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元スレ八幡「また俺の妹が小町じゃないんだが」
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八幡(会場にたどり着いた俺と七咲は、ガラガラの前でニコニコ笑うおっちゃんに薄っぺらい、ヒラヒラとなびく福引券を
手渡し、グルグルととガラガラを回した。なんだこれ、超ややこしい)
八幡(ちなみに、ガラガラを回したのは七咲だ。別に俺は、昔っから美也に取られて回したことがなかったからやりたかった
なんて、これっぽっちも思ってないんだからねっ)
七咲「あっ」
八幡(七咲がそう呟くと、屋台のおっちゃんが盛大にガラガラを鳴らしながら六等の500円分の商品券の当選を叫んだ。いや
さ、確かに嬉しいけどさ……)
七咲「やりました。先輩」
八幡「おう。そうだな」
八幡(やけに嬉しそうだな。そんなに喜ぶなら俺が500円あげてもこのくらい喜ぶんじゃないの?違うか?違うな)
七咲「けれど、他はラップとかティッシュばかりです。最後に当たってよかったですっ」
八幡(そう言うと、七咲は口元に軽く握った拳を当てクスッと笑った。それに釣られて俺もにこやかになりかけたが、間一髪 軌道を修正し、クールな顔を取り繕った。それは反則だろ)
八幡「じゃあ分けるか。俺はそのティッシュもらうから、あとは全部もってけ」
七咲「えっ?」
八幡(一瞬、七咲の顔に驚きが見えたのは気のせいだろうか)
八幡「どうせ断ってもお前は俺に渡したがるだろ?だから分けるんだよ」
七咲「分けるのは、普通こっちなんじゃないですか?」
八幡(商品券を指で挟みながら首をかしげる七咲のその顔は、えらく不思議そうな顔をしていた。)
八幡「いや、ほら。俺荷物持っただけだし。バブル崩壊した時なんて、主婦がこぞって買ったくらい貴重なものもらおうとし
てるし」
七咲「それはトイレットペーパーですよ」
八幡「それに、500円ぽっち、何に使うんだよ」
七咲「……そうですね」
八幡「だろ?ならば……あ?」
八幡(言いかけたとき、ぐぅ~っと空腹を知らせる鐘がなった。ただし、その音の主は俺ではない。とすると……)
七咲「……聞きました?」
八幡(赤く頬を染めてお腹を押さえる七咲の姿を見ると、途端に優位に立った気がした。小さいな、俺)
八幡「……なんか食べるか」
手渡し、グルグルととガラガラを回した。なんだこれ、超ややこしい)
八幡(ちなみに、ガラガラを回したのは七咲だ。別に俺は、昔っから美也に取られて回したことがなかったからやりたかった
なんて、これっぽっちも思ってないんだからねっ)
七咲「あっ」
八幡(七咲がそう呟くと、屋台のおっちゃんが盛大にガラガラを鳴らしながら六等の500円分の商品券の当選を叫んだ。いや
さ、確かに嬉しいけどさ……)
七咲「やりました。先輩」
八幡「おう。そうだな」
八幡(やけに嬉しそうだな。そんなに喜ぶなら俺が500円あげてもこのくらい喜ぶんじゃないの?違うか?違うな)
七咲「けれど、他はラップとかティッシュばかりです。最後に当たってよかったですっ」
八幡(そう言うと、七咲は口元に軽く握った拳を当てクスッと笑った。それに釣られて俺もにこやかになりかけたが、間一髪 軌道を修正し、クールな顔を取り繕った。それは反則だろ)
八幡「じゃあ分けるか。俺はそのティッシュもらうから、あとは全部もってけ」
七咲「えっ?」
八幡(一瞬、七咲の顔に驚きが見えたのは気のせいだろうか)
八幡「どうせ断ってもお前は俺に渡したがるだろ?だから分けるんだよ」
七咲「分けるのは、普通こっちなんじゃないですか?」
八幡(商品券を指で挟みながら首をかしげる七咲のその顔は、えらく不思議そうな顔をしていた。)
