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    元スレさやか「絆地獄たち」

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - 暁美ほむら + - 美樹さやか + - 魔法少女まどか☆マギカ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    立ったら書く

    2 :

    くぅ~

    3 :

    我チンコ対ケツ!

    4 = 1 :

    「魔法少女まどか☆マギカ」と「ケツイ~絆地獄たち」のクロス
    ・ネタがネタなので既出の恐れアリ
    ・初SS
    ・キャラ崩壊注意
    ・謎展開注意
    ・アリスたちは出ません、そのくせ何故かオリキャラめいたのが出ます

    いい?

    5 = 2 :

    うわ本物の地雷だった
    マジかよ

    6 = 1 :

    プロローグ「EVAC Industry」


    ―――――――EI社日本支部・格納庫―――――――



    ほむら「(今回の世界線は少し変わっている)」

    ほむら「(EI社の存在、そしてそれによりいまだに世界各地で戦争状態が続いている)」

    ほむら「(日本も時々侵攻されるが、その度に撃退してきたらしい。まどか達も…民間人としてとはいえ、何とか無事みたいだった)」

    ほむら「(今までと比べて危険な世界であり、人々の心も休まらない)」

    ほむら「(だけど……私としては、この世界が有り難かった。対ワルプルギス用の兵器を、ここで調達できるから)」

    ほむら「(EI社の警備は一企業としてはあまりにも厳重。だけど私の魔法少女の力をもってすれば、こんなものはザルでしかない)」

    ほむら「(最新式の迫撃砲やミサイルの確保は済んだ。後は退散するだけ……)」



    ???「…………何者だ?」

    ほむら「!?(見つかった……!?いや、でも……)」

    7 = 1 :

    ほむら「(暗くて顔はよく見えない。この声……男の声…変声器ね。ということはEI社の人間とは考えにくい)」

    ほむら「(さしずめEI社と敵対する秘密組織のエージェント、と言ったところかしら)」

    ???「何者だ、と聞いている」

    ほむら「……名乗る必要はないわ。あなたこそ、聞かれたら教えてくれるの?」

    ???「……教えないだろうな」

    ほむら「(敵視されるのも面倒ね……)」

    ほむら「といっても、別にEI社の手の者とかではないから安心していいわよ」

    ???「…………!」

    8 = 1 :

    ほむら「私は訳あって兵器を集めている。EI社がどうなろうと知ったことではないわ」

    ???「…………」



    (ビーッ!!ビーッ!!)



    EI社警備兵達「何者だっ!」

    ???「!!」

    ほむら「(チッ、囲まれているわね……。仕方ない)」

    9 :

    どっちかってと中のひとてきには最大往生

    10 = 1 :

    ほむら「あなた、黙って私の手を握りなさい。急いで」

    ???「……?」



    ………時間停止、発動………



    ???「……!?一体何が起こった!?」

    ほむら「手を放さないで。あなたの時間も止まってしまう」

    ???「時間が止まる……!?お前、一体何者だ!?」

    ほむら「(魔法少女の存在は知らない、か)」

    ほむら「黙って。それよりもあなたの目的を教えてくれないかしら?」

    ???「何だと?」

    ほむら「この力にも限りがある。利害がもしも一致するようなら、協力をお願いしたいの」

    11 = 1 :

    ???「…………」

    ほむら「…………」

    ???「……この建物にある、最新式の戦闘ヘリの奪取だ」

    ほむら「(最新式の戦闘ヘリ!?という事は、空中戦が可能になる!)」

    ほむら「……もし複数機あったら、一機譲ってくれないかしら。案内さえしてくれればそこに行く協力は惜しまないわ」

    ???「!?」

    ほむら「お願いできるかしら?」

    ???「……分かった。こちらこそ協力しよう」

    ほむら「助かるわ。早速案内をお願い」

    12 = 1 :

