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    元スレ魔王「魔王を倒そう」

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    101 = 1 :

    魔王「ぷっ、ふふふ……こんにちは、弟くん。お久しぶりだったかしら?」

    魔王「……」

    魔王「弟くん、安心して? 私怒ってないから。うん、過去のことなんて忘れるべきよね」

    側近「魔王様……」

    魔王「可愛い弟くんのためだものね。私があなたに憎しみを持ってはいけないもの」

    魔王「それは……あなたの勝手です。姉上」

    魔王「そうかしら? ええ、そうかもしれないわね……」

    102 = 1 :

    魔王「ところで弟くん、私思ったのよ。やっぱり約束の反故を防ぐためには、心の底から『守ろう』って気にさせることが大事だって、ね?」

    魔王「……」

    魔王「例えば今あなたは私に剣を向けているけれど……ああ、私は凄く悲しいわ」

    魔王「……」

    魔王「あなたは哀れな子……親に、兄弟に見捨てられて、愛されるどころか視界にすら入れて貰えない」

    側近「姉上様、何を言って……」

    魔王「おかしいわよねぇ。私がこんなに愛しているのに……あなたを愛するのは私だけのものかしら?」

    魔王「いいか、側近。お前だけでもすぐにこの場から逃げろ。とにかくここ……姉上は危険なんだ」

    側近「ど、どうしてです? 一体何が……」

    103 = 1 :

    魔王「あなたを愛しているのは私だけで、あなたを愛していいのは私だけ。それっておかしい道理かしら? 裏切られても愛するのは当然じゃないかしら」

    魔王「側近、早く!」

    側近「……っ!」

    魔王「どこへ行くの? お前もどうせこの子を愛さないくせにッ!!」

    側近「きゃッ!? ぐっ……」

    魔王「側近!」

    魔王「ん? あら、また気絶しちゃったみたい。結構忙しいのね」

    魔王「姉上……悪かった。頼むから側近には手を出さないでくれ」

    魔王「ふーん、良いけど。その剣、貸して?」

    魔王「……あ、ああ。だが側近には……」

    魔王「わかっているわ。私は約束を守るもの。誰かさんと違って、ね?」

    105 = 1 :

    魔王「腕、ちょっと痛いかもしれないけど、我慢してね? 大丈夫、切り落としたりなんてしないから」

    魔王「姉上、一体……ぐあッ!」

    魔王「綺麗な血……れるっ……」

    魔王「な、何を……! が、ああああああ!!」

    魔王「痛い? 痛いわよねぇ。腐っちゃってるもの。なぜかあの勇者には効かなかったけれど……。ふふ、跪くほど痛いのね……れろ……」

    魔王「やめ、ろおおおおッ!」

    魔王「必死で抵抗しようとしているけれど、全然力が入ってないわよ? ほら、簡単に押し倒せる……。剣は邪魔ね。ぽいっと」

    魔王「た、頼む。姉上……やめて、くれ……!」

    112 :

    魔王「約束してくれたらやめてあげる。ね、弟くん……? れろ……」

    魔王「っづああああああッ!! や、約束!? 約束ってなんだ!!」

    魔王「暗くて冷たい部屋でね……しばらく過ごすの。大丈夫よ、邪魔な生き物を全部消したら、出してあげるから……れろ……」

    魔王「ぐあ、あああああ……ッ!! そんなこと……!!」

    魔王「悪い条件じゃないと思うけれど? ちょっとの間我慢するだけ……そうすれば、世界も、自由も、愛も、全部あなたのものになる」

    魔王「例え空や海があっても……そんな箱庭みたいな世界で……自由があるわけ、ないだろう……! それに……あいつは、どうなる……!」

    魔王「あいつ……? ああ、今部屋の隅で寝てる子? 大丈夫よ。考え得る中で一番楽な方法で殺してあげるから。それならいいでしょう、ね?」

    113 = 112 :

