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元スレ男「イジメで地下倉庫に閉じ込められてる間に学校にテロリストが……」
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>>545
また一人馬鹿が現れたか...
また一人馬鹿が現れたか...
───
北校舎 玄関脇
救急隊員A「おい……これ……」
救急隊員B「……」
救急隊員A「頭蓋損傷が激しいから一概には言えないが……この痕は……」
救急隊員B「でも……まさか、こんな平和な町だぜ?」
救急隊員A「しかしなぁ……」
……ウゥ──── ウゥ────
救急隊員A「! 来たか!」
救急隊員B「こりゃ俺たちの手には負えないからな……」
キキーッ
バタン!
警官A「どうも! お疲れ様です!」
救急隊員A「お疲れ様です! それで……仏さんなんですが……」チラ
警官A「う……これは……」
救急隊員A「飛び降り、です」
警官A「……ふむ……」
救急隊員A「それで、ちょっと気になることが……」
警官A「気になること?」
救急隊員A「……そこです……」
警官A「……ちょっと失礼」 ゴソ…
ゴトリ…
救急隊員A「……」
救急隊員B「……」
警官A「これは……」
警官A「………銃痕………」
───
───
南校舎 1階 空き教室
部屋に、沈黙が降りた。
主に沈黙を守っているのは隊長だ。
口に指を当てながら、考え込む素振りを見せている。
一方で3BOはおろおろと動きながら落ち着かない。
隊長「………」
3BO「た、隊長! どうするんですか!? もう、警察もこっちに……奴を捕まえるどころじゃ……」
隊長「………」
3BO「……?」
隊長「奴の情報を手に入れることは出来なかった」
隊長「が、」
隊長「計画に変更は無い」
3BO「え……」
隊長「警察に知られた今がタイミングだ。 声明文を発表する。」
3BO「声明文……あ、……そうか、そうでしたね……」
隊長が腰の無線を取り上げる。
隊長「……1AO、1BO、1CO、1DO、聞こえるか」
───
───
1AO「……」
───
隊長「今こそ、我々の思想を、行動を、魂を、全世界へ示す時だ。」
───
1BO「……」
───
隊長「この瞬間から、我が教団の、我ら一同の、新世界が幕を開けるのだ!」
───
1CO「……」
───
隊長「各自、自身の担当する公表先へ、速やかに……」
───
1DO「……」
───
隊長「 声明文を、発表せよ!! 」
───
───
毎朝新聞社
リーンリーン ガヤガヤ
ザワザワ ガシャンガシャン
ジリリリリ! オーイ! コッチダコッチ!
ウィーーン ガシャ プルルルルル
記者A「ケッ……何だよ何だよ、シケたネタしか上がってこねーなぁ」
記者B「んー……ロクなネタがねぇな……えーと何々?、岡山県で猫が一日駅長、と……」
記者A「かァ~~っ! しょっぱい!しょっぱすぎる! もっとこう……ガツンとしたネタはねぇのかよ!」
記者B「すぐそれだな、お前は……。 そんな都合の良く事件なんか起こるもんか」 プルルルル!
記者A「ん……? 何だ? 電話?」プルルルルル!
記者B「なんだ何だ、事件の知らせかもしれねぇぞ」
記者A「よせよ、そんなウマい話……。 ガチャ はい、もしもし」
───
───
西スポ新聞社
デスク「で、だ。 新ネタは上がったのか?」
記者C「は、はい! えっと、大阪で新妖怪現る……! というネタなんですが、どうでしょうか……?」
デスク「新妖怪?」
記者C「はい、えっと、かみつきオヤジ、という新たな妖怪というか、都市伝説というか、そんなウワサが……」パラパラ
デスク「………」
記者C「上手く行けば、口裂け女のように全国レベルの大スクープに……!」
デスク「却下」
記者C「……」シュン…
記者D「あ、デスクー! デスクさんーっ!」パタパタ
デスク「何だ、騒がしい」
記者D「お電話ですっ」
デスク「チッ……何だ、こんな時に」
───
───
日売テレビ 報道部
記者E「何!? 救急無線から異状死体って単語が出て来た!?」
記者E「よし!! そのまま傍受を続け……ああ分かったよ!謝礼は今度払う!また頼むぜ!」
記者G「?? 何か事件ですかぁ?」
記者E「おう! 何だか面白いことになりそうだぞ! ちょっと取材してくる!」
記者G「え……で、でも今から会議じゃ……」
記者E「んなもんほっとけ! 特ダネだ! 上手く行けば夕方のニュースまでに間に合うかも知れん」バタバタ
記者G「えぇ!? 夕方のニュースのトップは、大物女優の不倫と、あと、」パラパラ…
記者E「はぁ……お前なぁ……」
記者G「ハチローのメジャー進出と、関西の新型インフルエンザ特集と、あと……」
記者E「馬ッ鹿野郎!!」ドン!