八幡「いや、ほら。俺荷物持っただけだし。バブル崩壊した時なんて、主婦がこぞって買ったくらい貴重なものもらおうとし
てるし」
七咲「それはトイレットペーパーですよ」
八幡「それに、500円ぽっち、何に使うんだよ」
七咲「……そうですね」
八幡「だろ?ならば……あ?」
八幡(言いかけたとき、ぐぅ~っと空腹を知らせる鐘がなった。ただし、その音の主は俺ではない。とすると……)
七咲「……聞きました?」
八幡(赤く頬を染めてお腹を押さえる七咲の姿を見ると、途端に優位に立った気がした。小さいな、俺)
八幡「……なんか食べるか」
八幡(しばらくお腹に手を当て、背中を丸めながら俺の隣を歩く七咲を横目でチラ見していると、その視線の向こうにおうば ん焼きなるものを焼き売りする屋台が現れた)
八幡(そっちを指さしながらあれはどうかと問くと、その心はいたってシンプルで、首を縦に振るというものだった)
八幡(七咲の思いを汲み取った俺は、これ以上彼女に恥をかかせぬように一人足早に屋台へ向かい距離を取った。(音的な
問題で)だが七咲の好みのフレーバーを知らない俺は結局店の前で立ち尽くすことになった)
七咲「待ってください。せんぱ……」
八幡(思いっきり裏目ったようだ。俺に追いつくために早足で追いかけてきたせいか、七咲のお腹はもう一度唸りを上げた)
七咲「……」
八幡(なにを言っていいか分からなかった俺は、とりあえず頭に浮かんだ言葉を口から発射してみることにした)
八幡「すいません。クリームと、小倉」
× × ×
八幡(味は二つしかなかったし、七咲が選ばなかった方を食べればいいと思っていたんだが、彼女は俺の予想を少しだけ上 回る行動をとった)
七咲「先輩は最初いらないと言ったんですから、やっぱりあげません」
八幡「あぁ、そう」
八幡(そう言って、七咲は小倉とクリームの二つを手にとった。それを見て俺は、かわいいなくらいにしか思わなかったの
だが、なにを勘違いしたのか、七咲は食べたいですか?なぞと言って、右手の大判焼き(おそらくクリーム)を千切
って俺の口の前に差し出した)
八幡「もらえるなら食べるけどよ」
七咲「ふふっ。嘘です。あげません」
八幡(いや、知ってたよ?だって君、小学生の頃に俺に匂い付き消しゴムの匂いを自慢して『嗅いでみる?』って言った
赤沼さんと同じ目をしてもの)
七咲「おいしいです」
八幡「そりゃよかったな」
八幡(はふはふ言いながら大判焼きを頬張るその姿は、さしずめほっぺにひまわりの種を詰め込んだハムスターと言った
ところだろうか)
七咲「これ、あげます」
八幡「いいのか?」
七咲「ええ。先輩がかわいそうなので」
八幡(どうやら、今度は本当によかったらしい。素直に受け取ると、俺は大判焼きの端をちぎって口に放り込んだ)
七咲「どうですか?」
八幡「普通にうまい」
七咲「そうですか」
八幡(ただ、残念なのは俺がもらった部分にクリームが入っていなかったところだ。くそ、性悪女め)
八幡(そっちを指さしながらあれはどうかと問くと、その心はいたってシンプルで、首を縦に振るというものだった)
八幡(七咲の思いを汲み取った俺は、これ以上彼女に恥をかかせぬように一人足早に屋台へ向かい距離を取った。(音的な
問題で)だが七咲の好みのフレーバーを知らない俺は結局店の前で立ち尽くすことになった)
七咲「待ってください。せんぱ……」
八幡(思いっきり裏目ったようだ。俺に追いつくために早足で追いかけてきたせいか、七咲のお腹はもう一度唸りを上げた)
七咲「……」
八幡(なにを言っていいか分からなかった俺は、とりあえず頭に浮かんだ言葉を口から発射してみることにした)
八幡「すいません。クリームと、小倉」
× × ×
八幡(味は二つしかなかったし、七咲が選ばなかった方を食べればいいと思っていたんだが、彼女は俺の予想を少しだけ上 回る行動をとった)
