私的良スレ書庫
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元スレサトシ「…………ピカチュウ……」
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>>150
中盤辺りからromってくるよ....
中盤辺りからromってくるよ....
この時間でこんなことやってんのは流石に餓鬼だけでしょ
まずなぜアフィを嫌ってるのか自分ですら説明できないようなやつだろ
まずなぜアフィを嫌ってるのか自分ですら説明できないようなやつだろ
そりゃそうだ。
こいつは一度だってボールの中に入ったことはなかったもんな。
「そんなら……ほら」
「ピィ!?」
俺は自分の帽子をピカチュウの頭に深々とかぶせた。
顔の上半分が埋まってしまって、ピカチュウは一瞬ビックリしたようだった。
「ピカ!」
ピカチュウは手で帽子を少し上げて顔を出すと、ニッコリと俺に微笑んだ。
「ははは、大事な帽子だからな。失くしたりしたら許さないぞ?」
微笑んで言う。
「ピカ!」
承知したと言わんばかりにピカチュウは強く頷いた。
こいつは一度だってボールの中に入ったことはなかったもんな。
「そんなら……ほら」
「ピィ!?」
俺は自分の帽子をピカチュウの頭に深々とかぶせた。
顔の上半分が埋まってしまって、ピカチュウは一瞬ビックリしたようだった。
「ピカ!」
ピカチュウは手で帽子を少し上げて顔を出すと、ニッコリと俺に微笑んだ。
「ははは、大事な帽子だからな。失くしたりしたら許さないぞ?」
微笑んで言う。
「ピカ!」
承知したと言わんばかりにピカチュウは強く頷いた。
「ワーハッハッハッハッー!!」
それは突然の声だった。
雨音に混じる、聞き慣れた高笑い。
空気を読まない、お約束の展開が始まろうとしている。
腐れ縁……ってやつか――
どうしてこんな時に出てくるんだ。
声は後ろから聞こえていた。
俺は呆れた顔で振り向き、深い溜め息をつく。
「なんだかんだと聞かれたら!」
なにも言ってない……。
「答えてあげるが世の情け!」
「世界の破壊を防ぐため!」
「世界の平和を守るため!」
「愛と真実の悪を貫く!」
「ラブリーチャーミーな敵役!」
それは突然の声だった。
雨音に混じる、聞き慣れた高笑い。
空気を読まない、お約束の展開が始まろうとしている。
腐れ縁……ってやつか――
どうしてこんな時に出てくるんだ。
声は後ろから聞こえていた。
俺は呆れた顔で振り向き、深い溜め息をつく。
「なんだかんだと聞かれたら!」
なにも言ってない……。
「答えてあげるが世の情け!」
「世界の破壊を防ぐため!」
「世界の平和を守るため!」
「愛と真実の悪を貫く!」
「ラブリーチャーミーな敵役!」
声の主は2人。
そいつらは盛大に決めポーズをとり――
「ムサシ!」
「コジロウ!」
名乗る。
決まった、と言いたげな顔をしていた。
「銀河を翔けるロケット団の2人には――」
「ホワイトホール!白い明日が待ってるぜ!」
「ニャーンてニャ!」
最後に、奴らの喋るポケモン、ニャースが締めくくる。
ドカーン、と背景で爆発が起きた――――気がした。
そして、ようやく長い登場シーンは終わる。
ロケット団のムサシ、コジロウ、ニャース。
いつも俺のピカチュウを狙ってくるしつこい三人組だ。
そいつらは盛大に決めポーズをとり――
「ムサシ!」
「コジロウ!」
名乗る。
決まった、と言いたげな顔をしていた。
「銀河を翔けるロケット団の2人には――」
「ホワイトホール!白い明日が待ってるぜ!」
「ニャーンてニャ!」
最後に、奴らの喋るポケモン、ニャースが締めくくる。
