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    元スレ京太郎「男子チャンピオン?」

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    みんなの評価 : ★★
    タグ : - 京太郎 + - + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    51 = 1 :

    京太郎「では…なぜ制服を着て…」

    チャ「ああ、ウチ、私服の学校だからね」

    チャ「だから一回は制服を着てみたいと言うかなんというか」

    チャ「服選びがいちいち面倒なんですわ、毎朝。なんでもいいとは思うけど、毎日同じ服着てると不潔でしょ?」

    成る程、私服には私服の悩みがあるのか。
    ちょっと感心してしまった。

    チャ「あまり気にしない方がいいぜ、よし、行こうか」

    京太郎「はい」

    ごちゃごちゃ考えるのも面倒なので、ついていくことにした。

    52 = 1 :


    チャ「何とも言えんが、よい、須賀クン、麻雀を打つぞ」

    麻雀?雀荘なんてそもそもこんな場所にあるのだろうか…
    いや、それ以前に雀荘なぞ点の計算も出来ない初心者が行っても良い場所なのだろうか。

    不安になって来た。

    京太郎「でも俺、雀荘なんて」

    チャ「おいおい、俺は一回も雀荘に行くなんて言ってないぞ、いいから安心して来いや」

    京太郎「はい…」

    53 :

    自分は全然かまわないのだけれど、ある程度にオリキャラが動くようだと、騒ぐ奴がいるから、注意書きをしといた方が良いかも

    54 :

    京太郎出てる時点で騒ぐ奴いるし気にしなくて良いんじゃね

    55 = 29 :

    そもそもこのスレタイでオリキャラ出ないはずがないし、説得力の無い俺TUEEEEEEキャラじゃない分好感が持てると思うが

    56 = 31 :

    臭いオリキャラいらん
    京理沙スレの若返り南浦爺さんと同じ臭いがする

    57 = 1 :

    チャ「ここだな」

    ベタベタとアニメのポスターが貼られた雑居ビルの前で、彼は立ち止まった。

    チャ「ここ来るのも久々なんだが…」

    チャ「おっ、やってるやってる」

    雑居ビルの階段を登り、丁度五階辺りであろうか、彼はそこの扉を開けた。




    いらっしゃいませ!ご主人様!

    58 = 1 :

    メイドカフェ?

    とにかく、壁はピンク、天井もピンク、床もピンク。

    何より、店内に置かれた、幾つかの自動卓までピンクである。

    卓は緑のイメージが強かったが…非常に目がチカチカする。

    京太郎「なんですか?ここ」

    チャ「見ての通り、メイド喫茶よ」

    チャ「まあ、場末だがな」



    ???「ちょっと、場末とは失礼ね」

    チャ「ん、こんにちは、店長」

    ???「相変わらず口が悪いわね…」

    ???「色々聞きたいことはあるけど、ひとまず優勝おめでとう」

    チャ「はいはい、ありがとうごぜえます」

    59 = 1 :

    京太郎「メイドカフェにしては…色々」

    チャ「ああ、いや、麻雀も打てる喫茶店ってあるじゃない?アレだよアレ」

    メイド服を着て接客なんて、染谷先輩のお店みたいだが…やはり本場は違うようだ。

    何から何まで色々な意味で本格的である。

    チャ「うっし、打つぞ~」

    チャ「あっ、俺の隣の金髪君はまだ初心者らしいから、そこのとこ、宜しく」

    店長「ちょっと、うちは麻雀教室じゃないから…」

    チャ「いいだろ?どうせ今日はインターハイ、それも華の団体戦決勝戦だぜ?」

    チャ「ここに来る様な客は今頃…」

    彼はそう言って窓の外を顎で指し示した。

    店長「んもー…しょうがないわね…じゃあ、お願い」

    チャ「ありがとざーす」

    60 = 1 :

    メイド1・メイド2「宜しくお願いします!ご主人様!」

    京太郎「よ、よろしく…」

    メイド服を着たかわいい女の子はあざとく微笑んだ。
    所作の一つ一つにも品が漂っていて、まるで本物のメイドの様だった。

    無理かも知れないが、来てしまったからには、ここで勝たなくては。

    少し、気合いを入れた。

    61 = 1 :

