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    元スレ八幡「異世界に飛ばされた」

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    101 :

    乙です
    ヒッキー格好よすぎ!

    102 :

    誰か死ぬかな?

    104 :


    すごく、中二病です(褒め言葉)

    105 :

    トカゲ?「ぐぇええええええ!」ドサッ

    八幡「………はぁはぁ」ドロッ

    八幡(異世界に行ったなら少しは地球人補正くれてもいいだろうに……)ゼェゼェ

    結衣「ヒッキー!」

    雪乃「………」

    八幡「……大丈夫かよ」ハァハァ

    結衣「ヒッキーの方こそ……」

    雪乃「比企谷君、それは何?」

    八幡「ああ、ちょっとな」

    葉山「比企谷!!」

    八幡「………」

    生徒「あいつ、化け物と戦ってたぜ」ボソボソ

    生徒「ちょっと暗いし危なくね?」ザワザワ

    生徒「目つきも怖いしな」ボソボソ

    八幡「………」



     第二章


    106 = 105 :

    葉山「優美子が!?」

    海老名「そんな……」

    八幡「あっちだ。早く行ってやってくれ」

    葉山「だが……」チラッ

    生徒達「………」ザワザワ

    八幡(……やっぱりお前は…)

    八幡「いや、葉山、やっぱりお前はここで指揮してやってくれ。お前にしかできないからな」ポン

    葉山「比企谷……」

    八幡「ここは異世界だ。主人公は任せるぜ葉山」ポン

    葉山「お前、この槍は……」

    八幡「俺には必要ない」

    八幡(実際、必要ないんだ……俺は生き残るために全力を尽くすんだから……)

    結衣「ヒッキー……」

    雪乃(無理してるようにしか見えないわよ比企谷君……)

    107 = 105 :

    八幡「いいか、その方向へ歩き続ければ森を抜ける。だが、絶対に外に出るな」

    葉山「なぜだ?」

    八幡「外の日差しは人間に耐えられるものじゃない。三浦もそのせいで火傷を負ったんだ」

    葉山「……分かった」

    八幡「俺は戻る。行きたいなら行けばいいが、方向的に向こうの方が良いと思うぞ」

    雪乃「なぜ?」

    八幡「たぶん向こうには山か壁がある。……もしかしたら文明も」

    結衣「ヒッキー達が帰ってくるの待ってるよ」

    八幡「いや、俺は行かない」チラッ

    生徒達「………」

    雪乃「彼らなら気にする必要は――」

    八幡「どちらにせよ三浦はみんなと同じペースでは歩けない。だから……」

    結衣「……私もそっちへ行く」

    八幡「………」

    108 = 105 :

    八幡「雪ノ下は……どうする?」

    雪乃「あら、その言い方じゃ私がそっちに行きたいみたいじゃない」

    八幡「別に嫌なら……」

    葉山「駄目だ!!」

    結衣「隼人君……?」

    雪乃「………」

    葉山「雪ノ下さんは駄目だ。俺が守る」

    八幡「………」

    葉山「俺が守らなくちゃ……父さんに…」ギリッ

    雪乃「……そういう訳だから。ごめんなさい」

    八幡「ああ……」

    雪乃「………」スッ

    八幡「……気を付けてな」クルッ

    雪乃「……ぁ…」

    海老名「私は……」

    戸部「海老名さんは俺が守る!!」

    海老名「………」

    八幡「由比ヶ浜……行くぞ」

    結衣「う、うん……」コクリ

    109 = 105 :

    八幡「……ん? あれは……」

    不良3「おら、持てよ!」

    材木座「痛いことはやめろっ!」

    不良4「やめてくださいだろうが!」バキッ

    材木座「くぅううう!」ドサッ

    八幡「材木座!!」

    材木座「……はちまぁん!!」パァッ

    不良3「あ?」

    不良4「お前……さっきの」

    八幡「何やってんだ材木座」ハァ…

    材木座「い、いや、クラスメイトとコミュニケーションを……」

    八幡「……あんたら、こいつ連れていくけど文句ある?」

    不良3「………」

    不良4(全身血だらけで、そんな凄まれたら断れねーだろ……)チッ

    不良4「行けよ」ゲシッ

    材木座「相棒!! 我が助けてくれようぞ!!」

    八幡「はいはい」

    不良3・4「………」チッ

    110 = 105 :

