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    元スレ夏奈「ケイコ、私たち親友だよね」ケイコ「……」

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    101 = 64 :

    教室

    ナツキ(思わずヒトミを思い浮かべてしまったが、確かに何かがあって泣きたくなったときはヒトミには涙を見せてもいいかもしれない)

    ヒトミ「ナツキ、飯は――はっ!?」

    ナツキ「……」

    ヒトミ(ナ、ナツキのあの目は……!! 私に抱かれたいって目だ……!!! おぉぉお!?!)

    ナツキ「なんだ、ヒトミ」

    ヒトミ「おぉ……あの……えぇ……と……」

    ナツキ「どうしたんだ?」

    ヒトミ「こ、こっちにくるんじゃねー!!」

    ナツキ「なんだと?」

    ヒトミ「まだそういうことははやいだろぉー!! バカー!!」

    ナツキ「なにを言ってんだ?」

    ヒトミ「ちゃんと口でいえよぉー!!! 目で訴えるなぁー!!!」ダダダッ

    ナツキ「ヒトミ!!」

    ナツキ(やっぱり、オレが話すと相手が逃げていく……)

    102 = 87 :

    ヒトミかわいい

    103 = 75 :

    大事なところで微妙に読み間違えるヒトミかわいい

    104 = 64 :

    放課後

    春香「ごめんね、アツコ。私が余計なことしちゃった所為でみんなから変は目で見られて」

    アツコ「ううん。気にしないで。誤解はとけたし」

    マキ「でも、親友の定義も分かってよかったね」

    春香「分かったっていうのかなぁ?」

    マキ「安心はできたでしょ?」

    春香「う、うん……。色々、ごめんね。アツコ?」

    アツコ「気にしてないよ」

    マキ「私だって春香の胸でなけるからねー!!!」ギュッ

    春香「はいはい」

    アツコ「ハルカも泣きたくなったらいつでも私たちの胸を使っていいからね」

    春香「ありがとう」

    マキ「アツコとハルカの場合、別の使い道もありそうですが」

    春香「やめなさい」ゴンッ

    マキ「いたっ」

    105 :

    別の使い道してほしい

    106 = 64 :

    南家

    ナツキ「帰ったぞ」

    冬馬「おかえりー」

    アキラ「アニキ、おかえり」

    ナツキ「飯の前にトウマ、話がある」

    冬馬「なんだよ? 風呂掃除なら今からしようと思ってたんだ」

    アキラ「漫画読みながらじゃ説得力ないな」

    ナツキ「親友に対しては興奮して鼻血を出したりしねぇ!!!」

    冬馬「……はぁ?」

    ナツキ「それだけだ」

    アキラ「まぁ、親友に対して下心とかあったらもう別の存在だもんな」

    冬馬「あぁ、そういうことか」

    アキラ「でも、まぁ、男女間で親友とかないからなぁー」

    冬馬「えぇ!? そうなのか?!」

    冬馬(なら、オレとマコトは親友じゃないのか。オレの親友は吉野だけだな)

    107 = 64 :

    南家

    春香「いただきます」

    千秋「いただきます、ハルカ姉様」

    夏奈「いただきまぁーす……」

    春香「元気ないね、夏奈。まだケイコちゃんとは親友になれないの?」

    夏奈「昨日の今日で話しかけ辛いよ……」

    千秋「お前にそんな殊勝な部分があるとは、驚きだ」

    夏奈「意味はよくわからんが腹立つな」

    春香「なら、一つ親友の定義を教えてあげるわ」

    夏奈「え!? あるの!?」

    千秋「流石、ハルカ姉様!!!」

    春香「相手の胸を借りて泣くことができるかどうか。これがポイントね」

    千秋「相手の……」

    夏奈「胸……」

    春香「うん。良く考えれば誰が親友なのかわかるんじゃない?」

    108 = 74 :

    ケイコも別の使い方できそうだね

    109 = 64 :

    翌日 小学校

    千秋(相手の胸か……)

