張った。また来年も頑張ればいいじゃんか」

    優希「この面子での勝負は一度きりだじぇ…そこで、勝ちたかったんだじぇ」

    成る程…今年の全国大会決勝、先鋒戦はもうこれっきりである。
    一期一会の勝負は取り返しがつかない。負けた時のモヤモヤと一生付き合って行くしかないのだ。

    「おーい!ユーキ!早く来なよ!タコスがあるよー!」

    「…?何で泣いてるの?まさか…そこの男に泣かされたの!?」

    「この金髪不良男め!ユーキをいじめるな!」

    そういうお前も立派な金の御髪をお持ちじゃないか。

    163 = 1 :

    誰だ、ああ、白糸台の大将だったか。

    確か一年生だったけ。

    京太郎「誤解ですよ…」

    「嘘つくな!不良め!どうやってここに来た?答えろ!」

    京太郎「ゆーきと同じ学校の者ですよ…一年の」

    「呼び捨て?馴れ馴れしい!」

    馴れ馴れしいのはお前だ。

    「おい淡、いい加減にしないか」

    うるさい、うるさい。あんまり騒ぐなよ…
    うわあ、白糸台の部長さんまで来ちゃったよ…

    「だってスミレ!ユーキが泣いてるの!」

    「だからってなあ…」

    優希「淡ちゃんは優しいじぇ、でも、勝手に自分で泣いただけだじぇ、犬は関係ないじぇ」

    「むむっ、本当に?」

    優希「本当だじぇ」

    「つまり、そういうことだ。すみません、うちのが迷惑をかけて…」

    京太郎「いえいえ、個性的な人が沢山いて楽しそうですね」

    「褒め言葉とは受け取らないでおく…」

    苦労してるんだなあ…この人も…

    164 :

    この集まりの中にヒロインはいるんだろうか

    165 = 1 :

    つか、犬って呼称がこいつらの中では一般化してんのか。

    なんか嫌だなあ。

    「んん…照は…ああ、まだ妹さんと」

    見ると、どうやら咲は自らの姉と和解を果たした様だった。

    ハッピーエンドは悪くないじゃないか。

    晴れやかな顔をしている。

    あんな顔をした幼馴染を見るのは初めてだ。

    京太郎「良かったですね…あの二人も」

    「やっと、普通の姉妹に戻れた様な感じがするな」

    全国大会で繰り広げられた、最強姉妹の和解の物語。
    まるで、出来過ぎの三流漫画やアニメを見てる様な気分だ。

    166 = 1 :

    「さて、私はこのバカを連れて帰るとするよ」

    「バカとは何よ!」

    「大バカだ。見ず知らずの人に喧嘩をふっかけて」

    京太郎「いえいえ、気にしてないですよ」

    「おい、そこの不良!邪魔が入ったけど、次はとっちめてやるわ!」

    「名前は!?」

    京太郎「須賀、です。清澄高校一年の」

    「スガ!覚えておくわ…」

    忘れてくれ。一刻も早く忘れてくれ。

    何故名乗った、俺のバカ…

    167 = 1 :

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    ふう、食った食った。

    ご馳走をたらふく腹に詰め込んでやった。

    まとめ食いは太る、なんて話も聞いたことはあるが、気にしない気にしない。まだ高校生である。

    トイレに行ったら少しスッキリした。

    手を洗い、トイレから出た。

    ん?メールだ。部長からか。

    先にホテルに帰る、か。

    今日は休んでいい?いや、タコスを作る約束をしていた。

    その旨を連絡して…
    今話題の歩きスマホである。

    ドカッ

    >>170「きゃっ…」

    >>171「大丈夫?」

    京太郎「ああっ…すみません!」



    団体戦に出ていた誰かでお願いします

    168 :

    明華

    169 :

    170 :

    揺杏

    171 :

    シロ

    172 :

    ハオ

    173 = 171 :

    しまった決勝だけか
    それなら明華で

    174 = 170 :

    すまんありなら憧で

    175 :

    やばい、誰かとぶつかってしまった…
    歩きスマホはやはり危険だった。

    京太郎「あのう…怪我はありませんか?」

    「歩きスマホは危ない。須賀君」

    京太郎「…!!!!」

    嘘だろ?

