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    元スレ勇者「魔王の呪いで、かかしにされてんのよ」

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    タグ : - はたらく魔王様 + - 勇者 + - 打ち切り + - 魔王 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    51 = 1 :

    勇者「(…………)」

    ドワーフ「…………」

    勇者「(ん?)」

    ドワーフ「…………」

    勇者「(何か用か? ドワーフの爺さん)」

    ドワーフ「……ふむ」

    勇者「(え? 目が合った?)」

    ドワーフ「…………」

    少年「どうしたの? お爺さん」

    幼女「じーじ?」

    ドワーフ「うむ。あそこの、あのかかしがな……」

    勇者「(…………)」

    少年「かかしさんが、どうかしたの?」

    ドワーフ「……何か、言っていたような気がしてな……」

    勇者「(え? 何っ!? 爺さん、俺の声が聞こえんの?)」

    農夫「ほぅ……」

    52 = 1 :

    ドワーフ「……うーむ」

    勇者「(爺さん! 聞こえるのか? 聞こえるんだよな?)」

    ドワーフ「うーむ……」

    オーク「気のせいじゃねぇか? あれ、かかしだぞ」

    勇者「(かかしだって喋るんだよ! 生きてるんだよ!)」

    ドワーフ「…………」

    勇者「(おーい! お爺さまーっ!)」

    ドワーフ「…………」

    少年「お爺さん。かかしさんは喋らないよ?」

    勇者「(おいこら! ボーズ、邪魔すんなって!)」

    ドワーフ「ふむ……」

    幼女「しゃべらないよー」

    勇者「(こらーっ! 幼女ーっ!)」

    ドワーフ「……うむ。そうじゃな。気のせいじゃな……」

    勇者「(おい! 爺ちゃん! もっと頑張れ!)」

    ドワーフ「…………」

    農夫「…………」

    勇者「(爺さんよぉ……)」

    53 = 1 :

    農夫「まぁ、不思議なかかしさんですからな」

    オーク「不思議な?」

    農夫「私も時々、かかしさんが、何か言ってるような気はしてましたよ」

    勇者「(オッサン?)」

    少年「とうちゃん?」

    農夫「それに表情も、なんか微妙に変わる気がしてましてねぇ」

    オーク「ほぅ?」

    農夫「優しそうに見えたり、寂しそうに見えたり」

    勇者「(…………)」

    農夫「申し訳無さそうな顔をしてたり、落ち込んでるように見えたり」

    勇者「(オッサン……)」

    ドワーフ「ふむ」

    オーク「うーん。ワシには、ただの貧相な顔にしか見えんけどな……」

    勇者「(やかましいわ!)」

    54 = 1 :

    農夫「とにかく、不思議なかかしさんなのは確かですわ。あの火事でも燃えませんでしたしな」

    ドワーフ「うむ」

    オーク「……ふむ」

    農夫「それに何より、魔王様から頂いたかかし様ですぞ。これ」

    勇者「(…………)」

    ドワーフ「魔王様? ほぅ……」

    オーク「……まっ魔王様の? マジで?」

    少年「うん。そうだよ」

    オーク「おっ、おっ……まお……」

    勇者「(ん?)」

    オーク「それ早く言ってくれよ!」

    勇者「(へ?)」

    オーク「おぉっ、ありがたや、ありがたやぁ……」

    勇者「(おっ、おいおい……)」

    少年「オークさん?」

    オーク「ありがたや、ありがたや、かかし様。ありがたや、ありがたやぁ……」

    幼女「ありがたやー」

    勇者「(…………)」


    勇者「(何コレ)」

    勇者「(オークに、拝まれてるんだが……)」

    勇者「(…………)」

    …………
    ……

    56 :

    乙乙

    58 :

    乙乙!

