私的良スレ書庫
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元スレいろは「せーんぱいっ」八幡「」
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さすがは冬である。
朝・昼はあんなポカポカと暖かったのに、夕方になり太陽が沈み始めると一気に冷え込む。
いや、単に俺だけが寒いのかもしれない。その理由は風邪をひいているからなのか、それともこれから部室に行くからなのか、答は後者だろう。
なぜなら土曜に俺が一色宅にお見舞いに行ったことを由比ヶ浜は知っているからだ。
まぁしかし由比ヶ浜が行けと言ったので行ったわけで、そこは別に責められることはなかろう。
ただ、何かあった?とでも聞かれたらそれは俺の人生終了のゴングが鳴り響いたのと同意でる。
俺はその問いをされたらまず間違いなく言葉につまるだろう。そうなればもう後のカーニバルである。
そしてこの話題になったら絶対に由比ヶ浜はこの問いをしてくる。
これは間違いない。
そんな不安を胸に奉仕部の戸を開けた。
そこにはいつもの様に一人の少女がまるで絵画のように座っている。
その少女は俺を見るなりすぐに携帯を取り出し耳にあてる。
ちょっと待ったぁぁぁああ!!!
八幡「俺だ」
装着していたマスクを外して顔をあらわにする。
するとその少女は携帯をすっと耳から離すと はて?といった感じで首をかしげた。
雪乃「誰?新手の俺々詐欺かしら?」
八幡「顔を完全に見せた状態で俺々詐欺とか流石にしねぇだろ。そんなの80のばあさんでも騙せねぇぞ」
そう言いながら自分の定位置の椅子を引き、腰を下ろすと再び雪ノ下が話しかけてくる。
雪乃「悪いけれどそこは比企谷君というヒキガエル科の生物の席よ。彼が来た時困るでしょうから別の席に座ってくれないかしら」
八幡「お前な…」
雪乃「何かしら?」
八幡「俺が比企谷八幡だ。よく覚えとけ」
雪乃「何を言っているの?比企谷君は確かに目が腐っていて今にも臭ってきそうだけれどあなたほどではないわ。比企谷君の目は死んだ魚のような目なのだけれどそれだけなのよ。あなたの目には遠く及ばないのよ」
八幡「風邪ひいてんだから仕方ねぇだろ」
雪乃「驚きね、死者も風邪をひくだなんて。論文にあなたを付けて出したらノーベル賞確実だわ」
ふふんっ、と鼻を鳴らす雪ノ下。
人を貶して喜んじゃうとかもう人としてどうなんですかねぇ?
それにしても彼女、なんだかとても楽しげである。
八幡「なに?お前の今日の切れ味どうなってんの?空色こえちゃってんじゃねーの?」
雪乃「意味の分からない言葉を羅列しないでもらえるかしら」
八幡「つかお前俺のことヒキガエル科って言ったよな?」
雪乃「事実でしょう」
八幡「そんな事実ねぇよ。つーか、それならお前その後に彼、って言ったよな?カエルのことを彼呼ばわりなんてお前も相当アレだよな」
雪乃「…………」
無言になる雪ノ下の顔からは血の気がひいている。
勝った…
ふ、ふふ、ふははははははっ!
勝った、勝ったぞ雪ノ下雪乃にぃ!!
雪乃「………覚えていなさい。近いうちに生まれて来たことを後悔させてあげるから」
やべーよ。
雪ノ下相手に勝てる気しねぇよ。
雪ノ下はフンッとそっぽを向くと再び読書へともどった。
俺もカバンから本を取り出しそれに続こうとして、ふと雪ノ下の方をチラリと見ると、彼女の口角は少し上がっていた。
しばらくすると部室の戸が開き、由比ヶ浜がやっはろーといつも通り変な掛け声と共に入ってきた。
その後はいつも通りだ。
どうやら由比ヶ浜は自分が金曜に言った事を忘れてしまったらしい。
さすがはアホの娘。
まぁこちらとしては助かったわけだが。
そうこうしている内にチャイムが鳴り、それぞれその教室をあとにした。
結衣「ヒッキー!!」
自転車置き場で自転車の鍵を開けるとちょうど由比ヶ浜が少し先から小走りでこちらへと向かってくる。
俺のもとへ着くなり、少し息を切らしてえへへーと笑顔を向けてきた。
八幡「んだよ。何か用か?」
結衣「んー、今日はいろはちゃんと一緒に帰るの?」
八幡「いや、そんな約束はしてないが…」
由比ヶ浜はパァっと笑顔になると じゃあさ!と切り出した。
結衣「一緒に帰rーーー」
八幡「断る」
結衣「即答だっ?!せめて言い終わるまで待ってよーっ!」
八幡「そしたら明日になっちゃうだろうが」
結衣「アタシそんな喋るの遅くないよねっ?!」
八幡「…んでなんだよ」
結衣「えへへー、一緒に帰ろうよっ、ヒッキー」
八幡「断る」
結衣「だからなんでだしっ?!」
八幡「………お前バスだろ」
結衣「んー、そうだけどぉ………よし、なら次の次のバス停までで良いからっ」
八幡「次じゃダメなのかよ…」
結衣「えー、それじゃあっという間じゃん。それともヤなの?」
んーむ、どうやら引く気はないらしい。
こいつのこういう時は何を言ってもダメだからなぁ…
これはこっちが折れるしかないな…
よって、少しため息をついてから わかったよ、と首肯した。
さきさき可愛いですよねぇ
僕としてはいろはす出てきてもさきさきの可愛さは余裕で健在してますね。あの八幡がさきさきや小町たちと話し合った時も良かったですし。
実際のとこは渡航先生しか分からないのでしょうが、やっぱ葉山一筋だったら7.5巻からいろはす出してないと思うんですよね。
個人的に10巻以降いろはす、さきさき、それと折本かおりにも期待してますっ!
