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    元スレ勇者「用件を聞こうか……」スライム「ア、アンタが勇者……か!」

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    タグ : - 勇者 + - 勇者13 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

     モンスターは一般的に、凶暴で理性を持たないといわれているが、
     温和で知能が高いモンスターも決して少なくはない……。

     そのようなモンスターは、人里から離れた山や森林に集落を作り、
     独自の文化を築きながら静かに暮らしている……。

     こういった集落は世界各地に存在し、「モンスター村」と呼ばれる……。



    ─ モンスター村 ─



    スライム「ふう、今日もいい木の実がいっぱい取れた!」プルンッ

    オーク「おお、スライム! 精が出るな!」

    スライム「母さんはあんまり動けないし、妹はまだ幼いし」

    スライム「俺が頑張らないといけないからな!」

    3 :

    なんか始まった・・・

    4 :

    黒歴史の予感

    5 :

    幼い妹…か…

    6 :

    スライムにも穴があるんだよな…

    7 :

    書籍化決定!

    8 = 1 :

    ワイワイ……

    会長「──でありまして、ハンターが現れたらすみやかに行動しましょう!」

    会長「威嚇をかねて、固まって行動すること! これが鉄則です!」

    ゴーレム「なるほどナア……」

    サキュバス「ためになるわね」

    ゴブリン「ふむふむ……」



    スライム「──ん? 人間がこの村に来るなんて珍しいな。だれだアイツ?」

    オーク「モンスター保護協会の会長だってよ」

    オーク「モンスターハンターってのは凶悪なモンスターを退治するのが仕事なんだが」

    オーク「最近、無害なモンスターを狙う悪質なハンターが多いから」

    オーク「ああやって俺たちモンスターにハンター対処法を教えに来てるのさ」

    スライム「へえ、わざわざこんなところまで来て、ありがたい話だな」

    10 :

    >>6
    雪女にも穴があるんだよな…

    11 = 1 :

    < スライムの家 >

    スライム「ただいまぁ~! いっぱい木の実が取れたよ!」

    スライム「おかえりなさぁ~い、お兄ちゃん!」プニプニッ

    母スライム「すまないねえ、いつも苦労をかけて……」

    スライム「食料を集めてくるくらい、お安い御用さ!」

    スライム「父さんはこの村を開拓する時に、事故で死んじまったけど……」

    スライム「この村のみんなのおかげで、山の環境もだいぶ整備されて」

    スライム「ずいぶん過ごしやすくなったしさ!」

    母スライム「お前は本当に優しいスライムだねえ……」

    スライム「食べよう、食べよう!」

    12 :

    スライムにも穴は…あるのか?

    13 = 1 :

    『 狩 る 者 と 狩 ら れ る 者 』



    【 PART1 避難するモンスターたち 】



    数時間後──

    「皆さ~ん! 外に集まってくださぁ~い!」

    スライム「ん?」

    スライム「この声は……モンスター保護協会の会長さんだ」

    母スライム「なんだか、ずいぶん焦っているみたいだねえ」

    スライム「なにかあったのかな?」プルンッ

    スライム「とにかく外に出てみよう!」

    14 :

    『 狩 る 者 と 狩 ら れ る 者 』



    【 PART1 避難するノンケたち 】

    15 :

    スライムの妹だと…

    16 = 1 :

    ザワザワ…… ドヨドヨ……

    会長「皆さん、落ちついて下さい!」

    会長「すぐ来るわけではありません! 冷静になって、私の指示通りに動いて下さい!」



    スライム「なにがあったんだ?」

    オーク「ついさっき、あの人のところに情報が入ってきたらしい」

    オーク「なんでもモンスターハンターの一団が、この村に向かってるんだってよ!」

    スライム「なんだって!?」

    オーク「大丈夫さ。村を捨ててあの人のいうとおり避難さえすれば、な」

    オーク「もっともこの村は腹いせに壊されちまうかもしれないらしいが……」

    オーク「命には代えられないだろ」

    スライム「そう……だな」

    スライム(ちくしょう、ハンターどもめ!)

