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元スレ滝見春「神代の浄人」
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立ったら書く、というか貼る
前半は書き終わっているので更新できなかったら寝落ちか猿だと思ってくれ
↓の続き物です
京太郎「神代の守人」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1357370912/
http://www.logsoku.com/r/news4vip/1357370912/
小蒔「神代の戻人」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1364639284/
http://www.logsoku.com/r/news4vip/1364639284/
前半は書き終わっているので更新できなかったら寝落ちか猿だと思ってくれ
↓の続き物です
京太郎「神代の守人」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1357370912/
http://www.logsoku.com/r/news4vip/1357370912/
小蒔「神代の戻人」
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「はい、これ御札と取替え用の包帯ね。」
「ありがとうございます、巴さん。」
「気を付けて行って来てね。」
「ん。」
巴さんから必要な物を受け取って言葉を交わすが……
俺の横でポリポリと音を立てている春が何故か応えた。
今は空港まで向かうタクシーに揺られながら春と会話をしている。
京太郎「なぁ春、良子さん何か言ってなかったか?」
春「何も。」
京太郎「そうか……春、お前俺に付いてきて良かったのか?」
春「ん、京太郎一人だと何かと不便だと思うから……」
京太郎「それにしても良子さんに何やらさられるか分かんないのに剣がないのは心許無いな。」
春「京太郎が折ったのが悪い……」
春「剣を打って貰うのにもお金と時間は掛かる……」
京太郎「んなこた解ってるよ。」
剣という単語を発して一人ゴチる。
大蛇から出た剣、そしてそれを神懸りして出した剣。
熟(つくづ)く縁があると思う。
春「? どうしたの。」
京太郎「いや、大蛇に止めを刺した剣と縁があるなって思ってさ。」
春「? 本物じゃないんじゃ?」
京太郎「霊格だけは本物だよ。」
京太郎「それと九面神全部言ってみてくれ。」
春「? 良いけど……」
春「邇邇藝命、天児屋命、布刀玉命、天宇受売命、伊斯許理度売命、玉祖命……」
春「それと思金神、手力男神、天石門別神……」
京太郎「そ、天孫降臨の九柱だ。」
京太郎「で、邇邇藝命(ニニギニノミコト)が三種の神器を受け取ったわけだが……」
京太郎「八尺瓊勾玉、八咫鏡、天叢雲剣の中の天叢雲剣は別名草薙の剣。」
京太郎「ウチの主祭神が八岐大蛇を退治した時に尾から出てきた剣なんだがそれを姉である天照大神に献上した後は孫に渡った訳だ。」
京太郎「何か縁を感じてなーって。」
京太郎「そう思っただけだ。」
春「ウチ(霧島神宮)と京太郎のおじさん側の実家の縁……」
春「ニニギの父神である天忍穂耳命は天照大神と須佐之男命の誓約の際……」
春「須佐之男命が天照大神から受け取った玉を噛み砕き、吹き出した息の霧から生まれた……」
春「確かに縁が無くもない……」
そんな話をしながら空港から空の便に乗って大阪まで向かった。
着いた先では記憶の中より大人っぽくなった良子さんとニコニコした女の人が車で迎えに来ていてくれた。
良子「ロングタイムノーシー、ハル、京太郎。」
春「ん。」
京太郎「お久しぶりです。」
京太郎「ところで良子さん、そちらの人は?」
郁乃「私は姫松高校麻雀部で監督代行やっとる赤阪郁乃です~、よろしくな~。」
実はこのとき若干警戒していた。
身内の出迎えに赤の他人が入るということは依頼人か若しくはその関係者だと睨んでいたからだ。
京太郎「良子さん、赤阪さんってもしかして依頼人とかですか?」
良子「ノーウェイ、彼女は私の知り合い。」
郁乃「も~そんなに警戒せんとってぇな~。」
京太郎「でも俺たちに関係ない赤阪さんがいるってことは何か頼む気でしょう?」
