元スレ球磨川「学園都市は面白いなぁ」
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101 = 93 :
「な、何言ってんのよあんたは!
御坂は球磨川に焦りながら言う。
『いや、だって実際そうじゃないか! 君のほうからいきなり電撃飛ばしてきたんだもの』
「そ、それはそうだけど…… 黒子が勘違いしちゃうような言い方だったでしょ!」
などと言い合っている球磨川たちを見て黒子は
「まぁ、その話は後日お姉さまにく! わ! し! く! 教えていただくとして……
私は先を急ぎますので、これにて失礼いたしますわ」
と言うと球磨川たちに一礼しその姿が消えた。
『黒子ちゃんって瞬間移動能力者だったんだ!』
と、驚く球磨川に御坂は黒子について軽く説明した。
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102 = 93 :
『へぇー黒子ちゃんもすごいんだねぇ』
「まぁ大能力者だしね」
そんな事を話している球磨川たちの背後から
「……お姉様? とミサカはなぜここにお姉様がいるのか疑問に思います」
という特徴的な口調が聞こえた。
球磨川たちは背後を振り返る
『…… 美琴ちゃん?』
そこには御坂と瓜二つの少女が立っていた。
しかしその目には光がなく、頭にごついゴーグルを着用している。
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103 = 93 :
『美琴ちゃんに双子の妹がいるなんて知らなかったなぁー』
そう言う球磨川に対し少女は
「厳密には違いますがそういうことでいいですとミサカはミステリアスな女を気取ってみます」
厳密には違う。その単語に引っかかりを感じた球磨川だが追求することはせず
『じゃあ御坂妹ちゃんだね! 僕は球磨川禊って言うんだ! よろしくね!』
本日二度目の自己紹介を行う球磨川。
そして球磨川の自己紹介が終わるや否や
「あんた一体どうしてこんなとこぶらぶらしてんのよ!」
と、御坂が怒気をはらんだ口調で御坂妹に言う。
「どうしてかと問われれば研修中ですとミサカは簡潔に答えます」
淡々と答える御坂妹
『えーっと、僕もしかしてお邪魔虫かな?』
『もうそろそろ帰ろうと思ってたし、またね美琴ちゃん! 御坂妹ちゃん!』
と、球磨川が珍しく空気を読む。
「…… 悪いわね」
と、言う御坂に手を振ると球磨川は暴食シスターのいる部屋へと戻った。
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104 = 93 :
――翌日の夕方
その部屋には明らかに異質な空気が漂っていた。
それもそのはず、有り得ないほどのカップ麺のタワーが天井まで伸びていた。
その姿はまさしく暴食を象ったバベルの塔である。
『このままじゃ、僕の貯金が尽きちゃうよ……』
『っていうか酷いよインデックスちゃん! 僕の夕飯まで食べちゃってるじゃないか!』
そういう球磨川に対しインデックスは
「ごめんね! ついお腹すいちゃったから…… だからわたしは悪くないんだよ!
むしろ被害者なんだよ!」
と、まるで反省の色無しである。
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105 :
この状況でも颯爽と投下する>>1!
