元スレサトシ「…………ピカチュウ……」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ○
302 = 300 :
ほ
303 = 297 :
春休みとか速報楽しいよ
糞ガキが暴れてる
前に深夜では安価の付け方が教えてもわからない子供がハリポタのスレを乱立されて
IDの存在知らないらしく自演でバカにしたり誉め始めてた
304 = 301 :
ほ
306 = 301 :
おい落ちるぞ
308 :
ほ
309 = 308 :
保守
課題やらにゃあかん
310 = 248 :
ほも
311 :
前半アフィ連呼の屑さが良く分かるスレだったな
313 = 300 :
ほ
315 = 121 :
あ
316 = 248 :
ほしゅくーんしっかりー
318 = 239 :
ほも
319 = 308 :
ホもと聞いて
320 = 292 :
ほ
321 = 1 :
ただいま
322 = 314 :
おかえり
323 = 34 :
おかえり
324 = 1 :
んじゃあ続き書いていきます
325 = 1 :
* * *
――ミュウツー。
幻のポケモン、ミュウの遺伝子をベースとし、様々なポケモンのデータを加えて作り出した遺伝子組み替えポケモン。
非常に強力な超能力を行使し、高い戦闘能力を誇る伝説のポケモン。
攻撃的な性格だが、哲学的で知的な一面も持ち合わせている。
それがミュウツー。
しかし、その存在を知る者は極僅か。
ロケット団の管理下にあったが、数年前に基地を破壊し脱走。
現在、彼の行方を知る者はいない。
彼は『産まれた意味』を求め、今も何処かをさ迷っている。
という情報は、それで全てではなかった。
あまりに酷な内容故に、組織が隠蔽した事実があるのだが、それを知る者はいない。
当人を除いて。
326 = 1 :
「ハァ……ハァ……」
サトシとピカチュウがトキワシティでの一件を済ませたのと同時刻。
「ウグッ……もう、限界か……」
とある山道の途中で、一人の男が苦しそうに息を切らしていた。
「ウゥッ……変身が、解け……る……」
男の身体が、煌々と光り輝く。
次の瞬間、一層強烈な光に包まれ、辺りが白に染まる。
「ハァ……ハァッ……」
発光が納まり、乱れた呼吸を調えながら、男は自分の身体に目をやる。
否、それはもはや先程までの男とは違う存在だった。
327 = 1 :
「……やっぱ、この技は体力の消耗が激しいな」
その存在は、近場の大きな岩にもたれ掛かる。
「…………」
変わり果てた自分の姿を眺める“ポケモン”が、そこにはいた。
青い空を見上げ、
「しばらく見ねぇうちに、大きくなったな」
そのポケモンは微笑み、呟いた。
昨夜のことを思い出しながら。
328 = 1 :
外見はポケモン。
中身は、人間だった。
人間なのか、ポケモンなのか。
その中途半端な存在は、儚げに笑う。
この、人間である意識が塗り潰されてしまうのは、時間の問題だと理解していた。
己の内に秘めた、破壊の遺伝子。
それは、もうすぐ、人間である己を呑み込んでしまう。
そうなってしまえば、もう、人間であった頃の己は死んでしまうのだろう。
以前にも、呑み込まれたことはあった。
時間はかかったものの、その時は何とかして邪悪な意識を封じることができた。
だが、内に眠る破壊の遺伝子は、日に日に強くなっていく。
次は、逃れられない。
329 = 1 :
しかし抗う術もなく、ただただ、離れ離れになった妻と息子の顔を思い浮かべ、何度も何度も、「すまない、すまない」と、口ずさんでいた。
そのポケモン。
最強にして、破壊を招く。
名を、ミュウツー。
元、人間。
* * *
330 = 1 :
――ポケモンタワー。
一生を終えたポケモンが安らかに眠る場所。
「もう……10年が経ったよ……」
かつて、多くのバトルを共に勝ち抜いてきた相棒。
肩に乗せて、世界中を旅してきた親友。
大切なパートナー、ピカチュウ。
その名が刻まれた墓石を前に、彼は目頭を熱くする。
マサラタウンのサトシ、20歳。
331 = 36 :
なるほどそうきたか
支援
332 = 1 :
うお、ミスった
>>330はミス
333 = 1 :
「あら、お帰りなさい」
「ただいま」
帰宅した俺を、母さんは温かく迎えてくれた。
「ピカチュウちゃんも、お帰りなさい」
「ぴ、ピカ」
やや緊張した様子のピカチュウ。
時刻は昼過ぎ。
俺もピカチュウも腹ぺこだった。
「お昼、出来てるわよ」
話も早々に、俺達は食卓に着いた。
334 = 1 :
「ごちそうさま」
「ピカチュ!」
献立はオムライスで、あっという間に平らげた。
トロトロな半熟卵とケチャップライスの相性は抜群。
ピカチュウも気に入ったのか、素晴らしい食いっぷりだった。
やはり母さんの手料理はいつになっても美味い。
335 = 1 :
「それであなた達、これからどうするの?」
食器を下げながら、母さんが言った。
「うん。あれから色々と考えたんだけど……」
俺は一度ピカチュウに目を向けてから、母さんと向き合う。
「親父を、捜しに行こうと思う」
母さんは金縛りにあったように、動きを止めた。
「もちろん、ピカチュウと一緒に」
