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    元スレ勇者「魔王の呪いで、かかしにされてんのよ」

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    タグ : - はたらく魔王様 + - 勇者 + - 打ち切り + - 魔王 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    152 :

    うわああああ猫ちゃんかわえええええええええ!!!

    153 :

     乙乙乙乙
         乙   
        乙  
       乙   
      乙    
     乙       乙 
      乙乙乙乙乙乙 

    154 :

    勇者「(時が流れた……)」

    勇者「(今日は色々あったな)」

    勇者「(相変わらずの、受け身のエピソードばかりが……)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(オークが俺に団子を供えて拝んだり)」

    勇者「(汚いカラスが、その団子を盗んで飛び去ったり)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(まぁ、どうせ俺は団子なんか食えないんだが)」

    勇者「(あいつに食われるのは、なんか納得がいかん……)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(しかし……)」

    勇者「(飲まず食わずで、よく生きてるよな。俺)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(……生きてる……)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(俺って生きてるのか?)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(たぶん、心臓とか無い……)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(まぁいい。気にしちゃ負けだ)」

    …………
    ……

    155 = 154 :

    勇者「(しかし、今夜は暗いな……)」

    勇者「(曇り空で、月どころか星も見えん)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(蝋燭やランプさえ持ってたら、何でもない夜なんだが)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(俺は持ってないし)」

    勇者「(持ってたとしても使えない)」

    勇者「(…………)」

    勇者「暗闇から逃げられない夜か」

    勇者「(…………)」

    勇者「(……これが、本物の夜なんだろうな……)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(こんな夜も、かかしじゃなきゃ経験出来なかったかもな)」

    勇者「(まぁ別に、経験したくもないか)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(暗いの怖いし)」

    勇者「(…………)」

    …………
    ……

    156 = 154 :

    ザッ ザッ

    勇者「(……ん?)」

    ザッ ザッ ザッ

    勇者「(足音だな)」

    ザッ ザッ ザッ……

    勇者「(人間? 一人か……)」

    ザッ ザッ ザッ ザッ……

    勇者「(ふぅ。今夜の客は野菜泥棒か。まいったなぁ)」

    ザッ ザッ ザッ ザッ……

    勇者「(おいおい泥棒さん。野菜が食いたきゃ、ちゃんと働いてだなぁ……)」

    ??「失礼ですね」

    勇者「(……え?)」

    ??「私は泥棒ではありません」

    勇者「(…………)」

    ??「久しぶりですね。勇者」

    勇者「(おっ、お前……)」

    ??「はい。私ですよ」

    勇者「(賢者……)」

    賢者「…………」

    157 = 154 :

    勇者「(…………)」

    賢者「いい畑ですね」

    勇者「(あっ、あぁ……)」

    賢者「田舎暮らしには慣れましたか?」

    勇者「(……慣れたってより、飽きた)」

    賢者「そうですか」

    勇者「(あぁ)」

    賢者「…………」

    勇者「(お前はどうだ。仕事には慣れたのか?)」

    賢者「えぇ。それなりに」

    勇者「(そうか)」

    賢者「はい」

    勇者「(…………)」

    158 = 154 :

    賢者「今日。魔王の命令で、商人に会ってきました」

    勇者「(商人と?)」

    賢者「魔王はまだ、商人を欲しがってましてね」

    勇者「(……そうか)」

    賢者「ついでに、いろいろ話もしてきました。楽しかったですよ」

    勇者「(……そうか)」

    賢者「はい」

    勇者「(…………)」

    賢者「…………」

    勇者「(それで、商人は?)」

    賢者「魔王の言葉は『私の物になるなら呪いを解いてやる』だったのですが」

    勇者「(…………)」

    賢者「やっぱり、断られましたよ」

    勇者「(そうか。頑固な猫だな)」

    賢者「そうですね。でも条件次第では考えてくれるそうです」

    勇者「(条件?)」

    賢者「はい。面白い条件を出されましたよ」

    勇者「(…………)」

    159 = 154 :

