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    元スレ剣士「依頼があれば……この剣でなんでも斬る!」

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    51 : 以下、名無しにか - 2013/12/25(水) 23:31:19.68 ID:k92mmDPc0 (+0,+14,-12)
    しえん
    52 : 以下、名無しにか - 2013/12/25(水) 23:33:34.12 ID:8iZC3E7O0 (+95,+30,-198)
    剣士「女騎士さん、俺に名誉挽回のチャンスを与えるため」

    剣士「わざとコソドロに手を出さないでくれて、ありがとよ!」

    剣士「だがな……さっきアンタに負けた恨みはまだ残ってるんだからな!」

    騎士「!」

    ワイワイ……

    「なんだそういうことか」 「騎士がコソドロにビビるわけないしな」 「だよなぁ」

    散っていく町民たち。



    剣士「さて、帰るか」

    騎士「ま、待て!」

    剣士「ん?」

    騎士「キサマ……なぜ私をかばうようなマネをした!」

    騎士「私が実戦で役に立たず、こんな平和な町に派遣されるハメになったこと──」

    騎士「キサマほどの腕なら、察することができたはずだ!」
    53 : 以下、名無しにか - 2013/12/25(水) 23:35:22.74 ID:8iZC3E7O0 (+95,+30,-78)
    剣士「だって……アンタはエリートだろ?」

    剣士「エリートは俺の……いやみんなの憧れだ」

    剣士「そのアンタがコソドロにビビったなんて知れたら、みんなガッカリするだろ?」

    剣士「別にアンタのためにやったわけじゃないから、気にすんな」

    騎士「…………」

    剣士「ま、これで一勝一敗ってことで……仲良く町を守っていこう」

    騎士「……考えておく」



    ~おわり~
    54 : 以下、名無しにか - 2013/12/25(水) 23:36:40.57 ID:zwXTpEffO (+19,+29,+0)
    イケメンめ…
    55 : 以下、名無しにか - 2013/12/25(水) 23:41:21.51 ID:9lZyjXOE0 (-13,+1,+0)
    ほしゅ
    56 : 以下、名無しにか - 2013/12/25(水) 23:41:29.56 ID:8iZC3E7O0 (+95,+30,-92)
    第五話『老人を研ぐ』



    < 町長の家 >

    町長「ふう……」

    町娘「どうしたの、おじいちゃん?」

    町長「年を取るというのは、イヤなもんじゃのう……」

    町長「頭のキレも、体のキレも、すっかりなくなってしもうた……」

    町長「そろそろワシも引退かのう……」

    町娘「そんなことないわよ! 元気出してよ、おじいちゃん!」

    町長「…………」フゥ…

    町娘「んもう、急にどうしちゃったんだろ)

    町娘(頭のキレ、体のキレ……。そうだわ、こういう時は!)
    57 : 以下、名無しにか - 2013/12/25(水) 23:43:26.48 ID:klSepjXS0 (+17,+27,+1)
    なかなかおもしろい
    58 : 以下、名無しにか - 2013/12/25(水) 23:46:08.20 ID:8iZC3E7O0 (+95,+30,-211)
    < 剣士の家 >

    剣士「──で、俺に町長さんを元気づけろ、と」

    剣士「……なんで俺なんだよ!?」

    町娘「だって~、頭のキレや体のキレをよくするんなら」

    町娘「やっぱりよく斬れる剣を持つ、剣士さんの仕事でしょ?」

    剣士「絶対ちがう……」

    すると──

    騎士「受けてやれ、剣士」ガチャッ…

    剣士「女騎士さん! なんでアンタがここに!?」

    騎士「なに、キサマと剣について語り合おうと思ってな」

    騎士(この間の礼をいいにきた、などとはとてもいえん……)

    騎士「だが、町長殿の悩みを解決する方が優先だろう」

    町娘「さっすが、女騎士さん!」

    剣士(はぁ……こんなの絶対剣士の仕事じゃないって)
    59 : 以下、名無しにか - 2013/12/25(水) 23:47:07.43 ID:zwXTpEffO (+18,+28,+0)
    おじいちゃん…
    60 : 以下、名無しにか - 2013/12/25(水) 23:51:07.12 ID:8iZC3E7O0 (+95,+30,-150)
    < 町長の家 >

