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元スレ京太郎「神代の守人」
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白無垢を脱ぎ捨てて剣を構える。
門に貼るお札の準備も大丈夫だ。
《この眼の代償は貴様ら一族の血で償ってもらうぞ!》
この世の物とは思えないほどの巨体がうねりながら、その隻眼を以って俺へと照準を定める。
金切り声を発したと思った次の瞬間、その巨大な顎が俺を飲み込もうと大口を開け、禍々しい牙を突き立てようとしていた。
攻撃を寸での所で右へ左へ身を躱しながら門にお札を貼る。
これで第一目標はクリアだ。
大蛇はその巨大な尾を以って叩きつけようとしてくる。
なんとかフェイントを入れながら横っ飛びに転がって回避する。
当たったら堪ったものじゃないだろう、その証拠に叩きつけられた石畳の床が捲れている。
尾や噛み付きに因る攻撃を躱しながらも剣で一太刀、二太刀と切り込んでいく。
門に貼るお札の準備も大丈夫だ。
《この眼の代償は貴様ら一族の血で償ってもらうぞ!》
この世の物とは思えないほどの巨体がうねりながら、その隻眼を以って俺へと照準を定める。
金切り声を発したと思った次の瞬間、その巨大な顎が俺を飲み込もうと大口を開け、禍々しい牙を突き立てようとしていた。
攻撃を寸での所で右へ左へ身を躱しながら門にお札を貼る。
これで第一目標はクリアだ。
大蛇はその巨大な尾を以って叩きつけようとしてくる。
なんとかフェイントを入れながら横っ飛びに転がって回避する。
当たったら堪ったものじゃないだろう、その証拠に叩きつけられた石畳の床が捲れている。
尾や噛み付きに因る攻撃を躱しながらも剣で一太刀、二太刀と切り込んでいく。
その内傷だらけになった蛇が怒号を飛ばす。
《ええい! ちょこまかと煩わしい!》
その声と共に顎と尾の同時攻撃が始まる。
同時となると躱し切れなくなって来る。
このままではいずれ手詰まりになるので、跳躍して落下する勢いで尻尾を切断した――が……
切断したと同時に剣が折れてしまった。
どうやら硬い何かに刃が当たってしまったようだ。
「やべぇ……!」
剣が折れたことに戸惑っていると蛇の巨体が鞭のように撓り、俺の身体を叩きつける。
とっさに左手で庇ったものの、体が玩具のように吹き飛ばされてしまい、壁に叩きつけられ、糸の切れた操り人形のように床に落ちる。
どうやら先の攻撃で身体を庇った左手が原型がわからないくらい拉げ、肋骨も何本か折れたようだ。
痛みで動けないでいると大蛇の顎が俺の身体を捕らえる。
《ええい! ちょこまかと煩わしい!》
その声と共に顎と尾の同時攻撃が始まる。
同時となると躱し切れなくなって来る。
このままではいずれ手詰まりになるので、跳躍して落下する勢いで尻尾を切断した――が……
切断したと同時に剣が折れてしまった。
どうやら硬い何かに刃が当たってしまったようだ。
「やべぇ……!」
剣が折れたことに戸惑っていると蛇の巨体が鞭のように撓り、俺の身体を叩きつける。
とっさに左手で庇ったものの、体が玩具のように吹き飛ばされてしまい、壁に叩きつけられ、糸の切れた操り人形のように床に落ちる。
どうやら先の攻撃で身体を庇った左手が原型がわからないくらい拉げ、肋骨も何本か折れたようだ。
痛みで動けないでいると大蛇の顎が俺の身体を捕らえる。
《かかかか……どうした? 我の尻尾を切断したくらいで勝利を確信したか?》
この世の不吉全てが籠もっているような瞳で俺をニヤニヤと嘲笑するように覗いている。
《忌々しい血族の生き残りだ……このままじわじわと絞め殺してやろう!》
「ぐあああぁぁ!?」
折れた骨が顎で締め付けられる。
体が軋み、悲鳴を上げる。
《良い鳴き声だ……もっと聞かせて貰いたいな……》
「余裕かましていると……足元掬われるぜ……これでも食らいな!」
勝利を確信し、俺を嬲り殺そうとする蛇の残った片目に髪に挿していた簪を突き刺した。
《ぐおおおぉぉぉ!?》
京太郎「へへっ、目刺しになった気分はどうだ、姫様の櫛は特別効くだろう?」
