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元スレ京太郎「原村部長は仏頂面」和「はいはい」
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京太郎「ぶちょうがな、ぶっちょうづらでな、な?」
和「……」カキカキ
京太郎「原村ぶちょ」
和「いいから手を動かしてください、須賀副部長」
京太郎「はい」
和「……」カキカキ
京太郎「……」カキカキ
和「六月の合宿先、なんて名前でしたっけ?」
京太郎「○×荘ってとこ。住所いるか?」
和「あ、お願いします」
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京太郎「だからさ、こいつのメニューは詰め込みすぎだと思うわけよ」
和「こっちの子と質、量はそれほど変わりませんけど」
京太郎「そこは個人差だなー」
和「うーん、わかりました。そこはあなたにお任せします」
京太郎「あんま任されっぱでも困る。技術教えんのはお前の役目だからな」
和「そこはまあ、役割分担ということで」
和「……咲と優希がもう少しその分野で頼れれば、私たちももっと楽できたんでしょうけどね」ハァ
京太郎「感覚で打ってる天才の言うことなんか、天才にしか理解できねえよ」ケラケラ
和「それにしたって、あの二人ももう最上級生なんですから」
和「そのあたりの自覚をもっとですね……」ブツブツ
京太郎「あーはいはい」
和「マジメに聞いてください」
京太郎「俺に言われたって困るし」
和「それはそうですけど」
京太郎「だいたい和だって、俺の話時々無視するじゃん」
和「いつも仏頂面で悪かったですね」
京太郎「あれ、聞こえてたんだ」
和「聞こえなかったことにしたかったですよ! っていうかしたんですよ!」
和「毎度毎度どういうリアクションを私に求めてるんですか!?」
京太郎「ああいうリアクション」
和「スルー前提!?」
京太郎「いいツッコミだなやぁ」
和「勘弁してください。私の属性じゃありません」
京太郎「属性なんて言葉を和の口から聞く日が来るとは」
和「咲がやたらとそっち方面の話題振ってくるんですよ。嫌でも覚えます」
京太郎「お前が呼び捨てにするようになってから、五段飛ばしぐらいで気安くなったよな、あいつ」
和「アレと中学時代から付き合ってる須賀くんの苦労がわかりました」
京太郎「しまいにゃアレ呼ばわり。一年夏ごろのお前に見せてやりてー」
和「やめてください死んでしまいます」
京太郎「なんで呼び捨てするようになったんだっけ」
和「なんでって言われても……優希はもちろん憧も穏乃も、親しい友人はみんな呼び捨てしますし」
和「咲だけいつまでもさん付けなのも変じゃないですか」
京太郎「……あれ、俺は?」
和「京太郎って呼んでほしいですか?」ニッコリ
京太郎「一人称は『わっち』で頼むぜ」
和「お断りするでありんす」ニッコリ
京太郎「この女理解してやがる。『香辛料』も見させられたのかよ……」
和「他にも『ギアス』『まおゆう』『境ホラ』あたりを布教されました」
京太郎「あいつはなにがしたいんだ?」
和「まあ、須賀くんは須賀くんですので」
和「土下座して頼むなら名前呼びを考えてあげないでもありませんが」
京太郎「なしてそんな上から目線なのお嬢さん」
和「呼んでほしくないんですか? 呼んでもらう側でしょう須賀くんは」
和「立場の上下というものがありますからね」フフン
京太郎「この二年で性格歪んだよなお前」
和「朱に交わって赤くなったんです! 誰のせいだと思ってるんですか!?」
京太郎「主犯は竹井先輩じゃね?」
和「……ですね」
京太郎「従犯が俺と咲と優希な」
和「染谷部長帰ってきてください」
和「話を戻しますけど」
京太郎「うん」
和「須賀くんは須賀くんでいいですか?」
京太郎「哲学的な質問きたな」
和「須賀京太郎なる男子はいったい何者なんでしょうね……じゃなくって」
京太郎「ノリツッコミだ」
和「須賀くんのこと、きょ」
京太郎「ノリツッコミしたぞあの和が」
和「……」
京太郎「『じゃなくって』ってちょっと控えめにノリツッコミを」
京太郎「途中で恥ずかしくなったんだなきっと、ってぇ!」ゴン!
