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元スレ貴音「……たんすの角に小指をぶつけました」
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貴音(こんなことなら、最初からタクシー使えばよかったかな……)
貴音(……いや、あの律っちゃんが、そんなのを経費で落してくれるわけないよね。
『それなら最初からプロデューサーに頼ればよかったでしょー!?』
って言われるのが目に見えてる)
貴音(説明するの、色々メンドくさいし……)
貴音「……そうだ」ティン
『自分達、これからはユニットの仲間なんだし、
何か相談したいこととかあったら、いつでも言ってよね!』
貴音「響……響に助けてもらおう! うん、それが良い!」
……
響『えーっと……それで、自分に電話したの?』
貴音「はい……あの、申し訳ございません、お休みのところ……」
響『それはいいんだけど、貴音、頼る相手を間違ってると思うぞ……
自分だって、都会の電車はゼンゼンわかんないし……』
貴音(……そうだった。あぁもう、何をやってもうまくいかない……)
貴音(……いや、あの律っちゃんが、そんなのを経費で落してくれるわけないよね。
『それなら最初からプロデューサーに頼ればよかったでしょー!?』
って言われるのが目に見えてる)
貴音(説明するの、色々メンドくさいし……)
貴音「……そうだ」ティン
『自分達、これからはユニットの仲間なんだし、
何か相談したいこととかあったら、いつでも言ってよね!』
貴音「響……響に助けてもらおう! うん、それが良い!」
……
響『えーっと……それで、自分に電話したの?』
貴音「はい……あの、申し訳ございません、お休みのところ……」
響『それはいいんだけど、貴音、頼る相手を間違ってると思うぞ……
自分だって、都会の電車はゼンゼンわかんないし……』
貴音(……そうだった。あぁもう、何をやってもうまくいかない……)
響『プロデューサーは? いつもなら、プロデューサーが迎えにきてくれるでしょ?』
貴音「それ、は……」
響『……』
響『よし、わかった! それじゃあ、自分に任せといて!』
貴音「ま、真ですか!?」パァァ
響『うん! とにかく貴音は、その駅で待っててよね!』
貴音「はいっ、お待ちしております……!」
……
貴音「……」ソワソワ
「……貴音!」
貴音「! ひび──
貴音「……えっ!?」
P「はぁ、はぁ……! ぶ、無事か!?」
貴音「ぷ、プロデューサー……!?」
貴音「それ、は……」
響『……』
響『よし、わかった! それじゃあ、自分に任せといて!』
貴音「ま、真ですか!?」パァァ
響『うん! とにかく貴音は、その駅で待っててよね!』
貴音「はいっ、お待ちしております……!」
……
貴音「……」ソワソワ
「……貴音!」
貴音「! ひび──
貴音「……えっ!?」
P「はぁ、はぁ……! ぶ、無事か!?」
貴音「ぷ、プロデューサー……!?」
貴音(てっきり、響が迎えにきてくれると思ってたのに……。
今、私の目の前には、別の仕事をしているはずのプロデューサーがいました)
貴音「プロデューサー、なぜ──」
P「なんともないか!?」ガシッ
貴音「きゃっ!」
P「響から、連絡があったんだ! 貴音が外国人力士の集団に襲われているから、
今すぐ迎えにいけって!」
貴音「え、えぇ!?」
P「何もされなかったか!? ツッパリされなかったか!?」グラグラ
貴音「……い、痛……!」
P「あ、あぁ……ご、ごめん」
貴音「……プロデューサー、そちらの仕事は……?」
P「そんなもん、抜け出してきたに決まってるだろ!?」
貴音「……っ」
今、私の目の前には、別の仕事をしているはずのプロデューサーがいました)
貴音「プロデューサー、なぜ──」
P「なんともないか!?」ガシッ