    吉野「それでねー」

    内田「えー? ホントー?」

    千秋「うーむ……」

    吉野「チ、チアキ……。どうしたの?」

    内田「なに胸をじーっとみてるの?」

    千秋「ああ、いや。親友の定義がようやく判明したからな。誰にあるのか探していた」

    吉野「親友の定義?」

    内田「そんなのあるの!?」

    千秋「ああ。なんでも胸を借りて泣けるかどうからしい」

    吉野「胸を?」

    内田「そんなの誰の胸でもいいんじゃないの?」

    千秋「このバカ野郎。なら、マコトの胸で泣いてこいよ」

    内田「そ、それはちょっと……」

    110 :

    マコト「」ガーン

    111 = 64 :

    マコト「呼んだか、チアキー!!!」

    千秋「よんでねえよ。どっかいけよ」

    マコト「なんで……」ウルウル

    吉野「マコトくん、今泣きたい気分?」

    マコト「そりゃ泣きたいよ!! もうチアキに何らかの言葉を叩き付けられる度に母親譲りの涙腺の緩さが仇になってるんだ!!」

    吉野「なら、この中で誰の胸を借りて泣きたい?」

    マコト「えぇ!? 選べるの!?」

    千秋「なんでお前が選ぶ立場なんだよ。身分を考えろ」

    マコト「ごめん、姫」

    千秋「その名でよぶなぁー」ゴンッ

    マコト「あーっ!」

    吉野「まぁまぁ、千秋。いつもチアキはマコトくんに体をくっつけたりしてるじゃない」

    千秋「え?」

    内田「よ、吉野!! それはマコちゃんじゃないかなぁ!?」

    吉野「ああ、そっか。うっかりしてたね」

    112 = 64 :

    千秋「なんでマコちゃんが出てくるんだ?」

    内田「あ……」

    千秋「んー?」

    内田「そ、それよりも!! マコトくん!! ほら、選んでよ!! 誰の胸で泣くのかを!!」

    マコト「い、いいの……?」

    千秋「選ぶだけだぞー。絶対に泣くなよ。制服が汚れるからな」

    マコト「えーと……なら……」

    冬馬「――おっす、なにしてんだよ」ドンッ

    マコト「うわぁ?!」ギュッ

    千秋「……」

    マコト「あ……。えっと……このままチアキの胸で泣かせてください……」

    千秋「誰がなかせるかぁー!!!」ゴンッ

    マコト「あーっ!!!」

    冬馬「何の話してたんだ?」

    千秋「こら、トウマ!! お前もしれっと会話に混じろうとするな。まずは罪を償えよ!!」

    113 :

    話し方とかノリとか流れとかかなり原作に忠実でおもしろい

    支援

    114 = 64 :

    冬馬「いや、まさかあそこまでマコトがこけるとは思わなかったんだよ。ごめん」

    千秋「全く。なんで私が……。バカが移ったらトウマに責任とってもらうからな」

    冬馬「どうやってとればいいんだよ?」

    マコト「殴っといて……酷いよ……」

    内田「マコトくん、これで涙を拭いて」

    マコト「ありがとう、内田……」

    内田「でも、胸で泣かないでね」

    マコト「あぁ……」ガクッ

    吉野「チアキがね、親友の定義を発見したんだって」

    冬馬「おー。それならオレも一つ発見したぜ」

    千秋「なんだと? 信憑性はあるんだろうな?」

    冬馬「おう。結構、理にかなってるからなぁ」

    内田「どんなの、どんなの?」

    冬馬「親友相手には鼻血を出したりしない」

    千秋「なんだそれ?」

    115 = 87 :

    昨日の保坂SSといい情景が浮かんでくるいいみなみけSS

    116 :

    >>115
    スレタイ教えてくれ

    117 = 64 :

