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元スレ京太郎「神代の守人」
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京太郎「こんちわー」
久「あら、こんにちは須賀君。」
京太郎「部長、鹿児島の話なんですが。」
久「ええ、石戸さんから聞いたのね、もう聞いているとは思うけど須賀君には鹿児島に出向いてもらうわ。」
京太郎「そうですか、ではこれを。」
懐から退部届けを出した。
先程書いていた書類はこれである。
久「あら、こんにちは須賀君。」
京太郎「部長、鹿児島の話なんですが。」
久「ええ、石戸さんから聞いたのね、もう聞いているとは思うけど須賀君には鹿児島に出向いてもらうわ。」
京太郎「そうですか、ではこれを。」
懐から退部届けを出した。
先程書いていた書類はこれである。
まこ「なんのつもりじゃ、京太郎?」
久「……須賀君、これ、どういうことなの?」
京太郎「鹿児島に行くという事は、俺が清澄から『転校』する可能性があるってことです。」
久「ちょっと……そんな事聞いてないわよ!?」
京太郎「でしょうね、霞さんが素直に言うわけが無い。」
京太郎「霞さんなんて言ってましたか?」
久「ただ須賀君を借りたいとしか言ってないわ。」
京太郎「あの人が一言でも『返す』なんていいましたか?」
久「っ!……石戸さん……とんだ食わせ者ね……」
京太郎「まぁ、飽くまで『転校』する可能性があるだけです。」
京太郎「だから退部届けだけ部長に渡しておきます。」
久「そう、わかったわ、でも『預かる』だけよ?」
京太郎「ご自由に、それでは俺は鹿児島に向かいますんで。」
まこ「京太郎。」
久「……須賀君、これ、どういうことなの?」
京太郎「鹿児島に行くという事は、俺が清澄から『転校』する可能性があるってことです。」
久「ちょっと……そんな事聞いてないわよ!?」
京太郎「でしょうね、霞さんが素直に言うわけが無い。」
京太郎「霞さんなんて言ってましたか?」
久「ただ須賀君を借りたいとしか言ってないわ。」
京太郎「あの人が一言でも『返す』なんていいましたか?」
久「っ!……石戸さん……とんだ食わせ者ね……」
京太郎「まぁ、飽くまで『転校』する可能性があるだけです。」
京太郎「だから退部届けだけ部長に渡しておきます。」
久「そう、わかったわ、でも『預かる』だけよ?」
京太郎「ご自由に、それでは俺は鹿児島に向かいますんで。」
まこ「京太郎。」
だって借りるって言ったら普通一日二日で済む用事じゃないですかやだー
まあ知り合いの女子高生が男子高校生を貸してくれって言ってきたからって
まさか転校とかの規模になるとは思わんわなww
まさか転校とかの規模になるとは思わんわなww
いや、本人の意思も確認せずに鹿児島の人に長野の人を貸すのを了承するのは十分人としてアウトじゃね?
京太郎「はい、なんですか?」
まこ「咲達にはもう言ったのか?」
京太郎「……大丈夫ですよ『転校』するときはちゃんと咲達には言いますから。」
京太郎「……短い間ですが今までお世話になりました。」
京太郎「さようなら。」
まこ「…………」
久「…………」
まこ「……のう、久。」
久「私のせいかしら……」
まこ「さてのう、そんなことわからんよ。」
久「はぁ……」
まこ「咲達にはもう言ったのか?」
京太郎「……大丈夫ですよ『転校』するときはちゃんと咲達には言いますから。」
京太郎「……短い間ですが今までお世話になりました。」
京太郎「さようなら。」
まこ「…………」
久「…………」
まこ「……のう、久。」
久「私のせいかしら……」
まこ「さてのう、そんなことわからんよ。」
久「はぁ……」
俺は迎えに来た母親の車に乗って空港まで向かい、霞さんと合流したあと鹿児島行きの飛行機に乗った。
霞「こんな事に巻き込んでごめんなさい。」
京太郎「いいですよ、最終的には俺が決めたことですし、それに部長達には挨拶は済ませましたから。」
霞「許されたくて言うわけじゃないけど……事が終わったら、貴方の言う事なら何だってしてあげるわ。」