七咲「先輩は最初いらないと言ったんですから、やっぱりあげません」
八幡「あぁ、そう」
八幡(そう言って、七咲は小倉とクリームの二つを手にとった。それを見て俺は、かわいいなくらいにしか思わなかったの
だが、なにを勘違いしたのか、七咲は食べたいですか?なぞと言って、右手の大判焼き(おそらくクリーム)を千切
って俺の口の前に差し出した)
八幡「もらえるなら食べるけどよ」
七咲「ふふっ。嘘です。あげません」
八幡(いや、知ってたよ?だって君、小学生の頃に俺に匂い付き消しゴムの匂いを自慢して『嗅いでみる?』って言った
赤沼さんと同じ目をしてもの)
七咲「おいしいです」
八幡「そりゃよかったな」
八幡(はふはふ言いながら大判焼きを頬張るその姿は、さしずめほっぺにひまわりの種を詰め込んだハムスターと言った
ところだろうか)
七咲「これ、あげます」
八幡「いいのか?」
七咲「ええ。先輩がかわいそうなので」
八幡(どうやら、今度は本当によかったらしい。素直に受け取ると、俺は大判焼きの端をちぎって口に放り込んだ)
七咲「どうですか?」
八幡「普通にうまい」
七咲「そうですか」
八幡(ただ、残念なのは俺がもらった部分にクリームが入っていなかったところだ。くそ、性悪女め)
七咲「とってもおいしかったですね。先輩」
八幡「そうだな。特にあのクリームがな」
八幡(100%の皮肉を濃縮還元する勢いで言葉に詰め込むみそれをお見舞いすると、七咲は勝ち誇ったように右の眉毛を釣り
上げた)
七咲「さてと、先輩。もう帰りますか?」
八幡(言葉よりも行動が先に脳内にインプットされ、思わず返事を返さないでいると、今度は眉毛を八の字にして七咲が俺に
問を投げかける)
七咲「先輩?どうしたんですか?」
八幡「あぁ、いや。なんでもない」
七咲「……?そうですか」
八幡(ナチュラルに自分のカバンに大判焼きの包み紙を入れたが、そういうこと出来る子は将来いい子に育つと思いますよ。
なんて、何様のつもりかもわからないような意見を頭で創造し、そしてそれをしばらくの間頭の片隅にしまっておくこ
とを決意した)
八幡「そうだな。今日はもう遅いし、寒いし。帰るか」
七咲「はい。今日はありがとうございました」
八幡(頭を下げた彼女は、どうやら下に落ちていたらしいチラシのような紙くずを拾い上げた。街を綺麗にしたいってか。
えらいなぁ)
八幡「おう。俺はこっちから帰るから」
七咲「ええ。それではまた明日」
八幡(返事はしないでおいた。学年違うのに、そう頻繁に会ったりもしないだろうからな)
七咲「せーんぱいっ」
八幡「どうした」
七咲「ほっぺにクリーム、ついてますよ」
八幡「……ははっ。ありがとうよ」
八幡(まだ怒ってんのかよ。腹の音くらい別にいいだろうに)
八幡「……ん」
八幡(どうやら風に流されてここまで転がってきたようだ。まぁ目の前にゴミがあるのもあれだしな。今日は持って帰って
やるとしよう)
八幡「まぁ、たまにはいいことしてみるか」
八幡(そういえば、あれれ?なにか忘れてる気がするぞぉ~)
八幡「……テッシュもらってねえや」
八幡「そうだな。特にあのクリームがな」
八幡(100%の皮肉を濃縮還元する勢いで言葉に詰め込むみそれをお見舞いすると、七咲は勝ち誇ったように右の眉毛を釣り
上げた)
七咲「さてと、先輩。もう帰りますか?」
八幡(言葉よりも行動が先に脳内にインプットされ、思わず返事を返さないでいると、今度は眉毛を八の字にして七咲が俺に
問を投げかける)
七咲「先輩?どうしたんですか?」
八幡「あぁ、いや。なんでもない」
七咲「……?そうですか」
八幡(ナチュラルに自分のカバンに大判焼きの包み紙を入れたが、そういうこと出来る子は将来いい子に育つと思いますよ。
