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元スレ勇者「パーティーにまともな奴がいない……」
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女「何あの人?」ヒソヒソ
主婦「関わらない方がいいわよ」ヒソヒソ
勇者(せめて俺に聞こえないようにしろよ)スタスタ
勇者(とにかく酒場に行かないと)スタスタ
男「何処行きやがったんだ?」キョロキョロ
勇者「……」スタスタ
勇者(面倒臭い奴きた……)
男「おい」
勇者「……」ビクッ
勇者(無視しよう、ここは無視が一番いい)スタスタ
男「お面かぶってるお前だよ」
勇者「わ、私でございますか?(裏声)」
男「お前以外にお面かぶってる奴なんていないだろ」
勇者「ですよね」
男「お前ヒノキの棒を持った頭悪そうな男見なかったか?」
勇者「頭悪くねぇよ!!」
男「は?」
主婦「関わらない方がいいわよ」ヒソヒソ
勇者(せめて俺に聞こえないようにしろよ)スタスタ
勇者(とにかく酒場に行かないと)スタスタ
男「何処行きやがったんだ?」キョロキョロ
勇者「……」スタスタ
勇者(面倒臭い奴きた……)
男「おい」
勇者「……」ビクッ
勇者(無視しよう、ここは無視が一番いい)スタスタ
男「お面かぶってるお前だよ」
勇者「わ、私でございますか?(裏声)」
男「お前以外にお面かぶってる奴なんていないだろ」
勇者「ですよね」
男「お前ヒノキの棒を持った頭悪そうな男見なかったか?」
勇者「頭悪くねぇよ!!」
男「は?」
勇者「いえ、頭が悪いかどうかはわからないと思いますのですよ(裏声)」
男「勇者様をあれだけ怒らせたんだ、よっぽどバカなんだろうな」
勇者「なんでもあの女勇者が正しいと思ってんじゃねぇぞ」ボソボソ
男「何か言ったか?」
勇者「いえ、なんでもございません(裏声)」
男「独り言言いやがって、気持ち悪い」
勇者「鏡見てこい、目の前にもっと気持ち悪いもんがいるぞ」
男「あ!?」
勇者「なんでもありません(裏声)」
勇者「それより勇者様はどちらにいらっしゃるのでしょうか?(裏声)」
男「勇者様なら酒場だ」
勇者「どうもありがとうございました(裏声)」スタスタ
勇者(裏声しんどいな……)
勇者「女勇者いるか?」ガチャ
女勇者「私に何か用ですか?」
勇者「ああ、つーかついさっき聞いた声忘れんな!!」カパッ
女勇者「あ、あなたは……」ギリッ
男「勇者様をあれだけ怒らせたんだ、よっぽどバカなんだろうな」
勇者「なんでもあの女勇者が正しいと思ってんじゃねぇぞ」ボソボソ
男「何か言ったか?」
勇者「いえ、なんでもございません(裏声)」
男「独り言言いやがって、気持ち悪い」
勇者「鏡見てこい、目の前にもっと気持ち悪いもんがいるぞ」
男「あ!?」
勇者「なんでもありません(裏声)」
勇者「それより勇者様はどちらにいらっしゃるのでしょうか?(裏声)」
男「勇者様なら酒場だ」
勇者「どうもありがとうございました(裏声)」スタスタ
勇者(裏声しんどいな……)
勇者「女勇者いるか?」ガチャ
女勇者「私に何か用ですか?」
勇者「ああ、つーかついさっき聞いた声忘れんな!!」カパッ
女勇者「あ、あなたは……」ギリッ
勇者「マスター、悪いけど他の奴らは入れないでくれ」
マスター「わかりました」ガチャ
女勇者「何の用ですか」
勇者「別にあんたに復讐しに来たわけじゃないから」
女勇者「では何のためにここに来たんですか?」
勇者「とりあえず、話し合いに来た」
女勇者「……いいでしょう、無駄だとは思いますが」
勇者「まず聞きたいんだけど俺の何が気に食わなかったの?」
女勇者「全てですね」
勇者「ぶっ殺すぞ!!」
女勇者「あなたの何もかもが嫌なんです」
勇者「普通に傷つくよ、その言葉……」
女勇者「どうして……どうしてあなたのような人間が勇者なんですか!!」
勇者「そんな事言われてもな……」
女勇者「あなたはいくつの流派を習得したのですか?」
勇者「流派?」
女勇者「剣の流派です」
マスター「わかりました」ガチャ
女勇者「何の用ですか」
勇者「別にあんたに復讐しに来たわけじゃないから」
女勇者「では何のためにここに来たんですか?」
勇者「とりあえず、話し合いに来た」
女勇者「……いいでしょう、無駄だとは思いますが」
勇者「まず聞きたいんだけど俺の何が気に食わなかったの?」
女勇者「全てですね」
勇者「ぶっ殺すぞ!!」
女勇者「あなたの何もかもが嫌なんです」
勇者「普通に傷つくよ、その言葉……」
女勇者「どうして……どうしてあなたのような人間が勇者なんですか!!」
勇者「そんな事言われてもな……」
女勇者「あなたはいくつの流派を習得したのですか?」
勇者「流派?」
女勇者「剣の流派です」
勇者「……ごめん、俺そういうの習得した事無い」
女勇者「……な!?」
勇者「俺自己流だから」
女勇者「あなたのような人間が……なぜ勇者なのですか」
勇者「確かにあんたからしたらムカつくかもな」
女勇者「わかったらこの町から出て行ってください」
勇者「それは出来ない」
女勇者「なぜですか?」
勇者「俺は俺が好きな時に出ていく」
女勇者「言う事を聞けば何も危害は加えません、出て行ってください」
勇者「初めて来た町だからもっと満喫したいんだ」
女勇者「観光気分ですか……」
勇者「そうだ」
女勇者「そんな理由でこの町にとどまるのですか」
勇者「そうだ」
女勇者「……」
勇者(別に出て行ってもいいけどなんか負けた気がするんだよね)
女勇者「……な!?」
勇者「俺自己流だから」
女勇者「あなたのような人間が……なぜ勇者なのですか」
勇者「確かにあんたからしたらムカつくかもな」
女勇者「わかったらこの町から出て行ってください」
勇者「それは出来ない」
女勇者「なぜですか?」
勇者「俺は俺が好きな時に出ていく」
女勇者「言う事を聞けば何も危害は加えません、出て行ってください」
勇者「初めて来た町だからもっと満喫したいんだ」
女勇者「観光気分ですか……」
勇者「そうだ」
女勇者「そんな理由でこの町にとどまるのですか」
勇者「そうだ」
女勇者「……」
勇者(別に出て行ってもいいけどなんか負けた気がするんだよね)