良子「……あ~……イグザクトリー……」
良子「でも大したプロブレムでもない……かなー?」
春「気になる……」
良子「大丈夫、ハルはノータッチな話だから。」
京太郎「ということは俺か……俺、腕骨折してるんですけど……」
良子「片手動けば十分、のはず。」
郁乃「ささ、はよ車に乗って~。」
赤阪さんが運転する車に乗ってとある場所に向かった。
――その頃鹿児島――
パタパタと足音を立てて歩きながら人を捜す少女が一人。
うろうろとうろつき、きょろきょろと見回す。
小蒔「京太郎く~ん。」
部屋の戸を開けて声掛けしてはまたパタパタと歩き回る。
小蒔「京太郎くーん。」
しかし捜せど捜せどお目当ての人物は見当たらない。
やがてそんな声を聞きつけたのか彼女の父親がやってきた。
神代父「どうしたんだ。」
小蒔「あ、お父様……京太郎君を見ませんでしたか?」
神代父「なんだ、知らなかったのか。」
小蒔「?」
神代父「京太郎君なら今朝方、大阪に旅に出たぞ。」
小蒔「………………」
小蒔「どういうことですか!?」
神代父「どういうことも何も彼が急に大阪に行くと言ってだな……」
小蒔「私そんな事聞いてません!」
ぷんすかと音を立てて怒る彼女の声が境内中に響き渡ったそうな。
――――――――――
車が止まり、赤阪さんが目的地に着いたことを告げてきた。
姫松高校。
確か咲達と当たった高校。
インハイ二回戦では小蒔ちゃん達とも当たった高校。
俺たちはその校舎の一角にある部屋へと案内された。
郁乃「ただいま戻ったで~。」
「お~お帰りなさ……代行、その人たちは……?」
郁乃「なんや~末原ちゃん、知っとるやろ~?」
「いやまぁ、確かに知っとるといえば知ってますけど……」
「何でここに?」
そんなもの正直俺が聞きたい。
末原さんという人が戸惑っていると後から赤毛の女子が割って入ってきた。
「お~なんやなんや~?」
京太郎「えっと確か、春や竹井先輩と当たった……」
洋榎「大阪で一番イケてる女子高生こと愛宕洋榎とはウチのことやでー!」
洋榎「それにしてもなんや? ウチのファンか、かー! モテる女は辛いわー。」
京太郎「一言もそんな事は言ってないです。」
洋榎「なんやノリ悪い兄ちゃんやなー。」
京太郎「ノリとか知らないですし。」
春「祝詞は知ってるのに……」
洋榎「なんやダジャレかい!」
洋榎「ってあんた鹿児島の……」
春「滝見春、久しぶり。」
洋榎「久しぶりやな、この兄ちゃんってもしかしてあんたの彼氏?」
京太郎「ただの親戚です。」
恭子「あの、主将?」
恭子「この金髪の人は……?」
洋榎「知らん!」
洋榎「大阪で一番イケてる女子高生こと愛宕洋榎とはウチのことやでー!」
洋榎「それにしてもなんや? ウチのファンか、かー! モテる女は辛いわー。」
京太郎「一言もそんな事は言ってないです。」
洋榎「なんやノリ悪い兄ちゃんやなー。」
京太郎「ノリとか知らないですし。」
春「祝詞は知ってるのに……」
洋榎「なんやダジャレかい!」
洋榎「ってあんた鹿児島の……」
春「滝見春、久しぶり。」
洋榎「久しぶりやな、この兄ちゃんってもしかしてあんたの彼氏?」
京太郎「ただの親戚です。」
恭子「あの、主将?」
恭子「この金髪の人は……?」
洋榎「知らん!」
なんじゃそりゃ、そう思いもしたが俺が名乗ってないことを思い出した。
気を改めてきちんと自己紹介することにした。
京太郎「自己紹介が遅れました、元清澄高校麻雀部の須賀京太郎です。」
恭子「きよ……すみ?」
洋榎「なんやにーちゃん清澄やったんか。」
京太郎「ええ、元ですが。」
恭子「アカン……」
京太郎「あの、この人どうしたんですか?」
洋榎「あー……恭子ちょっと清澄がアカンねん。」
――――――――――
咲「ここどこぉ……」
咲「霧島神宮ってどこ……」
「あら? あれは確か……」
咲「京ちゃんはどこ……グスッ……」
「もしかして宮永さんですか?」
咲「ふぇ? あ、はい……」
「いきなり失礼しました、私、花田煌と申します。」
咲「あ、優希ちゃんや和ちゃんの先輩の……」
煌「はい、何かお困りのようでしたから。」
咲「すみません、その……道が分からなくて……」
煌「それは大変でしたね、どちらまでですか?」
咲「霧島神宮へ……」
煌「……はい?」
咲「多分近くまで来てるはずなんですが……」
煌「ここ、福岡ですよ……」
咲「お、同じ九州だから近い……ですよね……?」
