元スレ男「えっ? な、なっ、何これ? 女の子になってる!?」
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151 = 150 :
ー男部屋ー
男(はぁ……はぁ……思わず逃げ出しちゃった……)
男は自分の部屋に入るなりベッドの上に飛び乗った。
そのまま仰向けになると、ふーっと、深く溜め息を吐き、今日の出来事と男友の事を考えていた。
男(助けに来てくれた時の友……格好良かったな……)キュン
男(身体が変化してから、心も女の子になってきてる……?)ドキドキ
男(この服……友の匂いがする……)クンクン
男はベッドの上で、男友の服の匂いを嗅いでいると、何故か変な気分になり自然に手が動いていた。
男(変だよぉ……なんで友の事を考えると、胸がドキドキして……体が……熱くなって……)ムニュムニュ
男「んっ……あっ! ぁん……」
男(僕どうかしちゃったのかな……? こんな事して……)カァッ
男(でも、気持ち良くて手が止まらないよぉ……)クリクリ
『女はエッチの時、男の何倍も気持ちいいらしいぞ』男の脳裏に男友が言った言葉が浮かんだ。
男「友のいう通りだ……。んっ、はぁはぁ……んぁっ……」コリコリ
男(や、やだっ……変な声がでちゃう……) カァァッ
153 = 150 :
男(女の子の体って……んっ、な、なんで……こんなに敏感……なの)
男(ふぁ? なんか濡れてる……)ヌル
男「ぁぁ……あっ……んっ」チュクチュク
男(やだ、なっ、なにこれ……気持ち良すぎるよぉ……)ビクッ
男「友……友……ともぉ……ぁん、あっ……」クチュクチュ
男(頭がふわふわして……僕、僕、どうにかなっちゃいそうだよぉ……)
男「ぁっ、ハァ……ハァ……んっ……あっ、あっあーっ!」ビクンビクンッ
男「はぁ……はぁ……びしょびしょだ……」
男(僕……友の事を考えて……一体なにをしてるの……)カァァッ
154 = 150 :
疲れた、ちょっと休憩
156 :
ほす
158 :
159 = 150 :
ー翌朝ー
男母「男ー、友君が来てくれたわよー」
男「はぁーい……」
トントンガチャ
男友「男入るぞー。おはよー」
男「あっ……とっ、友……おはよ……」ドギマギ
男友「ん? どうした?」ニコッ
昨日の事を思いだし、男は男友の顔をまともに見られない。
男「うっ、ううん。なっ、何でもない……」カァッ
男友「?」
男友「部屋の外で待ってるから。着替え終ったら教えてくれ」
男「あ、あの、べっ、別に部屋の中で待ってても……いいよ」ボソッ
男友「えっ? えーっ! マジでー!?」
男「うん……」コクリ
160 = 150 :
男「……」スルスル
男友(こっちからだと……背中しか見えないけど……やべぇ)ゴクリ
男友(はぁ……白いなぁ……スベスベだなぁ……綺麗だなー)ウットリ
男(背中越しに、友の視線を凄く感じる……恥ずかしいよぅ……で、でも友になら……)
男友(それにしても、あんなに裸を見られるのを嫌がってたのに、どうしたんだろう?)
