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    元スレ咲「麻雀放浪記」

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    51 = 32 :

    港区 ホテル臨海 最上階

    ダヴァン「揃ったようですね、では、この勝負を見届けます、Megan Davan(メガン・ダヴァン)と」

    「龍門渕の使い、井上純です」

    ダヴァン「ルールは別紙の通り、6半荘の辻垣内智葉と竹井久のスコアを競います」

    ダヴァン「辻垣内智葉が勝った場合、竹井久と宮永咲はその人権を譲渡します。竹井久が勝った場合は辻垣内智葉の人権を譲渡します」

    ネリー「ネリーはいいの?」

    ダヴァン「それが大人のバランスなのです、ネリー。あなたの命はそこまで安くありませんよ」

    ネリー「お金くれたらネリーが変わってあげてもいいよ、サトハ!」

    智葉「お前の命は金では買えないよ」


    「ネリー・ヴィルサラーゼ……近くで見ると迫力あるわねぇ、ちっこいくせに……咲、アンタ昔こんなのとヤッたの?」

    「ええ、楽しかったですよ」

    52 :

    鬼畜咲さん
    腐女子咲さん
    百合咲さん

    みんな違ってみんな良い

    53 = 32 :

    (オレの見立てでも、この中でネリー・ヴィルサラーゼが図抜けているのはわかる……どうするつもりだ、竹井。辻垣内一人でも厄介なのに)

    ダヴァン「では、誓約書に血判を」

    ネリー「ネリー、痛いのいやだよ!」

    ダヴァン「我慢なさい、ネリー、これはジャパニーズ・ジンギです!」

    「あはは……この瞬間、ドキドキするわ」

    「大丈夫ですか?」

    「自分の命が、宙ぶらりんになる瞬間……やめられないのよねぇ……咲、あなたが居なかったら私は途中でくたばってたわね」

    「らしくないですよ、部長」

    「私って、大舞台弱いからね……頼むわよ、咲」

    54 = 32 :

    ダヴァン「心配ですか?Mr.イノウエ」

    「あんた、分かってて言ってるだろ……まあいいや。透華が信じた竹井を信じる。それがオレの仕事だからな」

    ダヴァン「あの二人はアクマです!オニです!鬼退治はモモタロウの仕事で、サトハはモモタロウですよ」

    「まー、あいつらが悪魔で、鬼だっていうのは同意する」

    ダヴァン「東京では酷いことばかり……たくさんのヒトが悲しみました……裏の世界にもルールはあります、それをあの二人は破ったのです」

    「だからその報いは受けるだろう」

    ダヴァン「サトハは殺すと決めたら必ず殺しますよ」

    「さて……カギを握るのはやはり魔物二人……ネリーと宮永か」

    55 = 42 :

    部長がいい感じに狂ってるな

    57 = 32 :

    ダヴァン「南一局……ここまでは臨海有利に進んでますね、タケイは17000点、対するサトハは34000点。ネリーと宮永は原点付近ですか」

    「……竹井久はスロースターターだからな、あのインハイもそうだった」

    ダヴァン「サトハの前で悠長に構えていると死にますよ?」

    「それにしても、ネリー……」

    (サカルトヴェロの生ける伝説、ネリー・ヴィルサラーゼ。一人であの戦争を終わらせ、故郷に平和をもたらした話はあまりにも有名だ)

    (巨大な石油利権のバランスブレーカー。大勝負では鬼のように強いと聞く。今では世界の暗黒街の切り札だ……勝てるのか、竹井!)

    ダヴァン「ちなみに、ネリーはこの手の勝負に負けたことはありません。きっちり仕事をこなしてくれますよ?」

    58 :

    ダヴァン無視されすぎー

    59 = 35 :

    こういう咲も面白そう

    60 :

    この面子のチョイスにセンスを感じる

    61 :

    麻雀漫画に必ずいる解説役大好き

    62 = 32 :

    南4局 オーラス

    (竹井が12000点。辻垣内が35000点。……まだネリーと宮永は原点付近か。)

    智葉(ふむ……ここで張ったか……いい流れだ。ダマでも満貫)

    「カン」

    智葉(さっきからカンばかり……ただし、ここで状況が変わる。宮永はここでは和了れないが、狙いはカンドラだろう。東2局では竹井のクソ手が宮永のカンドラで満貫に化けた)

    「リーチ!」

    智葉(やはりドラ麻雀か。粘ったり躱したりをせず、愚直に前に進む……確かに私とネリーを前にして手役のスピードで競うのは馬鹿げているか)

    智葉(だがお前らが和了る前に、ネリーが私に差し込めば、それで決する。一手遅かったな、それが命取り!)