    17 :

    >>14
    続けて

    19 = 1 :

    会長「では村を出て、あちらにあるくぼ地に向かって下さい! あそこなら安全です!」

    会長「一ヶ所に固まって、くれぐれもはぐれる人を出さないように!」

    会長「私はハンターたちを説得するため、ここに残ります!」

    ワイワイ…… ガヤガヤ……

    サキュバス「行きましょ!」

    ゴーレム「そうダナ」

    ゴブリン「村全員で固まって避難しよう!」



    オーク「俺たちも行こうぜ! ほら、お袋さんと妹ちゃんを連れてこいよ」

    スライム「ああ!」

    20 = 1 :

    ─ 山道 ─



    ゾロゾロ……

    「よかったなぁ」 「協会の人がいなきゃどうなってたか」 「ホントホント」

    スライム「でも悔しいなぁ……! 逃げるしかできないなんて……!」

    オーク「俺たちは戦いなんかほとんどしたことないモンスターばかりだし」

    オーク「ハンターどもは、強力な武器で武装してやがる。しょうがねえよ」

    スライム「なんだかみんなでピクニックみたい!」キャッキャッ

    スライム「コラコラ、はしゃぐなよ」

    母スライム「でも心配だねえ……。あの会長さん一人で大丈夫かねえ?」

    スライム「…………」

    スライム「俺、ちょっと村に戻ってみるよ」

    22 = 1 :

    オーク「オイオイ、なに考えてんだ!?」

    スライム「だってさ……いくら人間とはいえやっぱり放っておけないよ!」

    スライム「もちろん俺、戦うことはできないけど、この山には詳しい」

    スライム「会長さんが危なくなったら、逃げる手伝いくらいはできるかもしれないし」

    スライム「母さん、妹、悪いけどオークと先に行っててくれ」

    スライム「すぐ戻ってきてね、お兄ちゃん……!」

    母スライム「お前は本当に優しいねえ……」

    オーク「気をつけろよ!」

    スライム「分かってる!」プルンッ

    23 = 1 :

    【 PART2 全ては罠だった 】



    ─ モンスター村 ─



    スライム(会長さんと……ハンターらしき人間が話してる)コソッ…



    会長「──全てあなたの指示通りです」

    会長「今頃モンスターたちは、くぼ地めがけてまとまって避難していることでしょう」

    狩人「クックック、大勢のハンターが待ち伏せてるとも知らずにな……」

    狩人「この村にいたのは、ほとんどがゴミモンスターばかりだったが──」

    狩人「ゴーレムの鉱石やサキュバスの翼は金になる」

    狩人「闇ルートで捌けば、数十万ゴールドにはなるだろうぜ」

    狩人「これが、スマートな狩りってやつさ」

    会長「……しかし、世間は夢にも思わないでしょうな」

    会長「モンスター保護協会のトップである私が、あなたと繋がっているなどと──」

    24 = 1 :

    狩人「アンタが話せる人間でよかったよ」

    狩人「利益の一部をやるから、協会の活動を抑え、狩りに協力してくれといったら」

    狩人「あっさりと聞き入れてくれたんだからな」

    会長「公的な組織の長とはいえ、収入や扱いはそれほどよくないんですよ」

    会長「しょせんモンスター関連事業など、二線級の部門ですからね」

    会長「もっとも、私の部下はモンスターをこよなく愛する者ばかりで困ります」

    会長「熱心な協会員たちの活動を、うまい具合に抑えるのも一苦労ですよ」

    狩人「さすがの俺たちも、同じ人間と衝突するのは避けたいからな……」

    狩人「アンタを“ヘッド・ハンティング”できてよかったよ」ニッ…



    スライム(そ、そんな……この二人がグルだったなんて……!)

    スライム(すぐ戻ってみんなに知らせないと!)クルッ

    パキッ……!

    25 = 1 :

    狩人「!」バッ

    会長「どうしました?」

    スライム(し、しまった! 気づかれた!)プニッ…

    狩人「スライムか……死ねっ!」ギリリッ…

    ビュッ! ──グサッ!

    スライム「あうっ!」ガクッ

    会長「おおっ、一矢でスライムを射抜いた! さすがですな!」

    スライム「……ぐうっ!」ズルズル…

    会長「むっ! しぶとく逃げていきますよ!」

    狩人「あれじゃ、どのみちすぐくたばる」

    狩人「スライム肉なんか、二束三文にしかならねえしな」

    狩人「それより……祭りに遅れちゃマズイ」

    狩人「今頃山の中じゃ、お楽しみのハンティング・タイムが始まってる頃だ」ニッ

    26 = 21 :

    しえん

    27 = 6 :

    狩人の矢で穴が開いた今がチャンス!!

