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    元スレ斧戦士「攻撃当たんねえ!」闇魔術師「嫌われたくない……」竜「火を吐けない」姫「触手になりたい!」

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    1 :

    ― 訓練所 ―

    斧戦士「いくぜっ! どぉりゃぁぁぁぁぁっ!」ブオオンッ

    剣士「おっと」サッ

    斧戦士「あっ」

    剣士「たっ!」シュバッ

    ピタッ…

    剣士「あたしの勝ちだな」

    斧戦士「オーノー!」

    剣士「あんたは大振りしすぎ。あんなの避けて下さいっていってるようなもんだ」

    剣士「パワーはあるんだからそこを直せば、きっと飛躍的に――」

    斧戦士「ふん、斧は大振りしてナンボよ! 直すつもりなんてないぜ!」ザッザッ

    剣士「ったく……」

    2 = 1 :

    ― 城下町 ―

    斧戦士「あ~……くそっ! このところ全然勝てなくなってきた……」

    ビュウッ…

    斧戦士「……っと、風か」



    幼女「あっ!」

    幼女「あたしの帽子が! 木に引っかかっちゃった!」

    幼女「取れない~!」ピョンピョン

    闇魔術師「クックック、どれ俺に任せてみろ」

    幼女「ひっ!?」

    3 = 1 :

    闇魔術師「闇の手よ……伸びろ」ズオオオ…

    グジュグジュグジュグジュグジュ…

    手の形をした闇のオーラが帽子をつかんだ。

    闇魔術師「はい、どうぞ」ニタァ…

    幼女「ひいい……!」ガタガタ…

    闇魔術師「え」

    幼女「うわぁぁぁぁぁん! 怖いよ~!」タタタタタッ

    闇魔術師「……あ」



    斧戦士「…………」

    4 = 1 :

    闇魔術師(なぜだ……俺が何をしたというんだ……)

    斧戦士「おい、あんた」

    闇魔術師「…………!」

    斧戦士「今の……見てたよ」

    闇魔術師「えっ!」ドキッ

    斧戦士「災難だったな……」

    闇魔術師「問題ない……いつものことだ」

    斧戦士「こうして出会ったのもなんかの縁、酒場で一杯どうだ?」

    闇魔術師「よかろう」

    5 = 1 :

    ― 酒場 ―

    ワイワイ… ガヤガヤ…

    斧戦士「あんた、闇魔法の使い手か?」

    闇魔術師「うむ」

    斧戦士「昔、闇魔法で大暴れした≪暗黒教≫なんてやべぇ団体もあったし」

    斧戦士「闇魔法の使い手なんてみんな悪党だと思ってたが、子供助けるようなこともするんだな」

    闇魔術師「なにをいうか!」ギロッ

    斧戦士「うおっ!」ビクッ

    闇魔術師「闇魔法は魔法属性の一つに過ぎず、断じて悪などではない!」

    闇魔術師「使い方を誤らねば、闇魔法だって人々の役に立つことができるのだ!」

    斧戦士「わ、悪かった悪かったよ」

    6 = 1 :

    斧戦士「だけどさ、悪でないって主張するなら、もう少し明るい格好した方がいいんじゃねえか?」

    斧戦士「あんたのそのローブ、いかにも闇ですって感じだし」

    闇魔術師「……む」

    闇魔術師「まあ、これは……魔法というのはどうしても気持ちが大切だからな」

    闇魔術師「闇魔法を扱うなら、こういう身なりをしていた方が精度が高まるのだよ」

    斧戦士「そういうもんなんだ」

    闇魔術師「そういうものなのだ」

    斧戦士「他の魔法に取り組むつもりはないのか?」

    闇魔術師「このままじゃろくに仕事にもありつけぬし、それも考えたのだが……」

    闇魔術師「我が家は代々闇魔法の家系でな。そう簡単に他の魔法に浮気するわけには……」

    斧戦士「分かる! 分かるぜぇ、その気持ち!」

    7 = 1 :

    闇魔術師「分かるということは……お前も?」

    斧戦士「ああ、俺は斧の豪快さに憧れて、斧使いになったんだが」

    斧戦士「このところは剣技の進歩がすごくて、すっかり勝てなくなっちまったんだ」

    斧戦士「今や斧なんて時代遅れの武器、なんていう野郎もいるしよ……」

    斧戦士「だけど俺も、他の武器に乗りかえるなんてことはしたくねえんだ!」

    斧戦士「斧の凄さを見せつけて、みんなを見返してやりてえんだ!」ズンッ

    闇魔術師「ククク……我らジャンルは違えど、同じ志を持つ者同士のようだ……」

    闇魔術師「……やってやろうではないか」

    斧戦士「おう、やってやろうぜ!」

    8 = 1 :

