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    元スレ京太郎「男子チャンピオン?」

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    103 :

    プルルル

    チャ「あっ、すみません」

    チャ「はい。あっ、それマジ?あっ、うん、うん、分かった」

    チャ「こりゃあ、失敬、急いで向かいます」

    ガチャ

    京太郎「どうしたんですか?」

    チャ「急用が出来た。すぐ戻るから、ちょっと先生と三麻してて」

    大嶋プロ「おいおい、何処行くんだ?」

    チャ「ちょっと言えないとこ」

    チャ「失礼!」

    104 :

    京太郎「行っちゃった…」

    雀荘主「いきなりいなくなるとはひどいな」

    京太郎「はい…」

    大嶋プロ「まあ、とりあえず打ってみようか、三麻用の卓もあったな?確か」

    雀荘主「はい、確かこの辺に…あったあった」

    雀荘主「買ったのはいいんですが、東京じゃ三麻の営業が出来ないんですよね」

    雀荘主「それぞれの卓でやってもらうのもいいんですが、わざわざ雀荘に三麻を打ちにくる人もそうそうおらんでしょう?」

    大嶋プロ「確かにな…だが三麻は麻雀の勉強には最適だ」

    大嶋プロ「関西の方に行けば、三麻専門の雀荘まであるくらいだ」

    なるほど、それは初耳だった。
    プロ、それもレジェンド相手に打つのは緊張したが、思ったよりもフレンドリーに接してくれるのはありがたかった。

    105 :

    部長からしてみたら試合前に後輩がぶっ倒れたとか集中を欠くニュース食らったんだよな。ひでえ話だ

    106 :

    >>105
    京太郎が倒れたなんて聞いた程度部長が動揺するなんてSOA

    107 :

    大嶋プロ「それじゃあ、リャンシバナシナシでいいかな?」

    京太郎「はい、お願いします。確か三麻はチーは無しですよね」

    大嶋プロ「ああ、間違えない様にな」

    京太郎「でも、一翻ではなく、二翻ないとダメなんですね…」

    大嶋プロ「幺九牌の比率が高いからな、一翻だと寝ててもアガれてしまう」

    京太郎「成る程…つまりそれだけ一回ごとの点数移動が多くなるんですね」

    大嶋プロ「その通り、では始めるか」

    京太郎「よろしくお願いします!」

    雀荘主「宜しくな」

    108 :

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    負けました。
    流石レジェンド、アガれないアガれない。
    ちょっと気を抜いたらすぐに振り込んでしまう。
    手牌や安牌もめまぐるしく変わり、何が何だかわかりゃしない。

    頭の中がぐちゃぐちゃである。

    せっかく覚えた、麻雀のイロハをまるで生かせなかった。

    109 :

    大嶋プロ「ははは、やはり最初は難しいな」

    京太郎「全く、手も足も出ませんでした」

    雀荘主「筋はいいんだけどねえ…ちゃんと毎日麻雀見てるでしょう」

    大嶋プロ「やはり、な」

    京太郎「…?」

    大嶋プロ「まず聞くが、最終的に君はどのくらいまで強くなりたい?」

    110 :

    咲達とやりあいたいな

    112 :

    それ男子チャンピオンより厳しい説ある

    113 :

    咲たちと楽しく麻雀だとどんくらいなんだろうね

    114 :

    >>113
    少なくとも東場の優希よりも早く、和のデジタルをかわしつつ、咲の嶺上牌で和了れるくらいにならないと無理

    115 :

    >>114
    厳しい

    116 :

    また暫く打った。
    四局くらい打って、やっと、自分に正直になれた。
    大嶋プロは、強い。
    努力、努力をすれば大嶋プロの様に女子にも通用するんじゃないか。

    話を聞いてみたくなった。

    京太郎「強くなりたいです」

    京太郎「女子にも勝てるように、強くなるには、どうすればいいんですか?」

    京太郎「大嶋プロは…どのようにして、女子プロと…」

    大嶋プロ「…」

    大嶋プロ「私から一回もアガれない様じゃ、女子には勝てないな」

    大嶋プロ「まずは私相手に、アガってみたまえ。そうしたら、ヒントを教えないでもない」

    117 = 1 :

    正論だ。
    彼女達は、普通に麻雀を打っても強いのだ。
    自分の力量は、その普通にも達していない。

    当たって砕けろ、まずは一回。



    あれ?


    これは…え?


    待て待て、まだ自分は一回もツモっていないし、鳴いてもいない。



    地和?

