元スレ客「ボクがよく行くパン屋さんは、少し変わっている」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
1 :
客(ボクがよく行くパン屋さんは、少し変わっている)
客(なにがどう変わっているのかというと──)
客(……説明するよりは、実際にパン屋さんを見た方が早いだろう)
客(これからボクは、そのパン屋さんに行くのだが)
客(多分、その変わっている部分を見られるはずだ)
客(なぜなら、ボクがいる時は大抵変なことが起こるからだ)
客(そうこうしているうちに、パン屋に着いたぞ)
客(よし、入ろう)
3 :
ゴキブリと味覚異常者がいる古河パンか
4 :
よくわからんがこれはVIPの新しいスタイルとなりそうだ
5 = 1 :
第一話『フライパン』
─ パン屋 ─
ガラッ……!
客「こんにちは」
店主「やぁ、いらっしゃい!」
店主「いつも来てくれて、ありがとう!」
客「ハハハ。ここのパンは美味しいので、つい来てしまいますよ」
客(アンパン、食パン、カレーパン、ジャムパン、バターパン、チーズパン……)
客(この店にはどんなパンだって揃っている)
客(ボクはトングとトレイを持って、店内をうろうろしてる時がたまらなく好きだ)
客(もちろん、トングをカチカチするのも忘れない)カチカチ…
6 = 1 :
すると──
ガラッ……!
マッチョ「…………」ヌゥ…
客(うわ、デカイ人だな)
店主「いらっしゃい!」
マッチョ「お願いだ、フライパンを売ってくれ!」
客「!?」
店主「フライパンか……ほらよ!」サッ
客「!?」
7 :
パイパンはよ
8 :
見てるからはよ
9 :
マッチョって久々に聞いたな
10 = 1 :
マッチョ「金は払ったし、ここで食っていいか?」
客「!?」
店主「食いしん坊なヤツだな……もちろんいいぞ!」
客「!?」
マッチョ「いただきます!」ガブッ
バリバリ……! ムシャムシャ……!
客「!?」
店主「おお~、いい食いっぷりだねぇ!」
客「!?」
11 :
ダウン症のパンじゃないのか
12 = 8 :
予想外過ぎて声出して笑ったwwwwww
13 :
タイトルで出オチじゃねーか!
14 = 8 :
しえん
15 = 1 :
マッチョ「いやぁ~、うまかったぁ!」
マッチョ「ごちそうさま!」ズンズン…
客(出て行った……)
客「あ、あの!」
店主「なんだい?」
客「ボクの目がおかしくなきゃ、今の人──フライパンを食べましたよね!?」
客「いったい、なにがどうなってるんですか!?」
店主「ハハハッ、驚かせて悪かったな!」
店主「あれは食べられるフライパンさ!」
店主「黒パン作る要領で、フライパンの形をしたパンを作ったんだよ!」
客「あぁ、なるほど……」
店主「ちなみに、こっちが本物のフライパンさ」
17 = 1 :
客「あれ……。でも、このフライパン……柔らかいですよ?」フカフカ…
店主「えっ?」
店主「ホントだ……」フカフカ…
客「──ってことは、あのお客さん……」
客「本物のフライパンを食べちゃったってことですよね……?」
店主「そういうことだな……こりゃ参った!」
店主「ホームセンターに行って、新しいフライパン買ってこなきゃ!」
客「…………」
客(ボクがこの店は変わってるといった理由を、お分かりいただけただろうか)
─ 第一話 おわり ─
18 :
なんだこれ
19 :
トングカチカチはまじで大事
20 :
このつまんなさ覚えがあるな
21 :
ぼく「形の汚いパンが300円で販売されている……」
22 = 1 :
第二話『食パン』
─ パン屋 ─
客(今日はオーソドックスに、食パンにでもしようかな……)カチカチ…
ガラッ……!