ドカーン、と背景で爆発が起きた――――気がした。
そして、ようやく長い登場シーンは終わる。
ロケット団のムサシ、コジロウ、ニャース。
いつも俺のピカチュウを狙ってくるしつこい三人組だ。
まあ、サトシのピカチュウモンスターボールはいったことあるけどな一応
「雨にも負けず!風にも負けず!」
「今夜こそピカチュウを頂くぜ!」
「ニャニャー!」
この前はヘンテコなメカに乗って登場してきたが、今回はそれらしきものはない。
予算尽きたか。
「悪いけど、今はおまえ達を相手にしてる暇はないんだ!」
「あーらら、そういえば、ジャリガール達の姿が見えないわねぇ」
「なんだ、はぐれたのか?」
「まぁ、そんなところだ。だからまた今度な!」
俺は踵を返して逃げるように走り出す。
奴らは厄介でしかないからだ。
「今夜こそピカチュウを頂くぜ!」
「ニャニャー!」
この前はヘンテコなメカに乗って登場してきたが、今回はそれらしきものはない。
予算尽きたか。
「悪いけど、今はおまえ達を相手にしてる暇はないんだ!」
「あーらら、そういえば、ジャリガール達の姿が見えないわねぇ」
「なんだ、はぐれたのか?」
「まぁ、そんなところだ。だからまた今度な!」
俺は踵を返して逃げるように走り出す。
奴らは厄介でしかないからだ。
「おい、待てよ!」
しかし、コジロウが俺の腕を掴んだことにより、逃走は失敗に終わる。
「そういうことなら、一時休戦といこう」
コジロウの口からそんな言葉が飛び出した。
「な、なんだって?」
俺は呆気にとられる。
「実は、俺達もこの嵐の影響で気球を墜としちまってさ」
「見知らぬ森で、あえなく遭難って訳よ」
「困ったものだニャ」
……そういうことか。
まぁ、確かに一人でいるよりは、こんな奴らでも一緒にいた方が安全かもしれない。
ここは協力した方が良さそうだ。
「わかった、一緒に行こう」
こうして、俺はロケット団達と同行することになった。
しかし、コジロウが俺の腕を掴んだことにより、逃走は失敗に終わる。
「そういうことなら、一時休戦といこう」
コジロウの口からそんな言葉が飛び出した。
「な、なんだって?」
俺は呆気にとられる。
「実は、俺達もこの嵐の影響で気球を墜としちまってさ」
「見知らぬ森で、あえなく遭難って訳よ」
「困ったものだニャ」
……そういうことか。
まぁ、確かに一人でいるよりは、こんな奴らでも一緒にいた方が安全かもしれない。
ここは協力した方が良さそうだ。
「わかった、一緒に行こう」
こうして、俺はロケット団達と同行することになった。
ロケット団と行動を共にしてから数時間が経った。
事態は変わらず、俺達は未だに名もなき森の中をさ迷っていた。
嵐は猛威を振るう。
「……はぁ……はぁ……」
呼吸は荒い。
俺の体調が悪化しているのは自分でよくわかっている。
「顔色が良くないな」
俺の体調に気づいたか、コジロウが俺の顔を覗き込む。
「ああ……でも、大丈夫……」
完全に痩せ我慢だった。
足取りが覚束ない。
手足の感覚も薄れていた。
意識が、朦朧とする。
事態は変わらず、俺達は未だに名もなき森の中をさ迷っていた。
嵐は猛威を振るう。
「……はぁ……はぁ……」
呼吸は荒い。
俺の体調が悪化しているのは自分でよくわかっている。
「顔色が良くないな」
俺の体調に気づいたか、コジロウが俺の顔を覗き込む。
「ああ……でも、大丈夫……」
完全に痩せ我慢だった。
足取りが覚束ない。
手足の感覚も薄れていた。
意識が、朦朧とする。
この>>1は最近のアニポケ見てないな間違いない
「ピカァ……」
ピカチュウも心配そうに俺を見ていた。
「ピカチュウ、お前もこの嵐は辛いだろ?無理しないでボールに――」
