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元スレ仁美「私が……魔法少女……?」

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ある日、見滝原に雲を越すほどに大きい、山のような大木のような――とても大きな何かが生まれました。
そう、例えるならそれは北欧神話のユグドラシルのようで、荘厳で神々しく。
そして圧倒的で、絶望的でした。
それがもたらしたのは前代未聞の現象であり災害であり――。
この時、世界はまだまだ私の知らないことだらけなんだなと痛感しました。
それは見滝原を壊滅させ、そして日本全土に渡って甚大な損害をもたらしました。
ライフラインの一切が用を成さないことから、その規模がおおよそ推測されます。
そう、例えるならそれは北欧神話のユグドラシルのようで、荘厳で神々しく。
そして圧倒的で、絶望的でした。
それがもたらしたのは前代未聞の現象であり災害であり――。
この時、世界はまだまだ私の知らないことだらけなんだなと痛感しました。
それは見滝原を壊滅させ、そして日本全土に渡って甚大な損害をもたらしました。
ライフラインの一切が用を成さないことから、その規模がおおよそ推測されます。
私はひとりで、多分戦場跡地よりもひどく荒廃し、寂寞とした見滝原を当て所もなく歩いています。
通い慣れた学校。
友達と歩いた通学路の並木道。
放課後、よく寄り道したデパート――。
見知った街並みは見る影もありません。
家も家族も、学校も友達も――街も人も。
すべてが失われました。
通い慣れた学校。
友達と歩いた通学路の並木道。
放課後、よく寄り道したデパート――。
見知った街並みは見る影もありません。
家も家族も、学校も友達も――街も人も。
すべてが失われました。
いっそ、死んだほうが楽だったと思います。
こうして生き残ったのはある種の罰なのかもしれません。
一人の友人を殺した、罰。
――生きていても辛いだけ。
ならこのまま歩き疲れてどこかで野垂れ死ぬのも――。
仁美「……」
仁美「……」
仁美「……!」
仁美「…………あれは……」
こうして生き残ったのはある種の罰なのかもしれません。
一人の友人を殺した、罰。
――生きていても辛いだけ。
ならこのまま歩き疲れてどこかで野垂れ死ぬのも――。
仁美「……」
仁美「……」
仁美「……!」
仁美「…………あれは……」
「……戦わないのかい?」
「私の戦場はここじゃない」
仁美「暁美……さん?」
仁美「待って……あけ……」
――
――――
――――――
「私の戦場はここじゃない」
仁美「暁美……さん?」
仁美「待って……あけ……」
――
――――
――――――
QB「……以前は素質が認められなかったけど、魔女に数度関わることで後天的に素質が発現した……ってとこかな」
仁美「……んっ……」
QB「気がついたかい?」
仁美「……」
仁美「…………しゃべる……ねこちゃん……? いよいよ気が触れたのかしら……」
QB「いいや、君は相当参っているようだけど、精神状態にはまだ問題はないようだ」
仁美「……そうですか。本当に世の中はまだまだ私の知らないことだらけですわね……」
QB「僕はキュゥべえ。よろしくね」
仁美「私は……志筑……仁美と申します」
――
――――
――――――
仁美「……んっ……」
QB「気がついたかい?」
仁美「……」
仁美「…………しゃべる……ねこちゃん……? いよいよ気が触れたのかしら……」
QB「いいや、君は相当参っているようだけど、精神状態にはまだ問題はないようだ」
仁美「……そうですか。本当に世の中はまだまだ私の知らないことだらけですわね……」
QB「僕はキュゥべえ。よろしくね」
仁美「私は……志筑……仁美と申します」
――
――――
――――――
QB「どこへ行くんだい?」
仁美「当て所はないですけど……他にやることもないですから……」
QB「まぁ何をしても無意味じゃないかな。この有様じゃ」
仁美「まるで世界の終焉……という風情ですわ……」
QB「うん、間違ってないよ。あと十日そこそこってところでこの地球は滅びるだろうね。アレによって」
仁美「……やはり……そうですか……」