そこにシビれるあこがれるゥ!地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
106 = 93 :
『それ僕の台詞だよ……』
ため息をつきながら球磨川は
『とりあえず夕飯買ってくるね』
と言うと立ち上がり、玄関まで行くと部屋のドアノブを回す。
その背後から
「あ、じゃあカップ焼きそばも買ってきてー」
と暴食シスターの声が聞こえた。
「絶対やだ」
その暴食振りには、さすがの球磨川も括弧を外してしまう。
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107 :
そんな簡単に括弧外すなや。地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
108 = 93 :
かなり短いですが今日はここまでにします。
揺れのせいなのか気持ちが悪い……
続きはまた明日の午後9時にやります
では地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
109 :
このインなんとかさん球磨川と一緒に暮らしてるうちに、球磨川に似てきてるぞwwwwwwww地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
110 :
乙乙
待ってたかいがあった地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
111 :
乙。
ついに一方通行編突入か。ここの一方サンは原作以上に救われなさそうだな、球磨川さんが絡んでくるとなると地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
112 :
インデックスが球磨川に感化されてきてるwwww地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
113 :
ゆっくり堕落堕落と腐っていってるなインさん地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
114 :
そんなことより>>1は大丈夫なのだろうか…
115 = 112 :
>>113
ここで俺が頷けば
球磨川は本当に目を
戻してくれるだろうし――
遊園地で楽しく遊んでくれるんだろう
〈中略〉
そうやって俺の心を
痛みを感じないほどに優しく
優しく腐らせてくれるんだと思う
――――――めだかボックス第70箱・人吉善吉の台詞より抜粋
116 :
>>114
今のところ自分の住んでるところは少しのゆれ程度で済みました。
もし大型のが来たら100%詰みですが……
午後9時に投下予定ですがこの事態で投下すべきか否か……
117 :
>>116
こんな時だからこそ生存報告兼ねて投下
118 = 116 :
それではこれから投下します。
119 = 116 :
『う~ん、今日は風が気持ちいいなぁ』
外に出た球磨川の髪が風で揺れる。
夏だからなのかその風はとても気持ちよく感じた。
『夕飯を買うついでにちょっと散歩でもしようかな』
球磨川はそう言うと適当な方向に歩き出した。
120 = 116 :
しばらく歩くと風車の回っている姿が間近で見える橋まで来た
『おぉ~回ってる回ってる』
と楽しそうに言う球磨川。
ふと見ると見慣れた少女の姿を発見する。
『あれ? 美琴ちゃんじゃないか』
橋の手すりの傍に御坂が立っていた。
その顔は憂鬱そうな顔だ。
『美琴ちゃん! こんなとこでなにしてるの?』
そんな様子を無視して美琴に声をかける球磨川
121 = 116 :
「あぁ、あんたか」
話しかけてきた球磨川に御坂が言う。
その声にはいつものような覇気はない。
『どうしたの? 美琴ちゃん。元気ないね 何かあったの?』
御坂を心配したのだろうか。球磨川はそう質問する。
「私、あの飛行船って嫌いなのよねぇ」
球磨川の質問に対してそう答える御坂。
それ答えになってないよ。と思いながらも球磨川は
『へぇ、それはまた何でだい?』
と聞く。
「機械が決めた政策に人間が従ってるからよ」
122 = 116 :
『機械? あぁツリーダイアグラムのこと?』
