元スレ上条「アンチスキルだ!」美琴「ジャッジメントよ!」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
501 :
>>1です
こんにちわ。
まだだ…まだ終わらんよ!
でもどんどん筆は遅くなってます
申し訳ないです
502 = 501 :
しばらくは二人そろって幸せ気分で街を行くあても無くとことこと歩いていた。
麦野や絹旗が見たら鬼の形相で「買い物は?」と聞いてきそうだが、今の二人にはどうでもよかった。
相変わらず人の量は多く、対向する人と避け合いながら道を進む。
滝壺は、手は繋いでいるが浜面の後ろに続くように歩いている。
後ろの滝壺の様子を見ようと振り返りながら歩いていると
─どん、と浜面の頭に向かいから来た人の身体が当たった。
(あーこれはマズイかもしれん…)
浜面は直感でそう思った。
そもそも人が多いとはいえ、相手が気を付けていればここまで綺麗に当たるはずが無い。
そして浜面仕上は知っている、綺麗に当ててくる相手と当ててくる理由を。
「ってーな!どこ見て歩いてんだコラ!」
(あーやっぱり…)
503 = 501 :
浜面がゆっくりと視線を前に戻すと、柄の悪い男が3人立っていた。
スキルアウト、浜面もそこに身を埋めていた。
確かに社会的に見ればクズかもしれないが、居心地は良かった。
「い、いや…すいません。後ろのこの子が気になってたもんで」
「はぁ?すいません、で済む話じゃねーんだよ。あーいてぇ…これダメだ、慰謝料モンだわ」
(はぁ…)
やれやれ、と浜面は心底呆れる。
このスキルアウト達にでは無い。過去にこのような行為をした自分にだ。
ここまで腐った行動は無かったはずだが、他人の迷惑を考えずに騒ぐ暴れるの行動はあった。
しかし今はこの場を切り抜けるのが最優先事項だ。
滝壺が不安そうに手に力を込める。
「え、あーそんなヤワな身体じゃないでしょう?はは…」
「あー?俺の身体は一番俺が知ってるんだよ!さっさと有り金渡せや!」
胸倉を掴まれた。
504 = 501 :
これであと少しの言葉のやり取りで拳が飛んでくるだろう。
別に自分が殴られるのは構わないが、自分がぶちのめされた後の滝壺が心配だ。
(金なんか渡したら俺の命も危ないし、奪ったこいつらの命も危ないだろうからなぁ…)
誰か仲裁に入ってくれる勇気ある人はいないか、と思った時に。
ヒーローは絶妙のタイミングで、遠慮がちに入ってきた。
「あのーちょっとよろしいでせうか?」
浜面と男の間に入ってきたツンツン黒髪。
にチョップが入った。
「馬鹿野郎!そんなヘコヘコしてるとアンチスキルがナメられるじゃん!」
警備員であろう二人。
浜面はどちらの顔も見覚えがあった。というかどちらの顔も忘れるわけがない。
「アンチスキルじゃん。恐喝してんならそれなりの対応させてもらうけど?」
「…っち。おい、行こうぜ。兄ちゃん覚えとけよ」
警備員と聞くなり引っ込むあたり、まだまだヘタレだなぁと浜面はくだらないことを思う。
「さてと、だいじょう…あれ?浜面じゃん」
浜面の知っている警備員、黄泉川愛穂は驚いた顔をする。
505 = 501 :
「可愛い女の子連れてるからてっきり純情カップルだとばかり思ってたじゃん」
「それってどういうことだよ!俺が滝壺みたいな子連れてたらやっぱり似合わないって事かよ!」
半ば自暴自棄になって叫ぶ。
「大丈夫。私はそんな浜面でも大丈夫」
慰めるように言う滝壺に、浜面は天使を見たような気分になった。
「それで、なんでお前がアンチスキルなんてやってるんだ?」
浜面は男のほうに向き直った。
「これはまー…いろいろとありましてね」
言葉を濁す上条。
それに何かを察したのか、それとも興味が無いのか、それ以上探求してくることはなかった。
「それじゃ、俺らもう行くわ。
今回ばかりはありがとうな黄泉川」
「当然のことをしたまでじゃん。
車盗るんじゃないよ」
「しねーよ馬鹿!」
506 = 501 :
立ち去って行く浜面たちを見て、黄泉川は小さく言った。
「アイツも変わったじゃん」
「俺も思います」
呟く上条に黄泉川は意外そうな目を向ける。
「あぁ、そういえば知り合いだったのか?」
「えぇ、ちょっと…」