    闇魔術師「しかし、がむしゃらに動いても効果がないのは目に見えている」

    斧戦士「ああ、でかい手柄を立てたり、偉い人とコネ作ったりしなきゃな」


    ワイワイ… ガヤガヤ…

    傭兵A「聞いたかよ、東の山にドラゴンが出没するって」

    傭兵B「え、マジかよ? ドラゴンっていや、最上位の魔物じゃねえか!」

    傭兵C「俺らで退治すりゃ、一気に名を上げられるぜ!」

    ガヤガヤ… ワイワイ…


    斧戦士「オーノー! 渡りに船とはこのことだな!」

    闇魔術師「うむ……竜を退治したとなれば、斧と闇魔法の評判を上げるには十分すぎる」

    10 = 1 :

    斧戦士「おい、お前ら!」

    傭兵A「なんだ?」

    斧戦士「今のドラゴン退治の話、俺らも一枚噛ませてくれねえか?」

    傭兵A「えぇ~? あんまり人数が増えるとなぁ……」

    闇魔術師「よろしく頼む」ヌゥッ

    傭兵A「ひっ!? ビ、ビックリした!」

    傭兵B「まあ、いいんじゃねえか? なにしろ相手が相手だし、人数は多い方がいいだろ」

    傭兵A「それもそうだな……。分かった、あんたらも仲間に入れてやるよ」

    斧戦士「ありがとよ!」

    11 = 1 :

    次の日――

    ― 東の山 ―

    斧戦士「ここか……」

    闇魔術師「竜がいてもおかしくはなさそうな山だな」

    斧戦士「だが、妙だな……俺も竜については多少聞きかじっちゃいるが」

    斧戦士「こんな人里に近い山で暮らすなんてありえねえんだが……」

    傭兵A「おい、なにくっちゃべってやがる! ついて来ねえと置いてくぜ!」

    斧戦士「おう、悪い悪い!」

    ザッザッザッ…

    13 = 1 :

    ザッザッザッ…

    傭兵A「お、いやがったぞ!」

    傭兵B「あれが竜か! はじめて見た!」

    傭兵C「で、でけえ……」


    「…………」ズゥゥゥン


    闇魔術師「おお……なんという迫力! これが竜というものか……!」

    斧戦士「…………?」

    14 = 1 :

    傭兵A「みんな、気をつけろよ!」チャキッ

    傭兵B「おう!」チャキッ

    傭兵C「慎重にいかねえと、あっという間に全滅だぜ!」チャキッ

    剣を構える傭兵たち。

    「…………」オロオロ…

    傭兵A「お前らも援護頼むぜ!」

    闇魔術師「分かっている……」ズズズズズ…

    斧戦士「…………」

    闇魔術師「ん? どうした?」

    斧戦士「俺は一回だけ竜を見たことあるんだが、あんなもんじゃなかった」

    斧戦士「もっととんでもないデカさだったぜ」

    闇魔術師「ということは、あれはまさか――」

    斧戦士「ああ……竜の子供だ」

    闇魔術師「……なんだと?」

    15 = 1 :

    傭兵A(そーっと近づいて……)

    傭兵A「どりゃ!」ザシュッ

    「グッ!」

    傭兵B「もいっちょ!」ズバッ

    「グアアアッ……!」

    「すぅ~……」

    斧戦士「気をつけろ! 火を吐いてくるぞ!」

    傭兵A「マジかよ、やべえ! みんな、下がれぇ!」

    「フーッ!!!」


    シーン…


    傭兵A「……へ?」

    16 = 1 :

    「あ、やっぱりダメだぁ……。吐けない……火を吐けないよぉ……」

    傭兵A「…………」

    傭兵A「こいつ……ひょっとして弱いんじゃね?」

    傭兵B「ああ、さっきから全然攻撃してこないしな」

    傭兵C「だとしたらチャンスじゃねえか? こんなんでも竜には違いないしな」

    傭兵A「そうだな……死体にしちまえば“竜殺し”ってことにはかわりねえか!」

    傭兵A「よーし、やっちまえーッ!!!」

    「ひっ……!」



    ザシュッ! ズバッ! ザクッ! ドシュッ! ザンッ!