煌「道……教えますから……」
咲「ご迷惑おかけします……」
――――――――――
洋榎「それよりガースーは麻雀部なんやろ? こっちでウチと打とうや。」
京太郎「俺、麻雀めちゃくちゃ弱いですよ。」
洋榎「またまた~、清澄やったら打てるやろ。」
春「実力で言えばうちの姫様(素の状態)レベル……」
洋榎「姫様? 誰なん?」
良子「鹿児島の神代小蒔のことですねー。」
洋榎「神代(インハイ)レベルか! めっちゃ燃えてきた!」
春「うん、姫様(素の状態)レベル。」
京太郎「露骨な情報の齟齬が見える!」
洋榎「早速打つで!」
京太郎「ちょっとまって!?」
俺は引きずられて強引に卓に着かされた。
上家に愛宕さん、対面に眼鏡のおもち美少女、下家に先ほどの末原さんが座ってた。
春は俺の後ろでポリポリと咀嚼音を立てている。
洋榎「そういえばガースーや滝見て踊ったりできるん?」
京太郎「踊る?」
洋榎「ほら、神社とかで巫女さんとかが踊る奴あるやん。」
京太郎「神楽ですか?」
洋榎「そやそや、それや。」
春「私はたまに奉納舞を手伝う……」
京太郎「俺は一般的な奴じゃないですけど親父から叩き込まれました。」
洋榎「はぇ~すごいなー、今度見せてぇな。」
京太郎「怪我してるので。」
春「私は一人じゃ出来ない……」
恭子「何で怪我したん?」
京太郎「ちょっとした事故に巻き込まれまして。」
京太郎「そんなわけで今は舞えません。」
京太郎「踊る?」
洋榎「ほら、神社とかで巫女さんとかが踊る奴あるやん。」
京太郎「神楽ですか?」
洋榎「そやそや、それや。」
春「私はたまに奉納舞を手伝う……」
京太郎「俺は一般的な奴じゃないですけど親父から叩き込まれました。」
洋榎「はぇ~すごいなー、今度見せてぇな。」
京太郎「怪我してるので。」
春「私は一人じゃ出来ない……」
恭子「何で怪我したん?」
京太郎「ちょっとした事故に巻き込まれまして。」
京太郎「そんなわけで今は舞えません。」
洋榎「そんなけち臭い事言わんといてぇな……」
「お姉ちゃん……いきなり失礼やで……」
恭子「そうですよ。」
洋榎「んなこと言われても見たいもんは見たいやん……あ、それロン、5200な~。」
京太郎「やべ……」
そのあとズタボロにされてラスになった。
「お姉ちゃん……いきなり失礼やで……」
恭子「そうですよ。」
洋榎「んなこと言われても見たいもんは見たいやん……あ、それロン、5200な~。」
京太郎「やべ……」
そのあとズタボロにされてラスになった。
洋榎「なんやガースーよわよわやんけ。」
京太郎「だから言ったでしょう。」
洋榎「誰や! 神代小蒔レベル言うたんは!」
春「嘘は言ってない。」
京太郎「でも意図的に隠したよな?」
春「なんのことやら……」
絹恵「ところでその人誰なん?」
京太郎「あ、須賀京太郎です、何故ここにいるのかも不明な元清澄の麻雀部員です。」
絹恵「ウチの自己紹介まだやったね。」
洋榎「ガースー麻雀部員ってほんまなん? 明らかに初心者の域やで?」
絹恵「ちょっとお姉ちゃん!? 人が自己紹介してる時に話に割って入らんといてや!」
恭子「あはは……相変わらずですね……主将は……」
洋榎「ええやんええやん、で……どうなん?」
京太郎「ああ、清澄ではずっと雑用やってました。」
洋榎「……マネージャーなん?」
京太郎「あはは……違いますよ、一応。」
そうやって自虐めいて言う。
『元』という言葉を強調するのも、もう関係ない人間だと周りに言う為、自分に言い聞かせる為。
俺は少し逡巡した後、良子さんに目線を送る。
俺の目線を受けた良子さんは俺に向かって小さく頷く。
恐らくゴーサインってことだろう。
多分こちらが本題だ。
京太郎「わかりました。」
良子「私もトゥギャザーします。」
雅枝「決まりやな、ほな行くで。」
洋榎「なんや~ガースーあんまりおられんかったな~。」
雅枝「あ、せや……ひろ、あんた今日はおかず抜きやからな。」
洋榎「オカン……それだけは勘弁してぇな……」
春「黒糖……食べる?」
洋榎「……あんがと。」
春「……折角だから麻雀打つ?」
洋榎「あんた、ええやつやな……」
郁乃「絹恵ちゃん、洋榎ちゃんお迎えやで~。」
洋榎「なんやなんや~? またウチのファンかいなー?」
雅枝「何言うとんの。」
洋榎「げ!? オカン!? なんでここに!?」
雅枝「『げ』ってなんや、『げ』って。」
雅枝「折角あんたらどんな具合か見に来てやった言うんに。」