仁美「目が覚めたらすべてが夢だった……そんな素敵なオチでしたら良かったのに……」
QB「そうだね。でもこの現実を夢へと覆す――。そんなことなら出来るかもしれないよ」
仁美「? ……それは……一体どういう……」
QB「ねぇ、なんでも願い事が一つ叶うとしたら……。興味がないかい?」
仁美「……そんなこと……できますの……?」
QB「君ならできるさ。だから――」
QB「僕と契約して、魔法少女になってよ!」
仁美「当て所はないですけど……他にやることもないですから……」
QB「まぁ何をしても無意味じゃないかな。この有様じゃ」
仁美「まるで世界の終焉……という風情ですわ……」
QB「うん、間違ってないよ。あと十日そこそこってところでこの地球は滅びるだろうね。アレによって」
仁美「……やはり……そうですか……」
仁美「目が覚めたらすべてが夢だった……そんな素敵なオチでしたら良かったのに……」
QB「そうだね。でもこの現実を夢へと覆す――。そんなことなら出来るかもしれないよ」
仁美「? ……それは……一体どういう……」
QB「ねぇ、なんでも願い事が一つ叶うとしたら……。興味がないかい?」
仁美「……そんなこと……できますの……?」
QB「君ならできるさ。だから――」
QB「僕と契約して、魔法少女になってよ!」
仁美「…………こんな年にもなって魔法少女とは……。可笑しいですわ」
QB「そうおかしくはないだろう? だって、今君の周りは不可思議なものでいっぱいじゃないか」
仁美「……確かにこれらに比べたら些事な……可愛らしいことですわね」
QB「僕が願い事をなんでも叶える。それと引き換えに魔女と戦う宿命を背負ってもらう。それが魔法少女さ」
仁美「魔女……?」
QB「アレの類さ。まぁアレが魔女の最たるものだけどね」
仁美「あんなの……どうこうできるわけないですわ……」
QB「確かに。あれを倒せば世界は救われる。だけどそれは叶わないだろう」
QB「だけど、その願い事によっちゃそれは関係なくなるだろう?」
仁美「……本当なんですか……?」
QB「真実さ。まぁ確かに、仁美の今までの常識を元に考えれば突拍子もなく、眉唾物な話に聞こえるのは仕方がないね」
仁美「そうですわね……」
QB「そうおかしくはないだろう? だって、今君の周りは不可思議なものでいっぱいじゃないか」
仁美「……確かにこれらに比べたら些事な……可愛らしいことですわね」
QB「僕が願い事をなんでも叶える。それと引き換えに魔女と戦う宿命を背負ってもらう。それが魔法少女さ」
仁美「魔女……?」
QB「アレの類さ。まぁアレが魔女の最たるものだけどね」
仁美「あんなの……どうこうできるわけないですわ……」
QB「確かに。あれを倒せば世界は救われる。だけどそれは叶わないだろう」
QB「だけど、その願い事によっちゃそれは関係なくなるだろう?」
仁美「……本当なんですか……?」
QB「真実さ。まぁ確かに、仁美の今までの常識を元に考えれば突拍子もなく、眉唾物な話に聞こえるのは仕方がないね」
仁美「そうですわね……」
QB「まぁともあれ今は理解できずとも鵜呑みにしておくのが吉さ。それに魔法少女になれば、何をするにしろ多少は良い方に事を運べるんじゃないかな」
仁美「……なら選ぶべきは明白ですわね」
仁美「だけど……少し……願い事を考えさせてください」
QB「僕は構わないさ。願いはひとつきり。よく考えるといい」
仁美「……はい」
QB「だけどあまり悠長に考えることもできない状況だということも留意してね」
仁美「承知していますわ……」
――
――――
――――――
仁美「……なら選ぶべきは明白ですわね」
仁美「だけど……少し……願い事を考えさせてください」
QB「僕は構わないさ。願いはひとつきり。よく考えるといい」
仁美「……はい」
QB「だけどあまり悠長に考えることもできない状況だということも留意してね」
仁美「承知していますわ……」
――
――――
――――――
QB「もうすぐ日が暮れるね」
仁美「こんな世界でも……夜は来るんですのね」
QB「今日は野宿かい?」
仁美「いえ……どこか屋根のある場所で……。といってもどこも半壊して敷地の境界もあやふやですし……野宿と言っても相違ないかもしれませんわね……」
QB「どこかあてでもあるのかい?」
仁美「いえ、特に……」