「ピッカ!」
強い拒絶の意思を見せる。
そして、俺の肩を優しくポンポンと叩く。
そうか、俺を心配してくれてるんだな。
だから、意地でもボールには入りたくないのか。
しかし、俺の体力は限界だった。
ピカチュウも心配そうに俺を見ていた。
「ピカチュウ、お前もこの嵐は辛いだろ?無理しないでボールに――」
「ピッカ!」
強い拒絶の意思を見せる。
そして、俺の肩を優しくポンポンと叩く。
そうか、俺を心配してくれてるんだな。
だから、意地でもボールには入りたくないのか。
しかし、俺の体力は限界だった。
「ありがとな、ピカチュウ……」
その言葉を最後に、俺の鉛のように重たい体は、水溜まりの地面に倒れた。
意識が遠ざかっていく……。
「ピカピ!ピカピ!」
「ジャリボーイ!?」
泥水のかかった視界に、今にも泣きだしそうな顔のピカチュウが映し出される。
ああ、どうしてそんな悲しい顔をしてるんだよ…………。
ここで、俺は意識を失った。
その言葉を最後に、俺の鉛のように重たい体は、水溜まりの地面に倒れた。
意識が遠ざかっていく……。
「ピカピ!ピカピ!」
「ジャリボーイ!?」
泥水のかかった視界に、今にも泣きだしそうな顔のピカチュウが映し出される。
ああ、どうしてそんな悲しい顔をしてるんだよ…………。
ここで、俺は意識を失った。
>>171
今は過去の回想だぞ?
今は過去の回想だぞ?
これが過去編だと言うことに気づかない>>171
目が覚めた時、俺はふかふかとは言えないベッドの上にいた。
「気がついたか」
コジロウの声。
辺りを見回すと、ロケット団の3人組が俺を囲っていた。
「ここは……?」
「無人の森小屋だニャ」
丸太を組み合わせて建てられた、いわゆるログハウスだった。
「アンタをここまで運ぶの、大変だったんだからね」
そうか、俺……気を失って……。
再び、辺りを見回す。
「あれ、ピカチュウは……?」
ピカチュウが、いない。
「気がついたか」
コジロウの声。
辺りを見回すと、ロケット団の3人組が俺を囲っていた。
「ここは……?」
「無人の森小屋だニャ」
丸太を組み合わせて建てられた、いわゆるログハウスだった。
「アンタをここまで運ぶの、大変だったんだからね」
そうか、俺……気を失って……。
再び、辺りを見回す。
「あれ、ピカチュウは……?」
ピカチュウが、いない。
「ピカチュウなら、森に戻っていったぜ」
コジロウが重たい口調で言った。
森に戻った?
どういうことだ?
「アンタをここに運んできた時までは一緒にいたんだけど……」
「そのあと、慌てたように外に飛び出してしまったニャ」
なんだって……!?
「ピカチュウは何か言ってなかったか?」
俺はニャースに訊いた。
ニャースならピカチュウの言葉が解るはず。
「確か……おみゃーの帽子がどうとか言っていたニャ」
コジロウが重たい口調で言った。
森に戻った?
どういうことだ?
「アンタをここに運んできた時までは一緒にいたんだけど……」
「そのあと、慌てたように外に飛び出してしまったニャ」
なんだって……!?
「ピカチュウは何か言ってなかったか?」
俺はニャースに訊いた。
ニャースならピカチュウの言葉が解るはず。
「確か……おみゃーの帽子がどうとか言っていたニャ」
俺の帽子……?
ふと頭を触る。
帽子はない。
わかっている。
ピカチュウにかぶせたからだ。
「ここに来た時、ピカチュウは俺の帽子をかぶっていたか?」
「かぶってなかったぜ」
「アンタをここに連れてくる途中、風に飛ばされたのよ」
「その時も大慌てしていたニャ」
俺は自分の言葉を思い出す。
――――大事な帽子だからな。失くしたりしたら許さないぞ?