僕としてはいろはす出てきてもさきさきの可愛さは余裕で健在してますね。あの八幡がさきさきや小町たちと話し合った時も良かったですし。
実際のとこは渡航先生しか分からないのでしょうが、やっぱ葉山一筋だったら7.5巻からいろはす出してないと思うんですよね。
個人的に10巻以降いろはす、さきさき、それと折本かおりにも期待してますっ!
由比ヶ浜と歩き始めてから少しして由比ヶ浜が先に口を開いた。
結衣「何か意外っ。ヒッキーが最後まで断る!って言わなくて」
八幡「どっかの誰かさんが全然引き下がろうとしなかったからな」
結衣「困った人だねその人」
八幡「全くだ。せっかく早く帰って小町の抱擁を受けようと思ってたのに」
結衣「そんなことしてるのっ?!それもう普通の兄妹じゃないよ…」
八幡「ばっかお前、千葉の兄妹はこれがデフォだぞ。高坂さんとこなんて恋人になっちゃうくらいだからな」
結衣「誰だしその人。全然普通じゃないからねソレッ!」
ホントなんで兄妹で結婚できねぇんだよ…
だけど法律では結婚が認められてないだけで、付き合う事には触れられてないのだろうか。
あれれ?なら良くね?僕は妹に恋をしても全然おkなんじゃないの?
運良く妹に腹パン食らわせて妹をアヘらせる幼馴染もいねーしな。
あれ?俺の人生実は薔薇色じゃね?
俺勝ち組やったんや…
八幡「……んで、今日はどうしたんだよ。何か悩み事か?」
結衣「んーん。……ただヒッキー風邪ひいてるなぁって思ってさ…」
八幡「なら尚更俺を早く帰すべきだろ」
結衣「だって……いろはちゃんとお、お見舞い以外のことっ!…したのかなぁ、って……」
ほーん、つまるところ土曜日の事を聞かせろカスってことか。なるほど。
八幡「お前の思ってる様ないやらしい事はなかったからな。ただおかゆ作ってやったりしただけだ」
結衣「い、いやらしい事なんて考えてないもんっ!!…あっ、でもやっぱお見舞いだけじゃなくて看病もしてあげたんだ……………羨ましい……」
………俺、難聴じゃねぇからそういうの聞こえちゃうんだよ。やめろよマジで。
今すぐ看病しちゃうぞっ!
>>368
すまん18日発売っぽいわ
すまん18日発売っぽいわ
>>363
いろはすが主人公の横陣取っててワロタ
いろはすが主人公の横陣取っててワロタ
うーちゃんは提督のことが好きじゃない→つまりうーちゃんは提督のことを(異性として)愛してる可能性があるかもしれない
まぁ実際はおかゆ作ってやっただけじゃなくて、おんぶしてトイレ連れて行ってやったりもして、最終的にはアイツの家で一緒の部屋で一緒のベッドで抱き合ったまま寝たわけだが…あれ?いつから俺の人生ギャルゲーになってんの?
