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元スレ勇者「俺が本物の勇者なの! 城でふんぞり返ってるあの野郎は偽者なの!」
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隊長「全員かかれっ!」
ワァァァァッ! ドドドドド…
襲いかかる私兵たち。
死刑囚「くっ……!(流石にこうまとめてかかってこられたら……!)」
女剣士「こんな堂々と私兵を動かすなんて……」
少女「あたしら四人さえ消しちゃえば、あとはいくらでも揉み消してみせるって算段だろうね。
実際、死刑囚討伐だとか口実はいくらでも作れるし」
少女「だけど大丈夫」
女剣士「え?」
少女「なんたってこっちには、自称勇者がいるもんね」
勇者「だから自称じゃないって! ガチ勇者だって!」
ワァァァァッ! ドドドドド…
襲いかかる私兵たち。
死刑囚「くっ……!(流石にこうまとめてかかってこられたら……!)」
女剣士「こんな堂々と私兵を動かすなんて……」
少女「あたしら四人さえ消しちゃえば、あとはいくらでも揉み消してみせるって算段だろうね。
実際、死刑囚討伐だとか口実はいくらでも作れるし」
少女「だけど大丈夫」
女剣士「え?」
少女「なんたってこっちには、自称勇者がいるもんね」
勇者「だから自称じゃないって! ガチ勇者だって!」
勇者「ざっと50人ってところか……。10人ぐらいは女剣士ちゃんと兄貴に任せる。
残りは俺が引き受ける」サッ
女剣士「40人を一人で……? 無茶です!」
少女「大丈夫大丈夫」
女剣士「でも!」
少女「だってあたし……この勇者と出会ってから、こと剣に関しては負けたりしくじったところ、
見たことないもん」
勇者「一ヶ月間の修行の成果見せてやれ!」
女剣士「は……はいっ!」
勇者「死刑囚! お前もせっかく再会できた妹の前で死ぬなよな!」
死刑囚「あ、ああ!」
残りは俺が引き受ける」サッ
女剣士「40人を一人で……? 無茶です!」
少女「大丈夫大丈夫」
女剣士「でも!」
少女「だってあたし……この勇者と出会ってから、こと剣に関しては負けたりしくじったところ、
見たことないもん」
勇者「一ヶ月間の修行の成果見せてやれ!」
女剣士「は……はいっ!」
勇者「死刑囚! お前もせっかく再会できた妹の前で死ぬなよな!」
死刑囚「あ、ああ!」
女剣士(力を抜いて……)
女剣士「でやっ!」
ズバッ!
私兵A「ぐあっ……!」
私兵B「くそっ、このアマぁ!」ブンッ
背後から斬りかかる。
死刑囚「させるか!」ザンッ!
私兵B「ぐぶぅっ!」
女剣士「あ、ありがとう!」
死刑囚「気を抜くな! まだまだ敵はいるぞ!」
女剣士「でやっ!」
ズバッ!
私兵A「ぐあっ……!」
私兵B「くそっ、このアマぁ!」ブンッ
背後から斬りかかる。
死刑囚「させるか!」ザンッ!
私兵B「ぐぶぅっ!」
女剣士「あ、ありがとう!」
死刑囚「気を抜くな! まだまだ敵はいるぞ!」
女剣士「さすがに……強いですね」
死刑囚「これでも捕まる前はそれなりに有名だったからな」
死刑囚(だが……なんなんだあいつは!?)
勇者「ほれっ、ほれっ」ズバッ! ザシュッ!
「ぐあっ!」 「ぎゃっ!」 「いでえっ!」
死刑囚(一人で何十人も相手しておきながら……まるで危なげがない)
死刑囚(俺や妹とは……次元が違う!)
死刑囚(この自称勇者……いったい何者なんだ!?)
死刑囚「これでも捕まる前はそれなりに有名だったからな」
死刑囚(だが……なんなんだあいつは!?)
勇者「ほれっ、ほれっ」ズバッ! ザシュッ!
「ぐあっ!」 「ぎゃっ!」 「いでえっ!」
死刑囚(一人で何十人も相手しておきながら……まるで危なげがない)
死刑囚(俺や妹とは……次元が違う!)
死刑囚(この自称勇者……いったい何者なんだ!?)
死刑囚(俺が知る剣士の中でこれほどの使い手はただ一人――)
死刑囚(一度だけ姿を見たことがある……“勇者様”しかいない!)
