元スレ勇者「俺は勇者様の影武者ですから」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
51 = 1 :
戦士「ふん、ざまあねえぜ」
戦士「ろくすっぽ戦ってない身じゃ、ここの瘴気はこたえるんだろうよ」
僧侶「えぇ、なんだか顔色も悪くなっていましたし」
僧侶「不謹慎ですが、少しいい気味だと思ってしまいました」
魔法使い「こんな時までボクらに悪態をつける根性は、さすがってとこだけどね」
魔法使い「ま、しばらくは大人しくなるだろうさ。闇の大地さまさまだ」
勇者「だけど勇者様のいうとおり、敵地でグズグズしてると勝率はどんどん下がる」
勇者「多少危険は増すが、明日からは進撃スピードを上げていこう!」
戦士「おう!」
魔法使い「了解!」
僧侶「はい!」
52 = 1 :
勇者パーティの戦いは、加速度的に過酷さを増していく。
戦士「なんだ、あのデカイのは!?」
勇者「ドラゴンだっ! 火を吹いてくるぞ、気をつけろっ!」
~
僧侶「すぐ毒を治療しますね!」パァァ…
勇者「あ、ありがとう……!」ヨロッ…
~
魔法使い「くそっ、なんで通用しないんだよ!」
勇者「あの怪物には魔法が通じないみたいだ! 無駄撃ちはよせっ!」
53 :
紫煙
54 = 1 :
戦士「くそったれ! 剣が通じねえ!」
勇者「敵の硬さが尋常じゃないからな……連撃でなく一撃で勝負するんだ!」
~
僧侶「ハァ、ハァ、ハァ……」ガクッ
勇者「回復呪文の唱えすぎか! みんな、なるべく傷を負わないよう戦ってくれ!」
~
魔法使い「しまった……魔力切れか……!」
勇者「ここは引き受ける! 一度下がって魔力を回復するんだ!」
55 :
一度影武者が何もかも奪われて復讐する展開燃えるな
56 = 1 :
<テント>
勇者「ただいま戻りました」ヨロッ…
真勇者「おう、ご苦労」
真勇者「さてと、今日の戦いについて聞かせてもらおうか」
勇者「はい」
僧侶「勇者様、ちょっと待って下さい!」
僧侶「今日は本当に激戦で……勇者さんは本当に疲れてて……」
戦士「休ませてやって下さい!」
魔法使い「ボクからも、お願いします!」
真勇者「…………」
58 = 1 :
真勇者「ダメだ」
魔法使い「なんでですか!?」
真勇者「いいか、貧民トリオ」
真勇者「俺はお前らよりコイツとの付き合いは長い」
真勇者「俺がガキの頃に、コイツは影武者として拾われ、育てられてきたんだからな」
真勇者「だから分かるんだよ」
真勇者「まだしゃべる元気ぐらい、残ってるよなぁ?」ニヤッ
勇者「はい、問題ありません」
戦士「そりゃアンタにいわれたら、断れねえからだろうが!」
真勇者「なんだその口の聞き方は」ギロッ
真勇者「俺がその気になれば、お前や実家に残された家族、落ちぶれさせるどころか」
真勇者「最上級の凶悪犯にだって仕立て上げられるんだぞ?」
戦士「い、いや……それだけは……」
59 = 1 :
勇者「……以上が今日の戦いの内容です」
真勇者「まったく魔族如きに手こずりやがって」
真勇者「まあいい、これで俺の“魔王討伐記”はますます充実する」
真勇者「リアリティ溢れる俺の物語に、感動する民衆が目に見えるようだ」
真勇者「さてと、それじゃ俺は自分のテントに戻るとしよう」
真勇者「じゃあな」ガサゴソ…
戦士「……くそっ!」
戦士「なんもしてねえくせに、偉そうに!」
戦士「いっつも超安全なテントで引きこもってる分際でよぉ!」
魔法使い「彼の場合、脅しが脅しじゃないからね」
魔法使い「にしても、今日は本当にひどかった。もう少しでボクが殴りかかってたよ」
僧侶「勇者さんもたまにはちゃんと断らないと……」
勇者「いや、いいんだよ」
勇者「俺は勇者様の影武者だから」
60 = 1 :
戦士「影武者、影武者ってよぉ!」
戦士「お前には自分の意志ってもんがねえのかよ!」
勇者「あるさ」
勇者「君たちがそれぞれ望みがあって、このパーティに加わったように」
勇者「俺が望むのは勇者様の影として、魔王を倒すことだけ」
勇者「本当にそれだけなんだ」
戦士「くっ……!」
戦士(すげぇ……すげぇよ、コイツ!)
僧侶(この人こそ、本当に勇者として称えられるべき人ですわ!)