    ―――――――E社日本支部・ドック―――――――



    ほむら「ここが目的の場所……つまり、あそこに停まっている二機が例の戦闘ヘリね」

    ほむら「(この人……かなりの精鋭だわ。やや迷いながらも、かなり効率的にドックに向かっていた)」

    ほむら「(私の力の切れ目に、的確な攻撃で警備の数を減らしていた。その結果……あっさり到着)」

    ???「ああ、こちらで必要とする機体は一機だけだ。もう一機は持っていくといい……ヘリの操縦ができるのならな」

    ほむら「大丈夫、慣れてるから(今までヘリを扱った周もあったしね)」

    ほむら「ところで、どちらを御所望?」

    ???「……あそこの橙色の機体『ティーゲルハーケン』だ」

    ほむら「じゃあ私の分はあっちの紫色のね」

    ???「……『パンツァーシュナイダー』だな」

    13 :

    なかなか珍しい組み合わせだな

    14 = 1 :

    ほむら「(結局、この人には随分助けられてしまった)」

    ほむら「(だけど……私の事を嗅ぎまわられたりするのだけは勘弁願いたいわね)」

    ほむら「……あなたは誰とも協力していないし、ドックのうち一機は故障していた。ということでお願いできるかしら?」

    ???「……お前は偶然この機体を見つけて奪った、ということで良ければ」

    ほむら「了解。……幸運を」

    ???「そちらこそ」

    15 = 1 :

    ほむら「(パンツァーシュナイダー……この機体のおかげで、今回こそは成功する気がしてきた)」

    ほむら「(名前も知らないエージェントさん、聞こえていないかもしれないけれど……ありがとう)」



    ほむら「(だけど……何故かしら)」





    ほむら「(この人、初めて会った気がしない)」

    16 = 1 :

    西暦20XX年
    1900年代半ばから続く環境破壊は、地球の温暖化現象を加速させ、
    温暖化からくる水位の上昇は、大陸の沿岸にある多くの国を侵食していた。
    世界規模の海岸線の変更は新たな領土問題を生み、各国間での戦争が勃発するのにそう時間は掛からなかった。

    年々烈化する戦争の裏には、世界中に兵器を輸出し、莫大な利益を得ている「EVAC Industry」社の存在があった。

    この状況を打破すべく国連はEI社との交渉に乗り出すが、
    国連側の「兵器輸出入の全面禁止」という提案を完全に拒否。その後の度重なる交渉も平行線を辿った。
    進展のない状況に国連側は交渉を断念し、秘密裏に武力介入を決定する。
    それは表向きは無国籍の武力抵抗組織でありながら、実際は国連主導の特殊戦闘員による奇襲である。

    「EI社の全ての兵器および兵器開発施設の破壊」
    「国連の軍事介入に関わる一切のものを破棄せよ」

    その任務の遂行命令は、作戦に携わる者の命にも適用されるものであった。
    例え任務が成功したとしても、生きて帰ることは許されないのだ。

    「ただし、志願したものにはその命の報酬として、どんな望みでも一つだけ要求することができる。国連は責任を持って、それを実行しよう」

    その過酷な特務に志願した若者がいた。命を賭してでも叶えたい望みを胸に秘め、出撃する。
    自分には決して見ることのできないであろう、明るい未来のために…。






    ――さやか「絆地獄たち」――

    17 = 1 :

    第一章「魔女の町」


    ―――――――見滝原・通学路―――――――



    まどか「おっはよー」

    仁美「おはようございます」

    さやか「まどか、おそーい!」




    さやか「相変わらずまどかのママはカッコいいなあ。美人だしバリキャリだし」

    まどか「さやかちゃんだってかっこいいよー。何というか、男らしい?」

    さやか「うーん可愛いやつめ!あたしが男だってなら、まどかはあたしの嫁になるのだー!」ダキツキッ

    まどか「ひゃぁっ!?」

    仁美「うふふ、御馳走さまですわ」

    さやか「(あたしが男だったら、あいつとは単なる仲の良い友達だったりしてね)」

    18 = 1 :