和「殴りますよ」
京太郎「殴ってから言うな。こんな凶暴なおっぱいに育てた覚えはありません」
和「もう一発ほしいですか?」
京太郎「あ、ちょ、口より先に手を出すな!」アセアセ
京太郎「ホントお前バイオレンスな女になったよな! 後輩に鉄拳指導とかダメだぞ今日日!」
和「須賀くんと咲とゆーきしか殴ったことありませんっ! その内八割が須賀くん宛てです!!」
京太郎「わーい全然嬉しくない特別扱い!」
和「まったく」プンプン
京太郎「で、なんだっけ。俺を名前で呼びたいって話だっけ」
和「あなたが私に呼んでほしいって話でした」
京太郎「いや別に……」
和「えっ」
京太郎「なんか想像しただけで鳥肌立つし……」
和「そこまで!?」ガーン
京太郎「今さら呼び方変えられても違和感バリバリだし……」
和「そっちが本音ですよね!?」
京太郎「ま、いいじゃん。俺らはこんな感じで」
和「そうですか?」
京太郎「一年初めの頃と較べりゃ、この上ないぐらい気楽に友達やれてるよ、俺ら」
京太郎「今さら呼び方どうこうなんて、別に気にやしねえし」
和「……まあ、あなたがそれでいいのなら」
京太郎「さ、だいぶ時間無駄にしたぞ。練習メニュー詰めようぜ」
和「無駄話だって自覚はありましたか」
京太郎「手さえ止めなきゃ、内容自体は無駄にならなかったさ」
和(……どのあたりが?)
京太郎「内容がないようなんてことはないよう! つってな!」ゲラゲラ
和「さあお次はレギュラーのメニューですよー」
京太郎「はーい」
和「優希のタコス、どうしましょう」
京太郎「そりゃあ、俺が作るっきゃねえべ」
京太郎「東京行ったならまだしも、長野で店売りのタコスを安定供給するのは無理があるぜ」
和「学食にタコスがある清澄って、実は相当おかしな学校ですよね」
京太郎「そのおかげでお前ら二人が来たんだから、とんでもない幸運でもあったけどな」
和「……おほん。でも本当にいいんですか?」
京太郎「いいも悪いもそうするしかないし」
京太郎「後輩どもにタコスが満足するレベルの優希は作れないからな」
和「……」
京太郎(そして安定のスルーである)
和「……必ずしも、優希を満足させなくともよいのでは?」
京太郎「おいおい、親友の言葉とも思えないな」
和「優希だって須賀くんに手間を取らせてまではこだわらないはずです」
和「ああいえ、タコスそのものにはこだわるでしょうけど、質という意味で」
京太郎「……判断力がコンディションに左右されるってのは、さすがのお前でも認めるところだろ?」
和「……否定はしませんけど」
京太郎「優希のコンディショニングに一番買ってるのは、やっぱりタコスだよ」
京太郎「美味いもん食って、元気出して、精一杯打つ」
京太郎「そうやってあいつは今まで、全国のエースたちと渡り合ってきたじゃんか」
京太郎「だったら今年もそのために最善を尽くす。それが仲間として、あるべき形だろ?」
和「そのためなら須賀くんは、自分の時間を犠牲にしても構わないっていうんですか?」
京太郎「……」
和「例年通り男子と女子の大会は同時に行われます」
和「優希にタコスが必要な時は、同時に須賀くんにとっても、一番大事な時間じゃないですか」
和「今年はあなたにとって……最初で最後の団体戦、なんですよ?」
京太郎「……」
和「優希のことは、ううん、女子のことは女子でなんとかします」
和「ですから須賀くんは、自分のやるべきことをしっかり」
京太郎「だから、さぁ。そこは役割分担、だろ?」
和「え?」
京太郎「なにも自己犠牲がしたくて、こんなこと言ってるんじゃないんだよ」
京太郎「お前らのできないことは俺がするし、俺のできないことはお前らがするし、でさ」
京太郎「今回の件で言えば、未熟な一年男子どもの指導とか、俺和に丸投げするつもり満々だし」
