私的良スレ書庫
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元スレ男「イジメで地下倉庫に閉じ込められてる間に学校にテロリストが……」
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ピリリリリリリリリ!!
携帯の音は、相変わらず鳴り響く。
テロリスト達の銃を持つ手に力が入る。
テロリスト2CI「!! 警戒を怠るな! 後方ぉ!」
2CIが大声を飛ばす。
注視しては、いけない。
もし後方から襲ってくる為のトラップだとしたら……。
後方担当の3DOが、振り返りながら銃を後ろへ向ける。
テロリスト3DO「っひぃィ!!?」
テロリスト2CI「ッ!! どうしたぁ!!」
普段無口な3DOが悲鳴をあげるなぞ、ただ事ではない。
テロリスト3DO「ぬ、ぬいっ、 ぬいぐるみが!!」
テロリスト全員の体が、固まった。
いや、硬直した、と言っていい。
テロリスト2CI「ば……」
さっきまで、何も無かった。
何も無かったのだ。
自分たちが進んできた廊下だ。
そこには、こんな物、
こんな物は……!!
青い、モコモコとしたぬいぐるみが
自分たちの背後に、鎮座していた。
テロリスト3DO「うわあああぁぁああ!!」
テロリスト2CI「落ち着けぇ!! 注意しろ!! 敵は近くにいる!!」
テロリスト3BO「近いドコロの話じゃねぇよっ!! 奴は……奴は!?」
テロリスト2CI「落ち着けと言っているだろ!!」
意味を成さないAEDと
かわいらしいヌイグルミ。
そんな、全く恐怖からかけ離れた二者に挟まれて
テロリスト達は、心の底から震えあがった。
男(……怖いよな 俺だって、同じ状況になったら怖いよ チビっちゃうよ)
男(だから、分かる)
男(怖がる人間のココロは……イヤというほど、分かる!)
男は、ロッカーの中で、右手の指を消火器のピンへ引っ掛ける。
ホースはロッカーの穴から、外へ向けられている。
その方向は、今正に、テロリスト達が固まっている場所……!
そして彼らは、動けない。
魔法のように現れたヌイグルミ、その状況を冷静に考察出来る状況では無い。
その場に硬直し、頼みの銃を構えることしか、出来ない。
否、銃に、頼る。
引き金に掛けたその指に、緊張の全てが集まる。
そして男は、
男(えいっ!)
勢いよく、ピンを引き抜いた。
ボシュウウウウウウウウゥゥウウウゥウ!!
消火器から、その消火剤が白煙となって吐き出される。
テロリスト2CI「!!?」
テロリスト3AO「何だぁ!!?」
テロリスト3DO「うわああああああああああああああ!!!」
恐怖の最高潮は、限界を超える。
視界まで、奪われる。
奪われたのは、視界だけでは無い。
思考力まで、根こそぎ。
そうなると
男(……従う)
男(緊張のタガが、はずれる そして自衛へ走る)
男(しょうがない)
ボシュウウウウウウウゥゥウウウゥゥウ!!
白煙は吐き出され続ける。
何も見えない。
敵も見えない。
そして、
味方も、見えない。
人間、パニックになり思考を放棄した瞬間、他人に従う。
あっさりと。
その瞬間を、
男は作った。
男「………!」
男はロッカーの右後ろへその身を寄せた。
そして、大きく息を吸う。
その肺に、これでもかと空気を溜める。
左手に持った競技用ピストル。
そのトリガーに掛けた指に、力がこもる。
今だ。
言うんだ。
今しかない。
行け!!
男「撃てぇぇ──────ッッ!!!!」
絶叫。
さらに
ッ パ ァ ン !!!
男の左手から、凄まじい破砕音が鳴る。
男は鼓膜が破けそうな痛みに、一瞬意識が持って行かれそうになるが、何とか踏ん張った。
耳はしばらく使い物にならないだろう。
が、
テロリスト達は、それどころでは無かった。
『撃て』という命令と、銃声。
こんなに分かりやすい"指示"は無い。
テロリスト3DO「うわあああああああああああぁぁあああぁぁッッ!!!」
ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ !!