この世の不吉全てが籠もっているような瞳で俺をニヤニヤと嘲笑するように覗いている。
《忌々しい血族の生き残りだ……このままじわじわと絞め殺してやろう!》
「ぐあああぁぁ!?」
折れた骨が顎で締め付けられる。
体が軋み、悲鳴を上げる。
《良い鳴き声だ……もっと聞かせて貰いたいな……》
「余裕かましていると……足元掬われるぜ……これでも食らいな!」
勝利を確信し、俺を嬲り殺そうとする蛇の残った片目に髪に挿していた簪を突き刺した。
《ぐおおおぉぉぉ!?》
京太郎「へへっ、目刺しになった気分はどうだ、姫様の櫛は特別効くだろう?」
残った片目を簪で潰された蛇が悲鳴を上げながらのたうつ。
折れた剣を捨て、とある神様を降ろすために目を瞑り、所謂トランス状態になるよう意識をシフトする。
祈るように神降ろしの成功を願う。
その内、どこからともなく頭の中に直接、声が聞こえてきた。
『俺を呼ぶのはお主か? 童(わっぱ)、名はなんと言う……』
「須賀京太郎と申します。」
『して、何のためにこの大蛇と戦う?』
「……可愛い女の子を助ける為というのは駄目でしょうか?」
『くくくく、そうか女子(おなご)のためか……』
『豊穣の稲田を彷彿とさせる頭髪も中々に良い……』
『何より須賀という姓……』
『……気に入った、童に力を貸してやる。』
『そこにある剣を取れ、俺が力を貸すのはこれだけだ。』
『あの蛇を屠れるかどうかはあとは童次第だ、くたばらんようにな。』
「ご助力感謝致します。」
折れた剣を捨て、とある神様を降ろすために目を瞑り、所謂トランス状態になるよう意識をシフトする。
祈るように神降ろしの成功を願う。
その内、どこからともなく頭の中に直接、声が聞こえてきた。
『俺を呼ぶのはお主か? 童(わっぱ)、名はなんと言う……』
「須賀京太郎と申します。」
『して、何のためにこの大蛇と戦う?』
「……可愛い女の子を助ける為というのは駄目でしょうか?」
『くくくく、そうか女子(おなご)のためか……』
『豊穣の稲田を彷彿とさせる頭髪も中々に良い……』
『何より須賀という姓……』
『……気に入った、童に力を貸してやる。』
『そこにある剣を取れ、俺が力を貸すのはこれだけだ。』
『あの蛇を屠れるかどうかはあとは童次第だ、くたばらんようにな。』
「ご助力感謝致します。」
須賀っていう名字がチートだよな
出雲神話と深く関わってるんだもん
出雲神話と深く関わってるんだもん
京太郎「オンマカシリエイジリベイソワカ!」
大蛇「あれは……破軍の構え!?」
大蛇「あれは……破軍の構え!?」
???「神なんか降ろすよりも私を纏ってください、若!!!!111」
切断した蛇の尾から覗く剣を引き抜き確かめてみる。
錆びてはいるもののやはり親父が持っていた剣だった。
俺が錆びた剣を手に取り、翳(かざ)した途端、剣が様変わりしていく。
今まで実際には見たことの無い剣だったが、どういうものかはわかっている。
京太郎「やっぱり大蛇と言えばこの剣だな……」
京太郎「拾い食いしたら腹壊すってこと、良く覚えておけ!」
京太郎「親父の剣でてめぇに引導渡してやんぜ!」
剣を逆手に取り、巨大な大蛇の脳天に刺す。
今度は剣を順手に持ち替え、引き抜き、そのまま蛇の首を落とし、致命傷を負わせた。
切り落としたあと、蛇の断末魔と恨み言が木霊する。
錆びてはいるもののやはり親父が持っていた剣だった。
俺が錆びた剣を手に取り、翳(かざ)した途端、剣が様変わりしていく。
今まで実際には見たことの無い剣だったが、どういうものかはわかっている。
京太郎「やっぱり大蛇と言えばこの剣だな……」
京太郎「拾い食いしたら腹壊すってこと、良く覚えておけ!」
京太郎「親父の剣でてめぇに引導渡してやんぜ!」
剣を逆手に取り、巨大な大蛇の脳天に刺す。
今度は剣を順手に持ち替え、引き抜き、そのまま蛇の首を落とし、致命傷を負わせた。
切り落としたあと、蛇の断末魔と恨み言が木霊する。
簪を挿し、大蛇に相対し、剣を折る…
神話再現したし麻雀にも使えるようになるといいね
神話再現したし麻雀にも使えるようになるといいね
>>173
これなに?