勇者「どうしたどうした。ほれほれほれほれほれ」キンッ! キンッ!
私兵C「く、くそぉ~!」ガキンッ!
死刑囚(だが、こいつは“勇者様”とは明らかに別人!)
死刑囚(なんなんだこいつは!?)
死刑囚(一度だけ姿を見たことがある……“勇者様”しかいない!)
勇者「どうしたどうした。ほれほれほれほれほれ」キンッ! キンッ!
私兵C「く、くそぉ~!」ガキンッ!
死刑囚(だが、こいつは“勇者様”とは明らかに別人!)
死刑囚(なんなんだこいつは!?)
隊長(なんなのだ、こいつら! ――特にあの自称勇者が強すぎる!)
隊長(こうなったら……!)ダッ
少女「ゲ、こっち来た!」
隊長(こいつを人質にして突破口を……!)
ギィンッ!
隊長「む!」
グググ…
女剣士「隊長……あなたも村の殺戮に関与してたんですね?」
隊長「当たり前だろ? ちっぽけな村だったから皆殺しに時間はかからなかったぞ」
女剣士「……許せない!」
隊長「ほざけ小娘! お前如きが俺の相手になると思うか!」
隊長(こうなったら……!)ダッ
少女「ゲ、こっち来た!」
隊長(こいつを人質にして突破口を……!)
ギィンッ!
隊長「む!」
グググ…
女剣士「隊長……あなたも村の殺戮に関与してたんですね?」
隊長「当たり前だろ? ちっぽけな村だったから皆殺しに時間はかからなかったぞ」
女剣士「……許せない!」
隊長「ほざけ小娘! お前如きが俺の相手になると思うか!」
――ガキンッ!
隊長「この短期間でやるようになったなァ!」
女剣士「絶対に……倒す!」
キィンッ! ギンッ!
ビシュッ…
女剣士「くっ……!」
死刑囚「まずい!」ダッ
勇者「大丈夫だ、手を出すな」
死刑囚「!」
勇者「今の女剣士ちゃんは……あんな奴には負けねえよ。俺が約束通り強くしてやったからな」
隊長「この短期間でやるようになったなァ!」
女剣士「絶対に……倒す!」
キィンッ! ギンッ!
ビシュッ…
女剣士「くっ……!」
死刑囚「まずい!」ダッ
勇者「大丈夫だ、手を出すな」
死刑囚「!」
勇者「今の女剣士ちゃんは……あんな奴には負けねえよ。俺が約束通り強くしてやったからな」
隊長「いくら腕を上げたといっても、しょせん女! こうやって力で攻めれば――」
ガギィンッ!
女剣士「うぐ……っ!」
強烈な一撃を受け止め、よろめく。
隊長「こうなる。もう腕に力が入らないだろう」
女剣士「はぁ、はぁ、はぁ……」
隊長「罪を被った兄に、仇の組織に入った妹。お前らはホントつくづくバカな兄妹だよ」
隊長「くたばれぇっ!!!」ダッ
女剣士(……来た!)
ガギィンッ!
女剣士「うぐ……っ!」
強烈な一撃を受け止め、よろめく。
隊長「こうなる。もう腕に力が入らないだろう」
女剣士「はぁ、はぁ、はぁ……」
隊長「罪を被った兄に、仇の組織に入った妹。お前らはホントつくづくバカな兄妹だよ」
隊長「くたばれぇっ!!!」ダッ
女剣士(……来た!)
女剣士(力を抜いて……)ユラ…
ブウンッ!
隊長「ちっ、外した!」
女剣士(大事なのはメリハリ……。一気に……力を爆発させるッ!!!)
――ズバァッ!
隊長「ぐぶぁっ……! こ、小娘ぇ……!」
ドザッ……
女剣士(やったよ……お父さん、お母さん……)
ブウンッ!
隊長「ちっ、外した!」
女剣士(大事なのはメリハリ……。一気に……力を爆発させるッ!!!)
――ズバァッ!