記者G「っ」ビクッ
記者E「記者なら最新の情報を追いかけろ!! いつまでも古い情報にこだわってんじゃねぇ! 俺ぁもう行くぞ!」
ピリリリッ
記者E「あぁ? 何だぁ?」
ピリリリリリリ!
記者E「ったく、こんな時に……」
───
───
警察本部
警官B「はいこちら本部……」
警官B「はい、……はい?」
警官B「あのねぇ、イタズラならよそで……」
警官B「………」
警官B「……!」
警官B「……ちょ、ちょっと待ってなさい……」
警官B「っ部長! 部長ー~~ っ !!」
───
───
MHK 報道部
記者H「おい……このメール、どう思う?」
記者J「ん? どれどれ?」
記者H「既に電話にて詳細は聞いた……わざわざ文面でも"発表"してきやがったよ」
記者J「……これ……本物なのか? 本当に……こんな……」
記者H「……やりかねない。 奴らなら……」
記者J「お、おい! もしこれが本当なら、すぐに速報で……」
記者H「もう上に話は通した。 もうじき速報テロップが流れるだろう……」
記者J「……他社は?」
記者H「確認した。 ほぼ全ての主要マスコミに声明文が発表されているらしい」
記者J「……それなら……」
記者H「ああ、」
記者H「乗り遅れる訳には、いかないな……!」
───
───
男 宅(アパート)
TV『さて、大人気のこちらの商品がなんと……』
母「ふーん、いいわねぇこれ」ボ~~…
TV『本日限定の特別…… ザザ… パッ えー、番組の途中ですが、失礼します。緊急ニュースをお伝えします。』
母「緊急ニュース……?」
TV『えー、先程、新興宗教団体"無応真理教"から声明文が届きました。教団によると、』
母「あ、洗濯物干さないと」
そう言って男の母はリモコンへ手を伸ばした。
TV『武装した信者が……』 ピッ
母「やれやれ、主婦も楽じゃないわねー」ヨッコラセ
───
───
警視庁
総監「……本当なのか、これは……」
監理官「……はい。」
総監「……すぐに関係各所へ連絡、SATを手配しろ」
監理官「はい、ただちに……」
副総監「……警視総監、」
総監「……どうした」
副総監「お電話です…………総理から」
総監「……」
───
───
警官A「……銃痕です……間違い無い……」
救急隊員A「やはり……銃による……」
救急隊員B「……」ゴクリ
…ザッ…
警官A「あ、無線が……」
警官A「あー、こちら現場から。 ちょうど良かった、すぐに応援を……」
警官A「え!? 即、帰って来い、ですって!? そんな馬鹿な……!」
警官A「だって、銃による異状死体ですよ!? しかも、この学校も変だ! 人っ子一人……」
警官A「……そんな、本庁から……」
警官A「………」
警官A「……了解」 ザッ
救急隊員A「……どうしたんですか?」
警官A「……すぐにここを離れるぞ」
救急隊員B「え……?」
警官A「これは………命令だ」
警官A「国からの、な」
───
───
3BO「……これからどうなるんですか?」
隊長「…………」
隊長「……まず、この学校は警察とマスコミに完全に包囲される」
3BO「!!」
隊長「ただし、半径500m以内を極力無人にし、望遠による監視、ヘリを飛ばすことを禁じた。」
隊長「破れば、人質を即殺す、とな。」
3BO「……」
隊長「資金の受け渡し、独立候補地への我々と生徒の輸送は別途要求してある」
3BO「……なるほど……なるほど……」
隊長「………」
隊長(………)
隊長(……今の敵は、警察でも、国でもない……)
隊長(………)
隊長(…………)
隊長(……奴だ……。)
隊長(奴は……、)
隊長(奴は、どう出る……?)