京太郎「"事が終わったら"ですか、そのとき俺はどうなっているんでしょうね……」
霞「あ……ごめんなさい、無神経な発言だったわ。」
京太郎「いえ、気にしないで下さい。」
霞「…………」
それから鹿児島に着くまでは重たい沈黙の中、一切話すこともせず、本家へと歩を進める。
神代家の敷居を跨ぐなんていつ振りだろうか。
もうこの門を潜るの事なんてないと思っていたのに。
妙な郷愁感を抱きつつ敷居を跨ごうとしたら掛け声と共に俺の体へと何かが衝突してきた。
霞「こんな事に巻き込んでごめんなさい。」
京太郎「いいですよ、最終的には俺が決めたことですし、それに部長達には挨拶は済ませましたから。」
霞「許されたくて言うわけじゃないけど……事が終わったら、貴方の言う事なら何だってしてあげるわ。」
京太郎「"事が終わったら"ですか、そのとき俺はどうなっているんでしょうね……」
霞「あ……ごめんなさい、無神経な発言だったわ。」
京太郎「いえ、気にしないで下さい。」
霞「…………」
それから鹿児島に着くまでは重たい沈黙の中、一切話すこともせず、本家へと歩を進める。
神代家の敷居を跨ぐなんていつ振りだろうか。
もうこの門を潜るの事なんてないと思っていたのに。
妙な郷愁感を抱きつつ敷居を跨ごうとしたら掛け声と共に俺の体へと何かが衝突してきた。
「お久しぶりです! 京太郎君!」
「うおっ!? ……お久しぶりです、姫様。」
「うおっ!? ……お久しぶりです、姫様。」
姫様、おもちがあたってます、今まで冷静でシリアスモードの京太郎君の京太郎君がおかしな方向に向かっちゃうので離れてください。
絶対俺のおもち好きは霞さんとお姫様のせいだ、うん、そうに違いない。
そんな誰に言ってるかもわからない言い訳をしてる最中に矢継ぎ早に声を掛けられる。
絶対俺のおもち好きは霞さんとお姫様のせいだ、うん、そうに違いない。
そんな誰に言ってるかもわからない言い訳をしてる最中に矢継ぎ早に声を掛けられる。
「お久しぶりなのですよー」
「久しぶり、京太郎。」
「お久しぶりです初美さん、巴さん。」
小柄な体躯でだらしなく巫女服を着ているのは薄墨初美さん。
眼鏡を掛けた赤髪の人は狩宿巴さん。
信じられない事に(主に初美さんの方だが)二人とも俺より二つ年上である。
最後の一人に黒糖を齧りながら現れる女がいた。
「ん、久しぶり。」
「おう、久しぶりだな、春。」
こいつは少し離れた親戚(と言ってもここにいる全員は漏れなく親戚なのだが)の滝見春。
一番血筋と歳が近いはずなのに何考えてるか一番分からん奴だ。
「久しぶり、京太郎。」
「お久しぶりです初美さん、巴さん。」
小柄な体躯でだらしなく巫女服を着ているのは薄墨初美さん。
眼鏡を掛けた赤髪の人は狩宿巴さん。
信じられない事に(主に初美さんの方だが)二人とも俺より二つ年上である。
最後の一人に黒糖を齧りながら現れる女がいた。
「ん、久しぶり。」
「おう、久しぶりだな、春。」
こいつは少し離れた親戚(と言ってもここにいる全員は漏れなく親戚なのだが)の滝見春。
一番血筋と歳が近いはずなのに何考えてるか一番分からん奴だ。
「すまないな、京太郎君……」
「おじさん……」
中年の男性が出て来て申し訳なさそうな顔をしながら俺に声を掛けてきた。
お姫様の父親だ。
京太郎「祓う側の尻拭いは任せてください。」
自分では冗談っぽく言ったつもりだが、姫様以外には苦笑い物だったらしい。
と言うより姫様以外は全員顔に暗い影を落としていた。
知らぬは当事者の姫様のみ、ってところか……
おじさんに中に入るよう促がされ、大きな屋敷の一室に通される。
二人きりになりおじさんは少し間が空いたあと、苦々しい顔をしながら口を開いた。
「おじさん……」
中年の男性が出て来て申し訳なさそうな顔をしながら俺に声を掛けてきた。
お姫様の父親だ。
京太郎「祓う側の尻拭いは任せてください。」
自分では冗談っぽく言ったつもりだが、姫様以外には苦笑い物だったらしい。
と言うより姫様以外は全員顔に暗い影を落としていた。
知らぬは当事者の姫様のみ、ってところか……