    町長「ふう……」ショボン…

    町娘「おじいちゃん、剣士さんと女騎士さんが来てくれたわよ!」

    町長「そうかい……すまんのう」

    剣士(おおっ、ホントに元気ないな)

    騎士「町長殿、元気を出してくれ」

    騎士「この町は人口が少なく、リーダーの気落ちは皆の士気に関わる」

    町長「うむ……それは分かっておるんじゃが……」

    剣士(どういう励まし方だよ……軍隊じゃあるまいし)

    剣士「まぁ……元気出してくれよ、町長さん」

    剣士「俺たちだけじゃない。みんな心配してるんだから、さ」

    町長「そうじゃな……ありがとう」

    剣士(う~ん、なんかイマイチ効果ないな……)
    61 : 以下、名無しにか - 2013/12/25(水) 23:55:30.69 ID:8iZC3E7O0 (+95,+30,-169)
    剣士「まぁ……顔でも洗って、サッパリした方がいいですよ」

    町長「どういう意味じゃね……?」

    剣士「年寄りの冷や水っていうじゃないですか」

    町娘「え?」

    騎士「お、おい!」

    剣士「あれ……? これって褒め言葉じゃなかったでしたっけ……ハハ」

    町長「ぐ、ぐぬ……」

    剣士「まぁ、残り少ない人生ですし、落ち込んで過ごすよりは笑った方がいいですよ」

    剣士「あと……頭のキレや体のキレが悪くなってるんですって?」

    剣士「なら、小便のキレも悪くなってるでしょ」

    剣士「きちんと最後まで出さないと、ズボンとパンツがぬれて──」

    町長「いい加減にせいッ!!!」

    バチィンッ!

    町長のビンタが炸裂した。

    剣士「ぎゃんっ!」
    62 : 以下、名無しにか - 2013/12/25(水) 23:58:20.47 ID:zwXTpEffO (+13,+23,+0)
    これはひどい
    63 : 以下、名無しにか - 2013/12/25(水) 23:59:34.94 ID:8iZC3E7O0 (+95,+30,-129)
    町長「ワシは生涯現役じゃ! 分かったか、この若造め!」

    町長「ちょっくら走ってくる! えっほ、えっほ……」タタタッ



    町娘「剣士さん、大丈夫!?」

    騎士「なぜ、あんな失礼なことをいったのだ! 怒られるのは当然だ!」

    剣士「でも……元気は出ただろ?」

    町娘「あっ、たしかに……!」

    剣士「町娘ちゃんが、俺の剣はよく斬れるっていってたけど」

    剣士「ならキレさせれば、町長さんの切れ味もよくなるかなって思ったんだ」

    騎士「なるほど……よく考えたものだ」

    騎士「ただし、あとできちんと謝罪するのだぞ」

    剣士(許してもらえなかったら、どうしよ……)



    ~おわり~
    64 : 以下、名無しにか - 2013/12/25(水) 23:59:48.16 ID:95HFSzgr0 (+17,+27,+1)
    〈╋〉
    65 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 00:07:23.07 ID:vXRbs7MT0 (+50,+30,-160)
    最終話『守るために斬る』



    < 剣士の家 >

    少年「先生、さようなら!」

    「さよなら~!」 「またよろしくお願いします!」 「さようなら!」

    剣士「おう、また来週な!」

    剣士(ふう、今日も町は平和だな)

    剣士(事件といえる事件は、せいぜいコソドロが悪さをやらかすくらい……)

    剣士(そういや、例の大盗賊団もついに壊滅したって新聞に載ってたな)

    剣士(こう平和だと、ついついなにか事件が起きないか、なんて期待しちゃうよ)

    ザッ……

    騎士「……突然、すまない」

    剣士「おお、女騎士さん。顔が青ざめてるが、どうしたんだ?」

    騎士「とんでもないことになってしまった……」

    剣士「へ……?」
    66 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 00:11:46.91 ID:vXRbs7MT0 (+50,+30,-253)
    剣士「盗賊団が……この町に来る!?」