    17 = 1 :

    傭兵A「ひゃははは、体丸めてやがる!」ザシュッ

    傭兵B「うはっ! 完全に怖気づいてるぜ!」ザクザクッ

    傭兵C「オラオラ、少しは反撃してみろよ! このヘタレ竜!」ザンッ

    「ひいいいいいっ……!」

    傭兵A「お前らもやれよ! こいつは斬りがいがあるぜ!」ズバッ



    斧戦士「…………」

    闇魔術師「…………」

    18 = 9 :

    これはひどい

    19 :

    ほう

    20 :

    面白くなったら呼んで

    21 :

    これがゴブリンスレイヤーか

    22 = 1 :

    斧戦士「おい……」

    傭兵A「?」

    斧戦士「その辺にしとけよ」

    傭兵A「はぁ? なにいってやがる」

    傭兵B「こいつの首を町に持ってかえりゃ、一躍ヒーローだぜ!」

    斧戦士「それ以上やるってんなら……まずは俺が相手だ!」ズンッ

    斧を構える斧戦士。

    傭兵A「はぁ? ギャハハッ、んな斧で俺らと戦う気かよ!?」

    傭兵B「おもしれえ、まずてめえから血祭りに上げてやるよ!」

    斧戦士「…………」

    23 :

    >>20
    面白いから恋

    24 = 1 :

    斧戦士「ふんぬっ……ぬおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」ブオンッ

    ドカァンッ!!!

    ミシミシ…

    傭兵A「ちょっ……あんなでかい木を……」

    傭兵B「ケッ、ビビるな! あんな大振り、見せかけだけ――」

    闇魔術師「俺も相手になろう……」

    闇魔術師「闇の魔力で動きを縛れば、あの斧をもろに喰らうことになるな……」ズズズズズ…

    傭兵A「な……! てめえまで……!」

    傭兵ABC「…………」ゴクッ…

    傭兵A「ちっ、行こうぜ!」

    傭兵B「なんだこいつら……」

    傭兵C「魔物に肩入れするなんてイカれてやがる……」

    タタタッ…

    傭兵たちは逃げ去っていった。

    25 = 9 :

    やだかっこいい

    26 = 1 :

    斧戦士「ふぅ……逃げてってくれたか。ありがとよ、闇魔術師」

    闇魔術師「いや……あの竜と、いつも疎まれている俺の姿がダブってしまったのでな」

    斧戦士「おい竜、大丈夫か?」

    「う、うん……ありがとう。いたた……」

    斧戦士「傷だらけじゃねえか……。薬草はあるけどこんなデカイ体に効くかな……」

    闇魔術師「問題ない。俺が闇魔法で治癒してやろう」ニタァ…

    「え、ホント? ありがとう!」

    斧戦士「闇魔法って回復もできるのか!」

    闇魔術師「この闇オーラで傷口を覆えば、すぐさま治る」グジュグジュグジュ…

    斧戦士(うげ……なにあれ)

    「やだ! やっぱり治さなくていい!」

    闇魔術師「なぁに、すぐ終わる……」グジュグジュグジュグジュグジュ…

    「やだぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

    27 = 1 :

    ……

    斧戦士「なるほど、火を吐けなくて、親から見捨てられちまったと」

    「うん……竜にとって火を吐けないってのは恥さらし、竜として認められないから」

    「お父さんとお母さんにここに置き去りにされちゃったんだ……」

    斧戦士「ライオンは子供を谷底に突き落とすなんていうが、竜の世界も厳しいんだな」

    闇魔術師「こんな竜を退治するのは気がひける。別の仕事を探そうではないか」

    斧戦士「そうだな」

    斧戦士「なあボウズ、この辺で悪さしてる魔物だとか山賊だとか知らねえか?」

    「ごめん、分からない」

    「あ、でも、触手のおじさんならなにか知ってるかも!」

    斧戦士「触手のおじさん?」

    28 = 23 :

    触手のおじさん?

    29 = 1 :

    「この山で暮らしてる触手の魔物だよ!」

    「物知りで、ボクもいつもお世話になってるんだ!」

    闇魔術師「ほう……」

    斧戦士「俺らは人間だけど、会ってくれんのか?」

    「大丈夫だと思う。特にそっちの魔術師さんは、人間っぽくないし」

    闇魔術師「ほっとけ」

    斧戦士「分かった! ボウズ、その触手のとこに案内してくれ!」

    「うん、分かった! ついてきて!」ズシンズシン…

    30 = 1 :

    触手の生息地――

    「おじさん!」

    触手「……む? おおっ、竜の子供か」ウネウネ

    斧戦士(マジで触手じゃんか……!)