勇者「それにあんな事されて黙って帰れるほど優しくないし」
女勇者「わかりました、では私と勝負してください」
勇者「はい?」
女勇者「私と戦って下さい」
勇者「何言ってんのあんた?」
女勇者「私はあなたがこの町にいる事が耐えられない」
勇者「そんなに俺のこと嫌い!?」
女勇者「私は弱い人間が嫌いです」
勇者「別に弱くはないから」
女勇者「だからそれを確かめるために戦うんです」
勇者「面倒臭いな……」
女勇者「嫌なら出て行ってください」
勇者「それはもっと嫌」
女勇者「なら戦って下さい」
勇者「……戦えばいいんだろ」
女勇者「そうだとさっきから言っています、バカなんですか?」
女勇者「わかりました、では私と勝負してください」
勇者「はい?」
女勇者「私と戦って下さい」
勇者「何言ってんのあんた?」
女勇者「私はあなたがこの町にいる事が耐えられない」
勇者「そんなに俺のこと嫌い!?」
女勇者「私は弱い人間が嫌いです」
勇者「別に弱くはないから」
女勇者「だからそれを確かめるために戦うんです」
勇者「面倒臭いな……」
女勇者「嫌なら出て行ってください」
勇者「それはもっと嫌」
女勇者「なら戦って下さい」
勇者「……戦えばいいんだろ」
女勇者「そうだとさっきから言っています、バカなんですか?」
勇者「お前ドSなの?」
女勇者「そうです」
勇者「……」
女勇者「何か問題でも?」
勇者「別に……」
女勇者「とにかくあなたを見ているとイライラしてきます」
勇者「俺もお前見てるとムカつく」
勇者「特に自分の事をドSとか言っちゃうところが特にムカつく」
女勇者「MのくせにMじゃないと言い張るあなたのような人間がいるからいけないんです」
勇者「そんなに俺が嫌いか?」
女勇者「はい」
勇者「即答だもんな」
女勇者「当たり前です」
女勇者「私が負けたらあなたの事を一応認めましょう」
女勇者「そうです」
勇者「……」
女勇者「何か問題でも?」
勇者「別に……」
女勇者「とにかくあなたを見ているとイライラしてきます」
勇者「俺もお前見てるとムカつく」
勇者「特に自分の事をドSとか言っちゃうところが特にムカつく」
女勇者「MのくせにMじゃないと言い張るあなたのような人間がいるからいけないんです」
勇者「そんなに俺が嫌いか?」
女勇者「はい」
勇者「即答だもんな」
女勇者「当たり前です」
女勇者「私が負けたらあなたの事を一応認めましょう」
勇者「無駄に上から目線だな」
女勇者「言っておきますが私の方が年上です」
勇者「そうだけどさ……」
女勇者「あなたが負けたら即刻この町から出て行ってください」
勇者「……勝ったら居ていいのか?」
女勇者「好きにしてください」
勇者「わかった」
女勇者「さあ、剣を抜きなさい」シャキン
勇者「仕方ねぇな」
マスター「すいませんが外でやっていただけますか」
勇者・女勇者「はい、すいません」
勇者「マジでやんのか?」ガチャ
女勇者「当たり前です」スタスタ
女勇者「あなたこそそんな剣でいいのですか?」
女勇者「言っておきますが私の方が年上です」
勇者「そうだけどさ……」
女勇者「あなたが負けたら即刻この町から出て行ってください」
勇者「……勝ったら居ていいのか?」
女勇者「好きにしてください」
勇者「わかった」
女勇者「さあ、剣を抜きなさい」シャキン
勇者「仕方ねぇな」
マスター「すいませんが外でやっていただけますか」
勇者・女勇者「はい、すいません」
勇者「マジでやんのか?」ガチャ
女勇者「当たり前です」スタスタ
女勇者「あなたこそそんな剣でいいのですか?」
勇者「ああ、これが俺の刀だからな」
女勇者「言っておきますが手加減はしませんよ」
勇者「俺も手加減する気ないし別にいいよ」
男「お前は偽物の勇者!!」
勇者「違う!!」
男「いつの間に酒場に……」
勇者「地面を掘ってみろ、地下通路があるから」
男「な!?」
勇者「嘘だ」
男「貴様……」
男「勇者様、ここは俺達が――――」
女勇者「皆さんは手を出さないでください」
男「なぜですか!!」
女勇者「彼は私が倒します」
勇者「凄い自信だな」
女勇者「自信がなければ勇者なんてやっていられないと思いますよ」
勇者「確かにそうかも」
女勇者「言っておきますが手加減はしませんよ」
勇者「俺も手加減する気ないし別にいいよ」
男「お前は偽物の勇者!!」
勇者「違う!!」
男「いつの間に酒場に……」
勇者「地面を掘ってみろ、地下通路があるから」
男「な!?」
勇者「嘘だ」
男「貴様……」
男「勇者様、ここは俺達が――――」
女勇者「皆さんは手を出さないでください」
男「なぜですか!!」
女勇者「彼は私が倒します」
勇者「凄い自信だな」
女勇者「自信がなければ勇者なんてやっていられないと思いますよ」
勇者「確かにそうかも」
※補足
女勇者の言っていた流派について
流派は有名どころからマイナーなものまで星の数ほどあり、多くは道場で修行し、認定試験を合格すると習得した事になります。
資格のようなものだと考えてもらえればいいです。
ちなみに女勇者は有名どころの流派はほとんど習得しています。
ちなみに勇者は家族を養うために働いていたため、道場にいったこともありません。
そのため流派や認定の事などをまったく知りません。
女勇者の言っていた流派について
流派は有名どころからマイナーなものまで星の数ほどあり、多くは道場で修行し、認定試験を合格すると習得した事になります。
資格のようなものだと考えてもらえればいいです。
ちなみに女勇者は有名どころの流派はほとんど習得しています。
ちなみに勇者は家族を養うために働いていたため、道場にいったこともありません。
そのため流派や認定の事などをまったく知りません。
今日はここまでです。
補足は本編での説明では分かり辛い時にたまにつかっていきたいと思います。
キャラクターが変に説明口調にならないようにするため、これからも活用していきます。
戦闘シーンは地の文で進めて行きます。
補足は本編での説明では分かり辛い時にたまにつかっていきたいと思います。
キャラクターが変に説明口調にならないようにするため、これからも活用していきます。
戦闘シーンは地の文で進めて行きます。
乙
この会話だとつまるところ女勇者が勇者を毛嫌いする理由が見た目としか思えないんだけどこれから明かされるのかな