隊長「ぐぶぁっ……! こ、小娘ぇ……!」
ドザッ……
女剣士(やったよ……お父さん、お母さん……)
隊長が倒れ、私兵隊は総崩れとなった。
勇者「残るは……あの元凶だけだ」
実業家「ひっ!」
勇者「女剣士ちゃん、君に任せる」
死刑囚「俺もそれでかまわない」
女剣士「はい」ザッ
実業家「あ、ああ、あああっ……! 待て……待ってくれ!」
女剣士「あなたは……私、いえ私たち兄妹から全てを奪った……。到底許すことはできません」
実業家「ひ、ひ、ひいいい……!」
女剣士「覚悟ッ!!!」
シュバァッ!
勇者「残るは……あの元凶だけだ」
実業家「ひっ!」
勇者「女剣士ちゃん、君に任せる」
死刑囚「俺もそれでかまわない」
女剣士「はい」ザッ
実業家「あ、ああ、あああっ……! 待て……待ってくれ!」
女剣士「あなたは……私、いえ私たち兄妹から全てを奪った……。到底許すことはできません」
実業家「ひ、ひ、ひいいい……!」
女剣士「覚悟ッ!!!」
シュバァッ!
女剣士「…………」
女剣士は斬らなかった。
女剣士「あなたには正当な裁きを受けさせます。
もちろん、あなたの力が及ばない……中央の裁判所や監獄で」
女剣士「そして今までの罪を……全て暴いてもらう!」
剣を突きつける。
実業家「ぐっ……! ぐおおおぉぉぉぉぉぉ……!」
頭を抱え、崩れ落ちる。
女剣士「…………」
勇者「これでよかったのかい」
女剣士「はい。ここで斬ってしまえば、暴かれない“闇”もあると思いますので」
女剣士は斬らなかった。
女剣士「あなたには正当な裁きを受けさせます。
もちろん、あなたの力が及ばない……中央の裁判所や監獄で」
女剣士「そして今までの罪を……全て暴いてもらう!」
剣を突きつける。
実業家「ぐっ……! ぐおおおぉぉぉぉぉぉ……!」
頭を抱え、崩れ落ちる。
女剣士「…………」
勇者「これでよかったのかい」
女剣士「はい。ここで斬ってしまえば、暴かれない“闇”もあると思いますので」
少女「でもさぁ、勇者」
勇者「ん?」
少女「この町の空気……どうすんの? 町の顧問が大犯罪者になっちゃってみんな困惑してるよ」
勇者「うわぁ……」
ザワザワ… ドヨドヨ…
勇者「ここは……俺が勇者としてビシッと決めるしかない!」
勇者「ん?」
少女「この町の空気……どうすんの? 町の顧問が大犯罪者になっちゃってみんな困惑してるよ」
勇者「うわぁ……」
ザワザワ… ドヨドヨ…
勇者「ここは……俺が勇者としてビシッと決めるしかない!」
ダンッ!
演説台に駆け上がる勇者。
勇者「コホン。というわけで……」
勇者「俺たちの勝利だーッ!!!」
ワァァァァッ!!!
「いいぞーっ!」 「勇者さんかっけえ!」 「よかったよかった!」
少女「こいつ、ムリヤリまとめやがった」
町長「ふむ……この町はとりあえず、今後も今まで通りということじゃな」
演説台に駆け上がる勇者。
勇者「コホン。というわけで……」
勇者「俺たちの勝利だーッ!!!」
ワァァァァッ!!!