    闇魔術師(さながら陸上のイソギンチャクといったところか)

    触手「この人間たちは?」ウネッ

    「この人たちはいい人だよ。ボクが退治されそうになってるところを助けてくれたんだ!」

    触手「今時珍しいタイプの人間だな」

    「で、この人たち、おじさんの知恵を借りたいんだって!」

    触手「私の?」

    斧戦士「実は……」

    31 = 1 :

    触手「ふぅむ、大手柄を立てるチャンスや大物とのコネクションを欲しているのか」ウネウネ

    「なにか心当たりない?」

    斧戦士(あるわけねーよな)

    闇魔術師(触手に頼ってそんなものに巡り合えたら苦労はせん)

    触手「……一つだけある」ウネッ

    斧戦士「え、あるの!?」

    触手「私の知り合いにこの王国の姫がいる」

    触手「ちょうどお前たちのようなフリーな戦力を探していると聞いていた」

    斧戦士「マジかよ!」

    闇魔術師「この国の姫なら、コネクションとして申し分ないな」

    斧戦士「で、どうやったら会えるんだ!?」

    触手「どうやったらもなにも、彼女はもうすぐここに来るはずだ」

    斧戦士「ここに!?」

    闇魔術師「やってくるだと!?」

    32 = 1 :

    闇魔術師「労せずして、この国の姫と会えるなどツイてるな!」

    斧戦士「おう! 逆玉狙っちゃったりして……」ウヒヒ…

    触手「…………」ウネ…

    「おじさん、なんだか浮かないうねり方してるね。どうして?」

    触手「いや……」


    「こんにちはー!」タタタッ


    触手「お、噂をすれば来たぞ」

    斧戦士(いったいどんな人だろう……)ドキドキ…

    闇魔術師(俺としたことがドキドキしてきたぞ……)ドキドキ…

    (お姫様かぁ……)ドキドキ…

    33 = 1 :

    「あれ? 今日は人がいっぱいね。わっ、竜までいる!」

    触手「うむ、来客があってな」ウネウネ

    斧戦士(おおっ、可愛い! 結婚したい!)

    「そうだったんですか! 師匠も人気者になりましたね!」

    斧戦士&闇魔術師(師匠……?)

    「私、この王国の姫です! どうぞよろしくお願いします!」グネリッ

    斧戦士&闇魔術師&竜「!?」ギョッ

    斧戦士(なんだ!? 体がすごい曲がり方したぞ!?)

    闇魔術師「あ、あの……さっきの“師匠”というのは……? まさか……?」

    「ええ、私どうしても触手になりたくて、師匠に弟子入りしたの!」

    「修行の成果があって、今ではこの通り!」ウネウネウネ

    斧戦士「オーノー!」

    闇魔術師「えええ……」

    「ぐにゃぐにゃしてるぅ……」

    34 = 23 :

    つまり膣の中も・・

    35 = 1 :

    「おじさんにこんなお弟子さんがいるなんて知らなかったよ」

    触手「いや、弟子にした覚えはないんだが……」ウネェ…

    「いーえ! たしかに弟子にするっておっしゃってました!」グネリッ

    闇魔術師(今、首が180度くらい回ったぞ……)

    斧戦士「えーと、どうやったらそんなになったんだ?」

    「毎日のストレッチと……あとお酢を飲むことかしら」

    斧戦士(そんなんで、絶対そんなにならないだろ……)

    触手「それより、この者たちがお前に相談があるようなのだ。聞いてやってはくれんか」

    「はいっ! 師匠命令とあらば!」ビシッ

    36 = 1 :

    ……

    「それなら、ちょうどいい仕事があるわよ!」

    「私、あなたたちのような名前が売れてないフリーな戦力を探してたの!」

    「もちろん、うまくいったら、斧や闇魔法を存分に支援してあげるわ!」

    斧戦士「よっしゃあ!」

    闇魔術師「……で、どのような仕事なのだ?」

    「やって欲しいのは、ある男女の護衛よ」

    斧戦士「護衛か……」

    闇魔術師「男女とは? 誰のことだ?」

    「うーん、それを説明するのはここよりお城の方がいいわね」

    斧戦士「結構込み入った話みてえだな」

    闇魔術師「分かった、場所を変えよう」

    37 = 1 :

    「あ、あの……」

    斧戦士「ん?」

    「ボクもついていっちゃ、ダメかな?」

    斧戦士「別にいいけど……どうして?」

    「ボクも、なにかお兄さんたちに恩返しをしたいんだ!」

    斧戦士「へっ、気にすることないのによ」

    闇魔術師「ついてきたければついてくるがいい」

    「うーん、だけど竜がやってきたら、お城が大騒ぎになっちゃうわ」

    「それなら大丈夫! ボク、人間に化けれるから! それっ!」ボワンッ

    「えっ!?」

    38 :

    見てるぞ

    39 = 23 :

    えっ!?

