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元スレサトシ「…………ピカチュウ……」

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「そりゃそうだ。元々野生で暮らしていたのだから。森を失っても、他所で暮らすだけの適応力はあるだろう」
1人の男が反論した。
「それは人間の勝手な考えだろ!
現実は、ピカチュウみたいに盗みを働く奴もいれば、親を失って肩寄せ合って腹空かしてるポケモンもいる!」
「ピカァ……」
ピカチュウがうつむく。
「大丈夫だろうと思い込んでポケモン達に目を向けなかった人間にも、責任はあるはずだ!」
再び、しばしの沈黙……。
1人の男が反論した。
「それは人間の勝手な考えだろ!
現実は、ピカチュウみたいに盗みを働く奴もいれば、親を失って肩寄せ合って腹空かしてるポケモンもいる!」
「ピカァ……」
ピカチュウがうつむく。
「大丈夫だろうと思い込んでポケモン達に目を向けなかった人間にも、責任はあるはずだ!」
再び、しばしの沈黙……。
「……確かに、キミの言う通りかもしれない」
「そうね……」
「訳も知らずにただ憎むのは、間違っていたよ」
沈黙が破れ、人々が理解してくれたようにざわめきだす。
「少し、おとなげなかったな」
「まぁ、ウチは大した被害は受けてねぇし」
「そのピカチュウも、生きる為に必死だったのよね」
人々の顔から、怒りの色が抜け落ちていくのが分かる。
「皆さん、理解してくれたんですね」
俺は胸を撫で下ろす。
「ピカチュ」
ピカチュウも安心したように微笑むと、改めて人々にお辞儀をした。
「そうね……」
「訳も知らずにただ憎むのは、間違っていたよ」
沈黙が破れ、人々が理解してくれたようにざわめきだす。
「少し、おとなげなかったな」
「まぁ、ウチは大した被害は受けてねぇし」
「そのピカチュウも、生きる為に必死だったのよね」
人々の顔から、怒りの色が抜け落ちていくのが分かる。
「皆さん、理解してくれたんですね」
俺は胸を撫で下ろす。
「ピカチュ」
ピカチュウも安心したように微笑むと、改めて人々にお辞儀をした。
「うむ、君のポケモンを想う心に免じて、ワシは今回の件を許そう」
「私も」
「ああ、オレもだ」
全ての被害者が何度も頷いた。
どうやら、許してもらえたようだ。
「ボウズ、そのピカチュウ、大事にしてやれよ」
そんな言葉をいくつも貰い、この盗難事件は幕を閉じた。
「良かったな、ピカチュウ」
「ピッカ!」
この時、ピカチュウは初めて俺に笑顔を見せた。
「私も」
「ああ、オレもだ」
全ての被害者が何度も頷いた。
どうやら、許してもらえたようだ。
「ボウズ、そのピカチュウ、大事にしてやれよ」
そんな言葉をいくつも貰い、この盗難事件は幕を閉じた。
「良かったな、ピカチュウ」
「ピッカ!」
この時、ピカチュウは初めて俺に笑顔を見せた。
「さて、これからどうしようか」
トキワシティでの一件からの帰り道。
暖かい陽気に清々しい空気の中、俺とピカチュウは道を並んで歩いていた。
「さて、これからどうしようか」
2度目の同じ台詞だった。
ピカチュウは俺の言葉に耳を貸そうとしない。
「相変わらずですね、ピカチュウさん」
接する態度を変えてみても、ピカチュウは変わらない。
さっき見せてくれた笑顔は幻だったのだろうか。
「なぁ、俺とお話してくれよ」
「チャー」
ようやく返事をしたと思ったら、ピカチュウは口を大きく開いて綺麗に生えそろった歯を俺に見せた。
「歯はある、歯無しじゃない。俺と話したくないってこと?」
「ピカピカ」
頷いた。
そしてデジャヴだった。