和「ま、丸投げですか」
京太郎「相談に乗るぐらいならまだしも、指導となると俺にはなぁ」
京太郎「だからそのへんお前に頼むよ……ってな具合に分け合ってくもんだろ」
京太郎「……和はそういうの、嫌かな?」
和「……いえ。嫌じゃありません」
京太郎「おお、そりゃあよかった」
京太郎「こんなこと言って断られたら恥ずかしいもんな」
和「そこまで薄情な人間に見えますか、私は」
京太郎「冷徹ではあるわなー」
和「そこは否定するところですよね!?」
京太郎「冷徹にはなれるけど、人の心がわかってないってことはないよ」
和「……あまりそういったことは自信がないのですが」
京太郎「そういう意味では、竹井先輩と同じようなもんかもなー」
和「えっ。私が、先輩と、ですか?」
京太郎「先輩はさ、目的のために取捨選択できる人だったよな」
京太郎「そんで、捨てたもんに対しても非情にはなりきれない」
京太郎「引退して以降、あの人がどれだけ俺のことを気にかけてくれたか」
京太郎「お前だって知らないわけじゃないだろ?」
和「……ええ、そうでしたね」
京太郎「なー? そういう風に男子とか女子とか関係なく支え合うのが……」
和「清澄のやり方、ということですね」クスッ
京太郎「わかってきたじゃあないか原村くん」
和「何様ですか」
ガチャ
優希「おいーっす」
咲「こんにちはー」
京太郎「よっす」
和「こんにちは」
優希「なんだ、バカに早いな二人とも」
京太郎「今日は午後の授業入れてねーんだ」
和「右に同じく」
咲「お昼から部室にいたの?」
優希「まったく、うちの部長様は生真面目なこったじぇ」ヤレヤレ
京太郎「おい俺は」
優希「のどちゃんと二人きりで何時間も、とか完全にご褒美だろこの犬!」
京太郎「仕事してたんだけどなぁ」
優希「あ、そーなのかごめん」
京太郎「いえいえ。実際ご褒美はなんももらえなかったけどな!」
和「ゲンコツなら一発差し上げましたけどね」
京太郎「そういうのもらっても趣味じゃないんで……」
和「趣味だったとしたらあげてませんからね」
咲「それにしても仲良くなったよねー二人とも。特に三年になってから」
和「……」
京太郎「露骨に嫌そうな顔すんのやめろお前」
咲「あ、そうだ和ちゃん。今朝はありがとね」
和「……」
優希「わお、こっちでも露骨に苦い顔」
京太郎「今朝ってなんかあったのか?」
咲「いやぁ。数学と倫理と世界史の教材、丸々忘れてきちゃって」テヘッ
優希「おお、もう……」
和「それでこのポンコツさんのために、私は朝から方々走り回らされたんです」ゲンナリ
咲「ポンコツ!? ねえ和ちゃんポンコツはひどくない!?」
咲「クラス同じになってからとみに扱いひどいよ和ちゃん!」
京太郎「実態はこんなもんだっただろ、和」
和「百年の恋も冷めるレベルでした」
咲「うわーん和ちゃんの私株がストップ安! 助けて京ちゃんゆーきちゃん!」
京太郎「パラメータ上げようぜ」
優希「ポンコツ直そう、さっちゃん」
咲「簡単に直ったら苦労しないもん」イジイジ
和「須賀くんがてんやわんやしてるのを傍から見てる分には面白かったんですけどね……」
京太郎「おい」
和「今にして彼女の面倒を見続けてきたあなたの偉大さがわかりました」
京太郎「惚れ直した?」ドヤ
和「そもそも惚れてないので……」
優希「私は同じクラスなったことないからわかんないや」ケラケラ
咲「うう」イジイジ
優希「にしても、後輩どもがなかなか来ないじぇ」
咲「三年は帰りのSHRなぁなぁだから、終わるの早いんじゃない?」
和「あっ」
咲「どしたの和ちゃん」
和「SHR、忘れてました」ガックリ
咲「そういえばいなかったね」
優希「いなかったからさっちゃん、私と二人で来たわけだしな」