真っ先に発砲したのは、3DO。
緊張の極みに達したその指を、一気に引きまくる。
廊下にけたたましい銃声が鳴り響き、それが合図だった。
テロリスト2CI「う、!!?」
テロリスト3AO「ああ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あああぁああ!!!!」
テロリスト3BO「ひいいぃいいいぃぃぃいい!!!」
ダダダダダダダダダダ
ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ !!
4人が一斉に、発砲する。
連射。
全員が。
敵も味方も分からぬ、視界を奪われたこの状況で、連射。
否
乱射。
テロリスト2CI「ぎゃあっ!!?」
テロリスト3DO「ああああああああああああぁぁああ!!」
テロリスト3AO「ぐおお゙おっ!!?」
必然、
互いに、傷つけ合う。
何も見えぬ状況で、ただ引き金を引く。
自衛のために。
自身を守る為に。
味方の存在など、構っていられない。
銃弾が吐き出され続けているその銃を、振り回す。
男(…………)
俺は、臆病だ。
テロリスト2CI「ぐあぁ!? ど、どこに……奴はあぁあああ!!」
だから、姿は見せない。
俺は、クズだ。
テロリスト3DO「うううううああああああああああああああぁぁああ!!」
ダダダダダダダダダダダダダ!
だから、自分の手は汚さない。
俺は、自己中だ。
テロリスト3BO「痛ぇ……痛ぇよぉぉ……!!」ボタボタ…
だから、
容赦しない。
テロリスト2CI「隊長おおおぉおお゙お゙ぉ゙おおお!!奴はぁああ奴はあぁああ゙あ゙あ゙!!」
ダダダダダダダダダダダダダ
ダン!!!
───
今日はここまで。
ヘタレのクズってまた天才かよ
臆病で思いつくアイデアじゃないしそれを実行するとか
剣の才能があれば勇者行き
臆病で思いつくアイデアじゃないしそれを実行するとか
剣の才能があれば勇者行き
男はテロリストの撃った弾がロッカーに当たらないように計算までしてたの?
最高にかっこわるいバッドステータスの固まりがこうなるとはすごいな
もし男がコードギアスのルルーシュだったら、「ここまでは全て俺の計算通り…!」とか言って悪い顔するんだろうなぁと第2次スパロボZやってて思った。
安価で行動するスレだったら男は何回くらい死んでることになるんだろうなww
安価で行動するスレだったら男は何回くらい死んでることになるんだろうなww
すいません。しばらく書くペースが落ちそうです。
錯乱させて仲間同士殺させる奴は考え付いてたけどこういう風にするとか誰が思うかね
消化器ブチまけても上手くやらないと下に溜まるだけで視界を奪えないでしょ
>>275
つ伏線
つ伏線
>>1まだかなー
あんまり急かしてやるなよ
ゆっくり自分のペースでお願いします
ゆっくり自分のペースでお願いします
>>287
2ヵ月ぐらいまで騒ぐなよ
2ヵ月ぐらいまで騒ぐなよ
まあ今は一ヶ月なんですけどね
いつからここの住人はこんなに待つことができないようになってしまったのだろうか
いつからここの住人はこんなに待つことができないようになってしまったのだろうか
───
3階 空き教室
教祖「え~~~では~~~~~」
さわっ
女「っ」ビクッ
教祖「"気"を送るためのマッサァジを~~~……」
……ダダダダダダ……!!
教祖「!」ピタ…
女「ひっ……」ビク
女「じゅ……銃声……?」
───
───
2階 空き教室
……ダダダダダダダダ……!
隊長「……!」
隊長「………」
隊長(奴を仕留めた……のか?)