    仁美「そう言えば皆さん、聞かれましたか?イタリアの方でまた戦争があったとか……」

    まどか「え、本当なの……?」

    さやか「まあ……あそこら辺は地中海がどんどん広がってるから、イタリアなんか結構酷いことになってるからね……」

    まどか「さやかちゃん!それ他人事じゃないからね!日本なんか島国だよっ!」

    さやか「そりゃあそうだけど……どうにか世界が、協力して生き残るようにならないのかな」

    仁美「でも、戦争で儲けている人々の存在も確かですわ。彼らにとっては、この戦争状態が理想ですもの」

    まどか「…………」

    19 :

    乙!良いSSだった!見てないけど!

    20 = 1 :

    ―――――――見滝原中学校・まどか達の教室―――――――



    「重要なお話があります、心して聞くようにっ!!」

    まどさや仁「(また振られたか……)」

    「ACでSTGをやるときは綿密なパターン構築を心がけますか?それとも自分の気合避けスキルを信じて頑張りますか!?はい中沢君!」

    中沢「そもそも俺音ゲー専門なもんで」

    「えっ」

    21 = 1 :

    「うぉっほん。あとそれから、今日はみなさんに転校生を紹介します」

    さやか「そっちが後回しかよ!」

    「じゃ、暁美さん、いらっしゃい」



    ほむら「暁美ほむらです、よろしくおねがいします(まどか……っ)」

    まどか「(……今、わたしと目が合った?)」



    さやか「…………!?」

    22 = 1 :

    モブ達「暁美さんは前どの学校だったの?シャンプーとか何使ってるの?」

    ほむら「東京のミッション系の学校で云々」



    さやか「まどか……あの子と知り合い?思いっきりガン飛ばされてたように見えたよ」

    まどか「いや、えっと……夢の中で、会ったような?」

    さやか「…………!」

    仁美「きっとお二方、前世で恋人同士だったのですわ。さやかさんにライバル登場?」

    さやか「……あっはは、だけどポッと出の転校生に奪われるほどあたしとまどかの絆はヤワじゃないからね!」

    仁美「でもドロドロの三角関係もこれはこれで……」キュンキュン

    まどか「仁美ちゃんが壊れた……」

    23 = 1 :

    ほむら「鹿目まどかさん、あなたが保険係よね。保健室に連れて行ってくれないかしら」

    さやか「ほ?」

    まどか「え?えっと……いいけど。あ、暁美さん?」

    ほむら「ほむらでいいわ」



    ほむら「鹿目まどか。あなたは自分の人生が尊いと思う?家族や友達を大切にしてる?」

    まどか「え、えっと……わたしは大切だよ。家族も友達も」

    ほむら「なら、今とは違う自分になろうなんて思わないことね。さもないと、全てを失う事になる」

    まどか「?????」

    24 = 1 :

    ―――――――見滝原・帰り道―――――――


    まどか「ということがあって……」

    さやか「文武両道で才色兼備かと思いきや実はサイコな電波さん……?」

    さやか「…………」

    まどか「えっと、どうしたの?なんかいきなり黙りこくっちゃって」

    さやか「……くー!どこまでキャラ立てすりゃあ気が済むんだ?あの転校生は!?萌えか?そこが萌えなのかあ!?」

    仁美「あら、もうこんな時間…。ごめんなさい、お先に失礼しますわ。お茶のお稽古ですの」

    さやか「うわぁ、小市民に生まれて良かったわ」

    仁美「んもう、本人の前でそれを言いますか?」クスリ



    まどか「私達もいこっか」

    さやか「あ、CDショップに寄ってっていい?」

    25 = 1 :