───
───
男「………」カチカチ
男は、教師の携帯でネット掲示板をチェックしていた。
男「………」カチカチ
━━━━
34:実況する名無しさん
速報キタ───(゚∀゚)───!!
35:実況する名無しさん
なんだなんだ
36:実況する名無しさん
立てこもり!? マジで!?
37:実況する名無しさん
いつかやると思った
38:実況する名無しさん
マジキチ
39:実況する名無しさん
おいおい、これガチでヤバくねぇか
40:実況する名無しさん
どうすんだこれ
生徒全員人質とかwwww
41:実況する名無しさん
こういう妄想したことはあるけど、まさか現実に起こるとは……
━━━━
男「………」カチ…
男「………」
男「……行くか」
スクッ
ガクガクッ
男「~~~~っ!?」
男「………」
一度は立ち上がった男だったが、
足がガクついた為、また座り直す。
男(……休憩、あと少しだけ、少しだけ休憩……)
───
乙です!
オカン無関心すぎワロタww
まぁ、オレオレ詐欺の電話(偽)が何度も来たから機嫌悪かったんだろうけどな。
オカン無関心すぎワロタww
まぁ、オレオレ詐欺の電話(偽)が何度も来たから機嫌悪かったんだろうけどな。
お前等わざとだろ……
>>1にこんなに言わせたんだから落ち着いてくださいお願いします
>>1にこんなに言わせたんだから落ち着いてくださいお願いします
ーーーーーここまで>>1による策略ーーーーー
漢は黙って>>1乙
声明文への掲示板の書き込みがリアリティあって良い
こういう描写って面白いよね
男のこの長い休憩が後に窮地の原因になりそうな予感
こういう描写って面白いよね
男のこの長い休憩が後に窮地の原因になりそうな予感
───
隊長「………」
3BO「……いよいよです、ね」
隊長「……ああ」
3BO「……もう戻れません、ね」
隊長「……ああ」 カチカチ…
3BO「……? 何してるんですか?」
隊長「奴が持っている無線……元はスナイパーの物だが……それを遠隔で無効にする」
3BO「! そ、そんなことが出来るんですか?」
隊長「私が持っているのがマスター機だ。 周波を変えればた易い……。 が、」
隊長「………」
3BO「どうしたんですか?」
隊長「……無線……いや………」
隊長「何でもない」
3BO「……?」
隊長(何かが……何かが引っ掛かる……)
3BO「隊長……?」
隊長「いや……少し、考え事だ」
3BO「気を付けてくださいよ……いつ、どこから奴が狙撃してくるか……」
3BOは震え上がっている。
当然だ。
スナイパーに狙われるなぞ、正に生きた心地もしないだろう。
隊長「狙撃、か……」
3BO「……?」
隊長「………」
隊長「3BO」
3BO「ッ? はいっ」
隊長「何故奴は……狙撃していることを自ら我々に教えて来たんだ?」
3BO「え……?」
隊長「狙撃のことを知らせずに、こちらが隠れる前に数名狙撃して殺した方が、奴には有利だろう?」
3BO「それはぁ……そうですけど……。 あ、アレじゃないですか、撃つより脅した方がめんどくさくない、というか」
隊長「めんどくさくない……?」
3BO「ええ、まず、我々を脅す。 そして、我々が降伏してくるのを待つんです。」
隊長「降伏……。」
3BO「はい、そうすれば、狙撃する労力を使わずに、我々に勝つことが出来るじゃないですか」
隊長「なるほど……。」
3BO「へへ……」
隊長「しかし、だ」
3BO「え?」
隊長「奴は……無線を切っている」
3BO「……あ。」
隊長「恐らく、こちらとの交渉を拒んでいるのだろう……。 確かに、場合によっては交渉は自身には不利になることもある。」
隊長「無線を切った判断が間違いだとは思わない。 しかしだ、」
隊長「もし奴が"降伏を促したい"のなら……こちらとの通信を完全に絶ってしまう、というのはおかしい」