隊長「………」
隊長(いや……銃声は4丁分が重なっていた……)
隊長(……全員が発砲する状況……これが好ましいものとは思えない)
素早く腰のトランシーバーを取り上げる。
隊長「応答しろ。 状況を報告しろ」
───
───
北校舎 1階 廊下
ダダ、ダ……
カランカランカラン……
次第に、白煙が晴れていく。
床一面の白と、
赤。
鮮やかな、血の池。
3DO「ぐ、あぁ、あぁああぁぁ……」
3BO「い、痛゙い゙ぃィぃ……たす、たすげ……い゙ぃ……」
2CI「はぁッ……はぁッ……はぁッ……」
3AO「そだ………ウソだ…………」ブツブツ
現場は、地獄絵図だった。
薬莢が散らばり、壁という壁に銃弾がめり込み、近場のガラスはひとつ残らず砕け散った。
そして彼らがばら撒いた弾丸は、容赦なく互いを傷つけあった。
その中で奇跡的ともいえたのは、
3DO「うゔぅ……ゔうぅ゙うゔぅゔ……」
3BO「痛でぇ……痛でぇよぉ……ひぃ……」
死亡者、ゼロ。
負傷者、2名。
3DO、右肩を負傷。
3BO、左膝を負傷。
どちらも重傷だが、命に別状はない。
弾丸の嵐に巻き込まれた中において、奇跡とも言える被害状況だった。
2CI「はぁッ……はぁッ……ぐ、はぁッ……」
部隊のリーダーを務めていた2CI。
唾が喉に絡んで上手く呼吸が出来ない。
2CI(なんだ、何が、何が起こった)
2CI(ぬいぐるみが、AEDで、白い、白、え、なんだ、何)
状況を整理出来ない。
飲み込めもしないものを消化しろといっても無理な話だ。
組み立てるのに、材料が少なすぎる。
3AO「2CIィィ───!!」
怒号。
2CI「はっ……!?」
3AO「何ほうけてんだぁーっ!! 今、今お前がっお前が!頼りなんだよ!」
こちらも奇跡的に無傷だった3AO。
普段は高圧的な奴だが、今ばかりは泣きと怒りの混ざった顔で懇願の声を出している。
3AO「頼む……! 頼む…っ!! リーダーぁ!!」
2CIは大きく頭を振ると、大きく息を吸い込んだ。
2CI「はぁぁっ、はぁっ……ゴホッ……全員っ! たいきゃくっ、退却ッ!!」
逃げなくては、とにかく、逃げなくては。
2CI「俺が3DOをっ! 3AOは3BOを頼むっ!!」
3AO「り、了解!」
負傷者に肩を貸し、必死で現場から離れる。
2CI「ぐっ……」
肩に掛かる3DOの体が、やけに重く感じられた。
足が重い。
それでも、歯を食いしばって動かす。
一歩一歩踏み出すたびに、仲間の傷口から血が吹きこぼれた。
びちゃり びちゃり
白く撒かれた消化剤の上に転々と赤い丸が連なっていく。
2CI「はぁっ、はぁっ」
必死だった。
生き残る為に。
元々、奴を殺す為に、ここへ来た。
今は、追われる側だ。
生きる為に、仲間と、生き残る為に、
必死で、必死で逃げる。
……せよ
2CI「……はぁっ……はぁぁっ……」
…ザッ……
……うせよ
2CI「はぁっ……」
『どうした 応答せよ』
2CI「!」
隊長『現場 状況を報告せよ どうした』
2CI「隊長ぉ! はぁっ、はぁっ」
緊張と興奮のあまり、イヤホンマイクの音が全く聞こえていなかった。
3DOの体を支えながら、精一杯の声を絞り出す。
隊長『銃声が聴こえたが、どうし……』
2CI「奴が……奴です!! やられました!!」
隊長『やられた……?』
2CI「やられました! 撃たれました!? いや、撃ったのはこちらですが、負傷がァ!」
隊長『落ち着け 負傷者が出たのか』
2CI「負傷者2名! 現場を退却! そちらへ向かっています! 救護を! お願いします!」
隊長『……了解した。 負傷者を1階空き教室へ運べ 私が手伝いへ行く』
2CI「は、はい……! ですが、もし、もし辿りつけなかったら……」
隊長『敵の動向はこちらで監視する 速やかに、帰って来い!!』
隊長『お前を鍛えたのは私だぞ!! 私と教団を信じろ!!』
2CI「はっ!!」
これほど、
これほど元気付けられるとは。
2CI「行くぞ!!あと少しだ!!」
3AO「おう!!」