    いや、嘘じゃなかった。

    目の前に立っているあれは…

    京太郎「ああ…うああ…」

    さっき用を足したはずなのに、また尿意がこみ上げて来た。

    京太郎「すみませんでした!すみませんでした!」

    土の下(カーペットが敷かれているが)に座る。見事なDOGEZAだ。

    それ以前に、腰が抜けていたので、座り込んだその場で頭を下げるしか無かったのだ。

    176 = 1 :

    すみません、安価を間違えました…
    シロはこの後出すので、ひとまずこのまま進めてもよろしいでしょうか…?
    申し訳ありませんでした。

    178 = 1 :

    揺杏「ちょっと、謝るのはこっちの方じゃないの?」

    京太郎「あうっ…」

    揺杏「ビビり過ぎじゃね?」

    揺杏「面白いね、君、何年?どこの学校?」

    京太郎「すみませんでした…」

    揺杏「教えてくれないと、返してあげないよ?」

    京太郎「うう…」

    揺杏「早く」

    京太郎「清澄高校一年の…須賀です」

    揺杏「はあ、清澄の男のマネージャーさん?ふうん、須賀、ねえ」

    揺杏「一応言っとかなきゃね、優勝、おめでとう」

    京太郎「ありがとうございます」

    揺杏「君は打ってないでしょ」

    京太郎「あ…」

    揺杏「やっぱ君面白いね」

    「あまりいじめるのはよくない」

    揺杏「はいはい、分かりました、チャンピオン様」

    「チャンピオンは妹。私はもう違う」

    揺杏「団体戦でちょっと負けただけじゃないですか…まだ個人戦残ってますし」

    揺杏「(めんどくせー)」

    179 = 1 :

    京太郎「ところで…照さんはどうして?」

    揺杏「ああ、トイレから出て来たら、なんか迷ってるみたいだったからね」

    京太郎「似るもんですね…姉妹で」

    揺杏「どっちも化け物ってことには変わりないけど」

    揺杏「あと、いい加減立ったら?」

    京太郎「あっ」

    揺杏「君のことは覚えておくよ。それじゃあ、宮永さん、行きましょう」

    「うん」

    「須賀君」

    なんだ、急に。

    京太郎「なんですか?」

    「咲を…ありがとう。私はずっと…」

    京太郎「…」

    揺杏「ほら、行きますよ、白糸台の皆さんを待たせているんですよね?」

    「うん」

    京太郎「それでは、また」

    「色々聞かせて、咲のこと」

    京太郎「はい」

    180 = 1 :

    結局、自分は床に座ったまま会話していた。

    情けないな、全く。
    膝を払って、ゆっくり立ち上がった。

    今は、夜9時半ぐらいだろうか、門限は確か10時までだったから、急いでホテルに戻らなくてはいけない。

    自動ドアから、外に出るとコンクリートジャングルが昼間に溜め込んだ熱が暖めた空気が、むあっと肌に触れる。

    長野は夜になると、涼しい風が吹き込み、火照った身体を冷やしてくれるが、東京は昼も夜も容赦が無かった。

    そのまま、歩道を歩く。
    眠らない街はまだまだ夜はこれからとばかりにあちこちを光らせている。

    少し、喉が渇いた。

    塩辛いご馳走を沢山食べたせいか、この暑さのせいか、喉の奥はカラカラになっている。

    パスの入っていたポケットとは逆のポケットでは小銭がチャリチャリ自分を使え、と主張している。

    ひとまず、自動販売機を探す。

    181 = 1 :

    小さな公園があった。

    都会のオアシス、とも取れるだろう、緑地がビル街にポツンとある様子は、まさしくそれだ。

    その公園の奥まった場所に、お目当ての自動販売機があった。

    小銭を入れ、ゴトリと缶にはいった飲み物が出て来る。

    プルタブを起こし、中の液体を流し込んだ。

    近くにベンチがあったので、少し腰を下ろすことにした。


    ???「ダル…」


    変な塊がベンチに乗っかっている。

    白い。

    182 = 1 :

    人、なのだろうか。

    つついてみても、微動だにしない。

    京太郎「あの~、大丈夫でしょうか?」

    ???「ダル…」

    顔をこちらに向けた。

    女子、か?
    この公園は、会場からも近い。大会に出ていたのだろうか?

    京太郎「インターハイの関係者ですか?」

    シロ「…宮守女子…3年…シロ」

    京太郎「ああ、二回戦の時の…」

    京太郎「というか、そろそろ戻らないと!門限ですよ…」

    京太郎「行きましょう!宿舎は何処ですか?」

    シロ「ダル…」

    京太郎「う、動かない」

    京太郎「だ、誰か…」



    >>185「あかん!こんな時間までブラブラしてもうた…」

    >>186「早う帰らんとな」



    人物安価は関西限定(ウエストジャパンリミット)でお願いします。

    183 :

    ネキ

    184 :

    セーラ

    185 = 170 :

    ゆーこ

    186 :

    ネキ

    187 = 1 :

    あれは…確か姫松高校!