「何だろうね…恋のおかげなのかなぁ…」
「本気で言ってます?」
真剣そうに考える黄泉川がおかしく、上条は吹き出してしまう。
そんな上条に軽く拳骨を下ろしながら
「馬鹿!人は大切な人が出てきたら本当に変わるじゃん。
上条もそんな人の一人や二人、いないのか?」
言われて考えてみる。
確かにインデックスは大切な人だが、今言っている大切な人とは少し違う。
吹寄とか姫神とか、学校のメンツで考えてみるがイマイチしっくり来ない。
どちらかと言うと、インデックスは人懐っこい妹のような感じで、吹寄や姫神は面倒見の良い姉といったところか。
507 = 501 :
「俺は音沙汰無しですよ」
言ったあとで、美琴はどうなのだろうと考えたが、わざわざ訂正するのもおかしいので上条は考えるのをやめた。
「ま、若いんだからこれからじゃん。何かあったら相談してくるといいじゃん」
それなら最近のインデックスや御坂妹の意味深な発言を相談してもらおうとか考えたが、それはできなかった。
肩口につけた小さな無線機のノイズをたてた。
『至急!至急!本部から各隊へ。
第七学区において能力者の暴走が発生。コードイエロー。
能力者は電撃使い。付近を警邏中の隊員は速やかに現場に急行せよ』
508 = 501 :
以上です。
次あたりで話がやっと動きます
週一の更新になっていますね
申し訳ないです
この一週間、ざくろに浮気してました
最初は書き溜めが尽きないようと
小出しで毎日更新してましたが
最近は一区切りと決めてからになってます
クォリティ的にはあまり変わらないとは思うのですが
どちらのほうが皆さん的には読みやすいでしょうか?
509 :
個人的には毎日のほうが話の繋がりを忘れないからいい。
510 :
乙乙
先が気になる
電撃使い…まさかな
できるなら1、2日に1回はあった方が記憶に新しいね
511 :
毎日少しずつ更新がいいです
でも、>>1さんがやりやすいのが一番いいと思います
512 :
毎日更新はキツくて書くのダルくなるから
毎週更新目指すぐらいで良いよ
513 :
3日に一度は投下してくれると嬉しいですが
>>1の満足できるやり方でいいですよd
何?エレクトロマスター?wwww上条さん一人で十分じゃん……
とか言ってると足元すくわれたりして……
515 :
一区切りっていっても一週間で約5レス程度とか…
だったら1レスでもいいから毎日の方がいいわ
517 :
打ち切りだけが怖い
518 :
>>1です
こんにちわ。
ご意見ありがとうございます
確かに大した量無いくせに週一は酷いですね
要は>>1さっさと書けって話ですね
頑張ります
方針としてはこまめに来るようにします
519 = 518 :
一瞬で情報だけを伝えてくる無線機。
上条はそれを聞きながら緊張した表情をしていたが、黄泉川はそれを解すように優しく言った。
「何緊張した顔してるじゃん。ここは遠いんだから私たちが向かう必要は無いじゃん。
幸い、警戒態勢はコードイエローだし、私たちは私たちの仕事を…」
と、黄泉川が言い終わる前にもう一度無線機がノイズと共に鳴る。
『なお七十三支部所属、黄泉川及び上条は至急現場に急行せよ。以上』
驚きの表情をもらしたのは上条だけでは無い。
「なっ…!こちら七十三支部の黄泉川!
どういうことじゃん!私はまだ別として、コイツはまだなりたての新兵だっていうのに」
しばらくして返事がくる。
『命令は上層部の決定だ。こちらに言われても困る…』
相手のオペレーターも悔しそうに言う。
「くそっ!上条!今から現場に行くけど、私の後ろから絶対離れるなよ!」
「は…はいっ!」
現場に向かう黄泉川の車で、上条は状況の整理をする。
第七学区、電撃使いと聞いて少し嫌な予感がした。
520 = 518 :
(まさか…御坂がとは思うけど…)
不幸体質の上条からすれば、大抵このような予感はいつもあたってしまうのだが、
『本部から各隊へ、暴走者は女子中学生、レベル4大能力者。現場の民間人避難率は60%』
大能力者と聞いて上条はひとまず安堵の溜め息をついた。
しかし仮に美琴が暴走していないとしても、臨時風紀委員になった彼女が関わってくるのは眼に見えている。
(無茶はしないでくれよ…御坂!)