4人で必死になって渡り廊下を進む。
生還する為に。
帰りを待つ人々の為に。
───
───
ザッ
隊長「総員へ告ぐ……!」
隊長「偵察部隊が北校舎1階にて奇襲を受けた模様」
隊長「廊下へ立っている各員は監視体制を取り、速やかに報告せよ!」
隊長「特に、1階廊下に立っている者! お前たちが頼りだ!」
そう、男が潜んでいる(と思われる)北校舎の1階廊下部分は、南校舎からは非常に見づらい位置だ。
南1階廊下に立っている人間が、教室(ここでは職員室等)を通して、なんとか北の廊下を見張るしかない。
……ザッ
1BO『隊長!報告します!』
隊長「! 何だ?」
1BO『奴の姿を……確認しました!』
───
───
隊長「奴は今どこだ!」
1BO『1階廊下……ちょうど、白煙が撒かれたあたりです!』
隊長「……ッ」ギリ
白煙、乱射、同志討ち……。
隊長の頭の中で、単語が一つ一つが線でつながれて行く。
隊長(罠を仕掛け、白煙で視界を奪い、乱射を用いて同志討ちさせた……)
隊長(しかしこの短時間で時限式の装置やセンサー式の装置を作り上げることはプロでも不可能に近い)
隊長(だからこそ、奴はすぐ傍で……覚えた見取り図を参照するに、ロッカーに潜んでいたとみるべきか)
隊長(ロッカーに隠れ、罠を発動させ、我々を倒そうとした……!)ギリ…
隊長「奴はどこに向かっている!」
1BO『はっ! 廊下を東へ……走っている模様!』
隊長「走っている……?」
1BO『はい!」』
隊長(奴はこれまで見つからなかった……つまりは匍匐前進なりしながら、隠れながら移動していた、ということ)
隊長(攻撃を受けた部隊からも奴の姿を見たとの報告はない……奴は、奴は姿を見られることを恐れているはず……!)
隊長(にもかかわらず、そのリスクを犯してまで走っている……!)
隊長(現在地を知られてでも、急いで移動しなければならない、その理由は……?)
隊長(はっ……"脱出"……!)
ザッ
隊長「スナイパー!!聞こえるか!!」
スナイパー(北・屋上)『ハッ、聞こえております』
隊長「北校舎西側にターゲットが移動した。 西の窓から誰か出てくる気配は無いか?」
スナイパー『いえ、ありません!』
隊長(ならば……可能性は一つしかない!)
答えが次第に浮かび上がる。
男の動向が、狙いが、隊長の推理が組みあがって行く。
そして、「同志討ち」という単語。
それが引っ掛かった。
相手の武器を使用し、互いに攻撃させる。
効率的だが、非常に面倒な下準備が必要なはずだ。
武器を使用させた……いや、
"使用させざるを得なかった"……?
隊長「1BO! 確認した奴の姿だが……」
1BO『はっ、はい!』
隊長「何か武器を持っていたか?」
1BO『い、いえ……』
1BO『それどころか……いや、見間違い、かも、しれないんですが……』
隊長「何だ?」
1BO『奴……』
── パンツ姿、だったような…… ──
───
───
男「はぁ……はぁ……!」
カン、カン、カン、カン!
男は必死で階段を昇っていた。
男「急げ……! 急げぇ……!」
上へ!
───
隊長「奴は今階段を昇っているはずだ」
スナイパー『え……な、何故分かるんですか』
隊長「急いで移動をしているのに脱出する気配が無い、ということは次の隠れ場所を探しているということだ!」
隊長「これ以上ネズミを潜ませる訳にはいかん!」
隊長「今、姿の見えているうちに叩かなくてはならない!」
スナイパー『はっ!』
隊長「そして……奴は今、丸腰だ。 武器を調達する前に、奴を殺す」
スナイパー『はっ』
隊長「そして……隠れ場所の候補だが」
隊長「奴の狙いに、その屋上も含まれる」
スナイパー『!!』
───
男「はぁ……はぁっ……ぐっ……!」
カン、カン、カン!
男「はぁ、ぐっ……! はぁっ……!」
急げ
男「はぁっ…はぁっ、はぁぁっ……!」
目指すは、屋上!
───
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