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元スレやよい「チキンライス」
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──12月1日──
律子「……はい。 ……はい、ではその時間からで……細かい調整は後日」
律子「……はい、よろしくお願いいたします! それでは! 失礼いたします」ピッ
律子「……ふぅ、とりあえずひと段落ね……」
小鳥「竜宮小町のクリスマスライブですか?」
律子「はい。ようやく固まりました……物販の準備も着々と進んでますし、後は本番に向けてレッスンあるのみです」
P「順調そうだな。イブの夕方から?」
律子「ええ! 中規模もライブハウスではありますけど、もう楽しみで楽しみで……」
小鳥「あと3週間ってところですか。頑張ってくださいね」
P「こっちもそこまでじゃないけど、色々やることがあるから大変だよ」
律子「そうですね。ただ、竜宮含めて肝心のアイドルたちが……」
真美「ひびき~ん、ここよく分かんない」
亜美「もっとちゃんと教えてよー、勉強得意なんでしょ?」
やよい「…………」カリカリ
響「いや、だからここは代入して……分かるだろ? さっき余裕で解いてたじゃんか」
真美「いきなし大乳とか言われても~」
亜美「亜美たちそんなボインじゃないしー」
やよい「…………」サラサラ
響「誰がそんな話した!? あ゛ーもう、プロデューサー何とかしてよ!」
伊織「響うるさい! テレビが聞こえないでしょ!」
あずさ「まあまあ伊織ちゃん、そんなに怒らなくても……」
律子「緊張感ゼロなんですよね」
P「お前ら……少し静かにな、こっちは仕事してるんだ」
やよい「…………」ゴシゴシ
伊織「こいつらに言いなさいよ!さっきから全く……」
響「だって、亜美も真美もホントはできるのに自分をバカにするんだもん……自分だって成績悪くないのに!」
伊織「あのねぇ、やよいを見習いなさい。あんたらがうるさく騒いでるすぐ隣で黙々と勉強できてるじゃないの」
やよい「…………」サラサラ
あずさ「やよいちゃん、すごいわねぇ。うふふっ」
やよい「……えっ? な、何がですか?」
律子「よくそこで集中できるわね。尊敬するわ……」
やよい「ご、ごめんなさい。聞いてませんでした……」
P「いやいや、いいんだよ。邪魔して悪かったな」
伊織「コイツらがこんなにうるさいのに、気が散らないの?」
亜美「ホントだよ」
真美「さすがだねー」
P「……お前らが言うな」
やよい「私いつも弟たちが遊んでるすぐ側で宿題とかやってるから……慣れちゃったのかも。えへへー」
律子「なるほどね、そういうわけ」
亜美「律っちゃんたちこそコソコソ話してさ~、亜美たちの悪口でも言い合ってたの?」
律子「そんなわけないでしょ。それぞれのクリスマスのお仕事についての話よ」
真美「クリスマスも平気でお仕事入れちゃうなんて、兄ちゃんたちは揃って鬼だよ」
P「何を言ってるんだ」
小鳥「まあまあ、真美ちゃんたちは中学生だから、そんなに遅くにはならないから安心して」
律子「ええ。それに仕事は24日に集中してて、当日はいくらか楽なスケジュールになってるから」
亜美「ぶー、まあいいけどさ……あっそうだ! 皆でクリスマスパーチーみたいなのはやんないの? ねえ」
真美「おっ! だねだね、去年もここでやったし今年も皆で……」
やよい「!」
P「?」
律子「あのねぇ、去年とは事情が違うでしょ。皆そこそこには仕事が取れるようになってきてるんだから、ましてやライブもあるのに……」
亜美「えーっ?! やんないの!?」
真美「つまんないよ~! いいじゃん別に!」
小鳥「あらあら……」
P「……やっても良いけど、皆の都合がつくか分からないぞ?仕事だって延びるかもしれないんだし」
あずさ「……でも、やっぱりせっかくですから事務所の皆でお祝いしたい気持ちもあります。雪歩ちゃんの誕生日でもあるし……」
伊織「……いいんじゃない? その程度で仕事に支障なんて出ないでしょ、私たちはプロよ」
律子「……二人まで……どうします?」
P「どうするもこうするも、まあ全員集まれる保証がなくても良いならやって構わないんじゃないか?」
やよい「……それって、ここでやるってことですか?」
小鳥「? ええ、たぶん……」
やよい「だったら……ごめんなさい、もしかしたら無理かもです……」
響「どうしてなんだ?」
やよい「お父さんとお母さん忙しいし、もしかしたらクリスマスも遅くまでお仕事してるかも……」
亜美「そなの?」
やよい「うん……そうなったら、弟たちの面倒は私が見ないといけないから」
伊織「へぇ……」
あずさ「あら、大変……それは仕方ないわね」
P「うーん……なるほどなあ」
律子「そういうこと……」
やよい「それに、私だけそうやって楽しんじゃったらずるいですから……」
伊織「やよいだけって?」
小鳥「…………」
亜美「……ずるい? 何の話?」