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    チャ「んー…アレだな」

    メイド2「ここがこうなって…そうです!」

    メイド1「ダメですよ~それじゃあチョンボになってしまいます~」


    結論から言うと、まともに打てなかった。
    そもそも、最初から、咲や部長に教えてもらいながら打っている様な状況だったのだ。

    練習するタイミングも、快進撃を続ける麻雀部に於いては、なかなか無かった。

    一応大会には出たものの、反則をしない様にするのが精一杯、東場だけであっという間にすっからかんである。

    この一時間で、もう三回くらい飛んでしまった。

    特典計算もダメダメ、自分の支払う点棒すらわからない有様であった。

    これはひどい。

    今はメイドさんの麻雀レクチャーを絶賛聴講中である。

    62 :

    >>56
    お前みたいな奴のせいであのスレ潰れたのか最悪だな

    63 = 1 :

    しかし、恐ろしいものだ。
    成る程、成る程、水がスポンジを吸う様にルールが分かって行く。

    メイドさんパワー、ここにあり、といった所か。

    うちの麻雀部はどちらかと言うと、見て盗め、が基本のスタイルだった様に思う。

    だがその、見て盗め、のスタンスは時として悪く働くことがある。

    何を盗めばいいのか、初心者にはまるでわからないのだ。

    麻雀の定石、というものを結局半年もの間、覚えられなかった。

    全く、ダメダメだった。

    64 = 1 :

    今では、このメイドさん達が一から全部教えてくれている。

    しかし、この麻雀の定石というものを覚えれば覚えるほど、いかに女子の皆さんが異常な麻雀を打っていたか、より痛いほど感じてしまうのだ。

    清澄の麻雀部の麻雀をずっと間近で見ていて、素人ながら決勝戦の他校の打ち筋に戦慄したのもそうだ。

    しかし、やはり一度ルールを覚えると、また違う恐ろしさ、異常さに気がつく。

    チャ「驚いたろ、なあ」

    チャ「これが”普通”の麻雀なんだよな」

    チャ「おいおい、また顔が青くなってるぞ」

    チャ「メンタル弱いな…もう

    65 = 1 :

    チャ「須賀クンの麻雀の捉え方は、ズレにズレまくってるな」

    チャ「どうして、一向聴から手を崩して、待ちの形を狭めてしまう?」

    チャ「どうして、必ず嶺上牌で開花できると思ってしまう?」

    チャ「いや、マジでそれ前提で手を進めてるからびっくりしたよ」

    それは簡単だ、打ち方がこれしかわからないのだ。

    自分なりに少しずつやり方を盗んで麻雀は覚えているつもりだった。

    ところが、自分が必死で覚えたやり方が、根本からズレていたことに改めて気付かされた。

    チャ「とりあえず、デジタル雀士はどの学校一人くらいいそうなもんだけどな」

    66 :

    >>53
    この男チャとかいうのが咲キャラとくっつくとかでも無い限りそうそう荒れないでしょ

    67 = 1 :

    チャ「ん…須賀クンは確か長野県代表の清澄高校だったよな?」

    チャ「ちょっと麻雀年鑑見てみろよ」

    メイド1「ええ!清澄高校ってあの原村さんがいる高校じゃないですか!」

    メイド2「一年にして、早くも高校麻雀におけるデジタル雀士界隈では一、二の実力を争うとも言われてる人ですよね…」

    メイド1「驚きましたよ!須賀さん?でしたっけ、今度またお店に来る機会があったらサイン貰って来て下さいよ!」

    メイド2「ちょっと、お客様に失礼よ」

    メイド1「あっ、…すみません。つい」

    チャ「驚いたよなあ、全く」

    チャ「いやあ、デジタル雀士の権化みたいな人が同じ学校にいるじゃないか須賀クン」

    チャ「変なオカルトじゃなくて、まずはその原村さんに教わったら良かったのに」

    チャ「ひとまず、基本を突き詰めたのがデジタル雀士だからな、基本を学ぶのならデジタル雀士に学んだ方がいいぞ」

    チャ「いや、俺みたいなのが変なお節介を働く必要は無かったな、すまんすまん」

    チャ「悪かったな、無理に連れ出して」

    68 = 1 :