男物の制服に身を包み終った男が、放心状態の男友に声をかけた。
男「お待たせ、さ、学校に行こ」
男友「あ、ああ……」ボーッ
161 = 150 :
ー登校途中ー
男「友ー?」
男友「……」
男「ねぇ、ねぇ? 友ったらー」
男「……」
男「えいっ!」ポカッ
男友「いてっ!」
男「もうっ! さっきからボーッとしちゃって……」
男友「ん、ああ……」
男「どうしたの? 寝不足? ほーら、しゃきっとしなよー」クスッ
男友(んな事言ったって、朝からあんな刺激の強いもん見せられたら、そりゃな……)
162 :
今から寝るけど俺も朝おんしたいね
163 = 150 :
ー教室ー
女「おはよー。男君今日も可愛いねー」
男「可愛いって僕は男なんだよ?」
女「だってホントの事じゃん」
男「うぅ……」
男友「おいっ女! あんまり男をからかうなよ」
女「はいはい。ごめんねー男君があんまりにも可愛くてさー」クスクス
男友「全くこいつは……」
男友(それにしても男の女化、よく誰にもバレないな)
男友(まあ、もともと女の子みたいな外見だったしな)
男友(DQNにはバレたけど、あんだけ脅かせば大丈夫だろうし)
男友(このまま何事もなく過ごせればいいな)
165 :
妄想すればいい
想像の世界は自由さ
166 = 150 :
ー放課後ー
男友「あー、今日も一日勉学に励んだなー」
女「何言ってんのよ。あんた午後の授業ずっと寝てたじゃない」
男友「寝る気は無かったんだけど、気づいたら寝てた」
男「あははっ」
女「男君、こんな不真面目な奴にノート見せてって、言われても見せちゃダメだからね」
男「えっ、でも……」
女「男君が優しくすると、こいつ付け上がるからさー」
男友「そ、そんな~……俺はお前だけが頼りなんだよ~」ガシッ
男「頼りだなんて……そんな、僕、困っちゃう……よ」
167 = 150 :
女(ふふっ…なんだかんだで、この二人上手くいってるみたいね)クスッ
女(さてと、じゃあ邪魔者は消えてあげますかねっと)
女「じゃあ男君また明日ね。あ、ついでに友も、じゃあねー」スタスタ
男「うん、また明日ね女さん」
男友「おいっ! ついでにってなんなんだ! 全く……」
女が出て行き、他に誰も居なくなった教室が静寂に包まれた。
男「……」
男友「……」
男「僕達も帰ろっか?」
男友「そだな」
168 = 150 :
ー帰り道ー
男友「今日も誰にもバレずに、済んで良かったな」
男「う、うん」
男友「どうした?」
男「な、何でもない……」モジモジ
男友(男の様子がおかしいな?)
何かを言いたげな男は、思いきって口を開いた。
男「あの……。あのね……」
男友「ん? どうしたんだよ? 遠慮しないで何でも言えよ」
169 = 150 :
男「昨日のお礼にね、今日……僕の家に来ない?」
男友「へっ……?」
男「昨日は友にいっぱいお金使わせちゃったでしょ……? だからお礼がしたいんだ……」
男「明日土曜日だし……家に、とっ、泊まりに来ないかなって……?」モジモジ
男友「俺が、おまえの家に泊まりに行っていいの?」
男「うん……」コクリ、カァァッ
男友「マジで!? 行くっ! 行くに決まってる!」
男「そ、そう? じゃあ、僕が夕御飯作って、ご馳走するね」ニコッ
男友「おう。楽しみにしてるぜ 」
男(良かった。友が来てくれる……嬉しいな……えへへ)
男友(男の家にお泊まりかぁ……うへへ……)
171 = 150 :
ー男家ー
男(友は何を作ったら、喜んでくれるかな~♪)
男(僕……いつから友の事をこんなに好きになってたのかな……?)
男(男のだった時も、確かに友の事は好きだったけど、それは友達としてだったのに……)
男(女の子になってから、気持ちがどんどん傾いていって……)
男(でも……友はきっと気持ち悪いよね……? 男の僕なんかに好かれてるって知ったら……)
男(はぁ……心が苦しい……僕どうしたらいいんだろう……?)
男(考えても仕方ないや……友が来る前に、買い物行かなきゃ……)ガチャ、バタン
172 :
オトコニモドッテルパターンノヤツヤ
173 = 150 :
━商店街━
男「 えーと、豚肉と人参、ジャガイモ、玉ねぎ、あとしらたきも入れなきゃね」
男「肉じゃがの材料はこんなものかなー?」
男「あとはえーと、お魚と……」
男「んーっ、こんな物で今日の夕御飯は大丈夫かな?」
スーパーで食材を買った男は、商店街の中を通り家路を急ぐ。そんな中、見覚えのある店が目に入った。
男(あ、この前、友に服を買って貰ったお店だ……)
男(そういえば僕、下着は未だに男物なんだよね……)
男(ブラしないとおっぱい擦れて痛いし……いい加減女の子の下着買っていこうかな……?)