3BO「確かに……無線で『もう降参です』って伝えることが出来ないですもんね……」
隊長「更に、奴はわざわざ自身が訓練を受けた身であること、こちらを皆殺しにするという意思、加えて狙撃という具体的な行動まで示して来た……」
隊長「明らかに"こっちに近付くな"と言っている。 我々の動きを封じる為だろうが……それなら益々"我々が降伏の意思を伝える"ことは困難になる」
3BO「た、確かに……」
隊長「奴がしていることが……いちいちチグハグなんだ……辻褄が合わない……。」
3BO「う、うーん……考えれば考える程分からなくなってきました……」
3BO「奴は……奴は一体何がしたいんでしょう……?」
隊長「……」
隊長「『何故奴は狙撃することを我々にわざわざ教えて来たのか?』 この問いを言い換えれば……」
3BO「言い換えれば……?」
隊長「『何故奴は黙って狙撃しなかったのか?』となる……。 何故……。」
3BO「うーん……俺達が上手く見えなくて、それで狙撃できなかったとか……あと下手だったとか……いや、そんな……」ブツブツ
隊長「…」ピク
隊長「……今何と言った」
3BO「え?」
隊長「今、何と言った?」
3BO「え、あ、いえ…その、我々が、その、よく見えなくて、狙撃できなかったのではないかとぉ……」
隊長「その後だ!」
3BO「ひっ!? え、えっと……下手だったから、狙撃の腕に自信が無かったんじゃないか、とか、そんな、ことを、はい、すいませんっ」
隊長「………」
隊長「…………」
隊長「……3BO」
3BO「っはい!」
隊長「……私は………」
隊長「私は、お前に何と言っていた?」
3BO「へっ……」
戸惑う3BO。
隊長の頬を汗が流れる。
隊長「私はお前に……"奴について"何と言っていた?」
3BO「えっ、奴について、ですかっ? ええっと……」
3BO「軍事的な訓練を受けていて……頭も良くって……勇気もある……とても恐ろしい人間だ、と」
隊長「………」
3BO「………た、隊長?」
隊長「……私は」
3BO「……」
隊長(私は……何か重大な思い違いをしているのか……?)
口に手を当てて考え込む隊長。
その目が、微かに、その野生の光を増しつつあった。
───
───
ゾ ク ッ
男「~~ ッ!?」
男(な、何だ……急に、背筋が、ゾクッと……)ビクビク
男「………」
男「………」ゴクッ…
男(……何か)
男(何か、見落としがある……のか……?)ビク、ビク
───
───
男 宅
母「やれやれ、やっと洗濯終わり……」
母「よっこらせ」
母「テレビは何かやってるかしら」 ピッ
TV『── ザッ …… えー、引き続き臨時ニュースをお伝えします』
母「なぁんだ、まだ物騒なニュースやってるのね……」
母「やめたやめた」
TV『えー、信者達が立て篭もっている高…』 ピッ
母「……ふぅ、一休みしてごろごろしようかしら」
母「うーん……」ゴロゴロ…
母「………」ゴロゴロ
母「……」
母「………z」
母「……zZZ……」スー…スー…
母「……zzZZ……」スー… スー……
……スー ………
……スー ………
…………
~~~~~~~
「そんな………」
「………」
「ウソでしょ!? ねえ……!」
「……別れる」
「そんな……そんな、だって……」
「………」
「結婚、してくれるって……言ったじゃない……」
「………」
「だから……だから、あたし、あたし…それ信じて……ずっと……!」
「……お前とは、遊びだった」
「っ……そん、な………」
「……大体、そのお腹の子だって、俺の子か怪しいもんだ」
「ッ!? そんな!? 本気で言ってるの!?」
「……お前だって……俺みたいな一回りも歳が違う男に本気になる訳がない……」
「っ違う! あたしは……あたしは本気であなたを……!」
「どうせ、他の若い奴とデキてるんだろう? 腹の子はそいつの種で出来たんだろう……」