京太郎「いいじゃん別に、あんなのいる奴だけで。俺も出なかったし」
優希「ウチの担任も無理して来なくていいっつってたじぇ」
和「でも、もしも重要な連絡事項があったりしたら! 今からでも職員室に行って……」
咲「なんもなかったよー」
和「あう」
優希「さ、のどちゃんの貴重でもない『あう』をいただいたところで、時間つぶしに一局打つか」
京太郎「さんせー」
咲「時間ないからって東風戦は、やめてよね」
京太郎「本気で東風戦したら、僕たちが君にかなうはずないだろ」
優希「それでも守りたい東場があるんだじぇ」
咲「えっやるの?」
優希「やんないやんない。ほらのどちゃんも、いつまであうあう言ってんだ」
和「言ってません!」
優希「のどちゃんもサブカル詳しくなったよなー」タン
京太郎「男子の憧れだった原村和は死んだ! いったいなぜだ!」タン
和「死んでません」タン
咲「お嬢だからさ」タン
和「いえあなたのせいですから。ロン」
咲「おおう」
和「あなたが『境界線上のホライゾン』全巻プレゼントなんてしてくれるから……!」
京太郎「去年のクリパか。軽いイジメだったよな」
和「あんなメートル級の鈍器持たされて、帰り道で職質受けないかビクビクだったんですけど」
優希「秘奥義使えたらなにがいい?」タン
京太郎「斬空天翔剣かな、やっぱ。翔王絶憐衝も捨てがたいけど」タン
和「……」タン
咲「全力全壊のB・アサルト一択だね」タン
優希「レイディアント・ロアーしか選択肢のない私への嫌がらせか」タン
和「そもそも選択肢のない私への嫌がらせでもありますよね。ロン」
優希「あん」
和「だいたいネーミングが香ばしすぎやしませんか」
咲「そういうものなんだよ和ちゃん」
??「中二心をくすぐられるよー。ちょーかっこいいよー」
京太郎「あれ今誰か……」
咲「貴志○介の新刊買ったんだけどさ」タン
優希「へー」タン
京太郎「『天使の囀り』が好きだったな、俺」タン
和「普通の文学の話もできるんですね……」タン
咲「そりゃあ文学少女だし」タン
京太郎「曲がりなりにも、な」
咲「むー、一言余計だよ」
優希「ついていけない話だじぇ。ツモ、四暗刻」パタン
京太郎「うごっ」
咲「ぐふっ」
和「ゆーきも本読みましょうね。はい点棒」ジャラ
京太郎「竹井先輩が使えそうな秘奥義って」タン
和「まだその話続いてたんですか」タン
咲「ネプテューヌレイジだね」タン
優希「古今東西だれだれが使いそうな秘奥義ゲーーーーーム」タン
和「えっ」
京太郎「野依プロ」タン
咲「グランヴァニッシュかアーステッパー。いきなり相方じゃん」
和「……じゃあ染谷先輩で」タン
咲「あったっけ……」タン
優希「焔大蛇の印」タン
京太郎「マイソロだな」タン
咲「あーそっか」
咲「お姉ちゃん」タン
和「さらに続くんですか……」
優希「セイクリッドブレイム。次池田で」タン
京太郎「さんをつけろ」タン
和「さんをつけなさいゆーき。エンシェントカタストロフィ」タン
咲「淡ちゃん」タン
京太郎「サモンフレンズか」
優希「あれ? この三人+咲ちゃんの組み合わせ、どっかで見たような」タン
咲「やめて」
京太郎「V勢なら千里山の監督とかどうよ」タン
和「煌華月衝閃ですね。流局、テンパイです」パタン
咲「お昼なに食べた?」タン
優希「無論タコス」タン
和「おそばをいただきました」
京太郎「レディースランチ」タン
咲「えっ!?」
京太郎「なぜ驚く」
咲「私あげてないよ!?」
和「私が交換してあげました」タン
咲「そんな! 私のアイデンティティーが! ひどいよ和ちゃん!」タン
和「はあ、すみません」
優希「存外ちっぽけだな、咲ちゃんのアイデンティティー」タン
京太郎「どういう意味だおい、ツモ」パタン
京太郎「しゅーきょくー」
優希「いえい、私絶好調! 1位だじぇい!」ブイッ