飛行船を見ながらそう言う球磨川。
「そう、人工衛星にして世界最高のスーパーコンピューター……
なんて言ってるけれど実際そんなばかげた物が存在するのかしらね?」
そう言った御坂はハァと溜息をついた。
そんな御坂に何か思うところがあったのか球磨川は声をかける。
『美琴ちゃ……』
「えい」
何かを言おうとする球磨川だったが御坂がいきなり繰り出してきたチョップによって
妨害されてしまった。
123 = 116 :
『痛いよ美琴ちゃん!』
不満げな顔で文句を言う球磨川に対し御坂は
「あーあちょっと詩人になっちゃったわー」
と笑いながら言うと、
「じゃあね」
と、その場を立ち去った。
一人その場に残された球磨川は
『あの顔は何か面白いことに巻き込まれてる顔だね』
と笑いながら呟くと
『さて、散歩を続けようかな』
と散歩を再開し、歩を進めた
124 = 116 :
『おや、あの子は……』
少し歩を進めたところで球磨川は見慣れた少女に瓜二つな少女を発見する。
『御坂妹ちゃんだ。ゴーグル無いと本当わかんないよね』
そう、御坂妹がいた。
御坂妹はしゃがみながら何かを見ている。
正確に言うとダンボールの中の何かである。
『やぁ、御坂妹ちゃん! なに見てるの? そんなとこでしゃがんでると風吹いたらパンツ見えちゃうよ?』
と御坂妹に声をかける。
「…… このドスケベ。とミサカは眉をひそめながら罵倒します」
実際は無表情でそう言ってきた御坂妹を無視し、球磨川はダンボールの中身を見る。
125 = 116 :
そこにいたのは黒い毛色をした捨て猫だった。
『へぇ、いまどき捨て猫なんているもんなんだね』
『この子、拾ってあげないのかい?』
と言う球磨川に対し
「様々な事情がありそれはできません。とミサカは悲しそうに答えます」
と、無表情のまま御坂妹は言う。
『ふぅん。じゃあ僕がこの子を拾っちゃおうかな!』
球磨川は笑顔で言う。
そんな球磨川に対し
「本当ですか!? とミサカはあなたに確認をとります」
珍しく目を見開きながら言う御坂妹。
よほど猫の行く末を気にしていたのだろう。
126 = 116 :
『本当だよ。と球磨川は肯定の意を伝えます』
御坂妹の真似をしながら肯定する球磨川。
その台詞を聞いた御坂妹は「真似するな」と言わんばかりに眉をひそめた。
そんな様子を無視して球磨川は
『うちにはどうしようもない暴食シスターがいるんだけどさ、もうその暴飲暴食っぷりには
辟易してるんだ』
『この子を見てればそんな気分も晴れるんじゃないかって思ったんだよ!』
そう、彼は最近まともに食事をしていない。
空腹感は“大嘘憑き”で虚構にしていた。
あの暴食シスターの食事風景と来たら人の食欲を無くす効果がある。
あの子は新手の負能力者ではないか。
球磨川ですらそう思った。
『僕も、もうそろそろカップ麺の、体に悪い化学調味料の味を楽しみたいからね……』
127 = 116 :
暴食シスターのことを思い、げんなりした様子でそう言う球磨川。
その様子を見た御坂妹は
「あなたも苦労してるんですね。とミサカは意外な事実に驚きつつもあなたを哀れみます」
とにやけ笑いを顔に浮かべながら言った。
完全に「ざまぁみろ」といった顔である。
『君、絶対哀れんでないでしょ?』
「あ、ばれましたか。とミサカはテヘっと笑います」
と、御坂妹は自分の頭を軽く小突くと舌を出した。
『日笠ちゃんの持ちネタは華麗にスルーするとして…… とりあえず本屋に行って猫の飼育法の
本でも探そうかな』
『御坂妹ちゃんも手伝ってよ!』
と言うと、御坂妹の答えは聞かずに猫を抱え、本屋に向かうべく歩き出す球磨川。
その後ろを御坂妹は満足げな顔を浮かべて、ついて行った――
128 = 116 :
――本屋前
『着いたー のはいいけどこの子を抱えたままじゃ入れないよね。きっと』
球磨川が抱えた猫を見ながら呟く。
「こちらに預けるのはご遠慮ください。とミサカは……」
『じゃあこの子よろしくね!』
御坂妹の台詞を遮り、猫を無理やり渡す球磨川。
そして
『じゃ、ちょっとだけ待っててねー』
と言うと本屋の中へと入っていく。
「あの人はこの子をちゃんと飼うことができるのでしょうか? とミサカは不安げに呟きます」
残された御坂妹は猫を見ながらそう呟いた。
