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    元スレ苗木「女の子になった……」

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    151 :

    一番かっこいいのはドレッドヘアのアイツだべ!

    152 :

    何言ってんだべ、自演は良くねーぞ!

    153 :

    残姉さんの番はまだか

    154 :

    わざわざSS速報にきてまでして雑談するならそのまま落としたほうがよかったろ
    >>1も元スレのやつちまちま貼るだけでまったく進展してないし

    155 :

    俺は雑談大歓迎だけどどうなんだろうね
    ちまちま投下なのは本当にすまん。忙しくて

    156 = 1 :

    セレス「泣きの一回とはいえ、賭けは賭けですから……約束通り手がかりを教えますわ」

    苗木「ありがとう、セレスさん……」

    苗木「でもその前に聞きたいんだけど、どこで手がかりを見つけたの?」

    セレス「実は昨日、モノクマと勝負をしたのです」

    苗木「勝負?」

    セレス「賭け、です。完膚無きまでに叩き潰した結果、貴女についての情報を吐きました」

    157 = 1 :

    苗木「……どうしてモノクマと賭けを?」

    セレス「相手がいなくて暇だったもので」

    苗木「そう……ありがと、セレスさん」ニコニコ

    セレス「何故礼を? ……まあ、話を続けますわ」

    セレス「モノクマは視聴覚室のパソコンに貴女に関するデータを開示する、と言いました」

    苗木「ふんふん……あれ?」

    158 = 1 :

    セレス「見に行ってみると、確かに視聴覚室のデータファイルが一つ増えておりました」

    セレス「その後も鍵のかかった情報を得るのに少々苦労がありましたが……まあ、貴女も行ってみるといいでしょう」

    セレス「これが私の得た手がかりです。参考になりましたか?」

    苗木「う、うん。えっとね、セレスさん」

    苗木「僕、そのファイル昨日見つけたんだ。不二咲さんと一緒に」

    セレス「えー……」

    159 = 1 :

    苗木「あのファイルが増えてたの、セレスさんのおかげだったんだね?」

    セレス「まあ、そういうことになりますわね……」

    苗木(なんかがっかりしてる……?)

    セレス「それより苗木さん。貴女、あのゲームをやったのですか?」

    苗木「う、うん……って、セレスさんもあのゲームを……」

    セレス「お黙りなさい!」

    苗木「」ビクッ

    160 = 1 :

    セレス「貴女、あのゲームをやった割に随分呑気ですのね?」

    苗木「え? ま、まあまだロックされたデータは見てないから、呑気も何も……さっき不二咲さんがモノクマにゲームクリアを伝えに……」

    セレス「そうではありません。"ゲーム本編"の話です」

    苗木「ゲーム本編? ほ、ほとんど頭に入ってないよ……」

    セレス「……そうですか」

    苗木「?」

    苗木(なんだろう……セレスさん、何か焦ってる……?)

    161 = 1 :

    《夜 セレスの部屋》

    セレス「あら、よくお似合いですわ」

    苗木「これ、寝間着なの……? なんかもこもこしすぎじゃ……」

    セレス「もう少し薄手のものもありますが」

    苗木「う、うん。できればそっちに……」

    セレス「仕方ありませんね……シャネルの五番でよろしいですか?」

    苗木「それは裸って言うんだよセレスさん」

    162 = 1 :

    苗木「ま、まさか明日一日香水を着て過ごせなんて言わないよね?」

    セレス「さすがの私もそんな命令は思いつきませんでしたわ。とんだ変態ですね、苗木さん」

    苗木「な、なんで僕が……」

    セレス「さぁ、さっさと寝ますわよ。変態さん?」

    苗木「……はい」ズーン

    セレス「」モゾモゾ

    苗木「」モゾモゾ

    苗木(もはや何の躊躇もなく女の子と同じベッドに潜り込む自分がいる……こわい)

    163 = 1 :

    セレス「……」モミッ

    苗木「ひゃっ! な、何するの!」

    セレス「手が滑りましたわ」

    苗木「……絶対嘘だよ」

    セレス「……」

    セレス「苗木さん……いえ、苗木くん」

    苗木「?」

    セレス「私が力になれるのは、恐らくここまでです」

    苗木「? セレスさん……?」

    164 = 1 :