    葉山「皆、少し方向転換する!!」

    相模「えっ!?」

    生徒達「ざわざわ」

    葉山「大丈夫だ! 俺を信じてくれ!」バッ

    生徒「あの槍、なんか神々しい……」ウットリ

    戸部「やっぱ隼人クンについて行けば間違いないぜ!」

    大岡「だな!」

    海老名「………」

    子生徒「雪ノ下さん……私」

    雪乃「大丈夫。私と葉山君がついてるから……」

    子生徒「う、うん……」

    雪乃(一部の呑気な男子たちが女子に対して嫌な感情を持ち始めてる……やはり離れなくて正解ね)

    雪乃「比企谷君……由比ヶ浜さんを頼むわよ…」

    111 = 105 :

    結衣「えぇ!? ヒッキー木登りしたの!?」

    材木座「ケプコォン! そ、そんな主人公みたいなことを!?」

    八幡「運動は得意な方だって言っただろ」

    結衣「で、でも……そんなカッコいいと困る……///」モジモジ

    八幡「は?」

    結衣「ヒッキーがモテモテになったらあたし!!」ジッ///

    八幡「……っ///」ドキッ

    材木座「う、うらやまけしからん……」

    結衣「………」ジーッ///

    八幡「さ、先を急ぐぞ」

    結衣「……あっ」シュン…

    材木座「うむ、それでこそ相棒!」ニハハハハハッ!

    八幡(こんなのつり橋効果だ! 期待するな俺!!)

    結衣(心配だよヒッキー……)ウゥ…

    112 = 105 :

    八幡「彩加!!」

    彩加「八幡!!」ギューッ

    八幡「こっちは大丈夫だったか?」

    彩加「うん!!」スリスリスリ

    結衣「」

    川崎「由比ヶ浜……と、えっと…」

    材木座「我は材木座義輝! この世界の主人公たる男!!」

    川崎「えっと、何でこっちに?」

    結衣「うん、優美子が心配で……」

    川崎「ああ、それなら……」

    三浦「ヒキオ!!」ヨロヨロ

    八幡「お前っ!? なんで歩いて!」ダッ

    結衣「えっ?」

    結衣(ヒッキーが優美子に駆け寄った!?)

    八幡「無茶すんなよ!」ガシッ

    113 = 105 :

    三浦「だ、大丈夫。なんかここの水が火傷に効くみたい……」ハァハァ

    八幡「そうなのか?」

    川崎「ヒキオにしか確認させないみたいだから、確認してやって」

    八幡「あ、ああ……三浦、こっちへ」グイッ

    三浦「……ぅん」コクリ

    結衣「ヒッキー……優美子……」

    材木座「おお!! 聖なる水ホーリーウォーター!!」ゴクゴク

    彩加「やっぱ飲むよねぇ」ウンウン

    114 = 105 :

    八幡「………」ゾクッ

    三浦「どう……?」

    八幡「あ、ああいや、大丈夫だ……」

    三浦「……?」

    八幡「……ちょっと離れる…」




    八幡「……うっ…おぇ……ぐぅ」ビチャビチャ

    八幡(あ、あれは何なんだ!?)

    三浦「……見たんだ…」

    八幡「……みう…ら…」ハァハァ

    三浦「何が悪かったんだろう……」ペラッ


    【火傷の後に蠢く蟲のような“何か”】


    八幡「………」ゾワッ

    115 = 105 :

    三浦「……あーし、死ぬのかな…」ハハ

    八幡「……分からん」

    三浦「あんた正直すぎ……」プルプル

    八幡「ああ、こんな状況で嘘ついても仕方ねーだろ」

    八幡(実際、気力でどうにかなる問題じゃない。……自分で決めてもらわねーと)