そのときだった――
129 = 116 :
――本屋前
『着いたー のはいいけどこの子を抱えたままじゃ入れないよね。きっと』
球磨川が抱えた猫を見ながら呟く。
「こちらに預けるのはご遠慮ください。とミサカは……」
『じゃあこの子よろしくね!』
御坂妹の台詞を遮り、猫を無理やり渡す球磨川。
そして
『じゃ、ちょっとだけ待っててねー』
と言うと本屋の中へと入っていく。
「あの人はこの子をちゃんと飼うことができるのでしょうか? とミサカは不安げに呟きます」
残された御坂妹は猫を見ながらそう呟いた。
そのときだった――
130 = 116 :
あ、ミスった……
>>129は気にしないでください
「ッ!!」
御坂妹の背筋に悪寒が走る。
何か恐ろしい物が背後にいる…… そう御坂妹は感じ取った。
背後に立つ者は口を歪め笑っている……
『お待たせー! いやぁ意外と時間くっちゃったよ!』
と、本屋から出てくる球磨川
しかし
『あれ? 御坂妹ちゃんがどこにもいないぞ?』
御坂妹はどこにもいない。
辺りを見渡すと、
「にゃー」
御坂妹が抱えていた猫がいた。
その猫に球磨川は近づく
131 = 116 :
『御坂妹ちゃんどこ行ったか分かるかなぁ?』
球磨川は猫にそう聞くが猫は「にゃー」と答えるだけだった。
『やっぱり君に聞いても無駄だよねぇ』
少し顔をしかめた球磨川は猫を抱えると
『ミサカ妹ちゃんどこ行ったんだろう?』
と言って御坂妹を探し始めた。
132 = 116 :
『うーん、いないなぁ』
しばらく探してみたがやはりその姿は見当たらない。
辺りを見回す球磨川。
『ん?』
球磨川は路地裏を見た。
何か違和感を感じたのだろうか。
球磨川は路地裏を探すことにした。
そして
『う~ん、これは僕も困惑せざるをえないなぁ』
路地裏を少し歩いた先に
球磨川が見た物は――
『何で全身から血を噴出して死んでんのさ』
無残な死体となった御坂妹だった。
133 = 116 :
普通の人間なら慌てふためく場面だろう。
当たり前だ。
さっきまで普通に話していた少女が惨殺死体となっているのだから。
しかし球磨川禊は普通(ノーマル)でもなければ異常(アブノーマル)でもない。
『まぁ、死んじゃっても生き返らせればいいんだよね!』
と言うと、御坂妹が死んだと言う事実を虚構にした。
噴出した血も怪我もなくなり、目を覚ます御坂妹。
「…… 一体どうなってるのですか。とミサカは戸惑います」
口調は落ち着いているがその様子は明らかにパニック状態である。
それもそのはず、『死んだはずなのに生きている』そんな状態になれば誰でもパニックになる。
『やぁ、御坂妹ちゃん! 目が覚めた?』
『全く君ってば酷いよね! 僕達を置いてどっか行った挙句、死んじゃってるんだからさ!』
そんな御坂妹の様子を無視して背後から話しかける球磨川。
134 = 116 :
「ッ!?」
ビクッと体を震わせると御坂妹は背後を振り返る。
「なぜあなたがここにいるのですか? 一体何をやったのですか? とミサカは困惑しながら
回答を求めます」
御坂妹は冷や汗を流しながら球磨川に質問した。
『何をしたかって? それはもちろん君が死んだって事実を虚構にしたんだよ』
『僕の力は全てを虚構にすることができるんだ!』
笑いながら答える球磨川。
そして、球磨川がそう言うや否や周りから声が聞こえてきた
「信じられません。とミサカは驚愕します」
「しかし今起きた現象を見ると嘘とも思えません。とミサカも驚愕します」
135 = 116 :
喋りながら球磨川の前に姿を現す少女達。
その姿は御坂妹と瓜二つだった。
『今日は面白いことがたくさん起こるね!』
『ところで君たちは皆、姉妹かなにか? 君たちの両親はとんでもなくハッスルしたんだね!』
と言うと『あははは!』と笑う球磨川。
「違います とミサカは下ネタを言うあなたに対し不快感を覚えつつ答えます」
と御坂妹の一人が答える。
そう言った御坂妹に
『じゃあ一体なんなのさ?』
と聞く球磨川に対して妹達は、自分達のこと、今まで接していたのは10032号で球磨川が蘇らせたのは
10031号であることを話す。
136 = 116 :
『学園都市ってすごいんだね! でもそんなに一杯クローンを作って一体何をするの?』