521 = 518 :
「各隊急いで配置に!俺達は一番先頭を固めるぞ、続け!」
才郷は早くも現場で指揮を取っていた。
しかしそこまで階級の高くない自分ができるのはごく少人数だ。
自分の指揮を聞く人間を連れて自分が前に出るしかない。
分隊を連れて現場の中心地へ進むにつれ、街の状態がどんどんと荒れていく。
飛び散ったガラスに、倒れてショートした警備ロボット。
そして、その荒地の真ん中に立っているのは。
「たすけて…ください…」
まただ…と才郷は思う。
(また泣いている…)
ここ最近増えた能力者の暴走事故。
何度も起こる事故、その度に出動している才郷はあることに気付いていた。
自身は能力者ではないので、暴走と聞いてもいまいち理解ができない。
話によると能力者が気を抜いた瞬間に能力が出てしまうらしいが、それは意識して止めることはできるという。
そうだとすれば暴走とは言っても、仮に今回のこの電撃使いなら漏電程度で済む話なのだ。
にも関わらず、街の物を壊す、他の生徒や警備員、風紀委員にまで危害をもたらす。
最初才郷も能力者が適当に暴れた後の言い訳だと思っていた。
しかし、ある事故でいち速く現場に駆けつけると、件の能力者は泣いて自分達に助けを求めてきた。
522 = 518 :
それ以来才郷は危険を冒してでも現場中心地に駆けつけ、暴走者を確認しているわけだが。
「私の意志じゃ無いんです…
本当に、身体が勝手に…操られているみたいで…」
(これも他の能力者と同じ、身体が勝手に、操られているみたい…
どうやら…暴走、の一言で片付けられる事件じゃ無いな)
見れば女子中学生の腕には緑の腕章が着いていた。
「君は…ジャッジメントか」
少女に向かって叫ぶ。
民間人の避難が完了し、がらんどうとした街に自分の声がやけに響く。
「そうです…でも、臨時のジャッジメントで、今日が初めてだったのに…どうしてこんな…」
うわぁぁ─と少女の泣き声が響く。
才郷は銃を下ろすように指示し、
「シールドを持った奴を前にゆっくり進もう」
そう言いながらも、自分はシールドの前に出る。
才郷一人を先頭にシールドを持った隊員が横一列に並ぶ。
応援の部隊も到着したようで、人数もかなりのものになっていた。
(俺の出しゃばりとは言え、このカリスマ的なとこ、黄泉川さんに見せてやりたいぜ)
くだらね、と才郷は自嘲し鼻で笑った。
「今からそっちに行くから、できるなら能力を抑えてくれ」
「はっ…はいっ!」
少女のほうも泣き止み、少し落ち着いたようでしっかりとした返事が聞こえた。
523 = 518 :
さすがにこの人数がシールドを持って向かってきたら怖いだろうと思い、
才郷は後ろの2人にバックアップを頼み残りは待機してもらう。
じりじりと、少女との距離を詰めていく3人。
「何とも無いか?」
近付きながら少女に声を掛ける。
「はい…今のところはさっきみたいな感じは無いです」
不安そうに答える少女。
距離はあと15m程。
(しかし保護した後はどうしようか)
また暴走しないとは限らない。
しかし、保護しない限りはこの事件を解決できなければ、この少女を救うこともできない。
とにかく保護が最優先だと、才郷は思い直した。
しかしあと10mとなったところで、少女の表情が変わった。
「─ッ!ダメです!離れて!」
そう言うや否や、少女の身体から青白い光がバチンと弾けた。
524 = 518 :
光は槍のように噴出され、3人に向かった。
咄嗟に才郷の後ろにいた2人が、シールドに身体を傾けて前に出る。