やよい「……あっ、ううん。なんでもないの!」
P「…………」
やよい「……あ、あの! まだ決まったことじゃないんで、そんなに気にしないでください!」
P「……そうだな。とりあえずやるっていう方向でいいんだよな?」
律子「……そうね。計画だけでも立てておきましょうか」
亜美「わーい!」
真美「やよいっちも来れたら良いね!」
やよい「うん! ……私も楽しみにしてますね、プロデューサー」
P「ああ。だけどまずはその勉強と、あと仕事な」
真美「……うげぇ」
響「……ほら、亜美。次この問題」
亜美「……メンドいなぁ……」
律子「一時間で終わらせてね。そしたら次の仕事に出発するから」
亜美「はーい……」
P「あ、音無さん。ちょっといいですか? 律子も」
小鳥「どうかしたんですか?」
律子「何の話ですか?」
P「今の話なんだけど……」
やよい「…………」サラサラ
あずさ「…………」
伊織「…………」
──────
やよい「うん……仕方ないよ。忙しいんだもんね……お仕事頑張ってって、お父さんにも伝えといて」
やよい「……あの、一応聞きたいんだけど……24日って……」
やよい「……そっか。うん……うん…………ううん、いいよ。私はあんまり遅くならないから」
やよい「大丈夫……事務所で? …………何もしないって」
やよい「み、みんな忙しいから……皆揃ってパーティーなんてやってる余裕ないと思うし……」
やよい「……うん。うん。だから私が皆の面倒見ておくね」
やよい「……はい。バイバイ」ピッ
やよい「…………」
やよい「……あ~ぁ。ダメになっちゃった」
やよい「…………洗濯物畳もっと」
『……サンタクロースに扮したコメスケがいきなり晩御飯に突撃!……』
やよい「…………ふぅ、あともう少し……」
やよい「……ふぁぁぁぁぁあっ…………ぁふ……」
長介「……やよい姉ちゃん、洗濯物畳むの手伝おうか?」
やよい「えっ? ……ううん、大丈夫だよ。ありがとう」
長介「ホントに? 疲れてるんじゃないの? 眠そうだよ」
やよい「平気だから。浩太郎たちの面倒見てて」
長介「……うん」
『……サンタらしく、ついでにクリスマスプレゼントも!24日放送……』
長介「……なあ、あんまり無理しすぎちゃダメだからな」
やよい「無理なんてしてないよ。お父さんとお母さんが忙しいんだもん、私が頑張らなきゃ」
長介「……何か手伝えることがあったら言ってくれよ」
やよい「うん」
長介「…………サンタか」
やよい「…………」
長介「……じゃ」
やよい「…………」
やよい「…………ふぅ……頑張らないと……」
やよい「…………」
やよい「…………」コクッ…コクッ
やよい「……!」
やよい「……だめ……頑張らないと……ぅ……」コクッ…コクッ
やよい「……あといちまい……ふぁ……」コクッ…コクッ
ポスン
やよい「………すぅ……すぅ……」
やよい「………すぅ……すぅ……」
長介「やよい姉ちゃん、浩太郎たち寝たよ。……あれ」
やよい「………スゥ……スゥ……」
長介「…………やっぱり疲れてたんじゃんか。あーあ、畳んだ洗濯物枕にしちゃってるよ」
長介「かすみー。かすみー、ちょっと来て。姉ちゃん布団まで運ぶから手伝って」
──12月4日──
やよい「おはようございます!」
春香「あっ、やよいー。おはよう」
やよい「あ、春香さん! 今日は午前中はお休みなんですか?」
春香「そうだよ。やよいは?」
やよい「私もなんですけど……ちょっとプロデューサーにお話が」
春香「? プロデューサーさんなら会議室にいるよ」
やよい「あ、ありがとうございます!」
春香「あ、そうだ。その話ってのが終わったら、飴あげるね! 昨日作ってみたんだ」
やよい「えっ! 飴ってお家で作れるんですか!? 春香さんすごいです……」
春香「大したことじゃないよ、あはは……行ってらっしゃい」
やよい「はーい!」
「……じゃあ、プロデューサーさんにお任せしますね」
「どうもありがとうございます」
やよい「おはようございます!」
春香「あっ、やよいー。おはよう」
やよい「あ、春香さん! 今日は午前中はお休みなんですか?」
春香「そうだよ。やよいは?」
やよい「私もなんですけど……ちょっとプロデューサーにお話が」
春香「? プロデューサーさんなら会議室にいるよ」
やよい「あ、ありがとうございます!」
春香「あ、そうだ。その話ってのが終わったら、飴あげるね! 昨日作ってみたんだ」
やよい「えっ! 飴ってお家で作れるんですか!? 春香さんすごいです……」
春香「大したことじゃないよ、あはは……行ってらっしゃい」
やよい「はーい!」
「……じゃあ、プロデューサーさんにお任せしますね」
「どうもありがとうございます」
「何を企んでるか知りませんけど、楽しみにしてますよ!」
「あはは、頑張らないとな……」
コンコン
ガチャ
P「ん?」
やよい「……あ、あのっ、おはようございます!……邪魔しちゃったんならごめんなさい」