    三浦「……あーし…」

    八幡「………」



    三浦「まだ…死にたくない……」ポロポロ



    八幡「………」

    三浦「隼人ぉ……なんであーしだけを見ててくれないんだよぉ…」ポロポロ

    八幡「………」

    三浦「うっ……ぁああ……うぁあああああ」

    八幡「……三浦、行こう」

    三浦「……?」グスッ

    八幡「葉山に会いに、行こう。それで、今度こそ守ってもらえ」

    三浦「……うん」

    八幡(……だが、“もしも”のことを考えると、一本くらい武器があってもいいな)

    三浦「………」

    116 = 105 :

    八幡「………」スゥ

    結衣「大丈夫なの?」

    彩加「うん、八幡なら大丈夫だよ!」ニコッ

    材木座「くぅ~! 我がもう5キロくらい痩せていれば!」

    川崎「それくらいじゃ無理でしょ……」ハァ

    八幡「………」ドポンッ



    八幡(銃とかもあるけど、水に浸かってるし危険なのか……?)スイスイ

    八幡(材木座にも持たせるか? あいつなら皆を脅したりしねーだろうし……)

    八幡(これは……刀?)

    八幡(材木座はこれでいいか)ハッ

    117 = 105 :

    八幡「ぷはっ!」ザバァ

    結衣「ヒッキー!」

    八幡「はぁはぁ」ガチャ

    材木座「おーーーっ! それは名刀エクスキャリバー!」

    八幡「……いや、刀だぞ?」

    材木座「細かいことは気にするなぁ!」

    八幡「……ふぅ」

    結衣「ヒッキーそれは?」

    八幡「RPGでいうダガーっていうのかな。二刀流とかカッコいいだろ?」ジャキッ

    彩加「八幡カッコいい!」

    八幡(俺はあくまで自衛のため……そして…)チラッ

    三浦「……?」

    八幡(もしものためだ……攻撃力なんて必要ない…)

    材木座「それでこれからどうするのだ!?」

    八幡「……みんなのところへ戻る」

    結衣「え!?」

    118 = 105 :

    八幡「……大丈夫か?」

    三浦「なんかどんどん調子が良くなってるっつーか……」

    三浦(むしろ以前より……)

    八幡(そういう寄生虫なのか? 宿主の運動能力を上げてより栄養を取らせる……)

    材木座「ぐはははは! 斬れる! 斬れるぞぉおおお!」ザシュッザシュッ

    結衣「中二怖い……」

    川崎「まだあたしが持った方が良いんじゃ……」

    八幡「………」

    結衣「……ねぇヒッキー」

    八幡「言うな見るな」

    結衣「……う、うん」

    八幡(さっき助けられなかった生徒……)

    彩加「八幡……さっき何があったの?」

    八幡「……トカゲと鳥みたいなもんが皆を襲ってただけだ」

    結衣「ヒッキーかっこよかったねぇ」エヘヘ///

    八幡「必死だっただけじゃねぇか」

    結衣「ううん……かっこよかったよ」

    八幡「………///」プイッ

    川崎・三浦((見たかったな……///))ピクッ

    119 = 105 :

    八幡「………」

    結衣「………」ハァハァ

    川崎「………」ハァハァ

    彩加「………」ハァハァ

    三浦「………」テクテク

    材木座「………」ヒィハァ

    八幡(駄目だな。人が増えれば増えるほど注意力が散漫になる……)

    八幡「いったん休憩しよ――」

    不良3「おらぁ!!」

    八幡「!?」

    八幡(さっきの!?)

    三浦「ヒキオ!」バッ


    ――バキッ!


    三浦「くっ!!」ドサッ

    八幡「……お前…」ギリッ

    不良3「!!」ゾクッ

    三浦「ヒキオ!」

    八幡「!!」ピタッ

    120 = 105 :

    三浦「あーしは大丈夫だから」

    八幡「………」ハァハァ

    川崎(比企谷……キレやすくなってる?)