    洋榎「あんたら食い過ぎや…」

    絹恵「せやかて、こんなご馳走久しぶりやお姉ちゃん」

    由子「美味しかったのよー」

    「うっぷ…」

    洋榎「吐いたらあかんで…」

    「は、はい」

    京太郎「あのっ、すみません!」

    恭子「何や?」

    京太郎「清澄の須賀、と申しますが、少し力を貸して頂けないでしょうか?」

    恭子「清澄…?あっ…」

    洋榎「あっ」

    恭子「うう~…」

    洋榎「あかんて、あかん」

    由子「いかんでしょー」

    京太郎「?」

    京太郎「とりあえず、こっちに…」

    絹恵「わかったわ、お姉ちゃん行ってあげよ」

    洋榎「うん…」

    188 = 1 :

    京太郎「あっちで人が…」

    京太郎「確か、宮守女子の…」

    恭子「あれ?タンマの人やん」

    洋榎「ああ、あのダルそうな毛玉か」

    絹恵「毛玉って…」

    京太郎「ずっと、倒れてるんです」

    洋榎「倒れてるというか…あれは動かないだけや」

    京太郎「門限め近いんで俺が運ぼうと思ったんですが…」

    由子「そーゆーわけにもいかんしねー」

    京太郎「なんとか、出来ませんか?」

    洋榎「うーん…」

    洋榎「絹!」

    絹恵「何?」

    洋榎「おぶってったれ、宮守の人を。鍛えてたから平気やろ」

    絹恵「ええ~…お姉ちゃん、そりゃ無茶や」

    洋榎「いけるやろ、おぶったれおぶったれ」

    恭子「確か、宮守の宿舎はここから近かった筈や」

    恭子「清澄と、うちらの宿舎も近いから、丁度良いわ、これも何かの縁やしな」

    洋榎「歯ぁガチガチいうとるで」

    恭子「うう…」

    由子「あれー?この人、なんか様子がおかしいのー」

    恭子「せやかて…ん?」

    恭子「やばい!この子軽い熱中症起こしとる!」

    恭子「絹ちゃん!急いで運んだれ!」

    絹恵「は、はい!」

    恭子「漫ちゃんはそこの自販でスポドリ買って!あと、濡れタオル!水道でハンカチ濡らして来てや!」

    「はい!」

    シロ「」プシュー

    189 = 1 :

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    豊音「あ、ありがとうございました!」

    洋榎「ええ、ええ。それよりシロちゃんは?」

    シロ「…何とか」

    洋榎「大事にならなくて良かったわ…」

    恭子「ありがとな、二人とも」

    「はい!」

    絹恵「それで…他の方々は…」

    豊音「みんな、シロを探しに行ったよー」

    京太郎「とりあえず、豊音さんが預かっていたケータイで、連絡はつきました」

    豊音「ごめんねー…私がケータイ使えないばっかりに…」

    洋榎「じゃあ何で留守番役なんや?」

    豊音「私も迷子になっちゃうからだよー」

    恭子「ミイラ取りがミイラに…って奴やな」

    「ああ、来ましたよ!」

    洋榎「良かったわ~、やっぱり人助けはええな」

    由子「なにもしてないけどねー」

    洋榎「やかましいわ!」

    190 = 1 :

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    結局、あの後また姫松と宮守女子のご歴々につかまった。
    姫松のお姉さんの方の話を切り上げられず、ついつい残ってしまった。

    おかげで、熱帯夜の東京を、ホテルまで全力疾走する羽目になった。

    入り口封鎖まであと一分という綱渡りである。

    汗がダクダクと溢れ、目の前が霞んで見える。

    ありゃ。

    >>193「大丈夫ですか…?なんだかフラフラして…」


    人物安価です
    個人戦団体戦問わず全国大会出場者限定で

    191 :

    192 :

    藤原

    193 :

    はお

    194 = 193 :

    郝慧宇です
    ハオ・ホェイユー

    195 = 1 :

    むむむむ…

    はっ…

    いけない、意識が飛んでいた。

    ハオ「あの…汗だくみたいですが…」

    京太郎「ああ、ちょっと走って来たもので…」

    ハオ「お水、飲みますか?」

    京太郎「いえ、というかそれは…」

    ハオ「はい、私がさっき買って来たものです」

    ハオ「お水はまた買えばいいです。それより早く…」

    京太郎「すみません…」

    ゴクリ


    命の水である。
    頭の中で、髭に火縄を編み込んだ大海賊と、望みのものを見つけるコンパスを持った一匹狼の海賊がサーベルで戦っている。


    京太郎「い、生き返る…」

    ハオ「500mlが一瞬で…」

    京太郎「ああっ、すみません、お金は…」

    確かさっき自販機で飲み物を買った時のお金がまだ残っていた筈である。

    196 :