    セレス「昼にも言いましたが、私は……十神くんや霧切さんや不二咲さんのような捜査能力はありません」

    苗木「そんなことないよ……昨日、モノクマから情報を引き出してくれたじゃない」

    セレス「偶然ですわ。偶然モノクマしか遊び相手がおらず、偶然モノクマの賭けたものが貴女の情報だっただけです」

    苗木「……それでも、ありがとう」

    セレス「……」

    セレス「私はまだ遊び足りません……苗木さん」

    セレス「月並みながら、貴女の武運を祈っていますよ」

    165 = 1 :

    苗木「セレスさん……」

    苗木「とりあえず、僕の胸に当てた手をどけてもらっていいかな」

    セレス「あら失礼。テンピュールな抱き枕かと思いました」

    苗木「……」

    苗木(その後、定期的なセレスさんのセクハラを受け流しながら何とか眠った)

    166 = 1 :

    《翌日 食堂》

    苗木「…………」スタスタスタスタ

    「!? ぶふっ!」

    朝日奈「な、苗木!? ど、どうしたのそのゴスロリ服!?」

    苗木「」ピタッ

    苗木「……」クルクルッ

    苗木「♪」キラッ

    一同「…………」

    苗木「……」プルプル

    セレス「……」プルプル

    167 = 1 :

    セレス「苗木さん……ピースしながらウインクは予想外で素敵なアレンジでしたわ……」プルプル

    苗木「嘘!? やらなくて良かったのあれ!?」

    セレス「一言も言ってません。なるほど、あれが貴女の『華麗なターン』なのですね」

    苗木(か、かかなくてもいい恥をかいた……)カァァ

    セレス「予想以上に楽しめました。では、私はお役御免ですわね」

    セレス「ご機嫌よう、苗木さん。次はもっと素敵な賭けをしましょう」スタスタ

    苗木「……」

    168 = 1 :

    「……ねぇ、──ちゃん」

    「何?」

    「今、どれくらい?」

    「さぁ? 半分も言ってないんじゃない?」

    「これ、本当に意味があるの?」

    「わかんない。ぶっちゃけさぁ、これ実験じゃなくてお遊びだから。ぷぷっ」

    「……」

    「下手したらコロシアイより絶望的な展開になるよね! みんながあいつと仲良くなればなるほどにさぁ!」

    「──ちゃんがそういうなら、そうなんだろうね……」

    「ま、様子見ながら適当に遊ばせといてよ」

    「うん……」

    169 = 1 :

    《苗木の部屋》

    苗木「今日の当番は誰なんだろ……結局朝食のときにいたメンバーは違ったし……」

    苗木「見張り役がいないと部屋から出られないんだけどな……」

    コンコン

    苗木「ん……来たかな」

    ガチャ

    桑田「よう誠ちゃん! 今日はいつもと違うけどかわいいな!」

    山田「誠ちゃんハァハァ」

    バタン

    桑田山田「!?」

    苗木「寝よう……」

    170 = 1 :

    桑田「待て悪かった! 山田が邪魔なら帰らせっから!」

    山田「なんですと!? それは聞き捨てなりませんな! 邪魔なのはズバリ、桑田殿でしょう!」

    ガチャ

    苗木「はぁ……2人が今日の見張り当番なの?」

    桑田「おう。ジャンケンで負けたせいでな……」

    山田「『誠ちゃん独り占め当番』とはなんだったのか」

    桑田「ちくしょー……山田! お前マジで帰ってくれ! 後でポテチやるから!」

    山田「桑田殿こそ! 今なら舞園さんの生写真あげますぞ!」

    苗木「……」

    バタン

    桑田山田「!?」

    171 = 1 :

    桑田山田「誠ちゃーん俺だー! 開けてくれー!」

    ドンドンドン

    苗木「私、今日は一日部屋で大人しくしてるから大丈夫だよ。部屋の入り口を交代で見張ればいいんじゃないかな」

    山田「そんな殺生な!」

    桑田「ん? 『私』?」

    苗木「……セレスさんとの約束で、今日は一日女の子みたいに喋らなくちゃいけないの」

    山田「セレス殿グッジョブ」

    桑田「あいつはできる女だと思ってた」

    172 = 1 :

