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元スレほむら「やっぱりあなたの方が似合うわね…」タツヤ「?」

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「…タツヤもそろそろ『お姉ちゃん離れ』の時期かと思ってね。それでさ」
「はいはい。で本当のところはどうなんだい?」
「…一蹴かい」
「何年一緒だと思ってるのさ?玄関前でほむらちゃんに見せてた…ああいう顔した詢子は、かなり深いとこまで考えて、心を切って鬼になってる時だって知ってるよ」
「…」
「実の娘みたいだって、言ってたじゃないか。僕だってそう思ってる」
「…」 カラン
「…ほむらちゃんが、何かしたのかい?」
「はいはい。で本当のところはどうなんだい?」
「…一蹴かい」
「何年一緒だと思ってるのさ?玄関前でほむらちゃんに見せてた…ああいう顔した詢子は、かなり深いとこまで考えて、心を切って鬼になってる時だって知ってるよ」
「…」
「実の娘みたいだって、言ってたじゃないか。僕だってそう思ってる」
「…」 カラン
「…ほむらちゃんが、何かしたのかい?」
「…目だよ」
「目?」
「そう目。タツヤを見る目」
「…えっと、詢子、まさかと思うけど君は…」
「…勘の域を出ないってならそうなんだけどね。でも確かなやつさ。女のカンってやつ」
「…信じられないなあ」
「私たちは『家族』だってことに念を押しといただけさ。その殻を破ってタツヤを傷つけるようなことを考えてるなら、覚悟しろってのも」
「きついなあ。いくらなんでも、らしくないよ」
「…ほむらちゃんのが、ただの愛情ならいいさ。家族ったって籍は入れれる関係だし、タツヤが良いってんなら…年の差だって、まあ」
「…」
「なんか、ね、なんだろうね。今の…ほむらちゃんの目は、違うんだ。もっと濁ってる」
「何だいそれ?」
「…さあね、でも、あの子にはもう少し自問してほしいんだ」
カララン
「ほむらちゃん自身とタツヤの、両方の為にだ」
「目?」
「そう目。タツヤを見る目」
「…えっと、詢子、まさかと思うけど君は…」
「…勘の域を出ないってならそうなんだけどね。でも確かなやつさ。女のカンってやつ」
「…信じられないなあ」
「私たちは『家族』だってことに念を押しといただけさ。その殻を破ってタツヤを傷つけるようなことを考えてるなら、覚悟しろってのも」
「きついなあ。いくらなんでも、らしくないよ」
「…ほむらちゃんのが、ただの愛情ならいいさ。家族ったって籍は入れれる関係だし、タツヤが良いってんなら…年の差だって、まあ」
「…」
「なんか、ね、なんだろうね。今の…ほむらちゃんの目は、違うんだ。もっと濁ってる」
「何だいそれ?」
「…さあね、でも、あの子にはもう少し自問してほしいんだ」
カララン
「ほむらちゃん自身とタツヤの、両方の為にだ」
…
今日は特に何もありませんでした。
最近思うのですが、中学生になって、なんだか毎日つまらない気がします。
部活のサッカーにも熱が入りません。友達に相談するにしても、黄昏れるにはまだ人生早すぎるだろ、とおおむねバカにされることしかないので、まるで役に立ちません。
前、ほむら姉ちゃんにあってからは、顕著にそう感じるようになった気がします。
その時は、なんとなくまたすぐ会えるだろうと思っていたのですが、あれから暫く経ったいまになるまで、ほむら姉ちゃんと遭遇することはありませんでした。
次に会えたらいっぱい話そうと思います。
そうしたら、このよくわからない気持ちにも、何かの答えが出るかもしれません。
鹿目タツヤ
今日は特に何もありませんでした。
最近思うのですが、中学生になって、なんだか毎日つまらない気がします。
部活のサッカーにも熱が入りません。友達に相談するにしても、黄昏れるにはまだ人生早すぎるだろ、とおおむねバカにされることしかないので、まるで役に立ちません。
前、ほむら姉ちゃんにあってからは、顕著にそう感じるようになった気がします。
その時は、なんとなくまたすぐ会えるだろうと思っていたのですが、あれから暫く経ったいまになるまで、ほむら姉ちゃんと遭遇することはありませんでした。
次に会えたらいっぱい話そうと思います。