「いいぞーっ!」 「勇者さんかっけえ!」 「よかったよかった!」
少女「こいつ、ムリヤリまとめやがった」
町長「ふむ……この町はとりあえず、今後も今まで通りということじゃな」
死刑囚「…………」
女剣士「…………」
死刑囚「すまなかった」
女剣士「いえ、私の方こそ何も知らず斬りかかって……」
死刑囚「俺が悪いんだ……。俺が自首なんてバカなことしなきゃ……。
実業家にいいように踊らされてしまった……」
女剣士「そんなことない! 兄さんは私のために……!」
死刑囚「……俺を兄って認めてくれるのか」
女剣士「認めるもなにも……兄さんは兄さんじゃない」
死刑囚「ありがとう……!」
女剣士「…………」
死刑囚「すまなかった」
女剣士「いえ、私の方こそ何も知らず斬りかかって……」
死刑囚「俺が悪いんだ……。俺が自首なんてバカなことしなきゃ……。
実業家にいいように踊らされてしまった……」
女剣士「そんなことない! 兄さんは私のために……!」
死刑囚「……俺を兄って認めてくれるのか」
女剣士「認めるもなにも……兄さんは兄さんじゃない」
死刑囚「ありがとう……!」
死刑囚「お前は……本当に立派になった。
強さはもちろん、見た目も俺の記憶にある母さんそっくりだ」
女剣士「兄さん……」
女剣士「にいさぁぁぁぁぁん!」ギュッ…
抱き合う兄妹。
少女「あの二人も……何とかなりそうだね」
勇者「ああ、幼い頃に生き別れたけど……あの二人にはそんなこと関係ない。
いい……兄と妹だ」
…………
……
強さはもちろん、見た目も俺の記憶にある母さんそっくりだ」
女剣士「兄さん……」
女剣士「にいさぁぁぁぁぁん!」ギュッ…
抱き合う兄妹。
少女「あの二人も……何とかなりそうだね」
勇者「ああ、幼い頃に生き別れたけど……あの二人にはそんなこと関係ない。
いい……兄と妹だ」
…………
……
……
少しして、女剣士が勇者の家を訪れる。
勇者「いらっしゃい。あれから……事件はどうなった?」
女剣士「はい、実業家と私兵たちはもちろん逮捕されて……厳しく尋問されてるようです。
正当な裁きが下ることでしょう」
勇者「兄貴は?」
女剣士「また監獄に戻りました。ですが、少し取り調べや手続きをしたら、
すぐにでも釈放されるそうです」
少女「そりゃそうだよ。村を滅ぼしたのはあいつらなんだから!」
勇者「よかったよかった。で、君はどうするつもりだ?」
女剣士「それなんですけど……」
少しして、女剣士が勇者の家を訪れる。
勇者「いらっしゃい。あれから……事件はどうなった?」
女剣士「はい、実業家と私兵たちはもちろん逮捕されて……厳しく尋問されてるようです。
正当な裁きが下ることでしょう」
勇者「兄貴は?」
女剣士「また監獄に戻りました。ですが、少し取り調べや手続きをしたら、
すぐにでも釈放されるそうです」
少女「そりゃそうだよ。村を滅ぼしたのはあいつらなんだから!」
勇者「よかったよかった。で、君はどうするつもりだ?」
女剣士「それなんですけど……」
女剣士「私をもう少し、勇者さんのところに置いて頂けないでしょうか」
勇者「!」
女剣士「あなたたちがいたから、私は仇を討つことができた……。
私、お二人のもとでもっと勉強したいんです! 剣だけじゃなく……色んなことを」
勇者「…………」
勇者「どう? 少女ちゃん」
少女「そこであたしに聞くんかい。自分で返事しなさい」
勇者「分かった……。えぇと、誠に心苦しいんだが……」
女剣士「はい……」
勇者「!」
女剣士「あなたたちがいたから、私は仇を討つことができた……。
私、お二人のもとでもっと勉強したいんです! 剣だけじゃなく……色んなことを」
勇者「…………」
勇者「どう? 少女ちゃん」
少女「そこであたしに聞くんかい。自分で返事しなさい」
勇者「分かった……。えぇと、誠に心苦しいんだが……」
女剣士「はい……」
勇者「いいよ! 大歓迎!」
女剣士「えっ!」
少女「あたしも大歓迎!」
女剣士「いいの!?」
少女「うん、一人でこの勇者のお守りするのキツかったんだよね~」
勇者「お守りて」
少女「というわけでよろしくね!」
女剣士「うん! 二人で勇者シッターしようね!」
勇者「勇者シッターて」
…………
……
女剣士「えっ!」
少女「あたしも大歓迎!」
女剣士「いいの!?」
少女「うん、一人でこの勇者のお守りするのキツかったんだよね~」
勇者「お守りて」
少女「というわけでよろしくね!」
女剣士「うん! 二人で勇者シッターしようね!」
勇者「勇者シッターて」
…………
……
― 城 ―