    京太郎「いえ、ありがとうございます。俺を連れ出してくれて」

    チャ「いや、普通にめちゃめちゃいい環境じゃねーか」

    京太郎「でも、今のままでは俺は多分一生このままでした」

    京太郎「なんというか、ドツボにはまっていたんです」

    京太郎「無意識に、力も無いくせにオカルト麻雀をいつの間にか志向していたと言うかなんというか」

    京太郎「身の丈に合った麻雀と言うものが出来てませんでした」

    京太郎「やっと、スタートラインに立てたんです」

    チャ「いや、だから原村さん…」

    京太郎「彼女とはとても麻雀を教えて貰える様な仲ではありません」

    京太郎「非常に険悪です。主に俺の所為ですが」

    京太郎「だから、オカルトに縋るしか無かった、という感じですかね」

    チャ「ううむ…確かに原村さん、ナイスバディだもんな」

    チャ「その辺は聞かねえよ、長くなりそうな予感するし」

    チャ「しかし本当でけえな、それに引き換え…」

    店長「うるせえな!こっち見んな!」

    69 = 1 :

    チャ「あれ~、俺お客様なんだけどなあ~、いけないな~」

    メイド1「スケベですね」

    メイド2「最低です」

    チャ「ちょ、メイド2ちゃんはフォローしてくれないの?」

    メイド2「デリケートな問題です。セクハラで出入り禁止にも出来ますよ?」

    チャ「あい、すみません」

    店長「よろしい」

    チャ「うぐっ、はいはいすみませんすみません」

    店長「はいは一回だ!ボケナス!」

    チャ「ひでえな、こりゃ」

    70 = 1 :

    京太郎「今日はありがとうございました。皆さん本当に麻雀が上手くて驚きました」

    メイド1「いえ、ありがとうございました、ご主人様!」

    チャ「そりゃあ上手いよ、現役女子高校生雀士なんだから」

    メイド1「むむっ、それは言わない約束ですよ?」

    メイド2「他にお客がいないからいいものの…そういう割り切りが出来ない人もいらっしゃるので余りそういうことは」

    京太郎「へえ~、やっぱり東京都大会に出場していたりするんですか?」

    メイド2「はい、私達は西東京ブロックですかね」

    メイド1「部品が少ないからバイトしてるんだよ私達は~」

    71 = 1 :

    京太郎「っとと、安心してください、俺は大丈夫ですよ」

    メイド2「なら良かったです…」

    メイド1「なんかこないだも大変だったですからね~」

    京太郎「しかし西東京ってあの…」

    メイド2「そうですね…」

    メイド1「毎度毎度ひどいですね、あれは」

    京太郎「大正義ですもんね」

    メイド2「私達の学校もそれなりに強かったんですけどね…」

    メイド1「今では部員がバイトしなくちゃ成り立たない有様ですよ~」

    メイド1「うちの学校、バイト禁止なんですけどね」

    京太郎「黙認…ってことですか」

    メイド2「学校としても、伝統ある麻雀部が無くなるのはまずいみたいですしね」

    メイド1「でも、お金がなくちゃ、やってけないです」

    メイド2「だからバイトしてるんですよ?」

    京太郎「大変ですね…」

    72 = 1 :

    チャ「おいおい、須賀クン。一つ言っておくけどあの二人も無茶苦茶強いからね?」

    チャ「今は接待モードだけど普通にやれば普通に負けちまうんだよ、不思議なことに」

    チャ「やんなっちゃうぜ」

    京太郎「やっぱり、そうですか」

    京太郎「あいつら、大丈夫かな…」

    メイド2「決勝戦出場、おめでとうございます」

    京太郎「いえ、ありがとうございます」

    メイド1「長野も、あの天江衣ちゃんに勝ったんだから、やれるはずだよ」

    京太郎「応援、ありがとうございます」

    店長「いや、無理かな…」

    チャ「おい、空気読めよ店長」

    店長「でも…これ見てよ」

    そう言うと、店長は小型テレビを俺たちの方に向け、音量を上げた

    73 = 1 :