電撃はシールドに当たったが、それを持っていた2人は身体だけ10m程吹き飛ばされる。
「くそっ!」
才郷は残されたシールドに手を伸ばす。
「─ッ!」
しかし、シールドに触れるとバチンと音がして腕が跳ね返された。
自分の腕が奇妙に震えているのに気付くと同時に、しびれるような痛みが走った。
「やだ…いやだ…ごめんなさい、ごめんなさい」
少女が怯えるように呟きながら、それでも身体からバチンバチンと火花を散らせて近付いてくる。
言葉や表情と行動が矛盾するのが、ここまで恐ろしいとは思わなかった。
少女が涙を流すが彼女の手はそれを拭うことも許さず、その手を才郷にまっすぐに向けた。
ここで、才郷はもう一度あることを確認できた。
やはり、暴走ではなく意図として攻撃をしているということ。
能力だけでなく、身体の自由もきかないということ。
(わかったはいいけど。これじゃぁ…まずい…)
自分の生命がでは無い、今のこの状況だ。
警備員3人が能力者に向かったところ能力者が警備員を攻撃、そして警備員へさらに危害を加えようとしている状況。
誰かが発砲してもおかしくない。
判断基準はわからないが、実弾の使用だって考えられる。
525 = 518 :
しかし、流石に頭が回らない。もし名案が思いついても今の自分には行動できる力が無い。
少女の手が青白い光を帯びる。
「いやだっ!イヤだイヤだイヤだ!
やめて、もう殺して!
拳銃くらい持ってるでしょ!もう片方の腕は使えるでしょ!」
少女の悲痛な叫びが響く。
それでも才郷は自分が攻撃されても誰も発砲しないことだけを祈りながらその時を待った。
しかし、少女の腕はガクンと別の方向に向けられると、そのまま電撃を放った。
才郷の後ろで電撃のバチバチという音が聞こえる。
少女は身体だけが慌てるようにバックステップを取り、才郷から離れた。
才郷が呆気に取られてあたりを見回すと、倒れている警備員の他に二つの人影があった。
小柄な人影、目をこらしてよく見ると、見覚えのあるブレザーの制服に腕には緑の腕章。
2人とも見覚えがあった。
ツインテールの少女は確か、風紀委員なのにことあるごとに事件に首を突っ込んでは始末書を提出しに第二学区へ来ていた。
そしてもう1人のショートヘアの少女は、よく学園都市内のモニターにも映る少女。
確か超能力者で、常盤台中学校の第三位。
「御坂美琴…」
526 = 518 :
以上です。
警備員の階級とかってどうなってるんですかね
警戒態勢のコードイエローとかは適当です
打ち切りは絶対にしませんが
仕事の関係で
今年の4月から来年の2月までネット環境が無い状態になるので
準備などで忙しくなる3月までには完結させたいです
527 :
気になるとこで引いたなー
乙乙
>今年の4月から来年の2月までネット環境が無い状態になる
なにそれこわい
ぜひ頑張ってくれ
528 :
乙!
楽しみにしてるぜぃ
529 :
そうですか……頑張って下さいね!
まあまだ上条さんの出る幕じゃないなこれは
530 :
おつ
打ち切りは絶対にしないと断言する責任感…ッ
そこに痺れる憧れるぅぅうッ!
531 :
しかし世の中には冨樫という現象があr
532 :
もし完結しなかっても来年の2月まで待つぜ。
533 :
乙です! 体壊さないように頑張ってください!
534 :
更新キテマシタワー
535 :
乙~
気長に待ってます!
536 :
お~面白くなってきたましたね~
ドキドキワクワクしながら続き待ってます~
537 :
乙! 続き楽しみ!