しかし勇者もうまいこと生きれそうな性格してないし凄い鬱の予感がするな
この会話だとつまるところ女勇者が勇者を毛嫌いする理由が見た目としか思えないんだけどこれから明かされるのかな
しかし勇者もうまいこと生きれそうな性格してないし凄い鬱の予感がするな
乙乙
誰もヒノキのぼうが剣サイズとは言ってない…
槍サイズだったら勝ち目はある…と思う
誰もヒノキのぼうが剣サイズとは言ってない…
槍サイズだったら勝ち目はある…と思う
>>62
もしかしたら世界樹レベルの大きさかもしれないぞ
もしかしたら世界樹レベルの大きさかもしれないぞ
女勇者は鞘から剣を抜くと五メートルはあった間合いを一気に詰め、勇者目掛けて剣を大きく振り下す。
その攻撃はとにかく速く、周りの野次馬達が完全に彼女を見失ってしまうほどの速さだ。
だが勇者はそんな目にも止まらぬ早業をしっかりと見切り、紙一重の所で剣を回避していた。
勇者は女勇者の顔を見ると僅かに微笑み、無駄のない素早い動きでヒノキの棒を大きく横に薙ぎ払った。
だが女勇者は後ろに跳び、その攻撃を楽々回避する。
女勇者の表情に変化はない。
この程度は女勇者にとっても想定内だ。
自分の前に立っている少年も勇者と名乗っている者。
それが嘘であったとしても今の一撃で死んでしまってはあまりにお粗末だ。
それに一撃で倒してはあまりにも面白みに欠ける。
彼女はざわつく周りの野次馬達を一瞥すると、勇者に向かって跳ぶ。
それだけで勇者と女勇者の間にあった距離はゼロになる。
女勇者は自分の最大の武器であるスピードを最大限に生かし勇者に斬りかかる。
女勇者のスピードを持ってすれば刹那のうち勇者をただの肉塊にする事も可能だ。
女勇者の剣が攻撃が勇者をズタズタにする……はずだった。
しかし勇者はどの攻撃もギリギリの所で回避し、最後に後ろに軽く跳び、女勇者から距離を置く。
女勇者は剣を持つ手の力を僅かに緩め勇者を睨みつける。
彼女は勇者の戦い方に違和感を抱いていた。
まるで真っ白な紙にインクを一滴垂らしたような漠然とした、しかしどことなくはっきりとした違和感。
そんな不思議な違和感が彼女の胸の内にあった。
その攻撃はとにかく速く、周りの野次馬達が完全に彼女を見失ってしまうほどの速さだ。
だが勇者はそんな目にも止まらぬ早業をしっかりと見切り、紙一重の所で剣を回避していた。
勇者は女勇者の顔を見ると僅かに微笑み、無駄のない素早い動きでヒノキの棒を大きく横に薙ぎ払った。
だが女勇者は後ろに跳び、その攻撃を楽々回避する。
女勇者の表情に変化はない。
この程度は女勇者にとっても想定内だ。
自分の前に立っている少年も勇者と名乗っている者。
それが嘘であったとしても今の一撃で死んでしまってはあまりにお粗末だ。
それに一撃で倒してはあまりにも面白みに欠ける。
彼女はざわつく周りの野次馬達を一瞥すると、勇者に向かって跳ぶ。
それだけで勇者と女勇者の間にあった距離はゼロになる。
女勇者は自分の最大の武器であるスピードを最大限に生かし勇者に斬りかかる。
女勇者のスピードを持ってすれば刹那のうち勇者をただの肉塊にする事も可能だ。
女勇者の剣が攻撃が勇者をズタズタにする……はずだった。
しかし勇者はどの攻撃もギリギリの所で回避し、最後に後ろに軽く跳び、女勇者から距離を置く。
女勇者は剣を持つ手の力を僅かに緩め勇者を睨みつける。
彼女は勇者の戦い方に違和感を抱いていた。
まるで真っ白な紙にインクを一滴垂らしたような漠然とした、しかしどことなくはっきりとした違和感。
そんな不思議な違和感が彼女の胸の内にあった。
「今度はこっちからいかせてもらうぞ」
勇者はそう言うと女勇者目掛けて跳ぶ。
トンッ、という音と共に勇者が軽やかに距離を詰める。
その行為自体は別段変ではない。
しかしとにかく速い。
そのスピードは女勇者と同等……いやそれ以上に速かった。
周りの人々がざわつくのがわかる。
だが女勇者は全く怯まなかった。
それどころかこれはむしろ女勇者にとって好都合だ。
確かに速度は勇者の方が速い。
しかしそのスピードを持ってしても覆らないものがある。
それは剣の性能の差だ。
どんなに勇者が速く女勇者を斬りつけてもその攻撃は女勇者の致命傷になる事は無い。
それに引き換え、女勇者の剣は布の服を着た勇者を一撃で殺す事ができる。
それどころか勇者のヒノキの棒が女勇者の剣の刃にぶつかれば勇者のヒノキの棒はたちまち真っ二つだ。
防御は考えない。
女勇者はそう決め、跳び込んでくる勇者目掛けて剣を突く。
だが勇者体が浮いた状態にもかかわらず無理矢理体を捻った。
ゴキキ、という骨を擦るような音が女勇者の耳にも聞こえた。
彼女の剣が勇者の脇腹をかすめる。
勇者の服が斬れ、僅かに赤く染まっていた。
それでも勇者は止まらない。
勇者は勢いそのままヒノキの棒を振り下ろす。
女勇者は勇者の一太刀をかろうじて回避する。
僅かに体勢が崩れるが無理矢理元に戻す。
ついさっきまでの女勇者ならこのまま反撃をしていただろうが、一旦相手と距離を置く。
勇者はそう言うと女勇者目掛けて跳ぶ。
トンッ、という音と共に勇者が軽やかに距離を詰める。
その行為自体は別段変ではない。
しかしとにかく速い。
そのスピードは女勇者と同等……いやそれ以上に速かった。
周りの人々がざわつくのがわかる。
だが女勇者は全く怯まなかった。
それどころかこれはむしろ女勇者にとって好都合だ。
確かに速度は勇者の方が速い。
しかしそのスピードを持ってしても覆らないものがある。
それは剣の性能の差だ。
どんなに勇者が速く女勇者を斬りつけてもその攻撃は女勇者の致命傷になる事は無い。
それに引き換え、女勇者の剣は布の服を着た勇者を一撃で殺す事ができる。
それどころか勇者のヒノキの棒が女勇者の剣の刃にぶつかれば勇者のヒノキの棒はたちまち真っ二つだ。
防御は考えない。
女勇者はそう決め、跳び込んでくる勇者目掛けて剣を突く。
だが勇者体が浮いた状態にもかかわらず無理矢理体を捻った。
ゴキキ、という骨を擦るような音が女勇者の耳にも聞こえた。
彼女の剣が勇者の脇腹をかすめる。
勇者の服が斬れ、僅かに赤く染まっていた。
それでも勇者は止まらない。
勇者は勢いそのままヒノキの棒を振り下ろす。