貴音「きゃっ!」
P「響から、連絡があったんだ! 貴音が外国人力士の集団に襲われているから、
今すぐ迎えにいけって!」
貴音「え、えぇ!?」
P「何もされなかったか!? ツッパリされなかったか!?」グラグラ
貴音「……い、痛……!」
P「あ、あぁ……ご、ごめん」
貴音「……プロデューサー、そちらの仕事は……?」
P「そんなもん、抜け出してきたに決まってるだろ!?」
貴音「……っ」
なんか変な感じがするので訂正
× 今すぐ迎えにいけって!」
○ 今すぐ助けにいけって!」
でオナシャス
× 今すぐ迎えにいけって!」
○ 今すぐ助けにいけって!」
でオナシャス
P「あれ? でも、なんとも、ない……か? 琴欧洲もいないみたいだし」
貴音「……はい。私を襲う者など、誰ひとりとしていません」
P「……? じゃあなんで、響はあんなこと……」
貴音「……そんなことよりも、プロデューサー」
P「ん?」
貴音(──なぜだか、胸が苦しくて)
貴音(伝えたい気持ち、伝えなくてはならない気持ちは、次々に溢れてくるのに)
貴音「あ、あの……!」
貴音(でもそれをうまく伝える言葉を、『アイドルの四条貴音』は知らなくて……)
貴音(油断したら、ボロが出て、全てが崩れていってしまいそうな気がしたから、
私には、ただ一言……、こう言うことしか出来ませんでした)
貴音「……ありがとう、ございましゅ」
貴音「……はい。私を襲う者など、誰ひとりとしていません」
P「……? じゃあなんで、響はあんなこと……」
貴音「……そんなことよりも、プロデューサー」
P「ん?」
貴音(──なぜだか、胸が苦しくて)
貴音(伝えたい気持ち、伝えなくてはならない気持ちは、次々に溢れてくるのに)
貴音「あ、あの……!」
貴音(でもそれをうまく伝える言葉を、『アイドルの四条貴音』は知らなくて……)
貴音(油断したら、ボロが出て、全てが崩れていってしまいそうな気がしたから、
私には、ただ一言……、こう言うことしか出来ませんでした)
貴音「……ありがとう、ございましゅ」
車の中
ブロロロ……
貴音「……」
P「……」
貴音(噛んだぁぁぁっぅぁっぁああぁ……!!!!)
P「あ、あのさ、貴音」
貴音「……なんでしょうか」
P「……いや」
貴音「うぅ……」カァァ
貴音(プロデューサー、とても微妙な顔をしている……)
貴音(噛んだことに対して触れちゃいけないって顔してる……!)
ブロロロ……
貴音「……」
P「……」
貴音(噛んだぁぁぁっぅぁっぁああぁ……!!!!)
P「あ、あのさ、貴音」
貴音「……なんでしょうか」
P「……いや」
貴音「うぅ……」カァァ
貴音(プロデューサー、とても微妙な顔をしている……)
貴音(噛んだことに対して触れちゃいけないって顔してる……!)
P「っと……事務所に寄る前に、一旦、スタジオに向かっていいかな」
貴音「すたじお?」
P「うん。たぶん、美希の撮影、もう終わってると思うから。
美希なら一人でも帰れるだろうけど、ついでだから拾っていくよ」
貴音(……そうだった)
貴音(プロデューサーはさっきまで、美希の撮影に付き合っていたんだった……)
『あはっ☆ ねぇねぇ、今言ったの、ほんと?』
『ふーんだ……ハニーのケチ!』
貴音(脳裏に浮かぶのは、昨夜見た、美希のはしゃぐ顔……)
貴音「……っ」ブルッ
P「……どうした?」
貴音「……いえ、お気になさらずに」
貴音(あの様子を見る限り、たぶん美希は、プロデューサーのことを……)
貴音(……わ、私は、もしかして……)
貴音(私の、つまらない意地のせいで、
プロデューサーの手を、余計に煩わせただけでなく)
貴音(美希から、プロデューサーと一緒にいる時間を、奪っちゃったの?)
貴音(……ほんの数十分。それだけの時間)
貴音(でも、それでもきっと……、美希にとっては、長い時間)
貴音「……」
貴音(……怖い)
貴音(美希に会うのが、怖い……!)