その後はただ黙々と歩いているだけだった。
二人の距離は近過ぎず、遠過ぎず、人1人が間に入れるくらいの空間が空いている。
由比ヶ浜の歩調に合わせてトボトボと遅く歩いてはいたが、気付けば約束の次の次のバス停である。
人は誰もいない。
バス停に着くと由比ヶ浜は少し俺の先まで歩き、くるりと振り返る事もせずに喋り出した。
結衣「やっ、でもほら、お見舞い行くの提案したのアタシだしっ、ヒッキー目は腐ってるけど優しいからきっと看病もしてあげるんだろうなぁとは思ってたからさっ、うん、だから、全然…」
八幡「………」
くるりと振り向いた由比ヶ浜はたははーと笑ってはいるが、その声ははどんどんと小さくなっていく。
俺はただ黙って聞いているだけだった。
由比ヶ浜の言葉の中に多少俺をディスる言葉が混じっていても俺はなぜか口を挟む気にはなれなくて、だからいつもは神経を張り巡らして警戒している言動も容易く彼女に許してしまう。
結衣「………ヒッキー……アタシ、ヒッキーのこと……好き、だよ…」
俺が黙ったままでいると再び由比ヶ浜はくるりと180度回って俺に背中を向けた。
結衣「ご、ごめんねっ、こんなの今言われても迷惑っていうか、いや、アタシも全然今言う気はなかったていうか、ほらどうせなら死んじゃうとこに持っていくっていうかさっ…」
墓場までだろバカ。
結衣「いやー、にしてもヒッキー変わったよねー。前ならアタシがこういうの言いかけてたらバリアっ!みたいな感じで壁つくってたのにさー」
……そうだな。ほんの少し前までの俺ならお前にこんな言葉は言わせなかった。
由比ヶ浜はたはは…と力なく笑うと少し俯いた。その肩はとても小さくか弱く見える。
結衣「………ほんと、なんで、何も言ってくれないの…?」
その小さな肩は、フルフルと小刻みに震え、下に垂れた拳がキュッと握り締められている。
それでも俺は依然として何も喋らなかった。
結衣「……ごめん、ほんとこうゆうの迷惑だよね…。ヒッキーは仮にもいろはちゃんと付き合ってるんだし、そうさせたのアタシとゆきのんだし、なのにこんなの言われたらヒッキーだって困っちゃうよね…。あ、あはは、アタシ空気読むのだけが取り柄なのに、今全然読めてないよねっ。ごめんね、ヒッキー…。でも、返事だけは聞かせてくれると、嬉しい、かな……?」
そうだ。俺は言わなくちゃならない。由比ヶ浜と、雪ノ下と、そして一色と向き合わなくてはならない。
だからこそ、彼女たちの想いから俺はもう逃げるわけにはいかないのだ。
彼女たちの言葉をちゃんと聞いて、想いを受け止めて、それに全力で応えなくてはならない。
………ほんと、対人関係って相手と距離が近付くほどクソみてぇに大変だな…
でも俺は、こいつらからは、逃げない!
八幡「……由比ヶ浜、こっち向けよ」
結衣「……そっち向いたら良い返事、してくれる?」
八幡「……さあな。こっちを向くまでは言わん」
結衣「良いじゃん、このままで。どうせ返ってくる言葉なんてもう分かってるもん…。わざわざ向き合う必要なんて…」
八幡「俺にはある。確かに答はお前の想像通りだろうな。良い返事じゃない」
結衣「ならーーー」
八幡「それでも!……お前らとは、ちゃんと向き合わなくちゃ、ダメ、だと思う…」
今までたくさん逃げてきた。
俺は俺で、俺だからこそ、この先もいろんな事から逃げ続けるだろう。
逃げる事が悪い事だなんて全く思わない。人が変わる事だって結局は現状からの逸脱、いわゆる逃げだ。
俺のこんな言葉遊びも当然逃げにあたるだろう。
でも、やっぱ逃げるわけにはいかない。こいつらの事に関してだけは。
八幡「だから…だから俺を、逃げさしてくれるな…」
乙
なんかエンディングに向かってるような気がするが大丈夫だよね?
なんかエンディングに向かってるような気がするが大丈夫だよね?