    不良3「び、ビビらせやがって……」

    材木座「我は殺すぞ?」チャキッ

    不良3「ひっ!!?」ビクッ

    不良4「お、お前っ!!」

    材木座「……お前ら…よくも……よくも……」ギリッ

    結衣「駄目……やめて…」

    彩加「材木座君……」

    材木座「よくもぉおおおおおお!!」バッ

    不良3「ひぃいいい!?」

    八幡「………」ドッ

    材木座「ごぼぉっ」ゲホッゲホッ

    不良3「………」ガタガタ

    八幡「………」ジッ

    不良3・4「ひっ!?」ビクッ

    121 = 105 :

    八幡(そうか……“俺も”…か)

    八幡「行け」

    不良3「くっ、くそっ!」ダッ

    不良4「覚えてろよ!」ダッ

    材木座「相棒……ヒドイでござる…」ウゥ…

    八幡「お前、武器持ったくらいで強くなったつもりとかだせーよ」

    材木座「……うぅ…だって…」グスッ

    八幡「本当のヒーローならカッコつけてみろよ」

    材木座「……かっこ…つける……」

    八幡「ま、とりあえずそれは没収な」チャキッ

    材木座「あうぅ……」

    八幡(ダガーに刀って重すぎるだろ……)ハァ…

    122 = 105 :

    八幡「………」

    八幡(重くない……むしろ、さっきより軽いくらいだ……)

    三浦「………」

    結衣「中々追い付けないね」

    彩加「向こうも移動してるからだろうね」

    川崎「足は大丈夫?」

    三浦「あ、ああうん。大丈夫」

    八幡(三浦以外は違和感がなさそうだ……。原因は湖の水だけって訳じゃないらしい)

    八幡「……今なら魔法とかも使えそうだな…」

    材木座「え?」

    八幡「いや、こっちの話だ」

    材木座「………?」

    123 = 105 :

    葉山「………」ザシュッ

    蛙?「グァァァェ!」ブシュッ

    生徒達「おーーーっ!」ザワザワ

    葉山(どうやら、この世界の生き物程度なら武器があれば何とかなるみたいだ)

    戸部「隼人クンマジかっけー! まじ勇者!」

    葉山「っ!」ゾクゾクッ

    相模「葉山君がいなきゃウチらとっくに死んでたよね!」

    ゆっこ「ねー!」

    葉山「―――っ!」ゾクゾクゾクッ

    葉山(気持ちいい……っ)

    雪乃「………」

    雪乃(典型的なスタンフォード監獄実験の症例ね。葉山君は今勇者という役割に陶酔してる……でも、それはとても危うい事だわ……)

    葉山「さぁ、もう少し頑張ろう!」

    雪乃「葉山君、心なしか傾斜があるような気がするわ。ここは慎重に行きましょう」

    葉山「雪ノ下さん」

    雪乃「?」

    124 = 105 :



    葉山「俺を信じて」ジッ


    雪乃「……っ」ゾクッ

    雪乃(危険だわ……とても)

    葉山「……大丈夫かい」スッ

    雪乃「ええ…」サッ

    葉山「………」



    ――止まれ!!



    葉山「!?」

    雪乃「……?」


    ??「止まれと言っているんだ」


    戸部「だ、誰だ!?」

    海老名「ファンタジーに出てきそうな鎧……」

    125 = 105 :

    騎士「これ以上近づくな」

    戸部「人……?」

    相模「助かった……」ホッ

    海老名「外人さんなの……?」

    生徒「た、たすけ――」


    ――ザシュッ!!


    雪乃「!!」

    騎士「……警告はした。容赦はしない」

    葉山「あなたは人じゃないのか!?」

    騎士「愚問だな。我は騎士。この世界を護る者なり」

    葉山「な、なら同じ人同士!!」

    騎士「同じ……?」



    騎士「侵略者が戯言を」



    葉山「侵略……?」

    騎士「最終警告だ!! 聞け!!」


    一同「!?」ザワッ

    126 = 105 :



    騎士「我々“人間”に完全降伏し、一切の権利を必要としないなら、奴隷として命は保証してやろう!」


    生徒達「!?」ザワッ

    葉山「そんな! 俺たちは日本人だぞ!」

    騎士「ニホンジン? そんな者はこの世界に存在しない!」

    葉山「……っ」

    騎士「奴隷となってでも生を望むものは両手をあげて前にでよ!」

    生徒達「………」

    葉山「みんな!!」

    雪乃「………」

    生徒「俺……こんなところで死にたくない…」スッ

    葉山「!?」

    生徒「俺も……」

    生徒「私も……」

    葉山「みんな!?」

    127 = 105 :

