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元スレ貴音「……たんすの角に小指をぶつけました」
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貴音「久しぶりにやっちゃったぁ……!」ジワッ
貴音「グスッ……うぅ」
貴音「……って、そんなことしてる場合じゃなかった!」
貴音「あーもう、遅刻!」ドテドテ
……
765プロ事務所
ガチャッ
貴音「ま……間に合った……!」
響「あ、貴音ぇ~! はいさーい!」
貴音「はぁ……ふぅ……。おはようございます、響」
響「どーしたんだ? そんなにゼェゼェ言って」
貴音「……いえ、なんでもありませんよ」
貴音「グスッ……うぅ」
貴音「……って、そんなことしてる場合じゃなかった!」
貴音「あーもう、遅刻!」ドテドテ
……
765プロ事務所
ガチャッ
貴音「ま……間に合った……!」
響「あ、貴音ぇ~! はいさーい!」
貴音「はぁ……ふぅ……。おはようございます、響」
響「どーしたんだ? そんなにゼェゼェ言って」
貴音「……いえ、なんでもありませんよ」
響「あはは! でもめずらしーね、貴音が慌ててるなんてさ」
貴音「そ、そうでしょうか?」
響「うん! 貴音っていつでも涼しそうにしてるから、汗かいたこともないのかと思ってたぞ」
貴音「……ふふっ。私とて、あなたと同じ人間ですよ。
慌てることもあれば、汗もかくこともあります」
響「へー」
貴音(……四条貴音、十八歳です)
貴音(『アイドルは第一印象が大事』とじいやから言われたので、
それならーって思ってこのキャラを始めましたが……)
貴音(いつからか、引っ込みがつかなくなってしまいました……)
貴音「そ、そうでしょうか?」
響「うん! 貴音っていつでも涼しそうにしてるから、汗かいたこともないのかと思ってたぞ」
貴音「……ふふっ。私とて、あなたと同じ人間ですよ。
慌てることもあれば、汗もかくこともあります」
響「へー」
貴音(……四条貴音、十八歳です)
貴音(『アイドルは第一印象が大事』とじいやから言われたので、
それならーって思ってこのキャラを始めましたが……)
貴音(いつからか、引っ込みがつかなくなってしまいました……)
貴音「響、事務所に来ているのは、あなただけですか?」
響「ううん、ほら、あそこのソファ」
美希「すぴー……すぴー……」
貴音「もしや、あの場所にいるのは……美希ですか?」
響「そうそう。さっきまでおにぎり食べてたけど、
気が付いたら寝ちゃってたんだ」
美希「むにゃむにゃ……えへへ、真くん……そこは、まだはやいのぉ……」
貴音「……」
貴音(美希はいいなぁ、いつも自然体って感じで)
貴音(私、このキャラを演じるの、だんだん恥ずかしくなってきたっていうのに……)
響「ううん、ほら、あそこのソファ」
美希「すぴー……すぴー……」
貴音「もしや、あの場所にいるのは……美希ですか?」
響「そうそう。さっきまでおにぎり食べてたけど、
気が付いたら寝ちゃってたんだ」
美希「むにゃむにゃ……えへへ、真くん……そこは、まだはやいのぉ……」
貴音「……」
貴音(美希はいいなぁ、いつも自然体って感じで)
貴音(私、このキャラを演じるの、だんだん恥ずかしくなってきたっていうのに……)
貴音「はぁ……」
貴音(私はいつになったら、このキャラを卒業できるのかな)
貴音(もうゼッタイに嫌だ、ってわけじゃないけど、将来のこと考えたら、
いつまでも続けるのはちょっと無理があるよね……)
貴音(……それに──)
ガチャ
P「……では社長、失礼しました」
貴音「! ぷ、プロデューサー……」
P「ん? おぉ、もう三人とも揃ってたか。おはよう!」
貴音「……おはようございます」
貴音(それに……)
貴音(いつまでもプロデューサーに、隠し事をするなんて……)
響「プロデューサー、社長室でなんの話してたんだ?」
P「あぁ、それは……今日三人だけに集まってもらったのも、その話に関係してるんだ」
貴音「三人、と言いますと……私と響と、美希……ですか?」
P「うん。実はさ──」
……
響・貴音「「……ユニット?」」
美希「うにっとぉ~……?」ウトウト
P「そう。これまで三人はずっと、ソロで活動してきたけど、
今度から、トリオのユニットとして活動してもらうことになった」
P「まぁ、とりあえずは期間限定の企画なんだけどな。
まずはファン達の反応を見て、それから今後の方針を固めていこうと思う」
貴音「あの……」
P「質問か? いいぞ、どんどんしてくれ」
貴音「……反対というわけではありませんが、
なぜ急に、そのような話になったのでしょうか」
貴音(トリオで活動とか……! そんなことになって二人と四六時中一緒にいたら、
ボロが出ちゃうかもしれないじゃない!!)