女勇者は勇者の一太刀をかろうじて回避する。
僅かに体勢が崩れるが無理矢理元に戻す。
ついさっきまでの女勇者ならこのまま反撃をしていただろうが、一旦相手と距離を置く。
「あなたは―――」
そのあとに続く言葉が女勇者の口から出る事は無かった。
女勇者の中にあった漠然とした違和感が形になる。
目の前の勇者は戦士であって戦士で無かった。
戦場では一瞬のミスが死につながる。
だから本当に強い戦士とは冷静で堅実に戦える戦士なのだ。
それはどんな戦士も知っている基礎の中の基礎。
しかしこの勇者は全く違った。
この勇者に堅実という言葉は無い。
一瞬一瞬が綱渡りの様な、常に自分の身を危険にさらすような戦い方。
しかもさっきの行動は明らかに自分の体自体を囮に使った、まともな戦士なら絶対に使わない行動だ。
勇者の戦い方を一言で表すならチャンバラだ。
とにかく目の前の敵を倒す。
それだけを重点に置いた戦闘スタイルだ。
「あなたは邪道です」
「だから自己流だって最初に言っといただろ」
勇者はさらっとそう返した。
そのあとに続く言葉が女勇者の口から出る事は無かった。
女勇者の中にあった漠然とした違和感が形になる。
目の前の勇者は戦士であって戦士で無かった。
戦場では一瞬のミスが死につながる。
だから本当に強い戦士とは冷静で堅実に戦える戦士なのだ。
それはどんな戦士も知っている基礎の中の基礎。
しかしこの勇者は全く違った。
この勇者に堅実という言葉は無い。
一瞬一瞬が綱渡りの様な、常に自分の身を危険にさらすような戦い方。
しかもさっきの行動は明らかに自分の体自体を囮に使った、まともな戦士なら絶対に使わない行動だ。
勇者の戦い方を一言で表すならチャンバラだ。
とにかく目の前の敵を倒す。
それだけを重点に置いた戦闘スタイルだ。
「あなたは邪道です」
「だから自己流だって最初に言っといただろ」
勇者はさらっとそう返した。
勇者の住む町ではチャンバラが少年達の遊びの主流だった。
町の少年達はお小遣いを貯め、ヒノキの棒を買ってチャンバラをしていた。
もちろん勇者もその一人だ。
しかしヒノキの棒は脆く、一週間もチャンバラをすればヒノキの棒は折れてしまう。
だから少年達は貯めておいたお小遣いで新しいヒノキの棒を買っていた。
しかし勇者の家にはそんなお金は無く、一本のヒノキの棒を買うのが限界だった。
勇者はこう考えた。
ぶつけ合うから折れてしまうのならぶつけなければいい。
だからこそ勇者は剣をぶつけ合う戦い方では無く、剣を避ける戦い方を使うようになった。
敵の攻撃を回避し、相手の隙をつく。
そのために相手の攻撃をギリギリで引き付けて回避するようになっていった。
勇者にとってこの戦いもそのチャンバラの延長線上にあった。
一撃でもくらえば致命傷。
ならその攻撃に当たらなければいいだけの話だ。
ヒノキの棒と剣がぶつかればヒノキの棒は切れてしまう。
なら剣とぶつからなければいい。
勇者はそう考え、女勇者と戦う。
とにかく女勇者の剣を避ける事だけに集中し、女勇者の隙を探した。
女勇者は今まで勇者が戦ってきた相手の中では最強クラスだ。
だが最強でも相手は人間。
隙が全く無いことなどあり得ない。
勇者はその隙を見つけるため、ひたすらに女勇者の攻撃を紙一重で回避する。
「どうした、俺を殺すんじゃなかったのか?」
勇者は女勇者を挑発し、微笑する。
頭に血が上れば、攻撃が単調になり、隙が大きくなる。
心の変化は剣の変化に直結するのだ。
これもまた、チャンバラで身に付けた戦術の一つだ。
女勇者の表情が一瞬だけ険しくなる。
勇者はそれを見逃さない。
勇者は気付かぬうちに笑っていた。
女勇者の剣が勇者に襲い掛かる。
しかし勇者はその攻撃をまたしても紙一重でかわすと、女勇者の顔目掛けヒノキの棒で突く。
だが当てる気は無い、その攻撃もあくまで女勇者を怒らせるためのものだ。
女勇者は素早く攻撃を回避し、勇者と距離を置いた。
勇者はヒノキの棒を強く握り、次の一撃のための準備をする。
次の一撃が勝負の時だ。
勇者はそう呟き、女勇者を睨む。
勇者は女勇者を挑発し、微笑する。
頭に血が上れば、攻撃が単調になり、隙が大きくなる。
心の変化は剣の変化に直結するのだ。
これもまた、チャンバラで身に付けた戦術の一つだ。
女勇者の表情が一瞬だけ険しくなる。
勇者はそれを見逃さない。
勇者は気付かぬうちに笑っていた。
女勇者の剣が勇者に襲い掛かる。
しかし勇者はその攻撃をまたしても紙一重でかわすと、女勇者の顔目掛けヒノキの棒で突く。
だが当てる気は無い、その攻撃もあくまで女勇者を怒らせるためのものだ。
女勇者は素早く攻撃を回避し、勇者と距離を置いた。
勇者はヒノキの棒を強く握り、次の一撃のための準備をする。
次の一撃が勝負の時だ。
勇者はそう呟き、女勇者を睨む。
「あなたには……あなたにだけは負けたくない!!」
女勇者はそう言い放つと剣を持つ手に力が込めた。
頭に血が上っている事には気付いていたがもうどうする事も出来ない。
一度火が付いたらもう止まらないのだ。
お互いの距離は五メートル。
どちらともその気になれば一瞬で詰められる距離だ。
いつの間にか騒いでいた野次馬達が静かになっていた。
静寂の中、先に動いたのは勇者だった。
トンッ、という軽やかな足音が響く。
その足音よりも早く彼女と勇者の距離はゼロになる。
女勇者は剣をさらに強く握り、剣を真横に薙ぎ払った。
ゴウッ!! という音が辺りに響く。
しかし肉を切ったような音は一切しない。
女勇者は瞬時に自分の攻撃がよまれていた事を感じた。
自分の周囲を素早く見渡し勇者の位置を探る。
女勇者が気付いた時には勇者はすでに女勇者の横に回り込んでいた。
そして勢いを殺すことなく女勇者の懐に飛び込む。
沸騰していた頭が一瞬にして冷える。
逃げるかべきか、攻めるかべきか。
女勇者の頭の中に二つの戦術が浮かぶ。
答えは最初から決まっていた。
女勇者の腹部に鈍い痛みが走る。
やはり鎧を着ていても痛みは強い。
だが女勇者は勝利を確信していた。
女勇者の左手が勇者のヒノキの棒を掴み、そのまま勇者を引き寄せる。
「私の勝ちですね」
女勇者は勝ち誇ったように笑う。
勝利が確定した感覚に酔いしれる。
勇者に逃げ場は無い。
女勇者は勇者の心臓めがけて剣を突く。