「ただの実験ですよ。実験内容は機密事項ですのでお答えできませんとミサカは機密に触れない程度の
回答をします」
質問した球磨川に対し、簡潔に答える10032号
球磨川は追求しても無駄そうだと思い。
『ふぅん』
と答えるのみだった。
「では、私たちはこれで失礼します。とミサカはあなたに別れを告げます」
と10032号が言うと、妹達は去って行き、10031号も去ろうとする。
しかしその顔はどことなく悲しそうな顔だった。
その顔を見て球磨川は
137 = 116 :
『10031号ちゃんだっけ? 君は何でそんなに悲しそうな顔してるの?』
と聞く。
10031号は球磨川のほうを見ると
「別にそのような顔はしていません。とミサカは返答します」
と冷静な口調言った。
『ふぅん、まぁいいや。じゃあね10031号ちゃん!』
10031号に手を振ると球磨川は自分の部屋へと帰っていった。
―― 顔を笑顔で歪ませながら。
138 = 116 :
『ただいまー』
「あ、おかえりなんだよ! くまがわ! カップやきそば買って来てくれた!?」
暴食シスターに迎えられた球磨川。
お帰りの挨拶の次にご飯の話とは…… と嫌そうに眉をひそめる。
『えっ? 何の話かなインデックスちゃん』
と言うと、インデックスの飛び掛りを防ぐため瞬時に話題を変えるべく、
自らが抱える猫をインデックスに見せる球磨川。
『あぁそうそう今日から一緒に住むことになった…… 名前未定の猫ちゃんだよ!』
と言う球磨川。
それを見たインデックスは
「わぁ! かわいい!」
とはしゃぐ。
球磨川はそんなインデックスを見て「ちょろいな」という笑みを浮かべると
139 = 116 :
『じゃ、ちょっと僕またこれから出かけなきゃいけないから』
と言い、部屋を出ようとする。
その背後から
「いってらっしゃい! あ、カップやき……」
『行って来ます!!』
暴食シスターの台詞を遮り、そそくさと外に出る球磨川。
『さて、今のところ何か知ってそうなのは御坂ちゃんだよね。きっと』
と言うと御坂を探し始める。
140 = 116 :
「……」
橋の手すり部分に少女が立っていた。
そう御坂美琴である。
その表情には憂鬱、恐怖、そして決心と覚悟が表れていた。
「あの子達……」
御坂は過去を振り返る――
『あ! 美琴ちゃん! こんなとこにいたんだ!』
前に球磨川に回想は妨害された。
「あんた少しは空気読みなさいよ」
『無駄な回想シーンはテンポを悪くするんだよ! だから僕は悪くない!』
全く反省の色がない球磨川の台詞を聞くと御坂は「はぁ……」とため息をつく。
141 = 116 :
「……」
橋の手すり部分に少女が立っていた。
そう御坂美琴である。
その表情には憂鬱、恐怖、そして決心と覚悟が表れていた。
「あの子達……」
御坂は過去を振り返る――
『あ! 美琴ちゃん! こんなとこにいたんだ!』
前に球磨川に回想は妨害された。
「あんた少しは空気読みなさいよ」
『無駄な回想シーンはテンポを悪くするんだよ! だから僕は悪くない!』
全く反省の色がない球磨川の台詞を聞くと御坂は「はぁ……」とため息をつく。
142 = 116 :
ま、またミスった……
申し訳ございません
『ところで美琴ちゃん! 御坂妹ちゃん…… いや、10032号ちゃんから妹達のこと
実験のこととか聞いたんだけどさ!』
『肝心の実験内容は教えてくれなかったんだ! 美琴ちゃんなら知ってるでしょ?』
『ねぇ、教えてよ!』
とまくし立てる球磨川。
そんな球磨川の質問を聞くと御坂は表情を変え
「…… 知らない」
そう俯きながら言った
『嘘だね 美琴ちゃんは何かを絶対知ってる。そうでなきゃ今、一体何を考えてたの?』
球磨川は食い下がる。
143 = 116 :
「…… うるさい」
そんな球磨川に苛立ちを覚えたのか御坂は完全に拒絶の色を示した。
しかしそんな御坂を無視して球磨川は
『ねぇ、何か知ってるなら教えてよ』
としつこく聞き続ける。
球磨川の態度に完全に頭に来たのか
「うるさいって言ってんのよ!!」
御坂はそう怒鳴ると球磨川に電撃を放った。
しかしその電撃は球磨川に当たる前に虚構にされてしまう。
『いきなり危ないじゃないか! 話を聞いてよ美琴ちゃん!』
と言う球磨川を無視し電撃を放ち続ける御坂。