    魔王「良いわけないだろう……そんなこと……!」

    魔王「そう? 良いと思ったのだけれど……れる……」

    魔王「がああ、ああああああッ!」

    魔王「ねえ、わかる? 腕だけじゃなくて、どんどん身体の中央へと腐食が迫っていること……。このまま心臓まで届けば、どうなるのかしら」

    魔王「っはぁ……っはああ……」

    魔王「見たことがあるのだし、考えるまでもないわよね~。でも、あの時と今の私は違うの……今、弟くんの命を握っているのだと思うと、凄く興奮する……れろっ……」

    魔王「ぐああああああああァッ!」

    115 = 112 :

    魔王「ねぇ、私のここ、凄いことになってるでしょう? 多分あと3回くらい舐めたら心臓まで届いちゃうのに、私止められないの……れるっ……」

    魔王「がああ、あああ、ああ! たの……む……やめ……」

    魔王「約束、してくれたらいつでもやめてあげる」

    魔王「暗くても……冷たく、ても良い……あん、たの言うことは……なんでも、聞く」

    魔王「本当……? じゃあ……!」

    魔王「だが……あい、つは……!」

    魔王「……れろっ……ぴちゅっ」

    魔王「づ、ああああああアアアアアッ!」

    116 = 112 :

    魔王「あと1回で届くのね……ああ……これほど幸せなことなんてあるのかしら……」

    魔王「ッ……!」

    魔王「これで最後……本当に約束、してくれない?」

    魔王「あいつ……だけは……」

    魔王「そう……残念……さようなら、弟くん……」

    117 = 112 :

    魔王「……? げほっ……が……あ?」

    魔王「はぁっ……はぁっ……はぁっ……!」

    側近「はあ……はあ……!」

    魔王「そっか……げほッ……起き、ちゃって……たんだ……気付か……がはッ……ざんね……――――」

    魔王「側近……!」

    120 = 112 :

    側近「魔王様! 大丈夫ですか!?」

    魔王「ああ……何とか助かった……すまない」

    側近「治療に必要なものを急いで持ってきます!」

    魔王「側近、待て……。どうせ致命傷じゃないんだ。急がなくて良い……こんなときだけは、丈夫が身体がありがたいな」

    側近「ですが……!」

    魔王「だからな、側近……少しだけ、傍にいてくれ……」

    側近「……はい」

    121 :

    122 = 112 :

    もう少しなのにさるが辛い。おわるときはおわりって書きます

    123 = 112 :

    側近「本当に……本当に大丈夫なんですか? 実は怪我が深くて……とかありませんよね?」

    魔王「心配性だな……こっちまで心配したくなるだろう。本当に大丈夫だ。腕は腐ってるが……まあそのうち新しいのが生えるだろう」

    側近「泳げますか?」

    魔王「は?」

    側近「泳げるように、なりますか?」

    魔王「まあ、腕が治ればな」

    側近「だ、だったら、今度海にいきましょう。海!」

    魔王「海なんて、この島の周り全部そうだろう」

    側近「そうじゃなくて、もっと南です。妹様の領地の!」

    魔王「……ああ。そうだな。いつか行こう」

    125 :

    もう寝るからあらかじめ言っておく

    大層乙であれ

    127 = 112 :

    側近「それから……!」

    魔王「落ち着け。計画はまたゆっくり立てよう。時間はたっぷりあるんだ」

    側近「そ、そうですね……すみません」

    魔王「時間は、たっぷりあるんだ……」

    側近「で、では、そろそろ治療道具を持ってきます。魔王様は……ここ……で……」

    魔王「はは……冗談だろ……?」

    勇者「……」

    129 = 112 :

    魔王「……生きていたんだな」

    勇者「結局、間違いだったんだ……魔族を信じるなんて……」

    側近「魔王様……!」

    勇者「裏切り者め……ッ! 僕が……僕が消してやるッ!!」

    魔王「……側近。旅行は無期延期にしよう。残念ながら、まだ終わっていなかったようだ」


    おわり

    130 = 124 :

    魔王死んで側近が次期魔王ENDかと思ったらそうでもなかったか

    131 :

    勇者最低だな

    乙!

    132 = 121 :


    最後あっさりしてるのが逆に良かった


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