174 = 156 :
別に戻っててもいいわ
175 = 150 :
━洋服屋━
男「……」ソロリ
店員「いらっしゃいませ。あら、あなたこの間の?」
男「覚えているんですか?」
店員「ええ勿論、特徴のあるお客さんは忘れないわよ」
男「そうなんですか?」
店員「あなたたち、ちょっと変わったカップルだったからね」
男「あ、あはは、そ、そうですね……」
店員「今日はあの背の高い彼氏は、一緒じゃないの?」
男「あ、あとで会います……」
店員「そう、若いって良いわね。ラブラブね」
男「そ、そそっ、そんなんじゃないです!」
店員「ところで今日は何を買いに来たのかしら?」
男「あ、あの……下着……なんですけど……」カァァッ
176 = 150 :
店員「そっか、勝負下着を買いにきたのね? ふふっ」
男「しょ、勝負下着!? ちち、ちがいま、ます!」アタフタ
店員「ほら、遠慮しないの。お姉さんが一緒に選んであげるから」グィ
男「あ、あの、ちょっ……」
強引に店員に引っ張られ男は、下着コーナーへ連れて行かれる。
店員「ふふ、あなた可愛いからどれも似合いそうね。これなんかどう?」
店員は黒いレースの下着を、男の前に差し出した。
店員「どう? この上下で彼氏を悩殺しちゃう?」クスクス
男「……こ、こ、こんな、なの、ぼ、僕には、むっ、無理です……」カァァッ
177 = 150 :
店員「あらそう? あなたなら肌も白くて綺麗だから似合うと思うけどなー?」クスクス
男「そ、そ、そんな訳、な、なっ、ないです……」
店員「あら残念ね、じゃあこっちは?」スッ
店員はそう言って、真っ赤なTバックを差し出した。
男「……そ、そんなえっちなの……ぼ、僕には……」カァッ
店員「あははっ、だよね。この2つは君の歳にはまだ早いかな?」
男「あぅぅ……」
店員「ごめんね、ついからかいたくなっちゃった。今度は真面目に選ぶからね。」
店員「うーん、あなたの歳なら黒や赤より、白とかピンクの方が似合うわね。これはどう?」
男「あっ、それ可愛い……です」
178 :
うおおおおおお
179 = 150 :
男「じゃあこれの上下でお願いします」
店員「ところであなたスリーサイズはいくつなの?」
男「えっ? えーと……あの、その……」
店員「自分のスリーサイズ測った事ない? 忘れちゃった?」
男「ご、ごめんなさい……」
店員「別に謝らなくてもいいのよ。じゃあ、ちょっと測ってみましょ」
店員「はい、両手をちょっと上げてね」
男「はい……」ドキドキ
店員「フムフム、トップが……で、アンダーが……で、ウェストは……、ヒップは……ね」
店員「このサイズがいいかな」
男「あっ、ありがとう……ございます……」
180 = 150 :
店員「可愛い下着だから、きっと彼氏も喜んでくれるわよ」
店員は商品を袋に詰めながら言う。
男「そ、そうかな……?」
店員「うんうん、きっと喜んでくれるわよ」
店員「うーんとおまけして1000円でいいわ」
男「えっ? こんな安くて……いいんですか?」
店員「ええ、サービスしてあげる。その代わりまた買いに来てね」
男「あっ、ありがとうございます」
店員「彼氏に宜しくね♪」
男「……は、はい」カァッ
店員「有難うごさいましたー」
男(女の子の下着買っちゃった……)
男(さ、早く帰らないと、友が家に来ちゃう)タタタッ
181 = 150 :
ー男家ー
ピンポーン
男友「男居るかー?」
男「はーい。早いねー」ガチャ
男友「そうか? ほいお土産」
男友は、買ってきたケーキの箱を男に手渡す。
男「そんな気を遣ってくれなくて、良かったのに……」
男友「ま、いいじゃん。買っちゃったんだから」
男「うん、ありがと。どうぞ上がって」
男友「お邪魔しまーす」
182 = 150 :
男友が玄関を上がると、いつも笑顔で出迎えてくれる男母の姿が見えなかった。
男友「あれ? 今日おばさん居ないの?」キョロキョロ
男「あ、母さん今日夜勤なんだ」
看護師をしている男の母は夜勤の為、家を空けていた。
男友「という事は、今日はお前と二人きり……なの?」ドキドキ
男「うん……」
男友「そ、そっ、そうか……二人きりか……」
男「そうだよ」ニコッ
男友(やばい……俺理性を抑えられるか心配だぜ……)