    苗木「そういうわけだから、2人ともおやすみ」モゾモゾ

    桑田「尚更諦められねぇ! ドア越しでもいいから会話してくれ!」

    山田「大丈夫! 外の世界は思ったより怖くないですぞ! ほーら、心を開いて!」

    ドンドンドン

    苗木(はぁ……さすがに2人に悪いかな……)

    「はぁ……はぁ……桑田くん、山田くん!」

    桑田「あ? どうした、そんな息切らして」

    「ぜぇ……な、苗木くん、いる?」

    山田「部屋の中にいますが……自分の殻の中に閉じこもってしまい、我々では手の施しようがなく……」

    「な、苗木くん! 不二咲です!」

    苗木「不二咲さん……?」

    173 = 1 :

    不二咲「例のデータ、開けたんだ! 遅くなってごめん!」

    苗木「ま、待ってて、今開けるから」

    ガチャ

    不二咲「ふぅ……ふぅ……」

    苗木「だ、大丈夫?」

    不二咲「う、うん。走ってきたから……ちょっと疲れただけ……」

    山田「ここがあの女のハウスね」ズカズカ

    桑田「いやぁ、良い部屋だなー。模擬刀が良い味だしてるよ、うん」ズカズカ

    苗木「……」

    174 = 1 :

    不二咲「ごめん、2人とも……少し部屋の外で待っててもらっていいかな……」

    桑田「マジでか」

    山田「だが断る! こんなチャンスをふいにするなど、拙者には……」

    不二咲「2人だけで大事な話があるんだ……お願い……」ウルウル

    山田「了解した」

    桑田「安心しろ。何人たりともこの部屋にはいれさせねぇ」

    ガチャ バタン

    苗木(さすがだなぁ不二咲さん……)

    175 = 1 :

    苗木「不二咲さん、はい。お水」

    不二咲「んく、んく……あ、ありがとう……」

    苗木「ごめんね、一人で無理させて」

    不二咲「ううん。無理したのは僕の勝手だから、苗木くんが謝ることないよ」

    不二咲「あ、それで、あのロックされたファイルの中身だけど……」

    苗木「うん」

    不二咲「僕たちがプレイしたゲームの、設定資料だったんだ」

    苗木「設定資料?」

    176 = 1 :

    不二咲「うん。僕たちはそれどころじゃなくて気がつかなかったけど、実はあのゲームそのものが苗木くんに関係してたんだ」

    苗木(そうか……セレスさんの言っていたゲーム本編の話って、そういうことだったんだ……)

    不二咲「で、見て欲しいのはこれなんだ」カチカチ

    苗木「用語集……『浸食性男性因子喪失症候群』……?」

    不二咲「ゲームの中で主人公がかかっちゃう病気のことなんだけど……」

    苗木「まさか……」

    不二咲「うん……苗木くんに起こった異変の正体、だと思う」

    177 = 1 :

    不二咲「もちろん、架空の病気のはずだよ。でも、モノクマがこの病気を無理矢理再現したんだとしたら……」

    苗木「『特に遺伝子疾患などもない正常な男性が遺伝子・身体構造とも女性になってしまう奇病』……『その実態は悪性腫瘍に類似した後天性遺伝子異常』……『死亡するリスクが高い』……」

    苗木「な、なに、これ……?」

    不二咲「見た通り……だよ」

    不二咲「少なくともゲームの中では、ほとんどの患者は命を落としてるんだ……」

    178 = 1 :

    苗木「治療法は……どこかに無いの……?」カチカチ

    苗木「転換後生存患者例……No.1……『現在までに確認されている限り、初の転換後生存者。記憶・人格を喪失。重度の脳障害により、再度知能を得るに至らず』……」

    苗木「No.2。『記憶・人格を喪失。脳の障害は軽度。歩行困難の為、杖を常用』……」

    不二咲「生存患者は3人いて、最後の1人が主人公らしいんだ……」

    苗木「……2人分しか見あたらないけど」

    不二咲「うん、それがこの設定資料のおかしいところなんだ。どこを探しても、主人公の項目がないんだよ」

    苗木「モノクマが隠したってこと……?」

    不二咲「……かもしれない」

    179 = 1 :