虚構にされると分かっていても御坂は放ち続けざるをえなかった。
人の心にずけずけと入ってくる球磨川を許せなかった。
144 = 116 :
――10分後
「はぁ…… はぁ……」
その後、電撃だけでなくレールガンまで使ったのだが球磨川に全て虚構にされてしまった。
息が乱れている御坂に対して球磨川は
『相当話しにくいことなんだね』
『でも僕を信じてよ! 今回は君たちにとってのハッピーエンドに必ずするからさ!』
と手を広げ笑顔で言う。
しかし御坂は「信用できない」という表情を浮かべていた。
そんな御坂に球磨川は真剣な面持ちになって話し出す
『妹ちゃん達はどことなく僕に似てるんだ』
『実験って言うのは確実に死ぬようなことをされる実験なんだろう?』
『それはつまり死ぬためのモルモットとして生まれてきたってことだよね』
『そんなの僕と同じくらいの不幸(マイナス)じゃないか!』
そこまで言うと一息吸い……
145 = 116 :
「僕は妹ちゃん達を救いたいんだ!」
146 = 116 :
その台詞に驚く御坂。
「…… 括弧外れてるわよ」
『格好つけずに本音を言わないと君は信用してくれないでしょ?』
と言って笑顔になる球磨川。
そして球磨川の言葉を信じた御坂は実験について話し始めた。
一方通行のこと、一方通行がレベル6になるために20000人の妹達が一方通行に殺される
と言うのが実験の全容であること、そしてその原因はツリーダイアグラムの計算であること。
そして最後にこれから実験が行われる場所を話した。
『話は全部わかったよ! 後は僕に任せて!』
話を聞き終わると、球磨川はそう笑顔で言った。
御坂は一瞬迷ったような顔になったが、「ふっ」と笑い
「任せたわよ」
と言うとその場を去って行った。
その後姿を球磨川は見送った。
その顔には笑みを浮かべながら――
147 = 116 :
――実験場にて
一人の少年と10032号が何かを話している。
少女に話しかけている少年は極めて目立つ容姿だった。
白い髪、白い肌、赤い目。
そしてその人相は中性的ではあるものの恐ろしく、誰もが避けて通りたくなるほどであった。
彼の名は一方通行。
学園都市のレベル5にして第一位。
最強の超能力者である。
「まァ、俺が強くなるための実験に付き合せてる身で言えた義理じゃねェンだけどよォ」
「よく平然としてるよなァ この状況で。 ちっとは何か考えたりしねェのか?」
一方通行が笑いながら話す。
そんな一方通行に10032号は
「何かと言う曖昧な表現では分かりかねますとミサカは返答します」
と冷静に返し、
「実験まであと3分20秒ですが準備は整っているのですかとミサカは確認を取ります」
と、確認を求めた。
148 = 116 :
「自分の命を投げ打つなンざ俺には理解できねェなァ」
「俺は自分の命が一番だしさァ だからこそ力を欲することに際限はねェし」
「そのためならお前達が何百何千と死のうが知ったこっちゃねェって鼻で笑うこともできンだぜェ?」
10032号に対し冷酷に笑いながらそう言う一方通行。
そんな彼に
『それはすごいね一方通行ちゃん!』
と、いきなり現われた球磨川が言う。
10032号は驚くが一方通行はさほど驚いた様子も見せず、
「あァ? ンだテメェは?」
と、球磨川に聞く。
それを受けて球磨川は
『あぁそういえばこうしてしっかりと話すのは初めてだね! 実は以前すれ違ってるんだけど』
と言うが一方通行は
「テメェみてェな没個性的な奴、覚えてねェなァ」
と言い放った。
149 = 116 :
『酷いこと言うなぁ 僕は球磨川禊っていうんだ! よろしくね!』
そう一方通行に自己紹介するが一方通行は興味がなさそうにしている。
その表情に少し顔をしかめる球磨川。
そんな球磨川に
「な、なぜあなたがここにいるのですか?とミサカは困惑しながら質問します」
と聞く10032号。
その顔に浮かべているのは困惑と焦り。
そんな10032号に球磨川は言った。
『10032号ちゃんを助けに、そして一方通行ちゃん! 君と友達になりに来たんだ!』
150 = 116 :
とりあえず今日はここまで
続きはまた明日同じ時間に投下します
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