    冬馬「いやな。親友ってことは友達ってことだろ? そこに下心みたいなのはないはずなんだ」

    千秋「下心か」

    内田「えっと。つまり、親友って恋人になろうとは思わない人ってこと?」

    冬馬「大人の話になるけど、そういうことだな」

    千秋「なるほどな。言いたいことは分かった。確かにトウマの定義も間違っていない」

    冬馬「チアキの定義はなんだよ?」

    千秋「相手の胸を借りて泣けるかどうかだ」

    冬馬「ふぅーん、オレの定義のほうが信憑性高いな」

    千秋「なんだと? こっちはハルカ姉様が提示したものだぞ」

    冬馬「でも、オレのよりは説得力薄いだろ?」

    千秋「薄くないよ!! ハルカ姉様のは濃いよ!!」

    吉野「ああ、チアキ、落ち着いて」

    内田「トウマもダメだってばぁ」

    冬馬「おらぁー!!! どっちの定義がいいんだよぉー!!!」グイッ

    千秋「あぁー!! 誰かたすけろぉー!!」

    118 = 92 :

    春香姉さまなら濃くてもいい

    119 = 87 :

    >>116
    内田「チアキ!おかしな人がいる!!」千秋「おかしな人?」

    保坂メインてわけでもないけど

    120 = 64 :

    マコト「でも、傍から見ている分にはチアキとトウマって親友にしか見えないよな」

    内田「もう仲のいい兄弟みたいだもの」

    千秋・冬馬「「誰が兄弟だ! 誰が!」」

    マコト「そういうところとかさ」

    千秋「こんな弟なんてもういらない!!」

    冬馬「なにをぉ!! そもそもいつからオレが弟になったんだよ!!」

    千秋「秋がないと冬眠する動物たちが困るだろーが、バカ野郎」

    冬馬「動物はかんけーねぇだろぉー!」グイッ

    千秋「あぁー!! 悪かったぁー!! 冬はオリンピックとかあるから!! 秋は栗拾いぐらいしかないからぁー!!」

    冬馬「よーし」

    内田「結局、腕力で相手の意見をねじ伏せちゃった」

    千秋「うぅ……なんで……なんでぇ……」

    冬馬「ほら、チアキ。悪かったな。これで汚れたところ拭けよ」

    千秋「トウマ……ありがとう……」ゴシゴシ

    内田「それ私のハンカチだよね?! マコトくん!! なに借りた本人の目の前で又貸ししてるの!?」

    122 = 71 :

    シュウイチ「……」

    123 = 64 :

    マコト「いや、チアキが汚れてたから……」

    内田「私よりチアキなの!?」

    吉野「まぁまぁ、内田」

    内田「まぁまぁじゃないよぉ!! ハンカチが必要以上に汚れちゃったよぉ!!!」

    吉野「そうだね」

    内田「よしのぉぉ!!」ギュゥゥ

    吉野「うんうん、辛かったね」

    千秋「まぁ、なんだかんだで吉野と内田は親友なんだな」

    内田「……え?」

    冬馬「今の状況を見ればな」

    内田「あ……。私、吉野の胸で……」

    吉野「どうかしたの?」

    内田「吉野……やっぱり、私たち、親友なんだよね……」

    吉野「え?」

    内田「きこえてたよねぇ!? 絶対、きこえてたでしょ!?」

    125 = 116 :

    >>119
    おもしろかった
    ありがとう

    126 = 64 :

    吉野「冗談だよ、内田」ナデナデ

    内田「うぇぇぇん……」

    マコト「でも、あれだな。あれだけ派手にケンカしておいてチアキとトウマは親友に見えちゃうところが不思議だな」

    千秋「そうか? よくわからないが」

    冬馬「どう親友に見えるんだ?」

    マコト「だって、ケンカしたあと尾をひかないところとか。さっぱりしてていいと思うぞ。そういう関係」

    千秋「なるほど。さっぱりしているのが親友なのか」

    冬馬「少なくとも周囲からはそう見えるってことか」

    千秋「うむ。新たな定義が発見されたな。親友とはさっぱりしている」

    冬馬「おお。なんか定義っぽいぞ、チアキ」

    千秋「人間関係も食べ物もさっぱりしているほうが美味しいということだな」

    冬馬「そうなのか」

    千秋「今日の晩御飯はさっぱりしたのにしてもらおう」

    冬馬「おー、それいいな。オレもナツキに頼もう」

    マコト「あれ? 晩御飯の話だったっけ?」

    127 = 65 :