「……ひどい……酷い……っ………。 この子は……この子は正真正銘、あなたの……」
「黙れ」
「………。」
「………」
「……勝手だよ……。 この子は……この子はどうするの……?」
「堕ろせ。 金だけは出してやる。 俺の子か分からんモノに金を出してやるんだ、感謝しろ」
「………だ……」ポロ…
「あ?」
「……やだ…… やだよ……」ポロ…ポロ…
「………」
「この子には……この子には何の罪も無いじゃない……」ポロ…ポロ…
「………」
「そんなの……そんなのおかしいよ……」ポロ…ポロ…
「お前まさか……産む気か」
「………」コク
「……チッ…… 勝手にしろ…… もう、俺には関係の無い話だ」
「………」ジワ…
「……もう、会うことも無いだろう。 さよならだ。」
「………」ポロ… ポロ…
「………ふん」
「……分かったわ」ゴシゴシ
「ん?」
「この子は……私一人で育てる……」ゴシゴシ
「……本気で言ってるのか」
「……」
「……勝手にしろ……っ」
「……」
「せいぜい、軟弱でひ弱なガキを育てるんだな」
「………」
「臆病で、軟弱で、最低のクズで……っ」
「どんな子だっていい……ッ」
「ッ」
「あたしは……この子を……」
「………」
「 愛してる。 」
「……チッ…… これだから女は……」
「………」
「フン……」
「貴方は……可哀相な人間だわ」
「あ゙……?」
「強がってて、強がることに必死で、哀れな人」
「強がっている……だとォ?」
「そうよ……弱くて可哀相な人間」
「弱い……この俺が……弱い、だと?」
「ええ……」
「ッふざけるな! 俺が弱いなぞ……! 日々鍛錬を重ね、国の為に……ッ」
「本当の強さは……!」
「………」
「本当に強いっていうのは……自分の弱さを認められる強さよ……!」
「……くだらん。 自分の弱さを認める強さだと……? 軟弱者の世迷言だ。」
「この子は……この子は、本当に強い子になるわ。 きっとそう 貴方とは違う」
「はっ……戯言を」
「………」キッ
「ふん……まあいい。 俺は近々昇格が決まっている大事な身だ……。 くれぐれも、妙な騒ぎだけは起こすなよ」
「……が……よ……」
「あ?」
「何が昇格よ……。 大事な身よ……。」
「………」
「家族も守れない人間が……国を護れる訳ないじゃない……っ!」
「貴様ッ!!」
バ シ ィ ッ !
「あうっ……!」 ドサァ…
「……はぁ……はぁ……」
「………」キッ…
「……フン……」 クルッ スタスタスタスタ…
コツ、コツ、コツ
コツ…… コツ……
……コツ……
「………」
「………」
「………ごめんね、痛かった?」ナデナデ
そっと、優しい手つきでお腹を撫でる。
「…………ごめんね……ごめん、ね………」ポロ…ポロ…
「……ごめんね………」ポロポロ… ナデナデ
………
…
~~~~~
……
………
母「………ハッ……」パチ
母「………」
母(……いやな夢……もう……とっくに忘れたと思ったのに……。)ハァ
母「………」
母「~~~~ っ」ブンブン
母「忘れよ忘れよ、 夕飯の買い出し行かなきゃいけないしね、うん」
母「……今夜は何作ろうかな…… 何を買ったらいいかなぁ……」
母はそう言いながら、テーブルの上のメモ帳のペンを取る。
母「今日は少し暑いから、さっぱりした物で……あと野菜も安くなってるから……」カリカリカリ
母「献立は……そうね、これで行こうかしら」カリカリカリカリ…
母「だから買う物は、と……」カリカリカリカリ…
母「………」ピタ
母「…………」
母「………ふっ……」
母(……メモを取る癖……元はあの人の癖だったのに……)
母(………)
母(…………)
母「……忘れよっ」
そうつぶやくと、母はメモを掴んで立ち上がった。
───
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