    ネリー「北だよ!安牌安牌」

    智葉(……?ネリー?ないのか、私の当たり牌が)

    智葉(ツモはドラ……これは…切れないな。なら、暗刻で抱えた南を切って)

    63 :

    鬼畜咲さん可愛い
    しえ

    64 = 32 :

    打 南

    ネリー「サトハは変わったね」

    智葉「?」

    ネリー「大人になったんだね、サトハは。昔のあなたなら、ここで南は絶対切らなかったし、この勝負に私を呼んだりしなかった」

    智葉「ネリー?」

    ネリー「そして、私がお金で動く人間だと嫌というほど知りながら、昔のよしみで手を貸してくれると信じて、いや甘えて……昔と同じ額しか出さなかった」

    ネリー「悲しいよ、サトハ。ロンだよ、それ。国士無双で32000点。これで終わり」

    智葉「ネリーィィィイィィイ!!!!!」

    65 = 60 :

    あーあ

    66 = 46 :

    やってしまいましたなぁ

    67 :

    流石守銭奴

    68 :

    あー

    69 = 32 :

    ダヴァン「ネリー!!何を!!!」

    「いやー、危なかったわね」

    「部長、その手テンパッてないでしょ?」

    「あはは、バレちゃった?でも、対面さんは騙されてくれたみたいだけど?」

    「ま、まさか!」

    「正直、ネリーちゃんには勝てないよ、私達じゃ。でも、だからこそ打つ手はある」

    ダヴァン「これは、これは、ジャパニーズ・フギリ(不義理)!ネリー、あなた……」

    ネリー「でも、もう私をあなた達は殺せない。私を殺しちゃ、大物たちが黙ってないよ」

    ネリー「それに、サキとヒサはサトハの15倍の額のお金をくれたよ?これが私の相場だよ、サトハ!」

    「いやー、東京で稼いだ貯金がスッカラカンよ」

    智葉「いや……私は……ネリー……友達だと……」

    70 = 46 :

    これは心折れますわ

    71 = 32 :

    「さて、一回戦終わってあと五回……大分余裕が出来たわね」

    「正直、彼女の動きは読めませんでしたから、今は少し楽になりましたね」

    智葉「あっ……あっ……」

    ネリー「今のサトハ、カッコ悪いよ!」

    「ルールにはこの場合は規定されていないな……差し込みありなら、味方から和了るのも何ら問題ない」

    ダヴァン「そうですね……やっぱりアクマとオニです」

    智葉「私は……ただ、お前たちが許せなかっただけなんだ……私の愛した東京を汚したお前たちが……」

    ネリー「裏の世界にルールはないよ、それに私はただ遊びたいだけ。

        さっき私、言ったよね?お金出してくれたらサトハと変わるよ?って。あの時変わってくれたら、私は本気で打ったと思うよ!」

    智葉「ネリー!金か!金なら、あいつらの倍出す!頼む、ネリー!」

    ダヴァン「サトハ、もういいんです!もういいんです……」

    ネリー「結局、サトハは私のこと、なーにも分かってないんだね!さあ、次の半荘、さくさく行こう!」

    73 = 63 :

    流石はネリー

    74 = 32 :

    「そうですよ、まだ勝負は終わってない」

    「私も気を引き締めてかなくちゃね」

    ネリー「サトハ、ここからは私も本気で打つよ!昔みたいに、命の削り合い、やろうよ!」

    智葉「うっ……うぅうう……」

    「そういえば、前から思っていたんだけど、辻垣内さんってメガネ外して髪下ろしたら可愛いわよね」

    「え?そーなんですか?」

    「いやー、楽しみだわ……あなたをめちゃくちゃに出来るなんて……東京最後の夜に」

    智葉(勝てるのか……ネリー抜きで……いや……昔の私なら)

    ネリー「そう、昔のあなたなら」


    サトハ編 終わり

    75 = 61 :

    ガイトさんに救いを

    76 :

    こりゃ無理だ

    77 = 32 :

    末原「はるばるよー来たな、大阪に」

    「すみません、末原さん、ちょっと東京で色々ありまして」

    宮永咲と竹井久を新大阪駅で迎えたのは、少しだけ年をとった末原恭子だった。

    「悪いわね、末原さん」

    末原「困ったときはお互い様や、今日はミナミでパーッと飲もうや!」

    昔より少しだけ明るくなった末原恭子である。

    81 = 32 :

    深夜 3時 ミナミの小さな居酒屋

    末原「なんやぁ、宮永ぁ、アンタ煙草吸うんか?」

    末原「インハイ出場停止食らってまうで!あ、なら姫松の優勝や!姫松高校ばんざーい!」

    「末原さん、ちょっと、ちょっと静かに」

    末原「あ?あんたらが文無しやから今日の会計誰持ちか言うてみ?」

    「す、末原さんです……」

    末原「あ~~~?もっと大きな声で言わんかい、ボケェ!」

    「末原恭子大先輩です!!!」

    末原「わかっとんならいいんじゃボケ……ウィ~~」

    84 :