ピカチュウ、お前、まさか……。
間違いない、俺の帽子を探しに行ったんだ。
ふと頭を触る。
帽子はない。
わかっている。
ピカチュウにかぶせたからだ。
「ここに来た時、ピカチュウは俺の帽子をかぶっていたか?」
「かぶってなかったぜ」
「アンタをここに連れてくる途中、風に飛ばされたのよ」
「その時も大慌てしていたニャ」
俺は自分の言葉を思い出す。
――――大事な帽子だからな。失くしたりしたら許さないぞ?
ピカチュウ、お前、まさか……。
間違いない、俺の帽子を探しに行ったんだ。
あああああああああああああああ(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!
俺はベッドから跳ね上がり、一目散に小屋を飛び出した。
「ジャリボーイ!安静にしてないと――」
ロケット団の声を背中で聞き、俺は再び嵐の中に身を投じた。
体調は全く回復していない。
けれど、今はピカチュウの方が心配だ。
――大事な帽子だからな。失くしたりしたら許さないぞ?
――ピカ!
ピカチュウの馬鹿やろう……。
帽子なんかよりお前の方が大切なのに……!
「ピカチュウーーーーー!!!」
喉が張り裂けそうな大声は、この大雨の中でも届くのだろうか。
「ジャリボーイ!安静にしてないと――」
ロケット団の声を背中で聞き、俺は再び嵐の中に身を投じた。
体調は全く回復していない。
けれど、今はピカチュウの方が心配だ。
――大事な帽子だからな。失くしたりしたら許さないぞ?
――ピカ!
ピカチュウの馬鹿やろう……。
帽子なんかよりお前の方が大切なのに……!
「ピカチュウーーーーー!!!」
喉が張り裂けそうな大声は、この大雨の中でも届くのだろうか。
遠くで僕の名前を呼ぶ声が聞こえたような気がした。
いや、きっと空耳だよね。
今は、早くサトシの帽子を見つけなきゃ。
僕は走っていた。
嵐に荒れる森の中を、全力で走っていた。
――――大事な帽子だからな。失くしたりしたら許さないぞ?
サトシはそう言って僕に大事な帽子を託した。
サトシがいつも大切にかぶっていた帽子だ。
お気に入りだ、と言っていた。
それを僕は、失くしてしまった。
サトシは僕を信用して帽子を預けてくれたのに……。
これじゃ、サトシの信用まで失ってしまう……。
そんなのは嫌だ。
絶対嫌だ!
走る、ハシル、はしる。
いや、きっと空耳だよね。
今は、早くサトシの帽子を見つけなきゃ。
僕は走っていた。
嵐に荒れる森の中を、全力で走っていた。
――――大事な帽子だからな。失くしたりしたら許さないぞ?
サトシはそう言って僕に大事な帽子を託した。
サトシがいつも大切にかぶっていた帽子だ。
お気に入りだ、と言っていた。
それを僕は、失くしてしまった。
サトシは僕を信用して帽子を預けてくれたのに……。
これじゃ、サトシの信用まで失ってしまう……。
そんなのは嫌だ。
絶対嫌だ!