そうしたら、このよくわからない気持ちにも、何かの答えが出るかもしれません。
鹿目タツヤ
…
書き終えてペンを置くと、深呼吸をひとつ。
…ついたつもりが、ため息にしかならなかった。
胸の奥から湧きあがるような焦燥は形にならず、明らかな感情を作る前に霧散してしまう。
「…気持ち悪いなあ」
我ながら、と出かけた言葉を噛みつぶしながら、ライトを消し、ベッドにもぐりこむべくイスから立ち上がった。
ベッドの方へと振り向いた。…と、視界の真ん中で白点が遊んだ。
何かがすぐ目の前を舞っていると気付くのに、時間はいらなかった。
「…羽?」
キラキラと仄かに光を反射しながら、白い羽毛のようなものがふわふわと落ちてくる。
「なんでこんなもの」
布団が破けたかな?とおぼろに思いながら。何の気なしにその羽を両手ですくい取った。
瞬間、世界が白く染まった。
書き終えてペンを置くと、深呼吸をひとつ。
…ついたつもりが、ため息にしかならなかった。
胸の奥から湧きあがるような焦燥は形にならず、明らかな感情を作る前に霧散してしまう。
「…気持ち悪いなあ」
我ながら、と出かけた言葉を噛みつぶしながら、ライトを消し、ベッドにもぐりこむべくイスから立ち上がった。
ベッドの方へと振り向いた。…と、視界の真ん中で白点が遊んだ。
何かがすぐ目の前を舞っていると気付くのに、時間はいらなかった。
「…羽?」
キラキラと仄かに光を反射しながら、白い羽毛のようなものがふわふわと落ちてくる。
「なんでこんなもの」
布団が破けたかな?とおぼろに思いながら。何の気なしにその羽を両手ですくい取った。
瞬間、世界が白く染まった。
魂でも飛び出たみたいだった。全身の感覚はとろけて混ざり、それでも目と耳から伝わるものだけははっきりと感じ取ることができた。
上も下も分からない中で、目の前に1人の女の子が現れた。
ちっちゃくてかわいくて、でもどこか神々しい。
桃色の髪の毛に、リボンをしている。ほむら姉ちゃんが持ってたやつ。
まどか。なんだっけな、どこで聞いたかも忘れた誰かの名前が、思考の裏っかわを撫でた。
逡巡するみたいに、目をあっちこっちしていた女の子が口を開いた。
「…タツヤ、タツヤ」
「…タツヤ。会いたかった。パパとママも…そっか、元気なんだね。良かった」
初対面の人に、涙目でそんなこと言われても困る…とは、何故か思わなかった。
不思議と懐かしい声だった。
上も下も分からない中で、目の前に1人の女の子が現れた。
ちっちゃくてかわいくて、でもどこか神々しい。
桃色の髪の毛に、リボンをしている。ほむら姉ちゃんが持ってたやつ。
まどか。なんだっけな、どこで聞いたかも忘れた誰かの名前が、思考の裏っかわを撫でた。
逡巡するみたいに、目をあっちこっちしていた女の子が口を開いた。
「…タツヤ、タツヤ」
「…タツヤ。会いたかった。パパとママも…そっか、元気なんだね。良かった」
初対面の人に、涙目でそんなこと言われても困る…とは、何故か思わなかった。
不思議と懐かしい声だった。
「おいていっちゃって、ごめんね。いっぱい話したいことはあるんだけど」
と、女の子は続ける。こっちからも色々言いたいこと聞きたいことがあったはずなんだけど、思考がばらばらになってまとまらない。あと喋れない。
「時間がないから、これで」
全身(?)を包み込むあったかさで、自分が今抱きしめられているんだと分かった。
熱を帯びた思念の渦が冷えていく。ほむら姉ちゃんに抱きしめてもらってるみたいだな、と思った。
「一方的になっちゃったけど、ごめんね」
女の子は、(たぶん耳元で)囁くように話す。
「ほむらちゃんを1人にしないであげて」
「もう、きっとタツヤにしかできないことだから、お願い」
女の子の身体が離れていく。遠ざかって、二度と近づけない場所に落ちていく。
「…会いに行ってあげて。今すぐに」
最後のセリフが、どんな顔で発せられたのかは分からなかった。
と、女の子は続ける。こっちからも色々言いたいこと聞きたいことがあったはずなんだけど、思考がばらばらになってまとまらない。あと喋れない。
「時間がないから、これで」
全身(?)を包み込むあったかさで、自分が今抱きしめられているんだと分かった。
熱を帯びた思念の渦が冷えていく。ほむら姉ちゃんに抱きしめてもらってるみたいだな、と思った。