    59 :

    勇者「(オークに拝まれまくって、うやむやになったけど)」

    勇者「(俺の声……てか、心?)」

    勇者「(相手に伝わるかも知れないんだな)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(ちょっと嬉しい)」

    勇者「(希望が見えてきた)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(ドワーフの爺さんを逃がしたのは痛かったけど)」

    勇者「(人によっちゃ、もっとな……)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(……復活してやる)」

    勇者「(絶対に、復活してやる)」

    勇者「(…………)」

    60 = 59 :

    勇者「(復活して……)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(復活して、人間に戻ったら)」

    勇者「(何するかな……)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(とりあえず、魔王に復讐……)」

    勇者「(これは無いな)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(魔王は強い。強すぎる)」

    勇者「(俺の勝てる相手じゃねぇ)」

    勇者「(……ぶっちゃけ恐いよ……)」

    勇者「(…………)」

    61 = 59 :

    勇者「(魔王がその気だったら、俺はもう死んでるしな)」

    勇者「(………)」

    勇者「(でも魔王は、何で俺をかかしにしたのか……)」

    勇者「(殺されなかったのは、ラッキーな気がせんでもないが)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(何でかかし?)」

    勇者「(石像とかでよくね?)」

    勇者「(その方が、物語としてカッコイイべ?)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(嫌がらせで変身させたとしても)」

    勇者「(よりによって、かかし)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(魔王のアホめが)」

    勇者「(…………)」

    62 = 59 :

    勇者「(魔王のアホ……)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(でも魔王って、領民の評判いいんだよな)」

    勇者「(農夫のオッサンも、その家族も、魔王を慕ってたし)」

    勇者「(オークなんざ、魔王様のかかし様とか言って、俺まで拝んだ)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(国王様には、悪の魔王を討伐するのが勇者の使命なのじゃ。とか)」

    勇者「(魔王の圧政と餓えに苦しむ民を救ってやるのじゃ。とか言われたけど)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(魔王が圧政してるようには見えねぇし……)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(俺の国の兵士が悪さして、魔王の国の畑を燃やしてたわけで……)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(つまり)」

    勇者「(俺はピエロ?)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(かかしだけど)」

    勇者「(…………)」

    63 = 59 :

    勇者「(まぁ、無事に人間に戻れても、魔王に関わるのはやめだな……)」

    勇者「(個人的な恨みは出来ちまってるけど)」

    勇者「(魔王は、悪いやつじゃないかも知れない)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(それに、喧嘩しても絶対に勝てねぇ)」

    勇者「(次は、かかし以下の名状しがたい何かにされかねん……)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(人間に戻ったら)」

    勇者「(人間に戻ったら、畑仕事とかしたいな)」

    勇者「(田舎で静かに暮らしたい)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(あと。オッサンの作った、トマトが食いてぇ)」

    勇者「(…………)」

    64 = 59 :

    勇者「(とにかく今は、誰か俺の声が聞こえるやつを探さないとな……)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(ん?)」

    勇者「(でも……)」

    勇者「(どうやって探すんだよ?)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(くどいようだが、わたしはかかし)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(動けねーべ?)」

    勇者「(探せねーべ?)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(どうすりゃいいの……)」

    勇者「(…………)」

    65 = 59 :

    勇者「(ほぼ毎日、確実に会えるのは、あの農夫の親子だが)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(とりあえず、アピールでもしてみるか)」

    勇者「(ウザイくらいに声でもかけりゃ……)」

    勇者「(届くかなぁ。俺の思い……)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(ダメだったら)」

    勇者「(またいつか、ドワーフの爺さんに会える日を、ひたすら待つとか?)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(うーん……)」

    勇者「(とりあえず、明日は頑張ってみるか)」

    …………
    ……

    66 = 59 :

    チュンチュン チュンチュン……

    勇者「(新しい朝がきたか)」

    勇者「(希望の朝ってな)」

    勇者「(よし。やるか)」


    少年「おはよう。かかしさん」

    勇者「(オッス。ボーズ。待ってたぜ)」

    農夫「おはようさん。かかしさん」

    勇者「(おはよう。オッサン。いい朝だな)」

    農夫「さて、今日も頑張るか」

    少年「うん」

    勇者「(まぁまぁ、そんなに急ぐなって。仕事の前に、俺と楽しいトークでもどうだ?)」

    農夫「ほーれ水だぞ。大根ども」

    少年「お水だよー」

    勇者「(急がなくても、畑は逃げないだろ? 少し僕と、お話しませんか? オジサマ)」

    農夫「早くデカくなれよ」

    少年「おおきくなれよー」

    勇者「(おーい! オッサーン。ボーズー……)」

    農夫「よいしょ」

    少年「うんしょ」

    勇者「(助けてくださーい……)」

    …………
    ……

    67 = 59 :