このお姫ちんがカエルの着ぐるみ着たらどんな気持ちになるんだろう
貴音「……っ」フルフル
貴音(……だけど)
貴音(たとえそれが、事実ではなくても……、私の身を案じて、
ここまで来てくれたプロデューサーに、これ以上迷惑はかけられない)
貴音(美希に恨まれるなら、それも仕方ないこと……)
ブロロロロ……
P「お、見えてきたな……」
貴音「……」
貴音(今はただ、どうやって美希に謝るかを……)
貴音(『アイドルの四条貴音』として、どう言葉を紡げばいいか……考えておこう)
──────
────
──
貴音(……だけど)
貴音(たとえそれが、事実ではなくても……、私の身を案じて、
ここまで来てくれたプロデューサーに、これ以上迷惑はかけられない)
貴音(美希に恨まれるなら、それも仕方ないこと……)
ブロロロロ……
P「お、見えてきたな……」
貴音「……」
貴音(今はただ、どうやって美希に謝るかを……)
貴音(『アイドルの四条貴音』として、どう言葉を紡げばいいか……考えておこう)
──────
────
──
スタッフ「……ああ、プロデューサーさん!」
P「す、すみません! 途中で抜け出しちゃって……」
スタッフ「いえ、いいんですよ。それより、美希ちゃんのところに行ってあげてください。
さっきからずっと、落ち着かないって顔してるんですから」
貴音「……っ」
貴音(やっぱり……やっぱり美希は、プロデューサーと離れたくなくて……)
P「……ほら、貴音」ポン
貴音「え?」
P「美希のところに、行ってやってくれ」
貴音「で、ですが、私は──
タッタッタ……
美希「貴音ぇぇぇぇえぇ~!」
ぎゅぅぅっ!
貴音「!?」
美希「大丈夫!? ねぇ!」
貴音「え、え……!?」
美希「お相撲さんに無理矢理ぶつかり稽古させられてたんでしょ!?
み、ミキ、貴音がアイドルやめて土俵に立つなんて……そんなの、ヤ!」
貴音「……プロデューサー、あの……」
P「……理由も何も言わずに、出て行くわけにはいかないだろ?」
美希「シンパイだったんだからぁ~……!」ギュー
貴音「……っ」
貴音(……言葉が、見つからない)
貴音(キャラを作っているとか、そういうことは全然関係なく)
貴音「み、美希……!」
貴音(ただただ、自分の考えの浅はかさが、情けなくて)
貴音(そして何より、美希の気持ちが、嬉しくて……)
貴音「え、え……!?」
美希「お相撲さんに無理矢理ぶつかり稽古させられてたんでしょ!?
み、ミキ、貴音がアイドルやめて土俵に立つなんて……そんなの、ヤ!」
貴音「……プロデューサー、あの……」
P「……理由も何も言わずに、出て行くわけにはいかないだろ?」
美希「シンパイだったんだからぁ~……!」ギュー
貴音「……っ」
貴音(……言葉が、見つからない)
貴音(キャラを作っているとか、そういうことは全然関係なく)
貴音「み、美希……!」
貴音(ただただ、自分の考えの浅はかさが、情けなくて)
貴音(そして何より、美希の気持ちが、嬉しくて……)
貴音「う、ぅ……!」
ぽろぽろ……
美希「貴音、やっぱりどっか、痛いの……?」
貴音「……痛むのは、この心だけです……っ」
美希「こころ?」
ぎゅぅぅ……
美希「うっ……く、苦しいの」
貴音「……美希。耳を、貸してください」
美希「え? 耳?」
貴音(……今しかないと、思った)
貴音(伝えないといけないと……思った)
貴音(私の言葉で、美希に──大切な、仲間に、この気持ちを)
貴音「……心配してくれて、ありがとう」
美希「え……貴音? なんか、いつもと……」
貴音「それと──」
貴音「本当に、ごめんね……」
美希「……」
貴音「私(わたくし)……ううん、私(わたし)は……」
貴音「美希のこと、ひとりで勝手に、羨ましがって、妬んでいたんだと思う。
なにをやっても、なんでもうまくいっちゃう、美希のこと……」
貴音「だから……ごめんなさい」
美希「んー……なーんか、よくわかんないけど……」
美希「ミキ、ゼンゼン、怒ってないよ? だから、謝らなくていいの」
貴音「でも……っ!」
美希「あはっ☆ それより、ミキは──」
貴音「え……?」
美希「今の貴音、すっごく可愛いって思うな!」
貴音「……っ」
ぽろぽろ……
貴音「かわ、いい……?」
美希「うん!」
貴音(──臆病になって、ずっと隠していた、私の素顔を)
貴音(美希は、可愛いと言ってくれた……)
貴音(認めて、くれた……)
美希「ね、貴音」
貴音「……?」
美希「ミキ、安心したら、なんだか眠くなってきちゃった……あふぅ」
貴音「……ふふっ、そっか」
美希「だから、もう帰ろう?」
貴音「……そうだね」
貴音「帰ろう、私達の事務所に……」
765プロ事務所
ガチャッ
「ただいま戻りまし──
響「あ、おかえりー!」
貴音「……響?」
美希「あれ? 響、今日お休みじゃなかったっけ?」
響「えっへへー、遊びにき
P「コラ──っ!!」
響「うぇぇっ!? な、なんで!? 遊びにきちゃダメだったか!?」
P「そういうことじゃない! なんであんな、嘘の電話をしたんだ!?」
響「だ、だってぇ~!」
貴音「プロデューサー、響を責めないでくださいませ! 全ては私が──
P「嘘付かなくたって、貴音が困っているなら……、それだけで十分だろ!?
