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元スレ京太郎「神代の守人」

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1 :

立ったら書く全部書き切ってるので更新止まったら猿ったってことで

2 = 1 :

私は暗い部屋に呼び出され一つの御遣いを賜った。

今神代家は危機に瀕している。

その解決策として私が出向く事となった。

ですが、それはあまりにも人道に悖ること。

一筋縄では済まない、罪の意識を背負って人生を歩む事を強いられる。

その中の一人として私が使者として呼ばれたのです……

3 = 1 :

「失礼致します。」


「来たか……」


「それでご用件は……」


「姫様のことについてだが……」

「上の協議の結果、ある結論に到った。」

「五年前の時と同じ方法で祓う。」


「! ですが、既に出来る者が……」


「そうだ、今ここに出来る人物はいない、だが飽くまで『ここには』だ。」

「……あの男の息子も15になった、もう十分に大人だ。」

「本家を守る為にもあの少年の力を貸りる。」

「指し当たってお前にはあやつの説得をしてもらうぞ。」

4 = 1 :

「……何故、私なのですか。」


「六女仙の中であの少年と仲が良かったのはお前だろう。」

「姫様は動けるわけが無い上に、姫様自体この方法に反対するはずだ。」

「……あとはわかるな、霞。」


「……はい、わかりました、御爺様。」

5 = 1 :

今更どの面さげてあの子に会いに行けば良いのでしょう。

確かに私達が仲が良かったとは言え、それは飽くまで5年前迄の話。

5年前起きた出来事と私達がしてきた仕打ちのことを知れば溜息も出る。

あの子達親子が私達に抱くものを考慮して説得するのがどれだけ無理難題な事なのか。

御歴々には分からない事なのでしょう。

私とて小蒔ちゃんには死んでほしくない。

だがそのためにあの子に「小蒔ちゃんの身代わりになってくれ」とどうして言えようか。

私はやり切れない感情を捨て切れないまま、長野へ飛んだ。

6 :

さすがにもうちょっと感覚あけようよ

8 = 1 :

――清澄――


京太郎「何か久し振りの部活って感じだー。」

「インターハイ終わってやっと帰ってきたって気分だよ。」

京太郎「部室の扉を開けてあげましょう。」

「うむ、苦しゅうない。」

京太郎「ようこそお姫様……あっ」

「誰がお姫様か、あと「あっ」てなにさ。」

京太郎「ハハハ、わりーわりー、気にすんな。」

京太郎(何か、昔の癖が出ちまったな……)

9 = 1 :

――長野――


インターホンを鳴らして家人が出てくるのを待つ。

久しぶりに会う人だが疎遠になってしまっていたので緊張する。

緊張する理由はそれだけではないのだけれど……

やがて訪問宅の扉が開き、懐かしい顔と対面する。

10 = 6 :

11 = 1 :

「はい。」


「お久しぶりです、おば様。」


「……なにしに来たの?」


おば様が私の顔を見るなり纏った空気が強張った。

明らかな怪訝な顔付きに、緊張した空気がより一層張り詰める。


「……本日はお願いにやって参りました、主におば様のご子息にですが。」


「帰って。」


おば様の表情が途端に変わり、憎悪の視線が私に刺さる。

覚悟はしていた、罵られるのも蔑まれるのも。

それでもここで引き下がるわけには行かない。

13 :

ふむ

14 = 1 :

「お願いです、話だけでも……」


「帰って! 私から旦那を奪ってその上一人息子まで奪うつもり!?」


「その件に関しては申し訳ありませんでした……ですが今は事態が事態なのです。」

「ですから、何卒お力添えを……」


「帰って……帰って頂戴、これ以上私から大切なものを奪おうとしないで……」


最後にそう言ったあと、おば様は扉を閉めた。


こうなったら直接あの子の元に行くしかない。

確か清澄高校に通っているはず……

清澄といえば私達がインターハイで対局した相手校よね。

麻雀部に顔を出して少し手を貸してもらおうかしら……

説得に成功する可能性を考えると藁にも縋る気持ちだった。

15 = 6 :

ふんふむ

16 :

期待してる

17 = 1 :

――清澄高校・麻雀部――


まこ「さーて、心機一転部活始めとするかのう。」

優希「うー、だるだるだじぇー……おい犬ー、ダコスーダコスをくれー……」

京太郎「お婆ちゃん、タコスはさっき食べたばかりでしょう?」

優希「はて、そうだったかのう、爺さんや。」


そんな下らないやりとりをしていると

突如部室内にノックの音が響き渡る。

扉が開き、見覚えのある一人の女性が入ってきた。

18 = 1 :

「こんにちは、失礼するわね。」

まこ「あんた、確か鹿児島の……」

「はい、永水女子の石戸霞です、今日はお願いにやってきました。」

京太郎「…………!」

「ひっ……」

「? どうかしましたか? 咲さん。」

「……ううん、なんでもないよ、和ちゃん。」

京太郎「あ、お茶葉切れてるみたいなんで、ちょっと俺買出しに行って来ます。」

まこ「……おう、行ってきんさい。」

優希「いぬー! ついでにタコスも買って来ーい!」

(京ちゃん……行っちゃった……)