    勇者「(……そして、新しい夜がきた)」

    勇者「(ふぅ)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(ダメだった……)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(オッサンもボーズも、ちょくちょく話しかけてはくれるけど)」

    勇者「(ありゃ、道端のお地蔵さんに挨拶でもする感覚なんだろうな……)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(あーぁ……)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(オッサン。いい人だからなぁ)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(なんか、冬になって雪でも降ったら、笠とかくれそうだよな)」

    勇者「(無かったら、手ぬぐいを頭に巻いてくれたりしそう……)」

    勇者「(…………)」

    68 = 59 :

    勇者「(動けるようになったら、恩返しもいいかもな)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(夜中にこっそり)」

    勇者「(オッサンの家に、金銀財宝を届けたり……)」

    勇者「(…………)」

    勇者「(動きてぇなぁ)」

    勇者「(…………)」


    トコトコ トトトッ……

    勇者「(ん?)」

    「にゃん」

    トコトコ トコトコ……

    勇者「(なんだ。今夜の客は猫か)」

    「(はい。猫です)にゃん」

    勇者「(可愛いな。和むわ)」

    「(ありがとうございます)にゃ」

    勇者「(…………え?)」

    「にゃお」

    69 = 59 :

    勇者「(…………)」

    「(ところで)にゃぁ」

    勇者「(…………)」

    「(金銀財宝なんか、どこにあるんですか?)にゃ?」

    勇者「(……なっ、なにコレ?)」

    「(どうもです。燃えないかかしさん)にゃん」

    勇者「(ねっ、猫がしゃべった? なんで?)」

    「(かかしが喋るよりは、いいんじゃないですか)にゃ」

    勇者「(!? おっ、お前……。もしかして……)」

    「(はい。お久しぶりですね。勇者さん)にゃん」

    勇者「(……商……人?)」

    商人(姿は猫)「(ピンポーンです)にゃお」

    勇者「(…………)」

    商人「(…………)」

    70 = 59 :

    勇者「(えっ、えーと……)」

    商人「(はい)」

    勇者「(…………)」

    商人「(…………)」

    勇者「(生きてたんだな)」

    商人「(はい。おかげさまで)にゃん」

    勇者「(良かった)」

    商人「(いえ。勇者さんこそ、ご無事で何よりです)」

    勇者「(無事って言えるのか? これ)」

    商人「(まぁ、生きてますし)」

    勇者「(……まぁな)」

    商人「(…………)」

    71 = 59 :

    勇者「(ところで、お前さぁ……)」

    商人「(はい)」

    勇者「(何で猫なん?)」

    商人「(…………)」

    勇者「(…………)」

    商人「(勇者さんこそ、何でかかしに?)にゃお?」

    勇者「(ぐっ……)」

    商人「(猫の方が、かかしよりナンボかマシかと。私、動けますし)にゃおん」

    勇者「(……相変わらずだな)」

    商人「(はい。猫にされても、私は私です。安心しました?)」

    勇者「(ばかやろう)」

    商人「(ふふっ。そりゃどうも)」

    勇者「(ははっ)」

    トコトコトコッ……

    商人「にゃー」

    ………………
    …………
    ……

    72 :

    乙にゃー

    73 :

    にゃー

    75 :



    常々疑問に思ってるんだが、魔王を倒す旅に商人連れてくのっておかしいよな?

    77 :

    金策は大切だからなー

    78 = 74 :

    どの軍隊にも似たような役割の奴はいるよ

    79 :

    ドラクエ4の世界でのトルネコの貢献度半端ないで。
    戦闘以外では一番役に立つと思う。

    80 :

    トルネコなら1人でも冒険できるしな

    81 :

    魔王「あのー夜分遅くすみません、これ…うちで作ったカカシなんですけどよければ畑のすみにでもどうぞ」

    82 :

    「経済担当者」としての商人というなら最前線で戦闘こなすこたあないだろう。
    ましてや魔王の城へのアタック隊にまぜたらダメじゃね?
    いやファンタジーの話だから良いんだけどさ……なんとなく気になってさ。