    騎士「………」パチンッ

    兵士達「………」ザッザッ

    葉山「くっ……」

    騎士「手を挙げている者たちを捕えよ」

    兵士達「はっ!」ダッ

    葉山「くそ……」

    騎士「………」

    葉山(一歩でも動けば殺される……)ギリッ

    生徒「痛い!!」ズリズリ

    生徒「うぁああああ!」ズリズリ

    兵士「………」グイグイ

    生徒「いやぁああああ!」

    葉山「……く、そ…」ガシャッ

    葉山(俺は……なんて無力なんだ…)

    海老名「葉山君?」

    相模「葉山君?」

    雪乃「あなたまさか……」

    128 = 105 :



    葉山「は、はは……死んだらどうしようもないだろ…」スッ


    騎士「……あいつも捕えよ」

    兵士「はっ!」

    雪乃「……くっ…」



    騎士「……残るは2匹か…」

    騎士(プライドもなく媚びるように奴隷になっていった……こいつらは虫以下か?)

    兵士「どうします?」

    騎士「好きにしろ。私は王へ報告してくる」

    兵士「はっ!」


    雪乃「海老名さん、あの騎士が離れたら全速力で逃げるわよ」

    海老名「う、うん……」


    騎士「………」ザッザッ

    兵士「へへっ、見た目は人間ってことは、久々の異世界人か」

    兵士「しかも極上だぜ二人とも」ジュルリ


    雪乃「………っ」

    海老名「………」ガタガタ


    兵士「ひゃっはーーーーー!」

    兵士2「いただきだぜーーー!」

    129 = 105 :

    雪乃「比企谷君……っ」ギュッ

    海老名「………っ」


    兵士「ひゃっはぁああああ!」ビリビリッ

    雪乃「くっ!」ドサッ

    雪乃(こんな辱めを……)

    兵士2「俺はこっちを……」

    海老名「いやぁあああ!」ビリビリッ


    兵士「はぁはぁ……」ボロンッ

    雪乃「い、いや……」

    兵士「大人しくしやがれぇ!」ガバッ

    雪乃「いや、いや、いやぁあああああ!!」


    ――ずぷっ……


    雪乃「……っ、はっ……」

    130 = 105 :

    兵士「」ドサッ

    雪乃「………」ハァハァ

    兵士「」ピューッ

    雪乃「……血?」

    兵士2「ぐぁあああああ!」ドサッ

    海老名「きゃぁああああ!!」

    兵士2「」ドサッ



    八幡「………」ハァハァ



    雪乃「比企谷君……」フラッ

    結衣「ゆきのん!」ダッ

    三浦「姫菜!」ダッ

    彩加「……人だ…」

    川崎「……人だね」

    材木座「うーむ、相棒が出しゃばらなければ我が殲滅したというのに」

    131 = 105 :

    八幡「……!?」ゾクッ

    八幡(何だ今の気配……)

    八幡「……向こう…から?」

    騎士「………」ザッザッザッ

    材木座「あれは……?」

    八幡「材木座……みんなを連れて逃げろ」

    材木座「え?」

    八幡「早く!」

    材木座「お、おう!」

    結衣「でもゆきのんが!」

    八幡「……っ、置いていけ!!」

    結衣「そ、そんなの……っ」

    八幡「川崎!」

    川崎「あ、ああ……」グイッ

    結衣「ヒッキー!! ゆきのん!!」

    八幡「………」

    八幡(やっべー……こいつラスボス級だわ…)

    騎士「………」ザッ

    132 = 105 :

    騎士「油断していたとはいえ、我が軍の兵士を二人も殺すとは……」

    八幡「いや、油断しまくりだろ。しつけがなってねーんじゃねぇの」

    八幡(意思疎通できんのかよ……まぁ、だからって許してくれそうな相手じゃねぇな)