女子高生「こんにちは!」
店主「いらっしゃい!」
女子高生「あのぉ……ステキな男の子と出会えるような食パンが欲しいの!」
店主「フフフ、食パンをくわえて角でぶつかろうって魂胆だな? いいだろう!」
23 = 1 :
店主「ジャジャーン!」
店主「この食パンをくわえて朝走れば、ステキな男と出会えるかもしれないぜ!」
女子高生「ありがとう!」
女子高生「ちなみに食パンには、なにを塗ってもいいの?」
店主「基本的になんでもオーケーだが……イチゴジャムだけはやめときな」
女子高生「えっ、どうして?」
店主「ぶつかった時、血に見えちまうかもしれないだろ?」
女子高生「分かったわ!」
客(朝、食パンをくわえた女の子が、曲がり角で男と激突……古典的な少女漫画だ)
客(もっとも実際のところ、古い少女漫画にそんなシーンはない、らしいけど)
24 = 1 :
翌朝──
─ 通学路 ─
女子高生「パンをくわえて、と」モグッ…
女子高生「遅刻、遅刻!」タタタッ
女子高生(お、あの曲がり角は出会いの予感がするわ!)タタタッ
ドンッ!!!
女子高生「いたた……っ!」ドサッ
女子高生(こ、この感触……この弾力、この圧力! まちがいないわ!)
26 :
自動車だわ
27 = 1 :
女子高生「あ、あの……っ!」
女子高生「私と突き合って下さいっ! 全力でっ!」
マッチョ「いいぜ……久々に骨のありそうな相手だ。かかってきやがれ!」
女子高生(この平和な現代社会で、やっと出会えた──)ザッ
マッチョ(好敵手ッ!)ザッ
ズドンッ……!
─ 第二話 おわり ─
29 = 1 :
第三話『アンパン』
─ パン屋 ─
客(頭脳パンか、こんなんで本当に頭がよくなるのかな?)カチカチ…
ガラッ……
教授「…………」スッ…
店主「いらっしゃい!」
客(──なんて思ってたら、頭がよさそうな人がきた!)
教授「店主君。少し話したいことがあるのだが、いいかね?」
店主「どうぞ!」
30 :
すこしふしぎ
31 = 1 :
教授「アンパンのあんこには“つぶあん”と“こしあん”があるが」
教授「この世の物質は、原子という小さな粒子、粒でできておる」
教授「もちろん、あんこも例外ではない。ゆえに“こしあん”も……」
教授「“つぶあん”としてしまっても、間違いとはいえないのではなかろうか?」
店主「たしかに!」
店主「しかし、全てを“つぶあん”としてしまうと──」
店主「色々と不便ですな!」
教授「たしかに!」
店主&教授「…………」ニヤッ…
教授「では、メロンパンをいただこうか」
店主「毎度あり!」
客(終わりかよ!)
─ 第三話 おわり ─
32 = 28 :
頭脳パン「」
33 = 1 :
第四話『海パン』
─ パン屋 ─
ミ~ン……! ミ~ン……!
客(暑いなぁ……)
客(こんな日は、あっさりしたパンでも──ん?)カチカチ…
ガラッ……!
茶髪「へへへ……」
店主「いらっしゃい!」
茶髪「オレ、今度海行くんだ! 海パン売ってくれよ!」
客(なんでスポーツ用品店に行かないんだろう……)
34 = 1 :
茶髪「しかも、とびっきりモテる奴をな!」
店主「だったら……これだろ!」パサッ
茶髪「うはっ、スッゲェ~! チョーかっこいいじゃん!」
店主「だろ!? これなら、浜辺でモテモテだ!」
茶髪「サンキュー、これ買わせてもらうぜ!」
店主「頑張れよ!」
客(普段の洋服ならまだしも)
客(海パンでモテるモテないが左右されるとは、とても思えないけど……)
35 = 1 :
三日後──
─ 浜辺 ─
ワイワイ…… ガヤガヤ……
茶髪(へへっ、パン屋で買った海パンをビシッとはいて)ビシッ
茶髪(砂浜を歩くとするぜ!)ザクッザクッ
「お、あの海パンイケてね!?」 「かっこいい!」 「すっごぉ~い!」
茶髪(さすがだ……)
茶髪(みんなの視線がまぶしいぜ!)