    おまえら朝まで頼んだぞ

    128 = 64 :

    南家

    千秋「ただいまぁー」

    夏奈「よぉ……チアキ……おかえり……」

    千秋「どうした? 辛気臭くゴロゴロするなよ」

    夏奈「あぁ……だってぇ……」

    千秋「どうした。ハルカ姉様から聞いた定義でも確認できなかったのか?」

    夏奈「うーん……。いや、そもそもどうやって相手の胸を借りて泣くような展開になるのか。今日一日ではそのような機会は訪れなかった」

    千秋「いや。想像でいいだろ。何、実際に奇跡が起こるのを待ってんだよ。真面目か」

    夏奈「想像でいいのか? しかし、あのケイコがそんな茶番に付き合ってくれるかどうか」

    千秋「そうじゃないよ。カナが相手の胸で泣けるかどうかが重要だろう」

    夏奈「ケイコの胸でか……」

    ケイコ『カナ……泣いてごらん……』

    夏奈「……」

    千秋「どうした?」

    夏奈「泣ける……!! 質量の違いで泣けるよ……チアキ……!!」

    129 :

    カナって泣くとめちゃくちゃ可愛いよな

    千秋に嫌われて号泣したらすごい可愛いだろうな

    130 = 64 :

    千秋「なるほど。別の理由で泣けてしまうのか」

    夏奈「ケイコの胸で泣いちゃうね」

    千秋「それでは意味がないな。なら、私が親友の定義を教えてやろう」

    夏奈「他にもあるのか!? 親友って案外緩い関係じゃないの?!」

    千秋「いいか。親友に対して鼻血は出さない。そしてさっぱりしていることが大事なんだ」

    夏奈「鉄分をとりながら柑橘類を食べればいいのか?」

    千秋「私の知っていることは全て教えた。後は自分で頑張ってくれ」

    夏奈「なんだと!? 今の情報だけで親友ができるのか!! どれだけお手軽なんだ!!」

    千秋「親友の定義は3つもある!! 全てが当てはまれば、無二の親友ということだ、カナ!!」

    夏奈「おぉ!!」

    千秋「さてと、晩御飯の買出しに行ってくるか」

    夏奈「チアキ、つまりレバーを目の前に食べながら、ミカンをデザートにして、その後ケイコの胸で泣けば解決だな」

    千秋「お前はそれでいいかもしれない。だが、相手もそれをしてくれるかどうか……」

    夏奈「くっ……!! それは無茶だろ……!!」ガクッ

    千秋「精進するんだ、カナ」

    131 :

    カナはいつでもかわいいだろ
    ばかやろう

    132 = 82 :

    >>119
    感謝する

    133 = 64 :

    スーパー

    千秋「さっぱりしたものと言えば、なんだろう」

    保坂「梅干……」

    千秋「はっ……!? う、梅干だと……!?」

    保坂「親友とは梅干のように酸っぱい関係でもあったわけだ。梅干の親友となってくれる食材を見つけるのは意識しなければない」

    千秋「そ、そうだ。梅干なんておにぎりぐらいじゃないのか?」

    保坂「そう。白米とともに食べるのが最もポピュラーだ。だが、しかし、親友を探すのにいつもいつも同じ場所にいていいのだろうか」

    千秋「なに……」

    保坂「本当の友と出会うためには時として自分のテリトリーから抜け出す必要もあるのではないか?」

    千秋「だが、慣れた場所でないと得られるものも得られないかもしれない」

    保坂「確かにそうだ。殻を破るのは勇気がいることだ。しかし!! 思い切って殻を破ってみるとどうだ!! 世界には無限の可能性があることを梅干は知るわけだ!!」

    千秋「無限の可能性……!!」

    保坂「そう。鶏肉とパスタとの出会いが待っている!!」

    千秋「鶏肉!! パスタ!!」

    保坂「梅干しは種を取り、包丁で軽く叩く。にんじんときゅうりの皮をむき、皮むき器で縦に薄切りにする。そして!!! 青じそはせん切りにするわけだ!!!」バッ!!!