    ―――――――見滝原・CDショップ―――――――



    まどか「(さやかちゃんがCDショップに寄ったのは、幼馴染の男の子…上条恭介君にあげるため)」

    まどか「(上条君は期待の新人バイオリン奏者だったけど、事故で足と右腕を壊しちゃって……)」

    まどか「(そんな上条君に、さやかちゃんはずっとお見舞いに行ってる)」

    まどか「(才能も目標も無いわたしと違って、さやかちゃんには大切な人が……)」



    ?????「【助けて…まどか!助けて!】」

    まどか「(……え?)」



    さやか「……あれ?まどかー?どこ行ったの?」

    26 :

    実際ケツイってSAMに簡単に潰されるよな

    27 = 1 :

    ―――――――見滝原・CDショップ奥―――――――



    ?????「【僕を…助けて…】」

    まどか「どこにいるの?あなた誰?」



    まどか「あなた…なの?」

    ?????「助けて……」



    ほむら「そいつを放しなさい」スチャッ

    まどか「ほむらちゃん……!?じゅ、銃……?(それにその格好…)」

    ほむら「放せと言っているの」

    まどか「だ…だって、この子怪我してる!ひどいことしないで!」



    さやか「……何してるんだ転校生」

    ほむら「!!」

    28 = 1 :

    ほむら「(美樹さやか……!?…あの目つき、全く物怖じしないし…隙がない)」

    ほむら「(これが本当に、あの毎回勝手に絶望する美樹さやかなの!?)」

    さやか「この小動物が何なのかなんて知らない。だけど、まどかに銃を向けるな」

    ほむら「(ち、違う!私はこいつに……いえ、確かに銃口の先にはまどかがいる。今は下ろした方がいい)」

    さやか「……何だ、物分かりがいいじゃないか」

    ほむら「(どういうこと?いつもの美樹さやかとは明らかにかけ離れてる。まるで、戦い慣れているような……?いや、それよりも)」



    ………魔女結界、展開………



    まどさや「!?!?」

    ほむら「チッ、来たわね」

    アンソニー達「クァwセdrfgtyフジコlp;@:」

    まどか「(何これ…?冗談だよね、わたし…悪い夢でも見てるんだよね?)」

    さやか「(異世界…?化け物…?一体何なんだ、最近わけのわからないものが多すぎる!)」

    29 = 1 :

    ほむら「(でもチャンスだわ。このまま説明の機会を得られれば)」

    ほむら「あなた達は大人しくしていなさい、ここは私が……」



    ??「ファイアッ!!」チュドーン

    ほむら「(ちっくしょぉぉーーーーっ!!毎回毎回ィィィ!!!)」

    ??「危なかったわね、でももう大丈夫。キュゥべえを助けてくれてありがとう」

    まどか「(この人……ほむらちゃんみたいに変わった格好)」

    さやか「あなたは…?」

    ??「そうそう、自己紹介……」



    ??「とその前に、ちょっと一仕事片づけちゃっていいかしら」

    30 = 1 :

    ??「ハッ!」ポポポポーン

    さやか「(何だ!?虚空から大量に銃が出てきた!しかもマスケット!この感じ、まるで……)」

    ??「安らかに眠りなさい……っ!」ドドドドドドドドォーーーーーン

    アンソニー達「><」

    まどか「す…すごい!あ、周りの景色が戻った」



    ??「魔女は逃げたわ。今回は貴女に譲ってあげる」

    ほむら「私が用があるのは……」

    ??「飲み込みが悪いのね。見逃してあげるって言ってるの。お互い余計なトラブルとは無縁でいたいと思わない?」

    ほむら「……くっ!」

    まどか「逃げた……?」

    31 = 1 :

    ?????「ありがとうマミ、助かったよ」

    マミ「お礼はこの子たちに。私は通りかかっただけだから」

    キュゥべえ「どうもありがとう……まどか、さやか。僕の名前はキュゥべえ!」

    まどか「え……なんで、わたし達の名前を……」

    キュゥべえ「僕、君たちにお願いがあって来たんだ。僕と契約して、魔法少女になって欲しいんだ!」



    さやか「(契約…?魔法少女…?それにこの人、そして転校生……)」



    さやか「……マミさん、でしたね。魔法少女について、詳しく話して頂けませんか?」

    まどか「さやかちゃん……」

    マミ「ええ、もとよりそのつもりよ。私の家に案内するわ」

    32 :