なんて、何様のつもりかもわからないような意見を頭で創造し、そしてそれをしばらくの間頭の片隅にしまっておくこ
とを決意した)
八幡「そうだな。今日はもう遅いし、寒いし。帰るか」
七咲「はい。今日はありがとうございました」
八幡(頭を下げた彼女は、どうやら下に落ちていたらしいチラシのような紙くずを拾い上げた。街を綺麗にしたいってか。
えらいなぁ)
八幡「おう。俺はこっちから帰るから」
七咲「ええ。それではまた明日」
八幡(返事はしないでおいた。学年違うのに、そう頻繁に会ったりもしないだろうからな)
七咲「せーんぱいっ」
八幡「どうした」
七咲「ほっぺにクリーム、ついてますよ」
八幡「……ははっ。ありがとうよ」
八幡(まだ怒ってんのかよ。腹の音くらい別にいいだろうに)
八幡「……ん」
八幡(どうやら風に流されてここまで転がってきたようだ。まぁ目の前にゴミがあるのもあれだしな。今日は持って帰って
やるとしよう)
八幡「まぁ、たまにはいいことしてみるか」
八幡(そういえば、あれれ?なにか忘れてる気がするぞぉ~)
八幡「……テッシュもらってねえや」
今日はここまでにする、眠いからさ
近いうちにまた書くよ。絶対にね
それじゃあ、おつかれちゃーん
近いうちにまた書くよ。絶対にね
それじゃあ、おつかれちゃーん
すまん誰か>>1の過去スレ教えて下さい
>>513
やっぱり反則級にかわいいな
やっぱり反則級にかわいいな
× × ×
八幡「だから、俺は数学が嫌いなんだ」
七咲「何度もわかったって言ってるじゃないですか。ところでこの公式はどうやって使うんですか?」
八幡「……」
八幡(ダメだこいつ。早く何とかしないと……)
八幡(数学の小テストを当然のように落第した俺は、課題である数学のプリントを片手に学校の図書室に来ていた)
八幡(なんて厄日だ。家の鍵を忘れた上に財布には金が入っていない。くそ、昨日本屋で新刊を買わなければこんなことには
ならなかったんだ)
八幡(……まぁ、そこまではいい。8割がた俺が悪いんだし、甘んじて受け入れよう。(もう二割はたっぷりの小遣いを渡し
てくれない母親のせいってことで)だが……)
七咲「先輩、それなら私わかりますけど、教えましょうか?」
八幡「おっ、おん」
七咲「ふふっ」
八幡(なぜこいつがここいるんだ?)
八幡(図書室の机の上で教科書を広げて頭を抱えていた俺の正面に、いつの間にか彼女は座っていた)
八幡(どうやら、七咲は他人の弱点を即座に見つける能力に長けているらしい。俺が数学が苦手なことを見極めると、親の敵 のように俺を馬鹿にし始めた)
七咲「全く、プリントを睨んでも問題は解けませんよ?先輩」
八幡(前言撤回だ。見極めたのではないらしい)
七咲「先輩のクラスと私のクラスの数学の先生は同じ人だったみたいですね」
八幡「そうですね」
八幡(悔しい。こんなに悔しいのはいつ以来だろうか)
七咲「あっ、先輩。この問題は多分こっちの問題の応用です」
八幡「ふむふむ」
八幡(しまった。素直に説明を聞いてしまった)
八幡「だから、俺は数学が嫌いなんだ」
七咲「何度もわかったって言ってるじゃないですか。ところでこの公式はどうやって使うんですか?」
八幡「……」
八幡(ダメだこいつ。早く何とかしないと……)
八幡(数学の小テストを当然のように落第した俺は、課題である数学のプリントを片手に学校の図書室に来ていた)
八幡(なんて厄日だ。家の鍵を忘れた上に財布には金が入っていない。くそ、昨日本屋で新刊を買わなければこんなことには
ならなかったんだ)
八幡(……まぁ、そこまではいい。8割がた俺が悪いんだし、甘んじて受け入れよう。(もう二割はたっぷりの小遣いを渡し
てくれない母親のせいってことで)だが……)
七咲「先輩、それなら私わかりますけど、教えましょうか?」
八幡「おっ、おん」
七咲「ふふっ」
八幡(なぜこいつがここいるんだ?)