    このSSは面白いから楽しみにしてますよ

    83 :

    勇者「(でも助かったわ。よく俺を見つけてくれたな)」

    商人「(はい。苦労したんですよ。感謝してくださいね)」

    勇者「(あぁ。マジで感謝する)」

    商人「(あれ? やけに素直ですね?)にゃ?」

    勇者「(そら、お前。猫の身体で俺を捜すのは、かなり大変だったろ?)」

    商人「(えぇ。まぁ、それなりに……)」

    勇者「(ありがとな)」

    商人「(…………)」

    勇者「(どうした?)」

    商人「(勇者さん)にゃあ」

    勇者「(なんだ?)」

    商人「(なんか、いい人になっちゃってません?)」

    勇者「(……そうか?)」

    商人「(さぁ?)にゃぁ?」

    勇者「(おい……)」

    84 = 83 :

    商人「(……正直に言いますとね)」

    勇者「(ん?)」

    商人「(実は、あんまり苦労はしませんでした)」

    勇者「(え?)」

    商人「(気になる情報が、偶然耳に入っただけなんですよ)」

    勇者「(……耳か)」

    商人「(確か、お好きでしたね? 猫の耳が)にゃお」

    勇者「(……知らんな)」

    商人「(昔お酒に酔って、私に、猫耳カチューシャを装備しろと迫りましたよね?)にゃ?」

    勇者「(……全く知らんな)」

    商人「(ほぅ)にゃぉ」

    勇者「(…………)」

    商人「(さわってもいいですよ。私の耳)にゃん」

    勇者「(……え? マジで?)」

    85 = 83 :

    商人「(えぇ。さわれるのでしたら、どうぞ)にゃおん」

    勇者「(くっ……。俺、かかし……)」

    商人「(あらら。残念でしたね)にゃーお」

    勇者「(こっ、この悪魔め……)」

    商人「(……このへんは、元のままですか)」

    勇者「(ん?)」

    商人「(いいえ。なんでも)」

    勇者「(…………)」

    商人「(話を戻しますね)」

    勇者「(あぁ。そうしてくれ)」

    商人「(はい)にゃん」

    勇者「(…………)」

    86 = 83 :

    商人「(今朝。町で偶然に聞いちゃったんですよ。不思議なかかしの情報を)」

    勇者「(……それって、俺か?)」

    商人「(えぇ。火事で燃え残ったんですよね? 勇者さん)」

    勇者「(あぁ。確かに、俺だけ燃え残ったな)」

    商人「(熱かったですか?)」

    勇者「(死ぬほど熱かったぞ)」

    商人「(バカですね。どうして、早く逃げなかったんですか?)」

    勇者「(……かかしだからだよ……)」

    商人「(あっ、そうでしたね)」

    勇者「(…………)」

    商人「にゃお?」

    勇者「(テメェ……)」

    商人「にゃーご」

    87 = 83 :

    勇者「(殴るぞコラ)」

    商人「(どうぞどうぞ)」

    勇者「(…………)」

    商人「(…………)」

    勇者「(虐めっ娘)」

    商人「(ごめんなさい)にゃ」

    勇者「(…………)」

    商人「にゃ」

    勇者「(…………)」

    商人「(えーと。話を戻しますね)」

    勇者「(……あぁ。是非そうしてくれ)」

    商人「(はい)にゃん」

    勇者「(…………)」

    88 = 83 :

    商人「(その、勇者さんが焼け残った事が、町で噂になってたんです)」

    勇者「(噂?)」

    商人「(はい。とても不思議な燃えないかかしは、魔王様のかかし様だとか)」

    勇者「(……なるほど。オークだな)」

    商人「(オーク?)」

    勇者「(あぁ。俺のファンみたいなもんだ)」

    商人「(奇特な方がいらっしゃるんですね……)」

    勇者「(ほっとけ)」

    商人「(…………)」

    勇者「(…………)」

    89 = 83 :