グサッ、という嫌な音が聞こえた。
傷口からは真っ赤な液体が流れ出ている。
女勇者はあまりの驚きに一瞬動きが止まってしまった。
女勇者の剣は勇者に刺さっていた。
しかし剣は勇者の心臓ではなく左腕に刺さっていた。
勇者は躊躇うことなく左腕を盾にしたのだ。
その行為はあまりにも常軌を逸していた。
戦士が腕を盾にするという事は、武器が持てなくなるという事だ。
それなのに目の前の勇者は迷うことなく腕を盾にしたのだ。
驚きのあまり女勇者の思考が一瞬停止する。
それは女勇者の最大のミスだった。
その隙に勇者は女勇者の剣を奪い取る。
やはり鎧を着ていても痛みは強い。
だが女勇者は勝利を確信していた。
女勇者の左手が勇者のヒノキの棒を掴み、そのまま勇者を引き寄せる。
「私の勝ちですね」
女勇者は勝ち誇ったように笑う。
勝利が確定した感覚に酔いしれる。
勇者に逃げ場は無い。
女勇者は勇者の心臓めがけて剣を突く。
グサッ、という嫌な音が聞こえた。
傷口からは真っ赤な液体が流れ出ている。
女勇者はあまりの驚きに一瞬動きが止まってしまった。
女勇者の剣は勇者に刺さっていた。
しかし剣は勇者の心臓ではなく左腕に刺さっていた。
勇者は躊躇うことなく左腕を盾にしたのだ。
その行為はあまりにも常軌を逸していた。
戦士が腕を盾にするという事は、武器が持てなくなるという事だ。
それなのに目の前の勇者は迷うことなく腕を盾にしたのだ。
驚きのあまり女勇者の思考が一瞬停止する。
それは女勇者の最大のミスだった。
その隙に勇者は女勇者の剣を奪い取る。
「な……!?」
我に返った女勇者は言葉を失っていた。
ほんの一瞬の隙。
勇者がそれを狙っていた事にやっと気がついた。
勇者が左腕に刺さった剣の柄の部分を掴む
「まだやる?」
勇者は左腕に刺さった剣を引き抜きながら女勇者に聞いた。
その顔は苦痛で僅かに歪んでいるものの冷静だ。
剣の女勇者に勝ち目は無い。
女勇者はその場に膝をつく。
「負けました……」
女勇者は声を絞り出した。
ひたすらに流派を習得してきた女勇者にとって、自己流なんてものしかしらない勇者に負けた事は屈辱でしかなかった。
自分の下唇を強く噛む。
潔く負けよう。
女勇者はそう心の中で呟く。
勇者らしく、潔く負けを認めよう。
そう、勇者らしく。
女勇者は立ち上がり、勇者に近づいて行った。
我に返った女勇者は言葉を失っていた。
ほんの一瞬の隙。
勇者がそれを狙っていた事にやっと気がついた。
勇者が左腕に刺さった剣の柄の部分を掴む
「まだやる?」
勇者は左腕に刺さった剣を引き抜きながら女勇者に聞いた。
その顔は苦痛で僅かに歪んでいるものの冷静だ。
剣の女勇者に勝ち目は無い。
女勇者はその場に膝をつく。
「負けました……」
女勇者は声を絞り出した。
ひたすらに流派を習得してきた女勇者にとって、自己流なんてものしかしらない勇者に負けた事は屈辱でしかなかった。
自分の下唇を強く噛む。
潔く負けよう。
女勇者はそう心の中で呟く。
勇者らしく、潔く負けを認めよう。
そう、勇者らしく。
女勇者は立ち上がり、勇者に近づいて行った。
女勇者「私の負けです……」
勇者「これで認めてくれる?」
女勇者「仕方ありません」
勇者「ほら、剣」スッ
女勇者「ありがとうございます」シャキン
男「勇者様……」
女勇者「彼も勇者です」
男「そ、そうなんですか?」
女勇者「でなければ負けていません」
勇者「なあ、回復魔法とか使える?」
女勇者「出来ないんですか?」
勇者「悪いが俺は魔法の学校には行って無い」
女勇者「仕方ないですね」ポワワン
勇者「悪いな」
女大臣「いい戦いでしたね」スタスタ
勇者「これで認めてくれる?」
女勇者「仕方ありません」
勇者「ほら、剣」スッ
女勇者「ありがとうございます」シャキン
男「勇者様……」
女勇者「彼も勇者です」
男「そ、そうなんですか?」
女勇者「でなければ負けていません」
勇者「なあ、回復魔法とか使える?」
女勇者「出来ないんですか?」
勇者「悪いが俺は魔法の学校には行って無い」
女勇者「仕方ないですね」ポワワン
勇者「悪いな」
女大臣「いい戦いでしたね」スタスタ
勇者「何時から見てたんだ?」
女大臣「女勇者いるか? から聞いてました」
勇者「最初じゃねぇか!!」
女大臣「はい、最初から聞いていました」
勇者「お前さ……」
女大臣「なんでしょうか」
勇者「……なんでもない」
女大臣「女勇者様ですよね」
女勇者「はい」
女大臣「単刀直入に質問します、あなたは勇者ではありませんね」
勇者「え?」
女大臣「あなたについて軽く調べさせていただきました」
女大臣「確かにあなたは勇者の血を引く女性の子供だった時期がありました」
女大臣「しかしあなたの母親は勇者の血を引く女性、つまり勇者様の母親の子供ではありません」
勇者「え、意味わかんないんだけど」
女大臣「彼女は勇者ではないという事です」
女勇者「……」
女大臣「何か間違いはありますか?」
女大臣「女勇者いるか? から聞いてました」
勇者「最初じゃねぇか!!」
女大臣「はい、最初から聞いていました」
勇者「お前さ……」
女大臣「なんでしょうか」
勇者「……なんでもない」
女大臣「女勇者様ですよね」
女勇者「はい」
女大臣「単刀直入に質問します、あなたは勇者ではありませんね」
勇者「え?」
女大臣「あなたについて軽く調べさせていただきました」
女大臣「確かにあなたは勇者の血を引く女性の子供だった時期がありました」
女大臣「しかしあなたの母親は勇者の血を引く女性、つまり勇者様の母親の子供ではありません」
勇者「え、意味わかんないんだけど」
女大臣「彼女は勇者ではないという事です」
女勇者「……」
女大臣「何か間違いはありますか?」
中途半端ですが今日はここまでです。
地の文はかなり手直ししましたがやっぱり納得いくものは出来ませんでした。
実力不足です……
地の文はかなり手直ししましたがやっぱり納得いくものは出来ませんでした。
実力不足です……
なんだかんだで女大臣面倒見よすぎワロタ
なかなか熱いバトルだった 乙
なかなか熱いバトルだった 乙
ちょっと!いままでダメ人間しか出てこなかったダメ勇者物だったのに
バトルがガチ熱いとかどうなってんの?
もっとやれwww
バトルがガチ熱いとかどうなってんの?