    賢者「……勇者。少し話をしましょうか」

    勇者「(あぁ。歓迎するよ。会話には長いこと餓えてたんだ)」

    賢者「そうでしょうね」

    勇者「(かかしだからな)」

    賢者「貴方はかかしで、商人は猫で、盗賊はカラスでしたね」

    勇者「(あぁ)」

    賢者「そして私は、魔王の部下になっていました」

    勇者「(……すまんかったな)」

    賢者「いいえ。貴方が謝る事はありません」

    勇者「(…………)」

    賢者「むしろ一番悲惨なのは、誰から見ても貴方ですしね」

    勇者「(……賢者)」

    賢者「…………」

    ………………
    …………
    ……

    160 :

    ついにか…

    161 :

    確かに、意識はあるけど身体がピクリとも動けず一部を除いて誰ともコミュニケーションを取れない状態ってこの上なく悲惨だよな。
    下手すりゃ発狂しかねない。あるいはどこぞの究極生物みたいに死にたいと思っても死ねないのでそのうち考えるのをやめるかもしれん。

    162 :

    そういえば拷問器具にはあんまり詳しくないが、シャーマンキングで体を一切動かせない拷問器具あったな

    動けなくても正気を保ってるのは流石勇者というべきか

    163 :

    いいところで乙

    165 :

    >>162
    >流石勇者
    いや、その部分も含めた呪いかも
    慣れることも狂うこともできないみたいな

    166 :

    賢者「……苦労してるみたいですね」

    勇者「(……あぁ。毎日が暇との戦いだよ)」

    賢者「暇との戦いですか……。苦労してる人の台詞に聞こえない所が悲しいですね」

    勇者「(たしかにな……)」

    賢者「…………」

    勇者「(……せめて動物が良かったよ)」

    賢者「そうですね」

    勇者「(最近さぁ。カラスが勝ち組に見えるのよ。アイツ飛べるし)」

    賢者「カラスで勝ち組ですか……」

    勇者「(飼い猫とかなんざ、セレブに見えるぜ)」

    賢者「案外美味しいらしいですね。猫缶は」

    勇者「(はぁ。何で俺だけかかしなんだよ……。魔王のアホ……)」

    賢者「……魔王のアホ……ですか」

    勇者「(ん?)」

    賢者「…………」

    勇者「(…………)」

    167 = 166 :

    賢者「勇者。一つ質問なのですが」

    勇者「(おぅ)」

    賢者「勇者。貴方はもう一度、魔王と戦えますか?」

    勇者「(魔王と戦う?)」

    賢者「はい。私達の目的は、魔王を倒す事でしたよね」

    勇者「(あぁ……)」

    賢者「この質問は、魔王の部下としてではなく、元魔王討伐隊の一員としての質問です」

    勇者「(…………)」

    賢者「どうですか勇者。チャンスがあれば、貴方は再び魔王と戦いますか?」

    勇者「(…………)」

    賢者「…………」

    勇者「(無理だな。そりゃ……)」

    賢者「……理由は?」

    勇者「(絶対に負ける。次は殺される……)」

    賢者「そうですか。まぁ、確かに勝てないでしょうね」

    勇者「(あぁ、断言してやるよ。負けるって)」

    賢者「…………」

    勇者「(…………)」

    168 = 166 :

    賢者「少し質問を変えます」

    勇者「(ん?)」

    賢者「勇者。貴方は魔王が倒せるとしたら、倒しますか?」

    勇者「(倒せるとしたら?)」

    賢者「はい。魔王は倒せます。倒しますか?」

    勇者「(倒せるのか? あのバケモノ)」

    賢者「……仮の話です」

    勇者「(……何か企んでるのか?)」

    賢者「……仮の話です」

    勇者「(…………)」

    賢者「…………」

    勇者「(例えば?)」

    賢者「……毒殺」

    勇者「(おまっ!? 汚ねっ……)」

    169 = 166 :

    賢者「…………」

    勇者「(おい……)」

    賢者「……仮の話です」

    勇者「(目が怖ぇよ……)」

    賢者「…………」

    勇者「(…………)」

    賢者「どうですか。勇者」

    勇者「(どうって……)」

    賢者「一度は敗れたとは言え。私達の目的は、魔王を倒す事でしたよね……」

    勇者「(あぁ……)」

    賢者「勇者……」

    勇者「(…………)」

    …………
    ……

    170 = 166 :