    代行に何もされずに大人になれただけでちょっと安心してしまう

    85 = 32 :

    (部長は二次会終わったら路上で女の子見つけて夜の街に消えちゃうし……私がこの酔っぱらいの面倒みなくちゃいけないなんて)

    末原「ウィ~ウチが大将張っとった姫松はなぁ、そら、強かったでぇ……なあ、宮永!」

    「はいはい」

    末原「……なあ、宮永。あンたまだ麻雀打っとるんか?」

    「はい。と言ってもお遊び程度ですけど」

    末原「そうか……あんたも変わらんなぁ……胸のほうも」

    「ひゃっ!やめてください、末原さん!」

    末原「ええやないか~ええやないか~ほれほれ」

    「ちょ、ちょっと!」

    末原「ん?なんやこれ?小汚い桐の箱やなぁ」

    末原恭子は咲のポケットをまさぐって小さな木箱を見つけた。

    86 = 32 :

    「指です。」

    末原「あぁ、ホンマ、指やな」

    「?驚かないんですか?」

    末原「あんたらの悪評はこっちまで届いとるで、これ、辻垣内のお袋さんの指やろ?」

    「はい」

    末原「ホンマは主将もゆーこも絹ちゃんも……あとデコッパチも呼ぼうと思ったんやけどなぁ……」

    「いいですよ、私、話したことあるの末原さんしかいないし……」

    末原「洋榎は竹井に会いたがっとったで、まあ、これも昔の話やけどな」

    87 = 32 :

    末原「おい、宮永、そんな煙草吸っとると癌になるで」

    末原「……まあええか。あんたは癌で死ぬタマやないしな」


    末原「ん……もう昼か」

    末原が目覚めたのは小汚いドヤのホテルの一室だった。

    末原「置き手紙……何々、酔っ払った末原さんをここまで運びました。お財布の中のお金は少しだけ借りていきます。さき」

    末原「ボケ、小銭しか残ってないやん……はぁ……」

    90 = 60 :

    咲さんひでえ

    92 = 32 :

    「ねえ咲」

    「なんですか部長」

    「大阪も思ったほど住みやすくないわね」

    「最初はそんなもんじゃないですか?」

    「なーんか嫌な感じがするのよねぇ、大阪入ってから」

    「かわいい女の子抱いてないんですか?紹介しますよ?」

    「うーん……なんか違うのよねぇ……こう、東京でめちゃくちゃやってた時に比べて、スリルが足りないっていうか」

    「……」

    「ゾクゾクしないのよねぇ……」


    咲はこの時思った。もう部長とも手を切るべき時が近づいていると。これは魔物の直感だった。

    94 = 32 :

    しかし、咲が思ったよりも歯車が狂いだすのは早かった。

    「もしもし咲?私だけど」

    夜中、突然の電話。咲はホテルに一人で居たが、この時はどうやって部長に縁切りを伝えるか悩んでいた。

    「……すっごく面白いヤマを見つけたの……一緒にやらない?」

    甘い部長の声。咲は唾を飲んだ。

    「で、でも、今は……まだ東京のほとぼりも冷めてませんし」

    「らしくないわね。話だけでも聞いてよぉ」

    「もう……話だけですよ?」

    咲は優しかった。否、魔物にしては優しすぎた。

    「ありがと……じゃあ、場所を伝えるわね」

    96 = 32 :

    部長に教えられた場所は、大阪の中心からタクシーで1時間程離れたところにある某国の大使館だった。

    近くに大きなゴミの焼却場があるのか、そこはいやに生臭かった。

    「宮永です」

    警備員に伝えると、無言で車が通された。

    内装がやけに豪華な大使館の屋敷の中に入ると、咲は自分がお姫様であるかのような錯覚を覚えた。

    大使館の地下に咲は通された。そして、その一室に部長がいた。

    「ニーハオ、咲。来てくれてありがと」

    咲は直感した。ここは胃袋だ。巨大な食虫植物の胃袋の中だ。

    98 = 32 :

    赤阪「宮永さん。話は色々聞いとるでぇ~ウェルカムトゥーオーサーカ」

    「この人、私の最後のインハイの時の、姫松高校の監督だって。」

    赤阪「ノンノン、正式には監督代行やけどなぁ~まあ、洋榎ちゃんや末原ちゃんの恩師やで~」

    「……」

    赤阪「固いなぁ、咲ちゃ~ん、ウチらお仲間やん。たぁ~くさんわる~いことやってきたやろ?」

    赤阪「今回も一緒に乱れようや……なあ、久ちゃん」

    「まあ、咲は用心深いのよ。だから、私は信用しているんだけどね」

    赤阪「なら、まずビデオを見せなアカンかぁ~きぃ~っと気に入ってくれるで~」

    100 = 61 :

    代行が闇社会の長という風潮


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