結衣「ヒッキー…」
由比ヶ浜は再び俺へと向き直る。
そして少し涙の溜まった瞳を閉じて笑顔をつくった。
結衣「やっぱ、、変わったねっ…」
八幡「……さあな。でもお前は変わったかもな」
結衣「へ?アタシ?」
八幡「さっき自分で言っただろ。今全然空気よめてないって」
結衣「あ、そういえば言ったかも…。うん、アタシも変わったかもだね」
事実、こいつは変わった。
空気を読めてない云々ではなく、こういう事を言った、という事実が由比ヶ浜の変化を証明している。
恋に恋する女の子、それが由比ヶ浜結衣。
優しいのが由比ヶ浜結衣。
一生懸命なのが由比ヶ浜結衣。
無駄に空気を読んでしまう、否、読めてしまうのが由比ヶ浜結衣。
おっちょこちょいで、バカなのが由比ヶ浜結衣。
料理は壊滅的で、金銭感覚は狂ってないリア充なのが由比ヶ浜結衣。
胸はでけぇし、男を勘違いさせる様な態度とっちまうビッチくせぇのが由比ヶ浜結衣。
……でも…それでも…
由比ヶ浜結衣はいつだって太陽の様に朗らかで、何よりも温かい
きっと俺だって何度も意識してたさ。
実際、いつかこいつが他の奴と付き合ってるとこでも見たら、その日は一日中泣く自信がある。
でも、俺は……
八幡「お前とは付き合えない。悪い」
嫌だとはっきり言ってない上にこの書き方なら嫌だと思ってるかどうかもわからないのにな
俺は頭を下げてそう言った。
由比ヶ浜に許しをもらうまではこの頭を上げるわけにはいかない。
なぜなら俺はあの夏祭り、いや、その他いろいろな所でコイツの想いを避けてきたからだ。
適当な理由を付けて逃げてきたのだ。
きっと告白されていたら由比ヶ浜と付き合っていた、という未来があったかもしれない。
そんな未来があったかもしれないのに、俺の身勝手な思考で由比ヶ浜の望んだ未来を壊してしまったのだ。
そして今、勇気を振り絞って告白してくれた彼女を、俺は、他に想ってる奴がいるから、という理由でフった。
そして、そんな俺を今まで何度も助けてくれた。
それゆえの感謝も込めた謝罪だ。
つかもう由比ヶ浜には土下座しても良いくらいだな。いや、もはや土下寝しても良いな。
あー、ちくしょー。なんであんなにあーみんとタイガー可愛いんだよ生きるの辛いよぉ。
あっ、おれと高須の目似てね?ヤンキー高須とゾンビ比企谷菌…似てねーな、うん、全く。
結衣「そっか…」
きっと由比ヶ浜は泣いてしまうんじゃないかと思っていた。
けれど彼女は俺の目の前まで歩み寄ると、俺の下げた頭にそっと触れて優しく撫でた。
コイツに頭を撫でられるのは2度目である。
…え?なんでフった俺が撫でられる側たのん?
結衣「やっぱ、結構クるね、好きな人にフられるのって…」
結構クるほどに俺の様な奴を好きになってくれて、ホント感謝の言葉しかない。
でもね、と彼女は続けた。
結衣「ヒッキー、ありがとねっ」
八幡「へ?」
予期せぬ由比ヶ浜の言葉に思わず変な声が出てしまう。
この辺でふぇ?と言わない所がさすが俺だ。いや、俺が言ったらもうアレだな。うん、もうほんとアレ。超キモいな。
結衣「こういうの、ちゃんと目を見て言いたいとか、何かヒッキーらしくなくてヒッキーらしいから」
…つまり俺らしさってなんだよ…。
コンビニの雑誌コーナー行ったら表紙に太字で書いてあるのかよ…。
つか俺、今も昔も変わらない宝物とかねぇよ。理解されない建前だけなら一人前だが…。
結衣「ちゃんと言ってくれた方が、やっぱ良いね。辛いけど、なんかスッキリっていうかさ…」
八幡「……そうか」
少しの沈黙。
こういう時、俺は何て言えば良いのか知らない。
だからただこうして頭を下げて詫びることしか、俺にはできない。
結衣「やっぱり、いろはちゃんの事、好き?」
もう何度も聞かれた問い。
その度にあやふやにして、答えられなかった問い。
でも、由比ヶ浜に告白されて気付いた。
いや、もう好きになっていた事は認める。当然恋愛的な意味でだ。
今回気付いた、というのは一色に言われた“その好きとは違う、別の好き”についてという事だ。
だから、俺はようやくこの問いに答える事ができる。
八幡「あぁ」
結衣「………そっか…。ヒッキー、顔、上げて…」
そう言われて状態を起こした瞬間、トスッと柔らかな感触を胸に感じた。
下を見ると由比ヶ浜が抱きついてきている。
背中に回された腕には力はない。
ぅうっ、と小さく嗚咽が聞こえる。