    騎士「ああ、王国軍は大盗賊団を壊滅させた……はずだった」

    騎士「しかし、奴らには分派ともいえる集団がいくつも存在した」

    騎士「奴らは散って、各地の町や村を襲い、金品を得て再起を図ろうとしているのだ」

    騎士「この町にも、その中の一団が来るという情報が入っている」

    剣士「人数は……?」

    騎士「集団によってちがうが、100人程度はいると思っていた方がいい」

    剣士「100人か……」

    騎士「しかも、この町は首都から遠く、国からの助力はとても期待できない……」

    剣士(この町で盗賊とまともに戦える人間なんて……どのくらいいるのやら……)

    騎士「剣士、どうすべきだろうか?」

    剣士「戦うのは……正直いって無謀だろう」

    剣士「ならいっそ、町を捨てて、みんなで避難した方がいい」

    騎士「……たしかにそうだな。分かった、すぐ町長殿にも知らせよう!」
    67 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 00:15:17.00 ID:vXRbs7MT0 (+50,+30,-119)
    < 町長の家 >

    町長「なるほど……それはまずいのう」

    剣士「まだ時間はありますが、町長さんから公式な声として呼びかけて」

    剣士「避難準備をさせた方がいいと思います」

    町長「そうじゃな……。すぐ町民に避難準備をさせよう」

    剣士「俺も手伝います!」

    騎士「私も協力させてくれ」

    町娘「おじいちゃん、あたしも!」

    町長「では……ひとまず町民を広場に集めて、状況を伝えるかのう」

    剣士「分かりました!」
    68 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 00:16:39.53 ID:ZxB17/2a0 (+19,+29,-1)
    >>1
    なんかお前パン屋くさいぞ
    69 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 00:20:21.00 ID:vXRbs7MT0 (+50,+30,-172)
    < 広場 >

    ザワザワ…… ガヤガヤ……

    町長「どうしても必要なものだけ、荷台に乗せて避難するのじゃ!」

    騎士「現在、避難場所は鋭意検討中だ。それが済み次第、全員で避難する!」

    「盗賊め……!」 「ま、命がありゃやり直せるさ」 「怖いねえ……」



    剣士(ふう……どうにかなりそうだな)

    コソドロ「おい!」タタタッ

    剣士「おう、コソドロじゃねえか。今はとてもお前にかまってるヒマはねえよ」

    コソドロ「お前ら……なにのんきなことやってんだ!?」

    剣士「のんきって……どこがのんきなんだよ。今、避難準備のために──」

    コソドロ「オイラの情報によると、盗賊団はもう数時間もすりゃこの町に来るぞ!」

    剣士「……な」

    剣士「なんだとォ!?」
    70 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 00:21:11.77 ID:nlB8CQT90 (+0,+14,-12)
    しえん
    71 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 00:25:33.56 ID:vXRbs7MT0 (+48,+30,-215)
    剣士「バカいうな。ウソなんかついたってすぐバレ──」

    コソドロ「ウソなわけねえだろ! オイラだってこの町の出身なんだ!」

    コソドロ「盗み常習犯のオイラを、町の人はいつも国に突き出さず許してくれてる!」

    コソドロ「そんなオイラが……こんなウソをつくわけねえだろう!」

    剣士(たしかに……コイツはどうしようもない奴だが)

    剣士(こういうウソをつくタイプ、でもない……)

    剣士「でも……どこでそんな情報をつかんだんだ?」

    コソドロ「オイラみたいな人間には似た者同士の間で、ネットワークがあるんだよ」

    コソドロ「なんでも、ここに来る盗賊団のリーダーは元王国軍の精鋭らしい!」

    コソドロ「モタモタしてたら、みんな殺されちまうぞ!」

    剣士(マジかよ……だが、それなら異常な進軍スピードもうなずける)

    剣士「分かった……お前を信用しよう!」

    剣士「おい、みんな! 突然だが、落ちついて聞いて欲しい!」

    剣士は、事態が切迫していることを町民たちに話した。
    72 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 00:26:20.74 ID:ui+UYh7Y0 (+19,+29,-7)
    え…最終…話?
    73 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 00:31:22.57 ID:vXRbs7MT0 (+50,+30,-267)
    ドヨドヨ…… ドヨドヨ……

    「あと数時間って……」 「どうすんだよ!?」 「避難場所も決まってないのに!」

    町長「みんな……落ちつくんじゃ! 混乱してしまってはなんにもならん!」

    剣士(やっぱこうなるよな……今、話すべきじゃなかったか……!?)