QB「道すがら良さげな建物は見なかったかい?」
仁美「いえ……見ていませんでした。道中野垂れ死んでもそれはそれでいいかと思っていましたので……」
QB「そうかい」
仁美「とりあえず……もう少し散策します」
――
――――
――――――
仁美「こんな世界でも……夜は来るんですのね」
QB「今日は野宿かい?」
仁美「いえ……どこか屋根のある場所で……。といってもどこも半壊して敷地の境界もあやふやですし……野宿と言っても相違ないかもしれませんわね……」
QB「どこかあてでもあるのかい?」
仁美「いえ、特に……」
QB「道すがら良さげな建物は見なかったかい?」
仁美「いえ……見ていませんでした。道中野垂れ死んでもそれはそれでいいかと思っていましたので……」
QB「そうかい」
仁美「とりあえず……もう少し散策します」
――
――――
――――――
QB「……君には何か目的でもあるのかい?」
仁美「……いえ。でも……誰か生きてる人が……助かりそうな人がいたらと思いまして……」
QB「残念だけどここいらに生き残っている人はいないようだよ」
仁美「そう……ですか……」
QB「君は不幸中の幸いってやつだね」
仁美「……皮肉ですわね」
QB「そうとも捉えられるかもね」
QB「まぁ市民全員が死んだとは考えづらいね。人間は存外生命力が強いからね。生き残った人は君が知らないうちに皆何処かへ避難したんだろう」
仁美「あっ……そういえば明美さん! さっき明美さんを――」
QB「暁美ほむらかい?」
仁美「ご存知ですの?」
QB「知ってるもなにも、彼女も魔法少女なのさ」
仁美「!」
仁美「……いえ。でも……誰か生きてる人が……助かりそうな人がいたらと思いまして……」
QB「残念だけどここいらに生き残っている人はいないようだよ」
仁美「そう……ですか……」
QB「君は不幸中の幸いってやつだね」
仁美「……皮肉ですわね」
QB「そうとも捉えられるかもね」
QB「まぁ市民全員が死んだとは考えづらいね。人間は存外生命力が強いからね。生き残った人は君が知らないうちに皆何処かへ避難したんだろう」
仁美「あっ……そういえば明美さん! さっき明美さんを――」
QB「暁美ほむらかい?」
仁美「ご存知ですの?」
QB「知ってるもなにも、彼女も魔法少女なのさ」
仁美「!」
QB「多分彼女の能力は……言動から推し量るに時間操作だね」
仁美「時間……操作……?」
QB「あくまで推論なんだけどね。当の本人に聞いたわけじゃないから。でも一応理にかなった、濃厚なものではある」
仁美「あの……もう少し詳しく教えてくださりますか……?」
QB「そうだね……端的にいえば、過去から現在、そして未来までの時間が時間軸で成り立っていると仮定して、その時間軸をある程度操作できるというものだろう」
仁美「……にわかに信じがたい話ですわね……」
QB「どの程度まで可能かは定かではないけど……一時的に時間を止めたり、時間軸を遡って過去へと戻ることもできるみたいだね。現に彼女はこの時間軸を見限り、過去へと戻っていったみたいだ」
仁美「! それは……だとしたらこんな、こんな結末を変えられるんですか!?」
QB「万一変えられたとしても、現状は変わらないさ」
仁美「時間……操作……?」
QB「あくまで推論なんだけどね。当の本人に聞いたわけじゃないから。でも一応理にかなった、濃厚なものではある」
仁美「あの……もう少し詳しく教えてくださりますか……?」
QB「そうだね……端的にいえば、過去から現在、そして未来までの時間が時間軸で成り立っていると仮定して、その時間軸をある程度操作できるというものだろう」
仁美「……にわかに信じがたい話ですわね……」
QB「どの程度まで可能かは定かではないけど……一時的に時間を止めたり、時間軸を遡って過去へと戻ることもできるみたいだね。現に彼女はこの時間軸を見限り、過去へと戻っていったみたいだ」
仁美「! それは……だとしたらこんな、こんな結末を変えられるんですか!?」
QB「万一変えられたとしても、現状は変わらないさ」
仁美「でも……過去が変わったら未来も……!」
QB「過去が変わったら、それは“今”じゃないだろう?」
仁美「……」
QB「それは中途で分岐した別の時間軸、いうなれば平行世界――僕たちにとってはありえた可能性、ということになるね」