    騎士「貴様には警告していなかったな」

    八幡「………?」

    騎士「貴様も他の者のように一切の権利を放棄し、奴隷として生きる道を選ぶなら、我が命だけは助けてやろう」

    八幡「……奴隷」

    騎士「お前らの隊長のような男は、すでに奴隷として迎え入れている」

    八幡「葉山が……」

    八幡(いや、さすがにこの状況ならそうするか……)

    騎士「どうする?」

    八幡「俺は……」チラッ

    雪乃「」



    八幡「わりぃな。ぼっちでも人間なんだ」



    騎士「そうか……ならば、死ね」ジャキッ

    八幡「……っ」ゾクッ

    133 = 105 :

    八幡(馬みたいなドラゴンに跨って、人間並みにでかい槍を扱うってどんなファンタジー漫画だよ!)チャキッ

    騎士「死ね!」ブゥンッ

    八幡「おわっ!?」サッ

    騎士「ぬぅうううん!」ブンッ

    八幡「くっ!?」ギィンッ

    八幡(こ、コロサレル!?)

    騎士「剣技に長けているという訳ではないのか……残念だ」ジャキッ

    八幡「……ここまでかよ…」

    騎士「……その目…」

    八幡「?」

    騎士「濁った泥水のような眼」

    八幡(悪かったな)チッ

    騎士「――の奥に眠る、翡翠の光……」

    八幡「?」



    騎士「貴様、どうやって“聖水ホーリーウォーター”を飲んだというのだ!」



    八幡「……………は?」

    134 = 105 :

    八幡「いや、何? 聖水ホーリーウォーター?」

    騎士「それは我らも立ち入りを許可されぬ上世界の王宮でのみ飲むことのできる水。一口飲めば千里を駆け、二口飲めば岩を砕き、三口飲めば魔力をも得ると呼ばれる伝説の水だ!」

    八幡「……もしかして」

    八幡(あの時の木がつながってたのか?)

    騎士「許さぬ……許さぬぞぉおおおお!」

    八幡「そ、そんなこと言ったって仕方ないだろ!! 生きるためなんだから!」

    騎士「貴様は自分の命のためなら神の所有物を手にしても何とも思わないというのか!」ブンッ

    八幡「し・る・か・よっ!」ギリギリギリ

    八幡(つーかそんな大事なもんなら木に垂れ流すな馬鹿!)

    騎士「……死をもって償え!!」ブゥンッ



    ―――パァンッ‼!



    八幡「え……」

    騎士「……ごふっ」フラッ

    八幡「誰が……」

    135 = 105 :

    彩加「………」ジャキッ

    八幡「彩加!?」

    騎士「おの…れ……」ハァハァ

    彩加「次は頭を狙います」

    騎士「……やめろ」

    彩加「なら、一切の権利を放棄し、僕たちに忠誠を誓いなさい」

    騎士「そ、それは……」

    彩加「次は――」

    騎士「……くっ…」

    八幡「………」



    騎士「……分かった」クッ



    彩加「……ふぅ」

    八幡「彩加……なんで」

    彩加「実は八幡が行った後僕も潜ってみたんだ!」エヘヘ

    八幡「そう……か」

    136 = 105 :

    三浦「……治ってる…」

    騎士「聖水を飲んだというのなら、当然だ」

    八幡「でも、蟲のようなものが火傷の後を……」

    騎士「それは蟲ではない魔力だ」

    三浦「魔力?」

    騎士「魔力は時折生物のような姿で現れる。翡翠の目を持つハチマンとユミコならそう見えるのも頷ける」

    騎士「もちろん、主も」

    彩加「えへへ///」

    川崎「……それで、あんたは国を裏切ってもよかったの?」

    騎士「我の国はもとよりこの世界にはない」

    海老名「それって……」


    騎士「我もまた、異世界人だ」


    八幡「………」

    137 = 105 :