    40 = 1 :

    竜は一瞬で少年になった。

    少年「……ね?」

    斧戦士「おお、すげえ! ちゃんと服までできてやがる!」

    闇魔術師「子供の竜が人間に化けると、やはり子供になるのだな」

    「可愛い……捕獲しちゃいたいぐらいよ……」グネリッ

    少年「ひっ!」

    闇魔術師「どうして今までそれをやらなかったのだ?」

    闇魔術師「そうすれば、さっきのように狙われることもなかったろうに」

    少年「竜の世界では、人の姿に化けるのは誇りを捨てることだって教えられてるから……」

    斧戦士「なるほどなぁ。で、捨てちまっていいのか?」

    少年「ボクあまりそういうの気にしないから」

    「柔軟なのはいいことよ! 師匠や私のようにね!」ウネウネウネ

    斧戦士(あんたは柔らかすぎなんだよ!)

    41 = 1 :

    「それじゃあ師匠、行ってきます!」

    触手「うむ」ウネウネ…

    ザッザッザッ…

    触手「…………」ウネ…

    触手(パワーだけはある斧戦士、嫌われたくない闇魔術師、火を吐けない竜、触手になりたい姫、か)

    触手(なんともわけの分からん組み合わせだが……)

    触手(何か……やれるかもしれんな)

    …………

    ……

    42 :

    みてる

    43 = 1 :

    斧戦士「ところで姫様よぉ、なんで触手になりたいなんて思ったんだ?」

    「私、幼い頃、この山で迷子になって師匠に助けられたことがあるの」

    「それで師匠みたいになるのが夢になって……」

    闇魔術師「しかし、人間と触手は種族が違う。よく“なりたい”と思ったものだ」

    「だってうちの騎士団長、まるで熊みたいだし、私も“なれる”って思っちゃったのよね」

    斧戦士「ハハハ、なんだそれ」

    闇魔術師「人を熊呼ばわりなど、ひどい話だ」

    少年「いくら熊に似てても、人間は人間だよねえ」

    「えーっ、ホントにそっくりなんだから!」

    ハハハハ… ワイワイ…

    44 :

    わくてか

    45 = 1 :

    ― 城 ―

    「門番に話つけてきたから、あなたたちも中に入れるわよ」

    斧戦士「まさか城に来ることになるとはな……」

    闇魔術師「さすがに緊張するな」

    少年「うわー、おっきい……」

    「さ、ついてきて!」



    「おや? 姫様、お帰りなさいませ」ヌゥッ

    46 = 1 :

    騎士団長「今日はお客をお連れですか」

    斧戦士「く、熊ァ!?」

    闇魔術師「なんでこんなところに熊が!?」

    少年「熊、怖いよぉ……!」

    「ちょっと、あなたがビビってどうすんのよ」

    騎士団長「おや、皆さん私のあだ名をご存じで? 光栄ですな」

    斧戦士(そりゃ分かるって……)

    「ね、熊みたいでしょ」

    斧戦士&闇魔術師&少年「うん」

    騎士団長「ハハハ、光栄ですな」

    47 = 1 :

    「ただいま!」

    執事「お帰りなさいませ、姫様」

    執事「お客様もようこそいらっしゃいました。さ、こちらへどうぞ」

    スタスタ…

    斧戦士(すげぇ~、城なんてはじめて入った!)キョロキョロ

    闇魔術師(いいのかな……俺みたいなのがこんなところに来て)キョロキョロ

    少年(絨毯フカフカだぁ~)キョロキョロ

    「三人とも、キョロキョロしすぎ」

    「お姉ちゃん、入るわよ」コンコン…

    「どうぞ」

    斧戦士(お姉ちゃん!? ――ってことは、第一王女サマか!)

    ギィィィ…

    48 = 1 :

    「あら、いらっしゃい」ニッコリ…

    「お姉ちゃん、協力してくれそうな人たちを連れてきたわ!」

    「まぁっ、ホント?」

    斧戦士(おお、キレイだ……!)

    闇魔術師(だが、安心はできん……前例がいるからな)

    斧戦士「あの、お姉さん、たとえば夢が“スライムになること”なんてオチはないっすよね?」

    「そんなことありませんけど」

    斧戦士&闇魔術師(よかった……)ホッ…

    少年「?」

    「なにホッとしてるのよ!」

    49 = 23 :

    ホッ・・

    50 :

    斧ののか


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