雅枝「今晩ひろだけ唐揚げ抜きやな。」
洋榎「そ、それはなんというか言葉の綾やねんて!」
絹恵「お姉ちゃん……唐揚げ一つにどんだけ執着持ってんの……」
雅枝「ところで、ひろにきぬ、あんたらあの子と打ったんやろ、どやった?」
絹恵「いきなりなんなん? お母さん。」
雅枝「なんか感じるもんなかったん? 特に金髪の子の方。」
洋榎「滝見の方はまぁ中々の打ち手やけどガースーはズブのド素人中のド素人やで?」
雅枝「ふむ……なるほどなぁ……まぁええわ。」
洋榎「いきなりなんやねん?」
雅枝「気にせんといてええ、こっちの話やから。」
何か愛宕さんたち三人がこそこそ話が終わったかと思ったら妙な提案をしてきた。
雅枝「あ~……赤阪さん、千里山で打ってくれる子を一人か二人ほどに連れて行きたいんやけど。」
郁乃「あら~そんなん急に言われてもな~うちの子たちを流石に貸す訳には~……」
郁乃「あ、居たやないの、うちの部の子じゃない麻雀部が~。」
京太郎「赤阪さん白々しいです。」
洋榎「なんや! ガースー出陣か!?」
京太郎「そうみたいですね。」
洋榎「せやったらうちも付いてったってもええで!?」
雅枝「あんたはいらん。」
洋榎「なんでや! たまにはうちも別の人と打ちたい~!」
雅枝「あかんもんはあかん。」
洋榎「なんやこのケチクソババァ!」
雅枝「ああん?」
洋榎「あ!? 今のはうそうそ! うちのオカンは美人で優しい世界一のオカンや!」
雅枝「……はぁ、まぁええわ。」
雅枝「須賀君やったっけ、うちに……千里山に力を貸してくれへん?」
京太郎「…………」
俺は少し逡巡した後、良子さんに目線を送る。
俺の目線を受けた良子さんは俺に向かって小さく頷く。
恐らくゴーサインってことだろう。
多分こちらが本題だ。
京太郎「わかりました。」
良子「私もトゥギャザーします。」
雅枝「決まりやな、ほな行くで。」
洋榎「なんや~ガースーあんまりおられんかったな~。」
雅枝「あ、せや……ひろ、あんた今日はおかず抜きやからな。」
洋榎「オカン……それだけは勘弁してぇな……」
春「黒糖……食べる?」
洋榎「……あんがと。」
春「……折角だから麻雀打つ?」
洋榎「あんた、ええやつやな……」
今度は愛宕さんが運転する車に揺られて千里山まで出向く。
途中車内で良子さんと会話をしていた。
良子「京太郎、ハイスクールはどうしてる?」
京太郎「もう清澄からは退学してますからね……」
京太郎「そのあと鹿児島に来てまもなくこの有様ですし。」
俺はそう言いながら折れた腕を見せた。
正直鹿児島に着いた後のことなんか考えてなかった。
周りとは今生の別れのつもりで身の回りの整理をしたわけだし。
もしかしたらお袋か小蒔ちゃんのお父さんが手続きしてくれているかもしれないがそれも未確認のままだ。
それを察したのか察してないのかは知らないが良子さんが続ける。
良子「進路はどうするつもり?」
京太郎「……余り考えてなかったんですけど……高校に転入させてもらうか大検受けるかして私立の大学に行こうかと思ってます。」
良子「どこのか聞いて良い?」
京太郎「渋谷か、もしくは伊勢ですね。」
良子「国学院か皇学館……」
良子「……京太郎はおじさんの跡を継ぐつもり?」
京太郎「出来れば……まだ15歳なんでどうなるかなんてわかりませんけど。」
――その頃鹿児島――
自室で奮起するお姫様が一人。
旅に行く為の鞄に色々詰め込んで準備をする。
「よし! これで準備は出来ました!」
「後は霞ちゃんたちにバレ無いように抜け出せば……」
「?」
だが表に何やら不穏な空気が流れている。
少女が来訪者に気付いて身を潜めた。
来訪者はどこかで見たことのある少女だ。
「ここが、京ちゃんのハウスだね。」
「あら、貴女は……」
「宮永咲です、石戸さん、今日は京ちゃんを取り返しに来ました。」
「あらあら……京太郎君は今居ないわよ?」
「そんなこと言って本当は隠してるんでしょう!?」
「本当よ、今彼は大阪に居るの。」
「京ちゃんを返して、あとおトイレ貸してください……」
「……京太郎君は置いてといて……お手洗いはそこの廊下の突き当たった所を右よ。」
用を足した彼女が御手洗いから出た時、傍らから出てきた少女が声を掛ける。
それは自身の目的の為だが箱入り娘だったためか一人では心細かったようだ。
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