トキワシティでの一件からの帰り道。
暖かい陽気に清々しい空気の中、俺とピカチュウは道を並んで歩いていた。
「さて、これからどうしようか」
2度目の同じ台詞だった。
ピカチュウは俺の言葉に耳を貸そうとしない。
「相変わらずですね、ピカチュウさん」
接する態度を変えてみても、ピカチュウは変わらない。
さっき見せてくれた笑顔は幻だったのだろうか。
「なぁ、俺とお話してくれよ」
「チャー」
ようやく返事をしたと思ったら、ピカチュウは口を大きく開いて綺麗に生えそろった歯を俺に見せた。
「歯はある、歯無しじゃない。俺と話したくないってこと?」
「ピカピカ」
頷いた。
そしてデジャヴだった。
「やれやれ」
大きな溜め息をつく。
そして思い付く。
「ああ、そういえば、自己紹介がまだだったな」
どうしてこんな大切なことを忘れていたのだろう。
これではピカチュウが心を開いてくれるはずがない。
「俺、サトシ。よろしくな、ピカチュウ」
「…………ピ?」
聞いていなかった。
大きな溜め息をつく。
そして思い付く。
「ああ、そういえば、自己紹介がまだだったな」
どうしてこんな大切なことを忘れていたのだろう。
これではピカチュウが心を開いてくれるはずがない。
「俺、サトシ。よろしくな、ピカチュウ」
「…………ピ?」
聞いていなかった。
上空には、ポッポが群れを成して飛行している。
道の隅には、2匹のコラッタがじゃれあっている。
青い空、白い雲。
ああ、なんてのどかなのだろう。
そんな自然を背景に、俺とピカチュウは道を歩き続けていた。
俺の前をトコトコと二足歩行するピカチュウも上機嫌そうに見えた。
「そうだピカチュウ。お前に俺の過去を話そう」
ふと思い付いたことを提案した。
ピカチュウは無言のまま、しかし耳だけは傾けてくれた。
道の隅には、2匹のコラッタがじゃれあっている。
青い空、白い雲。
ああ、なんてのどかなのだろう。
そんな自然を背景に、俺とピカチュウは道を歩き続けていた。
俺の前をトコトコと二足歩行するピカチュウも上機嫌そうに見えた。
「そうだピカチュウ。お前に俺の過去を話そう」
ふと思い付いたことを提案した。
ピカチュウは無言のまま、しかし耳だけは傾けてくれた。
「10年程前、俺がまだ10歳の時だ。ポケモントレーナーの資格を得た俺は、ピカチュウと一緒に旅に出た」
「ピィカ?」
ピカチュウが小首を傾げる。
「お前とは違う、別のピカチュウのことさ。出会ったばかりの頃は、今のお前にとても似ていたよ。
でもな、そのピカチュウは、旅の途中で……」
一瞬、言葉が詰まった。
「死んでしまったんだ」
「ピ……!?」
俺の前を歩いていたピカチュウは立ち止まり、驚いたように俺を見たあと、悲しそうな顔になって再び歩きはじめた。
「一緒に、ポケモンマスターになるって、約束したのに……さ」
俺のせいで……。
「ピィカ?」
ピカチュウが小首を傾げる。
「お前とは違う、別のピカチュウのことさ。出会ったばかりの頃は、今のお前にとても似ていたよ。
でもな、そのピカチュウは、旅の途中で……」
一瞬、言葉が詰まった。
「死んでしまったんだ」
「ピ……!?」
俺の前を歩いていたピカチュウは立ち止まり、驚いたように俺を見たあと、悲しそうな顔になって再び歩きはじめた。
「一緒に、ポケモンマスターになるって、約束したのに……さ」
俺のせいで……。
「俺は、ピカチュウや他の仲間達と一緒に、色々な地方を冒険していたんだ」
俺は心の中にしまっていた思い出を淡々と語りはじめる。
「各地のジムを巡り、バッジを集めて……互いにどんどん成長していった」
「ポケモンリーグにも出場したんだぜ?まぁ、優勝はできなかったけど」