仁美「……そんな」
QB「忘れてないかい? 君も願い事如何によってはそのような魔法少女になりえるんだよ?」
仁美「!」
QB「まぁそこのあたりも加味して考慮しておくといいよ」
仁美「……」
QB「夜も深まってきたし、とりあえずは雨風をしのげ、且つ倒壊の恐れのない建物探しだね」
仁美「……どこもかしこも半壊していて骨が折れそうですわね……」
――
――――
――――――
QB「過去が変わったら、それは“今”じゃないだろう?」
仁美「……」
QB「それは中途で分岐した別の時間軸、いうなれば平行世界――僕たちにとってはありえた可能性、ということになるね」
仁美「……そんな」
QB「忘れてないかい? 君も願い事如何によってはそのような魔法少女になりえるんだよ?」
仁美「!」
QB「まぁそこのあたりも加味して考慮しておくといいよ」
仁美「……」
QB「夜も深まってきたし、とりあえずは雨風をしのげ、且つ倒壊の恐れのない建物探しだね」
仁美「……どこもかしこも半壊していて骨が折れそうですわね……」
――
――――
――――――
QB「屋根には大穴が空いてるけど、今夜は雲が少しまばらにかかっているくらいだからまず雨の心配もない。耐久性も……まぁ今すぐにも自壊するということもないようだから、ひとまずはここで問題ないさ」
仁美「はい……」
QB「まぁ捉えようによっては風流、趣があるって感じなんじゃないかな」
仁美「ですわね……」
――
――――
――――――
仁美「はい……」
QB「まぁ捉えようによっては風流、趣があるって感じなんじゃないかな」
仁美「ですわね……」
――
――――
――――――
仁美「……とても……穏やかな夜ですわ……」
QB「そうだね」
仁美「……もうすぐ世界が滅びるなんて信じられないくらい……」
QB「……」
仁美「ねぇ……キュゥべえ……さん……」
QB「キュゥべえでいいよ。どうしたんだい?」
仁美「明美さんの他にも……魔法少女っているんでしょうか……」
QB「うん、そうだね。君の知っている人だと……さやかかな」
仁美「えっ……さやか……さん?」
QB「うん。美樹さやか」
QB「そうだね」
仁美「……もうすぐ世界が滅びるなんて信じられないくらい……」
QB「……」
仁美「ねぇ……キュゥべえ……さん……」
QB「キュゥべえでいいよ。どうしたんだい?」
仁美「明美さんの他にも……魔法少女っているんでしょうか……」
QB「うん、そうだね。君の知っている人だと……さやかかな」
仁美「えっ……さやか……さん?」
QB「うん。美樹さやか」
仁美「……」
QB「どうしたんだい?」
仁美「い、いえ……。あの、さやかさんはどんな願いを……」
QB「上條恭介。知ってるよね」
仁美「!」
QB「彼女は上條恭介の左手を治して欲しい、という願いと引き換えに魔法少女になったのさ」
QB「君も知ってのとおり、彼の左手には治る見込みがなかったのだろう? それこそ奇跡や魔法でもない限りはさ」
仁美「そ……んな……私……じゃあわたしは……」
QB「……僕は彼女の魔法少女になっての顛末を知ってるよ。聞きたいかい?」
仁美「……」
――
――――
――――――
QB「どうしたんだい?」
仁美「い、いえ……。あの、さやかさんはどんな願いを……」
QB「上條恭介。知ってるよね」
仁美「!」
QB「彼女は上條恭介の左手を治して欲しい、という願いと引き換えに魔法少女になったのさ」
QB「君も知ってのとおり、彼の左手には治る見込みがなかったのだろう? それこそ奇跡や魔法でもない限りはさ」
仁美「そ……んな……私……じゃあわたしは……」
QB「……僕は彼女の魔法少女になっての顛末を知ってるよ。聞きたいかい?」
仁美「……」
――
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――――――
QB「――そして彼女は魔女になった。絶望を飽和した、魔法少女の成れの果てにね」
QB「魔女になったらもう助からない。絶望を振りまくだけの、自我のない存在としてあり続けるしかないんだ」
QB「だから彼女は倒された。他の魔法少女によってね。これが彼女の最後さ」
仁美「……それじゃ……やはり……全部私が悪いんじゃないですの……」
QB「……」
仁美「…………ごめんなさい」