    118 = 1 :

    今手に持っている牌はアガリ牌である。

    京太郎「地和…です」

    雀荘主「ほほう…」

    大嶋プロ「すごいな…」

    雀荘主「いやいや、久しぶりに見たよ、三麻だが」

    京太郎「それで…どうして大嶋プロは…」

    大嶋プロ「うん、ズバリ、運だ」

    119 :

    京太郎「はい?」

    大嶋プロ「運だよ。今君が地和をアガったのと同じ様に、私も運で勝ち上がったのだ」

    大嶋プロ「私よりも打ち回しのうまい奴なんていくらでもいたさ。だが私だけ勝った」


    おいおい。
    いくらなんでもあんまりだろう。
    運?そんなことは知っている。
    その運をこちらに引き寄せる為にはどうすればいいのか、それが聞きたかったのだ。

    京太郎「ですが…俺は大嶋プロから一度もアガれませんでした」

    120 :

    麻雀なんてつきつめればただの運ゲーだもんね
    仕方ないね

    121 = 1 :

    大嶋プロ「人事を尽くして天命を待つ、という言葉を知ってるかね?」

    京太郎「はい…」

    自分は、ずっとスポーツをやって来たから、その言葉の意味をきちんと理解しているつもりだ。

    確かに運が勝負を分けることがあっても、不断の努力がなければ、運すらつかめない。

    つかむ資格は無い、という言葉だ。
    努力し、信ずれば必ず報われる。

    そう認識している。

    大嶋プロ「恐らく、勝負事には運が絡むことがあっても、研鑽を積まねば運すら掴めない、と考えているだろう」

    大嶋プロ「いつか報われる、とも思っている」

    大嶋プロ「しかしだな、須賀君」

    大嶋プロ「彼女達は、その天命すら簡単に捻じ曲げて自分のものとしてしまうのだよ」

    京太郎「…」

    大嶋プロ「まるで努力する我々を嘲笑うかの様にな」

    122 :

    大嶋プロ「残酷かもしれないが、私は本当に幸せ者なんだよ」

    大嶋プロ「そんな世界で私は麻雀を打つことが出来た」

    幸せ者?
    満足しているのか?彼は、過去に、現状に。

    だとしたら失望した。彼に。

    大嶋プロ「だが、一つ忘れちゃいけないことがある」

    大嶋プロ「君は天命云々のレベルにはまだ全然達していないということだ

    京太郎「…はい」

    123 :

    成長期待

    124 = 1 :

    大嶋プロ「さて、打つぞ。とりあえず私が、君に雀荘の常連クラスまで打てるように指導しよう」

    大嶋プロ「付き合ってくれるかな?」

    雀荘主「しかたないですねえ…やっぱり先生にはかないませんよ」

    しれっと二回アガってるじゃないか、雀荘主さん。

    京太郎「はい…お願いします」

    125 = 1 :

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    実況「決まったーーーーーー!!!!!」

    実況「優勝は、>>127高校ーーーー!!!!」

    雀荘主「…ん?」

    京太郎「どうしました?耳…補聴器?」

    雀荘主「いや、ネットラジオを聞いていてね」

    大嶋プロ「私が誕生日に贈った奴だよ。Bluetooth内蔵の優れ物だ」

    京太郎「詳しいんですね…」

    大嶋プロ「私はスマホもPCも使えるぞ。なんなら今度私のブログでも覗いてみるんだな」

    雀荘主「決まった…みたいですね先生」

    大嶋プロ「ほう」

    京太郎「えっ…」

    気が付いたら、周りは薄暗くなっていた。

    信じられない様だが、もう半日もそこにいたのだ。
    麻雀で時間を忘れたのは、後にも先にも今が初めてだった。

    大嶋プロ「やはり…>>127高校だったか」


    安価です

    清澄
    白糸台
    阿知賀
    臨海

    のどれかを安価でお願いします

    126 :

    清澄

    127 :

    清澄

    128 :

    白糸台

    129 = 1 :

    京太郎「それは…本当ですか?」

    雀荘主「ああ、なんならテレビをつけてみるか」

    ポチッ


    本当だった。
    彼女達は、自らの手で、女子麻雀日本一の座を勝ち取っていたのである。

    歓喜の輪が広がり、アナウンサーの白熱した声が聞こえてくる。

    あの場に自分がいなくてもいいのだろうか、戻らなくては、とは思ったが…

    京太郎「打ちましょう、もう一局」

    大嶋プロ「いいのかね?タクシーで会場まで送らせるが…」

    京太郎「あと一局、お願いします」

    雀荘主「じゃあ、とりあえず呼んでおくよ、タクシー」

    雀荘主「もしもし…」

    130 = 1 :

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    京太郎「ところで…あの人は…」

    大嶋プロ「あいつか?いつもあんな調子だからなあ…」

    大嶋プロ「でも、寂しいな、何故か」

    京太郎「…?」

    大嶋プロ「いや、あいつも、やめるつもりみたいだしな」

    京太郎「そんな!どうして…?」

    大嶋プロ「運が無いから、だそうだ」

    京太郎「ですが…」

    大嶋プロ「そっちの方がいい。普通に、勉強して真っ当な大人になった方がずっといい」

    大嶋プロ「だが、君を連れて来たことが、せめてもの罪滅ぼしだったのかもしれないな」

    大嶋プロ「思えば、もう10年か…長かったな」

    京太郎「そんな頃から…」

    131 = 1 :