走る、ハシル、はしる。
…………見つけた。
目の前には、断崖絶壁。
顔をうんと上げても、頂上は見えない。
その中腹から生えた木に、サトシの帽子が引っ掛かっていた。
ここを登るしかない。
僕は、切り立った山肌に手足をかけ、手を滑らせないように慎重かつ迅速に登りはじめた。
人生最大のロッククライムだ。
目の前には、断崖絶壁。
顔をうんと上げても、頂上は見えない。
その中腹から生えた木に、サトシの帽子が引っ掛かっていた。
ここを登るしかない。
僕は、切り立った山肌に手足をかけ、手を滑らせないように慎重かつ迅速に登りはじめた。
人生最大のロッククライムだ。
「オーイ、ピカチュウー!」
地上の方から聞こえた、サトシの声。
僕は手足をとめ、遠く離れた地面を見下ろした。
サトシの姿は見えないけど、声は近かった。
しかし、下を見てしまったせいで、高所の恐怖が募る。
手足がすくむ。
「ピカチュウー!」
また聞こえた。
サトシはすぐ近くまで来ている。
僕を捜しに来ている。
待ってて……もう少し、もう少しだから。
地上の方から聞こえた、サトシの声。
僕は手足をとめ、遠く離れた地面を見下ろした。
サトシの姿は見えないけど、声は近かった。
しかし、下を見てしまったせいで、高所の恐怖が募る。
手足がすくむ。
「ピカチュウー!」
また聞こえた。
サトシはすぐ近くまで来ている。
僕を捜しに来ている。
待ってて……もう少し、もう少しだから。
ありきたりっちゃありきたりなんだろうけどそれでも来るものがあるなぁ……
帽子が引っ掛かった木は、目と鼻の先。
小さな僕じゃ、気を抜けば簡単に強風に飛ばされてしまう。
それに、雨で山肌が滑る。
目の前まできた帽子が、すごく遠く感じる。
僕はずたずたになった手足にムチを入れて、崖を登り続ける。
もう少し、もう少し。
木に手をかける。
もう少し、もう少し。
木の枝の上を歩く。
枝の先には、帽子。
手を伸ばす。
取った。
小さな僕じゃ、気を抜けば簡単に強風に飛ばされてしまう。
それに、雨で山肌が滑る。
目の前まできた帽子が、すごく遠く感じる。
僕はずたずたになった手足にムチを入れて、崖を登り続ける。
もう少し、もう少し。
木に手をかける。
もう少し、もう少し。
木の枝の上を歩く。
枝の先には、帽子。
手を伸ばす。
取った。
良かった。
これでサトシを悲しませずに済む。
――パキッ
ふと、足元からそんな音がした。
…………え?
僕の体は、支えを失った。
崖下へ、真っ逆さまに落ちていく。
落ちていく。
落ち――――
これでサトシを悲しませずに済む。
――パキッ
ふと、足元からそんな音がした。
…………え?
僕の体は、支えを失った。
崖下へ、真っ逆さまに落ちていく。
落ちていく。
落ち――――
「ピカチュウー!」
ピカチュウを捜し始めて数十分が経っていた。
嫌な予感がする。
「ピカチュウー!ゲホッゲホッ」
激しく咳込む。
時折、意識が飛びそうになる。
倒れる前に見つけなきゃ。
深い森をどこまでも進んでいく。
しばらくすると、前方に木々のない場所が見えた。
代わりに、断崖絶壁がそびえ立っている。
「……行き止まりか」
そう思い、引き返そうと振り向いた時、目の端になにかが映った。
地面に横たわっていて、小さくて、黄色くて……………………………
「……ピカ…………チュウ……?」
ピカチュウを捜し始めて数十分が経っていた。
嫌な予感がする。
「ピカチュウー!ゲホッゲホッ」
激しく咳込む。
時折、意識が飛びそうになる。
倒れる前に見つけなきゃ。
深い森をどこまでも進んでいく。
しばらくすると、前方に木々のない場所が見えた。
代わりに、断崖絶壁がそびえ立っている。
「……行き止まりか」
そう思い、引き返そうと振り向いた時、目の端になにかが映った。
地面に横たわっていて、小さくて、黄色くて……………………………
「……ピカ…………チュウ……?」
「ピカチュウ、大丈夫か!?」
俺はピカチュウの体を腕に抱えた。
ピカチュウは、失くしたはずの俺の帽子を大事そうに抱えていた。