従者「……という事件があったとのことです」
真勇者「実業家殿……私も会ったことがあるが、そのような悪事に手を染めていたとはな。
非常に残念だ」
従者「それともう一つ、気になるニュースが」
真勇者「なんだ?」
従者「その事件を解決した者が……なんと“勇者”を名乗っているというのです。
しかも、『自分こそが本物だ』と」
真勇者「……なんだと?」
従者「いかがいたしましょう。勇者様の名を騙るなど万死に値する大罪……。
いっそ兵を差し向けて……」
真勇者「いや、その必要はない」
従者「ですが……」
真勇者「必要ないといったのだ」
従者「も、申し訳ありません!」
従者「……という事件があったとのことです」
真勇者「実業家殿……私も会ったことがあるが、そのような悪事に手を染めていたとはな。
非常に残念だ」
従者「それともう一つ、気になるニュースが」
真勇者「なんだ?」
従者「その事件を解決した者が……なんと“勇者”を名乗っているというのです。
しかも、『自分こそが本物だ』と」
真勇者「……なんだと?」
従者「いかがいたしましょう。勇者様の名を騙るなど万死に値する大罪……。
いっそ兵を差し向けて……」
真勇者「いや、その必要はない」
従者「ですが……」
真勇者「必要ないといったのだ」
従者「も、申し訳ありません!」
真勇者「しかし、放っておくわけにもいくまい」
従者「と、おっしゃいますと?」
真勇者「その勇者とやらがいる地に……私自ら、出向かねばなるまい……!」
― おわり ―
従者「と、おっしゃいますと?」
真勇者「その勇者とやらがいる地に……私自ら、出向かねばなるまい……!」
― おわり ―
最終話『二人の勇者』
大型の馬車が町を訪れる。
御者「勇者様、到着いたしました」
真勇者「ご苦労。あとは自分の足で向かう」
ザワザワ… ドヨドヨ…
「誰だよあれ? すげえ馬車から出てきたぜ」
「よっぽどのお偉いさんに違いない……」
「凄まじい威厳だ……ひれ伏したくなっちまう」
大型の馬車が町を訪れる。
御者「勇者様、到着いたしました」
真勇者「ご苦労。あとは自分の足で向かう」
ザワザワ… ドヨドヨ…
「誰だよあれ? すげえ馬車から出てきたぜ」
「よっぽどのお偉いさんに違いない……」
「凄まじい威厳だ……ひれ伏したくなっちまう」
― 勇者の家 ―
コンコン…
女剣士「はい」
真勇者「失礼する」
女剣士「え……ッ!」
女剣士(誰……? とてつもない威圧感だわ……)
真勇者「この家の主が、“勇者”を名乗ってると聞いたのだが、間違いないかね?」
女剣士「失礼ですが、あなたは?」
真勇者「これは失敬。私は……“勇者”だ」
女剣士「!」
女剣士(……まさか、本物の勇者様!? 勇者さんを処罰しにやってきたというの!?)
コンコン…
女剣士「はい」
真勇者「失礼する」
女剣士「え……ッ!」
女剣士(誰……? とてつもない威圧感だわ……)
真勇者「この家の主が、“勇者”を名乗ってると聞いたのだが、間違いないかね?」
女剣士「失礼ですが、あなたは?」
真勇者「これは失敬。私は……“勇者”だ」
女剣士「!」
女剣士(……まさか、本物の勇者様!? 勇者さんを処罰しにやってきたというの!?)
勇者「誰か来たの?」
少女「お客さん?」
女剣士「あ、あの……」
勇者「あっ!」
真勇者「…………」
しばし、見つめ合う。
勇者「懐かしいなぁ!」
真勇者「ああ……五年ぶりか」
女剣士「え……え!?」
勇者「少女ちゃん、お酒用意して!」
少女「はいはーい」
少女「お客さん?」
女剣士「あ、あの……」
勇者「あっ!」
真勇者「…………」
しばし、見つめ合う。
勇者「懐かしいなぁ!」
真勇者「ああ……五年ぶりか」
女剣士「え……え!?」
勇者「少女ちゃん、お酒用意して!」
少女「はいはーい」
勇者「カンパーイ!」
真勇者「乾杯」
カチンッ
女剣士(私は夢でも見ているの!?
大英雄である勇者様が目の前にいて……勇者さんと乾杯してる!)
女剣士「少女ちゃん、どういうことか分かる?」
少女「んー、あたしにも分からないな」
勇者「ぷはーっ、うめえ!」
真勇者「ああ……こんなうまい酒は久しぶりだ」
真勇者「乾杯」
カチンッ
女剣士(私は夢でも見ているの!?
大英雄である勇者様が目の前にいて……勇者さんと乾杯してる!)
女剣士「少女ちゃん、どういうことか分かる?」
少女「んー、あたしにも分からないな」
勇者「ぷはーっ、うめえ!」
真勇者「ああ……こんなうまい酒は久しぶりだ」
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