(さっき、一瞬……ほんの一瞬だけど……京ちゃんが、今まで見たことないくらい恐い顔をしてた……)


まこ「で、遠路はるばる鹿児島からやってきた理由はなんじゃい?」

「ええ、実は人を捜しているのよ。」

19 = 6 :

しえん

20 = 1 :

石戸さんが懐から一枚の写真を出した。

そこには複数人の女の子と1人の男の子が写っている。

どこか見覚えがある面々の中で一人だけ浮いた男の子は、黒髪ではあるが、正しく京ちゃんだった。

21 = 1 :

「この男の子を捜しているんだけど、誰か心当たりはないかしら?」

まこ「うーん、さぁのう?」

「あの、石戸さん?」

「何かしら? もしかしてこの子に心当たりがあるのかしら?」

「……いえ、その……この男の子を捜し出してどうするつもりなんですか?」

「……御家の関係もあって詳しくは言えないけど、鹿児島に一緒に来てもらうわ。」

優希「そういや名前はなんていうんだじぇ?」

「名前は須賀、須賀京太郎よ。」

優希・「「え!?」」

「あら、うちの須賀君と同じ名前ね。」

「部長……どうして……」

「今、学生議会の仕事を終えてきたばかりなのよー。」

23 :

神代の家は色々ドロドロそうだよね

24 = 6 :

名家ってのも当人たちにしたらあんまりいいもんでもないからな

25 = 1 :

「それじゃさっきの男子が京太郎君ってことなのかしら?」

まこ「……まぁ、そういうことになるのう。」

「……京太郎君を借りてもいいかしら? こちらとしてもそれなりに便宜は図るわ。」

「別に構わないわよ。」

「部長!?」

まこ「久、お前、京太郎にも聞かずに勝手に決めおって……」

「あら別にいいじゃない、須賀君をちょっと貸すだけなんだし。」

「…………」

「でも京ちゃんが首を縦に振らなかったら……」

「行かせるわ、恩を売っておくことは部にとってプラスになることだしね。」

「でも……」

「これは部長としての最後の仕事よ、あなた達にはこれからがあるんですもの。」

「……では私はこれから本人に聞いてくるわ。」

優希「……行っちゃったじょ。」

26 = 1 :

まこ「…………」

優希「染谷先輩、戸棚なんて開けてどうしたんだじぇ?」

まこ「うん? いやちょっと確認をのう。」

まこ「……なんじゃ、やっぱりお茶葉は切れておらんかったか。」

27 = 7 :

流石まこさんやでぇ

28 = 1 :

京太郎「…………」

「捜したわよ、久しぶりね、京太郎君。」

京太郎「……お久しぶりです、霞さん。」

「金髪にしたのね、最初は京太郎君だと気付けなかったわ。」

京太郎「……それで、今更俺に何のようですか?」

「……単刀直入に言わせてもらうわ、私と一緒に鹿児島へ来て。」

京太郎「……俺らはもうそっちとは関係ないはずでしょう?」

「……そうも言ってられないくらいこちらは危機的状況なの。」

「このままだと、神代本家……いえ、霧島全体が危ういわ。」

「だから貴方に、助けて欲しいの。」

京太郎「……んな……」

「お願い、貴方の力が必要なの。」

30 = 1 :

京太郎「ふざけんな!! そっちがしてきたこと忘れたとは言わせねぇぞ!?」

「…………」

京太郎「あんたらが俺の親父見殺しにして! 恐くなって俺ら一家を追出したくせに今度は助けてくれだぁ!?」

京太郎「ざけんな! 虫が良すぎんだろうが!!」

「そう、そうよね……今更、虫の良すぎる話よね……」

「でも、その狙われてるのが小蒔ちゃんだと聞いたら貴方はどうする……?」

京太郎「!……どうもしませんよ……俺は、聖人君子でも何でもないんです。」

京太郎「追出された俺たちが今更あなた方を助ける義務も義理も無い……」

32 :

猿った?

33 = 1 :

「それともう一つ、姫様を狙っているのはおじ様を喰い殺した、あの化け物よ。」

京太郎「っ!……むかつくぜ……!」

「恨んでくれても、殴られても構わないわ……私たちはそれほどのことをしたもの。」

「それを承知の上で小蒔ちゃんを助けて欲しいの。」

「神職に携わる人間としてでも、分家の人間としてでもなく、小蒔ちゃんの友人として……」

京太郎「……少し時間をください。」

「……わかったわ、あまりに急なことだし、今後の事も含めて考える時間は必要よね……」

「……ちなみに部長さんには既に了承を貰っているわ。」

京太郎「……搦め手ですか、貴女らしくもない。」

「それほど切羽詰ってるの……」

京太郎「……あまり良い返答は期待しないで下さいよ。」

「……でも、それでも私は待ち続けるわ。」

「貴方が来るまで……小蒔ちゃんのために……」

京太郎「…………」

35 = 1 :