和「2位ですか、まあまあでした」
咲「うーん今日ダメかも。3位」
京太郎「安定の4位な俺に謝れ」
咲「謝る方がひどくない?」
京太郎「それもそうだ。今年こそ予選リーグ突破してーんだけどなー」
和「できると思いますよ」
京太郎「えっ」
咲「えっ」
優希「えっ」
和「……なんですか、みんな揃ってその顔は」
京太郎「いや、和の口からお世辞が聞けるとは思わなくてさ」
和「お世辞じゃありません」ムスッ
京太郎「お、おう」
和「私はこと麻雀に関しては、極力主観を排して客観で物を言ってきたつもりです」
和「お世辞も気休めも言いません。今のあなたの力は十分、予選リーグ突破レベルにあります」
京太郎「お、おう……!」
和「まあ県代表はきついでしょうけど」
京太郎「ですよねー」
咲「でもね。確かに京ちゃん、すごく強くなったよ」
優希「ん、だな」
京太郎「そうかぁ?」
咲「私が一年の時に戦った、加治木ゆみさんって覚えてる?」
京太郎「鶴賀の大将か」
咲「京ちゃんと加治木さん、キャリアがよく似てるんだよね。高校から麻雀始めてさ」
咲「で、今のレベルもだいたい、高三の時の加治木さんと同じぐらいだと思う」
京太郎「は? ウソだろおい、あの人普通にお前とか天江プロとかと渡り合ってたよな?」
咲「えっと、私のことは別にいいんだけど……」
優希「実際お前、普通に私らと渡り合ってるじゃんか」
京太郎「結果普通に負けてるわけだが」
和「こういうことを言うのはなんですけれど……」
和「私たち三人は一年の時から場数を踏んで、すでに全国区のエースクラスなんです」
和「その私たちに囲まれて、そうそう普通に勝たれてもらっては、こっちが困ります」
京太郎「そんなもんかな」
優希「……むしろ平気のへーで二年間打ち続けたお前の方が、私は恐ろしいじぇ」
咲「……ね。京ちゃんのメンタル、はっきりいって清澄一だよ」
京太郎「んな大層なもんでもないんだけどなぁ」
京太郎「ほら、俺ってここで麻雀覚えたし。ここ以外の環境よく知らないし」
和「……感覚が完全にマヒしてますね」タラリ
京太郎「それにあれだ、すげー時々だけど、勝たせてくれるじゃん」
和「勝たせてません! その『時々』は、私たちが普通に負けてるんです!!」
京太郎「えっマジ?」
優希「つーか後輩には普通に勝ってるじゃん」
京太郎「新入生歓迎の時、ムロとか相手にか。アレ俺が一番びびったわ」
京太郎「麻雀ってラスを引かずに済むゲームなんだ、ってあの時初めて知ったし」
咲「……ごめん」
和「……すいません」
優希「……申し訳ありませんでした」
京太郎「別にお前らが謝るよーなことでも……」ハッ
京太郎「おやまーそんなにおやま(謝)ーらなくても! なんつって! ははははは!」
優希「謝れ」
咲「謝って」
和「謝ってください」
京太郎「なんで!?」ガーン
咲「コホン。とにかく、京ちゃんはけっこー強くなりました」
優希「そんな京太郎でも代表切符が遠いのが、今の高校男子麻雀界なんだよな」
咲「加治木さんも県代表にはなれなかったし、やっぱり厳しい世界だよ」
京太郎「二個上からちょーど俺のところまで、『冬の世代』とか『谷間』とか言われてたしなぁ」
咲「京ちゃんの世代は結構人出てきたけどね」
京太郎「かもな。でも問題は……俺の下の世代だよ」
優希「なー」
咲「私、男子に交じったら県代表になれるかな」
京太郎「いくらなんでもお前はなれるよ……」
和「いえ。東京か神奈川、大阪あたりだったら咲でも万が一があるかもしれません」
和「トップグループには100%食い込むでしょうけど」
京太郎「だな。トップのレベルそのものはギリで女子が上だと思う」
優希「差があるのはそのワンランク下の人数だもんな」