もっとやれwww
バトルになってから>>1△
勇者「ちょっと待ってくれ、俺の頭が追いつかない」
女大臣「追いついて来てください」
勇者「それが出来ないから苦労してるんだろ!!」
女大臣「で、どうなんですか?」
勇者「でもあの人の事を本当の母親だと思ってるんじゃ――――」
女大臣「それはありえません」
勇者「それもわかってんのか」
女大臣「私が調べた所によると勇者の血を引く女が彼女の所にやってきたのは彼女が五歳の時です」
女大臣「五歳ならそのくらいの事はわかるはずです」
勇者「お前あの短時間でそこまで調べたのか」
女大臣「10分もあれば余裕で調べられますので」
勇者「凄ぇな」
勇者「つーか仕事は?」
女大臣「終わらせましたよ」
勇者「仕事しながら調べたのか?」
女大臣「はい、同時に二つの事が出来ないなど、大臣失格ですので」
勇者「お前って凄いな……」
女大臣「で、女勇者様はどう言い訳するつもりですか?」
女大臣「追いついて来てください」
勇者「それが出来ないから苦労してるんだろ!!」
女大臣「で、どうなんですか?」
勇者「でもあの人の事を本当の母親だと思ってるんじゃ――――」
女大臣「それはありえません」
勇者「それもわかってんのか」
女大臣「私が調べた所によると勇者の血を引く女が彼女の所にやってきたのは彼女が五歳の時です」
女大臣「五歳ならそのくらいの事はわかるはずです」
勇者「お前あの短時間でそこまで調べたのか」
女大臣「10分もあれば余裕で調べられますので」
勇者「凄ぇな」
勇者「つーか仕事は?」
女大臣「終わらせましたよ」
勇者「仕事しながら調べたのか?」
女大臣「はい、同時に二つの事が出来ないなど、大臣失格ですので」
勇者「お前って凄いな……」
女大臣「で、女勇者様はどう言い訳するつもりですか?」
勇者「言い方ってのがあるだろ」
女大臣「職業柄仕方のない事です」
女勇者「……」
女大臣「黙ってないで何か言ったらどうですか」
女勇者「確かに私は勇者ではありません」
勇者「なんでそんなことしたんだ?」
女勇者「長くなりますよ」
勇者「別にいいぞ」
女大臣「話してください」
女勇者「私の家は貧乏でその日食っていくのもつらい家でした」
勇者「俺と同じって事か?」
女勇者「母親は私を生んで間もなく死んでしまったそうです」
女勇者「そんな風でも私と父は二人で毎日を必死に生きていました」
女大臣「あなたのお父様とは真逆のタイプの父親ですね」
勇者「あのダメおやじは本当にダメ人間だからな」
女勇者「そんな日々が続いていたある日、父が一人の女性を連れてきました」
勇者「それがあの人って事か?」
女勇者「はい、その女性は勇者の血を引いていると言っていました」
女勇者「私と父とあの女性は貧しいながらも楽しく生活していました」
女勇者「しかし5年ほど経ったある日、あの女性は新しい男を作って私と父の前から姿を消しました」
勇者「家と一緒だな」
女勇者「それがきっかけで父は徐々におかしくなっていきました」
女大臣「職業柄仕方のない事です」
女勇者「……」
女大臣「黙ってないで何か言ったらどうですか」
女勇者「確かに私は勇者ではありません」
勇者「なんでそんなことしたんだ?」
女勇者「長くなりますよ」
勇者「別にいいぞ」
女大臣「話してください」
女勇者「私の家は貧乏でその日食っていくのもつらい家でした」
勇者「俺と同じって事か?」
女勇者「母親は私を生んで間もなく死んでしまったそうです」
女勇者「そんな風でも私と父は二人で毎日を必死に生きていました」
女大臣「あなたのお父様とは真逆のタイプの父親ですね」
勇者「あのダメおやじは本当にダメ人間だからな」
女勇者「そんな日々が続いていたある日、父が一人の女性を連れてきました」
勇者「それがあの人って事か?」
女勇者「はい、その女性は勇者の血を引いていると言っていました」
女勇者「私と父とあの女性は貧しいながらも楽しく生活していました」
女勇者「しかし5年ほど経ったある日、あの女性は新しい男を作って私と父の前から姿を消しました」
勇者「家と一緒だな」
女勇者「それがきっかけで父は徐々におかしくなっていきました」
女大臣「一途な人は心が脆いですからね」
勇者「家の父親は全然平気だったぞ」
女大臣「あの方はお酒が恋人ですから」
勇者「あ、そうか」
女勇者「それでも父は生きるために必死で働きました」
勇者「家のダメおやじにそれを聞かせてやりたいね」
勇者「あと母親にも聞かせてやりたい」
女大臣「無駄だと思いますよ」
勇者「知ってる」
女勇者「しかし年老いて心も体もボロボロの父はもう働けるような体ではありません」
女勇者「ですから私が働かなくては生きていけません」
女大臣「そこで勇者の血を引く女性の娘の振りをして勇者として魔王討伐をして賞金をもらうつもりだったわけですね」
女勇者「その通りです」
女勇者「私達の村は人の出入りが激しかったので多くの人々は私とあの女性が本当の親子だと思っていたようです」
女勇者「勇者になるのは簡単な事でした。」
勇者「お前も苦労したんだな」
女大臣「勇者様と一緒で過酷な運命の人間だったのですよ」ウルウル
勇者「なんで涙目なの?」
女大臣「なんて、なんて親孝行な女性なんでしょう」ウルウル
勇者「いや、あんた知ってたんだろ」
女大臣「それでも本人から聞かされると……感動します」ポロポロ
勇者「ほら、ハンカチで拭け」スッ
女大臣「ずみまぜん」ブー
勇者「家の父親は全然平気だったぞ」
女大臣「あの方はお酒が恋人ですから」
勇者「あ、そうか」
女勇者「それでも父は生きるために必死で働きました」
勇者「家のダメおやじにそれを聞かせてやりたいね」
勇者「あと母親にも聞かせてやりたい」
女大臣「無駄だと思いますよ」
勇者「知ってる」
女勇者「しかし年老いて心も体もボロボロの父はもう働けるような体ではありません」
女勇者「ですから私が働かなくては生きていけません」
女大臣「そこで勇者の血を引く女性の娘の振りをして勇者として魔王討伐をして賞金をもらうつもりだったわけですね」
女勇者「その通りです」
女勇者「私達の村は人の出入りが激しかったので多くの人々は私とあの女性が本当の親子だと思っていたようです」
女勇者「勇者になるのは簡単な事でした。」
勇者「お前も苦労したんだな」
女大臣「勇者様と一緒で過酷な運命の人間だったのですよ」ウルウル
勇者「なんで涙目なの?」
女大臣「なんて、なんて親孝行な女性なんでしょう」ウルウル
勇者「いや、あんた知ってたんだろ」
女大臣「それでも本人から聞かされると……感動します」ポロポロ
勇者「ほら、ハンカチで拭け」スッ
女大臣「ずみまぜん」ブー
勇者「誰が鼻かんでいいって言った!!」
女大臣「だめなんですか?」
勇者「おまっ……鼻水でベタベタじゃん」
女大臣「すいません」ブー
勇者「謝りながら鼻かんでんじゃねぇよ!!」
女勇者「私の話はここまでです」
勇者「とにかくお前は勇者じゃないって事か」