    夏見藍花ちゃんのほうが可愛い

    33 = 1 :

    ―――――――見滝原・マミの家―――――――



    マミ「これがソウルジェム。キュゥべえに選ばれた女の子が、契約によって生みだす宝石。魔力の源であり、魔法少女の証なの」

    さやか「……その、契約というのは」

    キュゥべえ「僕は、君達の願い事を何でも一つ叶えてあげる」

    さやか「(…………ッ!!?)」

    キュゥべえ「何だって構わない。どんな奇跡だって起こしてあげられるよ」

    まどか「それ…本当なの?」

    キュゥべえ「本当だとも。でも、それと引き換えに君達はソウルジェムを手にし、魔女と戦う使命を課せられる」

    さやか「魔女……さっきの化物のことだよね」

    キュゥべえ「あれらは使い魔で、魔女はその親玉。魔女は人々の呪いから生まれた存在なんだ」

    マミ「魔女は結界の中に隠れ潜みながら、社会に災いを振りまく。理由の分からない自殺や殺人は、大抵魔女が原因なのよ」

    まどか「そんなものがいたんだ……」

    34 = 1 :

    さやか「……まさか、今の戦争状態も魔女が絡んでる、とか?」



    まどか「!?」

    マミ「え!?」

    キュゥべえ「……流石にそれは無いんじゃないかな。戦争は人間が理性的に引き起こすものだし」

    キュゥべえ「戦争を楽しむような人間はあまりいないから、魔女の介入もしにくい」

    キュゥべえ「少なくとも、魔女が起こした戦争は過去一度も存在しないよ」



    マミ「……ごほん!」

    マミ「あなたたちはキュゥべえに選ばれたから、魔法少女となる資格がある。でもそれは死と隣り合わせなのよ。そこで、提案だけど……」

    さやか「?」

    マミ「しばらく私の魔女退治に付き合ってみない?魔女との戦いがどういうものか、その目で確かめるためにね」

    35 = 1 :

    ―――――――見滝原・帰り道―――――――



    まどか「魔女と戦う魔法少女か…。何だか昔見たアニメみたい」ティヒヒ

    さやか「……それだっ!!」

    まどか「へ!?」

    さやか「何か思い当たる節があると思ってたらこれだったんだ。よく子供向けアニメでやるようなアレだ」

    まどか「もーさやかちゃんったら!……そりゃあ、さやかちゃんはそういうアニメ見なかったこと位は知ってるけど…」

    さやか「はは、参った」



    さやか「(魔法少女といきなり聞いても、何かイメージが掴みやすいと思っていたら……そりゃあ掴めるはずだわ)」

    さやか「(魔女と戦う代わりに、願い事を何でも叶えてもらえる……正直、代償が緩すぎると思っていた)」

    さやか「(命がけの戦い……でも、フィクションの魔法少女は無報酬で戦っている。少なくとも、願いを叶えるとかは無かった)」

    さやか「(それにあのキュゥべえって奴、そして"契約"……何となく、胡散臭い)」

    36 = 1 :

    ―――――――次の日…見滝原・通学路―――――――



    まどか「おっはよー」

    仁美「おはようございます」

    さやか「おはよ……ぅゎ」

    キュゥべえ「【おはよう、さやか】」

    さやか「【まどかの肩の上に居るし…やっぱりあたし達にしか見えないんだ】」

    まどか「【そうみたい。それにしてもまさか、テレパシーが使えるようになっちゃうなんてね!】」

    キュゥべえ「【魔法少女は誰でも使えるよ。君達の場合は僕が中継しないと使えないけど】」

    仁美「お二人とも、さっきからしきりに目配せしていますけど……」

    さやか「あ、多分気のせいだよ…」

    仁美「まさか……二人とも既に言葉が無くても心が通じる仲ですのね!?昨日のあの後、一体何が……!?」

    まどか「おーい、仁美ちゃーん?」

    仁美「女の子同士……禁断の恋の形……キマシタワー……」

    さやか「(だめだこのワカメ早く何とかしないと)」

    37 = 1 :