538 :
>>1です
こんばんわ。
少ないですが
ちょくちょく更新を目指していきます
539 = 538 :
「大丈夫ですか!?」
才郷の呟きは彼女達には聞こえていないようだった。
「あ、あぁ…俺は大丈夫だ」
他の隊員を…と才郷が言いかけたところで、美琴が驚いた表情で電撃を飛ばした。
電撃の飛ばしたほうを見ると、道路の中心で雷のように電気が散っていた。
その先にはさっきの少女。
「ちょっとアンタ!」
美琴は少女に向かって叫ぶが、あることに気付く。
「あれ…アンタ試験の時の…」
「御坂…さん」
少女も驚いた表情で美琴を見る。
「どういうつもりよ!臨時のジャッジメントにもなって」
美琴は勘違いしているためか、声を荒げ、髪の毛の先からバチンと電流をはしらせる。
540 = 538 :
咄嗟に才郷が止めに入った。
「待て、彼女の意志じゃ無いみたいだ。
君だって見ただろう?さっき君と彼女が距離を取った時、彼女は俺のほうを見たままだった」
あっ─と美琴はこの前黒子が言っていたことを思い出す。
風紀委員や警備員を狙っていて、暴走とは言い難い。
「確かに、あなたの方に手を向けていて、私を見て無いのに突然私の方に手を向けた…」
「とにかく、彼女の本望じゃない。
彼女を止めるなら、彼女に怪我をさせないようにしてくれ」
我ながら無茶な注文だと思う。
「わかりました」
それでも美琴は、才郷の眼をしっかりと見ながら力強く返事をした。
「下がっていて下さい。
あと、後ろでシールド持っている警備員の人達も下げて下さい。
できるだけ相殺させるようにはしますが、もし電撃が飛んでしまった時、
電撃をシールドで防いでもさっきの人のように身体に電気が流れて感電します」
「あぁ、了解した」
541 = 538 :
最新鋭の対能力者兵器を揃えた警備員が、女子中学生に指図されるのに納得できない者もいるかもしれない。
しかし、才郷の中では今は警備員の下手なプライドよりも事件解決が最優先だ。
プライドのためにここに残っても彼女の邪魔になるだけだろう。
仕方が無い、いくら教師とは言っても所詮は無能力者だ。
ゆっくりと立ち上がって歩き出す、だがさっきシールドに触れて感電したのが全身に回ったためか、足がおぼつかない。
ふらふらと歩いていると、本隊のほうから2人の警備員が走ってきた。
1人は自分の分隊の者で、もう1人は
「才郷!えらく無茶するじゃん」
「黄泉川さんには言われたく無いです」
「とにかく、安全なところまで行こう。肩貸すじゃん」
言う事の聞かない腕を黄泉川へ回す。
「本隊を下げて下さい。
今第三位の御坂美琴がなんとか抑え込もうとしてくれてますが、流れ弾があるかもしれません」
542 = 538 :
「なに!?」
黄泉川が顔を上げて後ろを振り返る。
「おい、才郷を頼む…」
「黄泉川さん!」
慌てた様子で現場に戻ろうとした黄泉川を才郷は止めた。
「黄泉川の気持ちはわかります。
でも待って下さい。今回の事件ばかりは、俺たちにはどうすることもできません」
「何を根拠に言ってるじゃん!」
「今まで能力者の暴走で片付けられてましたが、
事件を見ていくうちにどうも暴走だけでは片付けられない事がいくつもあります。
簡単に説明すると、能力者は本当に操られているかもしれません」
「操られている…?」
543 = 538 :
「とにかく、自分の意志でも無いのに暴れて、
大量のアンチスキルに囲まれて攻撃されるなんて、生徒にとって理不尽極まりないです。
かと言って、俺たちが攻撃しないでただただ能力者が静まるのを待つのも危険です」
ぎりぎりと黄泉川は奥歯を噛み締める。
黄泉川だって変なプライドの為にここで悩んでいるのでは無い。
子供を戦場に向かわせる。この行為が今の黄泉川を悩ませていた。
「とにかく能力者に任せるしかありません。俺たちがいても、邪魔になるだけです」
くそ─と呟いて、黄泉川は才郷を支え直す。
無線で本隊に下がるように指示して、のろのろと本隊のほうへ向かった。
歩き出したのと同時くらいに、3人の後ろでバチバチと電気の走る音が聞こえ始めた。
544 = 538 :
以上です。
誤字脱字などありましたら
よろしくお願いします
545 :
乙です!
楽しみにしてます !
546 :
>>542で才郷が黄泉川のこと呼び捨てにしてるね
547 :
乙です!
上条さんはどうしてるのか気になる…
548 :
AIMキャンセラー使わない理由は更に暴走する可能性があるからか?
549 :
>>548
細かいことはいいっしょ
せっかくの良作なんだから余り水を指さないようにしようぜ~
550 :
乙 続き楽しみにしてる
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