女勇者「まあ、簡単に言えばそう言う事です」
女勇者「ですから、何の努力もしてなさそうなあなたが自分を勇者だと言った時は殺したくなりました」
女大臣「それであんなに勇者様を毛嫌いしていた訳ですか」
女勇者「はい、私は努力しても絶対になれないのに、彼は努力も無しになった勇者になれるなんてムカつきますからね」
女大臣「だめなんですか?」
勇者「おまっ……鼻水でベタベタじゃん」
女大臣「すいません」ブー
勇者「謝りながら鼻かんでんじゃねぇよ!!」
女勇者「私の話はここまでです」
勇者「とにかくお前は勇者じゃないって事か」
女勇者「まあ、簡単に言えばそう言う事です」
女勇者「ですから、何の努力もしてなさそうなあなたが自分を勇者だと言った時は殺したくなりました」
女大臣「それであんなに勇者様を毛嫌いしていた訳ですか」
女勇者「はい、私は努力しても絶対になれないのに、彼は努力も無しになった勇者になれるなんてムカつきますからね」
男「おい!!」
勇者「何、なんか文句あんの?」
男「お前じゃない、俺はそっちの女に言ってんだ」
女勇者「何でしょうか」
男「俺達の店の借金さっさと払え!!」
おっさん達「そうだそうだ!!」
女勇者「待ってくれると言ったではありませんか」
男「それはお前が勇者だと思ってたからだ、勇者じゃないとわかった以上待つ気は無い」
勇者「器が小せぇ奴ばっかだな」
男「黙ってろ!!」
女勇者「今は返せませんが必ず返します」
男「今すぐ返せって言ってんだよ」
おっさん達「早くしろ!!」
勇者「人を肩書きで見る人間なんて死ねばいいのにな」
女大臣「全くその通りです」
勇者「あ、別にあなた達の事を言ってるわけではありませんよ」ニヤニヤ
男「明らかに俺達の事を言ってるだろ!!」
勇者「何、なんか文句あんの?」
男「お前じゃない、俺はそっちの女に言ってんだ」
女勇者「何でしょうか」
男「俺達の店の借金さっさと払え!!」
おっさん達「そうだそうだ!!」
女勇者「待ってくれると言ったではありませんか」
男「それはお前が勇者だと思ってたからだ、勇者じゃないとわかった以上待つ気は無い」
勇者「器が小せぇ奴ばっかだな」
男「黙ってろ!!」
女勇者「今は返せませんが必ず返します」
男「今すぐ返せって言ってんだよ」
おっさん達「早くしろ!!」
勇者「人を肩書きで見る人間なんて死ねばいいのにな」
女大臣「全くその通りです」
勇者「あ、別にあなた達の事を言ってるわけではありませんよ」ニヤニヤ
男「明らかに俺達の事を言ってるだろ!!」
勇者「あ、バレちゃった?」
おっさん達「お前等黙ってろ!!」
勇者「金魚のフンが偉そうに何言ってんだ」
おっさん達「ガキが……」
勇者「なにも思いつかないなら黙っててくれていいよ」
おっさん達「……」
勇者「さすが金魚のフン、ボスがいないと何の出来ねぇのか?」
女大臣「かっこ悪いを形にしたような人達ですね」
男「だから黙ってろ!!」
勇者「すんませーん」
女大臣「続けてください」
男「金がないなら体で払ってもらうしか無いな」ズイッ
女勇者「私に指一本触れたなら一瞬であなたを肉塊に変えますよ」チャキ
男「お前の父親を探し出してそいつから金をもらってもいいんだぜ?」ニヤニヤ
おっさん達「探せばすぐに見つかるぞ」
女勇者「くっ……」ギリッ
男「どうするんだ?」
女勇者「後で……必ず―――――」
男「だから今すぐって言ってんだろ!!」
おっさん達「お前等黙ってろ!!」
勇者「金魚のフンが偉そうに何言ってんだ」
おっさん達「ガキが……」
勇者「なにも思いつかないなら黙っててくれていいよ」
おっさん達「……」
勇者「さすが金魚のフン、ボスがいないと何の出来ねぇのか?」
女大臣「かっこ悪いを形にしたような人達ですね」
男「だから黙ってろ!!」
勇者「すんませーん」
女大臣「続けてください」
男「金がないなら体で払ってもらうしか無いな」ズイッ
女勇者「私に指一本触れたなら一瞬であなたを肉塊に変えますよ」チャキ
男「お前の父親を探し出してそいつから金をもらってもいいんだぜ?」ニヤニヤ
おっさん達「探せばすぐに見つかるぞ」
女勇者「くっ……」ギリッ
男「どうするんだ?」
女勇者「後で……必ず―――――」
男「だから今すぐって言ってんだろ!!」
勇者「家族をダシに肉体関係を迫るとか何処のエロ小説?」
女大臣「凌辱モノっぽいですね」
勇者「女大臣もそういう本読むのか?」
女大臣「ええ、両刀ですから」
勇者「ああ、納得」
女大臣「でも触手だけは好きになれませんね」
勇者「それは俺もわかる」
男「お前等ちょっと黙ってろ!!」
勇者「はいはい」
女大臣「気にせず続けてください」
男「やれ!!」
おっさん達「おう!!」ガシッ
女勇者「は、離しなさい!!」
男「金が払えたら離してやるよ」
女勇者「貴様……」ギリギリ
男「さすがの勇者様もこれだけの人数に掴まれたら動けないのか?」ニヤニヤ
勇者「あれってボコボコにしても問題無いよな?」
女大臣「あります」
勇者「え?」
女大臣「借金をしたのは彼女ですから今回は彼女の方に非があります」
女大臣「凌辱モノっぽいですね」
勇者「女大臣もそういう本読むのか?」
女大臣「ええ、両刀ですから」
勇者「ああ、納得」
女大臣「でも触手だけは好きになれませんね」
勇者「それは俺もわかる」
男「お前等ちょっと黙ってろ!!」
勇者「はいはい」
女大臣「気にせず続けてください」
男「やれ!!」
おっさん達「おう!!」ガシッ
女勇者「は、離しなさい!!」
男「金が払えたら離してやるよ」
女勇者「貴様……」ギリギリ
男「さすがの勇者様もこれだけの人数に掴まれたら動けないのか?」ニヤニヤ
勇者「あれってボコボコにしても問題無いよな?」
女大臣「あります」
勇者「え?」
女大臣「借金をしたのは彼女ですから今回は彼女の方に非があります」
勇者「マジ?」
女大臣「マジです」
勇者「もし俺があいつらをボコボコにしたらどうなるんだ?」
女大臣「この町と私達の町とに大きな亀裂ができて最悪戦争になります」
勇者「俺の行動一つで戦争!?」
女大臣「あくまで最悪の場合です」
女大臣「勇者とはそれほどのものなのです」
勇者「じゃあどうればいいんだ?」
女大臣「自分で考えてください」
勇者「教えてくれないの?」
女大臣「私はいつもあなたの傍にいるわけではありません」
勇者「……自分で考えればいいんだろ」
女大臣「その通りです」
勇者「どうせわかってんだろ」
女勇者「当たり前じゃないですか」
女大臣「マジです」
勇者「もし俺があいつらをボコボコにしたらどうなるんだ?」
女大臣「この町と私達の町とに大きな亀裂ができて最悪戦争になります」
勇者「俺の行動一つで戦争!?」
女大臣「あくまで最悪の場合です」
女大臣「勇者とはそれほどのものなのです」
勇者「じゃあどうればいいんだ?」
女大臣「自分で考えてください」
勇者「教えてくれないの?」
女大臣「私はいつもあなたの傍にいるわけではありません」
勇者「……自分で考えればいいんだろ」