P「あぁ、それは……今日三人だけに集まってもらったのも、その話に関係してるんだ」
貴音「三人、と言いますと……私と響と、美希……ですか?」
P「うん。実はさ──」
……
響・貴音「「……ユニット?」」
美希「うにっとぉ~……?」ウトウト
P「そう。これまで三人はずっと、ソロで活動してきたけど、
今度から、トリオのユニットとして活動してもらうことになった」
P「まぁ、とりあえずは期間限定の企画なんだけどな。
まずはファン達の反応を見て、それから今後の方針を固めていこうと思う」
貴音「あの……」
P「質問か? いいぞ、どんどんしてくれ」
貴音「……反対というわけではありませんが、
なぜ急に、そのような話になったのでしょうか」
貴音(トリオで活動とか……! そんなことになって二人と四六時中一緒にいたら、
ボロが出ちゃうかもしれないじゃない!!)
P「ユニット結成の理由か……そうだな、色々とあるけど、
なによりまず、三人のバランスが良かったからかな」
P「響と貴音、美希は、それぞれ違う個性と魅力を持っている。
まず響は、底抜けない明るさと、類まれなるダンスの実力。
貴音は、ビジュアルの良さと、ミステリアスで目が離せなくなるキャラクター……」
貴音「!」
P「……っと、キャラクターなんて言ったら、
まるで性格を作ってるみたいに聞こえるよな。ごめんごめん」
貴音「……いえ」
P「そして、美希だけど……美希は言わずもがな、だな」
貴音(……美希は、765プロのアイドル達の中でも、特に人気がある子なんです)
貴音(最近では少し考えを改めたのか、努力をする大切さも覚えたみたいだし……
神様から授かったその才能を、舞台の上で如何なく発揮していたのでした)
P「……とにかく、この三人がうまく調和すれば、きっとものすごい反応が起こるはずだ!
それこそ、竜宮小町にも負けないくらいの、超人気ユニットになるはず……」
P「これから三人で一致団結して、頑張っていこうな!」
貴音「……はい」
なによりまず、三人のバランスが良かったからかな」
P「響と貴音、美希は、それぞれ違う個性と魅力を持っている。
まず響は、底抜けない明るさと、類まれなるダンスの実力。
貴音は、ビジュアルの良さと、ミステリアスで目が離せなくなるキャラクター……」
貴音「!」
P「……っと、キャラクターなんて言ったら、
まるで性格を作ってるみたいに聞こえるよな。ごめんごめん」
貴音「……いえ」
P「そして、美希だけど……美希は言わずもがな、だな」
貴音(……美希は、765プロのアイドル達の中でも、特に人気がある子なんです)
貴音(最近では少し考えを改めたのか、努力をする大切さも覚えたみたいだし……
神様から授かったその才能を、舞台の上で如何なく発揮していたのでした)
P「……とにかく、この三人がうまく調和すれば、きっとものすごい反応が起こるはずだ!
それこそ、竜宮小町にも負けないくらいの、超人気ユニットになるはず……」
P「これから三人で一致団結して、頑張っていこうな!」
貴音「……はい」
レッスンスタジオ
キュ、キュキュ……
貴音「はぁ……はぁ……!」
美希「はーにかみながら、目ーを伏せって♪」
貴音「……っ……パッと舞って!」
響「ガッとやってっ♪」
美希「ちゅっ♪ っと吸って……」
響・美希「「はーん♪」」
貴音「……はーん♪」
先生「……あら? 四条さん、今のところちょっと遅れたわよ」
貴音「は、はい……申し訳ありません」
キュ、キュキュ……
貴音「はぁ……はぁ……!」
美希「はーにかみながら、目ーを伏せって♪」
貴音「……っ……パッと舞って!」
響「ガッとやってっ♪」
美希「ちゅっ♪ っと吸って……」
響・美希「「はーん♪」」
貴音「……はーん♪」
先生「……あら? 四条さん、今のところちょっと遅れたわよ」
貴音「は、はい……申し訳ありません」
……
先生「……それじゃあ、今日はこんなとこね。三人とも、お疲れ様」
響・美希「「お疲れ様でしたー!」」
貴音「……お疲れ様でした」
……
貴音「はぁ……」
貴音(なんで響と美希は、さっき渡されたばっかりの新曲を、
こんな高いレベルで踊りながら歌えるの……?)