    28 = 1 :

    【 PART3 殺戮 】



    ─ 山のくぼ地 ─



    ギャアァァァァァ……!

    ザシュッ! ザンッ! ドスッ! ズシャッ! ズバッ!

    オーク(……どうなってんだ!? なんでハンターがこんなに……!)

    剣士「いい肉質のオークだな。解体して、胴体だけ持ち帰るとするか」チャキッ

    オーク「や、やめろっ……!」

    ドシュッ!

    ゴブリン「い、命だけはっ……!」

    手下A「くたばれやっ!」ビュッ

    ザンッ!

    手下B「殺すのが惜しくなる体だぜ。たっぷり可愛がってから殺してやるよ!」グイッ

    サキュバス「いやあっ! やめてええっ!」

    29 = 1 :

    会長「おおっ、みごとにモンスターどもが罠にかかっていますな!」ザッ

    狩人「コラコラ、作戦の立案者に獲物は残してねえのかよ」ザッ

    剣士「狩人さん、おかげで楽しませてもらっているよ」

    手下A「それに獲物なら、ちゃぁ~んと残してますぜ! ほら!」

    母スライム(保護協会の会長が、グルだったなんて……!)

    母スライム「ど、どうかこの娘だけは……! お願いします、お願いします……!」

    スライム「お兄ちゃん、助けて……」ガタガタ…

    狩人「ちっ、スライム二匹かよ。もっといいのを残しといてくれよ」

    手下A「へへっ……すいやせん」

    狩人「会長さん、せっかくだし、初ハンティングとシャレこまねえか?」

    狩人「一度やってみると、ヤミツキになるぜ? ほら、剣を貸してやるよ」チャッ

    会長「そうですな……実は私も一度やってみたかったのですよ」

    30 = 1 :

    会長「では……」チャキッ

    ズバッ! ザシュッ!

    母スライム「かはっ……」ドサッ

    会長「おお……! これは……なかなか楽しいですな!」

    狩人「だろ?」ニッ

    スライム「お母さん! お母さん! お母さんっ!」

    スライム「お兄ちゃん……どこいるのぉ……助けて……」グスッ…

    狩人「ま……俺はこれで我慢するか」シェッ

    ザシュッ……!

    31 = 21 :

    ああ…

    32 = 1 :

    夕暮れ時──

    ズル…… ズル……

    スライム(途中で気を失っちゃったけど……や、やっと着い──)ズル…

    スライム「!」

    スライム「み、みんな!」ズル…

    スライム「オーク! ゴーレム! サキュバス! ゴブリン! ──なんてことだ!」

    スライム「!!!」

    スライム「母さん!」ズル…

    スライム「妹っ!」ズルズル…



    スライム「うわあっ! わあぁぁぁぁぁ~~~~~っ!!!」

    33 = 1 :

    【 PART4 スライムの依頼 】



    ─ モンスター村跡地 ─



    スライム(昔……魔物の権利向上のため、あくどい仕事もしてたっていう、父さん……)

    スライム(そんな父さんが……話してくれたことがある“勇者”……)

    スライム(超A級の、プロフェッショナル……)

    スライム(父さんがいっていたとおりの方法で、連絡、したが……)

    勇者「お前が、スライムか……?」ザッ…

    スライム「!」

    スライム「あ、ああ……そうだ! ──がはっ!」ゲホゲホッ

    勇者「…………」

    勇者「用件を聞こうか……」

    スライム「ア、アンタが勇者……か!」

    34 :

    ゴルゴじゃねーか

    35 :

    狙撃とチョップで戦う伝説の殺し屋が出てきた・・・

    36 = 1 :