    商人「(……女の人ですか?)」

    勇者「(え?)」

    商人「(その、オークさんって)」

    勇者「(いや、だからオーク。名前じゃなくて種族)」

    商人「(へ?)にゃ?」

    勇者「(どしたの?)」

    商人「(…………)」

    勇者「(…………)」

    商人「(えーと。オークにも、女の子いますよ?)」

    勇者「(…………)」

    商人「(…………)」

    勇者「(……確かに)」

    商人「にゃぉ……」

    …………
    ……

    90 = 83 :

    勇者「(……まぁ、オークの生態の事は置いといてだ……)」

    商人「(はい)」

    勇者「(……て事は、お前は知ってたのか。俺が、かかしにされてたって)」

    商人「(はい。私達、見てましたもん。勇者さんが、かかしにされる瞬間)」

    勇者「(そうだったのか?)」

    商人「(えぇ。あの時に気絶してたのは、勇者さんだけですよ)」

    勇者「(……なんかカッコ悪いな……)」

    商人「(そうですねぇ)にゃぉ」

    勇者「(…………)」

    商人「(ちなみに私は麻痺状態でしたけど、意識はしっかりありました)」

    勇者「(そうですか……)」

    商人「(はい)」

    勇者「(…………)」

    商人「(盗賊さんは元気でしたけど、縄で縛られてましたね)」

    勇者「(なるほど……)」

    商人「(…………)」

    …………
    ……

    91 = 83 :

    トコトコ…… トトトッ……

    商人「(……いい夜ですね)にゃん」

    勇者「(ん? あぁ。そうだな)」

    商人「(それでは勇者さん。また……)」

    勇者「(え?)」

    商人「(私はそろそろ、お家に帰らないと)」

    勇者「(お家?)」

    商人「(えぇ。私は今、可愛い女の子に飼ってもらってるんです)」

    勇者「(…………)」

    商人「(うらやましいですか?)にゃ?」

    勇者「(……いや、べつに)」

    商人「(…………)」

    勇者「(…………)」

    92 = 83 :

    商人「(寂しいですか?)」

    勇者「(……これっぽっちも)」

    商人「(嘘つきがいますね?)」

    勇者「(何の事だか……)」

    商人「(はいはい)にゃんにゃん」

    勇者「(…………)」

    商人「(大丈夫ですよ。また来ます。気が向いたらですけど)」

    勇者「(あぁ。飼い主さんに、よろしくな)」

    商人「(はい。言葉は通じませんけど、一応は言っておきます)」

    勇者「(おぅ)」

    商人「(はい)にゃ」

    トコトコ……

    93 = 83 :

    勇者「(あっ……)」

    商人「(何ですか?)にゃ?」

    勇者「(いや、一つだけな)」

    商人「(お別れのキスとかならダメですよ?)」

    勇者「(違うから……)」

    商人「(そうですか)にゃぉ」

    勇者「(…………)」

    商人「(…………)」

    勇者「(えーと。お前、見てたんだよな。俺が、かかしにされる所)」

    商人「(はい)にゃん」

    勇者「(それじゃあ、何か知らないか?)」

    商人「(解呪の方法ですか?)」

    勇者「(あぁ。それが一番大事だろ)」

    94 = 83 :

    商人「(勇者さん。いくら私でも、それを知ってたら意地悪せずに教えると思いませんか?)」

    勇者「(……確かに……そりゃそうだわな……)」

    商人「(はい。ですから、もうしばらく、かかしの身体を楽しんでて下さい)」

    勇者「(もう飽きたんだよ……)」

    商人「(暗いですね。大丈夫ですよ。何か分かったら教えてあげますから)」

    勇者「(そうか。じゃあ、よろしく頼むな)」

    商人「(でも、もちろん、お礼はもらいますよ?)」

    勇者「(……商人だなぁ……)」

    商人「(はい)にゃん」

    トコトコ トトトッ…… ニャーォ トトトッ……

    ………………
    …………
    ……

    95 = 73 :

    ニャンコの商人ペロペロ

    96 :

    勇者、盗賊、商人‥まだいるかもだけどなにこのパーティ?
    魔王キレるわw

    97 :

    確かにパーティのバランスがおかしいなww

    98 :

    いつからパーティが4人だと錯覚してた?

    99 :

    あぁ3人パーティの可能性もあるのか

    100 :

    あと一人遊び人とか


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