    大嶋プロ「まあ、麻雀なんていつでも打てるからあまり気にはしていないよ」

    大嶋プロ「年寄りの楽しみが、一つ増えたと思えばいいさ」

    大嶋プロ「ほら、ロンだ」

    京太郎「あっ…」

    雀荘主「終わりにしますか…」

    雀荘主「そろそろ迎えが来たようですし」

    大嶋プロ「そうだな…それと最後に」

    132 = 1 :

    大嶋プロ「これを…」

    麻雀牌?
    いや、牌だけ…?

    大嶋プロ「まずは牌の扱い方を練習したまえ、一々たどたどしくてかなわんからな」

    大嶋プロ「これは私のメールアドレスだ。聞きたいことがあったらなんでも連絡するんだ」

    京太郎「…ありがとうございます!練習…します」

    京太郎「それで…あの、男チャさんにお礼を…」

    大嶋プロ「ああ、しっかり伝えておこう」

    京太郎「ありがとうございます…それではまた…」

    大嶋プロ「達者でな」

    雀荘主「また来てくれよ」

    京太郎「はい!あ…タクシー代は…」

    大嶋プロ「細かいことは気にするな、私が後で払っておく」

    京太郎「すみません…」

    雀荘主「楽しかったな。また来てくれな」

    京太郎「はい!」

    133 = 1 :

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    雀荘主「先生も人が悪いですなあ…何がメールアドレスですか」

    雀荘主「牌も…あの子が使っていたやつじゃないですか」

    大嶋プロ「欲、だろうな」

    大嶋プロ「私の様な男子プロが少しでも出て来て欲しい、叶わぬ願いであってもな」

    雀荘主「男チャ君は、どうなりましたかな?」

    大嶋プロ「彼は麻雀以外にも自分の世界を持っているし、見つけられる筈だ」

    大嶋プロ「人生を麻雀で棒に振る様なバカな真似はしないさ」

    雀荘主「ひどいですなあ、私も先生も人生を棒に振った、ってことですか」

    大嶋プロ「下手な鉄砲も数打てば当たる、人口は多い筈だから男子プロにも何人か…な」

    雀荘主「まずは鉄砲を揃えるところから始めなきゃいけませんね」

    大嶋プロ「まあ、ぼちぼちやろう。私も君ももう年だ」

    雀荘主「そうですね…だから身体をいたわらなきゃいけないですよ先生、酒は控えて下さいよ」

    大嶋プロ「やぶ蛇だったか、じゃあ、もう少し昔話をして行くとするか」

    雀荘主「何しろ久しぶりにいらっしゃいましたしね」

    134 :

    この雰囲気いい

    135 = 1 :

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    早く帰らなくては。

    このままでは、大事な決勝戦の日に1日体調を崩して寝込んでいる、無能マネージャーの出来上がりだ。

    最も実際、寝込むどころが無断外出など、無能以前の問題だが。

    今日1日、色々な出会いがあった。

    自分はどうするべきか。

    麻雀の世界は広がった。その広い世界でどう振る舞うか。

    まずはそこからだ。

    136 = 1 :

    京太郎「あと、どれぐらいで到着しますかね?」

    運転手「あと5分くらいかな~、兄ちゃん、インハイ関係者?」

    京太郎「まあ、そんなところですかね」

    運転手「今日の決勝戦はすごかったな~」

    京太郎「男子ですか?」

    運転手「いや女子女子、いや~、あの大将バケモンだろ、うん」

    運転手「ラジオで聞いてたら、カン!リンシャンカイホー!って…爽快だったぜあれは」

    京太郎「運転手さんは麻雀をやるんですか?」

    運転手「全然!素人だよ!」

    京太郎「そうでしたか…」

    京太郎「ちょっと、電話いいですか?」

    運転手「どうぞ」

    137 = 1 :

    プルルル

    ガチャッ

    京太郎「もしもし、部長ですか?」

    京太郎「なんとか復活しました、はい」

    京太郎「インタビューで忙しいから後で?」

    京太郎「ついでに…はい、買い物ですね。はい、買うものは…はい、メールで」

    京太郎「わかりま(ry

    ブチッ

    よし、一応部長には連絡は取れた。
    後は買い出しをしなくては…

    この辺に安い店ってあったっけ?
    検索検索…

    138 = 1 :