男「僕、夕御飯作ってるから、友は僕の部屋でくつろいでてね」
男友「お、おう……」
183 = 150 :
ー男部屋ー
男友「男の部屋は相変わらず綺麗だな。俺の部屋とはえらい違いだ……」
男の性格を表した、キチンと整理整頓されている清潔な部屋を見渡して、男友は一人呟いた。
男友(今は女の子とはいえ、奴も男、エロ本や、エロDVDの1つや2つ隠してあるに違いない)ガサゴソ
男友(ねぇよ……全くねえ……男は聖人君子か? なにか面白い本でも無いかな?)ゴソゴソ
エロ本探しを諦めた男友は、暇を潰せる物を求め、本棚に手を延ばした。
男友(むむ、これは中学の卒業アルバム)スッ
男友(おっ! この娘可愛いな)ペラッ
男友が目に止めた写真は、学芸会か何かのお姫様役っぽい、長い黒髪が可愛らしい少女の写真だった。
男友(いかん、いかん、俺は男一筋なのに……この娘はほっといて)
男友(男が写っている写真無いかな~? おっ、いたいた)
男(今よりちょっと幼い感じだけど、この頃からやっぱり可愛いな……)
男友がアルバムに魅っていると、食事の準備を終えた男が部屋に入ってきた。
ガチャ
男「友~っ、ご飯の準備出来たよ~」
184 = 150 :
部屋に入った男は、卒業アルバムを見ている男友を視界に認めると、凄い剣幕で走りだした。
男「あーっ! 何見てるのー! ダメーっ!」ダダダッ、バッ
男は慌てて男友から、卒業アルバムを取り返した。
男友「なぁ、学芸会っぽい写真が有ったけど、お姫様の娘モテただろ? すげー美少女じゃん」
男「うぅ……」カァッ
男友「あれ? 男真っ赤だぞ? ひょっとして、中学の時に好きだった娘だったとか?」ニヤニヤ
男「……」ボフン
男友「その反応は図星か~? その娘すげー可愛いもんなー」クスクス
185 = 150 :
男友はニヤニヤしながら、男をからかった。
男「ちっ、違うの……そのヒロイン役のお姫様って……ぼっ、僕なの……」
男友「はぁ? えーっ!? 嘘だろ、だ、だって髪が長いし……」
男「それ、かつら……」
男友「マジかよ……可愛い女の子にしか見えねーぞ……」
男友「それにしても何で? 中学の時は普通に男だったんだろ?」
男「あのね、クラスの女の子が面白がって、僕に化粧と女装してね……。似合うから、そのままヒロイン役もやれって、皆が言うんだもん……」
男友「マジかよ……すげーな」
男「うん……」
186 = 150 :
男友「そっかー、中学の頃から男は、女の子みたいに可愛かったんだな」
男「も、もう……またそんな事言って……」カァァッ
男友「小学生の男も見たいな」
男「だめー、これは絶対にだめーっ!」
耳まで真っ赤にした男は、小学校の卒業アルバムを後ろ手に隠す。
男友「ちぇ、見たかったなー」
男「さ、もうご飯にするよ!」グイッ
男友「あっ、おい、ちょっと」
男は男友の手を掴み、強引に部屋から連れ出した。
187 = 150 :
ー居間ー
男友「すげー……」
食卓の上に並んだ見事な料理の数々に、男友は思わず感嘆の声をあげた。
男「味は保証出来ないけどね……」
男は謙遜してそう言った。
男友「いやいや、どれも旨そうだ」
男「えへへ……」
男「さ、そこに座って」
男友「ああ」
男「じゃあどうぞ召し上がれ」
男友「おぉ、頂きます」
男「いただきます」
188 = 150 :
男友「うまいっ!」パクパク
男「そう? 良かったー」
ほっとした表情で男は応じた。
男友「ほれも、これも……むぐむぐ……皆んまい……」ムシャムシャ
男「友ったら、口に入れたまま喋ったら……お行儀悪いよ」
男友「……」ムグムグ、ゴクン
男友「わりぃ、余りにも美味しいから、ついがっついちまったよ」
男友「それにしてもお前が、こんなに料理上手とはな。びっくりしたよ」
男「ほら、うちはお母さんが働いてるから、昔から僕が結構作ったりしてたんだ」
男友「なるほどなー。男なら良い嫁さんになれそうだ」
男「も、もう友ったら、かっ、からかわないで……」カァァッ
男友「いや、マジで。だって今お前女の子じゃん」
男「内気で、言いたい事も中々言えなくて、人見知りで、人付き合いも下手で、僕なんかを好きになってくれる人なんて居るわけないもん……」
男友(目の前に居るんだけどな……)
189 :
おおおん!