    まどか「(あ、ほむらちゃんが登校してる……)」

    さやか「【あいつも、マミさんと同じ魔法少女なんですよね?】」

    マミ「【間違いないわ。かなり強い力を持っているみたい】」

    キュゥべえ「【暁美ほむらは戦闘経験もかなりのもののようだね】」

    まどか「【それじゃあなぜ…ほむらちゃんはキュゥべえを狙っているんですか?】」

    キュゥべえ「【新しい魔法少女の誕生を阻止したいからだと思うな。魔女との戦いは、魔法少女同士の競争になることも多いし】」

    マミ「【魔女との戦いでは見返りが存在する。場合によっては、手柄を奪い合うという事もあるのよ】」

    さやか「【ということはあいつ、キュゥべえがまどかに声をかけると予測して、その阻止をしようとしたと】」

    38 = 1 :

    ―――――――見滝原中学校・屋上―――――――



    ほむら「奇遇ね」

    まどか「ほむらちゃん……昨日の忠告、まさか魔法少女になるなって言う意味?」

    ほむら「そうよ…分かっているならいいの。忠告が無駄にならないよう、祈ってるわ」

    まどか「あ、ほむらちゃん……あなたはどんな願いで魔法少女になったの?」

    ほむら「…………!!」

    まどか「あ、行っちゃった……」



    さやか「(……やっぱりあいつ、只者じゃない。マミさんとも全然違う)」

    39 = 1 :

    ―――――――見滝原・帰り道―――――――



    仁美「今日はお二人とも内緒ごと?もうお二人の間に入り込む余地なんて無いんですのね~~!」

    さやか「頼むから落ち着いて!」



    マミ「さてそれじゃ、魔法少女体験コース第一弾、張り切っていってみましょうか」

    さやか「お、おー!」

    マミ「まずはソウルジェムの反応で魔女の結界を探すの。距離しか分からないけどね」

    まどか「意外と地味なんですね」

    マミ「でも大きな道路や歓楽街は事故や事件が起こりやすい。魔女の結界はこういったところによくできるわ」





    マミ「……ここね。ようやく見つけたわ」

    40 = 1 :

    ―――――――見滝原・魔女結界―――――――


    マミ「今日こそ逃がさないわよ…」

    まどか「ぅ、うわぁ~……すごい」

    さやか「(二回目とはいえ、慣れないな……使い魔とやらもうじゃうじゃいるし)」

    キュゥべえ「見とれるのもいいけど、もうすぐ結界の最深部だ。頑張って」

    『Gertrud』

    マミ「見て。あれが魔女よ」

    まどか「うわぁ、グロい…あんなのと戦うんですか……?」

    マミ「大丈夫。未来の後輩たちにカッコ悪い所なんて見せないから」


    さやか「(マミさん……ベテランの魔法少女だからか、魔女を狩り慣れている感じで余裕があった)」

    さやか「(というより、華麗。無数のマスケットや黄色いリボンを駆使したその戦いは、少女達が夢見た魔法少女像そのものだった)」

    さやか「(だからこそ違和感があった。魔法少女としての能力を考えても、戦いに現実味がない)」


    マミ「ティロ・フィナーレッ!!」

    ゲルトルート「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!」

    41 = 1 :