    運転手「着きましたよ」

    京太郎「あ、はい、ありがとうございます」

    運転手「まいどあり」

    ふう。

    インターハイの会場は、昼とはまた違った表情を見せていた。

    夏の強烈な日差しがギラギラの降り注ぎ、壁や天井にふんだんに貼られたガラスに跳ね返っていた昼と比べ、夜は幾らか落ち着いた様子である。

    ビル街や車のヘッドライトの光が柔らかく辺りを照らしていた。

    ひとまず、買い物である。

    スマホを頼りに、近くの激安スーパーに出掛けた。

    139 = 1 :

    誤字

    ×ギラギラの降り注ぎ→○ギラギラと降り注ぎ

    140 = 1 :

    ティッシュ…歯ブラシ粉…このくらい買えばいいだろうか。

    後はタコスの道具…さすがは花の都大東京のスーパーである。品揃えがいい。

    京太郎「ふう、買い物終わり」

    やはり、荷物の量が多くなった。

    お金はギリギリ足りた。東京の物価は、確かに長野よりも格段に高く、財布に正確な右ストレートを食らわせた。

    買い物を済ませ、一旦荷物を咲達のホテルに置いて会場に戻ることにした。

    141 :

    久々の咲達か

    142 :

    会場に着いた。

    中に誰かいるかな?

    誰もいない。
    真っ暗である。

    しかし、正面玄関には、『優勝セレモニー/地下ホール』の文字が掲げられていた。

    とりあえず電話をかけて…


    出ない。


    しょうがないので、咲達に買った物をホテルに置いて来た旨を伝えるため、エレベーターに乗って地下へ行くことにした。

    143 :

    いるよよよ

    144 = 143 :

    うぎゃあうち間違えた予測変換のバカ野郎

    145 = 1 :

    やはり、やっていた。

    煌びやかな装飾が少し眩しい扉の中から、マイクで拡声された男のボソボソとした声が聞こえて来る。

    しかし、その厚ぼったい両開きの扉は、来るもの全てを拒むかの様に固く閉じられていた。

    扉の前には清潔感溢れる白いテーブルクロスがかけられた、受付卓が二つ置かれていた。

    ご丁寧にも中央に置かれていた『受付』の案内表示には麻雀牌があしらわれている。

    ふかふかの赤いカーペットを踏みしめて、受付に立つ、テーブルクロスにも負けないくらいのすっきりした背広を来た係員に近づいた。

    係員「すみません、パスをお持ちでしょうか?」

    146 :

    きたな

    147 = 1 :

    ああ、パスか。

    確か控え室から出る時に使って…
    制服のポケットに入れっぱなしだったか。

    折れていないか心配したが、大丈夫なようだった。

    京太郎「これでいいでしょうか?」

    係員「ああ…清澄高校の…優勝おめでとうございます」

    京太郎「いえ、ありがとうございます」

    何を言ってるんだ。
    自分は大会で牌の一つも触っていないでは無いか。

    東京に来てから、一番触ったものと言えば、精々タコス用のトルティーヤくらいである。

    係員「会長の総評が終わるまで、暫くここで待って頂けないでしょうか?」

    京太郎「あ、はい」

    係員「終われば、立食パーティーが始まりますので…」

    京太郎「分かりました」

    148 = 1 :

    係員「しかし、すごい逆転でしたね」

    京太郎「はい?」

    係員「決勝戦ですよ。あれだけの点差、5万点ですか?正直、驚きですよ。私なら…無理でしょうね」

    京太郎「貴女も麻雀を?」

    係員「女子高生雀士の端くれですよ。まあ、地方大会止りでしたが」

    京太郎「なるほど…それで高麻連に?」

    係員「はい、恥ずかしながら麻雀にもまだ未練がありましてね…」

    京太郎「わかります…俺も」

    係員「あっ」

    京太郎「はい?」

    係員「終わったみたいです。どうぞ」

    京太郎「はあ…ありがとうございます」

    149 = 1 :

    ガチャリ

    中はかなり広かった。

    立食、とは聞いていたが、食欲をそそる匂いが辺りに漂っている。

    連れ出されたきり、朝から何も食べていなかったので今すぐ目の前の料理にかぶり付きたい衝動に駆られたが、流石にそれは我慢して、清澄高校の面々を探すことにした。

    食欲は、時として理性を何処かへ飛ばしてしまう。
    現に今会場に運び込まれた骨付き肉など、肉汁がじゅわりと染み出ており、美味しそうである。

    人間の三大欲望、恐るべし。

    それと同時に、周りも9割女子である。

    料理の匂いが支配するホールに、僅かに混ざる女の子の匂いである。

    何をいってるんだ、俺。

    150 = 1 :

    「シズ!和を見た?」

    穏乃「飲み物を取りに行ったみたい」

    「全く!和ったら…」


    和?

    いや、助かった。
    さっきから何処にもいないのだ。

    早く見つけて自分も飯にありつきたい。

    お腹がすいた。

    ひとまず和の名前を出した、彼女達に話しかけてみる。


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