和「だいたいにして、競技人口で大差があるのに有力選手が女子に偏ってた、二年前の状況がおかしかったんです」
和「統計的にはこれが普通の状態なんです。オカルトでもなんでもありません」
京太郎「ONA」
咲「ONA出たね」
優希「私らが一年だった時の中三男子どもとかマジでヤバイじぇ」
京太郎「一個下が完全に魔境とか勘弁してください」
優希「さっちゃんでも危なさそうなのゴロゴロいるもんなー」
咲「神奈川のYくんとかね」
京太郎「あいつかー。今年の男子団体、Yのとこが連覇するだろうなぁ」
和「やる前からそんな弱気でどうするんです!」
京太郎「いや、無理だろアレは」
優希「『人は消えたりしない』とか『卓上に竜巻など起こらない』とか『歌っても麻雀は強くならない』とか言いながら相手のオカルトをことごとく無力化するあいつか」
咲「強化版SOAだね」
京太郎「そんなこと言いながらあいつ、最終的に『五感を奪う麻雀』とかやるしな」
和「(そんなオカルトありえ)ないです」
咲「私的に一番キツイのは、東京のTくんだと思うな」
優希「削られた点棒を倍返ししてくる奴か」
京太郎「あいつもうドイツからスカウト来てるって噂だぜ」
咲「後は同じ東京のAくん」
優希「河の牌を拾えなくなる『氷の世界』!」
咲「神奈川といえばYくんのチームメイトのSくんも」
京太郎「6つのプレースタイル『風林火陰山雷』を使い分けるあいつだな」
咲「大阪の古豪の二年生キャプテン、Sくんもヤバイね」
京太郎「利き腕に黄金のガントレットをつけて力をセーブしてたっていう、あの?」
優希「こえー男子マジこえー」
和「最後の人完全に麻雀関係ないですよね」
京太郎「いやーきついっす。長野にはそういうのがいないとはいえ」
和「……心でどう思っていようと勝手ですけどね。後輩の前では情けない姿を見せないでくださいよ?」
京太郎「わーってる。仮にも大将なんだ、どっしり構えてるさ」
優希「清澄の大将とかどっしり構えてる感じ皆無だけどなー」
咲「え、ひどくない?」
和「そう思うんだったらもう少し貫録を……せめて落ち着きを身に付けなさい、咲」
咲「落ち着いてるよ! 私もう三年生だもん!」
優希「ほほう。ならトイレへの付き添いはもういらないよな、さっちゃーん」
咲「え」
京太郎「捜索隊も出さなくていいな、咲」
咲「え、え……ちょっと待ってお願いしますぅ!」ジワッ
和「……これが春の全国チャンプだというんだから、世も末です」ハァ
京太郎「くくっ。ま、これでこそ俺らの大将だろ。支えてやれよ、原村部長」
和「はーぁ。サポートのサポート、お願いしますね須賀副部長」
優希「私はこまけぇこと気にせず、エースとして突っ込んでくだけだじぇ!」
咲「……やっぱり私、団体戦の方が好きだなぁ。今年もよろしくね、みんなっ」
ガチャ
和「あら」
京太郎「お、やっとか」
優希「待ちくたびれたぞお前らー」
咲「みんな、こんにちはー」
「「「「「先輩たち、こんにちはー!」」」」」
和「……さ、後輩たちの前です。しゃんとしてくださいね、先輩たち」
優希「ほら言われてるし。しゃんとしなよ、さっちゃん」
咲「ほら言われてるよ。しゃんとしてよね、京ちゃん」
京太郎「ほら言われてるぞ。しゃんとしろよ、優希」
和「全員に言ったんですよッ!!!」
こんな感じで二年後の清澄一年ズがぐだぐだしてるだけのスレです
最初は長くなりましたが今後は短いのをぽつぽつ落としていこうかと
清澄以外も書きたいですね
それではご一読ありがとうございました
最初は長くなりましたが今後は短いのをぽつぽつ落としていこうかと
清澄以外も書きたいですね
それではご一読ありがとうございました
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