仁美「ごめんなさいさやかさん……ごめんなさい……」
仁美「ごめんなさい……」
――
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QB「魔女になったらもう助からない。絶望を振りまくだけの、自我のない存在としてあり続けるしかないんだ」
QB「だから彼女は倒された。他の魔法少女によってね。これが彼女の最後さ」
仁美「……それじゃ……やはり……全部私が悪いんじゃないですの……」
QB「……」
仁美「…………ごめんなさい」
仁美「ごめんなさいさやかさん……ごめんなさい……」
仁美「ごめんなさい……」
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――――――
日常から遊離した世界。
悪夢のような、壊れた世界。
だけど紛れもないこの世界で私は夢を見ました。
それは今よりもずっと現実味があって、だけど今ではもうありえないこと。
一ヶ月前までは当たり前で、いつまでも続くように思えた、確かに幸せだった日常の夢。
私がいて、まどかさんがいて、さやかさんがいる憧憬。
夢でもどうかさめないでいて。
そう叶わない願いを思うのでした。
悪夢のような、壊れた世界。
だけど紛れもないこの世界で私は夢を見ました。
それは今よりもずっと現実味があって、だけど今ではもうありえないこと。
一ヶ月前までは当たり前で、いつまでも続くように思えた、確かに幸せだった日常の夢。
私がいて、まどかさんがいて、さやかさんがいる憧憬。
夢でもどうかさめないでいて。
そう叶わない願いを思うのでした。
――
――――
――――――
QB「仁美! 起きて!」
仁美「……んっ……どうなさいましたの……?」
QB「アレが動き出したんだ! このまま留まるのは危険だよ!」
仁美「……そう、ですわね……」
――
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――――――
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QB「仁美! 起きて!」
仁美「……んっ……どうなさいましたの……?」
QB「アレが動き出したんだ! このまま留まるのは危険だよ!」
仁美「……そう、ですわね……」
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――――――
>>1の最後の行のライフラインに最初に目が行って頭に入らない
仁美「……」
QB「どうしたんだい?」
仁美「聞こえるんですの……」
QB「聞こえる?」
仁美「泣き声……とても悲痛な……」
QB「……」
仁美「……行かなくては……」
仁美「あの大樹の元に……」
QB「……危険だよ」
仁美「それでも……行かなければならないのですわ……私は……」
――
――――
――――――
QB「どうしたんだい?」
仁美「聞こえるんですの……」
QB「聞こえる?」
仁美「泣き声……とても悲痛な……」
QB「……」
仁美「……行かなくては……」
仁美「あの大樹の元に……」
QB「……危険だよ」
仁美「それでも……行かなければならないのですわ……私は……」
――
――――
――――――
仁美「これは……どうなっていますの……?」
QB「……仁美、気をつけて」
仁美「えっ……」
QB「ここから魔女の結界……いわば魔女の領域になっているんだ」
仁美「えっ……と……それは……」
QB「そうだね、今簡単に魔女の説明をしちゃおうか」
QB「通常の魔女は現実に形を成すことは出来ない。条理にそぐわない不安定な存在だからね。だから自分好みに調節した結界――常人では干渉し得ない、いうなれば虚数空間の中でしか存在できないんだ」
QB「そんなとこから一方的に人間に干渉して悪さをするから質が悪い。――まぁこれが通常の魔女なんだ」
QB「だけど例外もある。極めて稀だけど力が強大過ぎる魔女は結界の中でなくとも顕現化出来るんだ。アレみたいに」
QB「そもそも魔女は結界のなかでしか存在できないというのは、人が自力で空を飛べないのと同じくらい当然な道理なんだ」
QB「それを捻じ曲げて現実に現れるわけだから、それだけでその法外さは理解できるだろう」