    スライム「た、頼む!」

    スライム「この村のみんな、母さんや、妹たちの仇を……討ってくれ!」

    スライム「狩人の奴が率いる、悪質なモンスターハンターどもを……」

    スライム「皆殺しにしてくれぇっ!」

    勇者「…………」

    スライム「村はこのとおり、焼かれちゃったが……」

    スライム「わ、わずかに……お金と、木の実が残って、た……」ジャラッ…

    スライム「ア、アンタは人間だけど……」

    スライム「モンスターから、の依頼も受けると……父さんから聞いてる……」

    勇者「…………」

    スライム「お願いだ……勇者……!」

    スライム「み、みんなの……仇……」

    スライム「とっ、て……」ガクッ…

    勇者(…………)

    37 = 7 :

    スライム死ぬのかよw

    38 = 21 :

    死んじまった

    39 = 35 :

    ゴルゴで読んだなこういう展開

    40 :

    ミスファイア…

    41 :

    ゴルゴ勇者って前にもどこかで読んだような・・・

    42 = 1 :

    【 PART5 情報収集 】



    ─ 大図書館 ─



    勇者「…………」ザッ

    司書「いらっしゃいませ」

    勇者「本を探しているのだが……」

    司書「どのような本をお探しですか?」

    勇者「蛇にそそのかされ……禁断の果実を食べてしまった男の本だ」

    司書「申し訳ありません。そちらの本は一般公開はしておりませんので──」

    司書「お手数ですが、こちらの部屋へどうぞ」スッ

    44 = 1 :

    < 小部屋 >

    司書「ご用件をどうぞ」

    勇者「モンスターハンターの狩人と、その仲間について教えてくれ……」パサッ

    司書「彼らはモンスターハンターの中でも、100名以上を誇る大所帯の勢力です」

    司書「もちろん、全員で動くことはめったにありませんが──」

    司書「彼らに滅ぼされたモンスター村は、30近くに上るといわれています」

    勇者「モンスターを保護する団体も、あるはずだが……?」

    司書「ご存じでしたか」

    司書「ですが、モンスター保護協会の活動は近年消極化しておりまして」

    司書「違法ハンターを抑える役目はほとんど果たせてないというのが現状です」

    司書「確証はありませんが、おそらくこれは──」

    勇者「もし、俺が狩人の立場であれば……」

    勇者「保護協会のトップ、あるいはそれに近い者の懐柔を考えるだろうな……」

    司書「!」

    45 = 1 :

    司書「さすがです……」

    司書「狩人らと保護協会はすでに“パイプ”ができている可能性が高い」

    司書「しかし、狩人たちは決してクレバーなだけの集団ではありません」

    司書「希少モンスターの情報を得ると、すぐさま現場へ急行します」

    司書「レッドドラゴン、ジャイアントワーム、ポイズンフラワー、といった」

    司書「強力なモンスターの退治にも成功しており」

    司書「モンスターハンターとしての実力もピカイチなのです」

    司書「そしてこれらの戦果は、新たに仲間に加わった剣士の力によるところも大きい」

    勇者「剣士……」

    46 = 1 :

    勇者「かつては傭兵だった男だな……」

    司書「はい、元々は腕の立つ傭兵隊を率いていたのですが」

    司書「戦争が少なくなった今の世、仕事にありつけずにいたところを狩人に誘われ」

    司書「部下ともども、モンスターハンターになったのです」

    勇者「…………」

    司書「さらに、リーダーである狩人ですが──」

    司書「彼は何冊か本も出しており、もちろんこの図書館にも彼の本は置いております」

    司書「著書の中で彼はこう豪語していますよ」

    司書「“ありとあらゆる狩りを体験したい”」

    司書「“幻の竜といわれるホワイトドラゴンをぜひ狩りたい”とね」

    勇者(ホワイトドラゴン……)

    48 :

    おもしろい

    49 = 1 :

    勇者「分かった……。世話になった……」スッ

    司書「おや、もうお帰りですか?」

    勇者「…………」ザッザッ…

    ギィィ…… バタン……

    司書(勇者……相変わらず不思議な人だ)

    司書(裏社会では“知恵の実を食べた男”と呼ばれるほどの情報屋である私ですが)

    司書(彼のことだけは、なにひとつ分からない……)

    司書(もっとも、彼については金払いがいいということと)

    司書(彼を詮索することは死を意味する、ということだけ知っていれば十分ですがね)

    司書(災いをもたらすパンドラの箱を、わざわざ開けることはない……)

    50 = 48 :

    ゴルゴかと思ったらゴルゴだった


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