おじさんに中に入るよう促がされ、大きな屋敷の一室に通される。
二人きりになりおじさんは少し間が空いたあと、苦々しい顔をしながら口を開いた。
小蒔父「すまないね、こんな事に巻き込んでしまって。」
京太郎「……須賀家の宿命みたいなものですから。」
京太郎「逃げられるものでもないですよ。」
小蒔父「君たちがされた仕打ちを考えたらこんな事頼める立場ではないが……」
小蒔父「君に小蒔を護って貰いたい……」
京太郎「……ええ、分かっています。」
小蒔父「……私は、我が子可愛さに君に犠牲に成ってもらおうとしている。」
小蒔父「君のお父さんの件についても……」
小蒔父「私は……最低な大人だ……」
京太郎「…………」
小蒔父「それでも私は……一人の父親として小蒔には生きていて欲しい……」
京太郎「別におじさんたちに想う事が無いとは言いませんが、親父はみんなを守るために動いた。」
京太郎「それに本家とか分家とかは好きではないですけど、おじさんがやらせたわけじゃないし、姫様も関係ない。」
京太郎「……須賀家の宿命みたいなものですから。」
京太郎「逃げられるものでもないですよ。」
小蒔父「君たちがされた仕打ちを考えたらこんな事頼める立場ではないが……」
小蒔父「君に小蒔を護って貰いたい……」
京太郎「……ええ、分かっています。」
小蒔父「……私は、我が子可愛さに君に犠牲に成ってもらおうとしている。」
小蒔父「君のお父さんの件についても……」
小蒔父「私は……最低な大人だ……」
京太郎「…………」
小蒔父「それでも私は……一人の父親として小蒔には生きていて欲しい……」
京太郎「別におじさんたちに想う事が無いとは言いませんが、親父はみんなを守るために動いた。」
京太郎「それに本家とか分家とかは好きではないですけど、おじさんがやらせたわけじゃないし、姫様も関係ない。」
小蒔父「でも、それでは君の気持ちは晴れないんじゃないのかね?」
京太郎「……もし怒りをぶつけるとしたら爺共と親父の仇に対してですよ。」
京太郎「どうせ今回、俺を呼ぶように考えたのも、奥に引篭もって偉そうに踏ん反り返ってる糞爺共でしょう?」
小蒔父「気持ちはわかるが、あまりそういう言い方は感心出来ないな……」
京太郎「っと、失礼しました。」
京太郎「とりあえず、化け物退治の方法でも考えますよ。」
小蒔父「そうか、こういう知識は君たちの方があるだろうから、そこは君たちに任せるよ、必要なものがあるなら言ってくれ。」
そう言っておじさんは部屋を出て行った。
多分、俺は生きては帰って来れないかもしれない。
少なくとも、俺自身ただではすまない。
親父が手傷を負わせたとはいえ、相手はとてつもない化け物なのだ。
ものの数分も経つと、巴さんと春がおじさんに連れられてやってきた。
この狩宿家と滝見家の二人と須賀家の俺は、所謂祓う側の人間だ。
と言っても各々の家は役割が違うし、何より須賀家は代々、祓う側の中でも少々特殊なのだが……
京太郎「……もし怒りをぶつけるとしたら爺共と親父の仇に対してですよ。」
京太郎「どうせ今回、俺を呼ぶように考えたのも、奥に引篭もって偉そうに踏ん反り返ってる糞爺共でしょう?」
小蒔父「気持ちはわかるが、あまりそういう言い方は感心出来ないな……」
京太郎「っと、失礼しました。」
京太郎「とりあえず、化け物退治の方法でも考えますよ。」
小蒔父「そうか、こういう知識は君たちの方があるだろうから、そこは君たちに任せるよ、必要なものがあるなら言ってくれ。」
そう言っておじさんは部屋を出て行った。
多分、俺は生きては帰って来れないかもしれない。
少なくとも、俺自身ただではすまない。
親父が手傷を負わせたとはいえ、相手はとてつもない化け物なのだ。
ものの数分も経つと、巴さんと春がおじさんに連れられてやってきた。
この狩宿家と滝見家の二人と須賀家の俺は、所謂祓う側の人間だ。
と言っても各々の家は役割が違うし、何より須賀家は代々、祓う側の中でも少々特殊なのだが……
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