    モノクマ「あー! 見ちゃった!? 見ちゃったね!? 僕の秘蔵のお宝ファイル!」

    苗木「モノクマ……!」

    モノクマ「苗木さん、おこなの? マジおこなの? 美少女の凍てつくような視線、たまんないね! はぁはぁ」

    不二咲「……モノクマ、苗木くんがかかったのは本当に浸食性男性因子喪失症候群なの?」

    モノクマ「うーん……長くて覚えづらいよねぇ。TS病でいいんじゃないかなぁ。あ、それとも『誠ちゃん病』にする?」

    不二咲「いいから答えて!」

    モノクマ「あわわ……不二咲さんが激おこぷんぷん丸だよ……じゃあ特別にお答えしまーす」

    モノクマ「だいせいかーい! 苗木さんは幸運にもTS病(仮)の被験体に選ばれたのです!」

    180 = 1 :

    苗木「モノクマ……それが本当なら、ルール違反じゃないの? お前が直接手を下すことは、禁止って……」

    モノクマ「ダメだなぁ苗木くん。せっかくの資料を読むのが下手。下手っぴさぁ」

    苗木「何……?」

    モノクマ「もう! 作者さんが真心込めて作った設定資料だよ! ちゃんと読みなさい! 『特徴』の項目! 上から5行目を音読して!」

    苗木「くっ……」カチカチ

    苗木(……『浸食性男性因子喪失症候群は浸食性変異症候群の一種で、男性から女性への変化を伴うもの、と定義される』)

    苗木(『多くの場合は同時に細胞寿命の無制限化を伴うが、どちらにせよ安定期まで持って行くには生命や人格の維持に関わる重篤な症状を経ることは避けられないと見られており、現在のところ例外は無い』……)

    181 = 1 :

    モノクマ「音読って言ったでしょ! まったくもう!」

    モノクマ「ともかく……これでおわかり?」

    苗木「どういうこと……?」

    モノクマ「うわぁ、若者の活字離れは深刻だねぇ。かわいそうに」

    モノクマ「細胞寿命の無制限化! つまり、不老長寿!」

    苗木「…………は?」

    モノクマ「良かったねぇ苗木さん。このまま行けば、君は一生綺麗なままだよ」

    182 = 1 :

    モノクマ「はい次! 『進行と状態推移』の項目! 今度は声に出してよね!」

    苗木「……」カチカチ

    苗木(『TS病は5つのステップで進行していく。発生期、潜伏期、浸食期、転換期、安定期』……)

    モノクマ「また無視されちゃったよ……苗木さんは絶賛反抗期だねぇ。うぷぷぷぷ」

    苗木(『発生期』……『細胞分裂の際にY染色体が欠落し、代わりにX染色体のコピーが配置された女性型突然変異細胞が発生。発生は偶発的かつ極めて稀であり、確実に発生させるような条件は判明していない』……)

    モノクマ「読めた? 実はね、僕はその判明していないはずの『確実に発生させる条件』を解明しちゃったんだよねー! いやぁ天才って罪だよねぇ」

    183 = 1 :

    モノクマ「でも苗木くんの場合は潜伏期と浸食期の半分くらいをすっとばしちゃったから、ちょっと何が起こるかわからないんだよねー」

    モノクマ「ともかく僕は手を下してなんかないよ? いつもがんばってる苗木くんに、不老長寿のお薬をプレゼントしてあげただけだからね!」

    苗木「わ、私……そんなの……」

    不二咲「! 苗木くん、しっかりして!」

    モノクマ「ありゃ? 大分浸食しちゃってる? 良い兆候なのかなぁ? 悪い兆候なのかなぁ?」

    モノクマ「ま、綺麗な女の子のままでいられるか、記憶も人格も失って廃人になっちゃうかは苗木さんの運次第! ワックワクのドッキドキだね!」

    モノクマ「大丈夫だよね? なんたって超高校級の幸運だもんね? だっはっはっはー!」

    モノクマ「そんじゃねー」

    184 = 1 :

    不二咲「な、苗木くん……」

    苗木「……ごめん、不二咲さん。今日は、独りにして欲しい……」

    不二咲「ダメだよ……今の苗木くんを独りにするわけにはいかない」

    苗木「……別に殺人なんて考えないよ」

    不二咲「そうじゃなくて……」

    苗木「大丈夫だって。自殺するにしても、ちゃんと自殺だってわかるようにやるから。みんなに迷惑はかけないよ」

    不二咲「苗木くんっ!!」

    185 = 1 :