貴音(きっつぅ……ついていくのでやっとだよ……)
響「貴音、一緒に帰ろ!」
貴音「え、えぇ……わかりました。それなら、美希も……」
響「美希なら、用事があるんだって言って、すぐ帰っちゃったぞ」
貴音「はて、用事?」
響「うん。プロデューサーに会うんだってさー」
貴音「……そう、ですか」
テクテク……
響「……ねぇ、貴音。今日はどうしたんだ?」
貴音「どうした、とは?」
響「なーんか、ずっと元気ないって感じだぞ。
なんかやなことでもあった?」
貴音「い、いえ……ただ、急なユニット結成ということで、
少々戸惑ってしまっているだけですよ」
貴音(本当に、特になにがあったってわけじゃない。
ただ、これからのことを考えて、少しだけ不安になってしまっただけ)
貴音(……それだけです)
響「……ホント?」
貴音「ええ、もちろん」
響「ふーん……」
響「……ねぇ、貴音。今日はどうしたんだ?」
貴音「どうした、とは?」
響「なーんか、ずっと元気ないって感じだぞ。
なんかやなことでもあった?」
貴音「い、いえ……ただ、急なユニット結成ということで、
少々戸惑ってしまっているだけですよ」
貴音(本当に、特になにがあったってわけじゃない。
ただ、これからのことを考えて、少しだけ不安になってしまっただけ)
貴音(……それだけです)
響「……ホント?」
貴音「ええ、もちろん」
響「ふーん……」
響「それじゃ、自分、こっちだから! じゃあね、また明日!」
貴音「はい、お疲れ様でした」
響「……あのさ、貴音!」
貴音「……?」
響「自分達、これからはユニットの仲間なんだし、
何か相談したいこととかあったら、いつでも言ってよね!」
響「隠し事とか、ゼッタイ無しだからなっ! 約束だぞ!」
貴音「……ありがとうございます。もちろん、隠し事など、いたしませんよ」
響「えへへ……それじゃ、バイバーイ!」
……
貴音(……隠し事は、無し)
貴音(でも、もしも……私の素を、さらけ出したら──)
『貴音は、ビジュアルの良さと、ミステリアスで目が離せなくなるキャラクター……』
貴音(……きっと、ファンの皆さんが感じてくれてる、私の魅力は……、無くなっちゃうよね)
貴音「はい、お疲れ様でした」
響「……あのさ、貴音!」
貴音「……?」
響「自分達、これからはユニットの仲間なんだし、
何か相談したいこととかあったら、いつでも言ってよね!」
響「隠し事とか、ゼッタイ無しだからなっ! 約束だぞ!」
貴音「……ありがとうございます。もちろん、隠し事など、いたしませんよ」
響「えへへ……それじゃ、バイバーイ!」
……
貴音(……隠し事は、無し)
貴音(でも、もしも……私の素を、さらけ出したら──)
『貴音は、ビジュアルの良さと、ミステリアスで目が離せなくなるキャラクター……』
貴音(……きっと、ファンの皆さんが感じてくれてる、私の魅力は……、無くなっちゃうよね)
徐々にめちん星とかなんとかから来たお姫ちんって設定にシフトしていって
徐々にその設定も崩壊させていけば自然に素に戻れるはず
徐々にその設定も崩壊させていけば自然に素に戻れるはず
スーパー
店員「……765円になります。当店のポイントカードはお持ちですか?」
貴音「はい!」スッ
店員「いつもご利用ありがとうございます。割引券、お付けしときますね」
貴音「わぁ……ありがとうございます!」
……
<ありがとうございましたー
貴音「うふふふ……」
貴音(小麦粉とタマゴが安かったから、ついつい買いすぎちゃった)
貴音(でも良い買い物できたわぁ。セールは明日もやってるみたいだし、やよいに教えてあげ──)
貴音「……あれ?」
美希「あはっ☆ ねぇねぇ、今言ったの、ほんと?」
P「……あぁ、約束するよ」
貴音「……あれは、美希と、プロデューサー?」
店員「……765円になります。当店のポイントカードはお持ちですか?」
貴音「はい!」スッ
店員「いつもご利用ありがとうございます。割引券、お付けしときますね」
貴音「わぁ……ありがとうございます!」
……