QB「……仁美、気をつけて」
仁美「えっ……」
QB「ここから魔女の結界……いわば魔女の領域になっているんだ」
仁美「えっ……と……それは……」
QB「そうだね、今簡単に魔女の説明をしちゃおうか」
QB「通常の魔女は現実に形を成すことは出来ない。条理にそぐわない不安定な存在だからね。だから自分好みに調節した結界――常人では干渉し得ない、いうなれば虚数空間の中でしか存在できないんだ」
QB「そんなとこから一方的に人間に干渉して悪さをするから質が悪い。――まぁこれが通常の魔女なんだ」
QB「だけど例外もある。極めて稀だけど力が強大過ぎる魔女は結界の中でなくとも顕現化出来るんだ。アレみたいに」
QB「そもそも魔女は結界のなかでしか存在できないというのは、人が自力で空を飛べないのと同じくらい当然な道理なんだ」
QB「それを捻じ曲げて現実に現れるわけだから、それだけでその法外さは理解できるだろう」
QB「それだけでも十分過ぎるほどに脅威なんだけど、それに増して今問題なのがアレが現実世界を魔女の結界に塗り替え、侵食しているんだ。こんなことは今まで前例がない」
QB「これによって今まで自分の結界の中にしか存在できなかった魔女がこの結界で変容した現実世界に姿を現すことができるようになる」
QB「きっと……このまま世界を結界で塗りつぶして滅ぼすつもりなんだろう。数多の魔女が蔓延る世界に作りかえることでね」
仁美「えっと……つまり、ここからはいつ魔女に出くわしてもおかしくないということですか?」
QB「それもそうだけど、それよりリスキーなのは、いくら今はこの結界が現実と分け隔てなくリンクしているとはいえ、これほど茫漠な結界――しかも更に拡大中となれば一度踏み入れたら出られる可能性は極めて乏しいということなんだ」
仁美「……」
QB「それでも、進むかい?」
仁美「……無論、ですわ……」
――
――――
――――――
QB「これによって今まで自分の結界の中にしか存在できなかった魔女がこの結界で変容した現実世界に姿を現すことができるようになる」
QB「きっと……このまま世界を結界で塗りつぶして滅ぼすつもりなんだろう。数多の魔女が蔓延る世界に作りかえることでね」
仁美「えっと……つまり、ここからはいつ魔女に出くわしてもおかしくないということですか?」
QB「それもそうだけど、それよりリスキーなのは、いくら今はこの結界が現実と分け隔てなくリンクしているとはいえ、これほど茫漠な結界――しかも更に拡大中となれば一度踏み入れたら出られる可能性は極めて乏しいということなんだ」
仁美「……」
QB「それでも、進むかい?」
仁美「……無論、ですわ……」
――
――――
――――――
仁美「……あちらも現実とは思えないですが……ここは本当に別世界ですわね……」
QB「……仁美、隠れて」
仁美「えっ……」
QB「……見てごらん」
使い魔『〜♪』
QB「……仁美、隠れて」
仁美「えっ……」
QB「……見てごらん」
使い魔『〜♪』
仁美「な、何ですかあれ……。もしかしてあれが……?」
QB「あれは使い魔。魔女の手下だね」
使い魔『〜♪』』
QB「……あれ自体はさほど害悪なものではないみたいだ」
QB「だけど使い魔によっては異物の排除や偵察といった任を与えられているものもいるから油断はできないね」
仁美「……」
QB「それに、無論、使い魔がいるってことは、それを遣わせた魔女がここらにいるってことさ」
QB「本命にたどり着く前に別の魔女に見つかったら厄介極まりないからね」
QB「ましてや君は今はただの人間だ」
QB「気をつけてね、仁美」
仁美「……」
QB「あれは使い魔。魔女の手下だね」
使い魔『〜♪』』
QB「……あれ自体はさほど害悪なものではないみたいだ」
QB「だけど使い魔によっては異物の排除や偵察といった任を与えられているものもいるから油断はできないね」
仁美「……」
QB「それに、無論、使い魔がいるってことは、それを遣わせた魔女がここらにいるってことさ」
QB「本命にたどり着く前に別の魔女に見つかったら厄介極まりないからね」
QB「ましてや君は今はただの人間だ」
QB「気をつけてね、仁美」
仁美「……」
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