    苗木「……」

    不二咲「苗木くん……絶対に独りで思い詰めないで。みんなや、僕を頼って。お願い」

    苗木「……うん」

    不二咲「……じゃあ、僕部屋に戻るね……」

    ガチャ バタン

    桑田「お、やっと話終わったか? 宣言通り、蟻一匹入れなかったぜ!」

    不二咲「……モノクマが入ってきたよ」

    桑田「………………」

    186 = 1 :

    桑田「って、おい。不二咲、お前顔色最悪だぞ? どうしたよ?」

    不二咲「な、なんでもないよ……ちょっと貧血気味で……」

    桑田「そうか? なら、一応部屋の前まで送ってってやるよ」

    不二咲「すぐそこだから、平気だよ……」フラフラ

    桑田「ま、待てよ不二咲! 全然平気じゃねぇだろお前……ったく」スタスタ

    山田「……」

    山田「ドアを挟んで2人きり、ですな。誠ちゃん殿」

    苗木「……」

    187 = 1 :

    山田「……失敬。冗談が過ぎましたな」

    苗木「……」

    山田「何やら重苦しい展開になってきましたなー。心中お察ししますぞ」

    苗木「! 山田くん……?」

    山田「キェアアァァァァ! シャベッタァァァァ!」

    苗木「もしかして……部屋の中の会話、聞いてた?」

    山田「断片的に、ですが。ドアはそれほど防音性が高くないようですな」

    188 = 1 :

    山田「まあ、桑田殿は侵入者排除に夢中で何も耳に入っていなかったようですが……」

    山田「しかしそれ以前に! 拙者は苗木殿の秘密に気づいていましたがね!」

    苗木「どうして……?」

    山田「何故ってそれは……」

    山田「そこにエロゲーがあったから」

    苗木(…………山田くんも見つけてたんだ、あれ)

    189 = 1 :

    山田「なかなか良く出来たゲームでしたぞ。もちろん、設定資料にも目を通しました」

    苗木「そう……」

    山田「気を落とすことはありませんぞ苗木殿!」

    山田「あの奇病の患者は全員が全員死に至っているわけではありませんからな!」

    苗木「知ってるよ……生存者3名……でも、みんな記憶も人格も失って廃人になってるんでしょ?」

    山田「んん? それは違いますぞ?」

    190 = 1 :

    苗木「?」

    山田「確かに1人目と2人目は見るも無惨な姿に変わり果てましたが、3人目の患者……主人公は唯一『記憶と人格を保ったまま転換を終えた患者』となっていましたが……」

    苗木「や、山田くんどうして……? 設定資料には主人公のことなんてどこにも……」

    山田「いやいや、主人公なんだからゲームやれば設定なんてわかるだろjk」

    苗木「…………」

    山田「むむ? それとも苗木殿はゲームを直視出来ずに色々すっ飛ばしてクリアしてしまったパターンですかな?」

    苗木「う、うるさいなぁ!」

    山田(顔真っ赤な誠ちゃんが幻視される……たまらん)

    191 = 1 :

    苗木「でも……結局1人だったんでしょ? たくさんいた患者の中でたった1人……ねぇ、何で主人公は助かったの?」

    山田「それは……明らかになっていませんでしたな……偶然、かも……」

    苗木「……だったら、僕がその1人になる可能性は、限りなく0に近いかもしれないよ……」

    山田「しかし、0ではありませんぞ」

    山田「無数のマイナス要素の中からたった一つのプラスを引き当てる……それが苗木誠殿の才能なのでは? 『超高校級の幸運』という……」

    192 = 1 :

    苗木「僕の幸運はそんな大それたものじゃないよ……せいぜい二択か三択で良い方を選ぶのが関の山だよ……」

    山田「では、『苗木殿は助かる』or『苗木殿は助からない』。ほら、二択ですぞ」

    苗木「…………ふふっ」

    山田「!」キュン

    苗木「面白いね、山田くんは……」

    山田(ああ直に見たい。天使の微笑みを……ハァハァ)

    苗木(な、なんかドアの向こうから生温かい空気が伝わってくる気がする……)

    193 = 1 :

    《夜 苗木の部屋》

    苗木(その後も山田くんはずっと僕と話し続けてくれた……ドア越しに)