    まどか「あれ、マミさん、その黒いのは?」

    さやか「魔女のソウルジェムみたいなものですか?」

    マミ「いいえ、これは『グリーフシード』。魔女が持ち歩いていることのある、魔女の卵よ」

    キュゥべえ「魔女の卵と言っても害はないよ。むしろ役に立つ貴重なものだ。ところでマミのソウルジェムを見てくれ、これをどう思う?」

    まどか「……気のせいか、昨日よりちょっと濁ってるような」

    マミ「そう。魔力を使うとこの宝石は濁る。でもこのグリーフシードを使えば、ほら元通り綺麗になった」

    さやか「(……濁りを回復?)」

    さやか「マミさん、もしも……そのソウルジェムが完全に濁りきったらどうなるんですか?」

    マミ「え!?そ、それは……ごめんなさい、私には分からないの。碌な事にはならないでしょうけど」

    キュゥべえ「とにかく濁らせなければいいんだよ。さあ、帰ろう」



    さやか「(露骨にはぐらかされた。こいつ、やっぱり怪しい。……いい加減聞いてみるか)」

    42 = 1 :

    第二章「機甲の少女」


    ―――――――電話回線:日本⇔国連軍事部―――――――



    オペ子「……あなたはまだ若い。本来なら志願の権利などありません」

    ???「…………」

    オペ子「あなたには確かに、叶えたい望みがある。そして年齢に不釣り合いなほど優秀で、実際に我々に協力してくれている」

    ???「…………」

    オペ子「今現在、二人の志願者がいます。しかし、もし彼らが倒れたら、あなたに頼らざるを得なくなるかもしれない」

    ???「……でも、まだ……」

    オペ子「それでいいんですよ。何度も言いますが、志願しないでいいのです。本来あなたが受けていい任務ではないから」

    ???「……もし志願する決心がついたとしたら……決して取り消さない」

    オペ子「……我々の無力さを、国連も…私も、恨んでいます」

    43 = 1 :

    ―――――――見滝原病院・病室―――――――



    さやか「はい、これ」

    恭介「うわぁ…。いつも本当にありがとう。さやかはレアなCDを見つける天才だね」

    さやか「あっはは、そんな、運がいいだけだよ。きっと」

    恭介「この人の演奏は本当にすごいんだ」



    さやか「(こんなに平然としているのに、恭介は腕をやられて相当落ち込んでいる。正直、CDなんかで慰められてるとは思えない)」

    さやか「(キュゥべえと契約すれば、魔女と戦うだけで腕を治してもらえるかもしれない。死ななくて済むかもしれない)」

    さやか「(……やっぱり信用ならない。何か裏がある気がしてならない)」

    さやか「(ごめんね恭介、まだ助けられない)」



    さやか「(でも、恭介のバイオリン……また聴きたいな)」

    44 = 1 :

    ―――――――見滝原中学校・教室―――――――



    さやか「【ごめんまどか!今日の魔女退治はあたし休むわ】」

    まどか「【え?……いいけど、上条君の?】」

    さやか「【ううん、それとは別に…ちょっとね】」

    まどか「【…………】」



    さやか「【転校生、今日の放課後時間ある?】」

    ほむら「【……ほむら、でいいわ】」

    さやか「【話があるんだ。放課後、屋上に来て】」

    ほむら「(……毎回私を嫌っていたさやかが個人的に話、か。丁度いいわ、私も今回のさやかの態度について気になっていたし)」

    ほむら「【ええ、分かったわ】」

    45 :

    ケツイ難しすぎて吐いた

    46 = 1 :

    ―――――――見滝原中学校・屋上―――――――



    ほむら「それで、話というのは?」

    さやか「単刀直入に言うよ。あのキュゥべえって奴……どうも胡散臭い」

    ほむら「……!」

    さやか「あんたキュゥべえを狙ってたよね?しかも魔法少女になるべきではないとまどかに忠告した。契約すると全てを失う、とか」

    ほむら「胡散臭い、ね。あなたがそう考えた根拠は?」

    さやか「いくつかあるよ。フィクションの魔法少女モノって基本的に無報酬で戦う事とか……」

    さやか「何より、キュゥべえとマミさんにある質問をしたら、マミさんは知らないというし……キュゥべえは、はぐらかしてきた」

    ほむら「(……やっぱり今回のさやかはおかしい。余りにも冷静で、しかも鋭すぎる)」

    47 = 1 :