    すると──

    騎士「落ちつけッ!!!」

    ピタッ……

    騎士「この町には私がいる。王国騎士である私がな」

    騎士「心配するな……。私はこの程度の修羅場、何度もくぐり抜けている」

    騎士「今は冷静になって、我々の指示に従うことだけを考えろ」

    「そ、そうだっ!」 「女騎士様がいたんだ!」 「よかったぁ~……」

    剣士(町長でも鎮められなかった混乱を、一瞬で……これがエリートの力か)

    剣士(でも……)

    騎士「…………」ブルブル…

    剣士(足が震えてる……本当は怖いだろうに、よくやってくれたよ)
    74 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 00:32:40.85 ID:E3IMq/dAO (+5,+15,-13)
    しえんた
    76 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 00:36:50.35 ID:vXRbs7MT0 (+50,+30,-254)
    女騎士の指示で、避難態勢は迅速に整った。

    剣士「ありがとう、女騎士さん」

    騎士「なんの……民を守るのは、騎士として当然の務めだ」

    剣士「でも……なにもかも置いて逃げたとしても、女性や子供を交えた逃避行だ」

    剣士「もし、盗賊団が本気で追ってきたら……とても逃げ切れない」

    騎士「そうだな……。少しでも時間を稼ぎたいところだ」

    剣士「だから……俺が時間を稼ぐ!」

    騎士「な、なんだと!? 死ぬ気か!?」

    剣士「なぁに、もちろん俺だって死ぬつもりはないよ」

    剣士「奴ら、ゴーストタウンみたいになってるこの町を見たら驚くだろう」

    剣士「そのスキに先制攻撃をかまして、何人か斬って、すぐ逃げるさ」

    騎士「……大丈夫なんだろうな?」

    剣士「逃げ足には自信がある。任せてくれ」

    騎士「…………」
    77 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 00:40:01.05 ID:L0aIroIq0 (-24,-9,+0)
    はよ
    78 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 00:41:29.00 ID:vXRbs7MT0 (+50,+30,-151)
    そして──

    < 広場 >

    剣士(避難準備ができた家から、次々と町を出てるみたいだな)

    剣士(町長さんや女騎士さんが、うまくやってくれたんだな)

    剣士(コソドロの話じゃ、盗賊団はあと二時間もしないうちにやってくるだろう)

    剣士(俺が斬り殺されるまでに、何人斬れるか……少しでも数を減らさなきゃ!)



    すると、女騎士がやってきた。

    剣士「女騎士さん……?」

    騎士「剣士……時間稼ぎ、私も手伝おう。人数が多いに越したことはなかろう?」

    剣士「で、でも……」

    騎士「心配するな。もう以前のように、実戦で震えたりはしない」

    騎士「それにな、居残り希望者は私一人だけではないのだ」

    剣士「え……」
    79 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 00:45:07.90 ID:3FLioO8v0 (+9,+24,-2)
    ねむい
    80 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 00:45:34.49 ID:vXRbs7MT0 (+50,+30,-168)
    ゾロゾロ……

    「水臭いじゃな~い、剣士さん!」

    「君だけに無理を押しつけるわけにはいかないよ」

    青年「ボクも残らせて下さい!」

    町娘「あたしも!」

    少年「先生、ボクだって戦えるんだ!」

    コソドロ「へへへ……一人でかっこつけんなよ」

    町長「ワシも町の長として、残らせてもらうぞい」

    およそ100人ほどの町民が残っていた。

    剣士「み、みんな……」

    騎士「すまぬ……お前が残るというのをどこかで耳にしたらしくてな」

    騎士「ここにいる者たちが、残るといって聞かぬのだ」

    剣士「……ありがとう」

    剣士「実をいうと、ちょっと心細かったりしたんだ」
    81 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 00:50:20.48 ID:E3IMq/dAO (-20,-10,+0)
    支援
    82 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 00:51:27.26 ID:vXRbs7MT0 (+50,+30,-138)
    剣士「だけど……仮にも戦士として、みんなを死なせるわけにはいかない」

    剣士「気持ちだけで十分だ。早く逃げてくれ」

    ザワザワ……

    「そんなっ! あたしは剣士さんのおかげで料理がだいぶマシになったのよ!」

    「まだ恩を返していないのに……」

    剣士「…………」ピクッ

    この時、剣士の中であるアイディアが閃いた。

    剣士(ん……?)