10年以上前に、旅に出たきり、突然姿を消した親父。
昨夜、突然現れて、気絶した俺を家まで運んできた親父。
何も言わずに、再び姿を消した親父。
「きっと、親父はまだ近くにいるはずだから」
336 = 269 :
なるほど
337 = 1 :
その時、俺は気づいた。
母さんの表情は曇っていて、今にも泣き出してしまいそうなことに。
思い出しているのだろう。
夫と過ごした日常。
夫に言われた別れの言葉。
夫を想って流した涙の数々。
母さんは女手一つで、俺をここまで面倒見てくれた。
だから、親父を捜すのはせめてもの恩返しのようなもの。
親父を見つけたら、絶対に一発は殴ってやると、俺は誓った。
「……そう。じゃあ、お父さんのことは、頼んだわよ」
言ってすぐに、自室へ行ってしまった。
その時母さんが涙を流していたことを、俺は見逃さなかった。
338 = 1 :
「さて、腹も膨れたところで、ピカチュウ」
ピカチュウは無言のまま顔だけを俺に向けた。
昼食を取った後、俺達は俺の部屋に来ていた。
ほんの小休止だ。
「これからオーキド博士のポケモン研究所に行こうと思う」
俺のその言葉に、ピカチュウは興味あり気な顔。
好奇心は旺盛らしい。
「明日から旅に出ることになるからな。博士に挨拶と、預けた俺のポケモン達の様子を見に、な」
みんな、元気にしているだろうか。
339 = 1 :
あいつらとは、預けた日から一度も顔を合わせていない。
突然旅を止めてしまい、突然研究所に預けてしまい……きっと、俺のことを憎んでいるんだろうな。
そう考えていたから、中々会えずにいた。
オーキド博士は、俺を心配して何度か家まで尋ねてきてくれたが、その度に追い返してしまっていた。
でも、もう逃げてちゃいけない。
俺は変わったんだ。
いや、これから変わるんだ。
このピカチュウと一緒に。
341 :
え、ミューツー親父なん?
342 = 308 :
>>341
じゃね
343 = 1 :
「おぉ……よく来たのう……」
杖をつく白衣の老人が、そこにはいた。
「お久しぶりです」
オーキド博士。
ポケモン研究界の権威。
ここ、オーキド研究所の主。
10年前とは、随分な変わりようだった。
「最近、足腰がめっきり弱くなってのう」
博士が担当するラジオ放送や、ポケモン川柳は引退してしまったらしい。
今は研究所のポケモン達の世話をしながら余生をおくっている。
344 = 36 :
妻と子供ってのが引っ掛かったけどそういうことか
しかし何故そんなことに
345 = 1 :
「サトシくん、しばらく見ないうちに、大きくなったのう」
「いえ、随分とご迷惑をおかけしました」
俺は一礼する。
「気に病むことはない。それより、そのピカチュウは……?」
俺は今までのいきさつを説明した。
そして、これからのことも。
「なるほどのう」
オーキド博士は2度深く頷くと、微笑んで俺を見た。
「これからポケモン達にエサをやる時間なんじゃが、お前さんも来なさい。ポケモン達も、会いたがっていたぞ」
346 = 307 :
面白いぞ 支援
347 = 1 :
研究所の裏には、裏庭がある。
別にシャレではない。
草原、湖、岩場、森といった、各ポケモンに適した環境を揃えた広大な敷地だ。
ここ、マサラタウン出身のトレーナーが捕まえたポケモンを始め、各地のトレーナーのポケモンも預かっている。
見渡せば、ポケモンだらけだった。
「ピカー……」
その景色に圧倒されたのか、ピカチュウは呆然としていた。
「さて、みんなに会いに行くかな」
俺はエサの入ったバケツを両手に、草原を踏み締める。
そよ風が気持ち良い。
348 = 1 :
* * *
「――もう日が沈むな」
暗くなり始めた空を見上げ、ミュウツーは言った。
人の姿を維持するのに多大なエネルギーを消費したため、休息をとっていた。
しかし、人通りが少ないとは言え、こんな整備された山道にいては、いつ見つかってもおかしくない。
人々の混乱を招くため、その姿を晒しものにする訳にはいかなかった。
こうして苦悩する日々が始まり、もう何年経ったのだろうか。
実験に実験を重ね、生まれ変わった自分。
もちろんそれは彼が望んだ事ではない。
禁忌を犯した人体実験。
全ては、家族を護るため――。
349 = 1 :
「この辺でいいか」
名も知らぬ洞窟の中。
人を寄せつけぬその場所で、ミュウツーは腰を降ろした。
何をするでもなく、あとは眠りにつくだけだった。
することなど、何もない。
否、何をすべきか解らない。
故に彼は眠る。
なにも考えずに済むからだ。
次に目が覚めた時、自分を失わずにいられているだろうか――――
* * *
350 = 1 :
気づけば、日が沈み始めていた。
久々の再開で、時が経つのはあっという間だった。
「それじゃ、またな、みんな」
俺はかつて旅を共にしていたポケモン達に手を振った。
ポケモン達は夕日を背景に並んで、俺に手を振り返す。
みんな、見違えるほど成長していたけど、みんな、俺のことを覚えていてくれた。
俺の姿を見るなり、泣いて飛び付いてきてくれた奴もいた。
本当に、嬉しかった。
みんなの評価 : ○
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