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    元スレ女「君はボクの何になってくれるんだい?」

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    51 = 1 :

    「ちなみに言っておくけれど」

    「なんだ?」

    「今日はこれをするためにパンツを二枚穿いてきたんだ」

    「めちゃくちゃ無駄な仕込みだな!!」

    パンツの話はもう絶対する気だったのか!

    「おかげでムレムレのムラムラのヌルヌルさ」

    「最後の擬音おかしいだろ」

    「え? 汗だよ?」

    「……」

    まだ、混乱しているようだ。

    52 :

    53 = 1 :

    夏休みが終わっても俺とヤツの会話はまったく変わらずであった。

    「ただいま」

    「おかえりんご!」

    「ただいマンゴー」

    「うんうん、ちゃんと果物で返してくれたね」

    可愛い妹がお出迎えしてくれた。

    うむ、幸せだ。

    今日はすぐに帰ってきたから妹も上機嫌だ。

    54 = 1 :

    「今日は早いから一緒にゲームできるね!」

    「したいのか?」

    「うん!」

    「何がしたいんだ?」

    「んとね、なんでもいい!」

    「じゃあ一人用のゲームやるか」

    「一緒にできないじゃん!」

    「え? 妹もやるのか?」

    「わかってて言うな!」

    可愛いからついついいじめたくなる。

    55 = 52 :

    56 = 1 :

    「じゃあ格ゲーでいいか?」

    「うん」

    というか、二人用のゲームなんてそれくらいしかない。

    「お兄ちゃんの帰りが遅い日、私は頑張って練習していたのだ」

    「一人でやってたのか?」

    熱心だな。

    「ううん、メンタルトレーニング!」

    その発想は無かった。

    59 = 1 :

    結果から言うと。

    「なんで空飛ばないの!?」

    「そんなゲームじゃない!」

    妹のメンタルトレーニングは完璧に間違っていた。

    大体メントレしてもガチャプレイに変わりないんだから、意味がない。

    「うー……もういいっ、ご飯作ってくる」

    「おーう」

    悪いな、手加減しなくて。

    60 = 1 :

    帰りが早いととにかくすることもなくダラダラと過ごしてしまいがちだ。

    宿題を出されても、まず勉強机に座ることなんてまずない。

    飯まで寝るか、漫画を読むか。

    オナ……いや、それは言わなくていいか。

    たまには何かしたいものだけれど。

    「……何もないな」

    何か、することはないだろうか。

    61 = 52 :

    安価の予感

    62 = 1 :

    「お兄ちゃーん」

    「んあっ」

    妹の声がした。

    どうやら寝てしまっていたようだ。

    「おーう」

    ベッドから立ち上がり、ゆっくりと食卓に向かった。

    63 :

    ふむふむ

    64 = 1 :

    「じゃじゃーん!」

    「……なんだ?」

    「今日は、お兄ちゃんの大好きなハンバーグでーす!」

    「おー!」

    階段を降りている時に、いい匂いがしたのはこれか。

    オマケに俺のハンバーグは少し大きめだ。

    65 = 1 :

    「ふふん、自信作です」

    「いただきます」

    早速箸で小さく切って食べる。

    うむ。美味しい。

    「妹、上手いぞ」

    「わーい」

    手を挙げて喜ぶ妹。

    それにしても、どんどん料理が上手くなっていくなぁ。

    67 = 1 :

    いつも作ってれば上手くなるのも当然か。

    「ありがとうな」

    「なーに?」

    「いつも作ってれさ」

    「お兄ちゃんが作んないんだから、私が作らなきゃいけないでしょ?」

    仕方なく、って言い方だ。

    「でも、それは昔の話」

    「ん?」

    「今は、作るの楽しいし」

    更に妹は付け加える。

    「お兄ちゃんが美味しく食べてるのみると、嬉しいから」

    68 = 1 :

    ……おお。

    なんか、すげえ照れるな。

    「妹、お前は本当にイイヤツだ」

    「はいはい、喋らずに食べてね。冷めちゃうよ」

    「はーい」

    まるで立場が逆転しているようだ。

    でもまあ。

    妹は俺よりも要領がいいからな。

    おまけに容量も俺よりあるだろう。

    69 :

    何を言ってるんだか。

    「そーいえばさ」

    ニヤついた顔を近づけてきた。

    「今日調理実習で褒められちゃった」

    「おお、良かったじゃん」

    「でもね、ちょっと悲しかったことがあるんだ」

    どうやら、聞いて欲しそうだ。

    「どうしたんだ?」

    70 :

    待ってた

    71 :

    73 = 69 :

    「なんてゆーか……えーっと」

    「?」

    いきなりどうした。

    「お兄ちゃんに食べてもらえなかったのが。ちょっと心残りで」

    「……」

    おいおい、妹よ。

    お前が妹じゃなきゃ抱きしめてた。

    いや、もうアレだ。

    妹でも抱きしめる。

    「ちょ!?」

    74 = 69 :

    「もう可愛いなあお前は!」

    「うわ、お兄ちゃんやめて! 離れてー!」

    とか言いながら力入れてないじゃん!