    苗木(山田くんがところどころ言葉を選びながら話をしているのは、きっと気のせいじゃない)

    苗木(僕の呼び方が『苗木殿』に戻ってるのも、多分僕に気を使っているからだと思う)


    山田「──そこで拙者はその作家仲間に言ってやりましたよ。『バーロー! 人を助けるのに理由がいるかよ!』ってね!」

    苗木「……」

    山田「あ、あれー? 苗木殿? 今のは『素敵! 抱いて!』ってなるところ……あっ、ほ、ホモ的な意味で」

    苗木「ねえ、山田くん」

    194 = 1 :

    山田「?」

    苗木「無理に気を使わなくても良いよ」

    山田「な、何のことですかな? 拙者はそんなつもりは毛頭……」

    苗木「……山田くんは山田くんのままでいて欲しいな」

    山田「……自虐のつもりだとしたら、笑えませんぞ」

    苗木「『誠ちゃん』って呼んでも……良いよ」

    山田「……」

    苗木(なんだろう。ドアが生温かい。気のせいじゃない)

    195 = 1 :

    山田「ふぅ……良いのですか? 辛くはないのですか?」

    苗木「まあ、自殺を考えるくらいには参ってたけど……」

    山田「うおぉぉぉい! 爆弾発言ですぞ!?」

    苗木「でも、山田くんと話してたら元気が出てきた」

    苗木「……ありがと、山田くん」

    山田「……」

    苗木「山田くん?」

    山田「うおぉぉぉ! 辛抱たまらん! 今すぐこのドアを開けてくだされ!!」ドンドンドン

    苗木「ひぃぃぃぃっ!」ビクッ

    196 = 1 :

    山田「誠ちゃぁぁぁん!」ガチャガチャガチャ

    苗木(こわいこわい! 完全にスプラッタ映画だよこれ!)

    桑田「山田……まだやってたのかよ」

    山田「む? 桑田殿、今までどこに?」

    桑田「あー、不二咲が案の定ぶっ倒れたから部屋まで運んで看病しようと思ったんだけどよ……」

    山田「桑田こらぁぁぁぁ! 知らぬ間にそんな羨ましい展開に!」

    桑田「最後まで聞けアホ!」

    197 = 1 :

    桑田「大神とセレスに邪魔されてよ……」

    山田「未遂に終わったわけですな」

    桑田「いや、何かするつもりは無かったっての!」

    桑田「つか、お前いい加減静かにしてやれよ……誠ちゃんが眠れねーだろ」

    山田「いや、今し方誠ちゃんが心を開きかけてですね。このまま攻略一直線かと思いまして」

    桑田「マジでか」

    山田「おう」

    桑田山田「…………誠ちゃぁぁぁん!!」ドンドンドン

    苗木「ひぃぃぃぃ……」

    198 = 1 :

    《翌日 食堂》

    苗木桑田山田「ふわぁ……」

    苗木桑田山田「眠い……」ゴシゴシ

    苗木「そりゃ、一睡もしてないからね……」

    桑田「だって廊下で寝るのは校則違反じゃねーか……俺たちのためを思うなら部屋に入れてくれても良かったんじゃねーの?」

    山田「激しく同意」

    苗木「そ、そっか……そうだね……ごめん……」シュン

    桑田「良いってことよ」グッ

    山田「うっ……ふぅ。まあ、過ぎたことを言っても仕方ありませんからな」

    199 = 1 :

    桑田「あー、これで当番交代か……はぁ……俺誠ちゃんとほとんど過ごしてねーよ……」

    山田「拙者もナニもシてませんぞ……」

    苗木「……お疲れさま、2人とも」

    桑田「おう、じゃな。次の当番の時は一緒に遊ぼうぜ」

    山田「では、拙者もこれにて」

    苗木(……あの2人が昨日の当番で良かったかもしれない……少なくとも憂鬱な気分は少し解消されたし……)

    200 = 1 :

    苗木(とりあえずご飯を食べて今日の当番を待とう……と思ったけど)

    苗木「なんか……食欲湧かないな……」

    苗木「身体もだるいし……寝不足のせいかな……」

    苗木「……っていうか……」

    苗木「めちゃくちゃお腹痛い……何これ……」ズキズキ


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