これなに?
《ぎゃああぁぁぁぁ!!》
《おのれ……おのれぇ……忌まわしい須賀の血を絶やせなかったのが口惜しや……口惜しや……》
それだけ言って大蛇は毒々しい紫の血の泡となって消えていった……
役目を終えた親父の剣は、元の錆びた剣に戻り、ぼろぼろに朽ち壊れてしまった。
まずい、意識が朦朧とする……
蛇から食らった攻撃で満身創痍になっていた身体をなんとか這いずって門の外へと出る。
簪を片手に俺の意識はそこで途切れた。
《おのれ……おのれぇ……忌まわしい須賀の血を絶やせなかったのが口惜しや……口惜しや……》
それだけ言って大蛇は毒々しい紫の血の泡となって消えていった……
役目を終えた親父の剣は、元の錆びた剣に戻り、ぼろぼろに朽ち壊れてしまった。
まずい、意識が朦朧とする……
蛇から食らった攻撃で満身創痍になっていた身体をなんとか這いずって門の外へと出る。
簪を片手に俺の意識はそこで途切れた。
>>176-177ありがと
略しすぎっ
略しすぎっ
春ちゃんと巴ちゃんがぼろぼろの京太郎君を担いで戻ってきた。
小蒔ちゃんは酷く狼狽している。
とにかく彼の手当てをして、床に就かせることにした。
今は小蒔ちゃんが彼の傍に付いている。
だけどそろそろ小蒔ちゃんも限界だ。
怪我を負った京太郎君よりも……
京太郎君の看病をする小蒔ちゃんの様子が痛々しかった。
小蒔ちゃんの手は何度も身体を拭くために水に付けたせいで赤くなり、目の下には濃い隈が出来ている。
もう何日も小蒔ちゃんは寝ていない。
私が小蒔ちゃんに休むように言っても、首を頑として縦に振らない。
京太郎君から離れようとしない。
京太郎君は生きているだけでも奇跡であるくらいの傷を負っていた。
逆を言えば今は小康状態を保っているとはいえ、いつ容体が急変してもおかしくはなかった。
未だに意識を取り戻さない彼に対して、小蒔ちゃんはいつも語りかけている。
小蒔ちゃんは酷く狼狽している。
とにかく彼の手当てをして、床に就かせることにした。
今は小蒔ちゃんが彼の傍に付いている。
だけどそろそろ小蒔ちゃんも限界だ。
怪我を負った京太郎君よりも……
京太郎君の看病をする小蒔ちゃんの様子が痛々しかった。
小蒔ちゃんの手は何度も身体を拭くために水に付けたせいで赤くなり、目の下には濃い隈が出来ている。
もう何日も小蒔ちゃんは寝ていない。
私が小蒔ちゃんに休むように言っても、首を頑として縦に振らない。
京太郎君から離れようとしない。
京太郎君は生きているだけでも奇跡であるくらいの傷を負っていた。
逆を言えば今は小康状態を保っているとはいえ、いつ容体が急変してもおかしくはなかった。
未だに意識を取り戻さない彼に対して、小蒔ちゃんはいつも語りかけている。
「知っていましたか? 京太郎君。」
「私、実は『姫様』って呼ばれるのは好きじゃないんです。」
「周りが私に期待してそれが重圧に感じて……」
「でも、不思議とあなたの『お姫様』は嫌いじゃありませんでした……」
「あなたの呼び方は揶揄う様で、どこか優しくて。」
「でも、どうせなら『小蒔ちゃん』って呼んでくれた方が私は嬉しいです……」
「だから早く元気になってください……」
それを聞いて胸が苦しくなる。
罪悪感が私の胸に圧し掛かる。
これが彼を巻き込んだ私への罰なのかしら……