    福与アナ「圧倒的ぃーーー!!!王者白糸台、四位に七万点もの差をつけたーーーー!!!!」

    福与アナ「これが、これが、宮永照の力なのかーーーーー!!!??」

    小鍛治プロ「いや、正直これは引きますよ…」

    福与アナ「人間50年…下天のうちも、とは言いますが経験豊富な小鍛治プロもやっぱり見たことが無いですか?!」

    小鍛治プロ「アラサーだよ!?」




    店長「相変わらず漫才やってるね…」

    嘘だ。あの優希が。
    前半戦だけであの点差とは…
    ぐぐぐぐっと現実に引き戻された。
    ふざけるな、化け物め。

    チャ「んん~…やっぱすげえわあのロリっ娘」

    店長「確かに…どうなってんの?」

    凄い?
    全然凄く無いだろう、負けに負けているじゃないか。
    凄いのは宮永照だろう。

    74 :

    引くとかいくらなんでも学生大会の解説の発言としてどうなんですかね…

    75 :

    思わず、口に出した。

    京太郎「凄い?」

    京太郎「優希は…」

    チャ「いや、凄いよ」

    チャ「そのロリっ娘、優希ちゃんか、は普通にもっと点差がつくか、飛んでると思ってたんだ」

    チャ「トバない、ってアビリティも無いみたいだし、どうやったらあそこまで踏みとどまれるんだよ」

    店長「あの女の子は典型的な攻撃タイプ…それも速攻の」

    店長「速く、鋭く突き出される矛はそれだけ軽く、脆いもんでしょ?」

    店長「矛が折れた時点で負けは確定しているのよ」

    チャ「店長も、矛が折れちゃったタイプだよな」

    店長「ナチュラルにトラウマを抉りやがって…」

    店長「とにかく、通用しなかった時点でもう積んでるのよ」

    チャ「じゃあ、トバないにはどうすればいいか…」



    店長「簡単よ、折れた矛で殴り続ければいいのよ」

    店長「私は、それが出来なかったけど」

    76 = 1 :

    >>74
    すみません、まだ解説は続いてる、ということにしてください

    あと誤字訂正

    積んでる→詰んでる

    77 = 1 :

    チャ「まあ、重い話はここまでにして、もう一局、打ってみるか?東だけ」

    京太郎「はい!」

    チャ「(あ、接待モードでよろしく)」

    京太郎「必要ないです、接待モードは」

    チャ「聞こえるのねえ…」

    京太郎「よろしくお願いします!」

    78 = 1 :

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    結論から言おう。
    また、ボロ負けである。
    打ち方を知らなかったさっきより、負けるとはこれいかに。

    手応えはあった様に思う。

    例えば、目隠しされて殴られるのと、正面から堂々と殴られるのでは、色々感じ方も違うだろう。

    とにかく、彼女達は強かった。
    越えられない、大きな壁に阻まれたかの様だった。

    自分と彼女達の違いは何だ。
    配牌、ツモ運、どうしようもない所で水を開けられている。

    分からなかった。

    79 = 1 :

    チャ「いや~負けちゃったよ、強いなあ二人とも」

    メイド1「まあ、こんなもんでしょね~」

    メイド2「しかし良かったのでしょうか?」

    チャ「いいのいいの、ちゃんと理解した上で飛ぶのが一番肝心だから」

    店長「本当にコロっと負けるわね、お前は」

    チャ「ええ?麻雀なんてそんなもんでしょう?野球と同じで3割取れれば一流なんだから」

    店長「確かに普通に楽しむ上ではそうだがな…」

    チャ「高校時代のイチローみたいな奴らがゴロゴロいるから感覚が狂っちゃうんだよ、須賀クンみたいにね」

    チャ「でも、今は違うよな?須賀クン」

    80 = 1 :

    チャ「んじゃ、そろそろ失礼しますね」

    店長「今度はいつ来るのよ」

    チャ「おおっ、店長寂しい?寂しいの?」

    店長「アホ、さっさと行け」

    チャ「須賀クン、行こうか」

    心の中で、何かが少し、噛み合いながら回り始めたような感じがした。
    ここに来たばかりの時より、明らかに何かが違って、スッキリした。

    京太郎「はい、ありがとうございました」

    店長「また東京に来る機会があったら打ちに来なよ、いつでも歓迎するわよ」

    店長「”来年”も来なさいよね」

    京太郎「…はい」

    メイド1・メイド2「行ってらっしゃいませ、ご主人様!」

    チャ「じゃあな~」

    81 = 1 :