    「今度調理実習があったらちゃんと残して持って帰ってきたら食べるぞ?」

    「ほんと!?」

    うお、すげー嬉しそうな顔。

    「もちろん!」

    「実は持ち帰ってきたよ!」

    え。

    「じゃあ食べてもらおうかなっ」

    え、ちょ、ちょっとまって。

    ハンバーグ食べて俺もうお腹一杯なんだけど。

    75 = 69 :

    あ、でも、調理実習だからそんなにはないか。

    「えへへ、ちょっと多めだけど」

    「っ!?」

    そうだった。

    妹はいつも作る分が多かった。

    「こ、こんなに持って帰ったらグループの子達食えなかったんじゃないか?」

    「ううん、これは別に作ったの」

    お兄ちゃんのためにね!

    と、顔を染めて言った。

    ……あはは、俺は幸せものだ。

    76 :

    いもぺろしえん

    77 :

    妹スレやん
    世界シリーズっぽいな

    78 :

    妹は好きです!
    けど僕っ娘はもっと好きです!!!!

    79 = 69 :

    と、言うわけで。

    俺の腹は妹の愛に満ち溢れたわけなんだけれど。

    「気持ち悪い……」

    腹がパンパンである。

    「美味しいから食えるけどなぁ」

    あと、あんなキラキラした顔で見られたら。

    もう、死ぬ気で食わざるをえない。

    本当に、美味しくて助かる。

    80 = 69 :

    そして、数時間が経った。

    「……」

    俺は、いつも通りボーっと過ごした。

    「何か、すること」

    思いつく限り考えてみるが、一向に思いつかない。

    思い尽いた、という感じだ。

    「あっ」

    ふと、携帯電話に目が行く。

    81 = 69 :

    「……かけてみるか」

    いつもだったらそんなことをしないのに。

    何故か俺は、ヤツに電話をかけようとする。

    「んー……」

    ベッドに一度横たわり、思案する。

    こっちから電話して、なんて言えばいい?

    別に話すことなんて決まってないし。

    用なんて、ない。

    83 = 69 :

    「だからといって……」

    他にするようなやつは……

    「……後輩」

    いや、ダメだ。

    まだ後輩出てないし。

    出てない? なんのことだ?

    まあ、それは置いといて。

    と、言ってると、持っていた携帯が鳴り出した。

    噂をするとなんとやら、後輩からである。

    84 = 69 :

    後輩『もみもみ! 先輩ですか』

    「こういう時はもしもしって言うんだぞ、後輩」

    後輩『あっ、いきなりナカ出しされちゃいました!』

    ダメ出しだ。

    吹き出しそうになったぞ。

    「どうしたんだ?」

    後輩『ふふふっ、実は先輩にお願いがあるんですよー!』

    嫌な予感しかしないんだが。

    85 = 69 :

    「一応聞いてやる」

    後輩『先輩、電話でエッチって知ってますか』

    「……切るぞ」

    後輩『わわっ、やめてくださいー!』

    後輩はなんでこんなに性に正直なんだろうか。

    ……アイツもだけど、コイツは更に素直だ。

    86 = 69 :

    後輩『う~……やってくれないんですか?』

    「何度も言わせるな。やらん」

    後輩『じゃあ先輩の喘ぎ声聞かせてください!』

    なんでだよ!?

    「嫌だ!」

    後輩『私も喘ぎますから!』

    「そういう問題じゃない!」

    87 = 71 :

    かんばる

    88 = 69 :

    後輩『うう……先輩はいつもそう』

    お前は俺をどんな目で見てんだ。

    後輩『今日はこれで失礼します』

    「ああ、そうしろそうしろ」

    後輩『先輩の声が聞けたから、なんだか元気バリバリです!』

    そうかい。

    後輩『あ、でもこのままじゃ眠れません! ムラムラしちゃって!』

    うーん。言葉も無い。

    「今日は徹夜だな」

    89 = 69 :

    後輩『うー……スッキリして寝ようと思います!』

    「ちょっ」

    何を言い出すんだお前。

    後輩『それじゃあ、お風呂でスッキリしてきます! おやすみなさーい!』

    そして電話は切れた。

    ……そ、そうか。

    お風呂か。

    お、俺もお風呂だと思ってたぞ、うん。

    90 = 71 :

    嘘だッ

    91 = 69 :

    「風呂、か」

    そろそろ風呂時ではあるな。

    んー、でも。

    なんだか、気乗りしない。

    風呂は好きなんだが、このモヤモヤした気持ちはなんだろう。

    俺は無意識に携帯で、ヤツに電話をかけた。

    「……ええ!?」

    いきなり何してんの俺!?

    これで出られても、何も言えないぞ!?

    だからって切ったらかけ直して来るかもしれないし……。

    とりあえず、待とう……。

    92 = 76 :

    いもちゅしえん

    93 = 72 :

    全員素晴らしい

    94 = 69 :

    「……」

    おかしい。

    いつもなら、ワンコールで取ってくるのだが。

    いつまでたっても、出ない。

    「……しかたねえ」

    かけ直してきたら、適当に答えよう。

    結局、暇なままだ。

    95 = 69 :

    ダメだ、何もない。

    ベッドに横たわって、天井の上を見る。

    よく知っている天井。

    当たり前か、そんなこと。

    ゆっくりと立ち上がって。

    ふいに、思いついた言葉を漏らした。

    「……散歩」

    98 :

    ほうほう

    99 = 69 :

    そういえば、昔。

    夜に散歩とか、よくしてたな。

    することがなくて、近所をぶらりと。

    ……あの頃と変わってないのか、俺。

    「……行くか」

    とにかく、何かをしたかった。

    だから、俺はベッドから跳ね起きた。

    ギシッっと音がした。

    鳴るじゃねえか、音。


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