<ありがとうございましたー
貴音「うふふふ……」
貴音(小麦粉とタマゴが安かったから、ついつい買いすぎちゃった)
貴音(でも良い買い物できたわぁ。セールは明日もやってるみたいだし、やよいに教えてあげ──)
貴音「……あれ?」
美希「あはっ☆ ねぇねぇ、今言ったの、ほんと?」
P「……あぁ、約束するよ」
貴音「……あれは、美希と、プロデューサー?」
P「もう車に乗ってくれ。家まで送っていくから」
美希「えー、もう帰っちゃうの?」
P「……あのな、美希。お前はもう、無名じゃないんだぞ。
そりゃ今は変装してるけど、いつ気付かれるかわからないだろ?」
P「それにそもそも、もう中学生が遊んでていい時間じゃない。さ、行くぞ」
美希「ふーんだ……ハニーのケチ!」
P「……その呼び方も、禁止」
ガチャ……バタン
ブロロロ……
貴音「あ……行っちゃった」
貴音「……」
貴音(なんで、こんな……盗み聞きするような真似、しちゃったんだろ……)
美希「えー、もう帰っちゃうの?」
P「……あのな、美希。お前はもう、無名じゃないんだぞ。
そりゃ今は変装してるけど、いつ気付かれるかわからないだろ?」
P「それにそもそも、もう中学生が遊んでていい時間じゃない。さ、行くぞ」
美希「ふーんだ……ハニーのケチ!」
P「……その呼び方も、禁止」
ガチャ……バタン
ブロロロ……
貴音「あ……行っちゃった」
貴音「……」
貴音(なんで、こんな……盗み聞きするような真似、しちゃったんだろ……)
貴音(っていうか、ハニーってなに? はちみつ? おいしそう)
貴音(……じゃないよね。あれはきっと、プロデューサーのことで……)
貴音(そして……私達の知らない、ふたりの間だけのトクベツな呼び方……なんだろうな)
ズキッ
貴音「……っ」
貴音「……」
貴音「……もう、帰ろ。お腹空いたし……」
──────
────
──
貴音(……じゃないよね。あれはきっと、プロデューサーのことで……)
貴音(そして……私達の知らない、ふたりの間だけのトクベツな呼び方……なんだろうな)
ズキッ
貴音「……っ」
貴音「……」
貴音「……もう、帰ろ。お腹空いたし……」
──────
────
──
翌日
チュン、チュチュン……
貴音「……うぷ」
貴音「胃が重い……さすがにカップ麺をダンボール二箱は食べ過ぎたぁ……」
貴音「今日はグルメリポートの仕事もあるし、
朝食は軽めに、カップらーめん二個にしとこう……」
貴音(昨晩はついつい、ヤケ食いをしてしまいました)
貴音(……なにに対してヤケになっていたかは、わからないけど)
チュン、チュチュン……
貴音「……うぷ」
貴音「胃が重い……さすがにカップ麺をダンボール二箱は食べ過ぎたぁ……」
貴音「今日はグルメリポートの仕事もあるし、
朝食は軽めに、カップらーめん二個にしとこう……」
貴音(昨晩はついつい、ヤケ食いをしてしまいました)
貴音(……なにに対してヤケになっていたかは、わからないけど)
きわどい質問をとっぷしーくれっとで隠せるからいいじゃん
それに比べアナベベさんは…
それに比べアナベベさんは…
──────
────
──
貴音「四条貴音の、らーめん探訪……
次回は、どのようならーめんに出会えるのでしょうか」
貴音「それでは皆様、ご機嫌よう……」
<……はいオッケー! 四条さん、お疲れ様でした!
貴音「ありがとうございました」ペコリ
貴音(やっぱりこういうお仕事が、一番楽しいわぁ)
貴音(ドン引きされちゃうから、あまりガッツリは食べられないけど……)
……
貴音「さて……プロデューサーに、収録が終わったって連絡をしないと」
貴音「迎えに、きてもらわないと……」
貴音(……なんでだろう。このボタンを押せば、すぐプロデューサーに電話がかかるのに)
貴音(指が重い……)
────
──
貴音「四条貴音の、らーめん探訪……
次回は、どのようならーめんに出会えるのでしょうか」
貴音「それでは皆様、ご機嫌よう……」
<……はいオッケー! 四条さん、お疲れ様でした!