結衣「うっ、ぐす、ねぇ、ヒッキー…もし、もしも、アタシが、ひっく、もっと早く、ぐすっ、告白、して、たら、どう、ぅっ、なってた、かな…?」
八幡「………さぁな…」
コイツだって分かっているのだろう。
きっと俺たちが付き合っていたであろう未来があったことを。
でももうそれはこの世界線では叶わない。
そんなありえたかもしれない可能性を言っても俺たちにはもうどうしようもないのだ。
それを由比ヶ浜自身も理解しているからこそ、その小さかった嗚咽は次第に大きくなり、そして由比ヶ浜は俺の胸の中で盛大に泣いた。
ちらほらと行き交う人々が俺たちを見てくるが、特に気にはならなかった。
コイツのこの涙を俺は全部受け止めなければならない。
俺はそのまま泣き続ける由比ヶ浜の頭をそっと片手で抱え込んだ。
でも時とは無情なもので、そんなに時間が経たないうちに遠方からバスがやってくるのが見える。
八幡「……由比ヶ浜、バス、来たぞ」
俺がそう言うと由比ヶ浜は少しずつ泣き止み、嗚咽を抑えてつつ俺から離れた。
結衣「ぐすっ、ご、ごめんヒッキー、制服濡らしちゃって…」
八幡「いや、別に良い。…もう、大丈夫そうか?」
結衣「…うんっ」
バスはもう数十メートル先だ。
由比ヶ浜はそれを確認すると、目に溜まった涙を指で払う。
結衣「ねぇ、ヒッキー…もしも、アタシがいつか他の誰かと付き合ってたらヒッキーどう思う?」
八幡「………」
超嫌だ。いや、フったのは確かに俺である。えぇ、俺ですとも。
でも嫌だ。なんか、こう、うん、嫌だ。
俺の沈黙にクスッと笑うと由比ヶ浜は踵を返す。
するとちょうどバスがやってきてプシュッと音を立てて停車するとドアが開く。
結衣「なら、良かったっ」
八幡「…俺、何も言ってないぞ」
結衣「うん、でも良いんだっ!それがヒッキーらしくてっ」
だから俺らしさってなんだよ。
コンビニの雑誌(ry
結衣「じゃあ、また明日ね、ヒッキー」
八幡「…おぅ」
由比ヶ浜が乗車すると、ドアは閉まり、出発した。
由比ヶ浜は最後尾に座り、後ろを向いて手を振ってきたので俺もそれに片手を上げて応える。
ーーーその日の夜は冷え込んだ。
日中はあんなにお日様ポカポカだったのになぁ…。
でも、なぜだろうか?
寒いはずなのに、ずっと胸の辺りが温かかい。
ふむ、今日も良い夢が見れそうだ…。
ということでようやく昨日買った俺ガイル6.5巻読んできます。
……………ふぅむ。
ーーーーー由比ヶ浜をフって数日、現在金曜。
一色から頂いた風邪もついに比企谷菌に喰われたようでーーーどんだけ強いんだよ比企谷菌、そろそろ休めよ…まぁバリア貫通するくらいだしなーーーすこぶる快調だ。
由比ヶ浜との関係も懸念していたが、フった翌日には互いにいつも通り会話ができた。なぜだろうか?由比ヶ浜もかは分からないが、俺の心の中はフる前に比べてずっとクリアだ。まぁつまり良好である。
部活も滞りなく平凡で、むしろ今まで以上に安住できる。まぁ千葉県横断お悩み相談メールは相変わらず剣豪将軍様から多数頂いていて、そろそろイライラが爆発しそうではあるが…
ちなみに一色とは火曜水曜と一緒に帰った。
…………ふむぅ。
そして現在金曜ラストの授業が終わった後、平塚先生に呼び出されて小言を言われ、部活に向かう途中、であったはずだ。
というのは、そうでなくなったからである。
つまり本来起こりえない事象が発生したせいで俺は悩んでいた。
その悩みというのは現在俺の置かれている現状である。
説明は長くなるので避けよう。
端的に言うと、三浦に連行されている。
………えっ?なにそれ意味ワカンナイ…
うん、いやホントに意味分かんないから今悩んでるんだよね。
ただ為されるがままになっている俺があまりにも理不尽で泣きたくなる。
優美子『ちょっとヒキオ、付いてきて』
平塚先生の小言が終わり、職員室を後にすると職員室前には三浦が居て、俺を一瞥するとそれだけ言って先を歩きだしたので俺も躊躇いながらも後に続いた。
俺が職員室に入った時、三浦も中に居て別の教師と話をしていた。
そこで目が合ったのを覚えている。
えっと、、つまりこれは目合わせてんじゃねぇぞマジお前シバきな、みたいなヤツかな……やだなにそれ怖い…。
まぁ当然女王のあーしさんに逆らう事なんてカースト最下位の俺には無理な話だったというわけだ。
………俺、マジでどうなっちゃうのん…?
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