    剣士(今俺はもしかして、とんでもないことを思いついちまったかもしれない)

    剣士(この100人で、盗賊団100人相手に時間を稼ぐ──だけでなく)

    剣士(町を守り、盗賊団に勝利できるかもしれない作戦を!)

    剣士(やってみる価値は……ある!)

    剣士「みんな……話があるんだ。聞いてくれるか?」
    83 : 忍法帖【Lv= - 2013/12/26(木) 00:53:52.91 ID:XY0+4dU/0 (-3,+11,+0)
    84 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 00:55:34.83 ID:vXRbs7MT0 (+50,+30,-173)
    ザワザワ…… ドヨドヨ……

    「分かったわ……。私は初心にかえって、めいっぱい料理を作ればいいのね?」

    剣士「そうです。なるべく大量に作って下さい」

    剣士「……で、コソドロ」

    剣士「お前の役目が一番危険だが……やってくれるか?」

    コソドロ「へっ……もちろんよ! オイラもたまにはやってやるよ!」

    剣士「頼む……!」

    剣士「さて……盗賊団がうまく罠にかかったら、一斉に襲いかかるんだ」

    剣士「もちろん、俺と女騎士さんを先頭にな」

    剣士「ただし、絶対に無理はしないこと!」

    オ~ッ!!!

    剣士(さあ、盗賊団……来るなら来い!)
    85 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 00:59:00.99 ID:PbSTVbiq0 (+4,+19,+0)
    料理wwwww
    86 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 01:00:13.59 ID:vXRbs7MT0 (+50,+30,-185)
    < 町の外 >

    盗賊団はすぐ近くまで迫っていた。

    団員A「なんだ、てめえ……」

    コソドロ「へへっ……オイラはケチなコソドロっすよ」

    コソドロ「アンタたち、これからあの町を襲うんでしょ?」

    コソドロ「オイラが案内人になれば、より効率的に略奪できますよ?」

    団員B「チンピラなんぞに用はねえ……殺されたくなきゃ失せろ」

    コソドロ「ひ、ひいっ! すんません! 失せます、失せます!」ビクッ

    コソドロ「ま、あいつら、今日は広場で立食パーティーなんざやってますから」

    コソドロ「オイラなんぞいなくても、平気でしょうが……じゃ、さいならっ!」ダダダッ

    団員A「ふん、小金目当てのチンケな小悪党が……うざってえ」

    団員A「ウチのボスの剣の腕なら、あんな奴は必要ねえんだ」

    団員B「だが、立食パーティーか……いい腹ごしらえができそうだな」
    87 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 01:03:56.66 ID:UsQsZQ3/0 (-25,-15,+0)
    88 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 01:05:11.20 ID:xuES0F9X0 (+19,+29,-2)
    おもろいよ
    89 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 01:06:21.71 ID:vXRbs7MT0 (+50,+30,-245)
    まもなく、盗賊団が町に侵入した。

    < 広場 >

    団員A「テーブルに、いっぱい料理が並んでるな。パーティーの最中に逃げたらしい」

    団員B「さっきのコソドロがいってたのは、事実だったみてえだな」

    ボス「逃げた町民どもは、あとで追跡して始末するぞ。いい見せしめになる」

    団員A「ところでボス、この料理どうします? なかなか美味そうですぜ」

    ボス「ここまで長旅だったしな……せっかくだ、食っていいぞ」

    団員A「そうこなくっちゃ!」パクッ…

    モグッ…… ジュルッ……

    盗賊たちが、次々に料理に口をつける。すると──

    「うげえええっ!?」 「なんだこりゃ!?」 「まずっ……!」

    団員A「ひ、ひでえ味だ……毒か!?」

    団員B「いや、毒じゃねえようだが……ある意味、毒よりひでえ!」



    剣士「今だぁぁぁっ!!!」
    90 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 01:11:00.96 ID:vXRbs7MT0 (+50,+30,-142)
    剣士と女騎士を始めとした、広場の周辺に隠れていた町民が、一斉に飛び出した。

    ウオォォォォォ……!