「私、実は『姫様』って呼ばれるのは好きじゃないんです。」
「周りが私に期待してそれが重圧に感じて……」
「でも、不思議とあなたの『お姫様』は嫌いじゃありませんでした……」
「あなたの呼び方は揶揄う様で、どこか優しくて。」
「でも、どうせなら『小蒔ちゃん』って呼んでくれた方が私は嬉しいです……」
「だから早く元気になってください……」
それを聞いて胸が苦しくなる。
罪悪感が私の胸に圧し掛かる。
これが彼を巻き込んだ私への罰なのかしら……
「小さい頃はよく皆で遊びましたね……」
「京太郎君は稽古を抜け出していたから怒られていましたけど……」
「川に行って水遊びしたときも楽しかったです……」
「うふふ、あのときは水に流されかけてびっくりしました。」
「今となっては良い思い出ですね……」
「あと、小さい頃といえば……」
そこまで言って小蒔ちゃんの言葉が詰まった。
目には滲む何かがある。
彼と話すことは子供の頃ばかり……
「京太郎君は稽古を抜け出していたから怒られていましたけど……」
「川に行って水遊びしたときも楽しかったです……」
「うふふ、あのときは水に流されかけてびっくりしました。」
「今となっては良い思い出ですね……」
「あと、小さい頃といえば……」
そこまで言って小蒔ちゃんの言葉が詰まった。
目には滲む何かがある。
彼と話すことは子供の頃ばかり……
「なんで……でしょう、今……あなたはここにいるのに……」
「小さい頃のことばかり思い出すのは……」
涙がぽろぽろと零れ落ちている。
やはり小蒔ちゃんも限界だったのね。
女の子を泣かせるなんて、京太郎君も酷い男だわ……
小蒔ちゃんは涙声で彼に言葉を投げかける。
「小さい頃のことばかり思い出すのは……」
涙がぽろぽろと零れ落ちている。
やはり小蒔ちゃんも限界だったのね。
女の子を泣かせるなんて、京太郎君も酷い男だわ……
小蒔ちゃんは涙声で彼に言葉を投げかける。
「急に遠くへ行ってしまって……」
「いきなり戻ってきて……」
「かと思ったら今度は大怪我をして戻ってきて……」
「京太郎君は勝手過ぎます……」
「もう……勝手なことしたらだめですよ……」
「勝手に逝ってしまったら、許しません……」
「絶対に許しませんから……」
小蒔ちゃんが言い終わったとき、微かに彼の眉が動いた。
「いきなり戻ってきて……」
「かと思ったら今度は大怪我をして戻ってきて……」
「京太郎君は勝手過ぎます……」
「もう……勝手なことしたらだめですよ……」
「勝手に逝ってしまったら、許しません……」
「絶対に許しませんから……」
小蒔ちゃんが言い終わったとき、微かに彼の眉が動いた。
「うっ……」
「!?」
「……あの神様、やる事が荒っぽいぜ……」
「京太郎君……? 京太郎君!? 京太郎君!」
「へ? 姫様?」
「良かった……意識を取り戻してくれました……」
「本当に良かったです!」
「!?」
「……あの神様、やる事が荒っぽいぜ……」
「京太郎君……? 京太郎君!? 京太郎君!」
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「良かった……意識を取り戻してくれました……」
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