でも、体はボロボロで、辛うじて息はしているものの……。
「……ピ…………カ……」
消え入りそうな、弱々しい声で、ピカチュウは帽子を俺に手渡した。
「ああ……帽子……ちゃんと、大事に…………してくれてたんだな…………」
俺は涙を堪えていた。
まだ泣いちゃ駄目だ。
ピカチュウは助かる。
俺はピカチュウの体を腕に抱えた。
ピカチュウは、失くしたはずの俺の帽子を大事そうに抱えていた。
でも、体はボロボロで、辛うじて息はしているものの……。
「……ピ…………カ……」
消え入りそうな、弱々しい声で、ピカチュウは帽子を俺に手渡した。
「ああ……帽子……ちゃんと、大事に…………してくれてたんだな…………」
俺は涙を堪えていた。
まだ泣いちゃ駄目だ。
ピカチュウは助かる。
帽子なんてどうでも良かったのに。
なんて言ってしまったら、ピカチュウは報われない。
だから俺は、
「ありがとう…………本当にありがとう…………」
そう言って、ピカチュウを優しく抱きしめた。
「…………ピカ…………」
ピカチュウは弱々しく微笑む。
俺は受けとった帽子をかぶり、ピカチュウを抱えて立ち上がる。
「さぁ、疲れただろ?小屋に帰ろう」
認めたくないだけで、本当はもうわかっていた。
ピカチュウは助からない。
なんて言ってしまったら、ピカチュウは報われない。
だから俺は、
「ありがとう…………本当にありがとう…………」
そう言って、ピカチュウを優しく抱きしめた。
「…………ピカ…………」
ピカチュウは弱々しく微笑む。
俺は受けとった帽子をかぶり、ピカチュウを抱えて立ち上がる。
「さぁ、疲れただろ?小屋に帰ろう」
認めたくないだけで、本当はもうわかっていた。
ピカチュウは助からない。
弱まる様子を見せない嵐の中を、俺はピカチュウを抱えて歩いていた。
走る気力がないから歩いていた訳じゃない。
ピカチュウとの、最期の時間を、一歩一歩、踏み締めたかった。
「嵐……止まないな」
「ピカ……」
「明日には止むといいな」
「ピカ……」
俺の言葉に、ピカチュウは弱々しく頷く。
「みんな今頃、俺達を捜してるよな」
「ピカ……」
「ロケット団も、心配してるかもな」
「ピカ……」
残された時間は、徐々に減っていく。
走る気力がないから歩いていた訳じゃない。
ピカチュウとの、最期の時間を、一歩一歩、踏み締めたかった。
「嵐……止まないな」
「ピカ……」
「明日には止むといいな」
「ピカ……」
俺の言葉に、ピカチュウは弱々しく頷く。
「みんな今頃、俺達を捜してるよな」
「ピカ……」
「ロケット団も、心配してるかもな」
「ピカ……」
残された時間は、徐々に減っていく。
ゆっくりと、俺は歩み続ける。
「俺達が出会った日、覚えてるか?」
「ピカ……」
「お前、中々言うこと聞いてくれなくてな。苦労したよ」
「ピカ……」
「でも、すぐに仲良くなれた」
「ピカ……」
ピカチュウの声はかすれる一方だった。
それでも、しっかり頷いて返事をくれる。
「俺達、いつも一緒だったな」
「……ピカ……」
「楽しい時も、苦しい時も、いつも一緒だった」
「…………ピ、カ……」
最後に、これだけ言わせてくれ。
「これからも、ずっと一緒だよな?」
「……………………」
返事は、なかった。
「……ピカチュウ?」
ピクリとも動かない。
「俺達が出会った日、覚えてるか?」
「ピカ……」
「お前、中々言うこと聞いてくれなくてな。苦労したよ」
「ピカ……」
「でも、すぐに仲良くなれた」
「ピカ……」
ピカチュウの声はかすれる一方だった。
それでも、しっかり頷いて返事をくれる。
「俺達、いつも一緒だったな」
「……ピカ……」
「楽しい時も、苦しい時も、いつも一緒だった」
「…………ピ、カ……」
最後に、これだけ言わせてくれ。
「これからも、ずっと一緒だよな?」
「……………………」
返事は、なかった。
「……ピカチュウ?」
ピクリとも動かない。
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