    さやか「あたしが聞きたいのは、ほむらが知っている魔法少女関連の真実を全て。それから……」

    さやか「可能ならば、あんたが魔法少女として歩んできた道のり」

    ほむら「(……!プライベートにも入って来た!?前者はともかく、これは教えるわけには……)」

    ほむら「(待って私。私だって今回のさやかについて聞きたいことがあったんじゃない、ということは…おあいこね)」

    ほむら「(それに今回のさやかは心が強い……信頼できる)」

    ほむら「…………、魔法少女の真実については、喜んで話させてもらうわ」

    さやか「ほう、やっぱりキュゥべえは何か隠してたんだ」

    ほむら「でも、私の道のりを聞きたいなら……私の質問に答えてからにしなさい」キッ

    さやか「(……!?目つきが変わった!)」

    48 = 1 :

    ほむら「人のプライベートを聞くからには……あなたのプライベートも聞く必要がある」

    さやか「なっ……!?」

    ほむら「その反応……やっぱり人に言えない生涯を送って来たみたいね」

    ほむら「私が言うのもなんだけど、あなたはただの女子中学生にしては出来過ぎている。何かあったとしか思えないわ」

    さやか「(こいつ………予想以上のやり手だ)」

    ほむら「で、どうするの?自分の秘密と引き換えに、私の秘密を聞く?」

    さやか「……まずは、魔法少女の真実とやらを聞こうか。あ、そうそう。キュゥべえは来ないんだよね?」

    ほむら「恐らく問題ないわ。あいつはまどかに付きっきりだと思うの」

    49 = 1 :

    ほむら「さて、これが私のソウルジェムよ。これは魔法少女の魂の結晶であり、壊されると死ぬ」

    さやか「へーほむらのは紫色なんだ……って今何て言った!?」

    ほむら「この宝石は魔法少女の魂を結晶化したものであり、壊されるとその魔法少女は死ぬのよ」

    さやか「何だそれ……まるでゾンビじゃないか……!」

    ほむら「ソウルジェムさえ無事なら心臓を貫かれようが魔力で回復できるからいいじゃないか、というのがキュゥべえの弁ね」

    さやか「うわぁ…、奴には何と言うか人間の価値観がまるで通用しない気がしてきた」

    ほむら「やっぱり鋭いわね、その通りよ。さらに重要なのが……この宝石が濁りきった時のこと」

    さやか「それはあたしも気になっていた…けど、グリーフシードのこととさっきのあんたの話を聞いて、あたしは仮説を立てた」

    さやか「ずばり、これが濁りきるとグリーフシードとなり、あたし達は魔女となる……で合ってる?」

    50 = 1 :

    ほむら「流石ね、やっぱりあなた只者じゃないわ」

    さやか「おかしいと思ってたんだよ。魔法少女といえば戦いだけど、それだと願いを叶える為だけに契約する奴がいても不思議じゃないから」

    ほむら「随分考えているのね。端からあいつの事を疑っていたとか?」

    さやか「まあ、昔から『うまい話には裏がある』って教わって来たからねぇ」

    さやか「……それで、あいつがそういう自作自演をしている理由は知ってんの?」

    ほむら「(随分落ち着いてるわね、今までののさやかを知ってる側としてはどん引きだわ)」

    ほむら「簡単に言うと、私達の魔女化の際に放出される感情エネルギーが目当て。要は私達を家畜扱いしているということね」

    さやか「感情エネルギー……あいつらはそんなものを実用化できるんだ」

    ほむら「あいつらは有史以前から地球に棲みついて、多くの少女を騙し、感情エネルギーを搾取してきた」

    さやか「げぇ……」


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