P「やよいか、おはよう。こっちの話なら今終わったところだから心配要らないぞ」
小鳥「おはよう。今日も頑張りましょうね」
律子「何か用でもあるのかしら?」
やよい「はい、プロデューサーにちょっと……」
P「どうした?」
やよい「……なので……ごめんなさい」
P「いいよ、気にするな。急に言い出したのも悪かったし」
やよい「あの、私のことは気にせず皆さんで楽しんでください」
P「…………」
やよい「…………」
P「……まあ、皆のクリスマスだしな」
やよい「はい! 仕方ありません」
P「……じゃあ、今日も一日頑張って。レッスンはあとで様子見に行くから」
やよい「お願いしまーす! じゃあプロデューサー、また後で」
バタン
春香「おかえりー」
やよい「ただいまです!」
春香「何の話してたの?」
やよい「そ、それは……大したことじゃ」
春香「そっか。はい、飴! 味見はちゃんとしたからばっちりだよ」
やよい「うわー、ありがとうございます! おいしそう……」
春香「どうぞどうぞ」
やよい「あーん……」パクッ
やよい「…………」コロコロ
春香「それはミルク味なんだけど……どう?」
やよい「……はまーい……おいひいえふ!」
春香「ホントに! 良かったぁ。他にもいろいろあるからもっと食べていいよ」
やよい「はい! えふぇふぇ、すっごくおいひー」
春香「こらこら、ほっぺた膨らんでるよ」プニプニ
やよい「はわっ!?ひょっ、はうかはん……」
春香「おー、やよいのほっぺ柔らかーい。えへへ」プニプニ
やよい「……ほっ、はるかしゃん! あのですね!」
春香「……はいはい。何?」
やよい「あの……この飴少しだけ持って帰ってもいいですか? 弟達にも分けてあげたくて……」
春香「弟達に? もちろんいいよ! いっぱい持って帰っていいからね」
やよい「やった! ありがとうございます!」
春香「まってね……味そろえるから」ゴソゴソ
やよい「えへへー……このお財布になら入るかな?」
春香「えっ、お財布にしまって帰るつもりだったの……?」
やよい「はい! 大事なものはここに入れておくんです」
春香「……まあいいけど……はい、全部で12個」
やよい「ありがとうございまーす! ……入るかな?」ゴソゴソ
春香「……やよい、パンパンだよ」
やよい「大丈夫です……もう少し……」グイグイ
春香「……ああ、財布がだんだんまん丸に」
やよい「大丈夫です! いけます!」グイグイ
春香「あわわわ、やよいあんまり無理しないほうが……だってそのお財布」
やよい「もうちょっと……あとは口を閉めて……!」パチン!
春香「だいぶ使い込んでそうだし……」
やよい「……ふぅ、入った……」
ビリッ
チャリン…チャランチャリン
カランカラン…
やよい「あっ!!!」
春香「あっ」
やよい「……うぅ……はぅかさん……お財布に穴が……」
春香「どれどれ……うわー、パックリいっちゃってるね……」
やよい「どうしましょう、今日もお買い物で使うのに……」
春香「困ったね……」
やよい「…………私が欲張るから……ごめんなさいぃ……」
春香「欲張るって……今のは仕方ないよ」
やよい「…………」
春香「…………ほ、ほら! とりあえず直せそうだから直してみようか」
やよい「……直せますか……?」
春香「私に任せて!」
春香「小鳥さんから衣装直し用の針と糸、あとは補強用のテープをもらってきたよ」
やよい「な、直せますか……?」
春香「いいから見てて見てて」
やよい「…………」
春香「心配しなくていいよ、やよい」
やよい「……はい」
「いたっ!」
「だ、大丈夫ですか!?」
「いっつ!」
「うっ! は、春香さん血が……」
「あうっ!」
「は、春香さん! ああ! 指に! 指に!」
「あれ、痛くない……」
「春香さん! 皮だけに刺さってます!」
「わあ!? ホントだ!!」
春香「……はぁ、はぁ……あとはテープを……」ペタペタ
やよい「…………!」
春香「……やった! できた! ……指が……くぅぅ……」
やよい「は、春香さん! 大丈夫ですかっ!?」
春香「結構ダメージが……痛い……」
やよい「わ、私絆創膏もらってきますからっ!」ダッ
やよい「は、春香さん……痛いですか?」ペタペタ
春香「……ううん、もう大丈夫だよ。ありがと、やよい」
やよい「そんな、私こそ……」
春香「……はい! 直ったよ。時間かかったけど……あはは……」
やよい「……はるかさぁん……ありがとうございます……」
春香「なんのなんの、お安い御用だよ。……もう大丈夫そうかな?」
やよい「はい! えへへー……大事にしますね!」
春香「どういたしまして。でも……新しい財布に換えたほうがいいかもね」
やよい「うーん……どうしましょう。今お金ないですし……」
春香「あ……」
やよい「ためてるお小遣いを集めたら、新しいの買えるかも知れませんけど……」
春香「……そっか」
春香「…………なるほど」
>>43
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