「一方的になっちゃったけど、ごめんね」
女の子は、(たぶん耳元で)囁くように話す。
「ほむらちゃんを1人にしないであげて」
「もう、きっとタツヤにしかできないことだから、お願い」
女の子の身体が離れていく。遠ざかって、二度と近づけない場所に落ちていく。
「…会いに行ってあげて。今すぐに」
最後のセリフが、どんな顔で発せられたのかは分からなかった。
ふっと意識を取り戻したら、そこは特に何も変わることなく部屋の中だった。
何か大事な夢を見ていた気がするけど、一体なんなのか、どんな内容だったのかは全然思い出せなかった。
ただ突き動かされるように、飛びつくみたいにして机にもう一回向かい合うと、ついさっき書いたばかりの日記の、その下2行をペンでぐしゃぐしゃに潰した。
悲しくもないのに流れてくるわけのわからない涙から帳面を庇いながら、修正版本日のタツヤ日記を書きあげると、今度は机をふっとばす勢いで立ち上がった。
クローゼットをひっかきまわして余所行きのコートを着て、階段を駆け下りて、晩酌中の母さんの制止にも聞く耳もたず、玄関でシューズを履いて、冬空に星座ひろがる夜道に飛び出た。
息を切らして走った。何が何だか自分でもわからない。
でも、向かう先は決まっていた。
何か大事な夢を見ていた気がするけど、一体なんなのか、どんな内容だったのかは全然思い出せなかった。
ただ突き動かされるように、飛びつくみたいにして机にもう一回向かい合うと、ついさっき書いたばかりの日記の、その下2行をペンでぐしゃぐしゃに潰した。
悲しくもないのに流れてくるわけのわからない涙から帳面を庇いながら、修正版本日のタツヤ日記を書きあげると、今度は机をふっとばす勢いで立ち上がった。
クローゼットをひっかきまわして余所行きのコートを着て、階段を駆け下りて、晩酌中の母さんの制止にも聞く耳もたず、玄関でシューズを履いて、冬空に星座ひろがる夜道に飛び出た。
息を切らして走った。何が何だか自分でもわからない。
でも、向かう先は決まっていた。
辿り着いた家の表札には、「暁美ほむら」としっかり記されていた。
しばらく肩で息をして呼吸を整えると、チャイムを鳴らした。
鳴らしながら窓から屋内の様子を探る。
窓は夜空の星座をまるまる映すくらいには暗い。普通に考えると、寝ているか、中に誰もいないのか。
迷惑至極というか、とち狂ったことに、その時点で退くという発想はなかった。
チャイムに反応して誰も出てこないのを確認すると、近くのプランターに手を伸ばし、生えている観葉植物の幹をひっつかみ、それを引っこ抜いた。
引っこ抜いた後に残ったプランターの底、にぶく乳白色にひかるカードキーを躊躇なく手にすると、感知機に通す。
自動ドアはあっさりその口を開いた。
しばらく肩で息をして呼吸を整えると、チャイムを鳴らした。
鳴らしながら窓から屋内の様子を探る。
窓は夜空の星座をまるまる映すくらいには暗い。普通に考えると、寝ているか、中に誰もいないのか。
迷惑至極というか、とち狂ったことに、その時点で退くという発想はなかった。
チャイムに反応して誰も出てこないのを確認すると、近くのプランターに手を伸ばし、生えている観葉植物の幹をひっつかみ、それを引っこ抜いた。
引っこ抜いた後に残ったプランターの底、にぶく乳白色にひかるカードキーを躊躇なく手にすると、感知機に通す。
自動ドアはあっさりその口を開いた。
真っ暗な部屋の中、ひたりひたりと歩みを進めた。
不審者のような挙動というか不審者そのものなのだが、もう構っていられない。自分の身体のどこかで燃えている何かが、考えることを許さない。
ゆらり廊下の行き止まりまで進み、寝室の戸をあけると、ベッドの上に、掛け布団に覆われたこんもりと盛りあがる小山があった。
その中からすすり泣く声がするものだから、もう居てもたってもいられなかった。
「ほむら姉ちゃん?」
と、呟くように呼び掛けると、掛け布団がびくりと反応した。
するすると布団とベッドの繊維がすれる音がして、掛け布団の一部がめくれあがり、こっちを向いた。
「…た、っくん?」
と出てきたほむら姉ちゃんの顔はひどいもので、月明かりだけでも、泣きはらした目元がくっきり見えた。