貴音「ありがとうございました」ペコリ
貴音(やっぱりこういうお仕事が、一番楽しいわぁ)
貴音(ドン引きされちゃうから、あまりガッツリは食べられないけど……)
……
貴音「さて……プロデューサーに、収録が終わったって連絡をしないと」
貴音「迎えに、きてもらわないと……」
貴音(……なんでだろう。このボタンを押せば、すぐプロデューサーに電話がかかるのに)
貴音(指が重い……)
貴音「……っ」ポチ
プルルル……
貴音「……」
貴音(私の頭の中には、昨夜見たプロデューサーと美希の姿が、ずっと残ってました)
貴音(……仲良さそうだった。もしかして、ふたりは──)
ピッ
貴音「っ!」
P『もしもし、貴音?』
貴音「は、はい……貴音でございます」
貴音(貴音でございますってなに!? サザエさんか!!)
P『収録終わったんだな、お疲れ様! 何事も無かったか?』
貴音「……はい。いつもと同様、無事に終えることができました」
貴音(……いつもと同じじゃないのは、私の心だけ)
プルルル……
貴音「……」
貴音(私の頭の中には、昨夜見たプロデューサーと美希の姿が、ずっと残ってました)
貴音(……仲良さそうだった。もしかして、ふたりは──)
ピッ
貴音「っ!」
P『もしもし、貴音?』
貴音「は、はい……貴音でございます」
貴音(貴音でございますってなに!? サザエさんか!!)
P『収録終わったんだな、お疲れ様! 何事も無かったか?』
貴音「……はい。いつもと同様、無事に終えることができました」
貴音(……いつもと同じじゃないのは、私の心だけ)
P『ごめん、すぐ迎えに行きたいんだけど、
こっちの撮影でちょっとトラブルがあってさ……』
貴音「とらぶる?」
P『ああ。あと四十分もすればそっちにいけると思うんだけど……。
もうちょっとだけ待っててもらえるか?』
貴音「……。それならば、私は一人で帰ることにいたします」
P『え? でも……』
貴音「プロデューサーのお手を煩わせるわけにはいきません。
私のことはお気になさらずに、そちらの仕事に集中してくださいませ」
P『……そっか。ありがとう、それじゃあ、そうさせてもらうよ。
またあとで、事務所でな』
貴音「はい、それでは……」
ピッ……
貴音(……四十分待つくらい、なんてことないけど、
なぜだか今は、一人で頑張らなきゃいけない気がして……)
貴音(だから決して、プロデューサーと顔を合わせたくなかった、
というわけじゃ……ありません)
こっちの撮影でちょっとトラブルがあってさ……』
貴音「とらぶる?」
P『ああ。あと四十分もすればそっちにいけると思うんだけど……。
もうちょっとだけ待っててもらえるか?』
貴音「……。それならば、私は一人で帰ることにいたします」
P『え? でも……』
貴音「プロデューサーのお手を煩わせるわけにはいきません。
私のことはお気になさらずに、そちらの仕事に集中してくださいませ」
P『……そっか。ありがとう、それじゃあ、そうさせてもらうよ。
またあとで、事務所でな』
貴音「はい、それでは……」
ピッ……
貴音(……四十分待つくらい、なんてことないけど、
なぜだか今は、一人で頑張らなきゃいけない気がして……)
貴音(だから決して、プロデューサーと顔を合わせたくなかった、
というわけじゃ……ありません)
貴音(──とは、言ったものの)
貴音(ロケ現場まで送ってもらったときに車の中から見た風景を頼りに、
適当に電車に乗ったけど……)
貴音「……」
わいわい……
がやがや……
<えー、それマジ?
<マジマジ! ちょーありなくなくない?
<うんうん! ありなくなくなさすぎて逆にありえるって感じ!
貴音「……うう」ウルウル
貴音(見事に迷っちゃったよ……)
貴音(ここ、どこぉ……!?)
??「仮初めの姿に戸惑う月影の姫君よ。汝は我が半身、我が心は我が身が朽ちぬ限り汝と共にあると知れ(キャラ作りは大変ですけど、一緒に頑張りましょう!)」
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