女大臣「その通りです」
勇者「どうせわかってんだろ」
女勇者「当たり前じゃないですか」
女勇者「いいから早く離しなさい!!」
男「離してほしかったら金を払いな」
勇者「いくらだ?」
男「あ!?」
勇者「借金はいくらっだって聞いてんだよ」
男「4000ゴールドだ」
勇者「わかった」ガサゴソ
男「何がわかったんだ」
勇者「ほら、4000ゴールド」ポイッ
男「うおっ!?」ジャラジャラ
勇者「これで文句ねぇだろ」
女大臣「王様にもらった軍資金をあげてしまっていいのですか?」
勇者「別にいい、最初っから貧乏旅の予定だったし」
勇者「つーか俺がこうするってわかってたんだろ」
女大臣「はい」
男「なんでお前が払うんだ!?」
女勇者「どうして……」
勇者「理由がないと金も払っちゃダメなのか?」
男「お前に何の関係ある!!」
勇者「俺と女勇者は一応姉弟になるんだし関係無いわけじゃないだろ」
男「離してほしかったら金を払いな」
勇者「いくらだ?」
男「あ!?」
勇者「借金はいくらっだって聞いてんだよ」
男「4000ゴールドだ」
勇者「わかった」ガサゴソ
男「何がわかったんだ」
勇者「ほら、4000ゴールド」ポイッ
男「うおっ!?」ジャラジャラ
勇者「これで文句ねぇだろ」
女大臣「王様にもらった軍資金をあげてしまっていいのですか?」
勇者「別にいい、最初っから貧乏旅の予定だったし」
勇者「つーか俺がこうするってわかってたんだろ」
女大臣「はい」
男「なんでお前が払うんだ!?」
女勇者「どうして……」
勇者「理由がないと金も払っちゃダメなのか?」
男「お前に何の関係ある!!」
勇者「俺と女勇者は一応姉弟になるんだし関係無いわけじゃないだろ」
男「何意味わかんない事言ってんだ!?」
勇者「お前のめちゃくちゃな言いがかりよりマシだと思うけど」
男「なんだテメェ!?」
勇者「あ、初めまして勇者と申します」
男「テメェバカにしてんのか!!」
勇者「口が悪いのは元々だ」
勇者「で、どうするんだ?」
男「俺は認めんぞ!!」
女大臣「お金を持って帰ったらどうですか?」
男「ああ!?」
女大臣「叩けば埃が出る身ですよね」
女大臣「ここで引くのが無難だと思いますが?」ニッコリ
男「……チッ、わかったよ」
男「行くぞ」スタスタ
おっさん達「はい」ゾロゾロ
勇者「お前のめちゃくちゃな言いがかりよりマシだと思うけど」
男「なんだテメェ!?」
勇者「あ、初めまして勇者と申します」
男「テメェバカにしてんのか!!」
勇者「口が悪いのは元々だ」
勇者「で、どうするんだ?」
男「俺は認めんぞ!!」
女大臣「お金を持って帰ったらどうですか?」
男「ああ!?」
女大臣「叩けば埃が出る身ですよね」
女大臣「ここで引くのが無難だと思いますが?」ニッコリ
男「……チッ、わかったよ」
男「行くぞ」スタスタ
おっさん達「はい」ゾロゾロ
勇者「大丈夫か?」
女勇者「どうして助けたんですか?」
勇者「どうしてって言われてもな……」
勇者「俺お人好しだから、他人が困ってると放っとけないんだよ」
女勇者「……あなたはバカなんですね」
勇者「はぁ!?」
女勇者「言葉の通りです」
勇者「テメェに言われたくねぇよ」
女勇者「ついさっきまで殺し合いをしていた人間を助けるなど頭の中身が腐っているのではありませんか?」
勇者「おい、誰のおかげで助かったと思ってやがんだ?」
女勇者「その事に関してはお礼を言います、ありがとうございました」
女勇者「それでも私はあなたの事をバカだと思います」
勇者「バカが余計なんだ!!」
女大臣「ずいぶん仲良くなりましたね」
勇者「これが仲良しだったら猿と犬は親友だな」
女勇者「別に私はあなたの事を否定しているわけだはありません、ただあなたの行為がバカだと言っているだけです」
勇者「そこが一番の問題!!」
女大臣「勇者様、彼女を仲間にしてはどうですか?」
勇者「何言ってんの!?」
女勇者「どうして助けたんですか?」
勇者「どうしてって言われてもな……」
勇者「俺お人好しだから、他人が困ってると放っとけないんだよ」
女勇者「……あなたはバカなんですね」
勇者「はぁ!?」
女勇者「言葉の通りです」
勇者「テメェに言われたくねぇよ」
女勇者「ついさっきまで殺し合いをしていた人間を助けるなど頭の中身が腐っているのではありませんか?」
勇者「おい、誰のおかげで助かったと思ってやがんだ?」
女勇者「その事に関してはお礼を言います、ありがとうございました」
女勇者「それでも私はあなたの事をバカだと思います」
勇者「バカが余計なんだ!!」
女大臣「ずいぶん仲良くなりましたね」
勇者「これが仲良しだったら猿と犬は親友だな」
女勇者「別に私はあなたの事を否定しているわけだはありません、ただあなたの行為がバカだと言っているだけです」
勇者「そこが一番の問題!!」
女大臣「勇者様、彼女を仲間にしてはどうですか?」
勇者「何言ってんの!?」
女大臣「勇者様も彼女の強さは知っていらっしゃるでしょう」
勇者「でも偽物の勇者だぞ、しかもドSだぞ」
女大臣「パーティーには変わった人間が必要ですよ」
勇者「変わったっていうかただの変人だろ」
女勇者「どちらかといえばあなたの方が変人です」
勇者「変人ぞろいのパーティーじゃねぇか」
女大臣「では決定でいいですね」
勇者「勝手に決めるな」
女勇者「私だって受けた恩は忘れません、あなたの旅に同行させていただきます」
勇者「……俺の想像してたパーティーと違う」
女大臣「予想と結果は異なるものです」
勇者「限度ってもんがあるだろ」
女大臣「細かい事は気にしない方がいいですよ」
勇者「もういいよ、わかった」
女勇者「これからお願いします」
勇者「こちらこそ」
こうして、最初の仲間である年上お姉さん系ドS偽勇者(女勇者)が仲間になったのであった。
勇者「でも偽物の勇者だぞ、しかもドSだぞ」
女大臣「パーティーには変わった人間が必要ですよ」
勇者「変わったっていうかただの変人だろ」
女勇者「どちらかといえばあなたの方が変人です」
勇者「変人ぞろいのパーティーじゃねぇか」
女大臣「では決定でいいですね」
勇者「勝手に決めるな」
女勇者「私だって受けた恩は忘れません、あなたの旅に同行させていただきます」
勇者「……俺の想像してたパーティーと違う」
女大臣「予想と結果は異なるものです」
勇者「限度ってもんがあるだろ」
女大臣「細かい事は気にしない方がいいですよ」
勇者「もういいよ、わかった」
女勇者「これからお願いします」
勇者「こちらこそ」
こうして、最初の仲間である年上お姉さん系ドS偽勇者(女勇者)が仲間になったのであった。
今日はここまでです。
最初の仲間が出来ました。
まだモンスターが出てないので、次から出していけたらなと思います。
最初の仲間が出来ました。
まだモンスターが出てないので、次から出していけたらなと思います。
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