八幡(図書室の机の上で教科書を広げて頭を抱えていた俺の正面に、いつの間にか彼女は座っていた)
八幡(どうやら、七咲は他人の弱点を即座に見つける能力に長けているらしい。俺が数学が苦手なことを見極めると、親の敵 のように俺を馬鹿にし始めた)
七咲「全く、プリントを睨んでも問題は解けませんよ?先輩」
八幡(前言撤回だ。見極めたのではないらしい)
七咲「先輩のクラスと私のクラスの数学の先生は同じ人だったみたいですね」
八幡「そうですね」
八幡(悔しい。こんなに悔しいのはいつ以来だろうか)
七咲「あっ、先輩。この問題は多分こっちの問題の応用です」
八幡「ふむふむ」
八幡(しまった。素直に説明を聞いてしまった)
七咲「……」
八幡(どうやら俺をからかうより、自分がやばいことに気がついたらしい。七咲は手元にあるプリントにシャーペンでカリカ
リと数字を書くことに集中しているようだ)
八幡(しかし、いくらからかわれなくなったとはいえ、俺が絶望的にやばい状況であることには変わりななく、ただぼーっと窓
の外を見上げ、たまに思い出したかのようにプリントを見つめては落胆することを繰り返していた)
七咲「……」
八幡(視界の端に映る彼女の頭が少し動くと、黒髪が揺れてあどけない少女の顔(かわいい)がこっちを見るのがわかった)
八幡(なにをチラチラ見ているかわからんが、これ以上俺のライフを削るようならばこっちもそれ相応の態度を取らせて頂くぞ!)
八幡(とはいえ、こっちが彼女に対抗できるだけの武器はない。さっきのやっぱなしで)
七咲「先輩」
八幡「どうした」
八幡(即座に返事ができるようになったあたり、俺も成長しているのかもしれないな。違うか)
七咲「私、小学生の弟がいるんです」
八幡「ほう」
八幡(そう言うと、七咲は俺に相談事を持ちかけた)
八幡(簡単に説明すると、どうやらその弟くんが最近七咲にべったりらしい。それに対してどう接したらいいかわからん。という事だった)
七咲「どうしたらいいでしょうか」
八幡「なぜそれを俺に聞くんだ」
七咲「なんだかんだ先輩は悪い意味で大人びていますし。美也ちゃんとの仲もいいみたいなので」
八幡(悪い意味で大人びている、という言葉がやけに的をいていると関心していると、七咲は無視するなとプンスカ怒り出した)
七咲「ちょっと、聞いてるんですか?」
八幡「あぁ、悪い悪い」
八幡(どうやら俺をからかうより、自分がやばいことに気がついたらしい。七咲は手元にあるプリントにシャーペンでカリカ
リと数字を書くことに集中しているようだ)
八幡(しかし、いくらからかわれなくなったとはいえ、俺が絶望的にやばい状況であることには変わりななく、ただぼーっと窓
の外を見上げ、たまに思い出したかのようにプリントを見つめては落胆することを繰り返していた)
七咲「……」
八幡(視界の端に映る彼女の頭が少し動くと、黒髪が揺れてあどけない少女の顔(かわいい)がこっちを見るのがわかった)
八幡(なにをチラチラ見ているかわからんが、これ以上俺のライフを削るようならばこっちもそれ相応の態度を取らせて頂くぞ!)
八幡(とはいえ、こっちが彼女に対抗できるだけの武器はない。さっきのやっぱなしで)
七咲「先輩」
八幡「どうした」
八幡(即座に返事ができるようになったあたり、俺も成長しているのかもしれないな。違うか)
七咲「私、小学生の弟がいるんです」
八幡「ほう」
八幡(そう言うと、七咲は俺に相談事を持ちかけた)
八幡(簡単に説明すると、どうやらその弟くんが最近七咲にべったりらしい。それに対してどう接したらいいかわからん。という事だった)
七咲「どうしたらいいでしょうか」
八幡「なぜそれを俺に聞くんだ」
七咲「なんだかんだ先輩は悪い意味で大人びていますし。美也ちゃんとの仲もいいみたいなので」
八幡(悪い意味で大人びている、という言葉がやけに的をいていると関心していると、七咲は無視するなとプンスカ怒り出した)
七咲「ちょっと、聞いてるんですか?」
八幡「あぁ、悪い悪い」
八幡(そんなに見つめられると、どんな顔すればいいのかわからなくなるのでやめてもらえませんかね。と言いたくなるくら
いにその目は俺を見据えている。怖い、怖いよ)
八幡「そうだな。質問を質問で返すようで悪いが、お前はそうされて嫌だと思ってるのか?」
七咲「いえ、そんなことはありませんけど」
八幡「じゃあいいじゃねえか。好きにさせてやれよ」
七咲「いいんですか?それで」
八幡「小学生なんて、まだまだガキもいいところだ。そんなのに理論で接しても向こうが納得するわけないだろ。だから怒った
ら勝手に怒らせておけばいいし、泣いてたら泣かせとけ。甘えてきたらそれと同じようにしてやればいい)
七咲「……先輩って、きっといいお兄さんなんでしょうね」
八幡「散々美也で苦労したからな」
七咲「美也ちゃんも先輩に甘えたりしてたんですか?」
八幡「その辺は直接聞いてくれ。俺が答えると多分引っかかれる」
七咲「ふふっ。それもそうですね」
八幡「そうだよ」
七咲「……」
八幡(言うと、七咲は黙り込んでしまった。眉間に皺を寄せたその顔はどうやら何かを考えているようだった)
八幡(弟のことをどうしようと考ええいたのか、はたまた脳を切り替えて目の前の数学のプリントを見て問題を解こうとしているのか、俺には
わからなかったがな)
七咲「……、お兄ちゃん」
八幡「……?」
八幡(どどどどうやら俺の考えはどちらも正解ではなかったらしい。いや、そんなことはもうどうでもいい。ちょっと待て。こいつには兄貴もいた
のか?)