    団員A「なんだあっ!?」

    団員B「くそっ……この料理は罠だったのか! うげっ……後味が最悪だ!」



    剣士「どりゃあ! せいっ! ──ふんっ!」

    ザシュッ! ズバァッ! ザンッ!

    騎士「はああああっ!」

    ビシュッ! シュバッ! ドシュッ!



    さすがに剣士と女騎士の二人は強く、次々に盗賊を倒していく。
    91 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 01:12:03.45 ID:UsQsZQ3/0 (+10,+20,+0)
    いいぞ
    92 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 01:15:57.45 ID:vXRbs7MT0 (+50,+30,-102)
    団員A「ちくしょう……クソまずい料理のせいで力が……」オエッ

    「女房の料理を吐くんじゃないッ!」ブンッ

    ドゴォッ!

    団員A「うげぇっ!」ドサッ…

    「あなた、かっこいいわぁ~」



    青年「町娘ちゃんは……ボクが守るッ!」ギロッ

    団員B(なんだ……コイツのド迫力は……!)ビクッ

    町娘「ええいっ!」バッ

    ドゴンッ!!!

    団員B「ぎゃふっ!」

    青年の迫力に怯えた盗賊を、町娘のドロップキックで吹っ飛ばすというコンビネーション。



    剣士(おお……みんな、やるじゃねえか!)
    93 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 01:19:15.28 ID:85O4bVAc0 (+24,+29,-3)
    普通に面白い、誰か漫画化してくれ
    94 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 01:22:20.45 ID:vXRbs7MT0 (+50,+30,-131)
    少年「ボクだって戦えるんだ!」

    団員C「このガキャアッ!」ブンッ

    攻撃を転がりながらかわし、スネに木剣をぶつける少年。

    ボゴォッ!

    団員C「おごぉぉぉっ!」ドサッ…

    少年「これがボクの“スネかじり剣”だ!」



    剣士(アイツ……やっぱりとんでもない逸材だ。大人になる前に死ぬなよ!)



    コソドロ「料理、うまかった?」

    団員D「てめぇ……俺らをだましやがったな! ──って、あれ?」

    コソドロ「へへへっ、アンタの剣はもうオイラの右手にあるよ」チャキッ

    団員D「し、しまった!」ギクッ



    剣士(コソドロ……今日だけはお前がやけに輝いて見えるぜ!)
    95 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 01:26:30.05 ID:vXRbs7MT0 (+50,+30,-142)
    町長「やれやれ、ワシの町で略奪をしようとはのう……」

    町長「久しぶりに……キレちまったわい……」

    町長「生涯現役……町長の超パワーを堪能するがいいッ!」

    町長「キエエエエッ!!!」

    ドゴォッ! バキィッ! ゴッ! ガスッ! メキィッ!

    「ぐええっ!」 「ひぎゃあっ!」 「ぐぶっ!」



    剣士(町長さんつええ! さすが、あの町娘ちゃんのじいさんだ!)



    町長「あ~……疲れた」ゼェゼェ…



    剣士(さすがにスタミナには難があるけど……)
    96 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 01:27:47.30 ID:pjSrgux+0 (+15,+25,-2)
    強すぎワロタ
    97 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 01:29:35.31 ID:85O4bVAc0 (+29,+29,-9)
    主人公が強すぎないってのがいいね、これで主人公無双展開だったら萎えてた
    98 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 01:30:15.33 ID:lJqVZVny0 (+19,+29,-1)
    剣士のセリフがいちいちイケメン
    99 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 01:32:14.95 ID:vXRbs7MT0 (+50,+30,-93)
    騎士「一人に対し、複数人で当たれ!」

    騎士「怪我をした者は、すぐに下がれ! 決して無理をするな!」

    騎士「この町には、この私がついているぞ!」

    オオォォォォォ……! ワアァァァァァ……!



    剣士(女騎士さん……やはり騎士だから、強いだけじゃなく戦術や戦略に明るいんだな)

    剣士(それに、エリートとしての自分の役割をちゃんと分かってる)

    剣士(いわば国の代表である彼女がいるからこそ、みんな安心して戦える!)
    100 : 以下、名無しにか - 2013/12/26(木) 01:33:14.36 ID:IqH/HgdA0 (+12,+27,+0)
    いいなこれ
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