魔法使い(勇者さんがいなきゃ、ボクらはここまで来れたかどうか……)
61 :
勇者が悪人の予感
62 :
なぜかこわい
63 = 1 :
そしてついに、来るべき日が訪れる。
<テント>
勇者「勇者様、明日いよいよ魔王城に突入します」
真勇者「お、やっとか」ゴロン…
真勇者「ようやく俺が魔王討伐の栄誉を勝ち取る時がきたか」
勇者「はい」
勇者「必ずや影武者として、魔王を倒してみせます!」
真勇者「よしよし、気合が入っているな」
真勇者「貧民トリオ。お前たち三人も、最後まできっちり仕事をこなせよ?」ニヤッ
戦士「はい……」
魔法使い「分かりました……」
僧侶「そうします……」
64 = 1 :
<魔王城>
ザンッ ズシャアッ!
門番「ギヤァエエェェ……」ドサァッ
戦士「ったく、門番ですらこのタフネスかよ……イヤになるぜ」
僧侶「いざ扉を前にすると、緊張しますね……」
魔法使い「うん、ここに入ったらもう後戻りはできない」
勇者「だけど大丈夫!」
勇者「ここまで来れた俺たちなら、必ず魔王を討ち取れる!」
勇者「行くぞっ!」
戦士「おうっ!」
魔法使い「了解っ!」
僧侶「はいっ!」
ギィィィィ…… バタン……!
66 = 1 :
戦士「トドメだぁっ!」
ズバァッ!
大悪魔「ギャアアアアアッ!」ボシュゥゥ…
勇者「よくやってくれた!」
~
僧侶「回復しました!」
勇者「ありがとう! ──うおおおおっ!」
ドシュッ!
闇騎士「ぐふっ……この吾輩を倒すとは……さすがは勇者……」ドサッ
~
魔法使い「魔力では劣っても、実戦経験なら負けない!」バッ
ズオアアアッ!
側近「ぐおおおおっ! 私が、魔法で敗れるとは……無念……!」ガクッ
勇者(ついに側近を倒した……残るは魔王だけだ!)
67 :
裏のありそうな社蓄影武者はともかく貧民トリオは報われて欲しい
68 :
追いついた
69 = 1 :
<魔王の部屋>
魔王「フハハハハハハ……!」
魔王「勇者よ、よくぞここまでたどり着いた」
魔王「さすがはかつてワシを倒した勇者の血を引きし者、といったところか」
勇者「…………」
戦士「──そうだ! コイツは勇者の血を引く男なんだ!」
勇者「!」
戦士「お前なんか敵じゃねえぜ!」
魔法使い「そうだ! 今こそ伝説を再現してやる!」
僧侶「覚悟なさい、魔王!」
魔王「威勢のいい人間どもだ……あの死闘を思い出す。よかろう、来い!」
勇者「行くぞ、魔王っ!」
70 = 55 :
盛り上がってきた
71 = 1 :
勇者「はああああっ!」ダッ
戦士「うおりゃあっ!」ダッ
ガキンッ! ギィンッ! ギンッ!
勇者「くっ……!?」
戦士「なんだ、あのマントは!? 全然剣が効かねえ!」
魔王「フハハハハ、勇者よ! この程度か!? 期待外れもいいところだな!」
ズオアアアアッ!
強烈な衝撃波で、勇者と戦士が吹き飛ばされる。
勇者「うぐっ……!」ドサッ
戦士「ぐあああっ!」ズダンッ
僧侶「すぐ回復します!」
72 = 1 :
魔法使い「喰らえっ!」
ボワァッ!
魔王「笑止!」バシュッ
戦士「ちっ……魔法も手で弾かれちまうか!」
魔法使い「いや……ちょっと待って」ボソッ
魔法使い「なんで剣も通じないあのマントがあるのに、ボクの魔法は手で弾いたんだろ」
戦士「そういや……たしかに」
僧侶「なるほど……もしかしてあのマントは魔法に弱いのかもしれませんね」
魔法使い「弱いとはいかなくとも、効くってことはまちがいなさそうだ」
魔法使い「だったら──」
魔法使い「ボクの魔力をありったけ、全てブチ込んでやれば、マントを破れるかも!」
74 = 36 :
え
75 = 1 :
勇者「分かった、君が魔力を解放するまでの時間、俺たちで稼ぐっ!」
勇者「行くぞっ!」ダッ
戦士「おうっ!」ダッ
魔王「バカめ、キサマらの剣など通用せんわっ!」
ガンッ! ガギンッ! ギィンッ! ゴッ! ガァンッ!
勇者「まだだっ!」
戦士「うおりゃあっ!」
ギンッ! ゴッ! バギンッ! ガキッ! ギィンッ!
魔王「無駄だというのが分からぬか!」
バキィッ!
勇者「がっ……!」ドサッ
76 = 1 :
魔王「今トドメをくれてやる!」
ビィッ!
魔王の指から光線が放たれる。
ドシュッ!
戦士「ぐおっ……!」
勇者「戦士!」
戦士「へっ……こういう時お前をかばうのが……俺の仕事だろ?」ドサッ
魔王「つまらぬマネを……次こそ勇者を──」バッ
魔法使い「残念、今度はこっちの番だ!」
魔法使いが両手に集めた全魔力を、魔王めがけて叩き込む。
ズドォォンッ!