    ハオ「結構です。まだお金、あるんで」

    京太郎「いや、でも…」

    京太郎「とりあえず受け取って下さい…110円ですかね?」

    ハオ「だから…あくまで私があなたにあげた、んですからお金を渡す必要はないです」

    ハオ「いりません…」

    このままでは自分の気がすまない。

    いきなり目の前に走り込んで来た汗だくでフラフラしている人を見たら、誰だって水を渡したくなるだろう。

    京太郎「でも…」

    智葉「おい、遅いな、そろそろ就寝時間だぞ」

    ハオ「すぐに行く」

    ハオ「じゃあ、そういうことで。須賀くん」

    京太郎「え?なんで俺の名前を…」

    ハオ「そこにパスが落ちてた。じゃあね、清澄高校一年須賀京太郎君」

    京太郎「ええ~?」

    あ、パス拾わなきゃ。

    197 = 1 :

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    京太郎「部長!須賀です!」

    「今日は休んでって言わなかった?」

    京太郎「いえ、タコス作りに来ました」

    京太郎「というかメールしましたよね?」

    優希「約束したじょ、作ってくれるって」

    京太郎「つかあれだけ食ってまだ食うのか?」

    優希「犬のタコスは別腹だじぇ!」

    「じゃあ入って」

    まこ「もう10時過ぎじゃぞ…今から食べるのか…」

    198 = 1 :

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    京太郎「おっしゃ、出来たぞ」

    優希「ありがたく頂くじぇ!」

    ムシャムシャ

    京太郎「おかわりもあるからな~」

    優希「…!!…!」

    ダメだ、タコスに夢中だ。

    まこ「にしても、やけに来るのが遅かったのう」

    京太郎「ああ、途中色々あったんで…」

    京太郎「というか残りの一年2人は何処行っちゃったんですか?」

    「ああ、個人戦の研究がしたいってことで別室の自動卓へ行ったわ」

    まこ「24時間解放とは便利じゃのう」

    「流石にそこまで使い倒す学校はウチくらいだと思うけどね」

    京太郎「いや、改めて…」

    まこ「なんじゃい、改まって」

    京太郎「優勝、おめでとうございます」

    199 = 1 :

    「正直今でも信じられないわ…」

    まこ「この半年?いや、もっと短いか、あっという間じゃったのう」

    「さしずめ、私はセミといったところかしら」

    まこ「短い命じゃな」

    「麻雀部を次世代に繋げることができただけで万々歳よ」

    「きっと来年は入部希望者で溢れかえるわね」

    京太郎「いや…うん…そうですね」

    優希「いただきました!美味しかったじぇ!」

    京太郎「あれだけ作ったのに、もう食い終わったのか…」

    優希「朝飯前だじぇ!」

    京太郎「寧ろ夜食だろ」

    まこ「はっはっは!」

    まこ「わしらの戦いはここまでじゃ、次は一年の出番じゃのう」

    「何やり切った感じ出してるのよ、まだ来年があるじゃない」

    まこ「じゃがのう…正直ワシが部長ってイマイチ実感が湧かんのじゃ」

    「そんなもの慣れよ、慣れ。部長らしく振る舞えば部長になれるわよ。次なる目標は連覇よ」

    まこ「よく分からんのう…」

    200 = 1 :

    京太郎「あのう…」

    まこ「どうした?」

    京太郎「今から…打ちませんか?」

    いきなり何を言い出すんだ、俺は。
    今から打つって…

    ただ、何と無く口が動いてしまった。
    今日一日、学んだことを試してみたいという気持ちが強かったのだろうか。

    気が付くともう一度口を開いていた。

    京太郎「お願いします!」

    優希「ええ?」

    京太郎「24時間空いてるんですよね?」

    「もう11時近いわよ…」

    まこ「何か観戦してて得たもんがあったのか?幸いにも明日は移動&休養日じゃし、半荘一回ぐらいなら考えんでもないぞ、なあ?」

    「むむ…眠いけど…いいわ、かわいい部員が頼みだもの、聞いてあげなくっちゃ」

    「それにこの9日間、倒れるくらいまで色々頑張ってくれたし」

    優希「分かった、じゃあいくじぇ!」

    まこ「決まりじゃな」


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