不審者のような挙動というか不審者そのものなのだが、もう構っていられない。自分の身体のどこかで燃えている何かが、考えることを許さない。
ゆらり廊下の行き止まりまで進み、寝室の戸をあけると、ベッドの上に、掛け布団に覆われたこんもりと盛りあがる小山があった。
その中からすすり泣く声がするものだから、もう居てもたってもいられなかった。
「ほむら姉ちゃん?」
と、呟くように呼び掛けると、掛け布団がびくりと反応した。
するすると布団とベッドの繊維がすれる音がして、掛け布団の一部がめくれあがり、こっちを向いた。
「…た、っくん?」
と出てきたほむら姉ちゃんの顔はひどいもので、月明かりだけでも、泣きはらした目元がくっきり見えた。
「…ほむら姉ちゃん!」
と思わず駆け寄る。
「来ないでッ!!」
きっと傷つけちゃうから、と弱弱しく続けるほむら姉ちゃんに圧され、びくりと足を止める。
怖いわけじゃなかった。傷つけちゃうといいつつ、言ってる本人が砂場の城のように崩れてしまいそうな様子の、初めて見る、こんな弱弱しいほむら姉ちゃんに、自分が触れていいものか。
逡巡は一瞬だった。誰かに肩を押された気がした。
布団の上からそっとほむら姉ちゃんを抱きしめると、その身体の震えが伝わってきた。
と思わず駆け寄る。
「来ないでッ!!」
きっと傷つけちゃうから、と弱弱しく続けるほむら姉ちゃんに圧され、びくりと足を止める。
怖いわけじゃなかった。傷つけちゃうといいつつ、言ってる本人が砂場の城のように崩れてしまいそうな様子の、初めて見る、こんな弱弱しいほむら姉ちゃんに、自分が触れていいものか。
逡巡は一瞬だった。誰かに肩を押された気がした。
布団の上からそっとほむら姉ちゃんを抱きしめると、その身体の震えが伝わってきた。
しばらく、布団の山を抱きしめ続けた。
ほむら姉ちゃんが出てきてくれる様子はない。でも、振りほどかれることもなかった。
何かを言わなきゃいけない筈だけど、何を言えばいいのかわからない。
頭の中で言葉を紡いで、評価し、落第点をたたきつける。あれでもないこれでもないと紡いでは投げ紡いでは投げを繰り返していると、ふと何かが下りて来る感覚がした。
言葉は自然と、口をついて出た。
「ひとりぼっちになっちゃ、だめだよ。ほむら姉ちゃん」
ほむら姉ちゃんの痛みは僕の痛みだ。何のちからにもなれないなんて、嫌だよ。そんなことを言った気がする。
俄かにひとつ、大きな震えが腕を通して伝わってきた。
しゅるしゅると掛け布団が滑りおちていって、その中から、ほむら姉ちゃんが半分くらい出てきた。
間近で見るその顔はさっき感じたよりもっとひどいもので、真っ赤なほっぺたから、今度は鼻水まで見えてしまった。
「う、うう”!ううう…!」
抱きつき返してきたほむら姉ちゃんは、想像していたより軽かった。気がする。
「ごめ、ごめんなざい…わだっ、わたし、意気地無しだから…!」
ほむら姉ちゃんの背中を撫でながら、嗚咽がやむのを待った。
ほむら姉ちゃんが出てきてくれる様子はない。でも、振りほどかれることもなかった。
何かを言わなきゃいけない筈だけど、何を言えばいいのかわからない。
頭の中で言葉を紡いで、評価し、落第点をたたきつける。あれでもないこれでもないと紡いでは投げ紡いでは投げを繰り返していると、ふと何かが下りて来る感覚がした。
言葉は自然と、口をついて出た。
「ひとりぼっちになっちゃ、だめだよ。ほむら姉ちゃん」
ほむら姉ちゃんの痛みは僕の痛みだ。何のちからにもなれないなんて、嫌だよ。そんなことを言った気がする。
俄かにひとつ、大きな震えが腕を通して伝わってきた。
しゅるしゅると掛け布団が滑りおちていって、その中から、ほむら姉ちゃんが半分くらい出てきた。
間近で見るその顔はさっき感じたよりもっとひどいもので、真っ赤なほっぺたから、今度は鼻水まで見えてしまった。
「う、うう”!ううう…!」
抱きつき返してきたほむら姉ちゃんは、想像していたより軽かった。気がする。
「ごめ、ごめんなざい…わだっ、わたし、意気地無しだから…!」
ほむら姉ちゃんの背中を撫でながら、嗚咽がやむのを待った。
まどかがいなくても代わりに弟がいればいいのかよ
このほむらはクズだわ
このほむらはクズだわ
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