七咲「お兄ちゃん。……ふふっ、なんだか変な感じですね。くすぐったいです」
八幡(一応乗っておいたほうがいいのか?これは七咲なりのボケなのだろうか。……まぁ、とりあえず)
八幡「なんだ?逢」
七咲「あっ…………。んぅ」
八幡(今の声はなんだよ、おい。柄にもなく照れているのか?こいつは)
七咲「そ、そういえば部室に忘れ物してたの思い出しました。取ってくるので先輩は帰っていいですよ」
八幡「は?」
七咲「さようなら!」
八幡(教科書やらなにやらをまとめると、七咲はさっさと図書室を出て行った)
八幡「さ、さよなら」
八幡(もう見えなくなった七咲の背中に、俺は一応別れを告げた。しかし、俺の本来の目的は数学の勉強だ。帰るわけにはいかん)
八幡「……わかんね」
いにその目は俺を見据えている。怖い、怖いよ)
八幡「そうだな。質問を質問で返すようで悪いが、お前はそうされて嫌だと思ってるのか?」
七咲「いえ、そんなことはありませんけど」
八幡「じゃあいいじゃねえか。好きにさせてやれよ」
七咲「いいんですか?それで」
八幡「小学生なんて、まだまだガキもいいところだ。そんなのに理論で接しても向こうが納得するわけないだろ。だから怒った
ら勝手に怒らせておけばいいし、泣いてたら泣かせとけ。甘えてきたらそれと同じようにしてやればいい)
七咲「……先輩って、きっといいお兄さんなんでしょうね」
八幡「散々美也で苦労したからな」
七咲「美也ちゃんも先輩に甘えたりしてたんですか?」
八幡「その辺は直接聞いてくれ。俺が答えると多分引っかかれる」
七咲「ふふっ。それもそうですね」
八幡「そうだよ」
七咲「……」
八幡(言うと、七咲は黙り込んでしまった。眉間に皺を寄せたその顔はどうやら何かを考えているようだった)
八幡(弟のことをどうしようと考ええいたのか、はたまた脳を切り替えて目の前の数学のプリントを見て問題を解こうとしているのか、俺には
わからなかったがな)
七咲「……、お兄ちゃん」
八幡「……?」
八幡(どどどどうやら俺の考えはどちらも正解ではなかったらしい。いや、そんなことはもうどうでもいい。ちょっと待て。こいつには兄貴もいた
のか?)