    134 = 71 :

    梅干しの妖精

    135 :

    せめてパスタの妖精にしてあげてください

    137 :

    くそ、もうだめだ寝る

    138 :

    キモチワルイ

    139 :

    やたらおもしろい

    140 = 82 :

    眠いよぉ

    141 = 64 :

    保坂「――全てが整ったあと器に盛り、エクストラバージンオリーブ油をかけ、青じそを散らせば完成だ」

    千秋「……」

    保坂「こうして梅干は鶏肉とパスタという親友と出会うことができたわけだ。そしてオレも最高の料理が作ることができるわけだ」

    千秋「親友……」

    保坂「親友との出会いを祝し……梅干、頂こう……」

    千秋「そうか。親友とは梅干だったのか」

    千秋「そういえば今日は仲良くなれそうな野菜と鶏肉があったな」

    千秋「梅干はどこだろう」テテテッ

    保坂「オレは気がついてしまった。親友とは作るものではなく、出会うものだということに」

    保坂「そんな当たり前のことをオレは梅干から教わった」

    保坂「オレがやるべき事は!!! 出会うことだったのだ!!」

    保坂「そう!! まずは南ハルカと出会わなければならない!!!」

    保坂「そのためにも最高の弁当を作り、南ハルカに渡さなくてはならないわけだ!!」

    保坂「待っていろ、南ハルカ!!! 明日こそは今日であった親友たちがお前を満足させてくれるはずだ!!」

    保坂「あーっはっはっはっはっは!!!!」バッ!!

    142 = 135 :

    やっぱ保坂だわ

    143 :

    うまい

    144 = 64 :

    南家

    千秋「ただいまー」

    春香「チアキ、おかえり」

    千秋「ハルカ姉様、帰っていたのですね」

    春香「うん。買出し、ありがとう。何を買って来たの?」

    千秋「梅干です」

    春香「う、うめぼし?」

    千秋「はい。梅干と鶏肉とパスタは親友ですから」

    春香「ふぅーん。和風パスタか。うんっ。さっぱりしてていいかも」

    千秋「お願いします」

    春香「オッケー。ちょっと待ってて」

    千秋「楽しみです」

    夏奈「私は明日が憂鬱だよ」

    千秋「カナ。もう一つ、親友の定義がある」

    夏奈「まだあるのか? もう親友はできない気がしてきたよ」

    145 = 64 :

    千秋「梅干だ」

    夏奈「梅干だって?」

    千秋「そうだ。梅干こそが親友だ、カナ」

    夏奈「梅干が親友なのか?」

    千秋「ああ。そうだ。種を取り出すところから始めなさいよ」

    夏奈「種を取り出したらどうなる?」

    千秋「新たな世界が垣間見える」

    夏奈「それは親友に繋がるのか?」

    千秋「梅干が親友だ。そこを間違えてはいけない」

    夏奈「つまり、相手の胸で泣き、鼻血は流さす、さっぱりしている梅干の種を取り出せれば親友なんだな?」

    千秋「うむ」

    夏奈「それをケイコがやってくれればいいんだな?」

    千秋「まず間違いないだろう。そんな理不尽な要求に応えてくれるやつは親友だ」

    夏奈「よぉーし!!! なんか寧ろ友達にすらなってくれなさそうだけど、チアキがそこまでいうならやってみるよ!!!」

    千秋「相手にやらせるんだぞー」

    146 = 64 :