――須賀家――


京太郎「ただいま。」

京太郎母「……おかえり。」

京太郎「もしかして、霞さん、家にも来たのか?」

京太郎母「そうよ、あんたどうするつもり?」

京太郎「……わからねぇよ。」

京太郎母「私は鹿児島に戻るのは反対だからね……」

京太郎「……そんなの分かってるよ。」

京太郎母「……ごはん出来てるわよ。」

京太郎「ああ、わかった、食ったら寝るよ。」

京太郎母「……そう、それがいいわね、このことはさっさと寝て忘れちゃいなさい。」

36 :

ふななな

37 :

白糸台の人間兵器でも連れてけ

38 = 13 :

ふむ

39 = 1 :

飯を食い終わったあとベッドに横たわり、身の回りのことについて整理した。


鹿児島から昔馴染みの霞さんがやってきて、姫様が危険だからと俺を呼び戻しにきた。

部長には既に話は通っていて了承済み。

姫様を狙っている相手は俺の親父の仇。

親父は糞爺共の命令で一人で行った。

その結果、相手に手傷を負わせ、何とか一時的に祓う事は出来たが、親父はそのときに死んでいる。

お袋は先代の時の元六女仙の一人だが、祟りや須賀の力を危険視した爺共が下したあまりの仕打ちに、俺を連れて長野に越した。

まだ中学に上がる前の俺は、何の事情も聞かされずに長野に移り住んだ事に不思議だった事を今でも覚えている。

そのあとお袋にことの成り行きを聞かされ、本家とか因習というものはあまり好きではない単語になった。


頭の中で整理してもどうすれば良いか分からず、思考はぐるぐると迷い回る。

そのうちいつの間にか俺は、目蓋の重さによって眠りに落ちていた。

40 :

短槍でも使うのか

41 = 1 :

『京太郎くん、遊びましょう!』


『あ、姫様、いいけどどこで遊ぶ?』


『京太郎くんのお部屋がいいです。』


『わかったよ、ちょっと散らかってるけど文句は言わないでよ。』


『文句なんて言いません!』


『それでは……』

『俺の部屋へようこそ、"お姫様"』

43 = 7 :

ふむふむ

44 :

咲と守り人シリーズのクロスとか異色すぎんだろjk
と、思いながら開いてみたら勘違いだったでござるの巻

45 = 1 :

はっとして起きる。

幼少の頃の思い出だ。

忘れたいと思っていた過去が、思い出が追いかけてきた。

そんな錯覚すら覚える夢の内容。

"くだらない"と、"切り捨てたものだ"と、そう思っていた。

それでも過去はやってきた、過去から逃げる事は出来ず、今も「まだかまだか」と俺を執拗に付回す。

どうやっても自分が生きてきた道程は、無かった事には出来ない。


「因縁ってものは、切っても切れないものなんだな……」

「"大切な仲間や家族を護るのが使命"か……それが俺達一族なんだもんな……なぁ親父……」

46 :

糞爺どもを皆殺しにしたらいいんじゃね?

47 = 1 :

多分、鹿児島に行ったら長野にはもう戻って来れない。

今の内に身の回りの整理をしておこうと思った。


京太郎「よし、これでいいか。」

京太郎母「何がいいの?」

京太郎「ああ、お袋……俺行くよ、鹿児島に。」

京太郎母「あんた最大の親不孝者だね、いやこれからなるのか。」

京太郎「悪いとは思ってるよ。」

京太郎母「思っているなら鹿児島には行くな。」

京太郎「……鹿児島に戻るのは俺個人の感情だよ、決して分家とか本家とかじゃない。」

京太郎「それに、親父の仇討ちでもあるんだ。」

京太郎母「わかったよ……あんた頑固になったね、まったく誰に似たんだか……」

京太郎「ごめん、お袋。」

京太郎母「さっさとご飯食って学校行きなさい、荷物は私が纏めといてあげるから。」

京太郎「ああ、わかったよ。」

京太郎「その前に電話掛けとく。」

48 :

女仙達はいいけどまわりの調子いい奴らにはきっつい因果応報あるといいな

49 = 1 :

京太郎「もしもし、霞さん?」

『はい、京太郎君ね。』

京太郎「鹿児島行きの話、受けます。」

『そう、受けてくれるのね。』

京太郎「ええ、学校に顔出したら直ぐに支度しますんで。」

『では飛行機のチケット手配しておくわ。』

京太郎「お願いします。」

『京太郎君……ありがとう、そしてごめんなさい。』

京太郎「俺は自分の都合で鹿児島に行くだけです、霞さんに言われたからじゃありません。」

京太郎「それでは。」


学校まで行き、職員室で担任と少しばかり話して書類に少しばかり署名をした。

放課後になり、部室に顔を出す。

部室には既に染谷先輩と部長がいた。

50 = 13 :


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