七咲「お兄ちゃん。……ふふっ、なんだか変な感じですね。くすぐったいです」
八幡(一応乗っておいたほうがいいのか?これは七咲なりのボケなのだろうか。……まぁ、とりあえず)
八幡「なんだ?逢」
七咲「あっ…………。んぅ」
八幡(今の声はなんだよ、おい。柄にもなく照れているのか?こいつは)
七咲「そ、そういえば部室に忘れ物してたの思い出しました。取ってくるので先輩は帰っていいですよ」
八幡「は?」
七咲「さようなら!」
八幡(教科書やらなにやらをまとめると、七咲はさっさと図書室を出て行った)
八幡「さ、さよなら」
八幡(もう見えなくなった七咲の背中に、俺は一応別れを告げた。しかし、俺の本来の目的は数学の勉強だ。帰るわけにはいかん)
八幡「……わかんね」
× × ×
八幡(まるで何一つ間違っていない青春の一ページのような経験を経て自宅へ戻ると、リビングで美也がみかんの皮をむいて
いた)
美也「ふぁ、ひぃひおふぁえりー」
八幡「飲み込んでからいいなさい」
美也「……んんっ。にぃにおかえりー」
八幡「ただいま」
八幡(こたつの布団を持ち上げ、吸い込まれるように中に足を突っ込むと途端にじんわりとした寒さがほかほかと温められていくのが
わかった。こたつ最強説は未だ健在だな)
美也「ふんふんふーん」
八幡(……昔は何かと甘えていた美也だが、果たして今はどうだろうか。しっかりと甘えてくれているのだろうか)
美也「あっ、にぃに。みかんの皮剥いてくれる?」
八幡「へいへい」
美也「にしし。やっぱりお兄ちゃん頼りになるー!これからも甘えるからねん」
八幡「そうか」
八幡(これは甘えているのではなく、顎で使っているの間違えではないだろうか)
美也「あっ、ついでにアイスとってきてー」
八幡(七咲、すまん。ある程度におさめておかないとこうなるらしい)
美也「ついでにジュースもねー」
八幡(注文を受けた俺は重い腰を上げるとキッチンへ向かった)
八幡(冷蔵庫を開けると中にはりんごとみかんの二種類のジュースがあった。果たして美也はどっちを飲みたいのだろうか)
八幡(考えた末に、俺はりんごジュースと、冷凍庫から取り出したソーダ味のアイスを2本持ってリビングへと舞い戻った)
八幡「ほらよ」
美也「にぃにありがと!やっぱわかってるねー」
八幡(どうやらお気に召したらしい。俺の兄スキルにさらに磨きがかかったな)
美也「あっ、ドラマが始まっちゃう。にぃに、リモコン取ってー」
八幡「……自分で取りなさい」
八幡(まるで何一つ間違っていない青春の一ページのような経験を経て自宅へ戻ると、リビングで美也がみかんの皮をむいて
いた)
美也「ふぁ、ひぃひおふぁえりー」
八幡「飲み込んでからいいなさい」
美也「……んんっ。にぃにおかえりー」
八幡「ただいま」
八幡(こたつの布団を持ち上げ、吸い込まれるように中に足を突っ込むと途端にじんわりとした寒さがほかほかと温められていくのが
わかった。こたつ最強説は未だ健在だな)
美也「ふんふんふーん」
八幡(……昔は何かと甘えていた美也だが、果たして今はどうだろうか。しっかりと甘えてくれているのだろうか)
美也「あっ、にぃに。みかんの皮剥いてくれる?」
八幡「へいへい」
美也「にしし。やっぱりお兄ちゃん頼りになるー!これからも甘えるからねん」
八幡「そうか」
八幡(これは甘えているのではなく、顎で使っているの間違えではないだろうか)
美也「あっ、ついでにアイスとってきてー」
八幡(七咲、すまん。ある程度におさめておかないとこうなるらしい)
美也「ついでにジュースもねー」
八幡(注文を受けた俺は重い腰を上げるとキッチンへ向かった)
八幡(冷蔵庫を開けると中にはりんごとみかんの二種類のジュースがあった。果たして美也はどっちを飲みたいのだろうか)
八幡(考えた末に、俺はりんごジュースと、冷凍庫から取り出したソーダ味のアイスを2本持ってリビングへと舞い戻った)
八幡「ほらよ」
美也「にぃにありがと!やっぱわかってるねー」
八幡(どうやらお気に召したらしい。俺の兄スキルにさらに磨きがかかったな)
美也「あっ、ドラマが始まっちゃう。にぃに、リモコン取ってー」
八幡「……自分で取りなさい」
気づいたらもう四時じゃないか、もう寝る
読んでくれた人ありがとう、おつかれちゃーん
読んでくれた人ありがとう、おつかれちゃーん
>>530
だからageんなって
だからageんなって
>>536
ワロタ
ワロタ
>>1はもうこないのか?
>>545 sage忘れてたすまん。
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