    八幡「じゃあ、捕まった奴らは……」

    騎士「奴隷は我の管轄ではない。どうなるかは分からぬ」

    結衣「そうなんだ……」

    騎士「だが、見た目がこの世界の人間と近い貴様らなら、きっと上奴隷になれるだろう」

    海老名「上奴隷?」

    騎士「ああ、上奴隷は身の回りの世話。中奴隷は建物の整備、建設、町の清掃。そして、下奴隷は――



    ――人間のおもちゃだ」



    材木座「おもちゃ……」ゾクッ

    騎士「それより、これからどうするのだ? この森で一生暮らすわけにもいくまい?」

    彩加「元の世界に帰る方法とかないの?」

    騎士「……分からぬ」

    彩加「そっか……」

    騎士「だが、神ならあるいは……」

    結衣「神様?」

    騎士「………」コクリ

    八幡(騎士やら魔法やら神様やら、急に胡散臭い世界になりやがった……)ハァ…

    138 = 105 :

    騎士「神の居場所は我には分からぬ。だが、神のみが外界を自由に飛び回れると聞いている」

    八幡「外……?」ピクッ

    騎士「姿はドラゴンのように雄々しく鳥のように優雅だ」

    八幡「ドラゴン……鳥……」

    彩加「八幡それって……」

    八幡「ああ、あの時の……」

    騎士「見たというのか!?」

    八幡「たぶん……」

    騎士「主たちは幸運の星の下で生まれたようだな……」

    八幡「それにしては俺は不幸続きの人生だったけどな」

    結衣「ヒッキー……」ハァ

    三浦「で、そいつが実在したとして、あーしらでどうやってそいつと会うのさ」

    八幡「……それは…」

    139 = 105 :

    一同から少し離れた場所

    雪乃「………」

    八幡「すみません」ドゲザ

    雪乃「もう少しでバージンを失いかけたわ」ジトーッ

    八幡「確実に殺したかったんです」ドゲザ

    雪乃「あの人たちに裸を見られたわ」

    八幡「俺も見たんで許してください」ドゲザ

    雪乃「余計許せないじゃない」

    八幡「………」

    雪乃「……地球に帰ったら、責任取ってもらうわよ」

    八幡「は? そ、それってぷろ――」

    雪乃「馬鹿なこと言わないで比企谷君。


    自首に決まってるじゃない。強姦罪の」


    八幡「」

    雪乃「絶対……生きて帰るわよ」

    八幡「……ああ」

    140 = 105 :

    人間世界の入り口

    騎士「本当に良いのだな」

    八幡「ああ」

    騎士「……分かった」ギィッ

    兵士「隊長!!」

    兵士「隊長!!」

    騎士「心配かけたな」

    兵士「よくぞご無事で!!」

    八幡「………」

    騎士「この男は、



     奴隷として連行してくれ」



    八幡「………」


     第二部、完

    141 = 105 :

    第三部では、奴隷になった相模のあんなところやこんなところが見えます。
    さらに葉山君のあんな所や戸部っちのあんなところが見えます。

    冗談です。でも冗談じゃないです。
    たぶん第4か5部で終わるんじゃないでしょうか。

    おやすみなさい。

    142 :

    おつ
    ゆきのんの裸体についてもう少し詳しく…

    143 :

    サキサキがいない、まさか八幡がいないことにすら気付かず他の奴らといっしょにいるのか?

    144 :

    異世界に来て早々に衣服をなくした雪ノ下と海老名wwwwww

    145 :

    面白いし好きな題材だけど俺ガイルでやる必要なかったんじゃ・・・

    147 :

    つうか雪ノ下ないわー助けてくれた八幡に対してあの罵倒はないわ
    これだったらいっそ捕まって大見得切って助けるって言った葉山の前で
    兵士に犯されまくってるほうがよかったかも?かも?

    148 :

    罵倒は二人のじゃれ合いみたいなもんだからから多少はね

    149 :

    >>147
    一理あるが、普段から八幡に対して罵倒(を含める普通の会話を)して過ごして来てるから、いきなり八幡に善意の言葉を述べる事も難しく感じてんだろ(適当)

    150 :

    >>148
    雪乃との罵倒込みのやり取りが無いと調子が狂うのが八幡だからなー


    実際にそれが無かった期間(8巻~9巻中盤)はかなり精彩を欠いていたし


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