余計な心配をかけさせないでくれよ……!」
貴音「……っ!」
ガチャッ
「ただいま戻りまし──
響「あ、おかえりー!」
貴音「……響?」
美希「あれ? 響、今日お休みじゃなかったっけ?」
響「えっへへー、遊びにき
P「コラ──っ!!」
響「うぇぇっ!? な、なんで!? 遊びにきちゃダメだったか!?」
P「そういうことじゃない! なんであんな、嘘の電話をしたんだ!?」
響「だ、だってぇ~!」
貴音「プロデューサー、響を責めないでくださいませ! 全ては私が──
P「嘘付かなくたって、貴音が困っているなら……、それだけで十分だろ!?
余計な心配をかけさせないでくれよ……!」
貴音「……っ!」
>>88
全くその通りだな
全くその通りだな
響「うぅー……ごめんなさい……」
P「……ゴホン。とまぁ、今のは『プロデューサー』からの言葉だ」
響「へ? どーいうこと?」
P「やり方はどうあれ、響のおかげで、貴音を助けてやることが出来た。
それに関しては、響に感謝しなくちゃいけないな」
P「……ありがとう、響。本当によくやってくれたよ。
プロデューサーっていう立場を抜きにして、俺個人からも、礼を言いたいと思う」
響「……えへへ、ま、まぁ、自分、完璧ってところあるし……でへへ」
P「調子に乗らない。次からは嘘付かずに、ちゃんと本当のことだけ教えてくれよ?」
響「うんっ!」
貴音「……」
美希「貴音、どーしたの?」
貴音「な、なにがですか?」
美希「なーんか、顔、赤くなってるよ?」
貴音「……そ、そんなこと……」
P「……ゴホン。とまぁ、今のは『プロデューサー』からの言葉だ」
響「へ? どーいうこと?」
P「やり方はどうあれ、響のおかげで、貴音を助けてやることが出来た。
それに関しては、響に感謝しなくちゃいけないな」
P「……ありがとう、響。本当によくやってくれたよ。
プロデューサーっていう立場を抜きにして、俺個人からも、礼を言いたいと思う」
響「……えへへ、ま、まぁ、自分、完璧ってところあるし……でへへ」
P「調子に乗らない。次からは嘘付かずに、ちゃんと本当のことだけ教えてくれよ?」
響「うんっ!」
貴音「……」
美希「貴音、どーしたの?」
貴音「な、なにがですか?」
美希「なーんか、顔、赤くなってるよ?」
貴音「……そ、そんなこと……」
貴音「……ひ、響っ」
美希「あ、逃げたの!」
響「なんだー?」
貴音「あの……こちらに来てくださいませんか?
三人だけで、話をしましょう」
P「ん、俺は仲間はずれか?」
美希「ハ……じゃなくて、プロデューサーはあっち行ってて!」
P「ひどい……わ、わかったよ」
貴音(……話さなきゃ、ダメだから)
貴音(美希には、もうさらけ出した。だから、今度は……!)
──────
────
──
……
貴音「……と、いうことなんだけど」
響「へー」
貴音「……驚かないの?」
響「驚くっていうか……それがどうしたんだ?」
貴音「え」
響「自分、知ってたぞ。貴音がいつも変な喋り方してるの……え、あれ?」
貴音「……」
響「な、なんでそんな顔してるの? 妄想がバレたときのピヨコみたいだね」
貴音「あ、えっと……なんですと?」
響「だから、知ってたって……」
貴音「……!?」
貴音「……と、いうことなんだけど」
響「へー」
貴音「……驚かないの?」
響「驚くっていうか……それがどうしたんだ?」
貴音「え」
響「自分、知ってたぞ。貴音がいつも変な喋り方してるの……え、あれ?」
貴音「……」
響「な、なんでそんな顔してるの? 妄想がバレたときのピヨコみたいだね」
貴音「あ、えっと……なんですと?」
響「だから、知ってたって……」
貴音「……!?」
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