    勇者「(……倒さない……かもな……)」

    賢者「倒さない?」

    勇者「(あぁ。倒さない……)」

    賢者「…………」

    勇者「(…………)」

    賢者「勇者。貴方は勇者ですよね」

    勇者「(あぁ。今は、かかしだけどな)」

    賢者「勇者と呼ばれる者の存在意義は、魔王を倒す事ではないのですか?」

    勇者「(一般的には、そうだろうな)」

    賢者「それでも貴方は、魔王を倒さないと?」

    勇者「(そうだよ。俺は、魔王を倒さない)」

    賢者「…………」

    勇者「(…………)」

    賢者「……わかりました」

    171 = 166 :

    勇者「(……賢者)」

    賢者「わかりました」

    勇者「(…………)」

    賢者「…………」

    勇者「(理由は、言わんでいいのか?)」

    賢者「えぇ。理由は分かっていますからね。私も痛いほど」

    勇者「(なるぼど……)」

    賢者「…………」

    勇者「(…………)」

    賢者「……これで全滅ですよ」

    勇者「(全滅?)」

    賢者「……パーティは全滅しました。ゲームオーバーです……」

    勇者「(……そうか)」

    賢者「はい」

    勇者「(…………)」

    172 = 166 :

    賢者「商人も先程。その気は無いと言ってましたし」

    勇者「(…………)」

    賢者「盗賊には、元々そんな使命感はありませんでしたしね」

    勇者「(そうだったな……)」

    賢者「…………」

    勇者「(ちなみに、お前は?)」

    賢者「…………」

    勇者「(…………)」

    賢者「恥ずかしながら……」

    勇者「(あぁ)」

    賢者「少し、時間をかけすぎました」

    勇者「(時間?)」

    賢者「誰かに背中でも押してもらわないと、既に魔王が敵にすら見えません」

    173 = 166 :

    勇者「(……なるほど……)」

    賢者「…………」

    勇者「(…………)」

    賢者「…………」

    勇者「(……押さないぞ? つーか、俺じゃ物理的に押せねぇよ)」

    賢者「分かってますよ。面白い人ですね」

    勇者「(ははっ)」

    賢者「…………」

    勇者「(なぁ。賢者)」

    賢者「はい」

    勇者「(面白そうか? お前の新しいゲームは)」

    賢者「……えぇ。もちろんですよ」

    勇者「(そりゃ良かった)」

    賢者「ありがとうございます。勇者」

    …………
    ……

    174 = 166 :

    勇者「(なぁ賢者)」

    賢者「はい」

    勇者「(魔王は、いいやつか?)」

    賢者「難しい質問ですね」

    勇者「(即答は無理と?)」

    賢者「少なくとも、魔王は善人ではありませんからね」

    勇者「(まぁ、そうだわな)」

    賢者「しかし魔王は、善人でないが故に、善人には出来ない事が出来ます」

    勇者「(なるほど……)」

    賢者「そして魔王は、さほど悪人でもありません」

    勇者「(少しは悪人であると?)」

    賢者「必要悪をためらわない事は強みですよ」

    勇者「(物は言いようだな)」

    賢者「しかし事実です」

    175 = 166 :

    勇者「(信用は出来るやつなんだよな?)」

    賢者「それは間違いありません」

    勇者「(……商人が虐められたら、ちゃんと助けてやれよ)」

    賢者「魔王は部下を虐めませんよ……」

    勇者「(嘘じゃないな?)」

    賢者「はい」

    勇者「(えーと……)」

    賢者「…………」

    勇者「(…………)」

    賢者「……そう言えば、まだ言ってませんでしたね」

    勇者「(ん?)」

    賢者「商人が、魔王に出した条件の内容です」

    勇者「(あぁ……)」

    …………
    ……

    176 = 166 :