「強いトレーナー達とバトルして、ポケモンをゲットして、出会いと別れを繰り返し、新しい発見をする。
本当に楽しい旅だったんだ」
「アイツが死ぬまではな」
「ピカ……」
前を行くピカチュウが振り向いた。
流石に、同族の死と聞けば俺の話にも耳を貸してくれるのか。
俺は心の中にしまっていた思い出を淡々と語りはじめる。
「各地のジムを巡り、バッジを集めて……互いにどんどん成長していった」
「ポケモンリーグにも出場したんだぜ?まぁ、優勝はできなかったけど」
「強いトレーナー達とバトルして、ポケモンをゲットして、出会いと別れを繰り返し、新しい発見をする。
本当に楽しい旅だったんだ」
「アイツが死ぬまではな」
「ピカ……」
前を行くピカチュウが振り向いた。
流石に、同族の死と聞けば俺の話にも耳を貸してくれるのか。
「ピカチュウを失ったら、なんだか、旅を続けるのが馬鹿みたいに思えてきてな」
「仲間達とは別れ、ポケモン達はオーキド研究所に預け……。
俺は家にひき篭るようになった」
「約10年。母さんには本当に迷惑をかけた」
非礼を痛感している。
今はもう落ち着いたものだが、最初の頃は暴力に明け暮れていた。
警察沙汰にもなった。
そんな過去があってか、今は母さんと接するのが気まずく感じる。
「仲間達とは別れ、ポケモン達はオーキド研究所に預け……。
俺は家にひき篭るようになった」
「約10年。母さんには本当に迷惑をかけた」
非礼を痛感している。
今はもう落ち着いたものだが、最初の頃は暴力に明け暮れていた。
警察沙汰にもなった。
そんな過去があってか、今は母さんと接するのが気まずく感じる。
それでも母さんは、いつも、いつまでも俺のことを心配してくれていた。
そんな気持ちに応えてやることもできず、反発するばかり。
本当に、俺は情けない。
今になっても、俺は子供のままだった。
俺の中の時間は、あの日以来止まったままで、もうサビ付いてしまっているんだ。
今が、転機なんだと想う。
そんな気持ちに応えてやることもできず、反発するばかり。
本当に、俺は情けない。
今になっても、俺は子供のままだった。
俺の中の時間は、あの日以来止まったままで、もうサビ付いてしまっているんだ。
今が、転機なんだと想う。
サトシはともかく、妻子があるのにポケモンマスター
目指して旅に出る父親とかどうなの
目指して旅に出る父親とかどうなの
だから、俺は願う。
「なぁ、ピカチュウ」
空白の10年間を――
「もし良かったら、俺と一緒に……」
埋められる程の――
「旅をしないか?」
ゆっくりと頷くピカチュウ。
「ピカ」
一瞬の微笑みを見せて、俺を置いて走っていく。
俺も負けじと追い掛ける。
止まっていた時間が、ゆっくりと動き始めた瞬間だった。
「なぁ、ピカチュウ」
空白の10年間を――
「もし良かったら、俺と一緒に……」
埋められる程の――
「旅をしないか?」
ゆっくりと頷くピカチュウ。
「ピカ」
一瞬の微笑みを見せて、俺を置いて走っていく。
俺も負けじと追い掛ける。
止まっていた時間が、ゆっくりと動き始めた瞬間だった。
たぶんこれ以上やるのは好みがわかれそうな感じするな
おつかれえええ良い終わりやったで!
おつかれえええ良い終わりやったで!
とりあえず用があるから書き込めなくなるわ
このスレ落ちててなかったら続き書く
このスレ落ちててなかったら続き書く
>>285
待ってるわ
待ってるわ
SSそくほうならまず落ちないしな
たまに変なの沸くけど
たまに変なの沸くけど
速報行くとVIPにいる奴がルールも知らずに荒らす事多いじゃん?
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