190 = 150 :
男友「お前さ、自分の事をそんな卑下してるけど、短い付き合いの俺でも、お前の良い面いっぱい知ってるぞ」
男「えーっ……例えば?」
懐疑的な眼差しで男は友に聞いた。
男友「誰に対しても優しい所とか、他人を思いやれる気持ちとかさ。俺は男のそういう所が大好きだぞ」
男「友……」
男「……僕ね、昔から自分の容姿も性格も大嫌いだったんだ……」
男「いつも男の癖に、女みたいって言われててね。そこから引っ込み思案になって、人と話すのも、どんどん苦手になっていって……」
男友「……」
男「あ、ごめんね。変な話をしちゃって……」
男友「いや、お前の悩みや本音が聞けて嬉しいよ。それだけ俺が信頼されてるのかなってな」
男「いつも、いつも、友は優しい……ね」
男友「お前の方がよっぽど優しいよ」
191 = 150 :
男友は男の頭を撫でながら、慰めの言葉をかけた。
男友「お前にはお前の良いところがいっぱいある。だからそんな事を気にしないで、元気出せよ」ナデナデ
男「んっ……ありがと……」キュン
男(そっか……だから僕は友の事が……初めて会った時から、ずっと優しくしてくれた。いつも僕に気を使ってくれた、庇ってくれた)
男(女の子になったから好きになった訳じゃない。たぶん僕はきっと、最初から友の事を……)
男(どどどうしよう……胸の奥が凄くドキドキするよぅ……)
男友「話はその位にして、ご飯食べちゃおうぜ。折角お前が作ってくれたご馳走が冷めちゃうぜ」
男「うんっ、そ、そうだね……」
192 = 150 :
男友「ふぅー。ごちそうさま」
男「お粗末さまでした」
男友「こんなに美味しいご飯なら、毎日でも食べたいぜ」
男「そ、そう……? ホント?」ポッ
男「あっ、そうだ。食後のデザートに買ってきてくれたケーキ食べよ」
男友「ああ、そうだな」
男「わぁ、どれも美味しそう」
箱の中には苺のショートケーキ、モンブラン、チョコレートケーキ、ミルフィーユが入っていた。
男友「どれでも好きなの選べよ」
男「ん~、どれにしようかな~」
193 = 150 :
男「じゃあ僕はショートケーキを頂くね」
男友「俺はチョコレートケーキを貰うかな」
男「このケーキすっごく美味しいね♪」パクパク
男友「ああ、旨いな」モグモグ
男「あっ、友? ちょっとじっとしてて」
男友「ん?」
男「ほら、口の横にチョコが付いてるよ」スッ
男は身を乗り出して、男友の口の横についたチョコレートクリームを指で掬って舐めた。
男友「……」ドキン
男「あはっ、友ったら子供みたいなんだから」クスクス
男友(ああ……男は天真爛漫で、優しくて、可愛くて、料理が上手で、こんな娘を彼女に出来たらいいよなぁ……)
194 = 150 :
男友「……」ジーッ
男友(はぁ……男は誰の事が好きなんだろ、恋人になれる奴が羨ましい……)
男「黙っちゃってどうしたの? 僕が子供みたいなんて言ったから、もしかして怒った?」
男友「いや、全然怒ってなんかないよ」
男「ホントに? 僕、友に嫌われちゃったかと思った……」
男友「そんな事で、嫌いになったりする訳ねーよ」
男「良かったー」
男「僕、後片付けしておくから、友はお風呂でも入ってて」
男友「俺も手伝うよ。二人で片付けた方が早いだろ?」
男「お客さんなんだからいいのにー」
男友「いいから、いいから、美味しいご飯をご馳走になったお礼だ」
男「えへへ……」
195 = 150 :
二人で台所に立ち、後片付けを行う。食器の擦れる音と水の流れる音だけが、室内に響いている。
男「な、なんかさ、僕達……新婚さんみたい……だね」
男友「新婚か、こんなに料理が上手くて、可愛い嫁さんが貰える奴がいたら幸せだな」
男「あ、ありがと……おかげでもう片付いちゃった……」
男友「いいよ、ちょっとTVつけていいか?」
男「どうぞー」
男友「うーん、なんにも面白そうな番組やってねーな……」
男「じゃあさ、お風呂入ってきなよっ! ねっ? もう湧いてるからさ」
男友「ああ、それじゃ折角だから借りるよ」
男友(なんで男は、さっきから風呂に入れたがるんだろ?)