    京太郎「さっきの人は…」

    結局聞く機会が無かったので、質問してみた。

    チャ「ああ、俺の師匠その1」

    チャ「一応、その3まであるからな~」

    チャ「なんなら、次は2人目の師匠んとこに連れてくよ」

    チャ「あ、もう会場にかえる?」

    まだまだ、聞きたいことは沢山ある。彼の話も、彼の師匠の話も。

    京太郎「いえ、会わせて下さい、2人目に」

    チャ「了解、そんじゃいくぞ」

    82 = 1 :

    ~とある雀荘~

    ???「やあ、しばらく」

    雀荘主「ああ!先生!お久しぶりです!」

    雀荘主「いや~、相変わらず冴えてましたねえ~、解説が」

    ???「やや、こんなフガフガ声じゃあ、いけないでしょう?」

    ???「ん~、今日は本当に良かった良かった」

    ???「いつもの頼んだ」

    雀荘主「いいんですか?医者に飲酒は控えるようにって、言われてたような…」

    ???「なに、二ヶ月ぶりだよ」

    ???「今日はお祝いだ、少し飲ませてくれ」

    雀荘主「確かに今日は…そうですね、確かに…」

    雀荘主「はい、お待たせしました、ハイボールです。缶ですが」

    ???「やや、ありがとう」

    83 = 1 :

    京太郎「次は、どこへ行くんですか?」

    チャ「んん、次は普通の雀荘に行くよ」

    チャ「大分、慣れただろ?東風戦1回だけやるつもりが、3回もやったからな」

    チャ「あれじゃあ、半荘やった方が良かったな」

    京太郎「すみません…」

    勝っても負けても悔しい、とか嬉しい、と言った感情が起こらなかった頃と比べると、とても楽しい麻雀で、ついついやり過ぎてしまった。

    ボロ負けを喫しても、どうして負けたのか、原因を考えることが出来る様になった。

    結局は、なんかよく分からない力が働いて負けた、という結論にはなったが。

    84 = 1 :

    チャ「すまん、ちょっと電話かけるな」

    京太郎「ええ、どうぞ」

    プルルル

    チャ「おおっ、先生?お久しぶりです!」

    チャ「んむむ、すみません、なかなか連絡出来なくて…」

    チャ「体の方は大丈夫ですか?」

    チャ「あっ、また飲んでますね、ダメって言われてたじゃないですか…」

    チャ「お祝いだって…いや、正直勝っても余り…ねえ」

    チャ「立場上祝わなくちゃいけない?」

    チャ「それ、ただ飲みたいだけじゃないですか」

    チャ「分かりましたよ、どうせいつもの雀荘にいますよね?」

    チャ「あれ、そっちですか?はい、分かりました。あと30分でそちらに着くのでよろしくお願いします」

    チャ「何しろ半年ぶりですからね、いえ、楽しみにしています」

    ガチャッ

    チャ「須賀クン、逆だ、逆」

    チャ「こっちの電車に乗るぞ」

    京太郎「は、はい」

    85 = 1 :

    チャ「ややこしいなあ、全く」

    京太郎「さっき話してた、先生って…」

    チャ「ああ、須賀クンも多分知ってる人だよ」

    チャ「麻雀日本男子プロ連盟、元会長の大嶋プロ」

    チャ「常に潰れかけの、日本の男子プロをたった一人で40年間守って来た、偉人、と言ってもいい人かな」

    チャ「若い頃は、色々やってたみたいだけどね…」

    京太郎「いや…分かりませんでした」

    チャ「あれ、それなりに知名度はあると思ったんだけどな、麻雀以外でもギャンブル界隈じゃ有名だし」

    京太郎「すみません」

    チャ「謝る必要はないさ、うん」

    京太郎「でも…どれだけ凄いんですか?」

    86 = 1 :