茶髪(こりゃあ……いい女に出会える予感がするぜ!)
36 = 1 :
水着女「すご~い、この海パン!」
金髪女「キャ~! もっと近くで見せて~!」
日焼け女「こんなカッコイイ海パン初めて見た!」
茶髪(オイオイ、マジかよ……女がどんどん寄ってきやがる!)
ビキニ女「その海パンちょうだい!」ガシッ
茶髪「え」
「ダメよ!」 「私がもらうっての!」 「この海パンはアタシのものよ!」
茶髪「ちょ、ちょっと待っ──」
ワァァァァァ……!
茶髪「やっ……」
茶髪「やめてくれぇぇぇぇぇ!」
37 = 28 :
oh…
38 = 1 :
茶髪「…………」ボロ…
茶髪「…………」ピクピク…
茶髪(大勢の女にムリヤリ海パンを脱がされ、全裸で砂浜に一人放置されるなんて)
茶髪(無様すぎる……情けなさすぎる……!)グスッ…
茶髪「うっ……うっ……!」シクシク…
眼鏡女「あの……」
茶髪「なんだよ、アンタ!?」
茶髪「オレ、今全裸なんだ! 近づかないでくれ! 放っておいてくれ!」
39 = 1 :
眼鏡女「このタオル……よかったら、使って下さい」スッ…
茶髪「!」
眼鏡女「これを腰に巻けば……パンツの代わりになると思いますから」
茶髪「あ……」
茶髪「ありがとう……!」
これが、運命の出会いだった。
─ 第四話 おわり ─
40 = 1 :
第五話『残パン』
─ パン屋 ─
客(お、ツイストパンが一個だけ残ってる)カチカチ…
客(残り物には福があるっていうからなぁ……今日はこれにするか)
ガラッ……!
客「!」
店主「いらっしゃい!」
男A「残パンを売ってくれ」
男B「残パンを売ってくれ」
客(残飯ならぬ、残パン!?)
客(二人の客が、同時に同じものを注文した! いったいどうなる!?)
41 :
本田圭佑「パンツはいるやろ」
42 = 1 :
店主「ハイ、残パン!」スッ
店主「10円いただくよ!」
男A「ありがとう!」チャリン…
店主「ハイ、残パン!」スッ
店主「1万円いただくよ!」
男B「ありがとう!」パサッ…
客「!?」
客(え、え、10円と……1万円!?)
客(二人とも、満足げに帰っていったが……どういうことだ?)
43 :
なかなかおもしろいな
44 = 1 :
客「店主さん、聞きたいことがあるんですが」
店主「なんだい?」
客「さっき、二人とも同じものを注文したのに、なんで値段が全くちがったんですか?」
店主「ああ、あれかい!」
店主「片方の人はパンの耳が好きでね」
店主「ここで時々、ウチで切って残っちまったパンの耳を買っていくのさ」
客「そういうことですか。もう片方の人は?」
店主「あの人はある有名女優のマニアなんだ」
店主「で、その女優が食べ残したパンを買っていったってわけだ!」
客「どうりで値段が千倍もちがうわけだ……」
客(女優の残パンをどうやって入手したか気になるが、聞かないでおこう)
─ 第五話 おわり ─
45 :
このスタイルは前も見たな
今から読むけど
46 = 28 :
テンポいいな
47 = 1 :
第六話『腹パン』
客(あ~お腹空いた。今日はどのパンにしよっかな……)カチカチ…
ガラッ……!
父「こんにちは」
娘「こんにちは~!」
店主「いらっしゃい!」
父「さっそくだが、ワシと娘の腹部にパンチ──いわゆる“腹パン”をしてほしい!」
店主「1000円いただきます!」
客(ええええええええええっ!?)
48 :
おもしろい
49 :
マッチョがパン君にパンパンスパンスパン!まだー?
50 = 28 :
まさかの腹パン
みんなの評価 : ☆
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