    翌日 中学校

    夏奈「……ふぅー……」

    ケイコ「……」

    夏奈(しかし、いきなり梅干の種を取り出して、なんて恥ずかしくていえない。誰かで練習しないと……)

    藤岡「南、朝からずっと難しい顔してるけど、どうしたの?」

    夏奈「私は生まれたときから考え事しかしてないんだ。難しい顔はいつものことだよ」

    藤岡「あ、そう……」

    夏奈「……藤岡」

    藤岡「なに?」

    夏奈「梅干、好きか?」

    藤岡「うん、嫌いじゃないけど」

    夏奈「よし。はい」

    藤岡「え?」

    夏奈「お前にやる」

    藤岡「ありがとう、南。嬉しいよ。あとで食べるから」

    147 = 64 :

    夏奈「種があるからね」

    藤岡「そうなんだ。わかったよ」

    夏奈「取り出すのか?」

    藤岡「うん。取り出すよ」

    夏奈「そうか……。藤岡、お前とは親友だな」

    藤岡「え……!!」

    夏奈(よし。練習はできた。あとはケイコにさせるだけだな)

    藤岡(親友……親友って……それって……えぇ……)

    藤岡「あぁ……」ガクッ

    リコ(藤岡くんのレア顔!!)

    夏奈「ケイコ!!」

    ケイコ「なに?」

    夏奈「梅干、好き?」

    ケイコ「別に嫌いじゃないけど」

    夏奈「そうか。なら、昨日は梅干を漬けすぎてね。ケイコにも一個あげるよ」

    148 = 64 :

    ケイコ「え? いらない」

    夏奈「な……」

    ケイコ「そこまで好きってわけでもないから」

    夏奈「なんでだよぉー。おいしいよぉー?」

    ケイコ「だから、別に嫌いじゃないから」

    夏奈「なら、たべなよぉ!」

    ケイコ「いらないってっば」

    夏奈「なんで!!」

    ケイコ「まだ、給食の時間じゃないでしょ?」

    夏奈「給食の時間には食べてくれる? 種を取り出して」

    ケイコ「いや、いらない」

    夏奈「なんだよぉー!! 結局袋のネズミじゃないかぁー!!」

    ケイコ「袋小路っていいたいの?」

    夏奈「種を取り出して食べればいいだろぉー!?」

    ケイコ「いらないってば。カナ、しつこい」

    149 = 64 :

    夏奈「ケイコぉー……どうして……どうしてぇ……」ギュゥゥ

    ケイコ「カ、カナ……!! ちょっと!!」

    夏奈「私のこと嫌いになっちゃったのぉ?」

    ケイコ「カナ。いい加減、怒るよ」

    夏奈「ケイコ……」

    ケイコ「……」

    夏奈「ケイコ!! 私の胸で泣ける!?」

    ケイコ「泣けない」

    夏奈「鼻血は出る!?」

    ケイコ「出ない」

    夏奈「そうか……。私とケイコってさっぱりしてる!?」

    ケイコ「え? うーん……まぁ、してるんじゃないかな?」

    夏奈「よーし!! 2勝2敗だね!!」

    ケイコ「なにが?」

    夏奈「あぁー!! 結局、親友じゃなーい!! 私はどうしたらいいんだぁー!!!」

    150 = 64 :

    ケイコ「カナ、何がしたいの?」

    夏奈「ケイコ……」ウルウル

    ケイコ「なに?」

    夏奈「私はケイコのこと好きなんだけど……」

    ケイコ「なっ……!!」

    夏奈「ダメかい?」

    ケイコ「な、なにが?」

    夏奈「私と親友にはなれないの?」

    ケイコ「あのね、カナ。親友って言ったらおしまいでしょ?」

    夏奈「え?」

    ケイコ「胸に秘めておくものだと思うよ?」

    夏奈「でも、私はケイコに親友だって思われたい」

    ケイコ「……」

    夏奈「ケイコぉ、親友になろうよぉ」ギュゥゥ

    ケイコ「ああ。ちょっと、スカートを掴まないで」


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