魔王「しまった、ワシのマントが……!」ボロッ…
魔法使い「へへ、ざまあ……みろ……」ガクッ
僧侶「決めて下さいっ!」
77 = 38 :
熱い展開いいね
78 = 1 :
勇者「うおおおりゃあああああっ!!!」
魔王「おのれぇぇぇっ!!!」
ザ ン ッ
勇者(や、やった……!)
魔王「ぐ、は……!」
魔王「このワシが……やられる、とは……!」
魔王「さす、がは……勇者の血を引きし者……」
80 = 68 :
普通に魔王倒すSSって珍しいな
81 = 1 :
魔王「……といいたいが」
魔王「この剣閃……キサマ、かつての勇者の子孫ではないな?」
勇者「……ああ」
勇者「俺は勇者じゃない」
勇者「俺は……勇者様の影武者だからな」
魔王「やはり、な……」
魔王「だが……キサマもまた、紛れもなき勇者、よ……」
魔王「こ、のワシを……倒したの……だからな……」
ついに勇者の手によって、魔王は再び消滅した──
82 = 55 :
確かに最初の勇者は血も何もなかったんだから、倒せてもおかしくないよな
急に勇者末裔じゃないと倒せないってなっても納得できない
83 :
道中怠惰な生活してた真と闘いに身をおいていた勇者じゃ外見別人になってそう
84 :
>>82
最初の奴は光の波動的な何かを持った突然変異だったんだよ
85 :
勇者は血筋じゃなくて「勇気ある者」だからな
そういう意味ではDQ3が本当の勇者で、以後は世襲なんだよな
86 = 1 :
戦士「や、やった……!」
戦士「俺たち、やったんだ!」
戦士「俺たち、ついに魔王を倒したんだ!」
魔法使い「うん、ボクたちの勝ちさ!」
魔法使い「それにしても、さすがは勇者さんだ」
魔法使い「あの恐るべき魔王を、まさに一刀両断しちゃったんだからね」
僧侶「あらあら、皆さん」
僧侶「回復しないうちにあまりはしゃぐと、傷が開いてしまいますよ」フフッ
僧侶「でも……この一年余りの旅が、これでようやく終わりを告げたのですね……」
87 = 50 :
>>82
ドラクエ的に言うと3と6は血筋があんまり強くない主人公だな
3は親父が勇者だっただけ、6は王子で勇者の適性が他と比べて高いくらいだし
88 = 55 :
>>84
でも突然変異って血で受け継がれなくね?
89 = 61 :
>>88
進化
90 :
>>87
6が血筋強くないなら5もじゃないの?
7はどうなんだろ
伝説の海賊と王女の息子だっけ?
91 = 1 :
勇者「みんな!」
勇者「魔王を打倒できたのは、紛れもなくみんなのおかげだ!」
戦士「なにいってんだ、お前のおかげだよ」
魔法使い「勇者さんの勇気があったから、ボクらはここまで戦えたんだ!」
僧侶「本当にお疲れ様でした……」
勇者「ありがとう……!」
勇者「これで勇者様もお喜びになるだろう!」
勇者「さあみんな、報告のために外のテントに戻ろう!」
戦士「……ああ」
魔法使い「そうだね……」
僧侶「戻りましょうか……」
92 :
テンションの差がwww
93 = 50 :
>>90
天空編は6→4→5の流れ
4と5は血筋から勇者が生まれることになってる
94 = 61 :
ここから人死にがでる展開か
95 = 38 :
はてさて
96 = 1 :
<テント>
真勇者「ついにやったか、ボンクラども!」
真勇者「もっともお前らがもっとしっかりしてれば」
真勇者「こんな長い旅にならずに済んだだろうがな」
真勇者「わざわざこんな地の果てまでついてきた俺に、大いに感謝しろよ!」
勇者「本当にありがとうございました、勇者様」
戦士「…………」
魔法使い「…………」
僧侶「…………」
真勇者「さて、と」
真勇者「貧民トリオ、お前たちには最後の仕事が残っていたよな」
真勇者「この影武者──ニセ勇者をお前らの手で殺せ」
97 = 90 :
>>93
主人公は勇者の血引いてないやん
98 = 1 :
真勇者「コイツを生かしておくと、自分が魔王を倒したと吹聴する恐れがある」
真勇者「この世に勇者は二人もいらないからな」
真勇者「旅立つ前に説明したが、コイツを殺すまでがお前ら三人の仕事だ」
真勇者「コイツをこの場で殺せば、お前たちには約束の報酬を与えてやろう!」
真勇者「一生遊んで暮らせるほどの金をな!」
戦士「…………」
魔法使い「…………」
僧侶「…………」
真勇者「さあ、やれ!」
勇者「なるほど、これがあなたの計画だったというわけですか……!」
真勇者「そういうことだ」ニヤッ
99 = 50 :
>>97
んー、なんだろね
勇者は血筋で受け継がれてくんじゃなくて天空人ってのと人間(5は神の民)の血が混ざると勇者になるんだ
45と6の世界は6のエンディングで切り分けられちゃったみたいだから6との接点はあんまりない
わかりづらくてスマソ
スレチだからそろそろ黙るよ
100 = 68 :
どうなる
みんなの評価 : ★★
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