    賢者「……つまり商人は、自分だけでなく、貴方と盗賊の呪いも解く事を魔王に要求しています」

    勇者「(……俺達も?)」

    賢者「えぇ。義理堅いですよね。あの人は」

    勇者「(……あいつ。そんな事を……)」

    賢者「あと、呪いを解いた勇者を、玩具として自分に与えろとかなんとかとも言ってますが……」

    勇者「(……は? おもちゃ?)」

    賢者「はい。相変わらず面白い事を言いますね。あの人は」

    勇者「(……あのバカ……なんちゅう事を……)」

    賢者「まぁ後半はいつもの冗談でしょうが、一応そのまま魔王に伝えようかと」

    勇者「(んっ? まだ伝えてないのか?)」

    賢者「はい。魔王への報告は、明日になりますかね」

    177 = 166 :

    勇者「(なら後半はやめとけや。下手したら商人まで『いらん』て言われるべ……)」

    賢者「しかし魔王は嘘が嫌いな人です。それに情報は正確に伝えませんとね」

    勇者「(商人のアホ……)」

    賢者「魔王は個性を尊重する人ですから、この程度で人の評価を下げないとは思いますがね」

    勇者「(……大物なんだな……)」

    賢者「えぇ。大物ですよ。軍人としても、政治家としても、戦士としても、王としても……」

    勇者「(何だよ。そのチートのバケモノは……)」

    賢者「魔の王。魔王です」

    勇者「(魔王な……)」

    賢者「…………」

    勇者「(……なぁ。賢者)」

    賢者「はい」

    178 = 166 :

    勇者「(……魔王は、商人の要求をのむと思うか?)」

    賢者「…………」

    勇者「(…………)」

    賢者「拒否しますね。九分九厘」

    勇者「(……え?)」

    賢者「盗賊の解呪くらいなら承諾するでしょうが、勇者の解呪は魔王にとって不都合でしょう」

    勇者「(…………)」

    賢者「本来なら、勇者とは魔王の天敵とされる存在ですからね。一般論ですが……」

    勇者「(あぁ……)」

    賢者「ですから。魔王が勇者の立場である貴方を野放しにする事はさすがに……」

    勇者「(おい……)」

    賢者「今は実力的にも大きな差がありますが、将来性や万一の事故の事も考えますとね……」

    勇者「(いや……)」

    賢者「やはり魔王側の立場で考えると、勇者である貴方を解放するのは危険と判断せざるを……」

    勇者「(待て。そこはお前が魔王を説得しろよ。俺は人畜無害な勇者だって。……な?)」

    賢者「……残念ながら、新参の私には、まだそんな発言力はありません」

    勇者「(おい、ちょっと待て。なんとかしろよ賢者……)」

    179 = 166 :

    賢者「すいません。せめて私が、魔王の重臣クラスに昇進するまで待ってください」

    勇者「(重臣クラス?)」

    賢者「はい。それくらい偉くなれば、私の発言力も上がるかと」

    勇者「(……どれくらいで出世出来るんだよ? その重臣クラスとやらには)」

    賢者「そうですね。努力次第ですが、三年以内にはなんとか……」

    勇者「(え? 三年……)」

    賢者「はい。それくらいはかかるかと」

    勇者「(……マジで言ってる?)」

    賢者「私はいつでも真面目です」

    かかし「(……おい……勘弁してくれ……)」


    終 めでたしめでたし

    180 = 162 :

    181 :

    182 :

    プロローグが終わったってことだな!
    本編に期待!

    183 :

    ここから賢者の昇進が始まる

    184 :

    やっと本編か

    185 :

    これ魔王様って女?

    186 :

    えっ?

    187 :

    えっっ?

    188 :

    あまり私を怒らせないほうがいい

    190 :

    えっ?終わり?

    191 :

    尻すぼみってレベルじゃねーぞ!

    192 :

    えっ?

    194 :

    またまたご冗談を

    195 :

    清々しいまでに面倒くさくなっちゃったなwww

    196 :

    麗らかな春の日に鼻歌交じりで散歩してたら落とし穴に落ちた気分

    197 :

    こういうのを投げっぱなしって言うんだろうな。
    せめてこういうモヤモヤした中途半端な終わり方にした理由を聞きたいもんだ。

    198 :

    ここからいくらでも面白くできるだろうに
    ただただ勿体ない…

    199 :

    普通に面白かったのに…

    エデンの何とかレベルの打ちきり感…

    200 :

    >>199
    エデンの檻?あれ打ち切られたの?
    好きだったけどマガジン買わなくなったから知らんかった


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