    チャ「ん~、そりゃあすごいよ」

    チャ「だって、女子プロに参戦した、男子プロの中で、唯一2シーズン以上通用した人だからね」

    チャ「最終的には、派手に負けて撤退したけど、全盛期の10年はすごかったんだぜ?」

    チャ「女子プロ相手に、役満をアガったりしてたし」

    チャ「もう、俺が生まれる前の話だけど、何度その時のビデオみても飽きないよ」

    チャ「擦り切れる程見たなあ…」

    今度の人は、彼の憧れの人なのか。
    おまけに男子プロ界のレジェンドと来た。
    なんだか、緊張して来る。

    チャ「ああ、あまり緊張しなくてもいいぜ」

    チャ「色々と修羅場くぐってるらしいけど、基本は優しい人だからね」

    安心出来るわけがないだろう。
    何だ、その修羅場とは。

    87 :

    チャ「さて、ここか」

    電車を乗り継ぎ、雑然とした駅前通りの裏路地に、彼は入って行った。
    怪しい、これは怪しい。

    チャ「別に誰も襲って来たりしないから、安心しろって」

    88 = 1 :

    自分の挙動不審な行動を怪しんだのか、すぐに彼はフォローを入れた。

    汚い裏路地をまた暫く進むと、煤けた扉があった。

    隣には、インターフォンがあり、彼は迷わずそこを押した。

    チャ「こんにちは!先生いますか!?」

    チャ「はい、ありがとうございます!入ります」

    そう彼がインターフォンに告げた瞬間、扉の方から、かちゃり、と金属音がした。

    チャ「よし、入れるぞ」

    89 = 1 :

    鍵を付けているのは、何か中でいかがわしいことが行われているのだろうか…

    前に漫画で見た、血液を賭けた麻雀を思い出し、寒気がした。

    京太郎「あのう…大丈夫なんでしょうか?鍵、付いてましたよ…」

    チャ「おいおい、今日はこの雀荘、休みってだけだよ」

    チャ「変なことを想像してもらっちゃ困る」

    90 = 1 :

    中に入ると、2人の老人が、自動卓に座っていた。
    薄暗い、ひんやりとした空間に、仄かにウイスキーの香りが漂っている。

    大嶋プロ「やや、友達を連れて来るなんて聞いて無かったぞ。お前にもようやくそういう仲の人間が出来たか…よかったよかった」

    チャ「いやいや友達は他にもちゃんといますよ…」

    チャ「先生、紹介しますよ、俺の隣にいるのは、須賀クン。女子団体戦で絶賛闘牌中の、長野県代表、清澄高校のマネージャーです」

    大嶋プロ「ああ、あの快進撃を見せている清澄高校の…またすごい人と友達になったな」

    京太郎「よろしくお願いします!」

    大嶋プロ「元気いっぱいじゃないか、いいことだ」

    その老人はくるりとこちらを向くと、微笑んだ。
    何処かで見たことがある。顔に見覚えがあった。

    大嶋プロ「ついさっきまで、男子個人戦の解説をやっていたからな、疲れた疲れた」

    やはり、あのモニターで見たフガフガ声の解説の人だったか、実際に見てみると、老人ながら鋭い眼光を放ち、背筋もピンと伸びた偉丈夫だった。

    91 = 1 :

    雀荘主「インターハイの女子団体戦か、丁度、時間的に次鋒戦が終わった所だな…」

    そう言ったもう一人の老人は、部屋の隅にあった古ぼけたテレビをつけた。

    雀荘主「むむ…これは…」


    決勝戦の次鋒戦までの順位
    トビは無し

    一位:安価↓2
    二位:安価↓3
    三位:安価↓4
    四位:安価↓5

    決勝戦は、清澄、白糸台、臨海、阿知賀の四校で戦っています。

    92 :

    ksk

    93 :

    阿知賀

    94 :

    臨海

    95 :

    白糸台

    96 :

    清澄

    97 = 1 :

    一位:阿知賀
    二位:臨海
    三位:白糸台
    四位:清澄

    ですね

    今日はここまでです

    99 :

    男子チャンプのこの痛々しさどっかで見たことあると思ったら
    ハーメルンにあるSUSANOWOなんちゃらに出てるオリキャラだ


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