男「行ってらっしゃい。お風呂は廊下出て右側のドアね」ニコッ
男友「おぉ、ありがと」
196 = 150 :
ー風呂場ー
男友(なんか今日の男、様子がおかしいよな……?)スッ、パサッ
男友(やたら風呂に入れって言ってくるし……)ガラッ
男友「うぅ、さむさむ……」
男友(早く体と頭を洗って湯船に入らないと風邪引いちまうな)ゴシゴシ
身体を洗い終わった男友は、シャワーで泡を洗い流し浴槽に飛び込む。
男友「ふーっ、お風呂はやっぱり気持ちいい……」ザバーン
男友(そういや、今日あいつと二人きりなんだよな……)
男友(ま、まさか……Hの前に、体を綺麗にしてこいって意味じゃ……)
そんな事を考え出した男友は、今朝見た男の裸を思いだしていた。
男友(は、ははっ……まさかな……男に限ってそんな訳ねーよな……)
男友は、慌てて頭の中によぎった想像を振り払った。
男友(さてと、そろそろ上がるか)ザザーッ
197 = 150 :
男友「ふぅ、良い湯だった」
男友「男上がったぞー」
男「あ、はーい。じゃあ僕も入ってきちゃうね」
男友「あ、ああ」
男「適当に過ごしてて」
男友「分かった」
男「すぐ出てくるから、待っててね」パタパタ
男友(男が出て来るまで暇だな。TVもつまんないし……)
男友(……なんかポカポカしたら眠くなって……きた……)
男友「……」スースー
198 = 150 :
ーお風呂ー
男「……」パサッ、ガラッ
男(僕ほんとうに女の子になっちゃたんだね……)ジーッ
鏡に写る自分の姿をマジマジと眺めて男はそう思った。
男(友は僕の事……どう思ってるんだろう……?)ゴシゴシ
男(いつも僕に優しくしてくれるけど……きっと友達としてなだけだよね……)シャー
男(やっぱり女さんの事が好きなのかな……? 幼馴染みだし)ザブン
男(あの二人、しょっちゅう喧嘩してるけど、それだけ仲が良いって事だもんね……)
男(知り合って1ヶ月やそこらの僕が、入り込む余地なんて……)
男(あ、あれ? ぼ、僕はなんでこんな事を考えて……)
199 = 150 :
男(変なこと考えてたら、出るのに時間がかかっちゃった……)
風呂からあがった男は慌ててパジャマに着替える。
男(さっき買ってきてた下着を着けてみよ……)スッ
男(似合うかな……?)
男は鏡に写った自身の姿をみて思わず、赤面する。
男「……」カァッ
男(……さ、友が待ってるから部屋に戻らなきゃ)パタパタ
男「友ー、お待たせー」ガチャ
男(あれ? 友寝ちゃってる……)
男友「……」スースー
男は気持ちよさげに寝息を立てている男友そっと近づき顔を覗きこんだ
200 = 150 :
男(あはっ、友の寝顔可愛い)ジーッ
男(とも……あ、あれ?) トクントクン
男(ぼ、僕は、一体な、何をしようとしてるの……?)ソーッ
男は左右を見渡し、眠っている男友の唇に、そっと自分の唇を近づけた。
男(あっ! やばっ!)サッ
男友「うーん……あれ男? もう風呂から上がってたんだ?」
男「う、うんっ、い、いま、出てきたところ……」ドキドキ
男友「そっか。俺いつの間にか寝ちゃってたのか……ふぁぁ~」
みんなの評価 : ○
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